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幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報

review:桝本佳子展 -パノラマ 陶の風景-《1/8、1/9》mirror

桝本佳子展 -パノラマ 陶の風景-

INAXガレリアセラミカ

東京都中央区京橋3-6-18 INAX:GINZA 2F

03-5250-6530

1/8(金)~2/2(火)日祝休

10:00~18:00

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Keiko Masumoto exhibiton -Panorama-

INAX GALERIA CERAMICA

3-6-18-2F,Kyobashi,Chuo-ku,Tokyo

03-5250-6530

1/8(Fri)-2/2(Tue) closed on Sunday and national holiday

10:00-18:00

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INAXガレリアセラミカでの桝本佳子さんの個展です。

陶芸本来のぬくもりと、ユーモア溢れる造形とが響き合って味わい深く、和やかな雰囲気も展示空間内を満たします。

これまでも主に京都で何度か作品を拝見し、その度に楽しい気分が心の中に膨んで思わず笑顔になって、そういうコミカルな風合いは今回ももちろん変わることなく。また直前に東京国立近代美術館・工芸館で開催されていた展覧会で桝本さんのこのスタイルでの初期の作品を目にしていたこともあり、もっとも新しい展示で、造形、アイデア共に進化を感じ取れるのもまた嬉しく思えた次第です。

入り口に立ってまず目に飛び込んでくる、壁面に飾られた作品。

飛び立つ雀の一群の清々しさと、そこに巧みに青い絵皿を織り交ぜ、いかにも桝本さんらしい展開に一気に楽しく和やかな気分が心が満たします。

こうやって壁掛けで展示されているのですが、使い勝手は些か宜しくなさそうでも、ちゃんとお皿としても使用できるように出来ている辺りが心憎かったりもします。

羽を広げる雀たち、絵皿のほんのりとした青は空のようにも、また眼下の水面のようにも思えたりして...。そうやって情景に思いを馳せて、一方ではこのお皿に刺身が盛りつけられた様子など、いろんな方向への想像に広がりがもたらされるのもまた楽しいんです。

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松が壷を貫く!

ふっくらと丸く膨らむ壷のどっしりとした姿と、そこに突っ込まれる太い松の枝株。ふたつの空間が交錯する様子は、その状況を深く考えてみて相当にアグレッシブな展開が繰り広げられているように思える一方で、陶芸の質感からか、滋味が滲んできてじんわりとその佇まいに、心持ちもゆったりとしてきます。

また、壷の表面に垂れる顔料が醸し出す渋み、さらに松の葉の部分にひっそりと施される紋様など、気付くことと気付かされること、その両面から痛快でまろやかな刺激も受ける次第です。

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長い瓶壷と小型船舶との交錯。さらにダイナミックな展開に圧倒されます。

さすがにこちらは実際に実用として立てるのには勇気がいりそうですが(案外どっしり立ちそうな気もしますが)、ともかく、横たわる瓶壷自体がひとつの時空を現しているようにも思え、そこからぬうっと姿を現す小型の船舶、あたかも異空間から「お帰りなさい」的な印象も脳裏に浮かんだり。。。

船舶はスクリューや浮き輪などのディテールもていねいに再現されていて、この造形自体も好奇心を刺激してくれます。

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今回の展示で特に興味深かったのが、一列に並べられ、回転するちいさな台それぞれに置かれた壷型の造形。

それぞれはある別の造形がぎゅっとこのかたちに押し込められたような印象で、その造形の窮屈さと元のかたちを残しつつも相当に歪まされた様子から妖し気な気配感が緩やかに溢れ出ているように思えます。妖しい一方でやはりそこはかとなく滑稽な味わいも醸し出しているように感じられます。

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奥に並ぶのも、壷の形状に、鶴がいる光景がカットされたような造形が面白い雰囲気を醸し出している作品。

佇む2羽の鶴の凛とした姿、しかしそこ置かれた(ように思える)壷の形状そのままにその姿はえぐり取られ、壷の表面部分の絵がそこにあったりと、ふたつの空間の交錯の提示としては他の展開と比較しても相当にシャープな切れ味を感じます。加えて壷の絵や、鶴の羽毛部分に施されるパターンのグラフィカルな面白さなど、造形のインパクトに続いてさまざまな面白さにもどんどん気付かされ、その単にふたつの空間が混ざり合った様子に留まらないユニークさに引き込まれていくんです。

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極まる遊び心。

壷や皿の部分では陶芸の王道を歩み、豊かなワビサビが感じられ、またそこに重なるモチーフは充分な再現性を備えていて、さらにいろんなアイデアや技が惜しみなく注ぎ込まれているようにも思えます。

ほっこりとして痛快さも堪らないこの造形、これからどんな情景が生み出されていくかも楽しみです。

~1/28のアート巡り mirror

■1/20 Wed

無人島プロダクション作家全員展「移動 ~無人島 in 高円寺での最初で最後のグループ展~」

無人島プロダクション

東京都杉並区高円寺南3-58-15 平間ビル3F

03-3313-2170

1/20(水)~2/20(土)2/11休

13:00~20:00

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無人島プロダクションでお馴染みのアーティストの作品が、ちいさな空間にところ狭しと配置されています。それぞれが結構強烈なキャラクターなので、それでも充分に翻弄させられるのが痛快です。

風間サチコさんの木版画の昭和風味であったり。八木良太さんのよくよく考えると虚をつかれたことに気付かされる映像インスタレーションなどなど。映像作品が多めなのも、賑やかな雰囲気をいっそう強めているように感じられます。

出津京子・地主麻衣子

Art Center Ongoing

東京都武蔵野市吉祥寺東町1-8-7

0422-26-8454 

1/20(水)~1/31(日)月火休

12:00~21:00

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出津京子さんのペインティングと地主麻衣子さんの映像作品。

出津さんは、大きな画面にダイナミックなタッチで描かれる人物のもってりと重々しい感じがなんともコミカルな印象で、それぞれの作品に添えられるテキストもまた痛快な気分をもり立ててくれます。

地主さんの映像は、淡々としたなかに唐突な驚きが。そして、その驚きに慣れる頃、語られるテキストの情景へも引き込まれていくんです。

■1/22 Fri

田島秀彦展「ありふれた素晴らしい日々」

Kenji Taki Gallery Tokyo

東京都新宿区西新宿3-18-2-102

03-3378-6051

1/16(土)~2/27(土)日月祝休

12:00~19:00

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タイル絵をモチーフに、それぞれの単位でさまざまな絵を描き、また繰り返しながらひとつの画面に相当の具体的な情報を挿入、そしてその上から射撃する戦艦や戦闘機などのシルエットが描かれる作品。前回の個展よりもさらに大きなサイズで、その分スケールも増し、タイルごとの絵が醸し出す不思議な関係性も一層複雑になって楽しく感じられます。唐突なモチーフが隣り合っていたり複数のタイルでひとつのパターンを展開しているなかにまったく関係なさそうなタイルが嵌め込まれていたりと、いろんなイマジネーションの刺激を受けます。

インスタレーションも。食卓を模し、テーブルの上に置かれる花瓶に挿されるプラスチックのランナーにシュールな印象を覚えつつ、ただひとつカサカサと蠢く黒い物体に一瞬怯みます。じっくり観るとディテールが案外かっこ良かったりするので厄介ですが(汗)。

ノー・モア・オルタナティブ

eitoeiko

東京都新宿区矢来町32-2 

03-6479-6923

12/23(水)~1/30(土)月火・12/28~1/8休

12:00~19:00

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さまざまなクリエイションがこのユニークな空間にパッケージされています。

なかでもいらはらみつみさんの漆作品に強く惹かれます。新聞のテレビ欄をシュレッダーにかけて出た屑を漆で固めた作品で、もりもりと有機的な全体像と、そのなかの細かい質感のギャップが面白く、また新聞でいちばん目にされ、しかし日を跨ぐともっとも虚無なページであるテレビ欄の成れの果て的な風合いもあり、折り込まれるさまざまな要素に興味を覚える次第です。

小西菜津子+丹澤和美 "sight to outsight"

Gallery Jin

東京都台東区谷中2-5-22 山岡ビル1F

03-5814-8118

1/9(土)~1/23(土)月火休

12:00~19:00(最終日:~17:00)

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丹澤和美さんの作品、薄墨ですらりと儚げに、しかしユーモラスさも醸し出しながら描き出されるさまざまなものの輪郭に温もりを感じます。

縮尺の解釈の豊かさ、小さいものを大きく描くやわらかな滑稽さ、大胆な空間性なども痛快です。

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小西菜津子さんの作品も空間性という展において実にユニークです。

敢えてすべてを描かない、背景の色彩の濃さと画面の仕上がりの美しさが何も描かれない空間に平面的なイメージをもたらし、ひっそりと描かれているモチーフ自体は線も配色も実にていねいだったりするので、そのギャップもいよいよ大きく、また独得の味わいを醸し出しているように思えます。

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ユニークな空間性はちいさな画面でも存分にその面白さを発揮しているように思えます。

不可侵の領域に画面の外側からうっかり侵入してしまったかのようなユーモラスな味わいもあって、この静謐な画面から得られるイメージの膨らみもまた痛快に思えます。

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鈴木友昌展

SCAI THE BATHHOUSE

東京都台東区谷中6-1-23 柏湯跡

03-3821-1144

1/22(金)~2/20(土)日月祝休

12:00~19:00

たった4体のちいさな木彫の立像。この日はレセプションでたくさんの人で展示空間が溢れていたのですが、それでも失せない凛とした佇まいと濃密な存在感。

そして観賞後にいろんなイメージが浮かんでくるんです。モチーフとなる人物と対峙し、いろんな話なども伺いながら制作されているというこの立像、手に持つさまざまなものなどが、モチーフとなった人物が大事にしているもののように思えてきて、その想いが立像それぞれへの共感を生んでいくようにも思えたり。

人が少ないときに、この展示がどんな表情を見せるか、もう一度伺えるのを楽しみにしているところです。

"Lucky Fortune" Artists from Yuka Sasahara Gallery & ZENSHI

ZENSHI/Yuka Sasahara Gallery

東京都千代田区神田岩本町4

03-6206-8078(ZENSHI)

03-6206-9590(Yuka Sasahara Gallery)

1/22(金)~2/27(土)日月火休

12:00~19:00

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Yuka Sasahara Gallery神楽坂から移転、昨年より現在の場所で運営されるZENSHIと同スペースを2010年よりシェアすることに。というわけで、このスペースのリスタート的な展覧会、両ギャラリーを彩る強烈な個性がガレージ風の空間に溢れています。

なかでも山元勝仁さんの腕時計を模した小品に惹かれた次第。立体的に組み上げられる紙の作品、山元さんの作品が持つかわいい一面が押し出されたような感じが楽しいです。

小池一馬「瞬き」

hpgrp GALLERY 東京

東京都渋谷区神宮前5-1-15 CHビルB1F

03-3797-1507

1/22(金)~2/19(金)月休

11:00~20:00

このところ精力的に個展を開催し作品を発表される小池一馬さん、今回は自身のシリーズのなかでもっとも新しいペインティングのみで構成されています。

最初に発表された時の抽象性の高さ、点描によるユニークなテクスチャーとやや透明がかる色調の独得な感じが興味深かった頃から考えると、相当なスピードでその画風を広げ、展開しているように感じられます。

