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幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報
2007年7月アーカイブ

昨日の高円寺ペンギンハウスでのライブ、今回も無事終えることができました。
毎度ながら多くの方々に足をお運びいただきまして、あらためてお礼申し上げる次第でございます。

どうもありがとうございました!

志水児王 LINNERSCOPE
RECTO VERSO GALLERY
東京都中央区日本橋茅場町2-17-13 第2イノウエビル#401
7/23(月)~8/4(土)日休
11:30~19:00(最終日:~16:30)
志水児王7/23DM.jpg


フューチャリスティックな光の像。

茅場町界隈に新しくオープンしたRECTO VERSO GALLERYで開催されている志水児王さんの展覧会に行ってきました。
志水さんといえば、昨年秋の表参道画廊での展覧会やそれ以前のSOLでの個展などで光のインスタレーションの作品を拝見していて、空間を行き交い、蠢くサイバーな光のかっこよさがいつも尋常でなく、今回も楽しみでいたのですが、その期待をまったく裏切らない、むしろさらに意表を付く、鮮烈さに満ちた空間が作り上げられいます。

ここ、RECTO VERSO GALLERYの空間のユニークさから。
完全なホワイトキューブで、空間の形状もほぼ正6面体的な印象、照明は天井にスクエアに組まれた蛍光灯のみという、展示に特化した空間です。
青山のvoid+などとも通ずる、アーティストのイマジネーションを刺激する空間。
今回出品されている志水さんの作品も、まずこの空間での展示が前提となっているようです。


照明が消され、暗室となっているギャラリーへと入った瞬間から、美しく揺らぎ、鮮やかな波形を描きながら変化し続けるグリーンの光と赤の光線とが目に飛び込んできて、その未来的な風合いに一気に持っていかれます。
しばらく眺め続けていると、その光の変化に時間を忘れてしまいそうになるくらいの鮮やかさ。

志水さんの作品は、実際に提示するものは壁などに映し出される光の像なのですが、それを生み出す器機からもまた、端整な機能美が感じられます。
これだけ複雑な光の波形を描き出せるのに、その器機の仕組みのシンプルさには驚かされます。


志水児王@RVG01


発光器機が放つ光が向かう先には、細長く浅い長方形の水槽が。
これが、角度の浅いシーソーのようになっていて、揺れる度に中に入っている水が動き、波が起こるような仕組みが施されています。
緑の光に浮かび上がる細長い長方形も、美しいです。


志水児王@RVG02

そして、この水面に反射した光が壁に投影されます。
シャッタースピードの関係で、写真ではどうしても光のエッジが滲んでしまっているのですが、実際には実に細やかな波形が大きな振幅を伴いながら、左斜め上と右下とし行き交います。
まるで壁を分断しているかのようなその緑の光のレールの真ん中を走る赤い光の筋。素晴らしく鮮やかなアクセントとなっています。


志水児王@RVG05 志水児王@RVG03

志水児王@RVG04

ここに展示されたすべてがかっこいいんです。
このギャラリーが入っている建物自体からは、奥野ビルにも通ずる古めかしさを感じずに入られないのですが、そんな風合いのなかにこの空間があることのギャップもまた面白く感じられます。
テクノロジーアートに興味がある方にはぜひチェックしてほしい展覧会です。

平野真美「散歩道」
Gallery Jin
東京都台東区谷中2-5-22
7/27(金)~8/5(日)月火休
12:00~19:00(最終日:~17:00)
平野真美7/27DM.jpg

どこか水墨画のような渋味も感じられる銅版画と、やわらかく温かみのある色調で広がる油彩の作品。
それぞれがお互いに響きあい、おだやかでのんびりとした世界が繰り広げられています。

VIsual contents VII -版画-
SAN-AI GALLERY
東京都中央区日本橋蠣殻町1-26-8 三愛水天宮ビル1F
7/21(土)~7/28(土)
11:30~19:00(日祝:~18:00、最終日:~17:00)
Visual contents7/21DM.jpg

3名の女性の版画家のグループ展。
それぞれが手法とイマジネーションとを活かして、オリジナリティのある世界を作り上げています。

大西瑞穂さんのリトグラフの作品。
画面の中にあらわれる、細やかな描き込みがつくり出す奥行きが強く迫ってきます。
そして、色彩の鮮やかさが、どこか和洋が混然となった不思議な世界をさらに独特なものへと押し上げているように感じられます。

VC大西瑞穂02 VC大西瑞穂01

VC大西瑞穂03


孤泥さんの作品はこれまでも度々拝見していますが、銅版画とペン画で繰り広げられる中世的なイメージが広がる緻密な模様に今回も圧倒された次第で。
細かい線のつながりとさまざまな種類の模様が繋がって、有機的なモチーフを形成しています。しかし、生命感が溢れるというよりも、その細やかさに目がいってしまうんです。

VC孤泥03 VC孤泥02

VC孤泥01


東京造形大学の修了展示で拝見して印象に残っている馬場都紀子さんのリトグラフ。
何版も用いながら、やさしくやわらかな色彩による陰影だけでその光景を浮かび上がらせていています。
フォルムを失い、残り香のように画面に佇むモチーフが印象的です。

VC馬場都紀子03 VC馬場都紀子02

VC馬場都紀子04


3つの世界がお互いの良さをも引き出しあって、素敵な展覧会となっていました。
ぞれぞれの個々の展開も楽しみです。

VC馬場都紀子01

志水児王 LINNERSCOPE
RECTO VERSO GALLERY
東京都中央区日本橋茅場町2-17-13 第2イノウエビル#401
7/23(月)~8/4(土)日休
11:30~19:00(最終日:~16:30)
志水児王7/23DM.jpg

無機的な「光」で魅せるアーティスト、志水児王さんが、RECTO VERSO GALLERYのほぼ完全なホワイトキューブで繰り広げるハイパーフューチャリスティックな世界。
テクノロジカルなアプローチとアナログな手法とで、信じられないほどの美しい光の世界が作り上げられています。

浮かび上がるかたち 佐藤忠
東京日本橋高島屋6階 美術画廊X
東京都中央区日本橋2-4-1
7/18(水)~8/7(火)
10:00~20:00(最終日:~16:00)
佐藤忠7/18DM0001.jpg

錆びた鉄の渋味と端整なフォルムが印象的です。
素材の重厚な感触がまた、心に落ち着きをもたらしてくれます。

金子晴香 絵画展 この上にあるもの
Gallery坂巻
東京都中央区京橋2-8-18 昭和ビルB2F
7/23(月)~7/28(土)
12:00~19:00(最終日:~17:00)
金子晴香7/23DM.jpg

木版画とタブローが展示されていました。
まず、タブローは、ちょっと厚めのパネルが用いられ、「箱」のような感触もどこかユーモラス。
そのなかに、かわいい世界が収められています。

金子晴香03 金子晴香02

金子晴香01


木版画もやっぱりかわいいんです。
のんびりとした風合いが、さまざまなサイズの画面から滲み出ていて良い感じです。

金子晴香06 金子晴香05

金子晴香04

from/to #04 傍島崇 三井美幸 横井七菜
WAKO WORKS OF ART
東京都新宿区西新宿3-18-2-101
7/28(土)~8/30(木)日月祝・8/11~8/20休
11:00~19:00
from/to#47/28DM.jpg

WAKO WORKS OF ARTが紹介する若手作家のグループショー。
傍島崇さんのパワフルな色面、横井七菜さんのメルヘンチックな世界。無条件にその素晴らしい世界に意識が入り込んでいきます。
この日は時間に余裕がなく、三井美幸さんの映像作品をチェックできず。。。あらためてしっかり伺う所存です。

この日は他に、青山|目黒でのオープニング展における、壁に塗布する「白」をサンプルとして提示するユニークな展覧会や、T&G ARTSのNEXT DOORの第2弾、そしてとある女性アーティストのウェディングパーティーにも。

楽天地 Miyazaki Yujiro Solo Exhibition
ギャラリーエス E zone
東京都渋谷区神宮前5-46-13 ツインエルビル
7/24(火)~8/5(日)月休
11:00~19:00(最終日:~17:00)
宮崎勇次郎7/24DM.jpg

「二枚目」への痛快な転身。

ずいぶん前から楽しみにしていた、ギャラリーエス E zoneでの宮崎勇次郎さんの個展です。

宮崎さんの作品は、たしか2年ほど前のギャラリーアートポイントでのグループ展で拝見して以来、その銭湯の壁面画を思わせる妙に和やかな明るさをたたえたスタイルが忘れられず、以降もたびたび続けて観てきたのですが、第一印象とそれからしばらくの間は「こういう絵」といった印象に留まっていたんです。
敢えて言葉にするとしたら、「狙ったユーモア」。
無論、この個性の鮮烈さは相当なインパクトをもたらしてくれるので、ずっと気になるクリエイションではあるのですが、どうにも「三の線」の域を抜けだせないもどかしさを感じていたんです。

しかし、昨年のミヅマ・アクションでの「眼差しと好奇心」にフィーチャ-され、さらに今年のVOCA展でも作品を発表、そしてVOCA展と同時期に新宿のギャラリーユイットで開催された個展と、およそここ1年でその「三の線」の域を抜け出してきたような感触があって、それが何より嬉しく、また痛快に感じられるんです。

例えれば、角界でのユーモラスなアクセントだった力士が力を付けて、独特の得意技を持ちつつ、一気に大関横綱の地位を引き寄せてきたかのような。

今回の個展でまず嬉しいのが、VOCA展に出品された大作の再登場。
あらためてじっくりと拝見して、芝をあらわすきみどり色と、空の青、それぞれのくっきりとした鮮やかさが醸し出すユーモラスな雰囲気の中に、尋常でない情報量が詰め込まれ、そしてそのひとつひとつが実にかっこよく感じられます。
緻密な陰影で異様にリアルに描かれた動物たちの肉感的な体躯、かと思えばまるでアニメのような、色のエッジがはっきりとしたキャラクターがいたり。
ありとあらゆるものが投入され、どこまでもお賑やかな雰囲気が画面から充満しています。


宮崎勇次郎004 宮崎勇次郎002 宮崎勇次郎003

宮崎勇次郎001

なまずの作品もかっこいい。
僕にとって宮崎さんというと「きみどり色」のイメージが強いのですが、青が画面を覆う作品は、さらにそのユーモアの力強さ、スケールの大きさを押し上げているかのよう。
そこに、画面から受ける第一印象からは考えられないほどに実に細やかな点描なども施されていて、見応え充分です。


宮崎勇次郎009 宮崎勇次郎007

宮崎勇次郎008

楽しいクリエイションが「頼もしい」クリエイションへと一歩前進し、その「おかしみ」はそのままに、さらに壮大な世界へと進んでいくような。

今回の個展を拝見して、宮崎さんの作品をどんどん観たい、もっと観たい、そんな欲求が強く芽生えました。
今、すごく面白いクリエイション。こちらのイマジネーションが追い付かないような展開を、期待したいです。


宮崎勇次郎005

吉田朗 犬張り子
ギャラリーエス S zone
東京都渋谷区神宮前5-46-13 ツインエルビル
7/24(火)~8/5(日)月休
11:00~19:00(最終日:~17:00)
吉田朗7/24DM.jpg


さて、犬張り子。

唐突ですが、とにかく犬張り子。


ガラス張りのギャラリーの入口から眺めると、なんともかわいい、未来的なジャポネスクの味わいが溢れる、ちょうど抱いてかかえられるくらいの大きさのつやつやの犬の張り子が、こっち向いて。


吉田朗 犬張り子01


・・・か、かわいいじゃないか。

真ん丸のおめめとお鼻、すっと手描きの線で表されたひげ、口。
真っ白のボディにそれぞれの色が映えます。

で、後ろに回ると...


吉田朗 犬張り子02


張り子の犬の背に思わず注目。

桜吹雪と髑髏かよ!Σ( ̄口 ̄;)

なんかもう、このギャップが堪らないのです。
桜吹雪のほうをさらにしっかりと観てみると、背中に文字も。


吉田朗 犬張り子03


アルファベットで英訳してあるのでぱっとは分からないのですが。


ナゼに憲法9条!Σ( ̄口 ̄;)

未来の世界からやってきた張り子の犬が遠山の金さん張りに背中に桜吹雪を舞い上がらせて「忘れたとは言わせねぇ」とばかりに訴えるのが憲法9条。
なんかもう、シュールでシュールで。


というわけで、吉田朗さんの個展です。
これまでは、日々のニュースをモチーフにして、ユーモアのエッセンスをふんだんに投入して作り上げたジオラマ風オブジェの展覧会や、新宿でのグループ展で発表されたフューチャリスティックな質感が清々しいオブジェなど、幅広いイマジネーションで作り上げられたさまざまな作品を拝見しているのですが、今回のテーマが「犬張り子」で。
とにかく、第一印象の徹底的にも思えるほどのかわいらしさと、その背中にスプレーガンで描き上げられた刺青・タトゥ-ふうの紋のギャップが面白い、FRP製の張り子がずらりと並んでいます。


なかでも目を惹くのが、黒い犬張り子。
吉田さんのお話では、これが「親」らしい...もとい、この作品から型を取って他の作品を作ったそう。
漆のように奥行きのある艶やかさと、そこに浮かぶ赤とのコントラストが、他の張り子と比べて特別「不良っぽい・ワルっぽい」感じがしてきます。


吉田朗 犬張り子08 吉田朗 犬張り子09

吉田朗 犬張り子07

そして、1点だけ出展されている、巨大な張り子。
ダイナミックな刺青が施され、さらにその存在感を強烈に押し上げています。


吉田朗 犬張り子05 吉田朗 犬張り子06

吉田朗 犬張り子04


何というか、かわいいのにかっこいい!
あと、イメージ的になんですけど、そのまま張り子を引いて手を放すと車のおもちゃみたい「ウィーン」って走りそうな感じもまた楽しい(笑)。

そして何より、スプレーガンで描かれたさまざまな紋様の精緻さも大きな見どころとなっています。
マスキングも駆使しながら、不良願望を掻き立てるモチーフが再現されていて、ひとつひとつを眺めながら感嘆しきり。
かっこかわいい展覧会となっていて、楽しいのです。

嵯峨篤、小池一馬、ディディエ・クールボ Casino Royale
SCAI THE BATHHOUSE
東京都台東区谷中6-1-23 柏湯跡
7/20(金)~8/31(金)日月祝・8/11~8/20休
12:00~19:00
Casino Royale7/20DM.jpg

3名のアーティストのグループショー。
嵯峨さんのどこまでも艶やかな平面、小池さんの和紙を用いた大きな立体作品と水彩のタブロー、ディディエさんのインスタレーション。それぞれが重ならず、絶妙のバランスでひとつの空間に収まっていて、ひとつひとつの作品のユニークさをしっかりと堪能できる展覧会です。


絶妙のバランス。
それでいて、充分に存在するイマジネーションの有余。


SCAI THE BATHHOUSEで始まった久々のグループショー「Casino Royale」に行ってきました。
そのスタイルや手法はいう間でもなく、世代も国籍も統一されない3名のアーティストのユニークなクリエイションがパッケージされ、独特な「間」を持って響きあっている、たいへん興味深い展覧会となっています。


入口をくぐってまず目に飛び込んでくるのは、鮮烈な光沢を放つスクエアの画面の清冽。
嵯峨篤さんの平面の作品です。
とにかくその表面の艶やかさと、シャープな造型に鮮烈さを覚えます。


Casino Royale嵯峨篤03


手前と正面奥とに展開される幾何学的で無機的な光景。
その画面と対峙するすべての事象を有無を言わさず映してしまうほどに、磨き込まれた画面の強さ。
ぱっと眺めるとまったく同じ大きさ、同じ形に見えるそれぞれの列のスクエアも、実はそこに封じ込められた色彩や、設置される角度に若干の違いがあるようで、そのわずかな差を感じながら眺めると、さらに奥深くイメージが広がっていきます。

何よりその無機的な重厚さが醸し出す存在感のインパクトに、感服してしまいます。


Casino Royale嵯峨篤02

Casino Royale嵯峨篤01

フランス人アーティスト、ディヂエ・クールボさんの作品。
まず、こんなものが、ぽつねんと。


Casino Royale Didier Courbot01


椅子。この空間に計2つ。
どこかの板の切れ端を使って作られたかのような粗雑さが妙にそそられる作品。


(・_・)ハテ?


