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幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報
2008年2月アーカイブ

第2回 shiseido art egg 槙原泰介
資生堂ギャラリー
東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビルB1F
2/8(金)~3/2(日)月休
11:00~19:00(日祝:~18:00)
shiseido srt egg 2008.jpg

shiseido art egg 2 Taisuke Makihara exhibition
SHISEIDO GALLERY
8-8-3-B1F,Ginza,Chuo-ku,Tokyo
(Fri)-(Sun) closed on Monday
11:00-19:00(Sunday and national holiday:-18:00)
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!Σ( ̄口 ̄;)

もとーい!

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(×およそ200)>Σ( ̄口 ̄;)

ああ!

なんかもう!

このバカバカしさ、最高!(≧∇≦)


まだ今年に入って2ヶ月しか経ってないけど今年の優勝はこの展示で決定で異論はない(≧∇≦)

とりあえずみんな水戸家!

・・・・

水戸家か!Σ( ̄口 ̄;)
御隠居様か!Σ( ̄口 ̄;)
このタイミングで誤変換か!Σ( ̄口 ̄;)

もとい!
もとーい!

みんな見とけ!


ここに画像がぁぁぁぁっっっ!!!!!!×およそ200Σ( ̄口 ̄;)

とにかく笑えます!
機能美の極地で、しかも実はものすごく不自然なはずなのに瞬間的にはそうは感じさせない圧巻の空間です!

ArtGaia Nominees 7 門田奈々展 ~ナナトナナ~
アートガイア・ミュージアム目黒
東京都品川区上大崎3-1-4 RE-KONW目黒4F
2/17(日)~3/1(土)
11:00~19:00
門田奈々080217.jpg

ArtGaia Nominees 7 Nana Monta exhibition
ART GAIA MUSEUM MEGURO
3-1-4-4F,Kami-osaki,Shinagawa-ku,Tokyo
2/17(Sun)-3/1(Sat)
11:00-19:00
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軽やかな憂い。

アートガイア・ミュージアム目黒での門田奈々さんの個展です。
門田さんの作品はこれまでC-DEPOTで拝見していて、さまざまなスタイルのクリエイションが並ぶなか、その時々で落ち着いた雰囲気を醸し出していたのが印象に残っているのですが、今回はじめてまとめて門田さんの作品を拝見することができた次第です。


門田奈々02


たくさんの作品が出品され、それぞれのコーナーで統一感をもたらし、さまざまなシリーズの展開が織り成されています。


門田奈々09 門田奈々08

門田奈々07


2点の対になって構成や、もっと多めの点数でシリーズ的な展開がなされているものなど。
構図や額が揃えられています。
エッセイストがさまざまな雑誌に寄稿した文章を、1冊の本で楽しむ感触と通じるような。


門田奈々01 門田奈々03

門田奈々13


多くの小品が、おそらく水彩絵の具とペンとで描かれていて、微妙な滲みがもたらされた、どこかレイドバックしたような風合いの彩りが、憂いを帯びたような女性の表情や仕草にメランコリックな深みをもたらしているように感じられます。


門田奈々15 門田奈々14

門田奈々16

比較的大きな作品は、イラスト的な小品と、女性がモチーフとなっていることこそ共通していますが、よりおおらかな展開が印象に残ります。
入口の正面に展示された横長の作品は、背景に灯るような色彩が生み出す、雰囲気が立ち昇るような感触が穏やかな憂いを更に深めているような感触です。


門田奈々05 門田奈々06

門田奈々04

アクリルガッシュを用いた作品群は、紙の質感がそのまま表面に現われた作品と異なり、背景にも色が入って、その画面から放たれる物語の独立性が強く感じられます。

円形のパネルの作品が2点並んだコーナーは、今回の展示のなかでも特に印象的な雰囲気を醸し出しています。


門田奈々10


渋い色調のグラデーションがもたらされた背景に、崩した格好で座る女性の姿。
憂いに加え、妖しげな風合いも印象的です。


門田奈々12

門田奈々11

大判のパネルの作品は、それぞれが強い存在感と仄かな神々しさとを放っています。
登場する人物も、多くの作品と比較してももっとその人に対するイメージが感覚的に、具体的に思い浮かびます。

全体を覆う白、そのなかにはさまざまな色彩が織りまぜられ、複雑な風合いを感じさせてくれるのですが、そのなかからあらわれる人の姿に、ひとつのストーリーの存在を思い浮かべます。
こちらに向ける視線の深みは、画面全体の白のなかにひときわその存在を強く感じさせてくれます。


門田奈々17

妊婦の立ち姿を描いた作品、背景の淡い色調にくっきりと浮かび上がる黒の衣装は、その色調の本来持ちうる重々しさから離れ、穏やかで、高貴な雰囲気を静かに漂わせます。
さらに、静かな表情がピュアな感触を強く感じさせてくれます。


門田奈々21 門田奈々20

門田奈々19

さまざまなスタイルで描かれた作品群のひとつひとつがていねいな仕上がりで、軽やかさや深みなど、それぞれでいろんなイメージを伝えてくれます。
そして、豊かな表情を浮かべる女性を描き、アダルトなムードを滲ませつつも、シンプルさから感じられるプリミティブな風合いが同時に心に残ります。

どちらかというと全体的な印象はイラストとしての展開が主なクリエイションかと受けとめたのですが、アクリルガッシュの作品の深みも印象的で、こちらの展開があるとしたら、楽しみです。


門田奈々18

寺内誠展
ギャラリー広田美術
東京都中央区銀座7-3-15 ぜん屋ビル1階
2/18(月)~3/1(土)日休
11:00~19:00
寺内誠080218.jpg

Makoto Terauchi exhibition
Gallery Hirota Bijutu
7-3-151F,Ginza,Chuo-ku,Tokyo
2/18(Mon)-3/1(Sat) closed on Sunday
11:00-19:00
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さらに冴えを増す透明感。

ギャラリー広田美術での寺内誠さんの個展です。
以前からアートフェアなどさまざまな機会でギャラリー広田美術が寺内誠さんをレコメンドされていたので、寺内さんの作品を続けて拝見している僕にとって、まさに今回の個展は「満を持して」といった感があります。

そして、展示の度に作品の精度がぐんぐんと高まっていった寺内さん、今回の個展でも、着実に上昇が続いていることがしっかりと感じ取れる、凛とした色彩と質感とで、幻想と現実とが重なる光景を描き出しています。


寺内誠004

寺内さんの作品は、いくつかの風景がレイヤー風に重ねられ、幻想的な感触を導きだされているのですが、その重なる光景の距離感がぐんと縮まって、レイヤーで表出される奥行きがより薄く感じられます。

ふっとほのかにその気配を感じさせる、猫のシルエット。
そのまわりに浮遊するように散らばる光。
そこに艶やかに描かれている光景は、その鮮やかな色調から未来的な印象を受けるのですが、それと同時にどこか懐かしい、やわらかな記憶が蘇ってくるような感触も伝わってきます。


寺内誠003 寺内誠002

寺内誠001

ていねいに施されるグラデーションのなめらかさも印象的です。
青から緑へと穏やかに変わっていく色彩の流れに、どこまでも透明な気配が続いているような錯覚を覚えます。
そういった感触を漂わせながら、風景のシルエットとして、その輪郭を鮮やかに浮かび上がらせて、シャープな美しさも同時に放たれています。
すでにこの青と緑のグラデーションは寺内さんの「色」といった感もあります。


寺内誠010 寺内誠011

寺内誠009

それぞれの作品が奏でる物語性も魅力的です。
淡く描き出される人影や、透明感溢れる色彩で表現される陰影がもたらす光の存在など、さまざまな要素がその場面に流れる時間の存在のイメージを感じさせてくれます。
時にロマンチックでもあり、またドリーミーでもあり...。
やわらかい言葉で綴られていくような、繊細なストーリーが浮かんでくるような感じです。


寺内誠006

寺内誠007

幻想的な空間に咲く花を描いた作品も、青の風景に紛れて展示され、その鮮やかさと、仄かな香のイメージを際立たせているのも印象的です。
枝葉の部分をシルエットで表現し、輪郭がうっすらとぼやけているように描かれた咲く白い花。その繊細さ、儚さを引き立てているように感じられます。


寺内誠008

また、寺内さんとしては珍しく、赤系統の色彩が印象的な作品も。
その色彩がダイレクトに鮮やかに染まる紅葉をイメージさせる赤のグラデーション。それがぱっと画面から浮き上がるように迫り、その奥に続いていく、暮れる陽射しに静けさを漂わせる林の雰囲気の沈み込むような落ち着き払った風合いにも心が引き寄せられます。
重ねられるのはかたちあるものではなく、そこにある「光」なのだなぁ、と。。。


寺内誠005

寺内さんの作品を至近で眺めると、特に木漏れ日を思わせる光のシルエットなど、絵の具の質感が思いのほか生々しく画面に残っています。
しかし、その質感が消える距離で眺めたとき、その場面に投じられた光の存在が、重なる風景の輪郭が、まさに一気に立ち上がり、幻想的な臨場感が迫ります。コンパクトなスペースでの展示ですが、その臨場感を感じるには充分で、それはやはりさらに突き詰められる精度によってもたらされるような気がします。

大作から小品までさまざまなサイズの作品が展示され、凛とした心地よさに満ち、独特の雰囲気に心から浸りきれる空間が作り上げられています。

《2/20》
寺内誠展
ギャラリー広田美術
東京都中央区銀座7-3-15 ぜん屋ビル1階
2/18(月)~3/1(土)日休
11:00~19:00
寺内誠080218.jpg

ギャラリー広田美術の小さくて落ち着いた空間に、さまざまなサイズの作品が展示されています。
寺内誠さんの作品は長いこと続けて拝見していますが、今回はレイヤー的な表現がより曖昧に、重なる景色の差異が失われて、ピンと張り詰めるような緊張感が現われるとともに、穏やかな幻想が紡ぎ上げられています。

植松琢麿 "crystal"
東京日本橋高島屋6階 美術画廊X
東京都中央区日本橋2-4-1
2/20(水)~3/11(火)10:00~20:00(最終日:~16:00)
植松琢麿080220.jpg

写真、立体と、さまざまなメディアを行き来しながら制作された作品群。
それぞれ高いクオリティで、色彩の鮮やかさやフォルムの頑強さなどが放つ美しさの説得力に惹かれつつ、観るものの感性をそこに留めず、それぞれの作品が脳裏を巡るストーリーの始まりのようにも感じられます。
深い奥行きが感じられるクリエイションです。

《2/21》
Sissi パフォーマンスイベント 色彩の尾
TWS渋谷 アートカフェKURAGE
東京都渋谷区神南1-19-8
2/21(木)
19:00~20:00
Sissi 080221.jpg

3月にミヅマ・アクションでの個展が控えているアーティスト、Sissiさんのパフォーマンス。
開始予定より若干過ぎた頃からSissiさんがカラフルな長い縄を着席しているお客さんに絡め始め、およそすべてのお客さんを縄で繋いでいくという意味深なパフォーマンスでした。
カウンターに座って本を読みながらパフォーマンスが始まるのを待っていたのですが、僕のところまでは縄がまわって来ず。

orz...

《2/23》
吉田和夏展 化合台地の収集
セツ・モードセミナー
東京都新宿区舟町15
2/18(月)~2/23(土)
10:00~20:00(最終日:~17:00)
吉田和夏080218.jpg

1月にGALLERY MoMoで開催されたグループショーにも参加していた吉田和夏さんの個展です。
グループショーでは小品による構成でしたが、こちらの個展では大作が中心。ミニマムな描き込みはそのままに、よりダイナミックな世界が描かれていたのが印象的です。


吉田和夏03 吉田和夏02

吉田和夏01


ホールのケーキを思わせるモチーフは前回の個展の時から変わらないものの、作品のサイズが大きくなっていることもあってか、そこに描かれた地層や、地上の景色などから壮大なイメージが伝わってきます。


吉田和夏06 吉田和夏05

吉田和夏04


それぞれの作品の背景の色彩のグラデーションも鮮やかで、時間帯や気候など、もっと大きな空間のイメージを喚起させてくれるような感触で。
空間の使い方がすごく面白くて、とてつもないスケール感がポップに展開されているのがたいへん興味深いです。


吉田和夏08 吉田和夏09

吉田和夏07

梶井照陰 写真展 限界集落 ‐Marginal Village
FOIL GALLERY
東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤
2/20(水)~3/16(日)
12:00~20:00
梶井照陰080220.jpg

日本のさまざまな農村や漁村。そこに暮らすさまざまな御年配の皆さん。
その土地の表情も、人々の仕草も、そこに紡がれ続けてきた時間の奥行きを感じさせてくれる、あったかくてほっこりとしていた風景や場面が溢れた、味わい深い写真の展覧会です。
田圃がそこここに広がっている熊本の田舎町で育った僕には、たとえ知らない場所や景色、時間だったとしても、この展覧会に出品された写真の中に収められた風景がなんとも懐かしく感じられて...。

いろんなシーンが切り取られているなかでも、田圃に囲まれた一角に立つ小屋に降るにわか雨の写真の美しさといったら。。。

マキイセレクション2×4 vol.1 Mirroring
マキイマサルファインアーツ2F
東京都台東区浅草橋1-7-7
2/16(土)~2/28(木)金休
11:00~19:00(最終日:~17:00)
Mirroring 080216.jpg

4名のアーティストが紹介されている展覧会。
僕が最近知った二人のアーティストの参加が嬉しいセレクションです。

まず、不忍画廊で開催された動物をテーマにした作品を集めたグループショーで紹介されていた、柳ヨシカズさん。
軽やかでファニーな色彩とシンメトリーの構成により、明るくキャッチーで、仄かにシュールなファンタジーが繰り広げられています。
ていねいなグラデーションや、隙のない構図が印象的で、キャベツとウサギの組み合わせのコミカルさも楽しいです。


M柳ヨシカズ02 M柳ヨシカズ03

M柳ヨシカズ01


カラフルな作品が中心に展示されているなか、小品ながら、モノトーンの作品も。
キャッチーさが軽く押さえ込まれて深みが増したような感じがして、この展開もぜひ観てみたいです。


M柳ヨシカズ05

M柳ヨシカズ04


新宿のArt Complexで関西のアーティストが紹介されたグループ展での展示が印象的だった馬場晋作さん。
出品作品のサイズこそ小さめで、前回の展示よりもコンパクトに構成されていますが、やはり光沢のある支持体がさまざまなものを映し出してしまうことを逆手にとった構成の面白さは相変わらず!