いっそう強まる色彩、むしろ具象的になってきた画像、時に幾何学的にコントロールされるストロークといった具合で、その変化の力強さに加え、どんどん獲得していく確信も、今回発表されている作品の強度に転化しているように想えるのもまた痛快です。

力強いエネルギーに溢れる展覧会です。

NO MANS LAND 創造と破壊

@旧在日フランス大使館庁舎別館、屋外敷地

東京都港区南麻布4-11-44

11/26(木)~1/31(日)月火水・12/28~1/6休

木・日:10:00~18:00、金・土:10:00~22:00

2度目の訪問にして、ようやくメイんスペースの展示を一通り鑑賞。

さまざまなアーティストが各々の個性を発揮していて楽しいなか、松井えり菜さんのインスタレーションが、その世界観を濃密に再現していて痛快に感じられた次第です。床に置かれるドレスといい、画面が膨らんでパンパンに張っているかのようなペインティングといい、独得のシュールな雰囲気に接することができたのが何より嬉しいです。

■1/23 Sat

廣沢美波 "おもひでころころ"

Ai Kowada Gallery

東京都渋谷区恵比寿西2-8-11ー4F

1/23(土)~2/20(土)日月火休

12:00~19:00

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Ai Kowada Galleryのこけら落とし、ハッピーな雰囲気が印象的な空間がつくり出されています。

明るく軽やかな色彩感、ポップなモチーフが溢れるペインティングとドローイング、さらに手製のぬいぐるみもいっぱい置かれ、トイレにもさまざまな手が加えられてなんとも賑やかなインスタレーション。ふわふわとしてあったかい気配も印象に残っています。

FUTURE PRIMITIVE 池添彰/谷澤紗和子

MA2Gallery

東京都渋谷区恵比寿3-3-8

03-3444-1133

1/15(金)~2/13(土)日月祝休

12:00~19:00

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それぞれの作風の色彩感のコントラストが繊細な響きをもたらしているように思えます。

蓮をモチーフとした池添彰さんの不思議な妖婉さを潜ませるペインティング群と、ひたすら「白」にこだわって、儚げな気配をさまざまなメディアを通じて奏でる谷澤紗和子さん。このギャラリーらしい、紡がれる薄い気配感のなかに濃密なイマジネーションがていねいに配されているように感じられます。

ムラタ有子、花澤武夫、ピーター・マクドナルド、齋藤雄介 小品展

GALLERY SIDE2

東京都港区東麻布2-6-5 タトルビル1F

03-6229-3669

1/19(火)~2/6(土)日月祝休

11:00~19:00

今月末に開催されるアートフェア「G-Tokyo 2010」へ出展するアーティストの小品が、フェアより一足先に展示されています。

ムラタ有子さんのペインティング。

軽やかな色彩と、至近で眺めた時の濃密な絵の具の質感。変わらぬ魅力に溢れる作品は、それぞれが独得のメランコリックさやキュートさをさらに増しているように感じられます。ホントにいいです。

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花澤武夫さんの作品群、一部既発表作も含んでいますが、その独得のバックボーンと世界観とを俯瞰できてしまうような構成が興味深いです。

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タッチのバリエーションの豊富さにもあらためて惹かれ、ストレートな描写、そこに随所に忍ばされる妖しくてどこか斜に構えたような感じなど、展開される世界観の奥行きにも引き込まれます。

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齋藤雄介さんの作品も興味深いです。

艶やかに研磨される表面、そこにもたらされるうねるような色彩の波。

表層の提示の仕方もユニークで、抽象度の高い複雑な色彩の配置とそれぞれの色が持つ質感のギャップ、また画面の平滑性が、内省的な気配へと意識を引き込んでいきます。

かつ、表面に彫られる溝が描き出す女性のシルエットもポップな色香を醸し出しているように思えます。

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three「three is a magic number」

MEGUMI OGITA GALLERY Showcase

東京都中央区銀座5-4-14 銀成ビル4F

0-3 3571-9700

1/22(金)~2/6(土)日月祝休

12:00~19:00

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ギャラリーの真ん中には魚のかたちをした醤油入れ、そのひとつひとつのなかにさまざまな色が入っていてカラフルで、それが無数に立体物の表面を覆っているからなんとも不思議なグラフィカルワールドが。また樹脂製の人形を固めた作品もユニークな雰囲気を醸し出しています。

渡邊加奈子 木版画展 "Remains"

art data bank

東京都中央区銀座7-10-8 第5太陽ビル1F

03-3574-6771

1/15(金)~1/30(土)日祝休

11:00~19:00(最終日:~17:30)

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ガレリアグラフィカでの個展を拝見し、印象に残っている渡邊加奈子さんの木版画。

クールでシャープさも醸し出される光景に、女の子などのモチーフも作品によっては登場していて、これまでの硬質な気配の中にメランコリックな風合いももたらされていて、より艶かしく儚げな物語性が紡がれているように思えます。

絶妙な濃淡がとにかく美しく、味わい深いです。

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小清水漸 個展 -雪のひま-

東京画廊+BTAP

東京都中央区銀座8-10-5-7F

03-3571-1808

1/23(土)~2/20(土)日月祝休

11:00~19:00(土:~17:00)

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「もの派」の力強さ。

台の上に置かれる石、それだけで充分に「ある気配」が導き出されるあたりに思わず「渋い...」と唸らされた次第。

シンプルン行為が持つ強度についてさまざまな想いが過ります。

藤森詔子 個展

@Gallery銀座フォレスト

東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル507

03-3564-3564

1/18(月)~1/23(土)

12:30~19:00(最終日:~17:30)

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何ていうか、描かれる人物や情景を包む「気」の層の存在が感じられるような...なんとも独得の気配がていねいに紡がれているような描写に引き込まれます。モノトーンのものからカラフルな作品までさまざまな色調の小品が並び、それぞれが持つ濃密な雰囲気が印象的です。あらためて大きな画面でも拝見したいクリエイションです。

秋葉シスイ メロディーはない

gallery坂巻

東京都中央区京橋2-8-18 昭和ビルB2F

03-3563-1733

1/18(月)~1/30(土)日祝休

12:00~19:00

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これまでも折に触れて拝見している秋葉シスイ

堀込幸枝展

ギャラリー椿

東京都中央区京橋3-3-10 第1下村ビル1F

03-3281-7808

1/16(土)~1/30(土)日祝休

11:00~18:30

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瓶をモチーフに、幽玄な気配を巧みなグラデーションで創出するペインティング。実際に拝見するとまず、瓶というモチーフのせいか艶やかな絵肌のイメージでいると思いのほかドライなマチエルに意外な印象を受け、それを踏まえてあらためて拝見すると今度は予想よりしっとりとした風合いに惹かれたりと、独得の味わいがその都度もたらされるのも興味深いです。

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ひたすらていねいに紡がれる透明感。加えて淡く儚げな気配も印象的です。

大作から小品までさまざまなサイズの作品が並び、またそれぞれの色彩感も味わい深く、シンプルな静物画でありながら、幻想的な静謐感が緩やかに流れ出すような感じにも惹かれます。

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作品によっては瓶以外のモチーフも登場させたりとふわりとした遊び心もあったり、仄かなユーモアもそこかしこに灯っていて、それもまた嬉しく思えます。

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Nicolas Buffe

MEGUMI OGITA GALLERY

東京都中央区銀座2-16-12 銀座大塚ビルB1

03-3248-3405

1/12(火)~2/6(土)日月祝休

11:00~19:00

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まずはMEGUMI OGITA GALLERYの新たな空間が持つスケールに圧倒され、呆然とさせられた次第。これまでのコンパクトな空間から一転し、床面積に加え充分な天井高も確保され、相当に広々としてダイナミックな空間に嬉しくなり、今後への期待も高まります。

その広い壁面が黒で包み込まれ、そこに白の線で描かれるさまざまなモチーフ。ある昔の西洋の時空へと引き込まれたかのような雰囲気が楽しく、またグラフィティ的なポップな味わいもまた痛快に感じられます。

ラファエル・ローゼンダール "I'm good"

Takuro Someya Contemporary Art/Tokyo

東京都中央区築地1-5-11 築地KBビル1F

03-6278-0136

1/23(土)~2/20(土)日月祝休

12:00~19:00

ウェブサイト上に発表される作品、インタラクティブな要素も備えつつ、楽しい映像がこの空間のそこかしこで上映され、シャープな情景とダイナミックな動きとマウスを使ってもたらす変化に引き込まれます。

また併せてエスキース的なドローイングもずらりと展示され、その過程が提示されていることにも興味を覚えます。

前田圭介「the patchery」

hiromiyoshii [main space]

東京都江東区清澄1-3-2-6F

03-5620-0555

1/16(土)~2/13(土)日月祝休

12:00~19:00

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俯瞰して、そこに並ぶ作品群の関係性がどんどん表出し、脳内で関連づいていく過程がとにかく堪らない。。。

女の子が「カモメのジョナサン」の本を読む、そのひとつの場面に交錯するさまざまな瞬間、それらが複雑な時系列で提示され、また切り取られる情景も本の中のものなのか挿絵や表紙なのか...1点1点の絵は実に見事な描写で単体として圧倒的な美しさを放ち、しかしすべての作品の存在が1点ずつの作品の存在をより強く濃いものにしているように思えるのも印象深いです。

石森五朗 Possibility of tranlation

hiromiyoshii [small space]

東京都江東区清澄1-3-2-6F

03-5620-0555

1/16(土)~2/13(土)日月祝休

12:00~19:00

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さまざまな柄のプリントが入った布を支持体に採用し、そこに力強くて時おり艶かしくスリリングな風合いを醸し出す筆致でバラエティに富んだ場面が描き出されたペインティングがちいさな空間に詰め込まれるようにして展示され、空間全体の雰囲気とともに、その濃厚な気配に沈むような感覚が印象に残っています。ひとつひとつの作品を眺めてそれぞれが持つ味わい、ダークな臨場感にも深みを感じます。

東義孝「Dilemma」

hiromiyoshii [small space]

東京都江東区清澄1-3-2-6F

03-5620-0555

1/16(土)~2/13(土)日月祝休

12:00~19:00

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女性のシルエットなど、さまざまなモチーフのなかにさまざまな要素を描き込み、その要素の関係性がユニークな物語性を思い起こさせる感じ、唐突さや滑稽さもふんだんに放たれつつ、壮大なスケール感、自在な時空のイメージなどがぐんぐんと分厚い物語の創出を促すような感じが楽しいです。一度引き込まれるといろんなものがどんどんそこに関連してきて、どんどんイメージが複雑になっていくのが痛快で、その深みにも大いに魅力を感じます。

金氏徹平 Recent Works "Post-Something"

ShugoArts

東京都江東区清澄1-3-2-5F

03-5621-6434

1/16(土)~2/27(土)日月祝休

12:00~19:00

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横浜美術館での個展と直前のGALLERY αMでの個展を経て始まった金氏徹平さんのShugoArtsでの個展、前者ふたつがそれまでの集大成的な構成で圧倒してきた印象だったのに対し、今回は新たな試みも散見され、しかし今までと同様ののびのびとした自由で気ままなスタンスを思い起こさせるのは変わらない、アットホームでウォームな雰囲気のなかに自然な感性によって生み出される深みがそこかしこから立ちのぼっているように思えるのが興味深いです。

何度か伺い、じっくりと対峙したいと思っています。

田根剛 "sur-impression"

