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Itazu Litho-Grafik イタヅ・リトグラフィック

作家との共同作業から生まれた工房特製エディションワークを制作販売

いちおしアート

工房ガイド

リトグラフの魅力

イタヅ・リトグラフィック プリンターに聞く 板津 悟氏



イタヅ・リトグラフィック  板津 悟
58年、岐阜生まれ。21歳で渡米、最初シアトルの大学で絵を学ぶが、その後プリンターに転向。当時リトグラフのプリンター養成工房としてはアメリカ随一と言われていた、タマリンド石版画研究所に入る。その後日本に帰国、87年に「イタヅ・リトグラフィック(Itazu Litho-Grafik)」を設立する。以後、国内・海外の作家と共同により、数多くの作品を制作している。

もともとアメリカで絵を勉強していたんですが、あるとき版画工房の人から誘われて仕事を手伝ってみないかと言われたのがこの道に入るきっかけです。それからタマリンドという、60年代にケネス・タイラー(ニューヨークで86年に版画工房、タイラー・グラフィックスを起ち上げ、アメリカ美術界に一躍版画ブームを巻き起こした人物。フランク・ステラ、デヴィッド・ホックニー、ジェームズ・ローゼンクイストなど名だたるアーティストが彼の工房で制作し、アメリカ現代版画の代表的作品と呼ばれているものが多い)をはじめとして、名プリンターを数々輩出したことで知られる版画工房でプリンター修業をしました。その後、日本に戻って自分の工房「イタヅ・リトグラフィック」を設立しました。
タマリンドには当時世界中から人が来ていましたが、日本人でも私のほかに、故・池田満寿夫さんのプリンターだった石橋泰敏氏や、サム・フランシスのプリントを手がけた高月 仁氏などがいますね。

アメリカでは版画工房はただ刷るだけじゃなく、作品の版元でもあることが多いんです。だから私の工房でも、作家を見つけるところから始めて、一緒になって作品をつくり、その販売も行っています。

リトグラフというのは、絵の持つ力そのままを版画にすることのできる版種なんです。つまるところ、クレヨン一本の勝負というか。木版やエッチングなど凹凸をつくるのと違って、平らな版にクレヨンで描いたそのものが絵として仕上がってくるわけですから、(技法説明はこちらのページ参照)描いた絵自体に魅力がなければ、いいものにはならない。

プリンターは作家がしたいと思うことに少しでも近づけてあげる、そんな仕事なのです。 だから必ず作家と話しながら作品はつくっていきます。

日本では、マーケットの中でまだそれほど版画の、アートとしての価値が浸透していないですね。けれども海外では有名な画家は版画も手がけていることが多いですし、ギャラリーもオリジナル・エディションといって、作家に版画をつくらせて販売しているケースが少なくありません。

またそれは本物のアートとして流通していながらも、比較的気軽に買いやすいタイプの作品でもあるからです。自由が丘にあるTime& Styleという家具ショップで、そこで扱うオリジナル家具とコーディネートして、私のところの版画が掛けてあり買えるようにもなっています。そうしたところからも生活に身近なところにあるアートだと感じていただけるのではないかと思います。

作家と一緒に作品をつくっていけるのがこの仕事の一番の醍醐味ですが、刷りあがったばかりの版画をプレス機から剥がすときの緊張感、それは作家にとってもこの共同制作の何よりの楽しみだと思いますね。

(インタビュー・構成=安田洋平)

工房アドレス

イタヅ・リトグラフィック
〒182-0017東京都調布市深大寺元町 4-36-3, tel/fax: 042-489-2383
http://www.annie.ne.jp/~itazu/