M馬場晋作03

M馬場晋作02


特に面白かったのが、コーナーに展示された作品。
直角に接して展示されたふたつの画面がお互いの絵を映し合い、不思議な奥行きを生み出しています。


M馬場晋作07

M馬場晋作06


さらに精度を増した鏡面の作品も。
目の前の物をそのまま映し出してしまうという、素材の残酷なまでの力強さのインパクトは相当なものです。


M馬場晋作05

M馬場晋作01

Lisa Ruyter
Taka Ishii Gallery
東京都江東区清澄1-3-2-5F
2/23(土)~3/22(土)日月祝休
12:00~19:00
Lisa Ruiter 080223.jpg

スコーンと抜けるような発色と、大胆な配色がなにより痛快なインスタレーション。
壁面にも描かれたポップな絵と、デジカメをかざして写真を撮るような仕草など、スタジアムに集う人々のなんとも楽しげな空気感が、鮮やかな色調で大胆に表現されています。

西祐佳里 places to go
HIROMI YOSHII
東京都江東区清澄1-3-2-6F
2/9(土)~3/1(土)日月祝休
12:00~19:00
西祐佳里080209.jpg

昨年、六本木のT&G ARTSで通年で5回にわたって開催されたNEXT DOORで紹介され、不思議なシュール感が記憶に新しい西祐佳里さんの個展です。

実にオーソドックスな...むしろレイドバックしたような感触の。暗めの色調。
多くの作品が屋内で、そこにいる人々の頭部が動物になっていたり、あるいは人でなくて羊だったり、何故か着ぐるみで体全体を覆っていたり。
「・・・何で?」っていうようなシチュエーションにすごく妙な違和感を感じるのですが、そこがまた惹かれる部分だったり・・・。

そして、ただでさえ渋い感触が伝わってくる世界に、おそらく手製の額がさらに深みを加えているように感じられるのも印象的です。

それぞれの作品の関係性があるようなないような...
例えばひとつのストーリーのなかで、一人の主人公が目にしたさまざまなシーンのようにも思える一方、異なるストーリーを集めたようにも思えてきたり。

緩さと緊張感との同居といい、そこに満ちるさまざまな要素が絡み合い、時に水と油のように弾きあったりしながら、独特のイメージを与えてくれる、心地よい奇妙に溢れた世界です。

狩野仁美 mountain
HIROMI YOSHII
東京都江東区清澄1-3-2-6F
2/9(土)~3/1(土)日月祝休
12:00~19:00
狩野仁美080209.jpg

狩野仁美さんの作品は、void+で開催された映像の企画で上映された、テーブルに置かれた花瓶らしきものが並ぶ光景を捕らえる焦点がゆったりと時間をかけて変化し、朧げな風合いが強く印象に残るもののみ拝見したことがあり、今回の展覧会でもそういったテイストの作品をイメージしていったのですが。

えぇっ!?!?!?!Σ( ̄口 ̄;)

唐突にもたらされる相当なショック。
いやもうこのインパクトに対して無力にならざるを得ないです...。
凄まじく殺伐とした画とノイズに一瞬で蹂躙されたような。。。

三井孝明「OH! BABY オレの負けだよ-ザ・スター イン 五反田」
zenshi
東京都江東区清澄1-3-2-6F
1/31(木)~3/1(土)日月祝休
12:00~19:00

深い赤に塗り上げられた壁。
朱と黒の漆の色と金箔。
これ以上ない高級な和の色調で繰り広げられていながら、何故だか不思議と未来的な空気を充満させる彫刻作品群。
幾何学的なかたちの関係性で表現されたスポーツをする人。
なんだかもうかわいいじゃないか!Σ( ̄口 ̄;) と喝采を上げたくなる衝動が湧く仏像。
そして、緻密な龍。
静かな、動きの乏しい殺伐としたような印象のモノクロの写真がまたこの空間に違和感をもたらし、斬新なアクセントとなっているように感じられるのもすごく興味深いです。

儚さ Tuomo Rainio ビデオワーク展
art space kimura ASK?
東京都中央区京橋3-6-5 木邑ビル2F
2/18(月)~2/23(土)
11:30~19:00(最終日:~17:00)
Tuomo Rainio 080218.jpg

映像作家で、現在交換留学で武蔵野美術大学に籍を置くフィンランドのアーティスト、トゥオモ・ライニオさんの個展です。
暗室となったギャラリーに4点のモノクロームの映像作品が上映され、独特の静けさが深々と干尖っていました。


Tuomo Rainio 04

Tuomo Rainio 05


トゥオモさんの映像作品は、視覚が捉えている風景を映像におさめるというより、その場所を往来する人々や動くものの軌跡を捕らえる、といったような感じです。
下の作品は、拝見する限り、さまざまな日常の光景でそこを通る人々のシルエットのみで構成されているような映像。
さまざまな縮尺で、ずっと向こうに人が動いているなぁ、などと思っていると唐突に画面を大きなシルエットが横切っていって驚いたり...。


Tuomo Rainio 06 Tuomo Rainio 07

Tuomo Rainio 08


もっとも大きく映し出された作品は、閑散としたとあるターミナルらしき場所が撮影されているのですが、真っ暗なシーンからまずひとつの光景が浮かび上がり、そこから道路通過する車や歩く人が通過する場所がだんだんと明るくなっていくような構成で。
だんだんと明るくなっていく過程はホントに美しいです。


Tuomo Rainio 01 Tuomo Rainio 02

Tuomo Rainio 03

展示されている映像作品の多くに、縦横に走る線のノイズがクールな感触をぐんと際立たせているようにも感じられました。

稲森栄敬「黒幕」
GALLERY SIDE2
東京都港区東麻布2-6-5
2/22(金)~3/21(金)日月祝休
11:00~19:00
稲森栄敬080222.jpg

かっこいい...。
アクリルにマウントされた写真、プリントされただけの写真が展示されています。
前回の個展では、アダルトなロマンチシズムに溢れていたように感じられたのが印象的だったのですが、今回久々に開催される稲森栄敬さんの個展では、もっとミステリアスで、ハードボイルドさと伝奇的な雰囲気が伝わってくるような。

幻想的動物王国 ~imaginary animal kingdom~ 田代裕基/吉田朗
YUKARI ART CONTEMPORARY
2/23(土)~3/15(土)日月火休
11:00~19:00(土:~20:00)
幻想的動物王国080223.jpg

2人の立体のアーティストがそれぞれひと部屋ずつで作品を展示しています。
田代裕基さんの木彫は3点、吉田朗さんのFRP作品は2点。
展示作品数こそ少ないものの、充分に説得力のある空間ができあがっています。

《2/24》
東京藝術大学卒業・修了作品展
東京藝術大学・大学構内ほか
東京都台東区上野公園12-8
2/21(木)~2/26(火)
9:00~16:30(最終日:~12:00)
芸大卒展080221.jpg

先日、ムサビの卒業・修了制作の学内展示でも感じた「油画」の勢いを、芸大でもやはり感じた次第で。
これまで個展などで拝見してその面白さを知っているアーティストの作品をあらためて拝見できる楽しみと、道のアーティストのユニークさを知る発見と。

美術館に展示されていた作家・作品では、まず瓜生剛さんの作品に惹かれました。
ヴィヴィッドな配色と、滲ませるような色面のフォルムとで描き上げられる抽象性の高いペインティング。壮大な風景を思わせるダイナミズム。

小池真奈美さんの、着物の女の子などが登場する作品。油彩で表現する「和」のエッセンス、わずかにぼやけたように表現されているところや背景のクリーム色などが奏でる「甘さ」が独特な雰囲気を生み出していました。

大平龍一さんの木彫。畳、再び。
大平さんの場合、「ただ」畳を木彫で再現することが充分な凄みを発するのですが、今回はそこに打ち寄せる波が現われ、畳の目とはまた違う精緻さに感嘆するだけでなく、実物大に制作され、現実的な臨場感を放つ畳光景に別の縮尺を取り入れることで、異空間としての領域の存在をもたらし、さらに深い感銘が湧いてきます。
そして、アレには何人の人が気付いたのだろう...なんて愉快な心配も。

山本磨理さんの、黒を背景に描き出される刹那的な光景も印象深いです。
女性や子供たち、鳥の姿が背景の独特の質感の黒からゆらりと浮かび上がるように存在し、さらにさまざまな色彩で描かれる植物、草花が放つ縦の動線の鋭さに気のうねりをも感じます。

GALLERY MoMoでのグループ展で紹介されていた根上久美子さん。前回は頭部だけだったのが、今回は立像の出品。一度観たら忘れられない独特な犬の表情が、妙にスマートな身体に乗っかっているのがなんともコミカルでシュール。

絵画棟と彫刻棟のそれぞれの部屋での個展形式の展示も楽しいものが多かったです。
竹内翔さん。一見ポップでライトな感触のドローイングやペインティングが展示されていたのですが、やはりその奥に潜む憂いや儚さなどの存在に気付かされて、登場する人物の表情からさまざま心の動きの連想が富めどなく溢れ出てきます。

大矢加奈子さんは、Gallery Jinでの個展での白地に赤系統の色の組み合わせでさまざまな光景や人々のシルエットを描き、仄かに毒々しさを醸し出しつつ、ぱっと明るい妖しさを放つ作品が展示され、なかでも大きな画面の作品での、前回の個展では見受けられなかった要素が加えられての展開を拝見し、今後がますます楽しみで。

井上恵子さんのクールな作風も健在。
ペンキの艶やかな発色と、それを下地に描かれる風景など。「もの」としての存在の大きさと、そこに描かれる、作品によっては背景とほぼ同系統の色調で繰り出されるモチーフの、僅かな立体感がそのシルエットの存在をぐんと引き上げるような印象です。

これまで何度もお目にかかっていながら、作品を拝見するのが今回が初めてだった山本久美子さんのクリエイションは、今年の一番の発見です。
重ねた紙の塊のオブジェで、その重なる紙によって奏でられる等高線を思わせる緻密な表面の感触と色彩のグラデーションは、まさにアイデア以上の面白さ!膨らんだビニール袋や葉っぱ、花、ローヒールなどの小品の緻密さと、ほぼ等身大の人のオブジェの荒々しさとのコントラストも印象に残ります。

Gallery Qでにお個展で拝見していた高木久美さんの作品、膨張と収縮を繰り返す有機的なかたちをしたさまざまなオブジェ、なんだかのんびりしていて、独特のシュールな感触におかしみがじわじわと沸き上がってきます。

第2回 shiseido art egg 槙原泰介
資生堂ギャラリー
東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビルB1F
2/8(金)~3/2(日)月休
11:00~19:00(日祝:~18:00)
shiseido srt egg 2008.jpg


Σ( ̄口 ̄;)

Gallery Artists
Yuka Sasahara Gallery
東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第3ビル4F
2/2(土)~3/8(土)日月祝休
11:00~19:00
YUKASASAHARA080202.jpg

Gallery Artists
Yuka Sasahara Gallery
3-7-4F,Nishi-gokencho,Shinjuku-ku,Tokyo
2/2(Sat)-3/8(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
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昨年秋からこの冬にかけて重なるギャラリーの移転のなかで、もっとも短距離の移転を果たしたYuka Sasahara Gallery。そのこけら落としとして企画された、ギャラリー所属のアーティストの作品が一堂に会したグループショーです。

それぞれのアーティストがその個性を発揮してつくり出した、カラフルな色彩溢れるクリエイションに魅了されます。
入口すぐに展示されているのが、川口奈々子さんのペインティング。
過剰にポップな感触を鮮烈に放つ色彩で繰り広げられる、キュートで妖しい世界。
メロウなフォルムの色面の重なりにより、人の顔や風景など、さまざまなモチーフが浮かび出され、奇妙な、でもキャッチーな雰囲気が充満しているように感じられます。


GA川口奈々子02

GA川口奈々子01

ポップな感触を発散させる刺繍作品。こちらは柳本明子さんの作品。
昨年の個展では透明のシートに施された刺繍の作品が印象的でしたが、今回は、遠目から観て一瞬「・・・kコルク?」と思うような色合いと質感。

で、正解は・・・紙ヤスリ。
ざらついた茶色の支持体の上に乗る刺繍糸の1本1本が放つ立体感がかっこいい!
刺繍糸と紙ヤスリの質感のギャップが醸し出すユニークな雰囲気も印象的です。


GA柳本明子02

GA柳本明子01

妖しい色彩といえば、加藤千尋さん。
昨年の個展は平面作品のみで構成されていましたが、今回はもうひとつの加藤さんのメインフィールドである立体の作品も出品されています。
ギャラリーの中央に置かれた台の上、側面、至近付近の床面を使ったインスタレーション。

彩りのインパクトは毒々しささえ感じるほどに鮮烈で、過剰な生命感を発しているように感じられます。
今回の展示を祝って送られた生花とのコントラストも印象的で、実際の生命を謳歌するように咲き誇る生花の、「実際の生」だからこその儚さを感じさせる存在が、生花以上に強烈な生のイメージを彷佛させる加藤さんのオブジェ群の永久的な生の臨場感の強烈さと、しかし茎などの繊細な部分が奏でる脆弱さを際立たせているように感じられて興味深いです。


GA加藤千尋03 GA加藤千尋02 GA加藤千尋04 GA加藤千尋05 GA加藤千尋06

GA加藤千尋01


加藤さんの平面作品も出品されています。
立体が醸し出す雰囲気との統一感が印象的です。


GA加藤千尋07


また、真っ白く塗られた広い壁に展示され、まるでその壁全体が作品になったかのように、実におおらかな空間性ももたらされています。


GA加藤千尋09

GA加藤千尋08

雨宮庸介さんの作品は、奥まった一角に展示され、そこに引力が引き起こされているかのように、重厚な空間が展開されています。
一昨年行われたインスタレーションや、昨年の西新宿でのテーブルの作品などと比べるとサイズこそコンパクトにまとまってはいるものの、その深遠さとシュールなギャグ的展開が圧巻です。


GA雨宮庸介01


壁に浮かぶ黒の楕円。そこから「ぬぅ」と現われているかのようなテーブル。
その上には雨宮さんの名刺代わりのリンゴのオブジェがふたつ。うちひとつはまるで敢えて油絵の具の質感を大胆に残したような荒々しいす仕上がりで、奥の青リンゴのリアルさとのコントラストが強烈です。
模様が絵の具で施されたクロスの質感にも引き込まれます。
そこに、何故かクロスの上に溢れた絵の具に半身を突っ込んで往生しているような人形とか、あからさまに安っぽさを放つ、おそらく出来合いのおもちゃとかが置かれ、たったこれだけのスペースに存在するあらゆる要素が絡み合って、どっから始まってどこへ帰結するのかなんて到底分からない複雑な物語のイメージが構築されていきます。


GA雨宮庸介04 GA雨宮庸介03

GA雨宮庸介02


ところで、どちらかというと、西洋的な雰囲気を、日本だとしても例えば明治期の西洋文化が取り入れられた頃の雰囲気を充満させるこのインスタレーション。

そのテーブルクロスについて、我思う。


唐草模様かよ!Σ( ̄口 ̄;)


もとい。

原良介さんの作品は、昨年に鎌倉のstumpで行われた個展でも発表された大作が再び登場しています。
これほどのサイズの作品と、別の空間で再びお目にかかれるのはホントに嬉しいです。
stumpでは民家を改装した、というかそのままの空間に展示されていて、その違和感と、鎌倉の郊外の穏やかな雰囲気と同時に味わうおおらかな感触とが印象的でしたが、今回は白い壁に展示され、作品そのものの面白さ、伸びやかさとシュールさをより味わえるような。


GA原良介01

今回の展示では主に平面・立体のアーティストの作品の紹介で、あらためてそのユニークさにまとめて触れることができる、嬉しい展覧会です。


GA雨宮庸介05

そして、このような挨拶代わりのこけら落とし的企画の次が...

田中偉一郎さん登場て!Σ( ̄口 ̄;)

BLACK,WHITE & GRAY
MA2 GALLERY
東京都渋谷区恵比寿3-3-8
2/8(金)~3/8(土)日月祝休
12:00~19:00
BLACK,WHITE&GRAY0802008.jpg

BLACK,WHITE & GRAY
MA2 GALLERY
3-3-8,Ebisu,Shibuya-ku,Tokyo
2/8(Fri)-3/8(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
12:00-19:00
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過剰なまでの豊かな表情をたたえたモノクローム。


MA2 GALLERYで開催されている、タイトル通りにモノクロームの作品を制作される3名のアーティストをピップアップしたグループショーです。

写真、鉛筆画、ミクストメディアとそれぞれ異なるメディアの作品を制作、発表されているのですが、1階と2階のふたつのフロアをもち、それぞれ大きなガラス張りの部分がある建築としてもたいへんユニークな空間を活かし、そこからさまざまな風景が見えて、想像を掻き立ててくれます。


まず、1階の入口正面にばん、と目に飛び込んでくる藤井保さんの写真作品。
大判のパネルにマウントされた、隊列を組んで飛ぶ渡り鳥のシルエット。
右上の窓へと向かうように斜めに展示され、ダイナミックさを力強く放っています。
ほぼ真っ白の背景の中に点描のように灯る渡り鳥の姿が、これほどまでに大きなサイズでありながら、さらに広大な空間性を感じさせてくれます。


BWG藤井保01

BWG藤井保02


階段付近各所に展示されている小さな作品も、モノクロームで画面に再現されていることも加わって、時間や場所など、さらにそのシーンを目にするシチュエーションのイメージを膨らませてくれます。


BWG藤井保04

BWG藤井保03

目黒区美術館で開催された鉛筆画のアーティストのグループショーにも参加されていた関根直子さん。
ストローク蓄積によって紡ぎだされるさまざまな濃淡をたたえた鉛筆画が、空間に独特な奥行き感をもたらし、深遠なアクセントとなっています。


BWG関根直子08

鉛筆で画面全体に線を重ね、おそらくある部分では擦るようにして、鈍い光沢に仕立てられた画面。
そこに浮遊する白。最初から何も描かれない、あるいは時に消しゴムを用いるなどして全体を覆う黒い画面にもたらされる白は、灯される光の残像、または宇宙を連想させてくれます。独特ななめらかさと断層とをもつグラデーションが放つ深遠な奥行きや、灯る白の構図的な関係性が、立体感をも醸し出しているように思えてきます。


BWG関根直子02 BWG関根直子04 BWG関根直子03

BWG関根直子01

さらに濃厚に塗り込められた画面、そして、だからこそ、そこにもたらされた白は、光としての輪郭がさらに明確になっていて、その存在感の強さをより感じさせてくれます。
至近で観てみると、同じ黒の色面のなかに、画面に触れる鉛筆の角度などで微妙で精緻なテクスチャーがもたらされていることに気付き、その深みにも魅了されます。


BWG関根直子07 BWG関根直子06

BWG関根直子05


2階では暗い照明の中で展示され、鉛筆の黒の深みから醸し出される臨場感が、より印象的に感じられます。


BWG関根直子09

もうひとりは、これまでにも各所で塩のインスタレーションを多く発表されている山本基さん。

1階に展示されたふたつの作品を拝見し、複雑な迷路を思わせるその有機的で緻密な線の凝縮に一気に意識が引き寄せられます。

まず、塩を平面に定着させ、山本さんのインスタレーション世界を平面に構築した作品。
一点の隙もなく展開される有機的・立体的な線。


BWG山本基01


ここに収められた世界に暫し唖然。
オリジナリティが強烈な素材感や構成など、刹那的に意識が引き込まれ、目の前にある光景をさまざまな縮尺に置き換えながら、イマジネーションが尽きることなく刺激されます。
そして、時間を経るにつれ、いったいどうやって定着させているのだろう、という謎がじわりと心の中を侵食していきます。


BWG山本基04 BWG山本基03

BWG山本基02

事務所の側にもう1点は飾られています。
この位置のためにあつらえられたかのような縦長の画面は、空間を俯瞰しているときにふと目に留まり、とんでもないものを見つけてしまったような高揚感をもたらしてくれます。


BWG山本基05


この緻密さは圧巻です。
深く濃い茶黒の渋さ。その上に展開される過剰に理知的で、整理されたな混沌。
線と線との関係性、部分的にもたらされる空虚、縦長の画面が作り上げる縦の大きな動線...ここに収められたすべての情報を把握するのにどれだけの時間を費やせばいいのだろう、と。。。


BWG山本基07 BWG山本基08

BWG山本基06

2階。
低い位置に並べて展示された小品が放つアクセント。
黒と白とのコントラストも絶妙な危うさを奏でます。


BWG山本基15 BWG山本基14

BWG山本基13

そして...