TAKA ISHII GALLERY

東京都江東区清澄1-3-2-5F

03-5646-6050

1/16(土)~2/13(土)日月祝休

12:00~19:00

建築家の田根剛さんの個展、展示空間をふたつに分け、それぞれのスペースで1点ずつのインスタレーションが展開されています。

手前のさまざまな時計盤をプリントし、それをずらりと並べて時間の層を思い起こさせ深みを感じさせてくれるものと、大判のガラス板が斜めに立てて重ねられ、正面から覗くと自らの像が不思議な角度でふたつ重なって現れ、その澄んだ気配にメランコリックな雰囲気が感じられたことが、それぞれの空間への落とし込まれ方の美しさとともに印象に残っています。

山本剛史展

OギャラリーUP・S

東京都中央区銀座1-4-9 第一田村ビル3F

03-3567-7772

1/18(月)~1/24(日)

12:00~20:00(最終日:11:00~15:00)

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洋風建築をシャープな線描とパースで表現した銅版画。その硬質な画風と一切の隙を感じさせない、あたかも図面のような緻密で律儀な再現性におおいに惹かれた次第です。

■1/26

山口英紀

新生堂

東京都港区南青山5-4-30

03-3498-8383

1/27(水)~2/19(金)日祝休

11:00~18:00(最終日:~17:00)

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この日に展示の準備を。

2008年のULTRA001と昨年の小品で構成された個展を経て、今回の大作2点がメインとなる個展がいよいよ始まるとあり、気分も些か高ぶり気味で。

実際に展示を終えて、その重厚さにあらためて圧倒された次第です。この精緻な描写が水墨画であることの驚きはやはり変わらず。

大きな画面での迫力と水墨画特有の静謐館にしばし浸って、そしてそこにもたらされる巧みな表現の深みにも淡々と引き込まれる空間を創り出せたことにまずは満足しています。

■1/27

烏丸由美個展「ぼくたちの東京ストーリーズ。」

ミヅマ・アクション

東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F

03-3793-7931

1/27(水)~2/27(土)日月祝休(2/7開廊)

11:00~19:00

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烏丸由美さんの久々の個展、前回の個展で拝見した、現代の空気感を生々しく表出しているかのようなさまざまな場面を複雑で有機的、緻密な線描で色層分解し、そこにカラフルに色を配していく作品のうねるような色合いが印象に残っていますが、今回は作品よっては線の表出が抑えられ、色と色とが直に隣り合い、また用いられる色も比較的統一感があるように感じられて、ふわっとした膨らむような気配感がもたらされているように思われるのが興味深いです。また、そのことでそこにレイヤー状に重なる精緻な線描の別の縮尺の風景が、至近で眺めたときに鋭くその存在を視界に訴えかけてくる感じもまた痛快に思えます。

■1/28

NEXT DOOR vol.11

T&G ARTS

東京都港区六本木5-9-20

03-5414-3227

1/28(木)~2/25(木)土日月祝休

11:00~19:00

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今回も6名のフレッシュなクリエイションが紹介されている同企画、そのなかで垂谷知明さんの作品に大いに惹かれた次第です。

1階の、入り口から向かって正面の横長の広い壁面からカウンター側になるにつれて、およそこの2年で制作された作品をほぼ時系列で並べて展示されているのですが、その比較的初期のほう、鉛筆で直系が1mm程度の細かい丸をていねいに紡いで有機的な気配を導き出した作品群がとにかく面白いです。後半になるにつれ、色彩もより多くポップになっていく様子もまた楽しげで。

review:山本桂輔展 横断/4人のペインティング展 福永大介、工藤麻紀子、桑久保徹、大野智史《1/16》mirror

京都のTomio Koyama Galleryの1階と2階のスペースで開催されている展覧会、これが凄いです!

1階の山本桂輔さんと2階の4名のアーティスト。近い世代のペインターが集い、それぞれが自身の個性を濃密に展開、実に見応えのある展覧会となっています。

山本桂輔展 横断

TKG Editions,Kyoto

京都府京都市下京区西側町483(西洞院通/新花屋町通 西南角)

075-353-9992

1/8(金)~1/30(土)日月祝休

11:00~19:00

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Keisuke Yamamoto Crossing

TKG Editions,Kyoto

483,Nishigawa-cho,Shimogyo-ku,Kyoto-shi,Kyoto-fu

1/8(Fri)-1/30(Sat) closed on Sunday,Modnay and national holiday

11:00-19:00

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昨年の東京での個展がとにかく素晴らしかった山本桂輔さん。その時はペインティングと木彫作品とで構成されていましたが、今回はペインティングを中心に一部ドローイング的な作品を交え、平面のみで自身の濃密な世界観をエネルギッシュに展開しています。

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1階のEditionsのコンパクトな展示スペースということもあり、比較的小さめの作品が中心。しかし、たとえ広げた両手に収まるサイズの作品であっても、そこに描かれる情景はまさに山本さんの世界そのもので、むしろコンパクトに収められていることの面白さ、痛快さが堪らなく感じられます。

ひたすら生々しい雰囲気を醸し出す絵の具の質感、一方で思いのほか整頓されていて幾何学的とも思える画面の構造と、さらに一転、まるで熱を帯びているかのような、生命の感触に溢れる有機的なモチーフも登場したりと、さまざまな要素がひとつの画面の中で相当に濃密に展開される時空間に接しているだけで、それはもうぐんぐん引き込まれ、ポジティブなイメージももりもりと湧いてきます。

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サイズが大きくなればその分、情報量も増加。

構造はさらにスケールを増し、ひとつひとつの色が持つイメージはより強く表出されるようにも思えます。

要素が多い分、それぞれの関わりもいっそう複雑になってそれだけ濃さも増し、例えば暖色の色面に投げ込まれる青の存在感とインパクト、重たい色彩と派手派手しい色調とのコントラストが奏でるギャップの凄さなどから感じるエネルギーに圧倒され、惹かれていきます。

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もっとも大きな作品、このサイズになると描かれる情景はもはやひとつの壮大な叙情詩の様相を呈してきます。

くっきりと分かれる各色面。それぞれは時間や季節のイメージを思い起こさせると同時に、円形や矩形それぞれにシャープに描かれるかたちはその場面同士がパノラマ風に連なり、背中合わせで瞬間を共有しているような想像を想起させてくれます。

そしてそこかしこに存在する生命のイメージを備えるモチーフが、咲く花の勢いにも似た強烈に有機的な気配を放っていくような印象を覚えるんです。

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コラージュも織り交ぜられたドローイング的な作品も、油絵の具が帯びる濃厚な熱とは言うって変わって整理された印象が強まり、やや冷静な雰囲気を奏でながらも、構造の面白さやモチーフの独得のかわいらしさなどはしっかりと伝わってきます。

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画面より溢れ出る濃い空気感。画面に乗る絵の具の盛り上がりなども、絵画を観ている充実感で心を満たしてくれます。

そして得られるポジティブなイメージの量を思い返し、「アート万歳!!! \(≧∇≦)/」と快哉を叫びたくなるような気分も盛り上がってくるんです。

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4人のペインティング展 福永大介、工藤麻紀子、桑久保徹、大野智史

TOMIO KOYAMA GALLERY,Kyoto

京都府京都市下京区西側町483(西洞院通/新花屋町通 西南角)

075-353-9992

1/8(金)~1/30(土)日月祝休

12:00~19:00

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Paintings by Four Artists Daisuke Fukunaga, Makiko Kudo, Toru Kuwakubo, Satoshi Ohno

TOMIO KOYAMA GALLERY,Kyoto

483,Nishigawa-cho,Shimogyo-ku,Kyoto-shi,Kyoto-fu

1/8(Fri)-1/30(Sat) closed on Sunday,Modnay and national holiday

11:00-19:00

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2階のスペースでは、それぞれのアーティストが大作を発表していて圧巻の構成となっています。それぞれから本気度が強烈に伝わってきて、シンプルなタイトルがもったいなく思えるほど。

まず桑久保徹さん、2点の大作を発表。

独得のタッチで生み出される激しくも繊細なマチエルと、画面の大きさを活かし切った大胆な構図によるダイナミックな空間性。遠くに広がる光景と、眼前の広いスペースに細かく描き込まれるさまざまなモチーフとにより、この場所の空気感や音までもが臨場感たっぷりに伝わってくるかのようです。眺めていて圧倒されるのが心地よい、観ていてワクワクする高揚感、ペインティングと対峙する充実感に満たされます。東京での個展も素晴らしかったですが、そこで得たインパクトをふたたび京都の空間で得られたことが嬉しいです。

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工藤麻紀子さんは比較的おとなしめというか、画面に引き上げる情景を比較的コンパクトに纏めることで、画風が持つ独得の危うげな雰囲気がより濃く押し出されるような印象を受けます。

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巧みに描き分けられる色調、作品によって人物のみが寒色/単色で描かれているあたりに、儚げな気配が漂っているようなイメージが浮かんできます。身近な場所を背景にそういったモチーフを登場させることで、現実のそばにある不思議な時空の存在を想起させてくれるようにも感じられたり。

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福永大介さんの作品が観られるのも嬉しい!

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エッジの効いた桑久保さんのペインティングとは一線を画し、ふわふわとうつろうようなタッチで、まろやかな輪郭で描かれるさまざまなモチーフ群はやさしさとあたたかさを溢れさせ、そして、神々しささえ感じさせてくれる光の描写が、どちらかというとジャンキーでアンダーグラウンドな印象の情景に、崇高な気配をもたらしているように思えます。

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大野智史さんのペインティングは言うまでもなく圧巻。

自在なストロークでお馴染みのモチーフを描き込み、今回は平面作品のみでありながらも、相変わらずの力強く濃密な世界が創出されています。

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与えられた壁面は使い切るべき...そういう宣言を高らかにしているかのような、超が付くほどの大作も。

画面の大きさでそちら側の世界へと力づくで引き込まんとするかのような、圧倒的にアグレッシブなバイタリティに今回もやられた次第。

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黒の展示室にはドローイング的な作品がずらりと。

こちらもお馴染みのモチーフが力強く描かれていて、また画面のおおよそほぼモノトーンな仕上がりと展示空間の黒とが見事に共鳴し合い、いっそう深い気配がもたらされているのも印象的です。

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review:前原冬樹 "いろはにほへどちりぬるを"《1/8、1/23》mirror

前原冬樹 "いろはにほへどちりぬるを"

YOKOI FINE ART

東京都港区東麻布1-4-3 木内第二ビル6F

03-6276-0603

1/8(金)~1/30(土)日祝休

11:00~19:00

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Fuyuki Maehara "transient -i ro ha ni ho he to chi ri nu ru wo"

YOKOI FINE ART

1-4-3-6F,Higashi^Azabu,Minato-ku,Tokyo

03-6276-0603

1/8(Fri)-1/30(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00

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極端に高度な再現性は、それだけで充分な驚きを提供し、また好奇心を刺激してくれます。

その最たるアーティストのひとり、前原冬樹さんのYOKOI FINE ARTでのおよそ1年振りの個展です。

メインスペースに紡がれる4つのインスタレーション。

何というか、「本物よりも本物」的な説得力がそれぞれのコーナーから放たれ、それらが作品であること、人が木を彫って作ったという事実が持つ重厚さに圧倒され、そして圧巻の再現性は神々しくさえ感じられます。