・・・と、なんかあるんじゃないかと思って見渡すと・・・

Casino Royale Didier Courbot02


壁に穴が。


ちょ

壁かよ!Σ( ̄口 ̄;)
壁切ったのかよ!Σ( ̄口 ̄;)
建物壊したのかよ!Σ( ̄口 ̄;)


いやしかしよく許したねSCAI THE BATHHOUSE.!
この作品に値段が付いているのも(しかもそれなりのお値段)、それでいて初日のレセプションで当たり前のように物置き台と化していたのも、妙におかしく、シュールで。

アーティストが道具だけ抱えてやってきて、そこにあるもので(というかそこにあるものを壊して)作品を作ってしまうという、何という能率の良さ(爆)。そんなふうに感心しつつ。。。


ディディエさんの作品は、他に映像、写真も。
延々と、手に何か妙にその出自が気になるようなちいさな物を乗せて道路を歩くパフォーマンスや、街並との違和感がこれまた妙に気になって、しかしだんだんとそれが当然であるかのように風景として馴染んでくる不思議な写真。


Casino Royale Didier Courbot06 Casino Royale Didier Courbot03


さらには、木材や鋼材の細いスティックを組み上げて制作した作品も。
ペーパーバックがかけられていたり、明かりが灯されていたり。


Casino Royale Didier Courbot04

Casino Royale Didier Courbot05


それぞれの作品は、どこか「謎解き」的で、敢えて例えると「智恵の輪」のように、ニヒルな笑顔で何か問うてきているような印象です。
じっくり対峙するうちに、ゆっくりとイメージが広がっていくような感触。


もうひとりは、昨年末に拝見したclementain workshopでの個展がたいへん印象に残っている小池一馬さん。
広々とした空間をたっぷりと使って、ダイナミックなオブジェを出展しています。
木製の土台に付着された和紙。それがどこか中世的な風合いも醸し出し、時代や場所をまったく異なるところへと誘ってくれるような作品です。


Casino Royale小池一馬02 Casino Royale小池一馬03

Casino Royale小池一馬01


隣り合う壁には上方にまた大きな作品が。


Casino Royale小池一馬04


水彩の作品も展示されていて、こちらも素敵です。
水彩絵の具特有の可憐な滲み具合を絶妙の加減でコントロールし、細やかな模様やモチーフを表情豊かに描き上げています。
また、大きな画面の作品では、立体作品と同様に謎めいた場所や時代をイメージさせつつも、広々とした平面の空間にふわりと広がるように展開する印象があって、仄かにやさしく、かつ硬質な感触も心に残ります。


Casino Royale小池一馬07 Casino Royale小池一馬05

Casino Royale小池一馬06


3名の個性がひとつの空間にパッケージされているのですが、それぞれがお互いの領域を侵食しあうことなく、それぞれが持つイマジネーションのエアポケットをお互いに補完しあっているような感じがすごく印象に残り、興味深く感じられます。

あらためてじっくりと堪能したい展覧会です。

夏目麻麦展
ギャラリー椿
東京都中央区京橋3-3-10 第1下村ビル1F
7/17(火)~7/31(火)日休
11:00~18:30
夏目麻麦7/18DM.jpg


濃厚で透明な色彩。

ギャラリー椿での夏目麻麦さんの個展です。
つい先日まで東京都現代美術館やギャラリー小柳で展覧会が開催されていたデュマスの作風を思わせる、独特の重厚さと静謐感をたたえた作品が並び、深遠な雰囲気を充満させています。


夏目麻麦04

多くの作品には人物の肖像が描かれています。
輪郭を失ったかのようなシルエットと、ダークな色彩とで描き出される人の顔。
それぞれのパーツも滲んでそのフォルムをぼやけさせ、色と色との曖昧なグラデーションがわずかに描かれているものが顔であることを認識させてくれます。
それでいて、そこにある顔が表す表情は、声にならない声を発し、尋常でないほどの強い意思を放っているかのよう。

ダークな色調のなかに提示される世と対峙し、ただただ立ち尽くしてしまいます。


夏目麻麦03

夏目麻麦02

人物の全体像を描いた作品は、顔の作品と比べると情報量が多くなることもあり、どこかの場面を思い浮かべさせてくれます。
ただ、そこに描かれている色彩と同様に、まるで曖昧な記憶や想像を辿っていくかのような独特の雰囲気が強く印象に残る世界で、眺めていて意識がどんどんとのめり込んでいくかのような、とてつもない奥深さを秘めた作品群です。


夏目麻麦06

夏目麻麦05

いつもよりも若干暗めの照明に設定されたギャラリー椿。
こちらのギャラリーが紹介するクリエイションは、その多くに独特のナイーブさをたたえたユニーク個性と、そこに緩やかに「軽さ」や「さわやかさ」が感じられ、その空気を嗅ぎ取るのが嬉しい、といった印象があるのですが、今回の夏目さんの展覧会は、逆にそのナイーブさのメーターが最大のほうへと振り切っていて、いつのも軽みが消えて、どこまでも重厚に迫ってくる空間が作り上げられています。

時間を忘れてじっくりと味わいたい、至高の展覧会です。


夏目麻麦01

西澤千晴 For beautiful human life
東京画廊
東京都中央区銀座8-10-5,7F
7/18(水)~9/1(土)日月祝休
11:00~19:00(土:~17:00)
西澤千晴7/18DM.jpg


ユーモアの中に潜む、シニカルな視点。

東京画廊での西澤千晴さんの個展です。
前回の個展も拝見していて、そのときも画面の中にたくさん登場するオヤジやオバサンひとりひとりの仕草や格好がやけに面白くて印象的だったのですが、今回の個展では、そこに込められたメッセージのようなものがよりくっきりと輪郭を帯びて現れているような感じがします。

例によって、多くの作品で多数、というかイメージ的には無数のオヤジやオバサンが登場します。
入口すぐにある作品では、なぜか海に浮かんでいるオヤジの姿が。向こう岸のリゾートホテルらしき建物に打ち寄せている小包ふうのものとの対比もなんだかシュール。
顔に表情が浮かんでいないせいか、意思を感じないオヤジたちの脱力が妙に印象に残ります。


西澤千晴02 西澤千晴03

西澤千晴01

今回は、鳥や、鳥のシルエットが織りまぜられた作品も多数。
そして、それらの作品の多くに登場するオヤジたちは一様に背中にパラシュートのようなものを背負っていて...しかし、空中にいるオヤジはおらず、結局地面にいるばかりで。
この対比が、飛ぶ鳥の自由さと、例え空中に放たれたとしてもほとんど降下するしかないオヤジの悲哀のようなものをお互いに引き立てあって、ポップでユーモラスな最初のインパクトから痛烈に何かを感じさせてくれます。
ただ、そのことがどうとかを言っているのではなくて、ただ、その状況をこういった形で表している、という淡々とした感触も印象に残るんです。


西澤千晴06

西澤千晴04

もうひとつ、夢、というか、人生設計における理想、目標をモチーフにした作品も。
正面のコーナーに展示された3点、ハートの形をした花壇のなかに、「お金があれば手に入るもの、手に入れたいと思うもの」が描き出されています。
いちばん左手が、豪勢な食事。


西澤千晴07


その隣に、車。


西澤千晴08


そして住宅、と、連作として展示されています。
鮮やかな花壇の花の色と、そのハート形の中に描かれるモチーフの色合いが注目で、実際に手に入れることがたやすいものの順に、だんだんと色が薄く描かれるようなっていて、その色調が現実的な距離感を表しているとのこと。
ぱっと観て派手な風合いの作品なのに、どこか切なさが漂ってくるのがなんとも興味深いです。


西澤千晴09


そして、アートフェア東京でも出品された、スタインウェイのグランドピアノが支持体となった超大作が再び登場しているのも嬉しいのです。

なによりもまず、

どうやって運んだんだ!Σ( ̄口 ̄;)

ということに驚いたりもするのですが、まあピアノは案外細かく部品に分解できるのでそれはすぐに理解できるとして...。

「川」を描いた作品、蓋に暗めの青でたゆたう水の様子がおおらかに描かれていて、印象的です。
そして、この作品は、ピアノの側面が絵巻のような構成になっていて、ちょうどピアノの低音の鍵盤のあたりから、ぐるりとまわって高音域付近へと進むに連れて、そこに描かれるオヤジとご婦人たちの姿がより元気なものとなっていて、さらにそれを描く色調もだんだんと明るく、くっきりとしたものと変化しています。


西澤千晴11 西澤千晴10

西澤千晴12


一体何人いるんだろう、と数えてみたくなったりもするのですが、どこか俯きがちな低音部のオヤジたちの姿と、元気にダンスをしているオヤジ、そして最後には川べりに寝そべってのんびりとしているオヤジの姿のコントラストがこの作品の奥深さを演出しています。
そういうふうにあらためて眺めてみると、ホントに見応えがある作品です。

また、脚部やペダル、鍵盤の蓋や譜面台などにもワンポイントみたいに絵が描かれているのもなんともオシャレで。


西澤千晴13 西澤千晴14


何でもこちらの作品、ベーゼンドルファーと並んで世界2大ピアノメーカーのスタインウェイが西澤さんの作品を知り、特別な注文なしに描くことを依頼されたとのことで、制作自体はやはりキャンバスなどと都合が違ってたいへんだったようなのですが、それでも西澤さんに依頼されるスタインウェイのユニークなセンスと、それに応えて見事な構成の作品を描き上げる西澤さんの両者に拍手です。

で、今回の個展で僕が一番印象に残ったのは、西澤さんの作品としてはたいへん珍しく、オヤジとオバサンがひとりずつしか登場していない作品。
遠い風景の一場面のこの味わい深さに感服した次第。


西澤千晴05

見応え、そこから感じるイメージの奥深さ、その両方に感じ入ることができる展覧会です。
もっといろいろと観てみたい、そして続きも楽しみなクリエイションです。

加藤泉「人へ」
ARATANIURANO
東京都中央区新富2-2-5 新富二丁目ビル3A
7/14(土)~8/11(土)日月祝休
11:00~19:00
加藤泉7_14DM.jpg

今年に入って怒涛の露出を見せる加藤泉さんの描く人。
この奇妙な人たちにもさすがに慣れたわけですが、慣れると一気に愛着が湧いてくるこの不思議。
ARATANIURANOのこけら落としにふさわしく、大きな平面作品と各種の木彫とのふたつの空間がつくり出され、ダイナミックな空間が演出されています。

・・・さて。

果たして彼らはどんな言葉をしゃべるのだろうか。。。


初めて加藤泉さんの作品を拝見したのは、SCAI THE BATHHOUSEでの個展ででした。
ギャラリーの至る所に、あるものは四つん這いになって、あるものはその四つん這いになっている大きな背中の上にさらに四つん這いになっていたり、壁に寄り掛かっていたり、といった具合にさまざまな姿の作品が展示されていて、もう一度観ると絶対に忘れられないその奇妙な魅力に溢れた表情と姿に例に漏れず持って行かれた次第で。


で、2007年のMOT ANNUALに参加された辺りからにわかにその忘れられない作品を目にする機会が増え、本郷のTOKYO WONDER SITEや高橋コレクションでの展覧会を経て、この夏新しくオープンしたARATANIURANOのこけら落としとして始まった加藤泉さんの新作展に、さっそく行ってきました。


メインスペースには平面の大作、ミーティングルームに木彫の作品、あと事務所にも小品が展示されています。

まず、油彩の大作。
なによりもまず、黒一色に塗りたくられた背景によって、いつになくダークな雰囲気が充満しています。


加藤泉02


「夜」を思わせるその黒の雰囲気の効果もあってか、彼らの「宇宙人・異星人」っぷりがより全面に押し出されて、それで作り上げられた空間の雰囲気も一段と力強く奇妙なものに。
刷毛で塗られ、その流れも生々しく残る色面、筆が画面から離れた瞬間がそのまま硬化した絵の具など、一度描かれている作品の世界から、画面に近付くことによって離れたときに見つかってくるさまざまな痕跡も、油彩特有の重厚さに溢れています。


加藤泉01

ミーティングルーム。
こちらは、もう...(汗)。

「異星人」の頭部のみ、上半身、足首より上...さまざまな姿と形で何故かいろんなイスの脚部に取り付けられ、すべて入口のほうを向いて展示されています。


加藤泉03


・・・一体何だ、この押し込まれるような圧力は(笑)。

彼らに言葉があるとして、それはきっと「少年アシベ」のゴマアザラシ「ゴマちゃん」がしゃべるような意味不明ながら意図は何故か通じる、そんな類いの擬音だろうな、とあらためて想像を逞しく、というより自然に思い浮かんでしまうのですが・・・。

それより、いちばんツボったのは...キャスター付きの脚に乗っかっている異星人。


動くのかよ!Σ( ̄口 ̄;)


と、想像しただけで、もう(汗)。
・・・・いやいや、たまりません。

小品も素敵です。
平面にしろ、木彫にしろ、しっかり仕上げないところが最高の仕上げ、と言わんばかりの描きっ放し切りっ放しのやりっ放し感が痛快で堪らない作品が。
これがだんだんかわいくなってくるからホントに不思議です。


加藤泉04


人が作るものって、あらためて面白いなぁ、と思った次第です。
もっといろいろと観てみたいですし、これからどういう展開を見せるかすごく楽しみです。

そして、ARATANIURANOのサイトを拝見すると、クレジットされているアーティストがすごく興味深い!こちらのこれからも楽しみです!

生々しき空像 樫木知子・坂本千弦
ギャラリーなつか& b.p.
東京都中央区銀座5-8-17 GINZA PLAZA58 8F
7/17(火)~7/28(土)日休
11:30~18:30(最終日:~17:00)
生々しき空像7/17DM.jpg


二人の女性アーティストの展覧会です。
まず、ギャラリーなつかのちいさなほうのスペース、「b.p.」で展示されている坂本千弦さんの作品。
素材のユニークさが存分に活かされた立体的な作品を中心に、さまざまなクリエイションが繰り広げられています。

この空間に入っただけで、ほぼすべての作品が目に飛び込んできてかなりのインパクト。
奥のほうの壁に展示されている、赤く透明な楕円のパネルの作品。
至近で観る角度を変えながら画面を探ると、細かいドットによって何やら描かれています。右側の作品は、赤ちゃんの寝顔が。


坂本千弦02

坂本千弦01

透明の素材を用い、壁に飾られた作品。この季節にぴったりの、瑞々しくフレッシュな感触が気持ち良いです。
まさに、水の飛沫を捉えたような感触で。


坂本千弦05

坂本千弦06


数点展示されている、黒い紙に描かれたタブローの作品も印象的です。
黒の背景に城のフォルムが映え、描かれるモチーフの繊細さが伝わってきます。


坂本千弦03 坂本千弦04


もっともインパクトがある作品が、天井から吊り下げられたリボン状のもの。
なんでも、糊に絵の具を混ぜて、平たいところに乗せながら長く長く紡ぐように作っていったそう。いかにもハンドメイドらしい、ひとつひとつ違っている輪の輪郭を至近で眺めたときに感じる味わいも良く、加えて見上げる気持ちよさも。


坂本千弦09 坂本千弦08 坂本千弦10

坂本千弦07

広いほうのスペースでは、樫木知子さんの平面作品が展示されています。
ナチュラルな色調のなかに女の子を登場させて、霞みゆく回想のようにふわふわと、しかし仄かに殺伐とした感触も持たせながら、独特の物語が展開されているような。


樫木知子02


この「描きかけ」感が、妙に心を誘ってきます。
すべてを言ってしまわない、それどころか、ほとんど言わない...そこにあるものだけで淡々と、ある光景が描き出されているのですが、その未完成な感触が逆に観る側のイメージを膨らませてくれるような感じです。
そして、部分的に登場するひっきりなしに続くパターンや幾何的モチーフなどが絶妙なアクセントとなって、やわらかさのなかに硬さやミニマムな広がりを与えています。


樫木知子06 樫木知子07

樫木知子05


事務所のスペースに展示されていた小品は、若干違うテイスト。
小品で、色調こそ大きな作品と近いのですが、ちいさな画面の中にぽつんとひとつのモチーフだけが描かれ、なんともかわいらしい、そしてそこはかとなくシュールな感触も醸し出されているように感じられます。


