タグボート通信 Vol.15 |
懐かしいお方も忘れてはいけません。イギリス館のギルバート&ジョージ。すでに伝説?いやいやどうして、かつてのお下品さは影を潜めたものの、作品の醸し出す緊張感、エネルギーは十分で、ちょっと感動もの。それからアメリカ館では、エドワード・ルッシェの個展「帝国の推移」が行われていて、こちらも渋さ満点でした。 イタリア館には十分時間を 毎回、イタリア館とアルセナーレの会場は、一人のディレクターによる企画展が開催されるのだが、今年は別々のキュレーションに。しかも、この長いビエンナーレの歴史の中で、初の女性ディレクター(共にスペイン人)というから、少々驚いた。イタリア館のディレクターは、マリア・デ・コラル。テーマは「アートの経験」だ。お昼ご飯の前に見ちゃおうか、なんて思って入ったのだが、とにかく広い会場で全然出てこられなかった。 フランシス・ベーコン、アントニ・タピエスら巨匠のものから、タグボートでも取り扱いのあるトーマス・ルフといった人気の作家まで、幅広いジャンルの作品が集められているのだが、特にビデオアートが充実していた。これを堪能するには、時間と体力を温存して挑むべきだ。 アルセナーレは女性ばかり?! ここでいったん休憩。パスタをほおばり、シャンパンを飲んで優雅に昼食を済ませた後で、今度は造船所跡地であるアルセナーレ会場へ。こちらはローザ・マルティネス女史による「つねに少し先へ」というタイトルの企画展が行われている。女性ディレクターだからか、確実に女性アーティストの数が多く、あるいは女性をテーマにした作品が目立っていた。入って最初に度肝を抜かれたのは、巨大なシャンデリア。ミラノ・サローネで近年見かける、スワロフスキー(注:オーストリアのクリスタルブランド。昨今ゴージャス&アーティスティックなシャンデリアで注目を集めている)を彷彿とさせる見事な出来栄え。しかし近くに寄ってみれば、な、なんと女性が生理に使うタンポンで出来ている! ライティングの妙なのか、それともシャンデリアのカタチなのか、純粋に美しかった。その他にも、80年代半ばに誕生したという美術館のセクシズム(性差別主義)に抗議するアートユニット、Guerrilla Girlsのポスター作品や、インド人作家Subodh Guptaのシルバー・キッチンセットなど、女性をテーマにしたものが多かった。 |
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ビエンナーレ鑑賞を終えて パビリオンがない国の作家や、展示物のコンセプト上の理由から、街中の教会や美術館でもさまざまな企画展やイベントが行われていた。1日目を観光DAYにした私たちも、ちょっと渋く中世音楽のコンサートのイベントを堪能。古いお屋敷の中、心地よい風に吹かれながら聴く、いにしえの調べ。コンテンポラリーアートも刺激的だが、ここベネチアの歴史をアートと共に感じるのも、また格別である。コンサートの後には、クエリーニ・スタンパリア美術館で行われていたキキ・スミスの個展を鑑賞。この美術館、巨匠カルロ・スカルパによるリノベーションだったりと、姉も妹も偶然出会えた大物に、すっかり感動していた。 アート鑑賞は、実物に出会わなくては始まらない。お目当ての作品にひと目合うためにいそいそと出かけるのもいいし、偶然の出会いを楽しむのもいい。いずれにしても、ここベネチアが、2年に一度アートに染まるこの季節は、たまらなく魅力的である。笑いあり、懐かしさあり。51回目のビエンナーレも、アート・ラヴァーには、たまらない聖地であるに違いない。 |
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| Information 第51回ベネチア・ビエンナーレ 開催期間:2005年6月12日〜11月6日 開催時間:10:00〜18:00 休館日:ジャルディーニ会場・月休 アルセナーレ会場・火休 入場料:15ユーロ http://www.labiennale.org/en/index.html |
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ミラノ中央駅からサンタ・ルチア駅までイタリア国鉄で2時間40分〜3時間 時刻表はこちらでチェック http://www.trenitalia.com/en/index.html ベネチアでの交通: ベネチアは、島の中に縦横無尽に水路が張り巡らされた街。移動の基本は、ヴァポレットと呼ばれる水上バスか、徒歩。急ぎや荷物の多い時などには、水上タクシーも便利。ヴァポレットの停留場は、駅の目の前。ブースでチケットを買い、黄色い日付を刻印する機械にチケットを差し込んで、目的地に行く船に乗る。アルセナーレ会場には、1番。ジャルディーニ会場へは、1、42、43、51、52、62、61、82、Nの船が着く。 |
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ビエンナーレをじっくり堪能したいなら、会場近くのホテルを取るのもいい。今回泊まったホテルは、「Hotel Sant Elena Venezia」。中心街からは離れているが、ジャルディーニ会場へは徒歩圏内。修道院を改装したこのホテルには気持ちのいい中庭があり、静かでアート鑑賞の疲れを癒すのにもってこいのホテルと言えよう。おすすめです。 http://www.hotelsantelena.com/ |