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北海道立近代美術館水上武夫(みずかみたけお)館長からお話をうかがいました。
2005年7月21日、美術館館長室にて
Q:いつ開館されましたか?
1977年ですから今年開館28周年を迎えることになります。開館記念展の「ミュンヘン近代美術館」展は9万人以上の入館者があり、成功だったと聞いています。
Q:なぜミュンヘンだったのでしょう?
札幌がミュンヘンと姉妹都市の関係にあるからです。ミュンヘン、サッポロ、ミルウオーキーと昔サッポロビールが宣伝文句にしていました。その後は特にミュンヘン関連の展覧会は開催していません。でも一度カンディンスキー展は実現したいと思っています。
Q:水上館長は当時北海道新聞アメリカ支局長でいらしたわけですが、アメリカの美術館と日本の美術館の大きな違いについてうかがえますか?
観客動員数ですね。これは新聞社の役割の違いが影響しています。例えばワシントンのナショナルギャラリーで「フェルメール」展が開かれた際、地元のワシントン・ポストはもちろんですが、NYタイムスも1面から2面を割いて特集記事を載せていました。日本の場合、新聞社が展覧会を主催することが多いのですが、自社主催の展覧会は大々的に特集扱いつまり宣伝をするのは当然としても、他社主催の展覧会については全く触れないわけです。アメリカでは野球、バスケットボールといった人気スポーツだけでなく、スキーや陸上競技なども観客数が多いことには驚かされました。自分から何かを見るためにわざわざ出かけることが習慣になっているようです。札幌で大きなスキー大会があっても、観客は意外なほど多くありません。それと入館者の男女比かな。男性対女性が日本では2対8に対して、アメリカではほぼ5対5です。日本でも男性が美術館に来るようになれば、入館者数は一気に増大するはずです。
Q:道立近代美術館の年間の入館者数は?
平均して40万人です。これから60万から70万人にしたいですね。これはNYのホイットニー美術館の年間入館者数に匹敵します。自慢になりますが、美術館は札幌市内の観光施設利用者数のトップ10に常にランクされています。
Q:こんどのポップ・アート展(ベラルド・コレクション 流行するポップ・アート)は、出品の半数近くがアメリカ作品ですが、北海道ではまだあまり紹介されていないのでは?
そうですね、この展覧会をきっかけに若い人たちに来てもらいたいと思っています。現状は中年の女性が大多数を占めていますから。昨年北大の文学部と美術館教育のプログラムなど提携を始めたのですが、美術作品だけでなく美術館活動自体に関心をもつ学生が増えてきたのは良い傾向です。
Q:今後の抱負をお聞かせ願えますか?
やはり多くの人に利用していただきたいし、そのための努力をしていきたいと思います。旭川にある旭山動物園には年間100万人の人が訪れます。長期の構想をたてて、それを着実に実施してきた結果です。気軽に家族で美術館に行くためには、例えば、美術館のチケットをコンビニで買えるようにしたり、曜日や時間によって割引をするなど考えられます。展覧会ごとにそのときだけのチケットを作る必要もなくなるでしょう。昨年の台風直撃によって敷地内の樹木が100本近く倒れてしまいました。市民による記念植樹を募っているのですが少しずつ良い反応が出てきています。そういう形でも美術館との対話ができるようになることが重要ですし、今後の美術館発展の足がかりになればと考えています。
お忙しいところお時間いただきまして有難うございました。今度の展覧会が大勢の方に見ていただけることを期待しております。
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