樫木知子04 樫木知子03


それぞれの世界は繋がっているようにも独立しているようにも感じられます。
不思議な後味のする、ユニークな作品群です。


樫木知子01


この二人のアーティストの作品、色調も質感も異なりますが、逆にそのギャップも面白く感じられる展覧会となっています。

鴻崎正武展
GALLERY MoMo
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F
7/14(土)~8/4(土)日月祝休
12:00~19:00
鴻崎正武7/14DM.jpg

さらにオリジナリティ溢れる世界へと突き進んでいく鴻崎正武さん。
今回はGALLERY MoMoでの個展で、真っ白な空間に蛍光灯の白い光で照らし出され、鴻崎さんのあの絢爛な世界に新しい表情が加わったかのような。


僕にとってはもうおなじみの絢爛画。


鴻崎正武さんのGALLERY MoMoでの個展に行ってきました。
今年に入ってからも数回の展覧会に参加、個展なども開催され、満を持してのコンテンポラリーアートのギャラリーでの展覧会。
驚いたのが、蛍光灯の明るい照明の中で展示される鴻崎さんの作品が、これまで感じたことがない表情を表しているんです。

色彩的も新しくなるに連れて明るい色が登場してきたりしていたものの、どちらかというと何よりもまず「混沌」とした感じ、異様なまでの濃厚さに圧倒されていたのですが、今回はむしろ、ギャラリーの空間がポジティブな明るさに満ちています。


奥のスペースには小品がずらりと。
おなじみの大きさのスクエアのパネルに、植物も動物も混在して奇妙な生物となったモチーフがひとつ。
整然と、ずらりと並んだ様はやはり壮観。


鴻崎正武@MoMo05 鴻崎正武@MoMo04

鴻崎正武@MoMo06

鴻崎正武@MoMo07

手前のメインのスペースには、大作が。
相変わらずの情報量の多さも、今回の展覧会ではその重々しさよりもむしろ軽さ、明るさが全面に出て、鴻崎さんのクリエイションの違う側面が現れているような気がします。


鴻崎正武@MoMo02

鴻崎正武@MoMo01

意外なことに、岩絵の具や箔などといった日本画の素材を使っているという以外にこれといって日本的なものを具体的に象徴するモチーフは実は画面に登場していないのですが、それでも鼻を突くほどに強烈に醸し出されるジャポネスク、エキゾチックな雰囲気。
海外の人はこのクリエイションをどう捕らえるのだろう、と興味が湧いてきます。


で、実は今回の鴻崎さんの個展、このブログもきっかけのひとつとなっていまして。。。
昨年、ギャラリーアートポイントでの鴻崎正武さんの個展の記事をギャラリーMoMoの方がご覧になって、以前から気になられていたという鴻崎さんにあららめてコンタクトを取られた、という経緯で開催に至ったということで、そういった形でこのブログが機能したことがなんとも嬉しいのです。


鴻崎正武@MoMo03

《7/18》
西澤千晴 For beautiful human life
東京画廊
東京都中央区銀座8-10-5,7F
7/18(水)~9/1(土)日月祝休
11:00~19:00(土:~17:00)
西澤千晴7/18DM.jpg

オヤジとオバサンが繰り広げる一風変わったファンタジー。
ユーモラスな画風のなかに込められた悲哀が、今回の個展ではひときわぐっと感じられます。

Gino Rubert "True Blues"
ミヅマ・アクション
東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル5F
7/18(水)~8/11(土)日月祝休
11:00~19:00
Gino Rubert 7/18DM.jpg

エキゾチックな雰囲気が印象に残る作品が並びます。
そして、独特の色彩で描き出される世界はけっこうシュール。

岡田裕子「愛憎弁当」
MIZUMA ART GALLERY
東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F
7/18(水)~8/11(土)日月祝休
11:00~19:00
岡田裕子7/18DM.jpg

いや、もう何も言うまい(笑・汗)。
逆に自身が感じる「面白いもの」への真摯な姿勢が伺えるような気がします。

《7/20》
嵯峨篤、小池一馬、ディディエ・クールボ Casino Royale
SCAI THE BATHHOUSE
東京都台東区谷中6-1-23 柏湯跡
7/20(金)~8/31(金)日月祝・8/11~8/20休
12:00~19:00
Casino Royale7/20DM.jpg

3名のアーティストのグループショー。
嵯峨さんのどこまでも艶やかな平面、小池さんの和紙を用いた大きな立体作品と水彩のタブロー、ディディエさんのインスタレーション。それぞれが重ならず、絶妙のバランスでひとつの空間に収まっていて、ひとつひとつの作品のユニークさをしっかりと堪能できる展覧会です。

《7/21》
この日、自転車が破損。。。
パンクやらブレーキが切れたりやらライトの電球が切れたりやらチェーンが切れたりやらそれなりにいろんな故障や破損は経験してるつもりでしたが、今回はさすがに初めての事態で。
そもそも、ここ数日なんだか乗り心地が悪いな、とは感じていたのですが、明らかにペダルを漕いだ際のエネルギー伝導率が悪いのと、時おり聞こえる金属と金属とが擦れあう嫌なノイズとが気になってしまい、銀座へと向かう途中で自転車をひっくり返して後輪をチェック。
当初は誰かが倒して車輪が歪んだのかな、と思っていたのですが、思いのほか回転はストレート。
じゃあなんだろう、と回っている後輪を止めるべくスポークのところに指を入れてみたら...

原因判明。スポークが折れてました(爆汗)。
それも1、2本じゃなくて、10本ほど。。。

乗り捨てるわけにもいかず、かといって乗りっぱなしというわけにもいかず...なんとか銀座までは辿り着き、そこから自転車を押してギャラリー巡り。途中、電車で移動しつつ再び銀座へと戻り、そこから何とかホームセンターまで乗っていって、買い替えた次第で。
おかげで見に行く予定だった展示のいくつかを諦めざるを得ず。。。

しかし、あの乗り心地の悪さはトラウマになります。

生々しき空像 樫木知子・坂本千弦
ギャラリーなつか& b.p.
東京都中央区銀座5-8-17 GINZA PLAZA58 8F
7/17(火)~7/28(土)日休
11:30~18:30(最終日:~17:00)
生々しき空像7/17DM.jpg

坂本千弦さんの素材の質感を活かした立体的な作品、樫木知子さんの描きかけの感触にイマジネーションが掻き立てられるタブロー。
それぞれのコーナーでユニークな個性を発揮しています。

cross exhibition 西山ひろみ展
ギャラリーなつか cross
東京都中央区銀座5-8-117 GINZA PLAZA58 8F
7/9(月)~7/21(土)日祝休
11:30~18:30(土:~17:00)
NATSUKA Cross7/9DM.jpg

ギャラリーなつかの通路部分を、ミニギャラリーとして開催される展覧会。
今回は西山ひろみさん、紙の上に広がる鉄錆の粒子と細かい黒のドットによって、深く渋い世界がつくり出されています。


西山ひろみ01


奥のミーティングルームにも大作が。
びっしりと画面に乗る無数の細かいドットを観るだけで、この作品を描きあるためにどれだけの時間がかかったのだろう、と圧倒されます。
そのドットが繰り広げる陰影によって、やさしい人物の表情が浮かび上がっています。鉄錆の素材としての重みとともに、その色合いの渋味が実にうまく取り込まれていているように感じられます。
もっといろいろと観てみたいと思うのです(が、きっと時間が相当かかるんだろうなぁ...)。


西山ひろみ04 西山ひろみ03

西山ひろみ02

夏目麻麦展
ギャラリー椿
東京都中央区京橋3-3-10 第1下村ビル1F
7/17(火)~7/31(火)日休
11:00~18:30
夏目麻麦7/18DM.jpg

デュマスを思わせる、深遠な世界。
何も描いていない...なのに、その色彩と風合いだけで魅せるのです。


《7/22》
yuta iida soro exhibition oratotical inventory
Bunkamura Gallery
Arts & Crafts + Gallery+

東京都渋谷区道玄坂2-24-1
7/17(火)~7/31(火)
10:00~19:30
飯田竜太@Bunkamura7/17DM.jpg

ペーパーブックや厚紙で、展示の度にどんなものをつくってくるのだろう、と楽しみな飯田竜太さん。
今回は、三島由紀夫の「永すぎた春」の活字が切り取られ、編み上げられて、それぞれの画面に収められています。ちいさなルビだけが残る紙や、活字が編まれてできた網など、こういった形での文学や本へのリスペクトも興味深く感じられます。
ウィンドウには重なる厚紙を使ってつくられた立体の作品が見応え充分。さらに、壁にかかった厚紙の作品も面白いです。
そして、Gallery+には例によって多数の文庫本のインスタレーションが。

SAORI CHIBA ART EXHIBITION 2007
ギャラリー同潤会
東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ 同潤会アパー
ト再生棟「同潤館」2F

7/19(木)~7/24(火)
12:00~19:00(土、最終日:~17:00)
ちばさおり7/19DM.jpg

鮮やかな色彩の重なりが美しい花の絵。ちばさおり です。
色鉛筆などで彩られたカラフルな花、すらりと流れる色面も美しいです。
紙の白色を背景にして、奥行きがぐんと感じられるのもユニーク。大きな作品から小品、そしてポストカードまで、まさに咲き乱れるように、さまざまな花が溢れています。


SAORI CHIBA02 SAORI CHIBA03

SAORI CHIBA01

千々岩修
アートスペース羅針盤
東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル2F
7/9(月)~7/14(土)
11:00~19:00(最終日:~17:00)
千々岩修7_9DM.jpg


岩絵の具で描き出される、繊細で透明な色の重なり。


昨年末の東邦アートでの個展以来に開催された、千々岩修さんのアートスペース羅針盤さんの個展に行ってきました。

今回は、前回に引き続いてのカラフルな色彩で、今までのと較べるとどこかの風景や何かを連想させるような、抽象的な世界にちょっとしたイメージの入口が現れているような作品も出展されていて、それがたいへん興味深かったです。

縦長の画面に描かれた大きな作品。
さまざまな色の重なりによって引き出された奥行きが、どこかの風景を思い起こさせてくれます。
青はそのまま水がある風景を、そして、遠くに蜃気楼のような色の重なりが広がっているかのような。。。


千々岩修@羅針盤010 千々岩修@羅針盤009

千々岩修@羅針盤008

比較的ちいさな作品も多数出展されていました。


千々岩修@羅針盤005 千々岩修@羅針盤001


大きな画面の作品と比べると、ひとつひとつの画面に色彩の統一感が織り込まれているような感じです。どの作品が、「何色の作品」と表現できそうな感じです。


千々岩修@羅針盤004 千々岩修@羅針盤002


そして、その色彩の重なりで生まれた動線が、キラキラと光が織り成すドリーミーな雰囲気を醸し出しています。


千々岩修@羅針盤003

今回は、横長の大作も。
大きな画面に、これまでの作品、特に小品に現れていたエッジが立つような色彩に加え、千々岩さんの作品にはこれまで多くは登場しなかった滲むような色面も加わり、さらに木の枝葉のシルエットらしきものも織り込まれ、横に流れるように現れている弧とともに、ダイナミックな絵巻のような展開がなされていて圧巻です。


千々岩修@羅針盤007


今回の千々岩さんの作品を拝見して、もっと繊細に世界を作り上げようとされているような印象を受けました。
ひとつひとつの色の厚みをさらに薄く...隣り合い、重なりあう色彩の距離を垂直方向に狭めつつ、そしてそれがむしろどこまでも深く続いていくような、これまで思い浮かぶことすらなかったかも知れない新しい世界を構築しようとしているような。。。

今回の展覧会を拝見して、次にどんな世界が繰り広げられるか、楽しみです、


千々岩修@羅針盤006

竹内翔 ''Fool for the City''
Gallery惺
東京都武蔵野市御殿山1-2-6 ビューキャニオン吉祥寺御殿山B1F
7/7(土)~7/29(日)火水休
11:00~19:00(最終日:~17:30)
竹内翔7_7DM.jpg

絵のなかでひろがっている、ちいさなストーリー。

Gallery惺で開催されている竹内翔さんの個展です。

DMの絵のどこかほのぼのとしてやさしい雰囲気に惹かれて足を運んだのですが、扉をくぐった瞬間からその世界に包まれるようで、なんとも心地よい雰囲気が溢れています。

作品そのものは、いろんな紙などに描いたドローイング風のものを中心に、ちいさな画面にぎゅうぎゅうに描き込みが詰め込まれているものや、ノートの1ページにメモのように描いたもっとイージーなものまで、さまざまな風合いが揃っています。

なかでもまず目に入ってくるのが、やはり大きな作品。


竹内翔01


水彩絵の具の滲んだ感じ、赤い地平と水色の空とのコントラスト、地平の遠くに見えるランドマーク、そして、画面の中央にいる女の子。
その表情、仕草がなんとも味わい深く、何かを想っている、そんな感じが緩やかに伝わってきます。

その向かいにも大きな作品。


竹内翔09


イヤホンを耳に付けた女の子の横顔。
こちらの女の子の表情も憂いを帯びているような印象で、浮かぶ想いに心を委ね、耽っている様子が伝わってきます。大きな瞳の奥に宿る意志も強そう。
ほぼ全面を染めあげる薄い青に赤い線で描かれた女の子、イージーな風合いが絵からそこはかとなく漂ってくる切なさも演出しているかのようで。


小品も魅力的です。
描きながら、「なんとなくここにはこれ」といったふうに、思い付いたものを思い付くまま画面に置いていったような感触がまた堪らなかったり、一方で細かくてその1本1本に強さを感じる線が画面中に密集している作品は、線同士の色のコントラストがくっきりと、しかし軽やかに火花を散らしながら、からりと明るい雰囲気を醸し出しています。


竹内翔04 竹内翔05 竹内翔06

竹内翔02

床置きで展示された作品、展示のアクセントとなっていて良い感じ。


竹内翔10

事務所のスペースには下書き的なものやドローイングが狭いスペースに詰まっています。
描かれたもののひとつひとつに、不思議とその場面が思い浮かんできます。


竹内翔11

今年の岡本太郎賞の展覧会でもひとつのブースでフィーチャーされていたそうで、そのときは既知の作家と動きがある作品に気が向いていたために「観たかも知れない」程度にしか印象が残っていないのが今更ながらに口惜しく。。。

で、今回はじめて竹内さんの作品にしっかりと触れて、それぞれの作品がまるで、ちいさな物語の回想シーンのように、そこに登場している人物の想いヘ意識が自然に向かってしまうのがホントに気持ちよく感じられます。
実にイージーな、「描けちゃった」的な風合いを残しつつ、それがむしろ効果的に雰囲気を演出しているのも好印象です。

機会があれば、言葉が添えられている作品も観てみたいような気がしたり、小説の挿絵やカバーでも出会ってみたいクリエイションです。


竹内翔12

内海聖史展
GALERIE ANDO
東京都渋谷区松濤1-26-23
7/10(火)~7/28(土)日月休
11:30~19:00
内海聖史7_10DM.jpg

資生堂ギャラリーでの個展に続いて始まった内海聖史さんのギャラリエ・アンドウでの個展。
おおきさもかたちもまったく異なる空間で、そのうちの壁一面を覆う細かいドット、そしてそれと対峙するひとつの円環。
無数の視点が壮大なイメージを喚起させてくれます。


空間に響く色彩。


資生堂ギャラリーの大きな空間を充分に活かした素晴らしい個展の直近で開催された内海聖史さんのGALERIE ANDOでの個展にさっそく行ってきました。
空間の容量こそ資生堂ギャラリーと比べるとおそらく相当に小さいはずなのに、むしろスールの大きさはもしかしたらこちらのほうが大きいかも知れない、と感じさせてくれるほどに、今回も渾身のインスタレーションが展開されています。


ギャラリエアンドウというと、ちいさくてすごく変わったかたちの空間という印象がかなり強く、ここで内海さんがどんな展開をしてくるのか、ここでの個展の情報をいただいたずいぶん前から楽しみだったのですが、瀟洒な扉を明けてくぐった瞬間に視界に飛び込んでくる壁一面に広がる紫の色彩のグラデーションにただただ圧倒されてしまった次第です。
いつだって、僕の期待は内海さんのクリエイションに追い付いたことはないのです。