排気口と吸い殻。

この場面が引き出され、目にすると容易にその実際の場面が思い浮かぶのですが、しかしこれが木彫であると思うと、信じられないくらいにそこで再現されているありきたりの情景が圧倒的に美しく感じられるんです。

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柱とカマキリの屍骸。

これが1本の木を彫り出して制作されていることへの驚きが。

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瀬戸物のかけらと木の実。

それぞれ手のひらに収まるほどの大きさでありながら、それがこうやって配置されることで不可侵の空間が創出されているように思えます。

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そして、もはや「凄まじい」というレベルの再現性、柱に掛けられるワニ革のベルト。

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繰り返しになってしまいますが、ここで目にしているもの全てが木彫作品であることへの驚きは形容し難く...。それだけであればまだしも、ワニ革の表面の複雑な凹凸はもとより、帯通しの部分、さらに柱からベルトが浮き上がる様子なども緻密に再現されているとあっては...この情景が単なるひとつの場面ではなくなってくるほどの超絶さにしばし呆然としてしまった次第。

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奥のスペースでは、少し前の蟹の作品が展示され、併せて今回展示されている作品の制作風景を収めたビデオも上映されています。

とにかくこの説得力にただただ圧倒された次第。

前回の個展も凄かったのですが、作品点数こそ少ないものの、それぞれのさり気なさと、それとは裏腹に深まる圧倒的な臨場感とで、今回も充分に見応えのある空間がつくり出されています。

無論、引き出される何気ない情景がここまで孤高の気配を伴って現れているのは、その再現性の高さにこそ理由があって、また何気ない景色へと挑む前原さんのスタンスへも大いに敬意を払いたいと思う次第です。

それぞれで再現されている情景には「風化」の味わい、儚げで虚無なな空気感が漂います。そしてそこには実に淡々とした時間の経過によって生み出された、ほぼ意図が働いていない自然さがあり、だからこそそれをじっくりと観察したときに見出される圧倒的な複雑さがそこにもたらされているように思えるのです。

そういった景色を、単にそういった場所を再現したことの提示に留めることなく、思わず腰を抜かしそうなほどの驚きへと転化させているこの再現性に、ただただ感嘆させられるのです。

とにかく実際に観てほしい展示です。

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review:TWS-Emerging 132 鎌田あや「私のまわりの目に見えない夢」《1/9、1/10》mirror

TWS-Emerging 132 鎌田あや「私のまわりの目に見えない夢」

トーキョーワンダーサイト本郷

東京都文京区本郷2-4-16

03-5689-5331

1/9(土)~1/31(日)月休(祝日の場合開館、翌火曜休)

11:00~19:00

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TWS-Emerging 132 Aya Kamata "Dream not seen eyes of my circumference"

tokyo wonder site Hongo

2-4-16,Hongo,Bunkyo-ku,Tokyo

03-5689-5331

1/9(Sat)-1/31(Sun) closed on Monday (If Monday is a national holiday,the following day will be closed instead.)

11:00-19:00

Google Translate(to English)

トーキョーワンダーサイト本郷での鎌田あやさんの個展です。

昨年のギャルリー東京ユマニテでの個展で作り上げられたインスタレーションも印象的でしたが、今回はさらに深い、なかなか言葉で言い表すのは難しいのですが、より強い輪郭を伴った気配が充満した空間が作り上げられているように感じられます。

入ってすぐ、入り口から続く壁面に映し出される映像にいきなり「うわ...」と意識が呑み込まれます。

斜めに大きく表出する唇。瞬間的にはそれが何か分からないのですが、赤と黒のグラデーションがうねりながら広がっては狭まりを繰り返し、闇のなかに異様に艶かしく浮かび上がり蠢く光彩が、アブストラクトな幻想性とミニマムな世界へと入り込んだようなイメージとが混ざり合った不思議な雰囲気へと誘います。

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唇を大きく映し出した映像はそこかしこに。。。

空間にはさまざまな口調で「あのね...」という言葉が延々と流されていて、それが唇の映像とリンクし、この何やらとんでもない場所に引き込まれたかのようなイメージも浮かんできます。

展示内の床に置かれるものは全て黒色が塗布されていて、闇に独得の臨場感がもたらされ、その気配が唇の映像の艶かしさ、妖しさを濃厚に引き出しているようにも思えます。

また黒の立体物は、3次元で眼前に現れる影のようでもあり、状況もよりいっそう不思議なものへと押し上げてくれているように感じられます。さらに、正面の壁面に大きく映し出されるぼやけた情景の映像が、そこかしこに聳える黒いシルエットのシャープな輪郭とギャップを生み出しているのも面白いです。

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無造作に置かれるさまざまなものが醸し出す混沌とした雰囲気。しかし同時に澄んだ気配感も広がっているように思えるのも印象的です。

割れたガラス、黒い毛糸、鴉...スリリングな気配を鋭く放ちながらも、淡々としてどこか突き放されるかのような醒めた雰囲気も感じられます。

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壁面に配された装飾も、空間に絶妙なアクセントをもたらします。

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天井にはカラフルな風船がびっしりと。

暗闇のなかで、映像の明かりのみが照らす風船の色彩は、翳りを見せ、どこか殺伐とした感触を滲ませます。

空を漂っているときのあの幸せな感触はほとんど感じられず、コミカルな雰囲気は醸し出されるものの、むしろ危うく、またその脆弱さも際立たされられているように思えます。

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さまざまな要素が一体となり、またその一方で全てが混ざり合うことはなく、むしろ程よく衝突していることが違和感を醸し出し、それによってこの世界への好奇心や興味もぐんぐんと引き出されるようにも思えます。

得難いイメージが感じ取れるというか...曖昧で、しかし確信があるようにも思えて...しかしその確信すらも感覚的であり、その不安定さがまたこの空間に独得の緊張感をもたらしているような気もします。

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~1/19のアート巡り mirror

■1/15 Fri

Under 100

fabre8710

大阪府大阪市鶴見区放出東3-6-25

06-6968-8535

1/12(火)~2/6(土)日月祝休

11:00~19:00 (YOD Gallery) 12:00~19:00 (fabre8710)

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壁面の1m以下の高さに作品を展示する、というテーマで、YOD GALLERYと共同で開催されている企画、こちらでは4名の女性アーティストがフィーチャーされています。

昨年の個展なども印象的だった末むつみさんなどの作品がいつもより随分低めの高さに展示されていていつもと違う景色がつくり出されているのですが、そういったなかで印象的だったのが高橋ひとみさんの写真作品。粗い画像のスナップ写真が並び、その不規則な連続によってシュールなストーリー性が思い浮かんでくる感じが興味深く思えた次第です。

大西伸明展 Chain

Gallery Nomart

大阪府大阪市城東区永田3-5-22

06-6964-2323

12/19(土)~1/23(土)日祝・12/29~1/5休

13:00~19:00

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お馴染みの透明の樹脂を用いてさまざまなものを精緻に作品や、メッシュ地にレースをシルクスクリーンプリントする作品など、これまで発表されてきたものも充分に実験的というか、作品そのものが持つ高質な仕上がりに加え、伝えるイメージの深みも充分に感じさせてくれる大西さんですが、今回の個展を拝見し、さらに自身のクリエイションを押し進め、より際どいポイントまで迫っていくかのように思えた次第です。そしてそこに込められた緊張感は、むしろ観賞後、拝見した作品を思い返して「ああ、こういうことかも・・・」とより深い思考へと辿り着いたような。。。

無論、観ている時はその美しさや面白さに、そしてそのイマジネーションと視野の広さにも感嘆させられた次第です。

Under 100

YOD Gallery

大阪府大阪市北区西天満4-9-15

06-6364-0775

1/12(火)~2/6(土)日月祝休

11:00~19:00 (YOD Gallery) 12:00~19:00 (fabre8710)

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fabre8710を先に拝見し、そのあとこちらへ。

より広く天井も高い空間で、このコンセプトの面白さがさらに際立って展開されています。

こちらでは3名の男性アーティストを紹介。

まず、杉山卓朗さんのペインティング。これまで拝見した作品は、画面の広さに合わせ、比較的大柄の幾何学的なモチーフがシャープに描かれていたのですが、今回は1m以下での展示ということもあり、敢えて屈んで観てもらうべく、相当に細かい描き込みが。

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グレーと赤の画面、どちらもまったく同じ構図であることが、それぞれの色彩の強さを引き出しているようにも思えます。

加えて、緻密な描き込みでいつも以上に細かく組み込まれた幾何学的なパターンはさらに複雑に展開され、それが創出する立体感、奥行き感が面白く、ぐんぐんと引き込まれていきます。

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服部正志さんの作品と壁面にはユーモアが溢れます。

左手のお辞儀する人。シルエットのかたちのシートにポッチで紡がれる挨拶。こちらは実際に触っていい作品で、めくり上げると

き、貴様ぁ!Σ( ̄口 ̄;)

と思うこと必至(笑)。

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また、その隣にひっそりと馴染むコンセントも実は作品で、穴のかたちなどがなんともかわいらしく。

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個展でも拝見している加賀城健さんは、お馴染みの染織の作品を発表。

色彩の鮮やかさや偶然に引き出される抽象性の面白さなどが、このユニークな展示でも濃密に発せられています。

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絵画の庭 ゼロ年代の地平から

国立国際美術館

大阪府大阪市北区中之島4-2-55

06-6447-4680(代表)

1/16(土)~4/4(日)月休(祝日の場合開館、翌火曜休)

10:00~17:00(金:~19:00)

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とにかく嬉しい企画です。

それぞれギャラリーでの展覧会を拝見し、いろいろとお目にかかったりお話ししているアーティストが多数参加されていて、そういった方々のエポックな作品から新作までを一挙に観られるのはホントにありがたいです。

レセプションと翌日の会期初日と展示をまずは拝見し、また図録の文章も拝読して、印象としてこの年代にクリエイトされた日本の具象絵画のエッセンスが隈無く、そしてバランスよく収められている感じがあり(スタイル/傾向についても、また取り上げざるを得ない強烈な「個」についても)、だから「あの人も、この人も」とここで紹介されていないアーティストの存在や個性も脳裏をよぎります。

ぜひともご覧戴きたい展覧会です。

クワクボリョウタ個展『1. 落下する水、2.照明用ガス、を与えてみた』

AD&A gallery

大阪府大阪市西区京町堀1-6-2

06-6443-3300

1/10(日)~1/24(日)木休

13:00~20:00

久々に大いに感嘆させられたテクノロジカルなインスタレーション。

1階と2階とで異なる空間が作り上げられていて、それぞれにもたらされる視覚的な変化がとにかく楽しいです。

1階では、正面の壁面に横に並べて配置される円盤が高速で回転しています。

そしてそこに、白くて強い照明が照射される、というインスタレーション。この光量はi-Podより流される音楽の音量で変化するらしく、音は聞こえるように設定されていないのですが、情報が変換されているのも興味をそそられます。

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そして回転する円盤にはさまざまな紋様が・・・!

静止画だとまったく伝わらないのですが、細やかなパターンが次々と回転する黒の表面に浮かび上がり、その無限の変化にぐんぐんと引き込まれるんです。とにかくめちゃくちゃカッコいい!

