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タクロウソメヤコンテンポラリーアート

あらゆるフォーミュラから自由なのが美術

いちおしアート

ギャラリーガイド

ギャラリストインタビュー

−−まずは、染谷さんがアート業界にはいるきっかけを教えていただけますか。
私はもともと、映像制作、今で言うビデオアートをおこなっていました。
自分が制作をしていた1990年代中頃は、民生用のデジタルビデオカメラとPCでのノンリニア編集が可能となり、個人が映像をパーソナルに処理できるようになりはじめる時期でした。プロダクションレベルでも統合型映像処理システムの登場で映像表現が飛躍したときです。
当時は、ビル・ヴィオラ、ゲイリー・ヒル、ダグラス・ゴードン、ダグ・エイケンらの作品に影響を受けつつ制作を続けていました。
そういった活動をしていくうちに、自分が作品をつくるより、作家たちの創りだす動向の面白さの方に強い興味があることに気づき、美術を社会へと還元するプラットフォームとしてのギャラリー機能に自然と注目するようになりました。
美術を職業に選んだのは、あらゆるフォーミュラから自由なのが美術と考えているからです。私たちの価値観を先導するインフラ的な振る舞いに魅力を感じています。
−−若手のユニークな作家を揃えるタクロウソメヤコンテンポラリーアートさんですが、染谷さんの作家選定の判断基準は?
第1に、映像的な作品であることです。
たとえばペインティングや彫刻であっても、背景に流れを感じさせるような作品です。自分が映像に関わっていた事もあるからかもしれませんね。
第2に、壮大さです。
単純な作品の大きさではなくて、スケールが大きいことに繋げる潜在能力です。以前勤めていたギャラリーでもそういった作家との仕事が日常的にされていたことにも影響を受けています。パッシブではなくアクティブに作品を制作する姿勢かもしれません。私自身もささやかなものより壮大なものに憧れるので(笑)。
第3には、先端性です。
−−永続性を重視するアートとは逆の考えであるようですが?
最先端は、流行とは違います。
私は、新しいメディアや技術といったことに興味がありますが、そういった新しい手段を生み出し、それがいずれ定着して、メインストリームになるだろうことを目指して生まれているものに惹かれます。変革をもたらす裏づけがあって生まれたものです。たとえ叶わなくても、そのものとしての記録は残りますし。
そして、最近気になっているテーマに気品ということがあります。
これは、今後もっと探求してゆきたいテーマで、人間味や彩なども含めて、視覚的に大きなメッセージをもっていると考えています。開かれた作品には特に必要だと感じています。
−−染谷さんは、どうやって作家を見つけるのですか?
普通に大学の卒業制作やコンペなども実際に行きます。別のアーティストやコレクターの方から紹介されることも多いです。あとは、アートに限らず、気になる動きをしている方の意見を聞くこともあります。
それと、今は作家が自分でサイトを作っている事が多いので、ネットもチェックします。「ネットで作品がわかるのか?」と思われるかもしれませんが、作品は勿論ですが、サイトのつくりがちゃんとしているかを見ています。サイトのつくりがしっかりしているということは、プレゼンテーション能力の高さを意味しますから。
−−若手世代として台頭・ご活躍されている染谷さんが、ご自分ならではと思っていらっしゃる強みを教えてください。
私は、映像とともに、90年代初頭からネットによる趨勢を、ビジネスや思想の面から支える方々と環境を共にするなどして、情報化によって価値観や意識の変遷を仕組みからも理解できる点があります。なので、これから出てくる新しいアートの動向に対して感覚的な理解が可能です。解釈が早いと思っています。
−−インターネットでアート作品を販売しているタグボートですが、それは、実際に作品を見て決めてもらうといった従来の売り方とは違っています。抵抗感はないですか?
ありません。
実際に作品を見てもらうことが一番ですが、ある程度の作品を見てきた経験をもとに、ディスプレイ上で作品を判断することは充分に可能な時期に来ていると考えています。自然なことです。タグボートは国内におけるこの分野のアーリーアダプターなので、日本のアートに対するリテラシーがより成熟すれば、非常に重要なサイトになるのではないでしょうか。
そもそも、コンテンポラリーをやっているのだから、一つの窓口としてWEBがあるのは当然だと思います。