内海聖史@Ando 02 内海聖史@Ando 04 内海聖史@Ando 03 内海聖史@Ando 05

なにより、「紫」という色彩のチョイスが今回の展覧会のもっともユニークなポイントのひとつのように思えます。
内海さんからもオープニングの日に伺ったのですが、紫というとその色の印象の幅がたいへん広く、「赤っぽい」紫も「青っぽい」紫も、ごく自然にイメージできるわけですが、その色彩がもたらしている幅の広さを活かし、さらにそこに黒や緑、黄色といったものも加わりながら、細かいドットが合わせて10枚のパネル構成されるこの画面にびっしりと広がり、さらにその奥に、こちらもまた驚くほどに多種の色彩による下地が施され、視線が向かう場所ごとに隣り合う色彩や色調、画面の質感などが調和したり反発したりしながら響きあって、イマジネーションを複雑に刺激してくれるのです。

また、展示されている壁は左手の角が鋭角に折れているのですが、その部分の空間的な処理にも唸らされます。
そこに現れる隙き間の絶妙具合といったら。ぎりぎりまで大きく取られた画面であるのに、しっかりとその緊張する部分に余裕ももたらされているように思え、こういう空間的ディテールへのこだわりも強く感じます。

この大きな作品、単純にその大きさだけで計れば無論前回の資生堂での個展に出展された作品のほうが圧倒的に大きいのですが、その展覧会を経験していることも大きく作用しつつ、今回の展覧会も前回に劣らないダイナミズムが繰り広げられているのです。
例えば、この極小サイズのドットが前回のサイズへと拡大したら...などと考えるだけでも。


この大作を、向かい合う壁で受け止めるのが、およそ5cm四方の画面12点で組み上げられる円環。
それぞれの画面に一色ずつ。それらが連なってひとつの色彩の流れを作り上げています。


内海聖史@Ando 07


大作が、すべての世界をその色彩で覆い蹂躙し尽くすような「力による力」だとしたら、円環は雲間にふっと浮かび上がるような神々しい力、そういう印象です。
空間の構成としても、ホントに感服です。


内海聖史@Ando 08

内海聖史@Ando 06

内海さんの作品を拝見する度に感じるのは、イメージの自由さと、そのイメージが何らかの具体的なものに限定されないこと、そして、そのイメージを限定する唯一の例外が内海さんのクリエイションそのものであって、単純のそのかっこよさ、素晴らしさだけでさまざまにイメージを喚起してくれる、ということで。

特に抽象作品を「面白い」と感じるために、さまざまイメージや知識、経験を動員しなければいけないことはままあるのですが、内海さんのクリエイションの場合、少なくとも僕にとってはそれがないのです。
そこにあるクリエイションを、それが「面白い」というシンプルな動機付けだけで「面白い!」と感じられることの幸せというか。。。

無論、僕にとってそういう素晴らしいクリエイションとの出会いはこれまでにもたくさんあるのですが、そのことにあらためて気付かせてくれる展覧会でした。

この展覧会、もちろんたくさんの方々に、この場所で直に空間を体感してほしいですし、特に資生堂の展示をご覧になった方にはぜひともチェックしていただきたいです。


内海聖史@Ando 01

Noe展 たなごころ
Gallery 元町
神奈川県横浜市中区元町5-216
7/16(月)~7/22(日)
11:00~19:00(最終日:~17:00)
Noe7_16DM.jpg


なかなか人形の展示に足を運ぶことはないのですが、Noeさんがつくる人形を代官山のアートラッシュで拝見し、実際に抱かせていただいて、いやもう自分でも驚くくらいに「うわ、かわいい...」と思っちゃったりして、で、今回の個展の情報を見つけて行ってきた次第。

桐の木屑が主な素材となっている「桐塑人形」。
木と膠や糊などの素材の、金属や石とは全然違うやさしい肌触りや温もりが、実際に手にとって触ってみてホントに実感できる作品が、Gallery 元町のこぢんまりとした空間に溢れています。

棚の上にはちいさな人形がずらりと。今回は動物の作品もいっぱい。
どこかエキゾチックな佇まいでそこはかとなく漂う渋味も感じさせながら、それでいてユーモラスで無垢な表情や姿がなんとも印象的です。
手に乗る大きさというのもなんだか嬉しくて、きっと大事にしてくれる人の手に渡って、撫でられたり抱かれたりしながらどんどん馴染んでいくんだろうな、と。。。


Noe 02 Noe 03 Noe 01

Noe 04

台の上にちょこんと座った犬(かなぁ?)。
今回の展示では数は多くない球体関節の人形で、絶妙なバランスでNoeさんの手によるワンポイントが添えられた団扇を抱えて妙に愛嬌のある顔を向けてくれています。


Noe 09

Noe 10

床置きの犬の人形も。

「なんでそんな格好してんのw」

みたいに、その仕草を眺めているだけでも楽しい気分にさせてくれます。
で、覗き込んで顔を見てみると、やっぱり良い表情をしてるんです。


Noe 11

Noe 12

数点飾られていた絵もステキです。
絵を拝見すると、Noeさんがつくる世界にさらに奥行きが出てきて、いろんな想像が浮かんできます。
下の写真の作品のほかにもモノクロームの作品もあったりして、独特な風味を醸し出しています。


Noe 08

Noe 07

とにかくひとつひとつの作品を手にしたり置き直したりしながら、さまざまな角度から見せてくれる豊かな表情を味わったり、またそのやさしい手触りも確かめたりしながら、目尻が下がりっぱなしのホントに素敵な時間を過ごせました。

アートラッシュでの団扇の展示にも参加されているようなので、そちらぜひ伺いたいと思っています。


Noe 06

EXHIBITION C-DEPOT 2007 -present-
スパイラルガーデン
東京都港区南青山5-6-23
7/19(木)~7/23(月)
11:00~20:00
C-DEPOT07.jpg

梅雨が明けていないのですが、本格的な夏より一足早く、エンターテイメント性溢れるクリエイションをたっぷり装填した特大のミサイルをお見舞いされた模様でございます。

今年で5回目となるC-DEPOTのエキシビション。今回はさまざまな意味を持つ「present」という言葉をテーマに、平面、立体、テクノロジーア-ト、映像などなど、さまざまなアプローチによる作品がずらりと展示されています。

また、

interface furniture by MONGOOSE STUDIO《5/13》
安岡亜蘭展 -Fantasia-《5/7》
ebc オープンアトリエvol.3 「corona」《5/3》
review:金丸悠児展 -地図-《3/6、3/10》
末宗美香子 作品展《1/30》

と、今年に入ってからこのブログでもレビューしたアーティストも多数参加。

会期が短いのでどうかお見逃しのないように!


C-DEPOT2007 03 C-DEPOT2007 02 C-DEPOT2007 05 C-DEPOT2007 04


C-DEPOT2007 01

北川宏人展〈彫刻〉
新宿高島屋10階美術画廊
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2
7/11(水)~7/24(火)
10:00~20:00(土:~20:30、最終日:~16:00)
北川宏人7_11DM.jpg


たった数点のオブジェで作り上げられる至高の空間。

新宿高島屋10階美術画廊での北川宏人さんの個展に行ってきました。
北川さんの作品は洋協アートホールでのグループ展でも拝見していて、そのときもさまざまな立体のオブジェが展示されているなかで、ひときわそのポップな風合いと鮮やかな色とが強く印象に残りました。


今回の展覧会では、ほぼ等身大の人物のテラコッタを中心に、高さがおよそ5、60cm程度の作品、加えて肩より上の人物の小品とが展示されています。
新宿タカシマヤの美術画廊のあの空間をこれまでとはひと味違うシンプルな構成ながらしっかりとオリジナリティ溢れる世界が作り上げられていて、作品ひとりひとりと対峙したり、空間全体を俯瞰して深遠な気持ちになったり。


北川さんの作り上げる塑像。
細身の躯は粘土が盛られて作り上げられ、表面に手仕事の痕跡が残ったように味わい深い凹凸が現れていて、彩色される色の鮮やかさから伝わる未来的でポップな質感と調和して、新鮮な感覚が沸き起こってきます。
そして、どこか醒めたような表情にも意識が否応無しに向かい、強く印象に残ります。


北川宏人02

北川宏人01

身に纏うワンピースの鮮やかな青が美しい女性。
すっと縦にのびるフォルム、軽く俯いたような仕草、さまざまなイメージを喚起させてくれる表情と視線。
黒い空間に浮かび上がるように佇んで、動かないまま時空を行き交うような不思議な存在感を放っています。


北川宏人11 北川宏人10

北川宏人12


等身大の作品のためのエスキース的なものも含んだ5、60cmほどの作品は、壁沿いに配置された台の上にひとりずつ乗せられて展示され、こちらもその鮮やかさと独特の味わいを放っています。
とにかくすらりと立つ姿が美しく、それが並ぶ様子もまた、美しく感じられます。


北川宏人07 北川宏人05

北川宏人06

ちいさな胸像は、奥のカウンターの棚に置かれています。
こちらではちょっとコミカルな印象も覚える表情が印象的です。カラフルな色調はもちろん変わらず。


北川宏人08 北川宏人09

美しく作り上げられたこの展示会場のダークでシックな空間が、それぞれの色の美しさを引き立て、そして奥深い表情にもさらに深遠さがもたらされているように思えます。

さまざまな視点で堪能しつくしたいインスタレーションが、静かに繰り広げられています。


北川宏人03

刈谷太 個展
ぎゃらりぃ朋
東京都中央区銀座1-5-1 第3太陽ビル2F
7/14(土)~7/21(土)
12:00~19:00
刈谷太7/14DM.jpg

やわらかくすらりと流れる稜線と淡い色彩と。


ぎゃらりぃ朋で開催中の刈谷太さんの個展です。


刈谷太01

刈谷太02

ていねいな仕上がりにとにかく心が打たれます。
実に自然な組み合わせによってやわらかな世界が繰り広げられていますが、それがあまりにも自然なために、フィクションであることをまったく意識させないほど、すっとその世界を受け入れられるのがたいへん興味深いです。

ていねいに描かれる稜線と、トーンが幾分か抑えられたやわらかい色彩とで描かれるさまざまな場面は、例えれば身の丈にあった小説の回想シーンのよう。


刈谷太05

刈谷太04

人が登場せず、動物たちや、壁に留まる蝉ふぁれが描かれた作品も、この展覧会に軽めのアクセントをもたらしています。


刈谷太06

それぞれの画面に描き出される物語に思いを馳せつつ、その淡い色の穏やかな表情に、自然に心が和んでいきます。
ひとつ先の季節を思わせる空間が作り上げられているような感じも良いです。


刈谷太03

井上恵子[suburbs]
Gallery 58
東京都中央区銀座4-4-13 琉映ビル4F
7/16(月)~7/21(土)
12:00~19:00(最終日:~17:00)
井上恵子7_16DM.jpg

ウレタン加工などによる艶やかな画面に描かれる線のシルエット。
色の組み合わせといい、素材感といい、かなり鮮烈なインパクトがあって、なおかつしっかりと「何か」を描いていることの嬉しさ。
2eの井上さんとは同姓同名の、井上恵子さんの未来的なイメージが充満した展覧会です。


シンプルな色彩、特徴的な質感。
それを用いて描き出す風景、場面。


Gallery 58での井上恵子さんの個展です。
(2eの井上さんとは同姓同名の別の方です)


ギャラリーに入ると、過剰なまでに、ぱっと鮮烈な色彩が目に飛び込んできます。
画面全体もウレタン塗料がなめらかに塗布され、普通に使用される絵の具では表せない艶のインパクトがとにかく強烈です。
そして、その上に乗る色彩もまた、同じ塗料描かれています。筆の跡を残さないように、塗料を画面に直接流し置くようにして描かれるのだそう。
このユニーク手法で、しかし完全な抽象に落とし込まず、どこかの風景のシルエットを思わせる線が描かれて、この画面の世界に絵と素材とからアプローチできて、それも興味深いです。


井上恵子03

井上恵子02

写真だと色の差がほとんど判別できない作品も。
実際に見ると、ギリギリの差でいくつかのグレーが重なっています。

井上恵子04

支持体によって、画面の背景に当たる部分の質感も変わります。
最初の空色にピンクが乗る作品はパネルで、下のピンクが広がる作品はキャンバス。
キャンバスの目が現れ、そこにいくつかの線がどこか遠い風景の稜線を表しているかのような。


井上恵子08


艶やかな画面に黒い線が乗る作品も。
さらにシンプルに展開する風景、コミカルで楽しいです。


井上恵子07

比較的大きな作品が空間に配されていますが、その間に展示されている小品も魅力的です。
ちいさな画面に重なる色彩が描き出すシルエット、いくつかの色面で組み上げられるように描かれる花。
鮮やかな色彩が醸し出すポジティブな風合いもどこか痛快で、なんだか元気ももらえそうな。


井上恵子09 井上恵子05

井上恵子06

井上さんにもいろいろと伺えたのですが、作品には少なくとも僕が感じるようなイメージ以外のものも込められているそうで、ただ、観る方々にイメージは委ねたいとのことなのですが、それでも作品の鮮明さとのギャップもかなり興味深いです。

フューチャリスティックな光景に溢れた展覧会です。


・・・おまけに。
さりげなくこんなインスタレーションも。

井上恵子01

今津景展
GALLERY b.TOKYO
東京都中央区京橋3-5-4 第1吉井ビルB1F
7/16(月)~7/21(土)
11:00~19:00(金:~21:00、最終日:~17:00)
今津景7_16DM.jpg

透明で濃厚な風景の重なり。


昨年の個展、そして昨年のシェル美術賞展でもひときわユニークなモチーフが印象的だった今津景さんの個展です。

昨年の個展では、遊園地などの夜景をモチーフにした作品が占めていたと記憶しているのですが、今回は描く世界がぐんと広がり、さまざまな風景がひとつの画面に収められていたり、ドリーミ-に画面に歪みが現れていたりといろんな表情を見せてくれて、それでいて今津さんの作品という統一感はしっかりと残っています。


今津景07

パソコンで加工されてひとつの画面に配され、異なる場所と時間、距離感が隣り合います。
まるで、その画面の数の人の記憶が交差しているような印象も覚えるほど。
しかし、そのギャップが静かな高揚感を生み出し、重なる記憶の断片をまとめる背景とともに、皿に深いイメージへと誘ってくれます。


今津景03 今津景02

今津景01

多くの作品で、複数の場面が大胆なギャップを伴いながら織り込まれ、ダイナミックなイメージを喚起するのですが、場面と場面とが鮮やかなグラデーションで合わせられているような作品も魅力的です。もしかしたら実際に複数の光景が織り込まれていないのかも知れませんが、この空間と呼応して、さらに不思議な世界へと続いていくかのような。


今津景08

描かれるモチーフの輪郭が滲み、背景に溶け込んでいくような作品も。


今津景10


今津さんが取り入れる特徴的な手法の、画面に盛り上げられる立体的な花などが描かれて、揺らめく画面に強いアクセントをもたらしています。
さらに透明感が増したような光景とその立体的なアクセントとが、お互いにその存在感を引き立てあっています。


今津景05 今津景06

今津景04

油絵の具ならではの透明感も、全体の空間から伝わってきます。
そして、そこに現れるあらゆる風景が時にぶつかり合い、響きあって、透明な層が重なって作りだされる深い闇に入り込んで、そこに心がしず見込んでしまうような独特の雰囲気ふが広がっています。


今津景09

《7/10》
内海聖史展
GALERIE ANDO
東京都渋谷区松濤1-26-23
7/10(火)~7/28(土)日月休
11:30~19:00
内海聖史7_10DM.jpg

資生堂ギャラリーでの個展に続いて始まった内海聖史さんのギャラリエ・アンドウでの個展。
おおきさもかたちもまったく異なる空間で、そのうちの壁一面を覆う細かいドット、そしてそれと対峙するひとつの円環。
無数の視点が壮大なイメージを喚起させてくれます。


《7/13》
竹内翔 ''Fool for the City''
Gallery惺
東京都武蔵野市御殿山1-2-6 ビューキャニオン吉祥寺御殿山B1F
7/7(土)~7/29(日)火水休
11:00~19:00(最終日:~17:30)
竹内翔7_7DM.jpg

ひとつひとつの画面から思い浮かぶさまざまな「想い」。
まるで、小さなストーリーを秘めているかのような。


《7/14》
水上央子展 painting
南天子画廊
東京都中央区京橋3-6-5
7/6(金)~8/3(金)日祝休
10:30~18:30
水上央子7_6DM.jpg