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2階は暗室に。

黒のカーテンをくぐって中に入ると、ライトを装備した鉄道模型の車両が展示空間内に設置された線路をゆっくりと移動、そしてその線路沿いに置かれるさまざまなものが車両の明かりに照らし出され、壁面にダイナミックなシルエットを浮かび上がらせていきます。

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こちらも写真ではこの臨場感を伝えられないのが実にもどかしい。。。

ボールネットやら瓶、椅子などのシルエットがその都度壁面に巨大に映し出され、それが力強く変化していくのですが、ここにいるだけでぐんぐんと変わりゆく光景に圧倒され、体感する楽しさが堪らないんです。

こちらはテクノロジカルと言うにはあまりにシンプルな仕組みですが、ものの配置の巧みさなどもあり、より鮮烈にイマジネーションが刺激された次第です。

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栗田咲子[数珠の茂み]

FUKUGAN GALLERY

大阪府大阪市中央区西心斎橋1-9-20-4F

06-6253-3266

12/19(土)~2/13(土)日月火・12/27~1/12休

13:00~20:00

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前回の個展も印象に残っていて、そして「絵画の庭」にもフィーチャーされている栗田さんの個展。もっとユーモラスなイメージを持っていたのですが、今回拝見してそのユーモラスな要素が抑えられたように感じられるのが興味深いです。

これまで拝見しているのとそれほど変わってはいないと思われるのですが、独得の筆遣いの感触や意外性に溢れる,意表を突いたような色彩感はさらに前面に押し出され、しかしほんのりとした和やかな感じも漂わせつつ、と、なんとも捉え難いシュールな場面が展開されています。そしてその違和感に大いに惹かれるんです。

■1/16 Sat

Words lie 松田敬介個展

eN arts

京都府京都市東山区祇園北側627 円山公園内八坂神社北側

075-525-2355

12/19(土)~1/17(日)金土日のみ(その他の曜日は事前予約)

12:00~18:00

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展示に伺って気付かされたのですが、昨年のART AWARD TOKYOでひときわ異彩を放つ作品を発表されていた松田敬介さん。

土着的、濁ったような色彩とストロークがパネルやキャンバスの上で踊っていて、その過剰に有機的な感触に一瞬「うっ・・・」と距離を置きたくなる感じがまずはするですが、しかし画面にもたらされるさまざまな表情や、慣れてくるとなんとも味わい深くあたたかい色調など、独得の味わいにだんだんと惹かれていくんです。

山本桂輔展 横断

TKG Editions,Kyoto

京都府京都市下京区西側町483(西洞院通/新花屋町通 西南角)

075-353-9992

1/8(金)~1/30(土)日月祝休

11:00~19:00

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昨年の東京での個展がとにかく素晴らしかった山本さん、今回はコンパクトな空間での、しかも平面作品のみによって構成される個展、しかしその濃度も密度も充分なインパクトと魅力を放っています。画面に配される幾何学的なパターンのシャープさ、そしてそこかしこに「居る」強烈に有機的なモチーフ。それらを描き出している絵の具の盛り上がりの力強さにも前のめりで入り込む...実に濃厚で独得の熱を帯びたような雰囲気がさまざまなサイズの画面から溢れています。

4人のペインティング展 福永大介、工藤麻紀子、桑久保徹、大野智史

TOMIO KOYAMA GALLERY,Kyoto

京都府京都市下京区西側町483(西洞院通/新花屋町通 西南角)

075-353-9992

1/8(金)~1/30(土)日月祝休

12:00~19:00

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もはやグループショーの域を超えた、あまりにも充実した展覧会。

同ギャラリーの東京のメインスペースでの個展も開催している4名のアーティストが、その「描く」という行為におけるバイタリティを充分に発揮し、圧倒的な空間が作り上げられています。

階下の山本桂輔さんの個展と併せ、凄まじくゴージャスな展示となっています。

坂川守「Press」

児玉画廊|京都

京都府京都市南区東九条柳下町67-2

075-693-4075

1/16(土)~2/20(土)日月祝休

11:00~19:00

坂川守100116.jpg

このところ濃厚な展示が続いた京都の児玉画廊、今回は年も改まって、というか、幾分軽やかな気配も漂うような感触が。

布をそのまま壁面に飾ったものや、有機的なかたちにカットされたパネルを用いた作品など、ユニークな提示の仕方も印象的な坂川さんの作品群。キャンバス・オン・キャンバス的なコラージュ(これも、どうやら絵の具で定着させているらしく)が多用され、マンガの吹き出しでの回想のようなふわふわとした雰囲気を醸し出しているような感じも心地よく伝わり、同時にスペイシーな妖しさも随所から醸し出されているようで、なんとも不思議で心地よい風合いに満たされます。

Kodama Gallery Project 21 西森瑛一

児玉画廊|京都

京都府京都市南区東九条柳下町67-2

075-693-4075

1/16(土)~2/20(土)日月祝休

11:00~19:00

西森瑛一100116.jpg

さらに澄んだ気配が広がります。

パネルに張られた洋紙を支持体とした水彩のドローイング。細やかなストロークと水彩絵の具ならではの滲みとにより、繊細な光の、もしくは瑞々しい水面を思わせる豊かな表情が導き出されているように感じられます。

ずらりと同じサイズの画面が並ぶさまも壮観で、つめたい空気に触れた時のような緊張感を感じます。

堀込幸枝展

ギャラリー椿

東京都中央区京橋3-3-10 第1下村ビル1F

03-3281-7808

1/16(土)~1/30(土)日祝休

11:00~18:30

堀込幸枝100116.jpg

シェル美術賞や前回の個展などで印象に残る、瓶をモチーフに描かれるペインティング。前回も何となく同じように感じたと記憶しているのですが、作品を直に拝見して、モチーフの艶やかさとは裏腹な、思いのほかドライな画面の仕上がりに意外な印象を受けます。

絶妙のグラデーションによって導き出される瓶の配置の空間性、そしてその輪郭が滲むことで幻想的な気配ももたらされ、なんとも不思議な雰囲気が緩やかに空間を満たし、その中へと沈み込むような印象です。

山極満博展「PALE BLUE」

BASE GALLERY

東京都中央区日本橋茅場町1-1-6 小浦第一ビル1F

03-5623-6655

1/15(金)~2/6(土)日祝休

11:00~19:00

山極満博100115.jpg

写真作品をメインに、空間構成なども駆使され、思いほか情報量の多い展覧会となっています。

写真における空間性のユニークさ、空などがより広く感じされ、その余白感が残るモチーフの存在を際立たせると同時に、どこか儚げで繊細な気配も醸し出しているように思えます。

「変成態-リアルな現代の物質性」展 vol.7 鬼頭健吾

gallery αM

東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビルB1F

03-5829-9109

1/16(土)~2/13(土)日月祝休

11:00~19:00

鬼頭健吾100116.jpg

ここまで空間とがっちり組み合う作家も珍しいかも、と。

圧倒的な物量で迫るインスタレーション。元の広々とした空間をみっちりと埋め、まったく別の壮大なスケール感を導き出している辺りに感嘆させられます。とにかく溢れる色彩が放つ、どうしようもない圧力と密度にやられてしまうような。

市川孝典 作品展「murmur」

FOIL GALLERY

東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤201

03-5835-2285

1/15(金)~2/6(金)日休

12:00~19:00(初日:~18:00)

市川孝典100115.jpg

青山での個展も印象に残る市川さん、直後にVOCA展も控えるなか始まった個展では、「森」に主題を絞ることで、さらにストイックな気配が強まって感じられます。

線香の炎で炭化されていく紙、焦げて開く穴、また焦げる具合の濃淡とそのグラデーション。無数に紡ぎ重ねられる絶妙な塩梅が、凄まじい緊張感を伴う静謐な世界となって現れているように感じられます。そして、そういった中にそこはかとなく漂うアングラ感もまた堪らなく格好良く感じられる次第です。

満田晴穂 自在

ラディウムーレントゲンヴェルケ

東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17

03-3662-2666

1/15(金)~2/13(土)日月祝休

11:00~19:00

昨年開催の「メークリヒカイト」で受けた衝撃も今だ心に残る、圧巻の「自在置物」。今回は個展、2階のスペースに畳敷きの間が設営され、そこに桐箱といっしょに並べ置かれるさまざまな昆虫の作品がその至高の存在感を際立たせているように思えます。

そして何といっても、台上に置かれる無数の蜂。そのひとつひとつの高精度な再現性は言うまでもなく、しかしそれが雑然と積み置かれる感じに圧倒されます。この台上だけ、凄まじく過剰に異様な密度。

名知聡子展 告白

TOMIO KOYAMA GALLERY

東京都江東区清澄1-3-2-7F

03-3642-4090

1/16(土)~2/13(土)日月祝休

12:00~19:00

名知聡子100116.jpg

オペラシティで展示された大作も凄いインパクトだった名知さん、今回の空間には充分な天井高もあり、さらにダイナミックな大作が展示されていいて、ただもうそのサイズに、それが直接的に放ってくるスケール感にただ圧倒されます。

そして、その大作があることでサイズ的にはおとなしく見える他の作品も充分に大きなもので、さらにこの重厚な構成に引き込まれるのですが、描かれる肖像が醸し出すアンニュイな気配にもおおいに惹かれる次第です。

■1/17 Sun

束芋 断面の世代

横浜美術館

神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1

045-221-0300

12/11(金)~3/3(水)木、12/29~1/1休(2/11開館、2/12休)

10:00~18:00(12/25を除く金曜日:~20:00)

あらためて、束芋さんのエンターテイメント志向の強さを感じます。

グロテスクな場面描写の連続、それぞれの展示室で繰り広げられる無軌道なストーリーは随所に生々しいモチーフを織り交ぜながら濃密な雰囲気で満たされていて、「怖さ」は常に一定量提示されるなか、やはりポップというか、おそらくアニメーションで展示されることもおおいに作用していると思われるのですが、一貫して「楽しい」感覚,コミカルな印象も保たれるように思えます。

あと、案外「誰に向けて」という意識もけっこう強くもたれているのかな、という印象も。今回発表されている作品が、確か今回の展示のために作られたものだとどこかで目にしたように記憶しているのですが、内面に迫るメッセージ性がやや抑えられているような今回のテーマ設定とそれぞれの作品の風合いは、より不特定多数、しかも国内ということもあるのかな、と。

映像もさることながら、音響の良さ、音楽の面白さも印象に残っています。

東京藝術大学先端芸術表現科 卒業|修了制作展2010

BankART Studio NYK

神奈川県横浜市中区海岸通3-9

045-663-2812

1/16(土)~1/24(日)

11:30~19:00(最終日:~17:00)

藝大先端100116.jpg

昨年と比較するとおとなしい印象ながら、ユニークな展開,エッジの効いたクリエイションがずらりとパッケージされている様子は壮観、今回もいろいろと楽しませていただいた次第です。

既に何度か作品を拝見している方々はやはり特に印象に残るのですが、そういったなかで初めて拝見して興味深かったのが文谷有佳里さんのドローイング群。もともとこういう細かいストロークの集積で出来上がるものは好きなのですが、それ以上に自身が行なっていることへの意味付けの懐の深さ、そして元々音楽を,作曲をなさるそうで、そのユニークなスタンスも面白く感じられた次第です。

日常/場違い Everyday life Another space 雨宮庸介 泉太郎 木村太陽 久保田弘成 佐藤恵子 藤堂良門

神奈川県民ホールギャラリー

神奈川県横浜市中区山下町3-1

045-633-3696(ホール課)

