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シュウゴアーツ SHUGOARTS

現代美術の面白さは、「今生きている人たち」が作り出していることです。

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シュウゴアーツ 佐谷周吾氏インタビュー

佐谷周吾氏
─―ギャラリーの成り立ちや取り扱っていらっしゃるアーティスト について教えてください。
私はもともと音楽が好きで、学生時代は音楽に関わる仕事がしたいと思っていましたが、断念して最初の仕事は会社員をしていました。しかし父が経営する佐谷画廊にスタッフとして入ったことがきっかけとなり、アートに深く関わるようになったのです。 直接的には画廊のオープニングパーティーで、いろんなアーティストとじかに接して楽しかったことがきっかけになっていますね。 ただしそれ以前に学校でアートを専門に学んでいたというわけではなかったので、この仕事を始める前にヨーロッパとアメリカを3カ月かけて旅して、さまざまな美術館を訪れては、クラシックな作品からコンテンポラリーまで見られるだけ見て回りました。

佐谷画廊ではたくさんの作家たちと巡り合い、また展覧会の企画を行いました。中でも小林正人氏は私が企画を手がけるようになって、最も古いつきあいであり、もう20年になります。森村泰昌氏とは彼の初期のセルフポートレート、「絵画になった私 肖像(ゴッホ)」を私が購入して以来ですから、 やはりもう長いですね。今では森村さんはニューヨーク、パリ、マドリッドなどでも個展を行う国際的な作家として知られていますが、また新作ができあがってきたところなので私のギャラリーでもいずれ展覧会を行う予定です。海外の作家では、たとえばヤン・ファーブル。 彼とは94年の個展以来ですね。また先日森美術館(六本木)で大規模な個展を行ったイリヤ・カバコフはもともとヤンが紹介してくれたのがきっかけです。こうした出会いが数々あり、現在にいたるまで私のギャラリーの大事な取り扱い作家となっています。

佐谷画廊を辞め、独立して現在のシュウゴアーツを始めたのが2001年のことです。現在ギャラリーを構える新川の倉庫には2003年に移ってきましたが、ギャラリー以外に小山登美夫ギャラリー、タカイシイギャラリー、ギャラリー小柳も入っていて、大変気に入っています。お互いに違う個性ですが、いい意味で競い合う間柄です。

シュウゴアーツになって、海外のアートフェアにもいくつか出展するようになりました。最初に参加したバーゼル・アートフェアでは、 そのとき出品したタイ人アーティストのナウィン・ラウンチャイクンがバロワーズ賞を受賞しています。またマドリッドのアートフェア「ARCO」やイタリア・トリノのアートフェアなどにも参加しました。 昨年のバーゼルには、森村泰昌と丸山直文の作品を持っていきましたが、二人とも海外の人たちによく売れました。 丸山直文の作品はこれまで海外ではスイス、イタリア、ドイツ、フランス、イギリスのコレクターに売りました。 彼は今後もっと海外で活躍の機会を増やしていく作家だと思っています。
店主のこだわりということで言えば、私のモットーは、「美術は多面体」です。こういうものでなきゃいけない、ではなく、こういう表現もあるという面白さを伝えたいと思っています。見たこともないものを常に提供する、そんなギャラリーであり続けたいですね。
―─今回のタグボート出店にあたってのメッセージがあれば教えてください。
これまで日本で現代美術は限られた層でのみ流通してきたところがありましたが、これからはもっと普段の生活の中での「目の喜び」の一つとして、カジュアルに楽しむ人たちが増えていく時代になっていくはず。なのでタグボートのようにしてアートを生活の中に取り入れるための選択肢が増えていくことは非常に良いと思いますね。「自分の家に何か絵を飾りたい」というのは自然な感情。もちろん、古美術から現代美術まで選択は自由なわけですが、アンティークな美術とコンテンポラリーを例にとれば、その一番の違いは「つくった人が生きている」ということです。今に生きているアーティストがつくるものの良さを感じてもらえたらと思いますね。