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nca | nichido contemporary art

アートとは社会に影響を与え、さらに”今の自分”を見つけるための鏡のようなものです。

いちおしアート

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ギャラリストインタビュー

長谷川 暁子さん 一問一答形式によるインタビュー

© 村上 未知
Q. 日動画廊はコンテンポラリー・アートを扱う部門として、2001年にnca | nichido contemporary artを立ち上げました。ギャラリー運営で難しいのは、どんな点ですか。
A. この商売は、“人”で成り立つビジネスなので、作家との信頼関係を構築して継続していくのがポイントですね。作家の作品のクオリティを守っていくことが大切です。
Q. コンテンポラリーという性格上、若い世代のアーティストが多いかと思います。付き合い方のコツは。
A. アーティスト側に寄りすぎてもいけませんし、一方で、アーティストの満足度も高めてあげなければいけません。バランス感覚を持つことでしょうか。
Q. ncaの取り扱い作家は海外アーティストが多いですが、日本人の方はいかがですか?
A. 越中正人と小林且典を取り扱っています。日本人の作家も増やして行きたいです。ただ、現在の画廊の規模からいって20人前後がしっかりケアできる作家の数ですね。
Q. 長谷川さんが注目している海外のギャラリーは?
A. いろいろありますが、ロンドンにあるEmily Tsingou GalleryオーナーのEmilyはとてもバランス感覚に優れた人で、同じ女性のギャラリストとして注目しています。彼女は妊娠中も大きなお腹を抱えながら元気に働いていて、ギャラリストとしても、また一人の女性としても尊敬できる。アートと共に人生を楽しんでいる人です。
Q. コンテンポラリー・アートは「難しい」「よくわからない」といった反応を持たれる方もいらっしゃいますが、どうしたらアートを楽しめるのでしょう。
A. 一見しただけではよくわからない。ということは、そこから「知る喜び」を得られるということです。「これは何だろう?」と関心を持って、その中にあるものを探るという知的好奇心の旅ですね。「どのアートを買っていいかわからない」という場合も、自分が気に入った作品を選べばいいのです。そしてできるだけ長く持って欲しい。コンテンポラリー・アートの作品は次世代につなぐべきもので、作品を持つというのは、その歴史がつくられる過程のなかである一定期間預かることです。
Q. ncaは写真作品が多いのですが、それはなぜでしょう?
A. 日本ではまだ評価が行き渡っていないですが、写真は現代の建築空間に見事にはまりますので、これからもっと生活の中に浸透してくると思います。祖父が日動画廊を立ち上げたのは、ちょうど田園調布に洋風住宅が建ち始めた頃。洋風住宅には洋画が合うので、そうしたお家を見つけては折り込み広告を入れていたようです。私は「アートを飾る」というのは生活のクオリティや文化度を上げることだと思うので、今の時代は写真作品を飾って楽しんで欲しいですね。私の部屋にも写真作品は多く飾ってありますよ。ベッドに横になると、目の前の壁にギャリー・ファビアン・ミラーの、海の風景を抽象的に描いた写真作品があり、それを見ながら眠りにつくのです。とても心が落ち着きます。他にも、風水にちなんで同じくギャリー・ファビアン・ミラーの黄色い作品を西の方角に、スーザン・ダージェスの縦長の作品は柱に飾ったり…。飾って楽しむ、知って楽しむ、ということをお伝えしていきたいですね。
−−最後に、タグボートへのメッセージをお願いします。
アートを見る目を養うためには、いいものをたくさん見ることが大切です。現代アートに限らず、古いものでもミュージアムクラスの一級品を見たり、ジャンルは違うけれど素晴らしい音楽を聴いたり、美味しいお料理を頂くなど、「いいもの」に触れて感性を磨くことが大切です。タグボートのサイトを通じて、皆様の感性の琴線に触れるような作品をたくさんご紹介していきたいと考えています。