12/16(水)~1/23(土)12/30~1/4休

10:00~18:00(12/19、1/16:~19:00)

日常_場違い091216.jpg

雨宮庸介さんのインスタレーションがとにかく面白かったです。

一昨年のTWS渋谷で敢行された展開の続きのような感じで、展示室内に無造作に配置されるたくさんのロッカーと、その情景を鏡写しでプロジェクターから投影される映像との関係性はさらに複雑に。とにかく登場人物の多さに唖然呆然としつつ、その映像の中で(つまりこの空間で)行なわれる意味不明な行動の連続にどうしようもない可笑しみがこみ上げてきます。

延々と、連綿と続く「だから何!!Σ( ̄口 ̄;)」感が堪らなく痛快で。

■1/19 Tue

鷲尾圭介展

現代HEIGHTS Gallery DEN

東京都世田谷区北沢1-45-36

03-3469-1659

1/9(土)~ 1/19(火)水休

13:00~22:00

鷲尾圭介100107.jpg

さまざまなテクスチャーが画面に施され、妖し気な雰囲気を醸し出す濁った色彩と、そのなかに現れる圧倒的な白の強烈な存在感、さまざまな表情がひとつの画面で繰り出されてアブストラクトな情景が描き上げられているのが印象に残ります。

危うい気配を漂わせ、眺めていると静かに焦燥感を煽られながらどんどんとその深い雰囲気に引き込まれるような。

もっといろいろと拝見してみたいクリエイションです。

《買ったCD》

「People Time: The Complete Recording」Stan Getz & Kenny Barron

review:TWS-Emerging 133 草刈ミカ「凹凸絵画」《1/9、1/10》mirror

TWS-Emerging 133 草刈ミカ「凹凸絵画」

トーキョーワンダーサイト本郷

東京都文京区本郷2-4-16

03-5689-5331

1/9(土)~1/31(日)月休(祝日の場合開館、翌火曜休)

11:00~19:00

草刈ミカ10109.jpg

TWS-Emerging 133 Mika Kusakari "Uneven Painting"

tokyo wonder site Hongo

2-4-16,Hongo,Bunkyo-ku,Tokyo

03-5689-5331

1/9(Sat)-1/31(Sun) closed on Monday (If Monday is a national holiday,the following day will be closed instead.)

11:00-19:00

Google Translate(to English)

これは楽しい!

トーキョーワンダーサイト本郷での草刈ミカさんの個展、立体的な画面の面白さはもちろん、グラフィカルな配色、ジュリアン・オピ的な印象もある太い稜線などがポップに響き合い、実にユニークでエンターテイメント性に富んだ空間が創り出されているように感じられます。

草刈ミカ17.JPG

画面上に配される線の盛り上がり。

律儀なまでに真っすぐに画面を横切り、しかしそれが手仕事であることを思い起こさせてくれるような味わい深さも滲み出ているように思えます。

そこに大胆に入るサインこちらはどうやら盛り上げの素材を用いる前の時点で下地じ直に描かれ、その上に重なっている盛り上げの部分にもていねいな彩色が施されることで、文字が浮かび上がって見えるような仕上がりが作り上げられていたり。

遊び心がふんだんに折り込まれたような風合いもまた楽しいんです。ついでに言うと、けっこう美味しそう(と草刈さんに申し上げたら笑って抗議されました。笑)。

草刈ミカ16.JPG 草刈ミカ15.JPG 草刈ミカ14.JPG 草刈ミカ13.JPG

草刈ミカ12.JPG

ひたすら遊び心溢れる展開が繰り広げられています。

グラフィカルなアプローチもケレン味なく織り交ぜられて、さらに軽やかな雰囲気も盛り上げてくれます。

女性の横顔をモチーフとし、対で展示されている作品。頭髪のチェック模様が映えます。そして描写のクリアさと、斜めに走り交錯する線の盛り上がりとが絶妙な塩梅で治められているのも興味深いです。

草刈ミカ11.JPG 草刈ミカ10.JPG 草刈ミカ09.JPG 草刈ミカ08.JPG

草刈ミカ07.JPG

画面に施される盛り上がりが緻密な装飾上に展開されている作品も。

草刈ミカ06.JPG 草刈ミカ05.JPG 草刈ミカ04.JPG 草刈ミカ03.JPG

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目にした瞬間に楽しい気分にさせてくれる痛快なクリエイションです。

意表を突くマチエルにまず驚かされるのですが、そのインパクトに慣れてからも、軽やかな色彩が醸し出すハッピーな雰囲気が収まってしまうことはなく、ポジティブな感触がキープされているように感じられるのも嬉しいです。

草刈ミカ01.JPG

review:TWS-Emerging 131 柴田英里「The Graceful Monsters(アイドル)」《1/9、1/10》mirror

TWS-Emerging 131 柴田英里「The Graceful Monsters(アイドル)」

トーキョーワンダーサイト本郷

東京都文京区本郷2-4-16

03-5689-5331

1/9(土)~1/31(日)月休(祝日の場合開館、翌火曜休)

11:00~19:00

柴田英里100109.jpg

TWS-Emerging 131 Eri Shibta "The Graceful Monsters"

tokyo wonder site Hongo

2-4-16,Hongo,Bunkyo-ku,Tokyo

03-5689-5331

1/9(Sat)-1/31(Sun) closed on Monday (If Monday is a national holiday,the following day will be closed instead.)

11:00-19:00

Google Translate(to English)

強く濃く醸し出される繊細さ、過激さ、そして危うさ。

トーキョーワンダーサイト本郷での柴田英里さんの個展です。

柴田さんの作品というと、頭部が逆さまの半身像のイメージが強く、彫像のスタンダードなかたちを基に、そこから強烈な奇妙さ、歪さが放たれる様子がまず思い浮かぶのですが、今回の個展で発表されているのはほぼ等身大の全身像が6体、さらにシャープに異様な気配が醸し出されているように感じられます。

2体、3体、1体。それぞれの組で構成されたインスタレーションが、さらにひとつの空間に配置され、緊張感を空間全体に響き渡らせています。そして1体1体は遠目ではかわいらしさをむしろ軽やかに奏でていながら、では、と至近で観るとそれぞれの仕上がりは相当に粗く、そのことはむしろ危うい気配を加速させているようにも思えてきます。

まず、入り口側の壁に寄り添って経つ2体の作品。

ミニのスカートや衣装の色合い、そしてペアルックは相当にかわいらしい気配を放っているのですが、逆さまの頭部は言うまでもなくそれと同じくらい、あるいはそれ以上に、危うい気配を思い起こさせてくれます。

柴田英里18.JPG

それぞれのパーツの作り込みは見事です。特に肢体の部分,例えば鎖骨や膝頭などの再現性の高さは、つややかで瑞々しくも思えます。

しかし、逆さまの頭部は言うまでもなく、肩と腕の部分のもげたかのような、素材の質感があからさまに表出された辺り、またブーツやベストに付いている星形の装飾のどこか褪せた感じなどが、最初に感じた印象がかわいらしいだけあって、アバンギャルドなイメージを加速させます。イメージが逆に振れたときのインパクトは相当なもののように感じられます。

柴田英里17.JPG 柴田英里16.JPG 柴田英里15.JPG 柴田英里14.JPG

柴田英里13.JPG

空間のほぼ中央には3体の立像が。

人数が多いだけあって華やいだ雰囲気もさらに強められますが、やはり危うげな気配もその分鮮烈に届いてきます。

天井へ繋げられるワイヤーの生々しさも印象的です。それぞれは実に不安定で、自立していないことは一見して認識できるのですが、素材も陶だけあって、このワイヤーの緊張が緩んだら...と想像すると、その危うさはいっそう強まります。既にない片腕、逆さまの頭部、ゆらりと傾く体幹。明るい照明がどうしようもない現状をあからさまに表出させているように感じられるのも印象的です。

柴田英里12.JPG

柴田英里11.JPG 柴田英里10.JPG 柴田英里09.JPG

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もう1体はソロで。

こちらも天井からワイヤーで吊るして安定が図られています。

柴田英里07.JPG

1体だけの構成で、部分のアバンギャルドさも際立って伝わるように感じられます。

正面で対峙した時の逆さまの頭部から向けられる視線の醒めた感じ。無感情の強さに圧倒されます。

柴田英里06.JPG 柴田英里04.JPG 柴田英里03.JPG

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俯瞰した時の孤独な気配もひときわ印象に残ります。

2体と3体の作品は、あたかもステージの上に上がっているかのような賑やかなイメージが思い浮かばなくもないのですが、こちらに関しては、例えこの場所がステージ上だったとしても、緊張感の漂う状況をが思い浮かんできます。

柴田英里01.JPG

実に厚みのある物語性を放つ作品群です。

立像ひとつひとつが持つ存在感、そこに備わる強烈なズレ、歪さ。アバンギャルドな混沌とかわいらしさとが渾然と迫り、なんとも言えない雰囲気に満たされているように思われます。

これがセラミックで表現されていることも興味深いです。単純に倒れたら割れる、その脆さが容易に思い浮かぶのも、危うげな気配を深めるおおきな要因のひとつに思えるんです。

逆さの頭部が語りかけるシュールな物語性。その異様さが生々しく、あからさまに提示されているこのインスタレーションに、それぞれの素材も脆さとは裏腹の相当な強度を感じます。

柴田英里00.JPG

review:「discollage -ものの組み合わせには何かルールがありますか。」阿部大介 糸崎公朗 小林史子 彦坂敏昭 八木貴史《12/26、1/10》mirror

「discollage -ものの組み合わせには何かルールがありますか。」阿部大介 糸崎公朗 小林史子 彦坂敏昭 八木貴史

YUKA CONTEMPORARY

東京都文京区関口1-30-9

03-5272-2476

12/26(土)~1/23(土)日火・12/30~1/5休

11:00~19:00

discollage091226.jpg

“discollage - Is there any rules in combination” Daisuke Abe, imio Itozaki, Fumiko Kobayashi, Toshiaki Hicosaka/a>, Takafumi Yagi

YUKA CONTEMPORARY

1-30-9,Sekiguchi,Bunkyo-ku,Tokyo

03-5272-2476

12/26(Sat)-1/23(Sat) closed on Sunday, Tuesday and 12/30-1/5

11:00-19:00

Google Translate(to English)

ユニークなコンセプトで展開するアーティスト5名がフィーチャーされている展覧会です。

まず、これまで折に触れて拝見している彦坂敏昭さん。昨年秋の遊工房アートスペースでの個展も印象に残っているのですが、今回はそのときに発表された肖像をモチーフとしたシリーズ「像画」に加え、さらに新たな展開も繰り広げられています。

あらためて肖像の作品を拝見し、それ以前の「燃える家」「テサグリの図面」のシリーズでのモノトーンでの展開と比較し、さまざまな色彩がひとつの作品にふんだんに折り込まれていることにあらためて気付かされた次第。顔料、絵の具や鉛筆などさまざまな素材を駆使して豊かな表情を導き出しているあたりはこれまでの一連の流れも感じさせてくれますが、今回展示されている作品における背景の紺青の深い濃淡、有機と無機とを行き交うような複雑な矩形のひとつひとつに施される色など、色彩やかたちが衝突し合って生み出されるインパクトが、これまでの淡々としたなかから漏れ出す熱とは異なる雰囲気で、もっと直接的で異様に濃く、強く伝わってくるような気がします。