昨年始めに府中市美術館で拝見した展覧会でも印象に残っている水上央子さん。
メタリックなものも含め、統一された色彩と、水玉とストライプとで繰り広げられる抽象の世界。
マスキングを駆使し、ひとつひとつの色彩のエッジが立っていて、それでいて隣り合う色彩同士が醸し出す風合い、さらに隣り合うパターンが奏でる響きに、未来的なイメージが沸き上がってきます。


千々岩修
アートスペース羅針盤
東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル2F
7/9(月)~7/14(土)
11:00~19:00(最終日:~17:00)
千々岩修7_9DM.jpg

昨年末の東邦アートでの個展に続いて行われた千々岩修さんの個展。
岩絵の具の粒子の美しさも際立つひとつひとつの色彩、そしてそれらの細やかな重なりからは透明感が溢れ、涼やかで繊細な響きが鳴りわたるような。


馬塲稔郎展 Fall in Love
いつき美術画廊
東京都中央区京橋3-3-8 新京橋ビル1F
7/2(月)~7/14(土)
11:00~18:00
馬塲稔郎7_2DM.jpg

さまざまな動物のオブジェが展示されていて、小さくてかわいかったり、堂々とそこにいてどこかユーモラスな存在感を放っていたり。
DMに掲載されている、抱き合うモノクロームのキリン、これが思いのほか小さな作品でびっくり、でもそれがまたいとおしく感じられます。


POLA新鋭展2007 荒木珠奈 ムラタ有子
ポーラ ミュージアム アネックス
東京都中央区銀座1-7-7
7/3(火)~7/29(日)
10:00~19:00(最終日:~17:00)
POLA新鋭展2007パンフ.jpg

ムラタ有子さんのタブロー、たったあれだけしか描いていない作品ばかりなのに、なんであんなに魅力的なんだろう。。。
素朴で無垢...と書くと画数が多すぎて、そんなところからもイメージが違ってきちゃうような感じで...なので、「そぼく」で「むく」な表情、仕草の動物たちが、あっさりとした色彩、しかしたっぷりと乗せられた絵の具で小さな画面に描かれ、なんだかさびしい感じとともに、逆にあったかい思いも広がって。


山本磨理展 惑いの森
@gallery OPEN DOOR
東京都中央区銀座4-10-7 早川ビル3~4F
7/9(月)~7/14(土)
11:00~19:00(最終日:~17:00)
山本磨理7_9DM.jpg

黒が魅力的な作品です。
その艶が消された黒が、そこに描かれる花や木々、女の子の姿を引き立て、またカラフルな色彩が黒の深みを引き立てて。
そこはかとなく漂うドリーミーな雰囲気も印象的です。

山本磨理03 山本磨理01

山本磨理02


加藤泉「人へ」
ARATANIURANO
東京都中央区新富2-2-5 新富二丁目ビル3A
7/14(土)~8/11(土)日月祝休
11:00~19:00
加藤泉7_14DM.jpg

今年に入って怒涛の露出を見せる加藤泉さんの描く人。
この奇妙な人たちにもさすがに慣れたわけですが、慣れると一気に愛着が湧いてくるこの不思議。
ARATANIURANOのこけら落としにふさわしく、大きな平面作品と各種の木彫とのふたつの空間がつくり出され、ダイナミックな空間が演出されています。


日野之彦新作展
ガレリアグラフィカ
東京都中央区銀座6-13-4 銀座S2ビル
7/2(月)~7/14(土)日祝休
11:00~19:00
日野之彦7_2DM.jpg

過剰なまでに大きく見開かれた目。
食肉加工されている動物。
それぞれの生々しすぎるモチーフで、独特の世界を紡ぐ日野之彦さん。
今回は、これまでとはちょっと印象が変わって、油彩の作品は背景の色がすべてさわやかな水色で統一され、そこに現れる人々もけったいなポーズをとっているものは少なくて。
しかし、まるで考えることを排されてしまったかのような、無垢というにはその言葉が美しすぎるようにも思えるほどの表情を対峙していると、無性に切ない思いが心のなかに広がっていくかのようで。
そして、加工されている動物たち。いきいきとした目が訴えるものの悲しみが、胸を締め付けます。

・・・正直、ちょっと泣くかと思いました。


鴻崎正武展
GALLERY MoMo
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F
7/14(土)~8/4(土)日月祝休
12:00~19:00
鴻崎正武7/14DM.jpg

さらにオリジナリティ溢れる世界へと突き進んでいく鴻崎正武さん。
今回はGALLERY MoMoでの個展で、真っ白な空間に蛍光灯の白い光で照らし出され、鴻崎さんのあの絢爛な世界に新しい表情が加わったかのような。


北川宏人展〈彫刻〉
新宿高島屋10階美術画廊
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2
7/11(水)~7/24(火)
10:00~20:00(土:~20:30、最終日:~16:00)
北川宏人7_11DM.jpg

洋協アートホールでのグループ展で拝見し、そのポップでスマートな作品の鮮明さが強く印象に残っている北川宏人さんの、新宿高島屋10階美術画廊での展覧会です。
またさらにそのポテンシャルを発揮する新宿高島屋美術画廊のアーバンで静謐な空間。そこに、奥深い表情をたたえた等身大のオブジェが配され、素晴らしい空間が演出されています。


《7/16》
今津景展
GALLERY b.TOKYO
東京都中央区京橋3-5-4 第1吉井ビルB1F
7/16(月)~7/21(土)
11:00~19:00(金:~21:00、最終日:~17:00)
今津景7_16DM.jpg

昨年の個展、そして昨年のシェル美術賞展でもひときわユニークなモチーフが印象的だった今津景さんの個展です。
写真をもとに組み上げられ、加工された風景、そして作品によって画面に乗る絵の具が立体的なアクセントをもたらしている作品が並んでいます。


岡野洋太展
フタバ画廊
東京都中央区銀座1-5-6 福神ビルB1
7/16(月)~7/22(日)
11:00~19:00(最終日:~16:00)
岡野洋太7_16DM.jpg

FRP製のオブジェがずらりと並び、ダイナミックな展開を見せる展覧会です。
コンクリートの床をうねりながら泳ぐような立体の作品の迫力といったら。

岡野洋太01 岡野洋太03

岡野洋太02

そして、等身大の宇宙人(?)のオブジェもなかなかな存在感。
誰が何といおうと、あれはメトロン星人なわけですが、それにしてもあのオサレな足元はいかがなものかと(笑)。


刈谷太 個展
ぎゃらりぃ朋
東京都中央区銀座1-5-1 第3太陽ビル2F
7/14(土)~7/21(土)
12:00~19:00
刈谷太7/14DM.jpg

ぎゃらりぃ朋らしい、ていねいな線描と淡い色調とが印象的な日本画。
刈谷太さんが描く、人物のやわらかな仕草と花や羊といったモチーフの組み合わせによるフィクショナルな世界は、とても自然で。


井上恵子[suburbs]
Gallery 58
東京都中央区銀座4-4-13 琉映ビル4F
7/16(月)~7/21(土)
12:00~19:00(最終日:~17:00)
井上恵子7_16DM.jpg

ウレタン加工などによる艶やかな画面に描かれる線のシルエット。
色の組み合わせといい、素材感といい、かなり鮮烈なインパクトがあって、なおかつしっかりと「何か」を描いていることの嬉しさ。
2eの井上さんとは同姓同名の、井上恵子さんの未来的なイメージが充満した展覧会です。


Noe展 たなごころ
Gallery 元町
神奈川県横浜市中区元町5-216
7/16(月)~7/22(日)
11:00~19:00(最終日:~17:00)
Noe7_16DM.jpg

代官山のアートラッシュで、いつもイスに座ってこちらを出迎えてくれる人形。一度抱かせていただいたのですが、その感触はホントにやさしくて。
その人形の作家、Noeさんの個展です。
手乗りの人形など、実際に触れてその感触を味わって、やさしい手触りに感動し、ユーモラスで穏やかな動物たちの表情に和んだり。


古賀充展
haco
神奈川県三浦郡葉山町長柄409
7/12(木)~7/22(日)
12:00~19:00
古賀充7_12パンフ.jpg

川原や浜辺に落ちている小石。
それを加工して、その美しさを引き出す。。。
世界で一番ちいさな花器、4つの足が付いた小石、そして組み上げられたちいさな石のオブジェ。
古賀充さんが作り上げる世界は、眺めているだけでホントにあったかい気持ちになれるんです。

小沢小百合展 のろしのようにそらへ
SAN-AI GALLERY
東京都中央区日本橋蠣殻町1-26-8 三愛水天宮ビル1F
7/2(月)~7/7(土)
11:30~19:00(最終日:~17:00)
小沢小百合7/2DM.jpg

犬!!!!Σ( ̄口 ̄;)

小沢小百合001

なんだ!Σ( ̄口 ̄;)
なんだお前は!Σ( ̄口 ̄;)

小沢小百合002


間近で見てもその巨大さは異様。
そして有無を言わさぬ迫力の存在感。
会社通いや通りがかりの多くの方も、思わず振り向き


゜ ゜ ( д ;)


てな具合にぎょっとしていた模様。


もとい、SAN-AI GALLERYでの小沢小百合さんの個展に、最終日に伺いました。
ギャラリーエスでのマギーさんとの二人展でも、両腕で一抱えもある巨大で円形の顔のオブジェの存在感に魅せられ、今回の個展も楽しみだったのですが...

まー斬新なお出迎えだこと(笑)。


いちおう入口に顔のオブジェもあったのですが...


小沢小百合007


・・・


やっぱすごい存在感Σ( ̄口 ̄;)


で、こんなかわいい小品もあったりして。
つるりとした表面おていねいな仕上げも印象に残ります。


小沢小百合006

そして、DMにも掲載されている作品、これがホントに素敵で。
犬のインパクトに一時的に思考停止状態に追い込まれ、犬が視界に入るたびに吹き出していた僕ですが、このレインドロップスを大きくしてsこからさらに落ちる涙の滴と広がる羽の美しさ、下向きに飾られたその姿からは、空から地面へと真直ぐに落下する雨粒の刹那的で儚い一生を、でもその刹那を謳歌するようなケレン味のなさを思わせます。


小沢小百合005 小沢小百合004

小沢小百合003


紙を溶かして再形成するという方法で制作される、真っ白なオブジェ。
もっといろいろと見てみたいですし、もっと大胆なインスタレーションも期待してしまいます。

呉亜沙展 "the setting"
佐藤美術館4F
東京都新宿区大京町31-10
7/3(火)~7/29(日)月休
10:00~17:00(金:~19:00)
伴戸玲伊子/呉亜沙パンフ.jpg


心に残っていることが、結局大事な想い出。

佐藤美術館での呉亜沙さんの個展は、どれもこの展示のために描かれた、つくられた作品で、これまでの呉亜沙さんの歩みを綴ったインスタレーションとなっています。
それぞれの作品に、雲に乗る女の子が見つめるオブジェが。素朴で無垢な表情。まるで呉亜沙さん自身が、自分を振り返っているかのような構成がなされています。


呉亜沙SETTING04


入口のドアを開けて、右手から時計と逆まわりの順で、むかしの時代の絵から未来へと続いていきます。
最初は、おかあさんのおなかのなか。
耳が立ったキュートなウサギがふわりとした赤で描かれ、そのなかのお家に3つのウサギのシルエットが。


そこから軽やかな無彩色をベースに、呉亜沙さんが過ごした場所の絵が。
春先にギャラリー椿で開催された個展の時と同じく、渡米前とくらべてくっきりとしたフォルムで、そのときの街並や風景、そして印象的な出来事を象徴するモチーフが描かれています。


呉亜沙SETTING02

呉亜沙SETTING07

そのさまざまな場面のなかで、黒いシルエットのウサギたちが街を闊歩し、雲に乗ってその地を見下ろし、乗り物を運転し、とにかくさまざまな仕草で現れます。
どこかのんびりとしていて、和やかな雰囲気が作品と空間から溢れています。
多くの作品に現れる水平線も気持ちよくて、同じく遠くに見える風景の広がりも清々しい気分を盛り上げてくれます。


呉亜沙SETTING03

呉亜沙SETTING06


日本の各所、そして昨年まで滞在していたニューヨークの風景が連なって、最後に、未来の絵が。
続けて眺めていって、ここではじめて絵のなかに女の子が現れてちょっとドキッとします。
その表情は素朴ながら大人びているように感じられて、「私はここにいます」と言っているかのような。


呉亜沙SETTING05

こうやって大事な想い出を絵にして人に伝えられるのがなんだかうらやましいなぁ、と。
コウモリが町中を飛んでいたり、飼い猫を追い掛けたりと、「たいへんだったんだなぁ」と思いつつ、ちょっと愉快な気持ちになったりする場面もあったりして。

呉亜沙SETTING01


ほっこりと気持ちが和む、楽しい展示です。


で、8日の日曜日、呉亜沙さんのライブペインティングも見に行きました。
僕がこの日に佐藤美術館に着いたのが午後4時頃、予定ではライブペインティングが終わってるはずの時間でしたが、ちょうど休憩中で、それからまだまだ続きます。
十数名の方々から寄せられた想い出の文章から印象的な部分を絵のなかに織り込んでいく、というコンセプトで、僕が観たときは画面全面に何らかが描かれ、それがひとつの風景として繋がっていました。
その時点では「・・・やっぱり他人の想い出だから、ウサギは登場しないのかな...?」と思ったのですが、ウサギたちはそれからか描き加えられていって。

どんどん、絵のなかに現れるウサギたち。
遠くに見えるビルに腰をかける・・・
自転車に乗る・・・
道端のお地蔵様に向かい合う・・・
草むらに寝転ぶ・・・

など・・・
 など・・・・
  など・・・・・

その場面にウサギたちが現れて遊ぶことで、さらに絵がいきいきとしていって、それでいて穏やかになって活きます。ウサギが現れて遊ぶことで、そこに織り込まれる想い出が濃くるような。

それでも描き上げる最後まではチェックできず残念でしたが、やっぱり絵ができあがっていく過程を見るのは楽しいです。

平野薫展
SCAI X SCAI
東京都港区六本木6-8-14 Patata六本木203
7/5(木)~7/28(土)木金土のみオープン
12:00~19:00
平野薫7/5パンフ.jpg

資生堂ギャラリーでの壮大なスケールで繰り広げられたインスタレーションが深く印象に残っている平野薫さん。
あの空間に浮かぶ、ていねいにその繊維を1本1本解されたワンピースを目にしたときに沸き起こるイメージの広がりが今でも忘れられないのですが、今回は、あの空間の何分の1なんだろうか、とにかく資生堂ギャラリーにくらべると極めてコンパクトなSCAI X SCAIでの個展です。


今回の個展では、過去の作品も含めて数点の作品が展示されています。
それぞれは、その作品に使用された素材が、それらが本来持つ姿のみを晒しているのですが、深遠な「時間」、そして荘厳な「空間」のイメージを喚起させてくれます。

入口沿いの壁に展示された平面の作品。
紙の上には、金属の粉がふわりと広がって乗り、その真ん中に指輪がひとつ。
この金属粉は、指輪を削って得られたもの。
ヤスリがかかって荒れていながら、そこに複雑な凹凸が生み出され美しい金属光沢を発する指輪の存在感、そして、金属粉でしかないはずなのに、その色調に深みを感じ、そして「削る」という行為に費やされた時間への想像が、素材的に生々しくも、さらに深遠なイメージへと誘ってくれます。


平野薫01

平野薫02


白い小さな台の上に置かれた羽の塊。
ひとつの枕のなかに詰め込まれた羽毛をまとめたもの。
羽は表面だけではなく、この塊すべてが羽でできているそう。
もともとの姿からぐんと離れ、これほどまでの気品を放つ塊。。。


平野薫05

メインの空間には、解された女性のインナーが吊るされています。

平野薫09

今回は、化学繊維。
たしかに繊維ではあると頭では理解しつつも、こうやって化学繊維衣料を解すことができることにも驚きを覚えます。

その解された先にある繊維の塊が、生々しくも深遠な雰囲気を放っているように感じられます。

平野薫10

そして、解された1本の繊維は壁にその先を留められ、張られています。
ちりちりと細かく縮もうとする繊維が醸し出すパルス。
張られた繊維は、壁にその繊細な影を映し出します。

平野薫08 平野薫07


なんだかとんでもない世界に入り込んでしまったかのように感じられる、独特の雰囲気が充満しています。
資生堂ギャラリーの時の、終わりが感じられないほどのイメージの広がりではなく、むしろミクロな世界に紛れ込んで、どんどんミニマムに収縮していくかのような、逆のイマジネーションが沸き上がってくるような。。。

または、実感できる空間的なイメージを体感しているような。それはそれで不思議な感覚。。。

空間との組み合わせで劇的に異なるイメージに、たいへん興味深い印象を覚えた次第です。


平野薫06

平野さんのクリエイションにふれると、時間が進むスピードも、その空間の実際の大きさも違って感じられるような気がするんです。
本来あるかたちを解すことで、別の時間や空間を紡ぐ...そういった行為の痕跡が提示され、生々しくも深遠に伝わってきます。

常々、僕は「美しいものと美しいと思う感覚」があれば充分だと思っているのですが...平野さんのクリエイションに感動するのは、これとはちょっと異なる感覚が働いているような気がします。
しかし、やはりそこには「美しさ」を見い出しているんです。うまくいえないんですけど...