このスケール感をどう表現すればいいのだろう。
山本さんの繊細で先鋭的な感性によって紡ぎ出された、塩のインスタレーション。


BWG山本基12


瞬間、言葉を失います。
この景観に出会えたことに、素直に幸福だと思えます。
そして、この光景を作り上げるのに費やされた時間と労力、なにより創造性へのリスペクトが心の中から噴き出します。

夜に伺うと、奥のガラス張りの壁への映り込みが実に美しく、かつ神々しいんです。
向こう側の世界と繋がっているかのような、深い静謐感が穏やかに広がっています。


BWG山本基10 BWG山本基11

BWG山本基09


陽が出ている時間帯だと、また違った雰囲気が伝わります。
夜に拝見すると、照明が照らし出す陰影が醸し出す深み満ちているように感じられるのですが、窓から自然光が入る時間は、塩の白の粒子の輝きがより明るく伝わって、ポジティブな雰囲気が発せられているような印象を覚えます。


BWG山本基16

無彩色のクールネスが隅々まで行き届き、その深みが創出するイメージに満たされます。
ぞれぞれのクリエイション、異なるテイストが関係しあい、よりいっそう複雑な創造性が生み出されているような空間。

時間帯によって、山本さんのインスタレーションだけでなく、関根さんの鉛筆画の鈍い光沢の質感も、藤井さんが捉えた鳥の群れの向かう先のイメージも違って感じられます。

ぜひ、体感してほしいです。

阿部乳坊 空港
GALLERY b.TOKYO
東京都中央区京橋3-5-4 第1吉井ビルB1
2/18(月)~2/23(土)
11:00~19:00(金:~21:00、最終日:~17:00)
阿部乳坊080218.jpg

ABE NYUBO AIRPORT
GALLERY b.TOKYO
3-5-4-B1,Kyobashi,Chuo-ku,Tokyo
2/18(Mon)-2/23(Sat)
11:00-19:00(Fri:-21:00,last day:-17:00)
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いやね、もうね、いきなりこんなのが出迎えてくれるわけですよ。

阿部乳坊02

長ぇなオイ!Σ( ̄口 ̄;)
長ぇ腕だなオイ!Σ( ̄口 ̄;)


・・・もとい。

GALLERY b.TOKYOでの阿部乳坊さんの個展です。

出品点数こそ少ないものの、シュールなシャープネスをたたえた木彫作品が空間を支配し、アングラなのにスケールの大きな世界を構築しています。


で、入口の作品。
天上へと振り上げられた細く長い腕と、ていねいに彫り上げられた顔、そして鋭い指先。
よくよく見返すとけっこうユーモラスな体躯をしたタキシードの男は、そのおおらかなフォルムで重力に逆らうかのような力強さも放っているように感じられます。


阿部乳坊01 阿部乳坊05 阿部乳坊04

阿部乳坊03

展示タイトル、「空港」。
メインスペースには、大きく両腕を広げ、それが翼となって滑空している姿を想像させる作品が展示されています。

人の顔が中央に据えられた飛行中の姿は、飛んでみたいという人々の夢の具現化のようにも感じられる一方、ただ単にシュールで、しかもそのシュールさが加速しているようなイメージも湧いてきます。
また、1本の軸によって支えられて展示され、この広げられた両翼のバランスに、不思議な安定感とそこから醸し出される美しさを感じ取った次第で。


阿部乳坊07 阿部乳坊09 阿部乳坊08

阿部乳坊06

さらに大きな作品も。
サイズが大きいというだけで、そのスケール感もより壮大に伝わってきます。
また、真ん中の胴体部分のユーモラスで何故か深みを感じる丸みを帯びたフォルムとそこに埋まるように彫られた人の顔がいよいよ本格的なシュール感を強烈に漂わせていたり、目一杯に広がる両腕の先の手が異様にリアルだったりといろんな要素が迫力満点で、さまざまな発見と見どころに満ちています。


阿部乳坊12 阿部乳坊11

阿部乳坊10

数点、イメージをスケッチしたようなドローイング的な平面の作品も。


阿部乳坊14

眺めていて、

いったいどうやって中に運んだんだ?!?!?Σ( ̄口 ̄;)

とかいった疑問も生まれたりしますが(もちろん腕の部分は外れるそうです)、木彫特有の穏やかな深みと、大胆なフォルムに充満するダイナミズム、壮大なスケール感など、相当なインパクトを受ける展示です。


阿部乳坊13

point ephemere
BUNKAMURA GALLERY
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
2/15(金)~2/24(日)
10:00~19:30
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point ephemere
Bunkamura Gallery
2-24-1,Dogenzaka,Shibuya-ku,Tokyo
2/15(Fri)-2/24(Sun)
10:00-19:30
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ポップでファニーでクールな前衛。

Bunkamura Galleryで開催されているクリエイションを繰り広げる3名のユニークなアーティストがピックアップされたグループショーです。


ガラス張りの壁面で、展示風景を外から俯瞰できるのですが、さあざまな要素が盛り込まれ、それでいてそれぞれのコーナーが繋がって不思議な統一感に包まれていているように感じられます。

まず、大西康明さん。
アナログなテクノロジーを駆使したインスタレーション作品を多く発表されている大西さんですが、今回は半透明の大きなバルーンの一群が。


point ephemere大西康明01


それぞれのバルーンの下部にはファンが取り付けられていて、おっとりとしてどこかユーモラスな運動をランダムに繰り出しています。


point ephemere大西康明02


ファンによる運動に加え、人が通る度に生じる気流でもふわっと揺れたりくるりと回転したり。
未来的な光景のなかで実に牧歌的にのんびりとした動きがもたらされていて、そのギャップが和み感覚を醸し出しているように思えます。

大西さんのドローイング作品も多く出品されています。
画面を舞う曲線が、そのまま動きを現しているように感じられ、それぞれの画面で繰り広げられているさまざまな動きに魅了されます。
トレーシングペーパーなどで表裏両面から楽しめるものや、額に収められた作品の紙のたわみにも意味が感じられるなど、さまざまな要素に興味が湧いてきます。
そして、インスタレーションではモノトーンの展開が多い大西さんが放つ色彩のイメージの鮮やかさ、豊かさに、嬉しい意外性を感じます。


point ephemere大西康明04 point ephemere大西康明05

point ephemere大西康明03

大和由佳さんは、まず何よりギャラリー中央に設置された作品のインパクトが凄いのですが、小品も独特の魅力を放っています。

ユニークなテクスチャーをもった平面の作品群。
立体へのドローイング的な意味合いから、平面という制限のある空間で立体的な展開が施されるものなど、並ぶ作品はそれぞれほぼまったく異なるテイストでありながら、ひとりのアーティストによる展開であることを強く感じるのが興味深いです。


point ephemere大和由佳06 point ephemere大和由佳05

point ephemere大和由佳07


立体の小品。
こちらは素材の感触がよりリアルに引き出されています。
大和さんご自身の「迷い」がそのままミステリアスな要素となって作品に投じられ、それが鑑賞者への問いかけへと昇華されているような。


point ephemere大和由佳08

point ephemere大和由佳02


また、これまでも大和さんの作品は拝見していますが、今回拝見した作品群は、用いられる素材の個性がより引き出され、精度が高められたような印象を覚えます。
特にアクリルのキューブの作品は、素材の透過性が放つシャープさと焼かれた側面の生々しさとのギャップがより大きく感じられ、その大きさがさらなる深みをもたらしているように感じられた次第で。


point ephemere大和由佳09

point ephemere大和由佳04

今回初めて拝見する大舩真言さんのクリエイション。
本来の展開としてはもっと空間を作り込むことが多いようなのですが、今回は岩絵の具などを用いた平面作品が出品され、衝立により閉じた空間が演出されることでテイストが異なる一角が作り上げられています。


point ephemere大舩真言01


衝立の両面に展示された小品は、展示空間全体に強いアクセントをもたらしています。
両面に展示されることで、衝立で仕切られたふたつの空間に、通路とは別の意味で繋げているような印象です。


point ephemere大舩真言03

大舩さんの平面作品は、岩絵の具の美しさが充分に引き出され、細かい粒子が輝いて、深遠な雰囲気を醸し出しています。
シンプルな色調でそれぞれの画面が統一され、ふわっと浮遊するようなグラデーションが深い奥行きをもたらしています。


point ephemere大舩真言04 point ephemere大舩真言05

point ephemere大舩真言02


また、どこか曖昧さが滲みでているような光景を画面にカットしたような感触は、むしろ画面に収められていない見えなくなっている部分への想像を掻き立てます。
さまざまなサイズの作品が絶妙な配置で並べられ、光の存在を感じさせる画面の濃淡の連続が空間にイメージの動線を導きだしているような感じがして、たいへん興味深いです。


point ephemere大舩真言06

point ephemere大舩真言07

1点だけ、ギャラリーの外にあるGALLERY+に大舩さんの今回出品された中でもっとも大きな作品が展示されていて、これがまた壮大なスケールを放っていて見応え充分。その神々しさに意識がすーっと呑み込まれていきます。


point ephemere大舩真言08

今回の展覧会でもっともおおきな要素となっているのが、先にも触れた大和さんのインスタレーション。
透明のアクリルバーが天井から菱形の池へと向かって下がっていて、そうやって構成された格子からそれぞれのコーナーの作品群を眺められ、なんとも不思議な感覚が心の中に広がります。


point ephemere大和由佳01


アクリルバーの表面には白い砂が付着していて、大和さんのお話では、見えないものを見えるように仕向けるようなイメージとのこと。大和さんらしいアプローチにおおいに納得した次第です。
巨大な菱形が実に空間と合っていて、おおらかで深遠な雰囲気を立ち上らせています。


point ephemere大和由佳03

それぞれがつくり出すクリエイションはメディアもアプローチもまったく異なっていながら、特に大和さんの菱形の池の存在により、感覚的ではアルにしても、しっかりとした意図によってもたらされた統一感の中で豊かなバリエーションが展開されています。

意味真なタイトルも印象的で、それぞれのコーナーからこれまで思い浮かべることがなかったかも知れないさまざまなイメージをたくさん得られる展覧会です。

淤見一秀展
GALERIE ANDO
東京都渋谷区松濤1-26-23
2/5(火)~2/23(土)日月休
11:30~19:00
淤見一秀080205.jpg

Kazuhide Omi exhibition
GALERIE ANDO
1-26-23,Shoto,Shibuya-ku,Tokyo
2/5(Tue)-2/23(Sat) closed on Sunday and Monday
11:30-19:30
Google Translate(to English)


爽やかな外観と、それらがそうであることの深い理由と。

GALERIE ANDOでの淤見一秀さんの個展です。
淤見さんの個展は昨年も拝見していますが、GALERIE ANDOでおよそ年に1回のペースで個展を開催される多くのベテランのアーティストの皆さんがそうであるように、出品される作品や展示の構成に前回と大きな違いはないものの、小さな作品からは穏やかな自信とやさしさが満ち溢れ、観るものになんともいい難いやわらかい気持ちをもたらしてくれます。


4つのスタイルの作品によって構成されている今回の淤見さんの個展。
立体と平面、それぞれに緻密で繊細な線の表現が織り成され、さらにそこにユニークな視点によるクリエイティビティが入って、知的な深みも感じられる展覧会です。


まず、立体の作品。
径が0.15mmという極細のステンレス線を編んで、立ち上がる線が表現された作品。
繊細なステンレスの束が手作り感をぐんと際立たせています。


淤見一秀04 淤見一秀02

淤見一秀01


さまざまな形状が再現されているのもまた面白いです。
眺める角度によってさまざまなかたちに見えるのもまた興味深く、加えて影もたいへん表情が豊かです。


淤見一秀05

淤見一秀06

スクリーンプリントを用いた作品は、一転して色彩の鮮やかさが爽やかに感じられます。
まずは額に複数の高透過のガラスが重ねて収められた作品。


淤見一秀08


編むように連なった線が、それぞれのガラスにプリントされ、それらが重なって複雑な構成と立体感を奏でています。


淤見一秀09

淤見一秀10

透明のキューブの作品も。
いくつかのブロックが重なりあってひとつの透明なキューブを作り上げているのですが、その接する面に上の額の作品と同じく網目の線のプリントが施され、それが立体物として展示されているために、さらに臨場感が増して感じられます。


淤見一秀12 淤見一秀13

淤見一秀11

もうひとつは、黒い額縁と黒の背景、そこに白い線の重なりが。
これらの白い線は、重なっている透明の板にサンドスクラッチが施されていて、スクリーンプリントとはまたひと味違ったテクスチャーを醸し出しています。


淤見一秀16

淤見一秀15

バラエティに富んだメディアを通じて軽やかに展開する淤見さんの作品ひとつひとつは、実に爽やかな造型美がもたらされています。
シンプルな面白さが穏やかに溢れて、ただその心地よさ、快さに気持ちを委ねるだけで充分に楽しめるような印象を覚えます。

その上で、淤見さんから作品にいろいろとお話を伺う中でたいへん興味深かったのが、「支持体」に対する考え方。

シルククリーンプリントの作品は、考え方を変えると、線を描き出している塗料の塊が透明のガラス板・素材に「支持」されていて、これらの淤見さんの作品では支持体を透明なものにすることで「支持されるもの」そのものを提示している、ということになります。
また、ステンレス線のオブジェは、言ってみれば支持体なしで線を提示している作品でもある、とのこと。
そして透明の板をサンドスクラッチした作品は、支持される物資が存在しないので、クリエイションそのものがもっと明解に「支持」されている、と。

そういったユニークな視点の話に至り、なるほど、と膝を叩いた次第。
クリエイションを「支持」する、ということについて、支持するものに必要性に対するもどかしさであったり、また、その視点によって平面・立体両方において重なる線の構成が現れ、深いコンセプトとは裏腹の鮮やかな造型美が表現されていることも興味深く感じられます。

さまざまな角度から味わえる展覧会です。


淤見一秀14

《2/14》
手塚愛子展
第一生命南ギャラリー
東京都千代田区有楽町1-13-1 DNタワー21 第一生命本館1F
2/14(木)~3/11(火)土日祝休
12:00~18:00
手塚愛子080214.jpg

東京都現代美術館で開催中のMOTアニュアルにも参加している手塚愛子さんの個展。
大きな作品を中心に据え、ペインティングと小品とで構成されています。
その大きな作品の、手塚さん自身による絵柄が織られた布、その一部がが糸へと分解された作品は、この作品のために制作された布を使用しているということもあってか、いつになく軽やかな色調が印象的です。
大きめのキャンバスに描かれたペインティングは、表面の茶系の色彩の奥にグリーンが潜むのが確認されるのが興味深いです。
そして、ほどいた糸で再び別の絵柄の刺繍が施されている小品の爽やかさといったら!