彦坂敏昭 05.JPG 彦坂敏昭 04.JPG 彦坂敏昭 03.JPG

彦坂敏昭 02.JPG

その一方でふたたびモノトーンに回帰した作品も。

こちらは支持体にキャンバスを採用した作品とのことで、そのこと自体が新展開であることに加え、先に挙げたシリーズの頃と比較して構図の奥行きの現し方にも変化が見られます。こちらの今後の展開も楽しみです。

彦坂敏昭 01.JPG

糸崎公朗さんの作品。

このギャラリーのビルのすぐそばの風景を360°撮影し、その写真をコラージュしたもの。

糸崎公朗04.JPG

もう1点は、「フォトモ」という技法による作品。巧く出来ているなぁと感心することしきり。作る面白さ、遊び心が伝わってきて楽しいです。

糸崎公朗03.JPG 糸崎公朗02.JPG

糸崎公朗01.JPG

阿部大介さんがこのグループショーにフィーチャーされていることが興味深く、この企画に厚みをもたらしているように思えます。

爛れる樹脂の生々しい質感、用いる素材のユニークさ、また行為自体のダイレクトさがより際立って感じられます。

阿部大介 06.JPG

タイヤの表面を樹脂で象って画面に配置した作品は、行為をそのまま落とし込んだという意味ではシンプルですが、それによってタイヤの凹凸、その構造の面白さは際立って提示されると同時に、平面作品としての構図の絶妙さやマチエルの独創性などに惹かれます。

阿部大介 05.JPG 阿部大介 04.JPG 阿部大介 03.JPG 阿部大介 02.JPG

阿部大介 01.JPG

八木貴史さんの作品はもう、単純に面白い!

色鉛筆を樹脂で固め、それを彫り出すというもので、何よりこのアイデアに感服。

工業製品が持つ構造の無機質さを逆手に取って、ポップさが引き出されているように感じられます。

加えて彫刻としての仕上がりの美しさにも大いに惹かれます。

八木貴史12.JPG 八木貴史11.JPG 八木貴史10.JPG

八木貴史09.JPG

八木貴史08.JPG 八木貴史07.JPG

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八木貴史05.JPG 八木貴史04.JPG 八木貴史03.JPG 八木貴史02.JPG

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ファイルを拝見すると他にもユニークで実験的なクリエイションを数多く展開されているようで、この色鉛筆のシリーズはもちろん、もっといろいろと観てみたいです。

小林史子さんは映像作品が。

その場にあるものを使って別の空間を作り上げ、導き出す、なんともユニークなインスタレーションを繰り広げられているようで、こちらの映像は実際に住まわれていた空間を解体する様子を記録したものだそうで、さまざまなものが集められ、ひとつの塊へと変化していく様子は実に痛快です。

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小林史子11.JPG 小林史子10.JPG 小林史子09.JPG

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小林史子07.JPG 小林史子06.JPG 小林史子05.JPG

さらに、写真作品も。

この情景の唐突感が堪らない!

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実際にこの様子を観たい、と思うわけですが、奥の流し台にインスタレーションが。

まさにそこにあったものを巧みに組み上げて紡ぎ出される美しい混沌。構造がホントに格好良く感じられ、またコミカルな印象も伝わってきます。

小林史子03.JPG 小林史子02.JPG

小林史子01.JPG

小林さんのクリエイションはまさにサイトスペシフィックな要素が強く、それが痛快さをより際立たせて,驚きへと押し上げているように思えます。

~1/11のアート巡り mirror

■12/26 Sat

イキテルキオク マボロシノキオク MEMENTO VIVERE/MEMENTO PHANTASMA

@旧在日フランス大使館庁舎別館、屋外敷地

東京都港区南麻布4-11-44

12/11(金)~12/27(日)月火水休

10:00~18:00(金土:~22:00)

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芸大の出身/籍を置くアーティストが集まってそれぞれの空間でさまざまな作品を展示、「先端」のアーティストが多いこともあり、よりユニークなクリエイションが揃った印象が強かったです。

そのなかでもっとも面白く感じられたのが、AKI INOMATAさんのヤドカリの作品。実物のサイズのヤドカリの「宿」を透明の樹脂らしき素材で制作し、しかも実際に住まわせている様子を捕らえた写真や動画が展示されていて、なんともかわいらしく。

考えもしなかった光景にただ呆然とし、「やられた!」的なインパクトが痛快でした。

谷黒佐和子・木村順也 版画展

シロタ画廊

東京都中央区銀座7-10-8-B1F

03-3572-7971

12/21(月)~12/26(土)

11:00~19:00(最終日:~17:00)

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ふたりの若手の版画家を紹介する展覧会、そのうち木村順也さんの作品に興味を覚えました。デジタルプリントと木版画とを組み合わせたモノトーンの版作品。パソコン上で作ったようなぼやけた感じの画面に木版の温かみも溢れるくっきりとした影が乗り、アングラ感もただよわせる不思議な雰囲気が生み出されていました。個展でも拝見したいクリエイションです。

「discollage -ものの組み合わせには何かルールがありますか。」阿部大介 糸崎公朗 小林史子 彦坂敏昭 八木貴史

YUKA CONTEMPORARY

東京都文京区関口1-30-9

03-5272-2476

12/26(土)~1/23(土)日火・12/30~1/5休

11:00~19:00

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5名のアーティスト、しかもそれぞれ素材などからユニークさが際立つ方々が集められた展覧会。これまでも何度か拝見している阿部大介さんや彦坂敏昭さんが参加されているのがこの企画のコンセプトをより前面に押し出し、分かりやすくしているように感じられます。

そして他の3名の作品も面白い!色鉛筆を樹脂で固めて彫り出した八木貴史さんの彫刻作品の美しさ、小林史子さんのその場にあるものを組み合わせて異空間を創り出すバイタリティなど、興味深い展開がそこかしにこ繰り広げられています。

■12/27Sun

公開制作48 青山悟 Labour’s Lab

府中市美術館 公開制作室

東京都府中市浅間町1-3

042-336-3371(代表)

11/14(土)~2/14(日)月(祝日の場合開館、翌火休)、12/28~1/4休

10:00~17:00

青山悟0911144.jpg

「美術犬」のシンポジウムに合わせて青山さんの公開制作の場も鑑賞。既に展示として完成されていて、制作途中を観られなかったのが残念、もっと早めに伺うべきだったと。。。

で、展示はあの至高の刺繍が数点壁面に展示されているのはもちろん、青山さんにとってのイマジネーションの源やコンセプトを暗示するような画集も資料的に置かれているなど、その創造性の一端に触れられるような構成も印象的です。もう一回伺ってしっかり拝見できれば、と思っています。

■1/3Sun

現代工芸への視点―装飾の力

東京国立近代美術館 工芸館

東京都千代田区北の丸公園1-1

03-5777-8600(ハローダイヤル)

11/14(土)~1/31(日)月(ただし11/23と1/11は開館)、11/24、12/28~1/1、1/12休

10:00~17:00

工芸館091114.jpg

若手の作家も多く紹介されているのが嬉しい企画。

これまで個展などで拝見している桝本佳子さん、染谷聡さん、上田順平さん、青木克世さんといった方々の作品も一挙に拝見できるのがまずなにより嬉しいです。桝本さんの初期の作品の素朴さ、上田さんはイメージを広げてくれるような展開が楽しいです。あと、あくまで工芸的な印象の作品は、そこから得られるイマジネーションの刺激に物足りなさを感じたりなど、さまざまな印象を得た次第。

そういった中で、佐合道子さんのセラミックの作品に大いに惹かれた次第です。うねうねと有機的、そして細やかな造形がなんともかわいらしく、そこからさまざまなイメージも湧いてきて楽しいんです。榮水亜樹さんにも通じるような繊細で儚げな風合いのな世界観、ぜひとももっと拝見したいクリエイションです。

■1/5 Tue

躍動するイメージ。 石田尚志とアブストラクト・アニメーションの源流

東京都写真美術館 B1階映像展示室

東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内

03-3280-0099

12/22(火)~2/7(日)

10:00~18:00(木、金:~20:00、1/2、1/3:11:00~)

石田尚志091222.jpg

一度拝見したことがある作品ながら、あらためて観てもやはりその凄さにただ呆然とさせられる凄まじい映像。バッハの音楽にシンクロして展開していく場面の濃密さ、アバンギャルドな雰囲気にただ圧倒されます。加えて、このご時世、オープンリールで上映されているのもアグレッシブさをもり立ててくれているように思えます。

そして観賞後、あらためて展示空間内を俯瞰し、そこにある紙の束がすべてアニメーションのコマであることにふたたび呆然。とにかく相当凄みに溢れた空間が作り上げられているように感じられます。

■1/8 Fri

桝本佳子展 -パノラマ 陶の風景-

INAXガレリアセラミカ

東京都中央区京橋3-6-18 INAX:GINZA 2F

03-5250-6530

1/8(金)~2/2(火)日祝休

10:00~18:00

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もう、楽しい!

お馴染みの、鳥やら松の木やら船舶が、壷や皿と空間を共にし、3次元で重なり合っている造形。焼き物としての味わい深さ、ユーモア溢れるコンセプト、そして船舶や鳥などの姿も程よくていねいに再現されていることも、桝本さんの作品に説得力をもたらしているように感じられます。

また、さまざまなモチーフをひとつの塊へと詰め込んだ,妖しく濃密な雰囲気が伝わる作品も興味深いです。

松山隼 -今日のお祈り-展

INAXギャラリー2

東京都中央区京橋3-6-18 INAX:GINZA 2F

03-5250-6530

1/6(水)~1/29(金)日祝休

10:00~18:00

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さまざまなサイズの画面に絵の具の質感たっぷりに描き上げられる肖像。

その荒々しさ、静かな力強さがぐんと意識を引き込みます。そしてそれらを構成するアバンギャルドなマチエルに惹かれます。

第4回shiseido art egg 曽谷朝絵展「鳴る色ー色と音のあいだに」

資生堂ギャラリー

東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビルB1F

03-3572-3901

1/8(金)~1/31(日)月休

11:00~19:00(日祝:~18:00)

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どこか儚げな幻想世界を奏でるキャンバスの作品から一転して、さまざまな色彩が3次元で溢れるインスタレーションが繰り広げられています。

空間全体を俯瞰して伝わる情報の圧倒的な分量、そのひとつひとつに近づいてみるとさまざまなストロークが透明のカラーシートに施されていて、抽象的な情景も無数に存在していることにも圧倒されます。

コンセプトにある「音」の要素は短い鑑賞時間では感じられなかったのですが、あらためて伺ってじっくりその世界に浸ってみたいと思っています。

前原冬樹 "いろはにほへどちりぬるを"

YOKOI FINE ART

東京都港区東麻布1-4-3 木内第二ビル6F

03-6276-0603

1/8(金)~1/30(土)日祝休

11:00~19:00

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柱に描けられるワニ革のベルト、割れた陶器の欠片、錆び付いた排気口。それぞれが臨場感たっぷりに絶妙な位置に配置され、臨場感溢れる雰囲気が紡ぎ上げられています。

その再現性の高さは信じ難いほど、分かっていてもその凄さにはただただ感嘆させられます。特に柱にかかるベルト、柱から浮き上がる様子さえも緻密に再現されていて、いったいどうやって彫っているんだろうと考えるととてつもなく気が遠くなってしまいます。