平野薫03

鈴木真吾 個展「手のひらを太陽に」
project space KANDADA
東京都千代田区神田錦町3-9 精興社1F
7/6(金)~7/28(土)日月祝休
12:00~19:00
鈴木真吾7/6DM.jpg


遊び心と思いつきの妙。


project space KANDADAでの鈴木真吾さんの個展です。
オフィス街に唐突に現れるアートスペース、project space KANDADA。大きな入口部分、高い天井、振り切った空間イメージを思いきり受け止めてくれそうな、広いスペースが魅力的なギャラリーです。


まず、入口をくぐって正面の壁で展開されているインスタレーションが目に飛び込んできます。
黒い折り鶴がずらりと壁に配され、その数は1000。
それらは長方形の黒い紙で折られていて、そのうちのいくつかは本物の千円札が用いられています。
この千円札の折り鶴はKANDADAのサイトにも掲載されているのですが、ハサミを入れずにつくることができることがまず意外でびっくり。
そして、それがずらりと1000羽並べられているのですが、こうやって一望すると、実際に1から数えることを考えると気が遠くなる「1000」という数が案外コンパクトに感じられて不思議な気持ちです。

しかし、至近で眺め、視界が整然と並ぶ折り鶴のみに独占されると、やはり圧巻。
角度によって見せるさまざまな表情も魅力的です。


鈴木真吾02 鈴木真吾04 鈴木真吾03

鈴木真吾01


この展示は、その都度黒の折り鶴が千円札のものに置き換えられていくそう。全部お札になったら別な意味で壮観なはず。


入口すぐの位置に設置された棚の上には、マッチ棒でつくられた球体が。
その要素のひとつを凝視するのが困難なほどに、ぎっしりとその表面が詰まっています。


鈴木真吾08

鈴木真吾09

奥の壁の足元には、小さなチップが壁沿いに連なっています。
暖色系のチップ、アイロンをかけるとその熱で繋がるそうなのですが、こうやって細い1本にするのは結構たいへんなのでは、と想像したり。

鈴木真吾07

で、このチップ、色分けには理由があって、10種類の色ひとつひとつに数字が割り当てられていて、それが円周率を表しているとのこと。

鈴木真吾05

3.14....と始まって延々と続き、最後が山になっているのも妙に面白いです。


鈴木真吾06

奥にある暗室には、ミラーボールが回っています。
表面に張られているのは、実は1円玉だったり。


鈴木真吾12

鈴木真吾11

おもちゃやマッチ棒、1円玉、千円札などといったイージーな素材(千円札をイージーというのは異論があるかも知れませんが・・・)を用いて、遊び感覚で生まれた思いつきをそのまま展示に詰め込んで、それがスケールの大きさに繋がっている痛快な展示です。


鈴木真吾10

佐藤好彦「MXR]
ヴァイスフェルト
東京都港区六本木6-8-14 コンプレックスビル北館3F
7/6(金)~7/28(土)日月祝休
11:00~19:00
佐藤好彦7/6DM.jpg

エレキギターやベースを手に取るようになった方の多くはコンパクトエフェクターのカタログを眺めて心をときめかせた記憶をお持ちだと思うのですが、いかがでしょうか。

僕も、例に漏れず、それこそ楽器を始めた高校生の頃などは、BOSSやら/MAXONやらYAMAHAやらのカタログをそれこそ穴が開くほどに眺め、


(これ全部繋げたらすごいカッチョイイだろうなぁ)○ o 。。( ̄ー ̄)


・・・なんて想像に耽ったものです。

いや、実際はたくさん繋げてもしょうがないわけなのですが、とにかくたくさんの種類のエフェクターを見てそれぞれ「どういうふうに音が作れるんだろう」と夢想するのがホントに楽しかったあの頃。。。


・・・もとい。

昨年は裏と表とにスピーカーをびっしりと配した巨大な作品を発表された佐藤好彦さん。
およそ1年ぶりのとなる今回の個展では、そのエフェクターがモチーフとなっている作品が、それぞれの壁に1点ずつ展示され、もうずっと眺めていても飽きることのない、激しく想像を掻き立てるエンターテイメント性に富んだエキシビションになっています。

なにせ、佐藤さんのオリジナルのエフェクターがひとつの塊になって、壁に取り付けられているわけで。
そのフォルムを目にしただけで、中学・高校生のころのあの興奮が蘇ってきます。


佐藤好彦MXR03 佐藤好彦MXR02

佐藤好彦MXR04

それにしても、ユニークなエフェクターが並びます。
ひとつひとつのエフェクターの名前とそれに取り付けられたツマミとをそれぞれ細かくチェックしていくと、これがまた面白い!面白すぎる!

展示されているものの中に、「TOKYO」というエフェクターが。
ツマミを見ると、「ROPPONGI」「AOYAMA」「SHIBUYA」「IKEBUKURO」と時計まわりに並び、その中央に「SPEED」のツマミが。


ちなみに僕が見たときは「IKEBUKURO」のツマミがフルに回されていて、代わりに(かどうかは分かりませんが)「AOYAMA」がだいたいメモリが2くらいのところを差しています。

・・・そこで思うわけですよ。

こ、

こ、

このメモリは一体何を変化させるのだぁぁ???Σ( ̄口 ̄;)


(息が上がったので暫し休憩)


まあ単純に「人口」なんかだと分かりやすいですが、他に「犯罪率」だったりしたらヤバいし、「地方税」なんかでもまたシュール。さらに「面積」あたりだともっとワケが分からん、といった塩梅で、終始想像が膨らみ続けるんですよ。

さらに中央にある「SPEED」のツマミが何を意味するか辺りも考えると、もう混乱の極みに達するワケで。


このエフェクターを実際に繋げたら、どんなふうに音が変わるのかと。

さらにさらに。

この塊のなかに、何故か「CURRY」というエフェクターもあるんですね。
ツマミの詳細は割愛しますけど、この「CURRY」と「TOKYO」を並列させてみたら...とか、もうホントにワケが分からなくなって楽しすぎ。


とにかく、そういった具合にイマジネーションの広がりに絶大な効果をかけるエフェクターがずらりとひしめき合っているんです。


佐藤好彦MXR01

以前、佐藤さんから伺ったのですが、こういった作品は立体的ではあるけれど、むしろ「ドローイング」に近いとのこと。
要するに、実物に3次元で近付けた究極のドローイング、そういう感じのようです。

今回の作品は実際に機能しない(機能し得ない)のがどこか残念な感じなのですが、むしろフィクションであることを提示していることが、いろんな想像を巡らせてくれるような印象も受けるのです。

そして、シンプルな展示ながら、やはり壮観。
何度か伺って、そこに潜むユーモアを味わい尽くしたい展覧会、そして文句なしにかっこいい展覧会です。


佐藤好彦MXR05

伴戸玲伊子展 "水のほとり"
佐藤美術館3F
東京都新宿区大京町31-10
7/3(火)~7/29(日)月休
10:00~17:00(金:~19:00)
伴戸玲伊子/呉亜沙パンフ.jpg

心が透ける風景。思いが伝わる景色。


ギャラリー和田でのグループ展でも印象に残っている、伴戸玲伊子さんの個展です。
佐藤美術館のワンフロアを使った展示ということもあって、大きな画面の作品がゆったりと展示されて、そこに広がる風景のなかに、よりなめらかに入っていけるような、そんな展覧会となっています。

伴戸さんが描く風景には、流れる水や吹く風の姿も見受けられるような感じがします。
激しさをも感じさせるほどにダイナミックに画面に渦巻く色彩の流線。その風景の空気感がリアルに伝わってきて、イメージにもより臨場感が伴ってきます。


伴戸玲伊子006

この展示で特に印象に残るのが、入口正面の長い壁に展示された横長の大作2点。
その左手に展示された作品の美しい「赤」と、そこに描き出される素朴な水の表情に心打たれます。
そこかしこにやさしく広がる水輪。そこに映り込む、神社の鳥居の朱のあたたかみ。
この場所に神様がいるのだとしたら、きっとやさしい表情なのだろうな、とそういう想像も沸き上がります。


伴戸玲伊子003 伴戸玲伊子002

伴戸玲伊子001

その隣の壁に、前述の赤の鮮やかさとは対照的に、無彩色の一見無機的な景色が広がります。
もっとその場から感じる動きをそのまま画面に現したかのような、力強さをたたえた作品です。
至近で眺めると、伴戸さんの作品に多くあらわれるドットの連なりが見つかって、それがその風景の空気に浮かんで舞って、何かの軌跡を描いているようで、作品にやさしいアクセントをもたらしています。


伴戸玲伊子005

伴戸玲伊子004

今回の展覧会では、伴戸さんの過去の大作も合わせて展示されています。
以前の作品の色彩は、鉄錆を思わせる力強い色彩で、重厚な印象を覚えます。


伴戸玲伊子008

伴戸玲伊子009

こうやって拝見して、伴戸さんは、広い画面にのびのびと、その風景から得たイメージ、感じたことをそのまま画面に素直に現していくと、これほどまで壮大で清々しい風景を見せてくれることに嬉しい驚きを感じました。
それを体感して、あらためて、数点展示されている小品を眺めると、やはりイメージの広がり方が異なって、その大きさだからこそのやさしさや、例のドットが醸し出すかわいらしさがよりしっかりと感じられるような気がします。

描かれた景色の場所にいってみたくなるような展覧会でもあります。


伴戸玲伊子007

横内賢太郎 新作展 silence/volume
ケンジタキギャラリー/東京
東京都新宿区西新宿3-18-2-102
7/5(木)~8/4(土)日月祝休
12:00~19:00
横内賢太郎7/5DM.jpg


いちばん美しい、そしていちばん新しい「滲み」。
その新鮮な深遠さに、意識が沈み込む。

MA2 GALLERYでの「イリュージョンの楽園」にも参加され、そのときも強く印象に残った横内賢太郎さんの個展が東京・初台のケンジタキギャラリーで始まり、さっそく行ってきました。

大作を中心に、鮮やかに滲む色彩の透明感が心地よい作品が、空間を包み込みます。
まるで、水の中に入ったかのような新鮮な感覚が沸き上がってきます。


横内賢太郎09

木目が細かい布を染めるようにして彩色された作品。
さまざまな色彩がオーロラのように折り重なり、独特の質感で鮮やかに奥行きを演出します。
そして、色と色との狭間におけるグラデーションが、さらに横内さんの作品の透明感を引き出しているように感じられます。

その色彩のなかに、繊細に描かれる線。
画面にわずかな影をもたらすように画面にあらわれる線は、だんだんと浮かび上がるように、そこに描かれた何かが見えてくる感覚で、しなやかにやさしく迫ってきます。


横内賢太郎04 横内賢太郎03

横内賢太郎02


横内さんの作品は、開いた本がモチーフとなっています。
分厚い本を開き置くと自然にページは曲面となり、そこに掲載された絵はその曲面に伴って歪みます。
一見、実際の光景を意図的に歪ませたかのように思える横内さんの作品は、描くモチーフにたいしては実はそれを正確に捉えているんです。この歪みも、こうやって平面の画面に収められ、大きく描かれて独特の色彩で染め上げられることで、まったく違う世界へと誘ってくれるのも興味深く、不思議な感じもします。


作品によっては、画面の側面の絵の具の染み具合がリアルに残っているものも。
画面のどこかファンタジックな雰囲気とのギャップが生み出すコントラストがかえって鮮烈で、こういった要素もすごくクールに感じられます。


横内賢太郎06 横内賢太郎07

横内賢太郎05

事務所のスペースにも小品が展示されていたのですが、メインスペースに広がる淡い色彩とは違い、かなり濃い色で染まっていて、また違う力強さを感じます。それでいて、作品の透明感はやはり伝わってくるのです。


横内賢太郎08

現実の光景の切り取り方といい、描く手法のユニークさといい、さまざまな視点において、極めて個性的に感じられるクリエイションです。
そしてそのさまざまな要素がひとつの作品に収められて、独特のオリジナルな世界を作り上げていることに感服した次第です。

もっといろんなシチュエーションで味わってみたい、そういう願望も沸き起こります。


横内賢太郎01

《7/5》
横内賢太郎 新作展 silence/volume
ケンジタキギャラリー/東京
東京都新宿区西新宿3-18-2-102
7/5(木)~8/4(土)日月祝休
12:00~19:00
横内賢太郎7/5DM.jpg

MA2ギャラリーでのグループショーでも印象的だった横内さんの個展。
開いた本をモチーフに描かれ、まるで水の中にいるかのような、美しく滲んだ色彩とそこに浮かび上がる線の透明感に溢れています。

伴戸玲伊子展 "水のほとり"
佐藤美術館3F
東京都新宿区大京町31-10
7/3(火)~7/29(日)月休
10:00~17:00(金:~19:00)
伴戸玲伊子/呉亜沙パンフ.jpg

ギャラリー和田での3人展では小品を出品されていた伴戸さん。
今回は大きな画面の作品が多数出品されていて、モチーフとなる風景から感じ得たイメージを素直に現すように、自然で豊かな広がりが作品と空間とにもたらされています。


呉亜沙展 "the setting"
佐藤美術館4F
東京都新宿区大京町31-10
7/3(火)~7/29(日)月休
10:00~17:00(金:~19:00)
伴戸玲伊子/呉亜沙パンフ.jpg

呉亜沙さんにとって、心に残る場所と場面をそれぞれの画面に描いた作品による、インスタレーション的な展示になっています。順路は入口右手から時計と逆まわりで。


平野薫展
SCAI X SCAI
東京都港区六本木6-8-14 Patata六本木203
7/5(木)~7/28(土)木金土のみオープン
12:00~19:00
平野薫7/5パンフ.jpg

資生堂ギャラリーの3次元的に大きな空間が充分に活かされた展示が素晴らしかった平野さん、今回はSCAI X SCAIのコンパクトなスペースで。この距離感でも、さまざまなイメージが伝わってきます。


《7/6》
"ritual" TEAM 07 塚田守、08 大野智史、09 千葉正也
トーキョーワンダーサイト渋谷
東京都渋谷区神南1-19-8
7/7(土)~8/19(日)月休(7/16開館、7/17休)
11:00~19:00
ritual 7/7パンフ.jpg

まず、入口入ってすぐの塚田さんの大きく引き伸ばされた写真に意識が吸い込まれていきます。
透明感に溢れ、ずっと奥まで続いているかのような暗さもたたえた深く鮮やかな色彩。幻想的な美しさを放っています。
メインスペースでは、壁いっぱいの大きさの大野さんのペインティングとドローイングのインパクトが圧倒的です。僕の印象では、大野さんというと、衝動的に描き、空間を作り上げるといった印象を持っていたのですが、もちろんその「脳」から「体」へとダイレクトに伝わるような刹那的な雰囲気を感じつつ、細かい描き込みにも圧倒されてしまった次第。
千葉さんのペインティングには独特の奥行き感と、童話に出てくる場面のイメージが浮かんでくるような、現実からの距離感がを感じる世界が印象的です。


Dee Feris "Peep Show"
TARO NASU
東京都港区六本木6-8-14-2F
7/6(金)~8/4(土)日月祝休
11:00~19:00
Dee Feris.jpg

乾いたのどが水をすみやかに吸収するように、自然にその世界へと意識が入り込んでいく...。
久し振りに、気負わず対峙できた抽象画。
淡いピンク色が広がり、そこにぎりぎりで判別ができない何かが描かれているような。
作品は全体的に明るい色彩が広がっているのですが、得られたイメージは「夜」でした。


佐藤好彦「MXR]
ヴァイスフェルト
東京都港区六本木6-8-14 コンプレックスビル北館3F
7/6(金)~7/28(土)日月祝休
11:00~19:00
佐藤好彦7/6DM.jpg

最高です。飽きないです。
さまざまなエフェクターが繋がった作品。エフェクターひとつひとつの「用途」と、付いたつまみがコントロールするものがとにかく面白い!