《2/15》
渡辺英司展「王者は、日曜日に雑誌で飛躍する」
Kenji Taki Gallery/東京
東京都新宿区西新宿3-18-2-102
1/12(土)~2/16(土)日月祝休
12:00~19:00
渡辺英司080112DM.jpg

見開かれた雑誌をモチーフに描かれた比較的小さなサイズの作品。左右のモチーフのギャップがユニークで。
そういったモチーフを描いているにもかかわらず、薄塗りの油彩の感触とさらさらとしたアバウトなフォルムが透明感を醸し出していてなんとも不思議な軽やかさと深みが充満していました。
その透明感がいっそう押し出された、透明のパネルにマウントされたドローイングが特に印象的でした。

山内崇嗣
COEXIST
2/15(金)~2/29(金)日祝休
東京都港区赤坂3-8-8-2F
11:00~19:00
山内崇嗣080215.jpg

油彩の作品を中心に、 木々の「冬芽」をモチーフにしたさまざまなメディアの作品が展示されています。
なんともコミカルでユーモラスなモチーフで、人の顔のようにも見え、豊かな表情がなんとも楽しく、加えて細かい筆のストロークなどによって施されるていねいな陰影と力強く残る衝動的・抽象的な部分とのギャップも見応えがあります。


山内崇嗣02 山内崇嗣03

山内崇嗣01


本来はもっと小さな冬芽が画面いっぱいに大きく描き出され、色調などもさまざまなアプローチで構成された個性的な作品が並びます。


山内崇嗣04 山内崇嗣06

山内崇嗣05


相当な時間を費やして制作されたという、ペンによる線がぐりぐりと重なる作品も迫力があって引き込まれます。
その色調がそのまま夜から明け方の時間帯をイメージさせてくれます。


山内崇嗣07


立体のメディアの作品もかわいい。。。


山内崇嗣10

山内崇嗣08


ほか、ガラス張りの壁に描かれたペインティングなども空間に大きなアクセントをもたらしています。
最終日の夜にトークイベントが行われるとのことです。

きまぐれフロート 河合美咲
TAKE NINAGAWA
東京都港区東麻布2-12-4 信栄ビル1F
1/26(土)~3/8(土)日月祝休
12:00~19:00
河合美咲080126.jpg

なんかもう・・・


落ち着かん!!!Σ( ̄口 ̄;)


てなお転婆で自由奔放な感じがたまらなく最高なペインティングとインスタレーション!
キッチュな色調で描かれたキャラクタリスティックな人々の仕草と表情、そして彼らがいるシチュエーションインパクトと、画面に飛び散るさまざまな色彩の垂れたような絵の具の飛沫が、ほっとくといつの間にかその絵の具の飛沫で画面が覆われちゃうんじゃ...なんていう、奇妙なキャッチーさに溢れ、ポジティブな雰囲気が画面と空間に充満しています。

朝日聡子展「Wandervogel」
Azabu Art Salon Tokyo
東京都港区麻布十番1-5-10
2/15(金)~4/19(土)月休
12:00~19:00(土日祝:~18:00)
朝日聡子080215.jpg

switch pointで開催されて以来、久し振りに拝見する朝日聡子さんの個展です。
フューチャリスティックなシュールさは相変わらず、そして今回は厚めのキャンバスの作品が多く出品され、朝日さんの個性がぐんと空間に立ち上がって感じられます。

NING GENG展 有籐友香・阿部香
GALERIE Malle
東京都渋谷区恵比寿4-8-3 神原ビル1F
2/12(火)~2/17(日)
12:00~19:00(最終日:~16:00)
NING・GENG展080212.jpg

以前から続けて拝見している阿部香さんと。今回はじめて拝見した有籐友香さんの二人展です。

有籐さんの作品は、黒い画面に施されたスクラッチによる細い線による緻密な線画と、その溝の部分に押し込まれ、画面を覆う黒に引き立てられたカラフルな色とで、仄かにメランコリックな感触を滲ませた艶やかな世界がつくり出されています。


有籐友香003 有籐友香004

有籐友香001


1点だけ展示されていた、明るい色の構成による作品も。
ぱっと弾けるような透明感溢れる黄色と、そこに描かれたバラの仄かに赤い線とのコントラストが独特な魅力を発しています。


有籐友香002


もうひとつ、布の作品も見応えがありました。
かわいらしい色調で染め上げられた布のうえに緻密に描かれる線画。スクラッチとは異なり、線の幅にも変化を持たせてていねいに紡がれるように描かれた花の群れは圧巻で、同時に女性らしいキュートな雰囲気も伝えていたように感じられました。


有籐友香007 有籐友香006

有籐友香005

阿部香さんの作品は、一転して大胆な色面と色調の構成で、コミカルに繰り広げられます。


阿部香003 阿部香001

阿部香006


何故そこに飛行機!Σ( ̄口 ̄;)

とか、

そこでヴォーギングか!Σ( ̄口 ̄;)

とかいうツッコミも楽しく、それでいて浮かぶようなフォルムがまた独特の深い味わいを放っていたり。
鮮やかな色調も、その深みを重みへと向かわせず、ポップな雰囲気を奏でていて、観ていてシンプルに楽しい気持ちが湧いてきます。


阿部香005 阿部香002

阿部香004

point ephemere
BUNKAMURA GALLERY
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
2/15(金)~2/24(日)
10:00~19:30
point ephemere01.jpg point ephemere02.jpg point ephemere03.jpg

point ephemere04.jpg

大和由佳さん、大西康明さん、大舩真言さんのユニークな空間を作り上げる3名がピックアップされたグループショー。
それぞれのまさにワンアンドオンリーの個性が見事に調和し、なんとも不思議なシチュエーションが生み出されている至高のインスタレーションが構築されています。
2/23にはアーティストトークが行われる予定とのことです。

《2/16》
土屋仁応彫刻展 ―新年を寿ぐ―
GALLERY EVE
東京都世田谷区経堂1-23-9
1/15(火)~2/16(土)日月祝休
12:00~19:00
土屋仁応080115.jpg

前回の個展からわずか8ヶ月のインターバルで開催された、土屋仁応さんの個展です。
今回はまず、今年の干支でもあるネズミの作品がテーブルの上にいっぱい。
こちらは木彫作品ではなく、小動物の脆弱さを現すような、ナイーブな感触が妖しく伝わる表面の仕上がりと、小さな頭部に光る赤い瞳の鋭さが印象的です。


土屋仁応003


一方、今度は金魚の作品が。
妖しく尾鰭をはためかせながら空を漂う金魚は、言葉を失うほどに艶やかで、信じられないほどに美しくかつ深遠さを放っていました。
鮮やかな彩色、土屋さんがつくり出す動物たちの共通した特徴でもある、危ういほどに鋭い光を放つ目。
近寄るのが躊躇われるほどに、神々しさに満ちた空間が立ち上っていました。


土屋仁応002

土屋仁応001


次にGALLERY EVEで土屋さんの個展が行われるときは、ぜひ夜に伺いたいと思います。

吉川龍 個展
日動画廊本店
東京都中央区銀座5-13-16
2/13(水)~2/21(木)日休
10:00~19:00(土:~17:30、最終日:~16:00)
吉川龍080213.jpg

ふたつのトーンで描き出されるさまざまなシーンのシルエット。
吉川龍さんが描き出す場面は実にクールな色調を纏いながらも、何故だか懐かしい気持ちが心に広がっていて、味わい深さとフューチャリスティックな格好良さが伝わってきます。

新生堂での個展や損保ジャパン東郷青児美術館での展覧会で拝見した時の作品は。ふたつの色彩がシンプルに収められていたと記憶しているのですが、今回の個展ではそのシーンの切り取り方が更にシャープになったように感じられただけでなく、ふたつの色面のうちの濃いほうの色が複雑な揺らめきを内包していて、さらに奥深さが感じられたのも印象的です。

紺泉 "Collection"
MEGUMI OGITA GALLERY
東京都中央区銀座5-4-14 銀成ビル4F
1/29(火)~2/23(土)日月祝休
12:00~19:00
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昨年原美術館で開催された作品をはじめ、いかにも紺泉さんらしい洗練されたモチーフがさまざまなフォルムの画面に描き出され、アダルトな妖しさと知性が溢れるクリエイションが小さな空間に凝縮しています。
大人びた感触でありつつも、不思議と爽やかな風合いも感じられつのがなんとも不思議で。
加えて、文字などのシルエットがさりげなく織り込まれるなど、クールなアプローチが随所に施されているのも印象に残っています。

破廉恥画報 岩松徹展
GALLERY b.TOKYO
東京都中央区京橋3-5-4 第1吉井ビルB1
2/11(月)~2/16(土)
11:00~19:00(金:~21:00、最終日:~17:00)
岩松徹080211.jpg

いや~、久々に観ましたよ。

「下らねェ!」っていうのが最高の褒め言葉、ユーモアが変な方向で炸裂、爆発しまくっている岩松徹さんの油彩のペインティング。

いやもう、よくも描いたり。あっぱれ。


岩松徹01

岩松徹04


バカ系キャッチーさがバリバリに展開されているなかで、そこに投入されているさまざまなモチーフのひとつひとつが実に緻密に描かれているのも印象的です。
この男、伊達じゃねぇ!みたいな。
それで、その緻密な描き込みで表現されるのが、なんだかもう...

何でベンザが空飛んでんだよ!Σ( ̄口 ̄;)

みたいなツッコミが炸裂しちゃってたいへんで(笑)。


岩松徹07 岩松徹08

岩松徹06


シュールでライトエロ(何だそれ)な世界が充満し、妙にフューチャリスティックな構成もまた印象的で。
何より「描ける」アーティストなので、ぜひさまざまな展開を期待してしまいます。


岩松徹03 岩松徹02

岩松徹05

中佐藤滋 新作展「トンフラージュ」
不忍画廊
東京都中央区八重洲1-5-3 不二ビル1F
2/6(水)~2/16(土)日休
11:00~18:00(土:~17:00)
中佐藤滋080206.jpg

立体と平面の作品からそれぞれ個性が滲みでる、中佐藤滋さんの個展です。
まず、立体作品。
おそらくその辺にある金属を基に組み上げ、それを艶のあるクリーム色に効果的に彩色された、世の中のさまざまな事象を皮肉るようなシチュエーションをピックアップした、コミカルな作品がずらりと並んでいました。


中佐藤滋02 中佐藤滋03 中佐藤滋04

中佐藤滋01


立体の奔放さから一転、ペインティングは実に渋いです。
深みある色調でさまざまなシーンが描かれていました。


中佐藤滋06 中佐藤滋05

中佐藤滋07

TWS-EMERGING 092 うらうらら「I become Rei and want to line up in a showcase」
TOKYO WONDER SITE本郷
東京都文京区本郷2-4-16-2F
2/16(土)~3/9(日)月休(祝日の場合開館、翌火休)
11:00~19:00
うらうらら080216.jpg


ハードコアか!Σ( ̄口 ̄;)

TWS-EMERGING 093 工藤春香「ラブレターフロム穴凹」
TOKYO WONDER SITE本郷
東京都文京区本郷2-4-16-2F
2/16(土)~3/9(日)月休(祝日の場合開館、翌火休)
11:00~19:00
工藤春香080216.jpg


長いなオイ!Σ( ̄口 ̄;)


TWS-EMERGING 094 高石晃「RISE/SET」
TOKYO WONDER SITE本郷
東京都文京区本郷2-4-16-2F
2/16(土)~3/9(日)月休(祝日の場合開館、翌火休)
11:00~19:00
高石晃080216.jpg

先日開催された武蔵野美術大学の学内での卒業・修了制作展で印象に残ったアーティストのひとり、高石晃さんの個展。
さまざまなサイズで描かれた、エンターテイメント性に富んだ空間構成が印象的です。

《2/17》
稲垣洋介個展
フリュウ・ギャラリー
東京都渋谷区代々木4-10-8 三仁荘1F
2/15(金)~2/20(水)
12:00~19:00(最終日:~15:00)
稲垣洋介080215.jpg

小田急線参宮橋駅の近く、細い道の突き当たりにある一軒家のフリュウ・ギャラリーで開催されている稲垣洋介さんの個展です。
稲垣さんは、以前から気になっていた日本画のアーティストで、少し前に行われた個展を見逃してしまっていたので、今回あらためて観られたことがまず嬉しい!

玄関を上がると、大きな板に柿渋などで描かれた、渋い妖しさを充満させたストライプが目に入ってきます。


稲垣洋介05


屏風状のダイナミックな作品を小さな部屋に配したインスタレーション。
なんとも不思議な空間です。
艶やかな茶色や荒れたような仕上がりの部分など、さまざまなテクスチャーがいろんな表情を導いています。


稲垣洋介02 稲垣洋介04 稲垣洋介03

稲垣洋介01


別の部屋には板壁を十字状に組んだ作品も。
古びたような風合いに不思議と惹かれます。さらに、板戸板の隙き間や節くれの穴から射し込む光の神々しさも印象的。


稲垣洋介06 稲垣洋介08

稲垣洋介07


各コーナーに展示された小品も面白いです。
大作の抽象的な絵とは一転して、乗り物などがモチーフとなった作品群。
素朴なフォルムとシンプルで渋さが押し出された色合いも印象に残ります。


稲垣洋介11 稲垣洋介12

稲垣洋介10


この空間の古めかしいところを活かして、実にユニークな空間が作り上げられています。
裸電球の生々しい明かりがホントによく合ってます。


稲垣洋介09

ArtGaia Nominees 7 門田奈々展 ~ナナトナナ~
アートガイア・ミュージアム目黒
東京都品川区上大崎3-1-4 RE-KONW目黒4F
2/17(日)~3/1(土)
11:00~19:00
門田奈々080217.jpg

これまではC-DEPOT展で拝見していた門田奈々さんの個展。
一気にさまざまなサイズの作品をチェックでき、門田さんの個性、ファッショナブルでアンニュイな雰囲気をよりしっかりと堪能できるのが嬉しい展覧会です。

木島孝文展 Takafumi KIJIMA Exhibition V
a・PeX
東京都渋谷区猿楽町2-12 相野谷ビル201
1/26(土)~2/11(月)1/28、2/4休
11:00~20:00
木島孝文080126.jpg

Takafumi Kijima Exhibition V
a・PeX
2-12-201,Sarugaku-cho,Shibuya-ku,Tokyo
1/26(Sat)-2/11(Mon) closed on1/28 and 2/4
11:00-20:00
Google Translate(to English)


装飾が放つ深遠さ。

a・PeXでの木島孝文さんの個展に行ってきました。

昨年のギャラリー山口B1での荘厳なインスタレーションと、そこでは折れ曲がるようにして設置されていた巨大な作品の名古屋のCスクエアでの全貌を立てての再登場で強く印象に残っている木島さんのクリエイション。
今回は、過去に制作された屏風状の組作品を再び登場させ、そこに十数点の小品と椅子を配置。展示スペースがアンティーク家具の店内ということもあり、その家具類も組み合わせたインスタレーションが繰り広げられていました。

まず、古びた感触が味わい深いデスクに置かれた、今回の作品の図面。
屏風状に展示された作品をストレートに並べたときにあらわれる画像などが描かれていて、さらにそこに施される装飾の緻密な配置図などもあり、充分に興味深い。。。


木島孝文001


一部の小品は、ショップスペースの家具の上に置かれていました。
風化したような感触に仕上げられた古代的なモチーフの小品が重厚なアクセントとなり、家具の渋い色調と相まって独特の深みを醸しだしています。


木島孝文002

木島孝文003

そして、メインの展示です。
以前にも伺ったことがあり、ここでの展示ということで家具が並ぶ店内に小品を配置するシンプルな展示をイメージしていたのですが、入口からいきなり予想外の迫力で作り上げられた木島さんの世界に、刹那、眼前の光景を信じることができず、ただ呆然と立ちすくのみ...。


木島孝文004

圧巻です。
照明こそ、前回の個展と比べて明るめではありましたが、巨大なパネルに鉄粉を混ぜ込んだ素材でうねうねと立体的に書き込まれる若干の崩しが施されたアルファベットの文字の羅列など、そこで繰り出されるさまざまなテクスチャーをじっくりと認識でき、加えて視界のすべてをこの独特の深遠さを力強く発する景観で占められて、どんどんとこの深みに呑み込まれていきます。


木島孝文006

木島孝文007

古びた木製の脚立に並んだ小品が、空間に複雑な臨場感を持ち込んでいるようにも感じられました。
小品の中のモチーフを眺めているその向こうにも、同様の独特のテクスチャーが広がっていて、この感触を視覚だけに留めず、身体全体で浴びるように感じられて。


木島孝文008 木島孝文009 木島孝文010

木島孝文005

今回の展示でメインの作品が、椅子。
屏風の中央に置かれたひとり掛けの椅子は、すっと縦に伸びる背もたれと座る部分の真っ平らな表面に、太古のイメージを彷佛させるような風合いの緻密な装飾が施され、敢えて古びたような仕上がりとなっています。

屏風の暗く土着的な色彩の中に、この椅子の白が神々しく立ちのぼると同時に、塊としての重量感、その「もの」としての存在感が迫り、重厚な深遠さを放ちます。


木島孝文012 木島孝文013

木島孝文011

木島さんの展示に踏み込むと、凄まじいほどにイマジネーションの喚起が促されます。
今回も昨年と同じく最終日に伺い、会期中のレビューが叶わなかったことを今更ながらに後悔しているのですが、次は必ず...!