緊張感に満ちる至高の空間が創造されています。

「The Poster shop」展

hpgrp GALLERY 東京

東京都渋谷区神宮前5-1-15 CHビルB1F

03-3797-1507

1/8(金)~1/17(日)会期中無休

11:00~20:00

同ギャラリーにゆかりある6名のアーティストの「ポスター」がずらりと並び、またそれらが床置きのパレットの上に並べられています。

キャッチーでグラフィティ的なクリエイションの面目躍如といった感じが痛快極まりなく、それぞれ伸びやかに,自由にその個性を発揮している様子も嬉しいです。

「お札」でお馴染みの太湯雅晴さんの作品が、いつものお札でなく動物のシンプルな画像を基に作画されていて、それがすこぶるカッコいいんです。

河野里沙 "Silent Paradise"

GALLERY at lammfromm

東京都渋谷区上原1-1-21 山口ビル1F

03-5454-0450

1/8(金)~2/22(月)

12:00~20:00(土:11:00~、日:11:00~19:00)

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大作の印象が強い河野さんの個展、今回は比較的コンパクトな作品が並んでいます。

深い透明感を奏でる青が広がり、そこに灯されるピンクがいっそう鮮やかに映えるお馴染みの色調の作品はもちろん、黒を背景にリボンが舞う作品や、ブランコ遊びに興じる女の子が描かれた、メランコリックな雰囲気が印象に残るものなど、さまざまな場面が描き上げられています。

かわいらしい雰囲気が伝わってきますが、しばらくして思い返すと何故かしら妖し気な記憶が立ちのぼってくるのが不思議です。

■1/9 Sat

佐藤温 ON STAGE

東京日本橋高島屋6階 美術画廊X

東京都中央区日本橋2-4-1

03- 3211-4111(代表)

12/23(水)~1/11(月)1/1休

10:00~20:00(12/31:~18:00、1/2:~19:00)

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前回の個展での無数のドローイングが壁にびっしりと貼られた展示も印象に残る佐藤温さん、今回は一部の壁面を除いて、キャンバス作品が整然と並んでいました。色の強さ、近未来的な雰囲気を放つ場面などが印象に残ります。SFの痛快さがそのまま楽しく描かれたような感じが痛快です。

金子奈央展

Gallery Q

東京都中央区銀座1-14-12 橋本第17ビル3F

03-3535-2524

1/8(金)~ 1/23(土)日休

11:00~19:00(最終日:~17:00)

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前回の個展に引き続き、女性の半身像をモチーフとした作品が展示されています。

しかし、前に拝見した時よりも描かれる女性の表情はいきいきしたような印象で、もちろんそれでもクールさ、静かな雰囲気は保たれているのですが、細微な部分、黒髪の艶などもていねいに描写され、よりその世界観が深められたように感じられます。

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すらりと走る稜線、纏う服のフリルや髪飾り,被り物などの可憐さなど、巧みな陰影とていねいな描写で表現されています。それが美しさをより引き立てているように感じられます。

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突き詰められるバランスが、より絶妙になったように感じられるのも嬉しいです。

気配としてのイラスト的な雰囲気を保ちつつ、キャンバスに描かれることの絵画としての説得力、背景に広がるベージュの落ち着いた感じなど、今ある良さがこれからどういうふうに研ぎ澄まされていくか楽しみです。

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Visage vol.2 石庭美和 替場綾乃 木原千春 小橋陽介 坂本真澄 佐藤栄輔 重田みずき 福島淑子

GALLERY MoMo Ryogoku

東京都墨田区亀沢1-7-15

03-3621-6813

1/9(土)~1/30(土)日月祝休

11:00~19:00

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同ギャラリーでお馴染みのアーティストがずらりと揃う展覧会。これまで拝見したことのある作品も多い中で、今回初めて同ギャラリーに登場するふたりのアーティスト、木原千春さんと重田みずきさんが新鮮です。

モノトーンでシャープな雰囲気を醸し出す重田さん、そして木原さんはダイナミックな筆遣いはそのままに、全体を覆う赤系統の色彩の画面にひとつのストロークで放たれた青の斬新さ、鮮やかさに圧倒されます。

TWS-Emerging 131 柴田英里「The Graceful Monsters(アイドル)」

トーキョーワンダーサイト本郷

東京都文京区本郷2-4-16

03-5689-5331

1/9(土)~1/31(日)月休(祝日の場合開館、翌火曜休)

11:00~19:00

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たった6体の等身大のオブジェ、しかし頭部だけ逆さま。

粗い仕上がりでありながらも、フリルなどの色彩のかわいらしさに惹かれていき、そこからだんだんと視線を上げ、逆さまの頭部をあらためて目にし、アバンギャルドなイメージに一気に引き戻されまるのが,何だか凄い,なんとも言えない不思議な印象で。また、補助のワイヤーの生々しさなど、危うい気配も濃密に脳裏に浮かび上がってきます。

TWS-Emerging 132 鎌田あや「私のまわりの目に見えない夢」

トーキョーワンダーサイト本郷

東京都文京区本郷2-4-16

03-5689-5331

1/9(土)~1/31(日)月休(祝日の場合開館、翌火曜休)

11:00~19:00

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ギャルリー東京ユマニテでの個展も印象的だった鎌田さん、今回もプロジェクターを駆使し、暗い空間にさまざまなものを配置するインスタレーションが繰り広げられています。

しかも床に置かれる全てのものは黒く塗られ、立体でありながら影が演出されています。そこに、壁面に斜めに映し出される唇と「アノネ」というつぶやきがひたすらループする音声、頭上を埋め尽くす風船が大人びた幻想のイメージを引き立てます。

TWS-Emerging 134 高木理枝子「ほんのり、いたい」

トーキョーワンダーサイト本郷

東京都文京区本郷2-4-16

03-5689-5331

1/9(土)~1/31(日)月休(祝日の場合開館、翌火曜休)

11:00~19:00

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苺をモチーフとした作品がずらりと並びます。

艶やかな赤が重なってファンタジックな雰囲気を盛り上げ、そこにユーモアも入り込んで、まさに甘い情景が紡ぎ出されています。

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苺をもととしたモチーフはどんどん抽象性を帯び、時にアバンギャルドな気配へと変化、異空間の雰囲気を醸し出していきます。

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大作から小品までさまざまなサイズの作品が並び、色彩の組み合わせによってさらにユーモラスでユニークな空間を紡いでいきます。

ドローイングなども展示され、伸びやかなイメージの広がりが伝わってくるのも楽しく感じられます。

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TWS-Emerging 133 草刈ミカ「凹凸絵画」

トーキョーワンダーサイト本郷

東京都文京区本郷2-4-16

03-5689-5331

1/9(土)~1/31(日)月休(祝日の場合開館、翌火曜休)

11:00~19:00

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まさにタイトル通りの凹凸を持つ絵画。とにかく楽しい!

ペーストらしき素材が画面上に紐上に盛り上げられ、それらによる線が幾重にも重なって立体感を形成、さらに太い稜線と鮮やかな色彩で描き出される人物などのキャッチーなモチーフや、全体をグラフィカルに覆う軽やかな色彩感が、さらにめくるめくポップな雰囲気を導き出しています。

小西菜津子+丹澤和美 "sight to outsight"

Gallery Jin

東京都台東区谷中2-5-22 山岡ビル1F

03-5814-8118

1/9(土)~1/23(土)月火休

12:00~19:00(最終日:~17:00)

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それぞれに味わい深い雰囲気が印象的な平面のクリエイションがパッケージされた展覧会です。

昨年のART AWARD TOKYOで展示された作品も印象に残っている小西菜津子さん、そのときは白の背景だったのが、今回はさまざまな、渋めの色彩を背景に人の姿が配置された作品で、不思議な空間が導き出されています。この色があるほうの作品がむしろ本来の作風とのこと。小品のかわいらしい感じも楽しいです。

丹澤和美さんの作品は、大胆なストロークで描かれるモチーフがコミカルで味わい深い雰囲気を生み出しているのが興味深いです。

児玉画廊コレクション "ignore your perspective 9"

児玉画廊|東京

東京都港区白金3-1-15-1F

03-5449-1559

1/9(土)~2/13(土)日月祝休

11:00~19:00

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さまざまなクリエイションが紹介されるシリーズ企画,今回は特に京都の空間で拝見している作品があらためてこちらの空間で拝見できるのが嬉しい展覧会です。阿波野由紀夫さんの大作が運ばれていることにとにかく驚かされた次第。まだ近くに寄ると僅かに臭いが残っていて、京都での個展のインパクトが蘇ってきます。

[corner] Alexander Gelman,Paul Davis,横山裕一,Toast Girl

NANZUKA UNDERGROUND

東京都港区白金3-1-15-2F

03-6459-3130

1/9(土)~2/6(土)日月祝休

11:00~19:00

同ギャラリーらしいシャープでヴィヴィッドなクリエイションがパッケージされて一挙に紹介されています。

それぞれのアーティストの小品が作家ごとに整然と並べられた壁面が圧巻。それぞれの個性が濃密に滲みます。

あと、謎だったTOAST GIRLがその名の通りの作品なのも面白いです。

大竹司「ビニル」

山本現代

東京都港区白金3-1-15-3F

03-6383-0626

1/9(土)~2/6(土)日月祝休

11:00~19:00(金:~20:00)

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触れるとバリッと電気が走りそうなほどの、不思議な緊張感が溢れるペインティング。さまざまなモチーフが精緻に描き込まれ、しかしおおらかな動的なイメージよりも静止を強いられているかのような張りつめた気配を思い起こさせてくれるように感じられます。

立体作品、切り紙、ちいさなケースのなかの作品など、それぞれのメディアにおけるユニークな展開も楽しいです。

■1/11 Mon

上田暁子 個展「内庭の無限」

GALLERY b.TOKYO

東京都中央区京橋3-5-4 吉井ビルB1F

03-5524-1071

1/11(月)~1/16(土)

11:00~19:00(金:~21:00、最終日:~17:00)

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昨年のシェル美術賞で印象的だった上田暁子さんの個展、妖し気な筆致によって導き出される幻想的な気配が印象的です。

a href="http://exchambermirror1.up.seesaa.net/image/BEE5C5C4B6C7BBD212.JPG" target="_blank">上田暁子12.JPG 上田暁子11.JPG 上田暁子10.JPG

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全体を覆うダークな雰囲気、用いられる色彩はそのイメージとは裏腹に幅広く、加えて筆致のバリエーション、豊かな縮尺の解釈などによって不思議な雰囲気が紡がれているように感じられます。遠目で眺めたときに気付くほどの大きなモチーフの存在が描かれる情景の奥行き感をさらに面白くしていきます。

上田暁子08.JPG 上田暁子07.JPG 上田暁子06.JPG 上田暁子05.JPG

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一貫する儚げな気配も印象的です。

上のシェル美術賞出品作品をはじめ、大作から小品までさまざまなサイズの作品が揃えられ、またより現実的な雰囲気が思い起こされる作品やドローイングも展示され、上田さんのクリエイションの幅広さも堪能できる構成も興味深いです。

上田暁子03.JPG 上田暁子02.JPG

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《買ったCD》

「Tomorrow Becomes You」Slow Six

「World's End Village」未知瑠

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writer name:幕内政治
birth:1971/6/17
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