鈴木真吾 個展「手のひらを太陽に」
project space KANDADA
東京都千代田区神田錦町3-9 精興社1F
7/6(金)~7/28(土)日月祝休
12:00~19:00
鈴木真吾7/6DM.jpg

1000という数が、思いのほかコンパクトに感じられます。
玩具の鮮やかな色彩が印象的に提示されたインスタレーションも面白いです。


《7/7》
WORM HOLE episode 7 Hyon Gyon + Ai RYUMON
magical,ARTROOM
東京都港区六本木6-8-14
6/30(土)~7/28(土)日月祝休
11:00~19:00
WORM HOLE 7DM.jpg

ART AWARD TOKYOで初めて拝見して、それだけで忘れられないインパクトを感じたHyon Gyonさんの作品。
エキゾチックな雰囲気が充満し、妙に生々しいぬいぐるみの表情が描かれた作品群はとにかく強く印象に残ります。
龍門藍さんの作品は、人の頭部とそこから伸びる髪の流れとが動的なダイナミズムをもたらしています。まるで引力があるかのように力強く感じられます。いかにも油彩らしい色彩の鮮やかさと絵の具の強さも印象的。


アダム・ブース個展 Angel
ギャラリーアートもりもと
東京都中央区銀座3-7-20 銀座日本料理会館2F
7/2(月)~7/14(土)日休
10:30~18:30
アダム・ブース7/2DM.jpg

Gallery efでの個展が素晴らしかったアダム・ブースさんの展覧会。
今回もおなじみのキャラクターが独特の風合いを醸し出した作品が並びます。

Adam Booth002

天井から足元へと吊るされた羽根つきの電球もいくつか配され、ギャラリーの空間をそのままにしない工夫とアイデアが楽しく、こういうディテールの作り方もアダムさんらしいなぁ、と。

Adam Booth003

作品で印象的だったのが、いつものキャラクターにスケルトンをコラージュした作品。
これまでひとつのストーリーのなかにすべての作品が組み込めるような「流れ」と感じていたのですが、そこに唐突に、違うベクトルのサブストーリーが提示されたような感じで、それがなんとも痛快!


Adam Booth001


須田悦弘
ギャラリー小柳
東京都中央区銀座1-7-5-8F
6/26(火)~7/28(土)日月祝休
11:00~19:00
須田悦弘6/26DM.jpg

この作品の存在感は。。。


彩旬会展 和
四季彩舎
東京都中央区京橋2-11-9 西堀11番地ビル2F
7/2(月)~7/11(水)
11:00~18:30
彩旬会7/2DM.jpg

昨年に続いて開催の、金丸悠児さん、瀧下和之さん、冨川美和子さん、山村龍太郎毅望さんによる4人展。
金丸さんは、鶴を描いた作品が面白いです。金丸さんが初めて描く動物の作品はいつも面白い!
瀧下さんの作品では、ちょっと季節が違いますが雪だるまの作品が最高。目が(笑)!
春のような軽やかな色彩に包まれたような冨川美和子さんの作品。ちょっと風変わりな立体感がもたらされています。
山村龍太郎毅望さんは、相変わらずの圧倒的な精緻な描き込みにで、無数の小さな葉が渋く強い色彩で画面に満ちています。前回拝見したときと同じモチーフでありながら、葉の群れのかたちに矩形が織り込まれて前回よりもクールな印象を受けました。


小沢小百合展 のろしのようにそらへ
SAN-AI GALLERY
東京都中央区日本橋蠣殻町1-26-8 三愛水天宮ビル1F
7/2(月)~7/7(土)
11:30~19:00(最終日:~17:00)
小沢小百合7/2DM.jpg

犬。犬が。


ゲーム台(倉):泉太郎
HIROMI YOSHII
東京都江東区清澄1-3-2-2F
6/23(土)~7/21(土)日月祝休
12:00~19:00
泉太郎6/23DM.jpg

まだ六本木にあった頃のHIROMI YOSIIで拝見したことがあった泉太郎さんの展覧会。
今だに新しい印象がある清澄の倉庫の知らなかった場所で、とにかくチープな映像世界が展開されています。
効果音をすべて声で表現し、カメラが追う視点のみでそこにキャラクターがいることを連想させてしまう作品い見入ってしまったり、かと思えば足元で延々と小銭を落としては拾う映像が流れていたり。
この「呆れ」感が堪らなく痛快です。

泉太郎01


中島健 SOLNO
トーキョーワンダーサイト本郷
東京都文京区本郷2-4-16
7/7(土)~7/29(日)月休
11:00~19:00
中島健7/7DM.jpg

たくさんの小品が展示され、合わせてふたつのモニターで映像が流されています。
その映像というのが、それぞれの作品の過程をコマ撮りで追っていったもの。絵が段々変化していく様を眺めるのはホントに面白いです。


トモエ クリティカルヒット
トーキョーワンダーサイト本郷
東京都文京区本郷2-4-16
7/7(土)~7/29(日)月休
11:00~19:00
トモエ7/7DM.jpg

今年のワンダーシードで拝見して印象に残っていたアーティストのひとり。
プラモデルに使用されるデカールによるコラージュで、これほどまでにポジティブで躍動的な雰囲気を作り上げられるとは。
おそらくパソコンで色彩がコントロールされ、モノトーンで再生された作品が特に印象的でした。

小谷元彦「SP2 New Born」
山本現代
東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第3ビル4F
6/30(土)~7/25(水)日月祝休
12:00~19:00
NEW BORN01.jpg

NEW BORN02.jpg


『完璧』な展覧会。

山本現代で始まった小谷元彦さんの展覧会にさっそく行ってきました。

・・・もしも...

もしも、この展覧会が、ギャラリーの入口に柵が設置されていて、そこから眺めることが許されるだけの展覧会だったとしても、おそらく納得したかも知れません。
そして、もしそうだったとしら、堪え難い好奇心が沸き上がっただろう、と。。。


とにかく圧巻のクリエイションが並びます。
黒く塗布された壁、同じく黒い台。
さまざまなサイズの台はギャラリーに絶妙の位置に配置され、ある作品は「生」の状態で置かれ、ある作品は構造上「置く」ことができないこともあり、無色透明のアクリルケースに吊られて収められています。

黒い空間に映える、艶のない白色に包まれた作品群。
実に精緻なパルスを刻み、有機物を象ったパーツのひとつひとつが美しい流線に則って連続していくパターン。
それらは架空の生命体の骨格を思わせるようなフォルムで、標本のように黒ののなかに浮かび上がっています。


展示の中を徘徊し、あらゆる角度からの視点に対して一切の隙を見せず、それどころか観れば観るほどに新たな発見があって。
そして、ひとつの作品を至近で眺めていて、ふいに別の方向へと視線を変えた刹那、展示全体が醸し出す静謐に一気に引き込まれていくこともしばしば。


いちばん奥。両端が尾の竜の躯が絡み合うようなオブジェ。
その1本1本を目で追い、ある先端がどの先端へと繋がっているかを確認していると、自然とその世界に没頭していって...。


今回出展されている作品は、素材については「ミクストメディア」とのみ現されているようで、そのないようについては秘密、とのこと。
それもさまざまな想像を喚起させてくれるんです。
いったい軽いのか、それとも、とても抱えることが不可能なほどの重量なのか...。
吊るされた作品が僅かな振動によって微妙に振動していたりするのを見ると案外軽量なのかな、と思いつつも、一方で台の上に置かれた作品が、ほんの数本の脚部が台に接しているのみでしっかりと支えられていたりして、相当に硬質なのかもしれない、とも思ったり...。


とにかくこれほど見どころの多い展覧会はないのでは、と思うのです。
ちょうど、2007年上半期の面白かった展示を考えたりしながら神楽坂を下っていったのですが、その上半期の最終日の最後に観たこの展覧会を、上半期最高の展覧会に挙げることに何ら抵抗を感じない、それほどまでに鮮烈なインパクトに満ちた、至高のクリエイションがパッケージされた展覧会です。


さらに、もしも、と考えます。。。
もしも、この黒い壁の一角に、この展覧会の初日が最終日だったカンノサカンさんの個展に出展されていた作品が掛かったら。
カンノさんの艶やかな黒の画面に、この小谷さんのオブジェが映り込み、カンノさんのパルスとひとつの視界に収まったら...
こういう想像、一度起こると際限なく広がっていくのです。

柳本明子「ドメスティック・ストーリー -家の中から-」
Yuka Sasahara Gallery
東京都新宿区西五軒町3-7 高橋工芸社ビル3F
6/30(土)~8/4(土)日月祝休
11:00~19:00
柳本明子6/30DM.jpg

素材の使い方とか、描くモチーフとか・・・なんかもう、いちいち面白い!


Yuka Sasahara Galleryでの柳本明子さんの展覧会です。
拝見する前に刺繍と聞いていてどんな感じだろう、といろいろ想像していたのですが、もうぜんぜん・・・

想定外。
こういうふうに面白いとは!
敢えて例えれば、青山悟さんの刺繍作品が精巧なペン画だとすると柳本さんの刺繍は手描き感溢れるパステル画、そんな感じです。

ビニールのシートに縫い付けられた太めの糸。
その糸の色の明るさ。
その感触がなんともユーモラスで、クレヨンで塗ったようにもりもりと単純に巻き付ける感じで縫われてできた色面の部分があるかと思えば、結構芸が細かいところもあって...


そこ、ステッチか!Σ( ̄口 ̄;)


といった具合に、線の模様が単なる線ではなくてその線自体がパターンになっていたりしてまったくお見事!
そういうのを見つけるのも楽しいです。

柳本明子09

しかしなぜナイフが...(汗)
ユーモラスな風合いに織り込まれるシュールさ。
この感覚もすごく魅力的。

柳本明子08


それがやけに重厚な額に収められて、強烈なギャップがまた独特の「おかしみ」を醸し出していて最高です。


柳本明子07

縦半分にカットされた形状の壺の作品。
まず、

壺?Σ( ̄口 ̄;)

みたいに思うわけで。
妙にかわいいフォルムのオブジェ、そこに描かれるワンシーン、この組み合わせもなんとも味わい深い...。
壺の内側の絵と表面の刺繍との質感の違いがつくり出すコントラストも楽しい作品。


柳本明子06

柳本明子05

ギャラリーのメインスペースが透明のビニールを用いた作品で、その手前のスペースやカウンターに展示されているのが、ミラーフィルムを用いた小さな作品が。
こちらには細めの糸も用いられ、窓から眺めているような、あるいは外で見上げているような、そんな空が見える風景を描いています。

木々の枝だのシルエットもカラフルに、そして繊細に再現され、背景となるミラーフィルムがそこに映り込むものをさまざまな色彩へと変えて、なんとも不思議な景色がその画面に収められています。
眺める角度によって青空にも鮮やかな夕焼け空にも見えて、ミラーフィルムの特性も充分に活きています。


柳本明子12 柳本明子11


スポットがまるで沈む夕陽みたいに映り込んで...


柳本明子10

とにかく、アイデアに感服です。
透明のビニールシートの作品は、当たり前に向こう側が見えてしまうのもまた、面白い世界を演出しているように思えたり。
作品の後ろ側に回り込んで、絵から見える光景を眺めるのもまた一興。

からりとした明るさとポップさ、キャッチーさに満ちたクリエイションです!


柳本明子04

《7/2》
奥秋由美 個展「月の夜の物語」
Gallery Uehara
東京都渋谷区上原1-21-11 BIT代々木上原II1F
6/30(土)~7/8(日)
11:00~19:00
奥秋由美6/30DM.jpg


一度、東急渋谷本店の美術画廊でのグループ展で拝見したことがある奥秋由美さんの個展。
油彩で描かれる、和み感覚溢れるファンタジーが画面の中で展開されています。
使用される色もぱっとしていながらほんわかと緩やかで、眺めている絵の中の場面に触れるだけでなんだかほっとします。

今回の個展では多数の小品が展示されています。額も奥秋さんご自身の制作だそうで、画面の中だけでなく外にも遊び心が広がっているような感じがします。そういう小品が壁にぎっしりと展示されている一角に楽しい雰囲気でいっぱいです。

奥秋由美02

奥秋由美03


数点の比較的大きな作品も良い感じです。
工芸的な風合いに仕上げられた画面の質感も独特で、そういったところからも親しみが湧いてきます。


奥秋由美01

Optic Topography・光学的地理A 大竹敦人 下薗城二 奥村昭彦
表参道画廊
東京都渋谷区神宮前4-17-3 アーク・アトリウムB02
7/2(月)~7/14(土)日休
12:00~19:00(最終日:~17:00)
光学的地理7/2DM.jpg


「描くこと」と「撮ること」の狭間、絶妙の立ち位置に存在する3名のアーティストがピックアップされたグループ展です。

まず、地下のロビー的な場所にある中庭に展示された奥村昭彦さんの作品。
細長いフィルムに丸い画面が連なって、それがいくつかに裁断されてひとつのパネルにラミネートされています。
奥村さんのお話ではかなりアナログな手法で撮られた作品のようなのですが、こうやって提示されるとむしろ未来的な質感が伝わってきます。
ランダムな距離間隔で連なる円形の画面に動き、スピード感を感じます。


光学的地理 奥村昭彦02

光学的地理 奥村昭彦01


ギャラリーには二人のアーティストのモノクロームの作品が、それぞれの個性が活かされる形で展開されています。
下薗城二さんの写真は、実際の建築物の壁などを無機的に切り取って再提示した作品。
比較的大きめに引き伸ばされたその写真は、おそらく実際の色彩もかなり無彩色に近いと想像するのですが、それでもさらにモノクローム加工され、さらに無機的な風合いが充満しています。


光学的地理 下薗城二01


水平線を排除してほぼひとつの画面にひとつのパターンしか登場しない作品を眺めると、画面から切り取られた部分もずっとこれが連なるのかという想像に至って気が遠くなるような錯覚も。
また、再提示されることで新たな見え方も発見できる面白味も潜んでいるように思えます。


光学的地理 下薗城二02

光学的地理 下薗城二03


これまでも折りに触れて拝見している大竹敦人さん。
最近はガラスの球体を眼球に見立ててその内側にピンホールカメラによる写真がプリントされた「球体写真」とそのインスタレーションの発表が続いていたのですが、今回、その作品を観て「そうきたか!」と思わず唸るアプローチ。
印画紙を折って組み合わせて作られた正複数面体の写真。
それらはその形のピンホールカメラに収められて撮影されています。

これがそのカメラ。
蓋の表面の金色の円の中心に穴が開いています。
箱に入っている黒い紙で作られたものが入っていて、これも撮影に用いられるそう。

光学的地理 大竹敦人03

蓋の内側を見ると、穴の様子が良く分かります。

光学的地理 大竹敦人02


それぞれの表面から見える光景がピンホールカメラによって撮影された作品が天井から吊るされています。
以前までの眼球の作品は、一点から眼球のなかに映り込む光景を再現したものだすると、今回の作品は、ある1点に届く風景を立体的に再現したもの。その提示の仕方に感服です。


光学的地理 大竹敦人01


今回は正4面、6面、8面の作品ですが、さらに多面体の作品も準備しているとのこと。
こちらはさらに精緻にその一点をイメージできそうで、さらに作品としてのボリュームも増すようなので、楽しみです。


光学的地理 大竹敦人04

ミヤケマイ展 星ニ願イヲ
SAKE 鏡花
東京都港区赤坂5-5-9 1F
7/2(月)~7/14(土)日休
11:30~22:00
ミヤケマイ7/2DM.jpg

「和」の空間で観るミヤケマイさんの作品。
これが見事に合って、落ち着いた和の風合いと楽しげなミヤケさんの作品の世界とのコントラストが素敵な空間を作り上げていました。

紙の上にさらに重ねられて作り上げられる立体的な作品。
細やかな「わざ」が決まるカニや、カエルが乗るハスの葉っぱ。もう、無条件に童心に帰って「わぁ!」って心の中で歓声が上がります。