木島孝文014

名和晃平展 TORSO
ノマル・プロジェクトスペース キューブ&ロフト
大阪府大阪市城東区永田3-5-22
2/9(土)~3/8(土)日祝休
11:00~19:00(土:13:00~)
名和晃平080209.jpg

Kohei Nawa exhibition TORSO
nomart project space cube & loft
3-5-22,Nagata,Joto-ku,Osaka-shi,Osaka-fu
2/9(Sat)-3/8(Sat) closed on Sunday and national holiday
11:00-19:00(Sat:13:00-)
Google Translate(to English)


途方もない創造性。

ノマル・プロジェクトスペース キューブ&ロフトでの名和晃平さんの個展です。


とにかく凄かった。凄い。

プレスリリースやノマル・エディションがリリースしているフリーペーパー「RIPPLE/022」に掲載されているインタビューなどを読んで、大きな期待を抱いて大阪へと向かったのですが、事前に思い浮かべていた期待などその足元にも及ばぬほどの壮大さ、緻密さに溢れていて、一気に高揚してしまった次第。

ノマルの3つの空間それぞれで展開される、圧巻の世界。
まず、最初のキューブでは、今回の新たな挑戦でもある、シルクスクリーンの技法を用いたドローイング的な作品が整然と展示されています。

直前に日本橋高島屋美術画廊Xで拝見していた名和さんのプリント作品の延長のようなイメージでいたのですが、それがまったく異なる構成とテイストで、まずそれに驚かされます。
縦長で、見上げるように展示されている画面。そこには、ひとつの壁に付いて2点ずつが整然と展示されているのですが、方や律儀なまでに、広い画面に緻密ライトグレーのドットが配置され、無機的なリズミックアプローチでにグフラフィカルな展開がなされたもの、そしてもう一方は、もっとランダムに、同じく以来とグレーのドットがある部分で凝縮し、ある部分では整然と散らばって、といった感じの実に動的なイメージをぐんぐんと喚起するダイナミックな構成。

無数に画面に投じられている無彩色のドット。この軽やかな色調が独特の知性を発散させているように感じられます。
至近で凝視していると、トーンの濃淡や色斑、形状などが醸し出すひとつひとつの微妙な差異、複数のドットが重なることで生まれる複雑な色調のコントラスト、さらに緻密に並んでいるようでどうしても生じてしまっている微妙なズレなど、さまざまなミニマムな要素が複雑に関係しあい、その時点で視界が捕らえている光景から無限の情報が繰り出され、画面より溢れてきます。


名和晃平03

大胆で緻密、かつ複雑な行程を経て制作されていると思われるこれらのドローイングの一群。
無数のドットに囲まれた空間に佇みさまざまな方向へあらゆる距離感で視線を送るごとに、そこから伝わる無限の情報に煽られっぱなし。

ドローイング的でありながら、「刷る」という、客観性が強い行為を経ることで得られる深み。
そこに思いを馳せると、さまざまなイメージが浮かび、この空間での高揚をさらに増幅させるんです。
これほどの画面をどう展開させていくか...まず最初にあるパターンが刷られ、そこに今度はどのパターンをどう重ねよう...本格的な版画制作の経験がないのでこれはもう僕の想像にすぎないかも知れないのですが、刷るという冷静な行為だけでなく、おそらく顔料が乾く時間にもさまざまな衝動が脳裏に去来し、画像の再構築が何度も行われて、そして降り下される「刷る」というストロークの積み重ね...そういう想像が膨らんできます。

名和さんご自身の制作過程で沸き起こった衝動、好奇心が画面に凝縮されたような感じが強く伝わってくるような気がするんです。


名和晃平01

名和晃平02


捕らえる視界すべてにスリルとハプニングが詰まっています。

ひとつ奥のスペース。
こちらでは、今年初めまで森美術館で開催されていた六本木クロッシングに出品されていた作品が再登場しています。
入口をくぐると、だんだんとその全貌が姿を現してきます。


名和晃平06


究極の大胆。

大きな空間に、1台の業務用ライトが強烈な光を浴びせるだけのシンプルなライティング。


名和晃平07


森美術館では、青っぽく認識してしまうほど真っ白なキューブに展示されていて、作品の有機的なフォルムと無機的な空間のギャップに戸惑いを覚えたのですが、こちらでは壁だけが白く、天井や床はそれぞれの素材感が剥き出しなだけでなく、さらにさまざまな視覚的・空間的ノイズに溢れていて、それがこの作品の臨場感、迫力を、間違いなくぐんとダイナミックに引き立てています。

もともと、この空間に設置されることを前提に作られているのだそう。
一度観ている作品であるにもかかわらず、複雑な陰影がさまざまなグラデーションを引き出し、驚くほど無数の、無限の新たな発見に溢れています。

充分な奥行きのある空間で、そこに映し出される影の迫力にも凄みを感じずにはいられない...。


名和晃平04

名和晃平05

このスペースの階上。
こちらにもさらに斬新なイメージを提供してくれる2点の立体作品が展示されています。

壁に設置されたマテリアル。
輝く金属のきらびやかで硬質なテイストに表面を覆われた、うねるような有機的なフォルム。
真直ぐに鋭く伸びる部分に強烈な成長の意志が感じ取れるなど、何かの胎動の瞬間を捉えたような迫力が凝縮しているように感じられます。
また、壁に映り込む影の鮮烈な輪郭からも硬質なイメージが伝わります。


名和晃平08

もう1点は一転して、水を連想させる、淡く儚げな感触が印象に残るオブジェ。
穏やかに台上に滲む陰影の美しさにも強く惹かれます。
乳白色の素材がより有機的な風合いを醸し出しているように思えます。


名和晃平10

名和晃平09

どうしても同じ言葉を繰り返し登場させてしまうのですが、無数のイメージの源泉、無限の創造性に溢れたクリエイションです。
それぞれの作品に込められた名和さんの衝動や好奇心、そして確信が、こちらの意識を押し拡げ、それまで抱いていたスケールをあっさりと凌駕する壮大なイメージへと誘ってくれるような印象を覚えます。

観賞後1週間を経た今でも、この空間で得た興奮の余韻はしっかりと心に残っています。
できることなら、もう一度足を運び、充分に時間を費やして、そこにあるすべてを見つけたい。

ぜひ、この空間に詰め込まれたクリエイティビティをその場で直に、たくさんの人に体感して欲しい、たくさんのイマジネーションを受け取ってほしいです。

海老原靖 pause
eN arts
京都府京都市東山区祇園北側627 円山公園内八坂神社北側
2/1(金)~2/29(金)金土日のみ(その他の曜日は事前予約制)
12:00~18:00
海老原靖080201.jpg

Yasushi Ebihara pause
eN arts
,Gion-kitagawa,Higasiyama-ku,Kyoto-shi,Kyoto-fu
2/1(Fri)-2/29(Fri) only Friday to Sunday (appintment only on anather days)
12:00-18:00
Google Translate(to English)

以前から予定していた京都・大阪ギャラリー巡り。
この日は関西地方ではこの冬いちばんの雪だったそうで、積もりつつある雪のなかを歩いて京都を移動、京都芸術センター、neutron、同時代ギャラリーで龍門藍さんの作品の展示をチェックして(ダイナミックにうねる髪の毛が印象的な油彩はもちろん、ドローイングの淡くも力強い感触もよかったです!)、途中ART ZONEに立ち寄ろうとするも場所が分からず(近くは通ったはずなのですが、何せ雪で時間をかけて探すことができず、また予定も詰まっていたためやむなく断念)。

そして、いざ、eN artsへ。

これまで京都は烏丸通りを軸に歩き回ってばかりで円山公園方面へ歩みを向けるのは今回が初めてで。
途中のお団子屋さんに激しくそそられつつ商店街を抜け、雪道になった八坂神社北側の通りへ。

「和の閑静」がしっとりと広がり、さらに雪化粧がほどこされた光景。
緩やかな、といっても雪のおかげで相当に難儀な坂を登りつつ、さてどこだろうときょろきょろと目を凝らして居並ぶ店々を眺めつつ歩みつつ...。

寸でのところで通り過ぎてしまうところで、通り沿いのガラス張りのウィンドウに飾られた海老原さんのモノクロームを基調とした「NOISE」シリーズの作品が目に留まり、無事辿り着けた次第で。
雪が降るなか、まず目に飛び込んできたこの「NOISE」の作品の美しさ、八坂神社と対面し、和の風合いが滲む空間にただひとつ、斬新な像を鋭く立ち上らせる一角に、一気に意識が引き寄せられます。

若干、入口で難儀しつつもギャラリーの中へと。

これまで人物のアップを描いたもののみだったNOIZEで、まず出迎えてくれたのが、燃える赤がほとばしり、尋常でないエネルギーを発散する作品。

・・・圧巻です。
走査線が繰り出す刹那的な感触が発するスリルとスピード感、至近から眺めるとよりその迫力が、油絵の具の力強い質感と相まって観るものの意識を呑み込んでしまうような。


海老原靖203 海老原靖202

海老原靖201

あたらしい空間の瀟洒な雰囲気。
まっさらなコンクリートと白い壁。
しんと鎮まるようななかで、海老原さんのエネルギッシュな描写が弾け、筆跡が画面を激しく往来し、映画のワンシーンを一旦停止し、疾走する時間を凝縮させたような油彩画の力強さがよりいっそう立ち上がって感じられます。


海老原靖206 海老原靖205

海老原靖204

複雑な構造となっている空間。
それぞれのコーナーに統一感がもたらされています。
さらに、連なる作品群は、作品と作品との間に存在しているはずの無数の刹那を提示しているようにも感じられます。


海老原靖208

小品が整然と並ぶ一角も見応え充分です。
送る視線の向きの違いに、すべての作品がほぼ同じ構図と顔の向きであることからおそらく僅かな時間のなかで繰り出された場面の数々と思われるのですが、くるくると変化する女優はどれも愛らしく、それでいてモノクロの色彩感が放つ無機的な雰囲気のギャップへの戸惑いも沸き起こります。


海老原靖207

少し離れるだけで、そこに描かれた女優の美しい表情が走査線で荒れた風合いになっていることの臨場感を味わいつつ、至近だと油彩の迫力に呑まれる...。
また、走査線の存在が大胆に提示されている無機的な感触と、人の顔が画面いっぱいに描かれていることから醸し出される不思議なフェティッシュな感覚。
こういったさまざまなギャップが交錯しているのが、海老原さんのNOIZEシリーズのいちばんの面白さのように感じられます。


海老原靖210

海老原靖209

eN artsには、小さな部屋がふたつ併設されています。
これがすごい...!
このギャラリーのポテンシャルを尋常でない高みへと押し上げているように感じられる、アクロバティックでエフェクティブなふたつの空間。

まず、地下に窮屈なブラックルームが。
壁はもちろんのこと、床、天井に至るまで、すべてが黒。
こちらに飾られた海老原さんの作品が、またその刹那的な美しさを引き出されて、実にクールな雰囲気が充満していて感激した次第で。


海老原靖213

海老原靖212

もうひとつは、和室です。
畳が敷かれ、障子窓など、実にオーソドックスな現代的な和の空間。
こちらには、海老原さんのユーモラスな立体作品が。


海老原靖215


アカデミー賞のトロフィを模したような作品がぽつねんと置かれ、その上にはその写真が。

和室にトロフィーかよ!Σ( ̄口 ̄;)

という感じで軽くツッコミたくなるような、メインの空間の緊張感をコミカルにほぐしてくれるような感じがまた嬉しっかったり。


海老原靖214

ロケーションといいシチュエーションといい、至高の展覧会です。
空間のポテンシャルとアーティストのポテンシャルがお互いに引き出され、呼応し、ひとつの深遠で妖艶な響きを生み出しているような感触が、鮮烈に印象でに残っています。


海老原靖211

岡田一郎展「air-condition」
PANTALOON
大阪府大阪市北区中津3-17-14
2/2(土)~2/24(日)月火休
12:00~19:00(水木:18:00~22:00)
岡田一郎080202.jpg

Ichiro Okada exhibition "air-condition"
PANTALOON
3-17-14,Nakatsu,Kita-ku.Osaka-shi,Osaka-fu
2/2(Sat)-2/24(Sun) closed on Monday and Tuesday
12:00-19:00(Wedinesday and Thursday:18:00-22:00)
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やさしく木のぬくもりが伝わるPANTALOONの空間に入り、まず「ブォー」というノイズが耳に届きます。
そして、目に飛び込んでくるのが床置きの通気口。


岡田一郎02


このギャップに戸惑うところから始まる展覧会。

岡田一郎さんの個展に行ってきました。

まず「音」があり、それをさらに演出する「かたち」が存在している...そんな印象を受けます。
1階の床に並んで置かれた3台の換気口。リアルな音と本物そのままの造型に、そこからあたかも何らかの気体がそっから送り込まれているような錯覚を覚えます。思わず上部を覗き込んでしまったり。。。
実際はそれぞれのなかにCDプレイヤーが内蔵されていて、岡田さんご自身が集音した通気口の音が流されているよう。

この作品のタイトルがたいへん印象的です。
「通奏低音」。
実際に換気口がある場所のイメージへとダイレクトにつなげる臨場感から一転、この音の心地よさ、フェードインとフェードアウト繰り返しながら3台の「換気口」が延々と奏で続ける低音のノイズに、不思議と落ち着いた感触に包まれていきます。


カウンター横、階段の手前の一角に展示された1枚の写真が効いています。
岡田さんが実際に通気口の音を収録している姿を捉えた写真。
この展覧会のすべての展示作品・インスタレーションを繋げるキーとなっているように感じられます。


岡田一郎07


この階段を上がると、CDプレイヤーが1台、その傍に収録された音のクレジットが手書きで記されたインデックス。
プリントではなく手書きであることが、よりいっそう生々しさを漂わせています。


岡田一郎06


同じ空間に展示された2点の写真も興味深いです。
都市の日常的な光景。その一部が意図的に歪められています。


岡田一郎10


歪んだ部分は通気口から空気が排出されている箇所で、熱を帯びた気体の存在を強く意識させてくれます。
フィクショナルなエフェクティブアプローチがよりリアルな空気の流れを演出していることが面白いです。


岡田一郎08

岡田一郎09


換気口が設置された空間の2階で繰り広げられているインスタレーション。
暗い空間にさまざまな雑具が並べられ、並ぶビル群を連想させられます。そのなかにいくつか、回転するファンが付いたライトが置かれ、その天井をゆらゆらと照らしています。


岡田一郎05


階下に置かれた換気口のそのものの大きさと、それが本来ある空間を連想させるミニチュアのインスタレーションやエフェクトがかけられた写真とが呼応しあい、イメージが立体的に作り替えられていくんです。

パンタロンのそこかしこに置かれたファンが、キュートなアクセントとなっているのも面白かったり。


岡田一郎03

岡田一郎04


今回伺った際、幸運にも藤本由紀夫さんとお目にかかることができました。
岡田さんとも交流が深く、一度お二人によ展覧会も開催したことがあり、岡田さんとはお目にかかれなかったのですが、藤本さんから伺う岡田さんの制作スタンスがたいへん興味深く感じられました。

藤本さんはご自身を「音楽家」とおっしゃられます。
昨年3つの美術館で開催された藤本さんの展覧会のどれにも伺うことができなかったことに加え、SHUGOARTSでの個展をしっかりとチェックしていなかったことを今さらながら後悔したのですが、原美術館のコレクション展で拝見した透明のアクリルパネルにランダムに配されたオルゴールの作品の造形的な美しさと、そこから感じられる美しい音のイメージとがたいへん印象に残っているのですが、その造型の美しさも二次的なもののようで、やはり「音」で表現することが生業である、ということが印象的で。
そういう「音楽家」といった立ち位置からおっしゃられた話のなかで、スタートもアートのフィールドからである岡田さんのスタンスが、今回の展示でも「通奏低音」というタイトルが付けられるほどに、音を主眼に置いた作品が出品されていながらも、やはり「もの」の存在へのこだわりがあることへのいご指摘がたいへん興味深く感じられました。

あらためてそれぞれの展示を思い返してみて、岡田さんの「アーティスト」としてのプライドが、今回体感した空間のそこかしこから感じられてきます。
まさに本物と同じ精度で制作された「排気口」。敢えて外注による制作や、既製の部品を用いるなど、追求される精度が放つ臨場感といい、複雑な空間を活かしてぞれぞれのコーナーが繋げられることでひとつのイメージをより立体的に伝えていくところなど、リアリティが緻密に提示されることで、「通奏低音」が提示されることとのギャップが構築され、その心地よさ立ち上がって迫るような印象です。

さまざまなギャップと作品そのものの心地よさ、面白さが¥複雑なイメージを想起させてくれ、視点を変えることで現実のすぐ側にある心地よさの存在にも気付かせてくれる、不思議な深みを帯びた浮遊感が印象に残る展覧会です。


岡田一郎01

柳澤顕展
GALLERY ZERO
大阪府大阪市西区京町堀1-17-8 京ビル4F
1/28(月)~2/16(土)日祝休
12:00~19:00(土:~17:00)
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AKIRA YANAGISAWA New Paintings
GALLERY ZERO
大阪府大阪市西区京町堀1-17-8-4F,Kyomachibori,Nishi-ku,Osaka-shi,Osaka-fu
1/28(Mon)-2/16(Sat) closed on Sunday and national holiday
12:00-19:00(Sat:-17:00)
Google Translate(to English)

