今年のベネチアは笑える?!
今回、全体的な印象を一言で言えば、玉石混淆ということだろうか。特に目に付いたのは、「お笑い系」が多かったことである。
その中でもグッときたのは、イスラエル館のGuy Ben-Nerのビデオアート&オブジェ『Treehouse Kit』。そのストーリーとは−−ふと目が覚めると目の前には一本の木。よく見れば、幹には小さな引き出しが。その引き出しを開けると小さな工具が詰まっている。「おお、この木から家具を作ればいいのか」。静かにそう理解する男(Guy
Ben-Ner)は、次々と木から家具を作っていく。DIYショップやイケヤなどで手に入りそうな家具(椅子、テーブル、パラソル、ベッド)がバラバラにされ、組み合わさってできている「木」、そうそれこそが『Treehouse
Kit』なのだ。それを無表情と最小限の動作のみで組み立てていく男の姿は、私たちがナンセンス漫画のブームを経験した世代だからか、妙にツボにはまった。「『ハックルベリー・フィンの冒険』のようなアドベンチャーも、いまやキットで売られている時代よね」。そんなことを表現したかったどうかはわからないが、見飽きないビデオだった。
それから、とにかく目が点になった作品と言えば、ドイツ館。一歩館内に足を踏み入れたとたん、スーッと監視員が寄ってきて、「はあ〜、でぃすいずそーこんてんぽらりー、こんてんぽらりー、こんてんぽらりー(This is so contemporary)」とツーステップを踏みながら踊るのだ。歌い終わると、入場者数と思しき数字を言って、また静かになる。帰りがけには、難しい経済問題とアートの関係性について意見を求められるのだが、これが作品というから驚きだ。他にも、ロシア館では入場者が入ってくるとカウンターが作動し、スクリーン上の男女4人がだんだん前に動いてきて、最後に「どっひゃーん」と雪の上でひっくり返るという映像作品が。さらに韓国館では、アナウンサーがニュースを読んでいる映像を音節ごとに細切れにし、再度つなぎなおして、最初のニュースとはまるっきり無関係の内容にするという映像作品が紹介されていた。音節ごとにスーツが変わり、「このシャンプーで髪サラサラよ」と意味不明なことを喋るアナウンサーの姿がどうにも可笑しかった。 |
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| イスラエル館のGuy Ben-Nerによるビデオアート作品から。今回のビエンナーレではビデオアートの作品が非常に多かった印象がある。 |
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| ハンガリー館、Balazs Kicsinyの作品。 パジャマを着た潜水夫をかたどった彫刻。東欧の作品には、抱える問題の重さの中にもどこかユーモアのセンスが感じられた。 |
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