登場する動物もおちゃめで、竹林に座り込むパンダがなぜか麻雀のパイを抱えていたり、先述のカニも鉛筆を持っていたりと、そのシュールな構成もまた楽しいんです。

INVITATION 吉賀あさみ展
MA2 GALLERY
東京都渋谷区恵比寿3-3-8
6/29(金)~8/4(土)日月祝休
13:00~19:00
吉賀あさみ6/29DM.jpg

瀟洒な空間に広がる霞。

今年のVOCA展でいちばん印象に残ったアーティストのひとり、吉賀あさみさんの個展です。

日本画出身の吉賀さんの作品からは独特のわび、さびが滲み出ていつつ、いちばん奥の画面のその上を覆う薄い画面の2層に描かれることで、空間的な奥行きももたらされています。

VOCA展では縦長の大作が展示されていましたが、今回は円形の作品から比較的小さなものなど、さまざまなサイズの作品が出展されています。それらによってMA2 GALLERYのコンパクトな2フロアに空間的な余白をゆったりとつくり出しながら、ひとつひとつの画面の奥に広がる静けさを深々と感じられるような、ナチュラルな高貴さに溢れる展覧会となっています。

まず、DMにも採用されている今回の展覧会でもっとも大きな作品。
2つの画面によって横長で展開され、壁から立体的に突き出た枠はまるで窓のようで、そこから外の霧がかかった水辺の風景を眺めているような感じです。
手前の層の画面に描かれた消え入りそうなほどに仄かなシルエットが奥の画面と重なり、さまざまな角度から観ていると、ある位置からその風景が驚くほどにぐんと迫ってくる瞬間、ポイントが見つかったりして、その刹那、一気に吉賀さんの絵の世界に心が引き込まれていきます。

描かれる風景は、吉賀さんにとって馴染みのある水辺の風景だそう。
実際の風景が、色彩も絞り込まれ、オリジナリティ溢れる手法で描かれることで、霞みが広がる未来の記憶を探っていくような感触や、すうっとナチュラルに感情に染み入る独特の風合いを伴って再現されています。


吉賀あさみ07 吉賀あさみ06


手前の画面は筆によって、ていねいに紡がれていくように、滲むようなシルエットが描かれています。
吉賀さんに伺って驚いたのですが、いちばん奥の画面は一部を注射器で描いているそう。針の先から押し出される絵の具によって精緻に描かれた木々の枝は、意識的に奥の画面を見つめると、ぱっと眺めたときにそこに被せられた層によってうっすらと霞んだ印象だったのが、実は画面に描かれるもののひとつひとつは濃厚で、むしろ重厚な風合いさえ感じられるんです。


吉賀あさみ05

1階のいちばん広い壁にいちばん小さな作品が展示されていて、その演出も印象的です。
ちいさな「窓」の向こうに広がる遠くて静かな風景。画面に近付いて至近で覗き込んだり、離れて画面の奥の風景の広さを思い浮かべたり...さまざまな想像が去来します。


吉賀あさみ03

吉賀あさみ01

1階には被さる層のみの作品も展示されています。
日本画出身らしい水墨画的な風合いが醸し出されていますが、その輪郭は思いがけずくっきりとしています。
他の作品での、作品の一番手前に被されられる層も、吉賀さんの作品にとって大事な要素となっていることが分かります。


吉賀あさみ04

2階には比較的ちいさな作品が展示されています。
なかには、階下に展示された作品の試作的なものもあって、見比べるのも面白いです。
また、大きなガラス張りの窓があるこの空間、同じフロアでも明かりの質が異なっていて、しっかりと雰囲気が区分けされているのが活かされ、それぞれのコーナーに展示された作品の風合いをしっかりと味わうことができます。


吉賀あさみ08

吉賀あさみ09

やさしく涼しげで、眼前の水の匂いも思い浮かぶほどの臨場感。
中には床に置かれた作品もあって、水たまりを覗き込んでそこから違う世界を眺めているかのよう。
ユニークなアプローチで描かれる風景が溢れ、思い掛けないイメージと巡り合える展覧会となっています。


吉賀あさみ10

phantasia
BUNKAMURA GALLERY
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
6/29(金)~7/8(日)
10:00~19:30
phantasia DM.jpg

・・・焼そば食べたい...


・・・も、もとい。


個性的な色彩と風合いで繰り広げられる3つのファンタジー。
油彩の野依幸治さんと青山ひろゆきさん、ボールペン画の前田さつきさん3名がピックアップされたグループショーです。
BUNKAMURA GALLERYがパーテーションで3つに区切られ、それぞれのアーティストが独創的な各々のブースで世界を展開しています。


まず、昨年のシェル美術賞展でも2つ目の展示室の入口から見える位置に展示されていた作品が印象的だった、野依幸治さん。
晴れた日にかかる影のやさしさ。
荒い粒子が混ざった絵の具、抑えられたやわらかな青のトーンで日常の何気ない場面に垣間見られるほっとするような瞬間が切り取られ、それぞれの画面に収められています。


phantasia 野依幸治04

phantasia 野依幸治02

ガラス瓶などへの映り込みや、ガラス張りのドアに貼られた文字が反転して見えたり文字が空に浮かんでいるように見える様子、それが影となって地面や床に映るところなど、現実的でちょっと不思議な感じがする光景が取り上げられています。その視点もユニークで、ほっとするような緩やかなユーモアが感じられるんです。
さまざまなサイズの作品が展示され、それぞれが比較的実際の大きさに近い感じで描かれているので、 野依さんがつくりあげるファンタジックな世界に臨場感がもたらされて、その空気へと自然に気持ちが入っていくような気がします。


phantasia 野依幸治01

phantasia 野依幸治03

続いて青山ひろゆきさんのコーナー。
昨年のごらくギャラリーでの個展も印象的だったのですが、そのとき以上に透明感溢れる色彩の鮮やかさ、輝きが美しく伝わってきます。
大画面に描かれた、瓶から掬われる飴状のジャム。そこに飛び寄るエンジェルが、きらめくジャムの立体的な艶かしさになんともかわいらしいアクセントをもたらしています。


phantasia 青山ひろゆき02

phantasia 青山ひろゆき01


青山さんの多くの作品にはキャンディやジャムといった透明な食材やお菓子などが登場します。
真っ白な背景に描かれるそういったモチーフは、画面のサイズに合わせて拡大されてダイナミックに描かれ、その瑞々しい透明感からはポップな雰囲気が溢れ、子供の頃、そういったものに触れたときのワクワクした感じが蘇ってきます。
そういう明るく揺らめく色彩で繰り広げられるファンタジーをさらに加速させるのが、作品によって登場しているエンジェル。
透明感が全面に押し出されるように描かれた画面に、その姿をくっきりと現しながらエンジェルたちが無邪気に戯れています。その無垢な姿と透明なモチーフの艶かしさとのコントラストが醸し出す雰囲気もユニークで、お互いの風合いを引き立てあうようにして独特の世界が作り上げられています。


phantasia 青山ひろゆき03

phantasia 青山ひろゆき04

いちばん奥。
モノクロームの繊細で精緻な作品で溢れています。
前田さつきさんのボールペン画は、その細やかさにまず驚かされます。
すべてが「線」で描かれ、その線の重ね具合で細やかに陰影がもたらされ、それぞれの画面に隙がないくらいにていねいに、ちょっとこわい童話の一場面を思わせるような世界が再現されています。


phantasia 前田さつき02 phantasia 前田さつき03

phantasia 前田さつき01

ひとつの画面に収められる情報量の多さも圧巻です。
いったいどれくらいの時間がかかるんだろう、と考えると気も遠くなるほど。。。
しかし、それ以上に、作品の中の場面の舞台となる森に生える木々のうねりの力強さ、登場する女の子や子供たちの静かな表情、それらによって繰り広げられる大人なファンタジックな世界の奥行きなどに魅入られてしまいます。
そして、モノクロームでありながら、豊かな色彩のイメージが浮かんでくるのも不思議で興味深いです。
西洋風な感触が伝わるサソリなどの絵もクール!


phantasia 前田さつき07 phantasia 前田さつき04

phantasia 前田さつき06

3つの個性をそれぞれのコーナーで堪能できて、見応えも充分。
まったく違う質感が揃っていて、このバリエーションの豊かさも嬉しい展覧会です。


・・・やっぱり焼そば食べたい...(笑)


phantasia 青山ひろゆき05

大矢加奈子 -Vanilla Days-
Gallery Jin
東京都台東区谷中2-5-22
6/29(金)~7/8(日)月火休
12:00~19:00(最終日:~17:00)
大矢加奈子6/29DM.jpg

まっさらな白と明るくも艶かしい赤とのコラボレーション。


Gallery Jinでの大矢加奈子さんの個展に行ってきました。
ジェッソでていねいに均された下地に、オレンジ色っぽい赤で、時に透明感を醸し出しながら、女の子の姿や水まわりの光景などが描かれています。

とにかく魅力的な赤です。
白を背景に浮かび上がる明るいシルエットのように、その色彩のエッジはくっきりと現れています(おそらくマスキングも駆使されているものと)。そしてその赤は、微妙なグラデーションによってていねいに陰影が施され、生命感も伝わってきます。


大矢加奈子03 大矢加奈子02

大矢加奈子01

その赤の上にも白い絵の具が乗って、赤の微妙なグラデーションとは違う質感の表情をもたらしていたり、また、素肌の部分などにあらわれるドットが、大矢さんの作品にほどよい「毒」をもたらしているように思えます。
そういったものが、物質的な質感が強調される白に浮かび上がり、なんとも妖しい雰囲気を醸し出しています。


大矢加奈子14

大矢加奈子04

水まわりや洗濯物など、日々の生活のある場面を描いたような作品。
こちらは、その個性的な赤の生命感がさらにぐんと全面に押し出されます。
作品の中のさまざまなアイテムは、決してそれらが動くようなイメージはもたないのですが、一方でそれらがまるで呼吸をし心臓が血液をめぐらせているように感じられるほど、何かの「生き物」が描かれているような気さえ起こります。
そういった要素が独特な味わいをもたらしていて、不思議と魅入られてしまうんです。


大矢加奈子10 大矢加奈子12

大矢加奈子13

カウンターの後ろや入口の棚、奥の小さな部屋など、ギャラリーの各所に配された小品もユニークな風合いを醸し出しています。
スケッチ的なものも多く、メインの作品との関係性を探りながら観ていくのも面白いです。


大矢加奈子05 大矢加奈子08

大矢加奈子06

独特のシンプルな色彩で展開されるさまざまな世界。
大矢さんの個性がぱっと分かりやすく伝わるほど、展示に統一感があって、それでいてそのなかで繰り広げられている世界は作品ごとにバリエーションに富んでいて、比較的小さな作品が出展されていることもあって結構な数の作品が観られるのですが、それでももっといろいろと観てみたいという思いが募り、次の展開もたいへん楽しみで想像も膨らみます。


大矢加奈子09

《6/28》
・Blue Lotus Tadayuki Naito
Gallery 蓮
東京都渋谷区神宮前2-5-6
6/28(木)~7/26(木)日休
11:00~19:00
内藤忠行6/28DM.jpg

タワーレコードのフリーペーパー「musee」の表紙を長期にわたって手掛けられた内藤忠行さんの個展。
木目調の内装のスペースに、美しく澄み渡る青の写真が並びます。
その透明感に感嘆。そして、青の中に佇む蓮のつぼみや花の姿もまた、神々しく感じられます。

《6/29》
☆phantasia
BUNKAMURA GALLERY
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
6/29(金)~7/8(日)
10:00~19:30
phantasia DM.jpg

独特の質感を伴う油彩の野依幸治さん、透明感溢れる青山ひろゆきさん、ボールペンによる精緻な作品の前田さつきさんによる、3者3様のクリエイションがパッケージされたグループショー。
3つに区切られたスペースにそれぞれのアーティストの作品が配され、充分にその個性が伝わる素敵な展示となっています。


☆INVITATION 吉賀あさみ展
MA2 GALLERY
東京都渋谷区恵比寿3-3-8
6/29(金)~8/4(土)日月祝休
13:00~19:00
吉賀あさみ6/29DM.jpg

今年のVOCA展で、順路通りに観ていっていちばん最後に出会った静かな世界。
2つの層で描き出される風景の独特の深みに心が沈み込んでいくような、至高のクリエイションに溢れています。

《6/30》
・瀧金蘭
新宿高島屋10階 美術画廊X
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2
6/27(水)~7/10(火)
10:00~20:00(6/30~7/8:~20:30、最終日:~16:00)
瀧金蘭6/27DM.jpg

僕にとっておなじみの3名、金丸悠児さん、瀧下和之さん、安岡亜蘭さんの展覧会。
瀧下さんの20枚以上に及ぶ組作品で展開される鬼ヶ島や金丸さんの横3メートルの画面にあらわれる巨大なアロワナの作品など、それぞれのアーティストの代表的な作品が、この空間で改めて観られることも嬉しいです。

・「暑中に涼ありvol.3」五人の心の窓からふく風は…
オーパ・ギャラリー/ショップ
東京都渋谷区神宮前4-1-23-1F
6/29(金)~7/11(水)木休
11:00~19:00
暑中に涼あり2007DM.jpg

昨年に続いて開催されている、軽やかな個性が集まったグループ展。
まず、岡本雄司さんの作品が、これまでのとは一風変わっていて面白い!
色紙に摺られた木版画をコラージュしてできた作品。色合いのやさしさ、木版凸版の線のユーモラスな感じなどが活きて、のんびりとした楽しい雰囲気が作り上げられています。
それにしても、芸が細かい!

opa岡本雄司01 opa岡本雄司02

opa岡本雄司03

井上コトリさんも、これまでの作品と比べてたいへんライトになった感じが心地よいです。
切り絵やぬいぐるみなどもあってバリエーションも豊富です。

opa井上コトリ03 opa井上コトリ01

opa井上コトリ02


・第二回 暁会
@銀座スルガ台画廊
東京都中央区銀座6-5-8 トップビル2F
6/25(月)~6/30(土)
11:00~19:00(最終日:~17:30)
暁会6/25DM.jpg

昨年と同じメンバーで今年も開催された暁会。

まず、龍口経太さんの紙本のメイドの作品に惹かれます。
これまで拝見してきた板の作品とはまたテイストが違い、グレーという言葉だけでは決して言い表せそうにない独特の風合いがしんしんと広がる背景に、身に付けた黒いずきんや肩掛け、そして長い髪が実に繊細な黒色の重なりによって、どこか不思議な透明感を伴ってていねいに描き表され、そこにぱっと光が射すようにm女の子のやわらかい表情と白い肌が現れています。

川瀬伊人さんの作品も印象的でした。
裏箔が施された和紙、そこにさらに線の擦りが入り、そこから滲ませる墨。それが画面の表面に、未来的な「和」の感覚を生み出しています。
そういう独特の背景に、墨で描き出される羽ばたく鳥の凛として力強い姿にも見愡れます。

高島圭史さんの神々しく輝く女性の作品、ちょっとコンテンポラリーな構成が日本画の筆致に新たな感覚をもたらしているように感じられた廣瀬貴洋さんの作品など、それぞれが見応え充分で今年も満足の展覧会でした。

☆大矢加奈子 -Vanilla Days-
Gallery Jin Projects/JinJin
東京都台東区谷中2-5-22
6/29(金)~7/8(日)月火休
12:00~19:00(最終日:~17:00)
大矢加奈子6/29DM.jpg

個性的な赤と純白の色彩で作り上げられた統一感、そしてそのなかで繰り広げられるバリエーションの豊かさ。
一風変わったポップさに、ちょこっとだけ加味された「毒」のようなもの。
たいへんユニークな世界です。

☆柳本明子「ドメスティック・ストーリー -家の中から-」
Yuka Sasahara Gallery
東京都新宿区西五軒町3-7 高橋工芸社ビル3F
6/30(土)~8/4(土)日月祝休
11:00~19:00
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太めカラフルな糸を駆使して描き出されるポップで精緻な世界。
一見して「面白い!」と思わず唸ってしまった、楽しい雰囲気が充満している展覧会です。

☆小谷元彦「SP2 New Born」
山本現代
東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第3ビル4F
6/30(土)~7/28(木)日月祝休
12:00~19:00
小谷元彦6/30DM.jpg

「完璧」。
2007年上半期の最後の日、その最後にチェックした展覧会。
それが今年上半期でもっとも鮮烈で強烈なインパクトを感じた展覧会のような気がします。