立ち上がる風景。

GALLERY ZEROでの柳澤顕さんの個展です。
柳澤さんの作品は画像やプレスなどで事前に拝見していて、モノトーンで繰り広げられる世界のグラフィカルな感触に興味を抱いたのですが、実際に拝見してみて、予想以上にペインティングの勢いに満ちあふれたポジティブな雰囲気が迫るクリエイションに感激した次第です。


柳澤顕05

GALLERY ZEROのコンパクトな空間に、大作が堂々と展示され、ダイナミックな空間が作り上げられています。
しかも、すべての作品が無彩色による展開。
構図自体はコンピュータで構想されるようなのですが、林立する木々のシルエットのリアルな表現と、山並みを思わせる色面のうねりとが複雑に絡み合い、さらにそこに白黒の無数のドットが配され、画面上を疾走し、その残像の軌跡を繰り出し、画面の上下方向に留まらず、前後の奥行きへの動線も導いて、ミニマムでリズミックでありながら、同時に壮大なイメージも提供してくれます。


柳澤顕02 柳澤顕03 柳澤顕04

柳澤顕01

柳澤さんのそれぞれの作品を至近で眺めていると、上に記したようなさまざまな動線が視点を1ケ所に留めることを許さず、常にさまざまな方向へと視線が動き続けるんです。
また、今回のモノクロームの色彩構成が、冬山の臨場感をもリアルにイメージさせてくれて、ドットの動線だけでなく、その風景のなかで吹きすさぶ風の音も聴こえてくるかのようで。


柳澤顕07

柳澤顕06

加えて、ペインティングの痕跡が、さらに力強く迫ります。
シンプルな色彩感、ドットと意図的に歪んだ風景、さらに木々のシルエットが関係しあう複雑な構図、それらのグラフィカルな構成と、描いた絵の具の生々しい質感とのギャップに瞬間の戸惑いを覚えます。そして、それがペインティングであることを再認識し、嬉しさが爆発を起こすんです。

以前の作品では1点1点での色彩の統一感はありつつ、さまざまな色彩で描かれているようで、機会があればそちらの作品も拝見してみたいです。おそらく用いる色彩によって季節感や温度のイメージががらりと変わるだろうな、と想像しています。


柳澤顕08

《2/6》
淤見一秀展
GALERIE ANDO
東京都渋谷区松濤1-26-23
2/5(火)~2/23(土)日月休
11:30~19:00
淤見一秀080205.jpg

スクリーンプリントされた線の重なりが奏でる爽やかさ。
なにより、作品の造形が美しいです。
そしてそこに込められたコンセプトのユニークさがたいへん興味深いんです。

《2/8》
渡部珠美 五月二十九日 ―六十三年後の風景― 展
GALLERY b.TOKYO
東京都中央区京橋3-5-4 第1吉井ビルB1
2/4(月)~2/9(土)
11:00~19:00(金:~21:00、最終日:~17:00)
渡部珠美080204.jpg

面白い!
紫のトーンで描かれたぼやけた風景と、そこに乗る具象的なさまざまなモチーフ。
ふたつの質感が同時に登場し、それぞれが異なる時間のイメージを伝えてくれるようなユニークな雰囲気が発せられています。


渡部珠美07 渡部珠美06

渡部珠美05


質感が違うふたつの筆致は、同じ場所の違う時代を描いたような感触を伝えるだけでなく、それぞれの時間のスピードの差異までも表現しているように感じられて。


渡部珠美02 渡部珠美01

渡部珠美03


カラフルな色彩で描かれる人々の姿がコミカルに感じられるのもまた興味深いです。
そしてその鮮やかな色彩感を、紫の風景がぐんと引き立てて、奇妙な心地よさを醸し出すギャップをつくり出しています。


渡部珠美04

伊佐治雄悟「LENGTH」
Gallery K
東京都中央区京橋3-9-7 京橋ポイントビル4F
2/7(木)~2/16(土)日休
11:00~19:00(土:~17:00)
伊佐治雄悟080207.jpg

金属のプレートらしきものを用いた立体作品が壁と床に設置され、黄色い棒状のものがさらに壁から垂直にずらりと並んでいる空間。

棒状のものは、それぞれ部分的にゴム風船のように膨らんでいるのですが、それが何かを認識した瞬間、


何作ってんだこの人はァァァァァォァォアォエェォァァァ!!!!!Σ( ̄口 ̄;)


と、そのどうしようもない造形に狂気乱舞。

金属プレート作品も素材の引用がまたユニークで、さらにそれぞれのおなじみの素材を用いた理由を伊佐治さんに伺ったところ、「おそらくこの先ずっとこのかたちだろうと思ったから」とのことで、思わず大いに納得。


・・・いや。

納得していいのか!?!?Σ( ̄口 ̄;)

もとい。
いずれにしても、なんとも不思議な質感の空間が作られています。

BLACK,WHITE & GRAY
MA2 GALLERY
東京都渋谷区恵比寿3-3-8
2/8(金)~3/8(土)日月祝休
12:00~19:00
BLACK,WHITE&GRAY0802008.jpg

鉛筆画の関根直子さん、写真の藤井保さん、塩のインスタレーションの山本基さんの3名がピックアップされた、無彩色のグループショー。
言葉を失う美しい静謐がしんしんと漂います。素晴らしい空間です。

《2/9》
今年初の関西突貫アート巡り。大雪。
出会う人、出会うものすべてが楽しい、充実した一日。


大崎のぶゆき「Meltdown」
京都芸術センター ギャラリー南
京都府京都市中京区室町通蛸薬師下ル山伏山町546-2
2/8(金)~2/26(火)10:00~20:00
大崎のぶゆき080208.jpg

昨年の新宿でのグループショーでチェックしていて印象に残っている映像インスタレーションアーティスト、大崎のぶゆきさんのソロ。
大きくて真っ黒の空間に、おそらく新宿で拝見したのと同じ映像作品が、新宿のときよりも大きく映し出されて上映されていて、さらにダイナミックに伝わる臨場感と、星座の絵が分解される刹那のスリルにおおいに引き込まれた次第で。
1点だけ、シャンデリアのオブジェも。

宮永愛子「漕法」
京都芸術センター ギャラリー北
京都府京都市中京区室町通蛸薬師下ル山伏山町546-2
2/8(金)~2/26(火)10:00~20:00
宮永愛子080208.jpg

昨年のアサヒ・アート・フェスティバルで紹介された宮永愛子さんのインスタレーション。
今回は、大きなホワイトキューブに1点だけの展示なのですが、紡がれた網に塩の粒子がびっしりと付着し、それが天井から吊られて設置され、明かりが当てられて、ところどころでその粒子が煌めくなんとも不思議な深遠さが充満した空間が作り上げられています。
至近で眺めて付着した塩の生々しさを実感したり、置かれる階段の上で高いところから俯瞰してスケール感を浴びるように体感したり。
外の降る雪と、空間での降るような塩との呼応も味わい深い展示でした。

残念ながら、その日に行われたパフォーマンスはチェックできなかったのですが、会期中に設置替えが行われるのだそう。

『遺失物 拾得』鈴木宏樹
neutron
京都府京都市中京区三条通烏丸西入ル 文椿ビルヂング2F
1/29(火)~ 2/10(日)月休
11:00~23:00
鈴木宏樹080129.jpg

表層とその内側の提示。
生々しいイメージをより生々しく提示することに挑む鈴木宏樹さん。
作品は、昨年のART AWARD TOKYOでも拝見しているようなのですが、そのときの作品は唾液とチョコレートに塗れたぬいぐるみの塊だったようで、記憶になく、おそらくその過剰な奇抜さに意識的に排除していたのかな、と。。。

今回の個展では、CGプリントの作品と1枚の写真、1点のオブジェが発表されていました。
CGは、期せずしてこれまでの鈴木さんのチョコレートの作品の展開と呼応するかのように、板チョコを思わせる焦げ茶の額に収められた歪んだブラウンのフォルムの画像が整然と展示。


鈴木宏樹07

鈴木宏樹05


壮観です。
で、これらの基になっているのは、ネットなどで拾った女性のヌードなのだそう。
それを聞くと、男の性か、それを認識するものをどうしても探そうとしてしまい、これだけ歪まされているのにも関らず、目のやり場に困るから不思議で。


鈴木宏樹06


オブジェは、アグレッシブな表層をたたえ、オレンジ色に彩色され、どうしようもなく生々しい質感が全面に押し出され、えも言われぬ奇妙な迫力を発しています。
ところどころに見受けられる、まるで増殖中かと見紛うほどの動的な生々しさを放つ部分に意識が引き込まれたり。


鈴木宏樹03 鈴木宏樹02 鈴木宏樹04

鈴木宏樹01


オブジェは「身体の内側」を、すなわち見えない部分をイメージできるものを再現したのだそう。
そう思うと、より生々しく感じられます。
しかし、同時に、目に見える部分はすでに表層であるというもどかしさもあって、それがこの作品の深度をさらに加速させているような印象も受け、興味深く感じました。

考えると、CGの女性のモチーフも、本来見えない部分だよなぁ、と思ったり。。。

海老原靖 pause
eN arts
京都府京都市東山区祇園北側627 円山公園内八坂神社北側
2/1(金)~2/29(金)金土日のみ(その他の曜日は事前予約制)
12:00~18:00
海老原靖080201.jpg

京都、円山公園、八坂神社をまわり込む道沿いに新しくできたギャラリー、eN artsでの、すでに東京・横浜で何度も作品を拝見している海老原靖さんの個展。
空間のすばらしさと、それに充分に応える海老原さんのクリエイション。
至高の展覧会です。

一路、大阪へ。
想定していたことですが、この時点で予定していた展覧会すべてをチェックすることは叶わないことを確信...。


森の泉に誘われて Akiko Yamamura exhibition
AD&A Gallery
大阪府大阪市西区京町堀1-6-12 AD&Aビル space1F
2/8(金)~2/13(水)
13:00~20:00(最終日:~17:00)
山村顕子080208.jpg

ギャラリーのなかに設置された薄い赤に染まった池と、そかしこに佇み、置かれる白の着ぐるみ。
なんかまたけったいなインスタレーションだねぇ、などと思っていたら、観客がいるなかに、外から何かやってきた!Σ( ̄口 ̄;)


山村顕子01


体操か!?!?!?Σ( ̄口 ̄;)
ラジオ体操か!?!?!?Σ( ̄口 ̄;)
何故にラジオ体操なのか!?!?!?Σ( ̄口 ̄;)


DMを見ると、遅い時間に毎日パフォーマンスが行われるのだそう。


ちなみにこの日は「しかさんがきたよ」

しかさんがきたよ(・∀・)

・・・・・。

しかさんだったのか!Σ( ̄口 ̄;)


すげぇな大阪。そんなことを初っ端から実感した次第。

柳澤顕展
GALLERY ZERO
大阪府大阪市西区京町堀1-17-8 京ビル4F
1/28(月)~2/16(土)日祝休
12:00~19:00(土:~17:00)
柳澤顕080128.jpg

もっとグラフィカルな作品かと思っていたのですが、実際に拝見すると、ドットの動線がうねる奥行きを生み出し、複雑な立体感が作り上げられていて感激!

岡田一郎展「air-condition」
PANTALOON
大阪府大阪市北区中津3-17-14
2/2(土)~2/24(日)月火休
12:00~19:00(水木:18:00~22:00)
岡田一郎080202.jpg

なんとも不思議なインスタレーション。
分かっていても思わず確認してしまう...。
そして、偶然お目にかかった藤本由紀夫さんから伺った視点の興味深さと。

名和晃平展 TORSO
ノマル・プロジェクトスペース キューブ&ロフト
大阪府大阪市城東区永田3-5-22
2/9(土)~3/8(土)日祝休
11:00~19:00(土:13:00~)
名和晃平080209.jpg

いつも「東京を中心に地球はまわっている!」という勢いで日々さまざまな展覧会をレビューしている僕ですが...。
今ほど、大阪の皆さんがうらやましい期間はないです。
東京から大阪・深江橋まで新幹線と地下鉄を乗り継いで往復およそ3万円。それでも行って良かった、ホントに観られてよかった、と、今だにその余韻に浸っています。
できる事なら何度でも足を運びたい。そこにあるすべてを目に焼き付けたい。
最高のクリエイションが凝縮された展覧会です。


帰りの新幹線は案の定遅延。
帰宅したのは日付けが変わって午前1時半。
それでもいっぱいの充足感。


《2/10》
小田志保展
ギャラリーf分の1
東京都千代田区神田駿河台1-5-6 コトー駿河台
2/5(火)~2/10(日)
11:00~18:30(最終日:~17:00)
小田志保080205.jpg

昨年の個展が印象的だった小田志保さん。
今回も、前回に引き続き、鮮やかな赤、あるいはしっとりとした白を背景に描かれる、佇む女性の絵画ですが、服の柄が立体的に作り込まれるなど、新しいスキルが投入され、肌の表現で駆使されるハッチングや筆の流れで髪の流線を現すなどの表現にさらに幅が広がり、しかも異なるテクスチャーが違和感なくひとつの画面に織りまぜられて、独特の説得力を生み出しています。


小田志保003 小田志保002

小田志保001


空間の活かし方も個性的です。
一色でフラットに広がるおおらかな背景が、複雑なさまざまな質感を引き立てます。


小田志保004 小田志保006

小田志保005

C-DEPOT solo project 杉山治
ギャラリー金輪
東京都港区西麻布1-2-12-E-101
2/6(水)~2/16(土)
10:00~18:00(最終日:~17:00)
杉山治080206.jpg

かわいい!
C-DEPOTの主要メンバー、杉山治さんの個展です。
手描きのイラストを基にしたCGを出力した作品がずらりと並びます。


杉山治05 杉山治02

杉山治01


どこまでもキュートに繰り広げられる、あったかいシーンの連続。
線のなかで繰り広げられる色彩の変化や、敢えて手描き風に適度に荒れる色面など、さまざまなポイントで味わい深さが潜んでいます。

あったかいコーヒー飲みたくなってきた(^^)


杉山治04 杉山治06

杉山治03

第5回 無限展
もみの木画廊
東京都世田谷区奥沢6-33-14 もみの木ビル201
2/8(金)~2/14(木)
11:00~19:00(土:~17:00)
第5回無限展DM.jpg

今回で最後の無限展。
6名の日本画家が、そのオリジナリティにさらに磨きをかけ、より個性的な作品が揃って見応えがある展覧会となっています。

蝶や鳩が登場する作品でおなじみの坂本藍子さん。
今回は、そのなかでもっとも印象的なのが、白馬を描いた作品。
白馬の白が美しすぎます...。可憐な仕草、凛とした表情が深く心に残ります。


無限展 坂本藍子101


銀座での個展を間近に控える川本淑子さん。
昨年のおぶせミュージアムに出品された作品を中心に数点が展示されています。
ていねいな稜線と、淡く穏やかな色調で表現される秋の風景。ほっとする暖かみに溢れています。


無限展 川本淑子101


志田展哉さんは、その真骨頂でもある、板の連作が発表されています。
古びた道路に描かれた横断歩道と車線が緻密に線で再現され、それがどこまでも深く青に浮かび上がります。
ところどころに散る花弁の可憐さもこの世界の深みをいっそう加速させていてます。
また個展で是非拝見したいです。


無限展 志田展哉103 無限展 志田展哉102

無限展 志田展哉101


小原祐介さんは、小品がずらりと。
随所に名刺代わりの朱を用い、鮮やかさを発しつつ、緻密な線描でさまざまな生物を描き切り、小さな画面のなかにふんだんに見どころが詰め込まれています。


無限展 小原祐介103 無限展 小原祐介102 無限展 小原祐介101

無限展 小原祐介104


山科理絵さんの作品でも、おなじみの色調で、独特の世界が切々と繰り広げられています。


無限展 山科理絵104無限展 山科理絵103 無限展 山科理絵102

無限展 山科理絵101


ふたつの連作。
上は「見ない、聞かない、言わない」ということを赤い色紙でそれぞれの顔の箇所に被せて現したもの。
下は、蛙とその骸骨とで、外側と内側とを呼応させた組み合わせで。赤と白とのコントラストも鮮やかです。


無限展 山科理絵107 無限展 山科理絵105

無限展 山科理絵106


そして、今回もっともインパクトがあったのが、大浦雅臣さんの新たな展開。
これまでは無彩色で描かれた「メカ竜」の印象が強かったのですが、今回は実に大胆に、ふんだんに色が投入され、よりアグレッシブな感触がダイナミックに発せられています。
細かい表現は無論、言うまでもなく過剰なほどに緻密。
今後の展開が俄然気になって参りました!


