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宮城勝規 子どもの姿を借りて表出する繊細で異端な“もののけ”たち
作品の魅力 作家プロフィール

プロフィール

宮城勝規
氏名:
宮城勝規
生年:
1963年2月2日
生地:
沖縄県生まれ
現住所:
東京都
座右の銘:
「孤独は連帯を制限する、連帯は孤独を堕落させる」スーザン・ソンタグ
最近感動したことは?
「ゴッホの手紙」岩波文庫(上・中・下)を読んで感動しました。
実は小学校の頃、ゴッホが好きだったのですが、ずっと忘れていて、ちょっと人に好きと言うにはベタかもしれないと躊躇していました。もの凄く好きだったわけでもなかったので、大勢の中の一人という感じで、記憶の片隅に追いやられていました。
6年ぐらい前にニューヨークに行ったとき、初めて本物のゴッホを見て、言葉に出来ないほど驚いた。日本の展覧会だと、どうしてもガラス越しであったり、暗かったりではっきりと見ることができない。多分、それだと感動は薄れてしまうかもしれない。20cm程近くに寄って絵の具の流れを見ていると、鳥肌が立ってきたんですよ。なんだか絵じゃなくって、生き物みたいでした。それからゴッホは自分の中で、特別な存在になっています。
この本を読んだきっかけは、小林秀雄の講演CDです。「個性とは己と戦って手に入れるもの」と小林秀雄は言う。己との戦いだったゴッホの人生。
本当に最後まで、みんなに受け入れてもらえる日が来ると信じて絵を描き続けたゴッホ。この本の中で、日本人のように生活して、日本人のような絵を描きたいと言うほどに浮世絵が大好きだったゴッホ。少しでもいいから、光を見せてあげたかったなぁ。ちょっと泣けました。
好きなアーティスト
伊藤若冲、ゴッホ、マルティン・ラミレス、サイ・トゥオンブリー、ロスコ、キキ・スミス、 カレン・キリムニック、マティス、ジオット、フランチェスカ、ローラ・オウエンス、ベックマン、 トーベ・ヤンソン、村瀬恭子、奈良美智、森山大道、中平卓馬、ウルフガング・ティルマンス、 ダニエル・ジョンストン、カーティス・メイフィールド、ジャッキー・ミットゥ、レイ・ハラカミ、 フィッシュマンズ、グレン・グールド、小林秀雄、内田百閨A南方熊楠、高野文子、小津安二郎、成瀬巳喜男、ジョン・カサテベス、アキ・カウリスマキ、ロマン・カチャーノフ、
まだまだ沢山います。
作品を通して追求したいこと・表現したいことは?
中沢新一の「イコノソフィア」に、「不可視の経験領域のことを、目に見える表現に接続し ようとする行為」という一節があります。自分がやろうとしていることは、こんな感じなのかもしれないと、この本を読んで気持ちを新たにしました。
昔からこんなふうに考えていたわけじゃないのですが、きっかけは、あの9・11のテロでした。あの時、アメリカがあんなに強烈は宗教国家だとは思っていなかった。一神教の窮屈さを初めて自覚した。
じゃ自分はどうなんだろう、と考えた時に、日本独特の宗教観が不思議と自然にリアルなものとして蘇ってきました。それは仏教でもあり、神道でもあり、土着信仰でもある自然観と宗教観。そうだよ、日本には八百万の神がいるんだよ。山には神がいて、樹に精霊が宿り、神と物の怪の区別が無い、しごく魅力的な世界。もしかしたら、この世界観は豊かなのかもしれない。
そして、沖縄に生まれ育った、自分のルーツなのかもしれない。こんな世界を躊躇なく受け入れられるのは、日本人だけなんじゃないか、そう思うようになって、民俗学や民話などの本を、漁って読むようになりました。
さて、昔の人には物の怪が見えたのか?それは分からない。ただ、網膜で見ていたわけじゃないかもしれない。「眼」だけが、なにかを見る道具ではないのかもしれない。想像するに、心の眼で見ていたのでしょうか。「絵」は「眼」で見るものでありますが、「心」で見るものでもあります。「絵」を見るためには「心」を育てなければいけない。
心の問題を扱っているのだ、と今自覚して絵を描いています。自分の生きてきた足跡が、作品になるのだと思っています。日々を、丁寧に生きていく。地味ではあるけれど、近道はしちゃいけないと思う。寄り道が、自分を豊かにしてくれるのだから。 そんな毎日が、自分にとっての芸術であります。
タグボート読者に一言!
心が枯れてしまわないように、心にも栄養を。