無限展 大浦雅臣103 無限展 大浦雅臣102

無限展 大浦雅臣101

《2/11》
木島孝文展 Takafumi KIJIMA Exhibition V
a・PeX
東京都渋谷区猿楽町2-12 相野谷ビル201
1/26(土)~2/11(月)1/28、2/4休
11:00~20:00
木島孝文080126.jpg

痛恨、再び。
昨年のギャラリー山口での展覧会も、その素晴らしさを最終日にしかチェックできなかったことを後悔していたのですが、今回も同じことを繰り返してしまい...。
アンティーク家具ショップでの展覧会と侮っていたら...壮大な空間が作り上げられていて、唖然。
渋谷の端で静かに燃え盛った重厚で深遠なインスタレーション。

why not spin round in the bathroom 岸本真之
GALLERY千空間
東京都渋谷区代々木1-28-1
2/2(土)~2/26(火)水木休
11:00~19:00
岸本真之080202.jpg

why not spin round in the bathroom Masayuki Kishimoto
GALLERY SENKUKAN
1-28-1,Yoyogi,Shibuya-ku,Tokyo
2/2(Sat)-2/26(Tue) closed on Wednesday and Thursday
11:00-19:00
Google Translate(to English)

フォルムとコンセプトのユーモラスなギャップ。


GALLERY千空間での岸本真之さんの個展です。

2階建ての会場の1階に展示された石膏のオブジェが醸し出す未来的な風合い。
石膏の白の美しさ、表面のなめらかさと、全ての作品のフォルムが美しい円の軌跡をたたえていて、実に未来的な静けさが広がっています。


岸本真之11

側面から眺めたとき。
真上から眺めたとき。
それぞれの視点で、回転体の軌跡の全てを捉え、3次元化されたことを感じさせてくれる動的なイメージを伝えてくれます。


岸本真之03 岸本真之04

岸本真之02

そして、さらに複雑な円の軌跡の重なりが繰り広げられているものも。
より大きな円周が重なり、立体としても上部へ、そして外側へと構築されて、ダイナミックさも加えられているように感じられます。


岸本真之08 岸本真之07 岸本真之06

岸本真之05

薄いフォルムのものも。
この種の立体作品は、薄さはそのままスリルへと連なっていくような印象を覚えます。


岸本真之10

岸本真之09

しかし、それぞれのオブジェを眺めて、もちろんその造形の美しさ、フューチャリスティックな感触など、そこから生み出されるイメージへの興味は尽きないのですが、同時に、何故こういったフォルムが生み出されたのか、という過程への興味も湧いてきます。

そのタネが明かされるのが2階の映像と写真。

立った赤ちゃんと、床に置かれた日常品のシルエットが回転するアニメーション。
究極的にシンプルなアニメーションで、何やら楽しげにダンスしているような赤ちゃんの仕草に笑顔もこぼれます。


岸本真之13

岸本真之12


そしてもう1点、バスルームの写真。
日用品に溢れている空間。


岸本真之14

回転するアニメーション。
バスルームとアニメーションとに登場するさまざまな日用品。

岸本さんから伺ったのですが、階下のオブジェはすべて、これらの日用品のフォルムを象り、それを回転させたものなのだそう。

それを聞いた瞬間、

!Σ( ̄口 ̄;)

となったのは言うまでもなく。。。

あらためて階下でそれぞれの作品を眺めると、それが何かがぐんぐんと分かっていきます。
その感覚がなんとも面白い!
石膏を轆轤で回して、型をつかって造形していったということで、回転の中心から離れればそれだけ大きな軌跡が得られるわけで...。
同じ型を幾重にも重ねて制作すれば、水面の輪のように外側へと響いていくような動線も生み出すことができたり、また、それらを重ねるなど、さまざまな組み合わせが施されて、実に幾何学的なオブジェができあがっているのです。

すごく断面を観てみたくなるのですが、それをイメージのなかに収めて膨らませるのもまた一興。

さらに、真っ白の表面ということもあり、たとえばこれらのオブジェを完全なホワイトキューブに配し、そこに映像を投影したらまた面白そう...など、これらの作品の可能性にもイメージが広がります。

・・・いや、実際に観てみたいなぁ...。


岸本真之01

大槻素子 innocent bystander
Galerie Sho Contemporary Art
東京都中央区日本橋3-2-9 三晶ビル B1F
1/31(木)~2/23(土)日祝休
11:00~19:00(土:~17:00)
大槻素子080131.jpg

Motoko Otsuki innocent bystander
Galerie Sho Contemporary Art
3-2-9-B1F,Nihonbashi,Chuo-ku,Tokyo
1/31(Thu)-2/23(Sat) closed on Sunday and national holiday
11:00-19:00(Sat:-17:00)
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色が、伝えてくれるイメージ。

Galerie Sho Contemporary Artでの大槻素子さんの個展です。
大槻さんの作品は、昨年に同じ場所で開催されたグループショーやART AWARD TOKYOで拝見していて、曖昧なフォルムで抽象化されたとあるシーンのペインティングに、いかにもオイルらしい質感と、曖昧で抽象的なんだけど不思議とほっとするような感触が印象に残っていて、今回の個展も楽しみで。


中央通沿いのビルの傍の扉を明けて白い階段を降りていくと、大槻さんが紡ぎ上げたふわっとした世界が迎えてくれます。


大槻素子01

大槻素子02


それがなにか、そこがどこでどれくらいの縮尺かもわかるほどにデフォルメされ、滲むような色彩で描かれた光景。
朧げな視線の存在と、知らないはずなのに記憶がゆっくり、するりと引き出されるような感覚とが伝わります。


ギャラリースペースの入口から左へとまわりこむと、水辺の風景を描いた作品が並んでいるのが目に飛び込んできます。
曇ったような空と、淡い青で描かれた水面。そこここに見受けられる緑。


大槻素子04

大槻素子03

続いては、今回の個展で特に僕が好きな一角。
さまざまなケーキを描いた作品がずらりと。


大槻素子05


甘いものが好きな人にはきっと堪らない光景かと...。

生クリームの白やいちごの赤、スポンジの黄色...それぞれの色彩が、味覚をも刺激してくれます。
それぞれの色のもつイメージだけでなく、それぞれのフォルムが認識できるぎりぎりのところで曖昧に表現されることで、余計にその甘い印象が押し出されて、子供の頃(というか僕の場合今でもですが。むしろ今のほうが...)のケーキを前にしたときのわくわくするような心をよりおおきく、しかもやわらかく喚起してくれるような印象です。

また、油絵の具の質感もクリームの感触とイメージがリンクして、余計に美味しそうに感じられるから厄介で(笑)。


大槻素子07 大槻素子08 大槻素子09

大槻素子06

ほかにもさまざまな作品が、それぞれテーマに沿って揃えて展示されています。
プールの水面を描いた作品の青の鮮やかさ、爽やかさ、水面がゆらめく様子の臨場感にも心が揺り動かされます。
写実的でないぶん、それぞれの色の個性がイマジネーションを膨らませてくれるような感じがして、ひとつひとつの作品から思い浮かぶ記憶がなんとも楽しく、いとおしく感じられます。


大槻素子13 大槻素子12 大槻素子11

大槻素子14

奥の一角にはドローイングがランダムに展示されています。


大槻素子15


赤と白が楽しいケーキの作品はもちろん、プールサイドのどこか淋しげな光景や、遊園地のアトラクションなどなど。。。
キャンバスでなく紙、しかも小さめの画面に思いつくままに描いたような感触が満ちているような印象です。


大槻素子19 大槻素子17 大槻素子18

大槻素子16

さらに奥の通路には、すこし前の作品が展示されています。
ここがたいへん興味深い一角となっていて、今回の大槻さんの個展のアクセントとなっています。


大槻素子21

大槻素子20


こちらに展示された作品は数こそ少ないものの、メインスペースの曖昧なフォルトは一転、緻密な描写が印象的です。
こういう表現から現在のスタイルへと移行されたことを知ると、大槻さんのクリエイションの奥行きが一気に深まります。


大槻素子23

大槻素子22

オープニングのときに大槻さんにお話を伺えたのですが、全ての作品は写真などの画像を見ながら制作されるのだそう。
抽象的な感触から、イメージを画面に起こしていったのかと思い込んでいたために、そのお話を伺ったときは若干意外な印象を受けたのですが、あらためて考えてみて、実際の光景を基に描かれているからこそ、それぞれの作品が独特の臨場感をもたらしながら、しかもキャッチーでポップな風合いも伴って楽しく迫ってくるのかな、と思った次第で。
そして、曖昧ながらもそれが何でそこがどこかを充分に伝えてくれるフォルムが、そこに用いられる色のポテンシャルを引き出して、生クリームを描くのに用いた白がその味を蘇らせてくれたり、プールの水面を現す青に水の透明感を思わせてくれたりするのだろうなぁ、と。

大槻さんの作品のなかで、全ての色は楽しげに、伸びやかに感じられます。
心にぽっと灯る、素敵なイメージ。
ほのぼのとして、楽しい展覧会です。

・・・ていうか、おなか空いてきた(´Д`)


大槻素子10

福島淑子展 -陸の孤島-
GALLERY MoMo
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F
2/2(土)~2/23(土)日月祝休
12:00~19:00
福島淑子080202.jpg

Yoshiko Fukushima "The solitify island of the land"
GALLERY MoMo
6-2-6-2F,Roppongi,Minato-ku,Tokyo
2/2(Sat)-2/23(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
12:00-19:00
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ファッショナブル・・・!

昨年の若いアーティストを紹介したシリーズでの展覧会に続き、さらに昨年のシェル美術賞グランプリ受賞を受けて始まった、福島淑子さんの、今回は個展です。


福島淑子001

伸びやかに、個性的な色調で描き出されるさまざまな人物のポートレート、仕草、立ち姿。
なんとも形容し難い、不思議な魅力をたたえた色は、お互いの色彩とかかわり合いながら、さらに深みを増して、前回は半身を正面から描いたポートレートが中心だったのですが、今回は人物の全身を、しかもさまざまなポーズで捉えた大作がずらりと並びます。


福島淑子004 福島淑子005

福島淑子006

ギャラリーの入口、ガラス扉越しに展示作品が目に入ってきた瞬間、深い色彩ながらも煌めくような艶やかな雰囲気が心を刹那に貫くように伝わってきて、一気に気分が高揚した次第。

どこかもってりとした独特の重みが印象に残る昨年の展覧会での印象から一転。
・・・すごくファッショナブル。
洗練されているように感じたんです。
すらりと細くなめらかに伸びる肢体を、どこか放るような感じに投げ出して曖昧な仕草で佇み、浮かぶ表情もどこか朧げで穏やかな狂気を仄かに立ち上らせているような風合い。

すっとその世界に、観るものの意識を引き寄せ、吸い込んでいくような感触が伝わります。


福島淑子007 福島淑子002

福島淑子003

昨年のシェル美術背負うグランプリ受賞作品も登場しています。
合わせて、それと同様に透明感をたたえた背景に、仄かにユーモラスで、でもなぜか見入ってしまう魅力的なポーズと表情を成す人々の姿を描いたシーンがいっしょに展示されて、パノラマのようにさまざまなフィクショナルな場面がめぐりゆくようなユニークな空間が広がっています。
ここに登場する色、最高です。その形容し難い個性的な色合いが、背景の黒により、さらに深みを増しているように感じられます。


福島淑子011 福島淑子010

福島淑子012

カウンター近くには、小品や立体の作品が。
実験的という言葉は硬すぎてちょっと似つかわない感じ...遊び心に満ちて、自由で、福島さんのこの先の可能性も上間見せてくれる一角です。


福島淑子008

福島淑子013

福島さんとお話しすると、自身がどういったものを作り上げていくかにすごく興味を持って制作されているような印象を受けます。
おそらく全てのアーティストは多かれ少なかれ、そうだと思うのですが、特に福島さんは「確信」と「迷い」とに揺れ動きながら、それぞれの作品にイマジネーションを注ぎ込んでいるように感じられます。

ここに展示されている作品ひとつひとつに、偶然性が生み出した素晴らしい色やかたちに溢れているんです。
ひと筆に込められたさまざまな思いを感じながら、独特の色調で繰り広げられるまるでレビューのような艶やかな雰囲気、そこにふんだんに織り込まれるユーモアやスリルを体感、堪能してほしいです。


福島淑子009

第2回 shiseido art egg 窪田美樹
資生堂ギャラリー
東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビルB1F
1/11(金)~2/3(日)月休
11:00~19:00(日祝:~18:00)
shiseido srt egg 2008.jpg

shiseido art egg Miki Kubota exhibition
SHISEIDO GALLERY
8-8-3-B1F,Ginza,Chuo-ku,Tokyo
1/11(Fri)-2/3(Sun) closed on Monday
11:00-19:00(Sunday and national holiday:-18:00)
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美しき断面。

今年で2回目を迎えたshiseido art eggで最初にフィーチャーされtら、窪田美樹さん。
作品は今回の展覧会まで拝見したことがなく、事前にプレスリリースや窪田さんのホームページ、そしてPEELERでのインタビューで予習をして展覧会に臨んだ次第。

予習の段階では、立体作品でありつつ、むしろ行為を見せるようなコンセプトに強烈なインパクトを感じていたのですが、その思いは作品を拝見してがらりと一変しました。

資生堂ギャラリーの階段を下ってまず辿り着く踊り場のコーナー部分に展示された作品を目にしてから、家具という素材のもともとのかたちの生々しさと、隙き間に合板とパテで埋められた断面の、特にパテの質感が奏でる透明感とのギャップに、予想外の不思議な印象を抱きます。

ギャラリースペースには、床置きの作品、壁掛けの作品、そして天井から吊るされたものと、その3次元的な広さを充分に活かし切った展示がなされていて壮観。

なかでも特にスリリングに感じられたのが、天井から吊るされた、ひとり掛けのイスを基に作られた作品。
外側の究極的に作り込まれた平滑なふたつの面、そしてそれらが接する部分の尖った角度の鋭さが放つ危うさ。逆に、内側を眺めると、背もたれや腰かけ、脚部などがそのままに残されていて、それが椅子であることが生々しく提示されていることへの驚きと。
このギャップは鮮烈で、心のなかにズンとのしかかるような重厚さを滲ませているような印象です。


ふたつのコーナーにそれぞれ展示された鏡台の作品は、高いところに展示されることで、その平滑面の提示がさらに非現実的な感触が加味されているような感じです。
いっしょに吊るされた小さな木の球も律儀に一部が削り取られているのにも感心したり。


床に置かれたソファの作品もかなりのインパクトでした。
ソファの座る部分のクッションはそのまま残され、脚部が木材の塊と化し、さらにどこか雑然と、しかしそれしかないとも強く思わせるかたちで積まれて置かれ、物としての存在感と、脚部の透明感とが不思議なハーモニーを奏でます。


木材とパテとでつくり出される透明感に触れ、CTスキャンのような感じで本来見えない部分を見せてもらっているような感触が、とにかく鮮烈です。
家具がそのまま使用されていることで作品そのもののサイズも相当な大きさとなり、家具としては馴染んだサイズであるはずなのに、そこには壮大な情報が封じ込まれているような力強い静謐感を保っているように感じられました。


奥の一角には、透明のビニールシートと接着剤とにょる作品が。
描かれているのは、上から眺めた花束。
透明な素材同士により、こちらもまた本来見えない部分を見せてもらっているようなスリリングな感覚が伝わり、まず「透明なもの」としてその作品の存在を認識し、そこからそこに何が描かれているかをだんだん理解していく、という過程が経られていくのも興味深いです。

自身を「彫刻家」と呼んでいるのも面白いです。
作品が放つ雰囲気は、むしろインスタレーションにカテゴライズされるのが自然な気がするのですが、しかしやはり作品ひとつひとつの精度、特に平滑面の艶やかさ、鋭く残された角の部分に、窪田さんの彫刻家としての強いプライドが投入されているように思えてきます。

同時に、コンセプトの明確さも印象に残ります。
無論、鑑賞者それぞれがどう感じ取るかは自由なのですが、コンセプトの確固たる存在がその自由度の幅を広げているとも思えてきます。


まさにここでしか得られない、独特の空間体験を得られた、と思います。

川田祐子展 -o-ne-
かねこ・あーと・ギャラリー
東京都中央区京橋3-1-2 片倉ビル1F
2/2(土)~2/16(土)日休
12:00~19:00(最終日:~18:00)
川田祐子080202.jpg

Yuko Kawada exhibition -o-ne-
Kaneko Art Gallery
3-1-2-1F,Kyobashi,Chuo-ku,Tokyo
2/2(Sat)-2/16(Sat) closed on Sunday
12:00-19:00(last day:-18:00)
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細かく短い線の集積が築き上げる、遠い風景。

かねこ・あーと・ギャラリーでの川田祐子さんの個展です。

川田さんの作品は、昨年、相模原市民ギャラリーで開催された大谷有花さんとの二人展で拝見していて、大きな画面に隙き間なくびっしりとひしめく細かい線が、海や宇宙を思わせる壮大な光景を作り上げていて魅入られた事が強く印象に残っているのですが、今回は新作を中心とした個展で、変わらぬオリジナリティ溢れる手法により、ピュアな複雑世界が繰り広げられています。


川田祐子03 川田祐子02

川田祐子01

細かい線の集積がひとつの色面をつくり出し、その色面のグラデーションが関係しあって独特のうねりを生み出しています。
その色面の集積が壮大な光景を創出し、ダイナミックな動線が提示されているかのような。。。

鱗のように細かな色面が連なる表面。
光を反射する水面のような、あるいは星が集まる宇宙のようなイメージが浮かんできます。


川田祐子06 川田祐子05

川田祐子04

至近で眺めると、作業の痕跡が生々しく迫り、その分量に改めて圧倒される一方、少し離れて眺めると逆にその作業の痕跡が渾然一体となってひとつのグラデーションとなり、不思議な風合いの透明感が放たれているように感じられます。


川田祐子09

川田祐子07

いろんな発見があるクリエイション。
こちらの接する方法の変化に伴い、さまざまな表情を見せてくれます。


川田祐子08

イイダキリコ個展「白の温度」
artdish
東京都新宿区矢来町107
1/23(水)~2/10(日)月休
12:00~22:00
イイダキリコ080123.jpg

Kiriko Iida solo exhibition
artdish
107,Yarai-cho,Shinjuku-ku,Tokyo
1/23(Wed)-2/10(Sun) closed on Monday
12:00-22:00
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シュールな素朴。
妖しげな憂い。

artdishでのイイダキリコさんの個展です。

イイダさんの作品はこれまではネットなどで拝見していて、独特の雰囲気に興味を覚えて以来ずっと拝見したいと思っていたのですが、今回ようやくその念願が叶った次第で。

artdishのカフェに併設されたコンパクトなスペース。
ガラス張りになっている通り沿いの壁を除く3方に、独特の雰囲気を帯びた世界がシンプルに繰り広げられている作品が展示されています。


イイダキリコ06


実際の画面の大きさで体感するイイダさんの世界。
冷徹な意志が隠されたような、鋭く据わった目許と、局部が血の色が透けて滲む白い肌。
そして、妖しげな雰囲気を立ち上らせる、薄く広がる青。
凍り付くような危うい雰囲気が無言で展開されているような感触に、立ち尽くしてしまいます。


女性の凛とした表情を描いた作品も印象的です。


イイダキリコ02 イイダキリコ03

イイダキリコ01


靡く髪の間に咲き誇る小さな花の群れ、そこから飛び立つ小鳥。
刹那を捉えたような鮮やかな時間の切り口と、細やかな表現の向こうに広がるおおらかな孤独。
ギリギリのバランスで、現実のすぐとなりの非現実と現実とはずっとかけ離れた非現実とが行き交うようなさまざまな物語が、たったひとつの場面から脳裏に紡がれていきます。


縦長の画面に描かれる立ち姿の人物画も。
異なる危うさ...単調な素朴に逆に戸惑いを覚えます。


イイダキリコ07

ある場面を描いたような作品は、一様に、刹那的でありながら、同時に物語としては実に雄弁に感じられるのが興味深いです。
独特の色彩感が醸し出す危うさ、それをよりピュアに立ち上げ、さらに危うい雰囲気を加速させる背景の白と緻密な陰影、シンプルな構図。さまざまな視覚的要素が絡み合います。


イイダキリコ08

イイダキリコ05

カフェスペースにも、主に立ち姿を描いた縦長の作品が展示されています。


イイダキリコ09

イイダキリコ10

ひとつひとつの作品から思い浮かんでくる物語に、イイダさんの作品の奥深さを認識させられます。
今回の展示では比較的小さな作品で構成されていますが、機会があれば是非、大きな画面の作品も拝見してみたいです。

見えない部分はいったいどうなっているんだろう...そういう好奇心も湧いてくるのです。


イイダキリコ04

西山ひろみ展
ART BOX GALLERY
東京都中央区銀座5-10-9-4F
2/3(日)~2/8(金)
11:00~18:30(最終日:~15:00)
西山ひろみ080203.jpg

Hiromi Nishiyama exhibition
ART BOX GALLERY
5-10-9-4F,Ginza,Chuo-ku,Tokyo
2/3(Sun)-2/8(Fri)
11:00-18:30(last day:-15:00)
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錆とドットとで奏でられる渋味溢れる表情。

ART BOX GALLERYでの、西山ひろみさんの個展です。
昨年にギャラリーなつかCROSSで拝見し、細やかな作風が印象に残っている西山さんの作品。今回は個展で、大小さまざまなサイズの作品が展示され、さらにその独特の風合いをじっくりと味わえる空間が作り上げられています。


西山ひろみ008

今回展示されている西山さんの作品は、支持体として用いられている紙に鉄錆が付着していて、その赤茶けた渋い色彩が穏やかで自然な雰囲気が作り上げられています。
コントロールされることなく、自然にもたらされた鉄錆の紋様に合わせ、やわらかな表情を浮かべる人物の肖像がすべてドットで描かれ、その緻密な点の集合によって形づくられる陰影に、緩やかな時間の流れのイメージが浮かんできます。

西山ひろみ002 西山ひろみ004 西山ひろみ003

西山ひろみ001

一部の作品は、墨の黒が薄く広がり、そのグラデーションが、異なる風合いをもたらしています。
重ねられる墨の層に、意識が深々と沈み込むような感触を覚えます。


西山ひろみ006

西山ひろみ005

およそひとつの作品のなかに描かれるのは一人のモチーフです。
そのシンプルな構図が、全てをドットで描くという気が遠くなるような作業の積み重ねで描かれることで、細かさとおおらかさとが同時に伝わり、お互いが調和しあって渋味と穏やかさが溢れる静謐感を醸し出しています。

アクリルケースが被せられた作品、マットがセットされ額装された作品と、展示のかたちはふた通りありますが、それぞれ控えめに、こまやかに描かれる絵を引き立てています。


西山ひろみ009 西山ひろみ010 西山ひろみ012

西山ひろみ011

黒の粒子と鉄錆の粒子とが絡み合い、響きあって、描き方や過程こそ大いに異なるものの、どこか水墨画にも通ずる静けさ、繊細さが緩やかに滲み渡っているように感じられます。
自然で、仄かに曖昧な雰囲気を醸し出しながら、はっきりとした言葉には置き換えられない独特のしなやかさが伝わってきます。

静かな気持ちで、細やかに奏でられる渋い色合いに心を委ねたくなるような、そして見れば見るほどにさまざまな発見をももたらしてくれる、穏やかさに溢れたクリエイションです。


西山ひろみ007

《1/29》
渡辺聡「dim vistas」
TARO NASU
東京都港区六本木6-8-14-2F
1/29(火)~2/16(土)日月祝休
11:00~19:00
渡辺聡080129.jpg

まずそのアイデアに脱帽です。
描かれているのは美術館などの建築物なのですが、同じ風景が対になって展示されています。
1点は、デジタルチックな配置で丸く白い穴が整然と並び、それと対になる作品はその穴の部分が再配列されたもの。
整然とシールが貼られたキャンバスに風景が描かれ、完成した後にそのシールを一旦剥がし、同サイズのキャンバスに再び同じ配列で貼られています。

デジタル出力画像のアミ点を連想させる点の配列の冷静な感触と、実は大変な作業の末にできあがっているクリエイションであることに気付いた瞬間の驚き。このギャップがとにかく鮮烈です。

また、ちいさなシールに乗る絵の具が醸し出す画の抽象性も魅力で、無数のミニマムな作品がずらりと配されたようなまったく別の面白さも。意外な発見が満ちていて見応えがあるんです。

《1/30》
田中麻記子展 La deuxieme chambre
東京日本橋高島屋6階 美術画廊X
東京都中央区日本橋2-4-1
1/30(水)~2/19(火)
10:00~20:00(最終日:~16:00)
田中麻記子080130.jpg

2007年末から08年始めにかけて新宿タカシマヤ美術画廊で開催された田中麻記子さんの個展が、日本橋へと巡回。
展示されている作品は新宿に出品されているものと同じとのことなのですが、こちらではシンプルに作品が展示され、新宿での作り込まれたインスタレーションのなかで観ながら、田中さんのクリエイションに浸るのとはひと味違って、1点1点の雰囲気をじっくりと味わえる構成になっているのが嬉しいです。

新宿でのウォールペインティングも再登場しています。
前回はそのなかに木炭画が配されていましたが、これもシンプルに壁画のみの展示。けっこう違った雰囲気が伝わってくるのが不思議です。

それぞれの作品に描かれるたくさんのキュートでしなやかなモチーフから、独特の瑞々しさが溢れています。

《1/31》
大槻素子 innocent bystander
Galerie Sho Contemporary Art
東京都中央区日本橋3-2-9 三晶ビル B1F
1/31(木)~2/23(土)日祝休
11:00~19:00(土:~17:00)
大槻素子080131.jpg

気持ちいい!
色の楽しさ、色が観るものに与えるイメージのちからが存分に引き出されて、プールで遊んだことやら池0基が目の前のあるワクワクした感じとか、優しい記憶を喚起させてくれるようなシーンが伸び伸びと描かれています。

《2/1》
why not spin round in the bathroom 岸本真之
GALLERY千空間
東京都渋谷区代々木1-28-1
2/2(土)~2/26(火)水木休
11:00~19:00
岸本真之080202.jpg

フューチャリスティックでスマートなフォルムの石膏作品。
幾何学的な美しさを醸し出す、複雑に重なる円の軌跡。
これらの基になるものが分かったときの痛快さとのギャップが堪らなかったり。

六本木事変。
ヴァイスフェルト
東京都港区六本木6-8-14-3F
2/1(金)~2/22(金)日月祝休
11:00~19:00
ヴァイスフェルト080201.jpg

ヴァイスフェルト、封印へのカウントダウン開始。

レントゲンヴェルケ所属のおなじみのアーティストの作品がずらりと並び、ギャラリーとしての個性をぐんと立ち上げます。
作品の多くは先日のラディウムのグランドプレヴューで発表された作品と重なっているものの、やはり面白いクリエイションは繰り返し観ても充分に楽しめます。

なかでもいちばん印象的なのが、長塚秀人さんの写真。
一体どんなサイズなのかまったく見当がつかない、実に不思議で、惑わされる感覚が痛快です。
また、佐藤好彦さんのマケット、これが作品化されたら一体どんなにすごいことになるんだろう!

《2/2》
ArtGaia Nominees 6 小池歩展 -はじまりのうた-
@@アートガイア・ミュージアム目黒
東京都品川区上大崎3-1-4 RE-KONW目黒4F
1/22(火)~2/3(日)
11:00~19:00
小池歩080112.jpg

昨年京都で拝見した小池歩さんの作品。
今回は、さらに大きなスペースでの展示。

シニカルでシュールな顔立ちの人物と花と。
独特な表情が印象的です。


小池歩006 小池歩003 小池歩001

小池歩005


一角にはオブジェの群れ。
シュールなんですけど、ほっこりとした雰囲気もなんだか楽しいです。


小池歩008


目が小さくて真ん丸の人の顔。
じっくりと眺めていると、緩やかに表現されている表情の豊かさにほっこりとしたあったかい気分が湧いてきます。
目を閉じた優しい顔、そして和やかな笑顔がいいんです。


小池歩002 小池歩007

小池歩004

福島淑子展 -陸の孤島-
GALLERY MoMo
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F
2/2(土)~2/23(土)日月祝休
12:00~19:00
福島淑子080202.jpg

昨年のギャラリーMoMoでの若手作家をフィーチャーした展覧会、そしてグランプリを受賞したシェル美術賞を経て、始まった福島淑子さんの個展。
独特の深みを持った世界は相変わらずで、それが洗練され、まるでファッションのレビューみたいな艶やかな雰囲気も。

三井統 個展
ars gallery
東京都渋谷区神宮前5-13-1 アルス表参道
1/29(火)~2/10(日)月休
11:00~19:00(最終日:~17:00)
三井統080129.jpg

毎年この時期にars galleryで開催される三井統さんの個展です。
昨年と同様に、ラミネートされたドローイングと、パネルの作品とが展示されています。


三井統103 三井統104 三井統102

三井統101


やはりかっこいい!

変わらない面白さは無論健在なのですが、変形のかたちの画面など、ちょっと意表を突く展開も観てみたい!


三井統107 三井統105

三井統106

高橋しの 日本画展
galleria grafica bis
東京都中央区銀座6-13-4 銀座S2ビル
1/28(月)~2/2(土)
11:00~19:00(最終日:~17:00)
高橋しの080128.jpg

昨年はギャラリー銀座フォレストのコンパクトな空間で個展を拝見している高橋しのさん。
今回は広めの空間ということもあり、大きな作品が展示されていました。

岩絵の具を用いた日本画で、空間性を活かしたユニークな構図の作品。
そこに、レタリングによる文字が配されることで、新たな時間軸が加えられて、ユニークな世界が構築されています。


高橋しの102 高橋しの103

高橋しの101


フォレストでは同様の構図で小さなものが展示されていた、爬虫類と花とのモノクロームの作品。
大きな画面でも皮膚が緻密に再現されて、拡大されたことの迫力に加え、さらにミニマムな構成に惹かれます。


高橋しの107 高橋しの105 高橋しの106

高橋しの104


未来的な構成と、日本画で培った緻密な描写との組み合わせでこれからどういう世界を見せてくれるか楽しみです。


高橋しの108

大塚麻由 -空ヘ還ル-
GALLERY b.TOKYO
東京都中央区京橋3-5-4 第1吉井ビルB1
1/28(月)~2/2(土)
11:00~19:00(金:~21:00、最終日:~17:00)
大塚麻由080128.jpg

昨年の女子美術大学工芸の卒業作品展示で印象に残っている大塚麻由さんの個展です。
鋳金と同じ行程を経て制作されるガラスのオブジェ。
ガラスの透過性が醸し出す高貴な感触と、型に用いられる素材が付着して生み出されるナチュラルな味わいとが独特な風合いを作り上げています。


大塚麻由001

大塚麻由002


昨年拝見した作品も再び出品されていました。
床の部分が壁に展示され、いっしょに展示されているときに浮かんだストーリーの先を見せていただいたような感触で。


大塚麻由004

大塚麻由003


多くの作品で、ガラスのオブジェと台との組み合わせで静謐な空間が作り上げられています。
ガラスのオブジェの風合いを、台などの空間が引き立てているように思えます。


大塚麻由006

大塚麻由007


同じ型で制作されたオブジェも、異なるシチュエーションでその個性に広がりがもたらされているのが興味深いです。


大塚麻由005

川田祐子展 -o-ne-
かねこ・あーと・ギャラリー
東京都中央区京橋3-1-2 片倉ビル1F
2/2(土)~2/16(土)日休
12:00~19:00(最終日:~18:00)
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昨年の相模原市民ギャラリーでの大谷有花さんとの二人展で初めて拝見した川田祐子さんの新作展です。
細かい線の集積で、独特の奥行き、透明感、浮遊感を生み出しています。

佐藤万絵子 WhereThe Catchers Are
ARATANIURANO
東京都中央区新富2-2-5 新富二丁目ビル3A
2/2(土)~2/23 (土)日月祝休
11:00~19:00
佐藤万絵子080202.jpg

最初に足を踏み入れた瞬間に、「あぁ、きれいだなぁ。。。」と。
真っ白な紙に満たされた空間。
ここに、佐藤万絵子さんが時間をかけて、絵のなかに自らの身体を投じるように染め上げていくそう。
初日ということで、まだまっさらな状態でしたが、今度行くとどういうふうになっているのか、興味津々。

イイダキリコ個展「白の温度」
artdish
東京都新宿区矢来町107
1/23(水)~2/10(日)月休
12:00~22:00
イイダキリコ080123.jpg

以前から拝見したかったイイダキリコさんの個展。
名古屋で行われていたのは知っていたのですが、行けず...しかし、ようやく今回拝見することができた次第。
ていねいな描写で描き挙げられる人々のさまざまな表情が、妖しげな色彩やモチーフを織り込みながら独特なムードを作り上げています。

Gallery Artists
Yuka Sasahara Gallery
東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第3ビル4F
2/2(土)~3/8(土)日月祝休
11:00~19:00
YUKASASAHARA080202.jpg

奥からひとつ手前のビルへと移転したYuka Sasahara Gallery。
キャッチーで妖しげなクリエイションが一堂に会し、実にユニークな空間が構築されています。

加藤千尋さん、平面作品2点に加え、今回は立体も出品。
ギャラリースペース中央に設置された台でのインスタレーション、平面と立体とが同時に展示され、想像力を煽る2次元と、よりリアルに展示される生々しさが圧巻の3次元、それぞれの良さを引き立てあい、鮮やかな色彩の美しさと有機的なフォルムの美しくも奇妙な質感が迫ります。

雨宮庸介さんの作品、奥まった一角に展示されているのですが、これがまた凄い...。
おなじみのリンゴが、今回は乗る絵の具の痕跡の生々しさが異様な迫力を持って観るものに迫ると同時に、実物と見間違えるほどに精緻に再現された青リンゴのリアルさもより引き出されて、ただ眺めただで、その世界に意識が瞬時に引き込まれていきます。

BLUE GARDEN
mori yu gallery TOKYO
東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第3ビル4F
2/2(土)~3/8(土)日月祝休
11:00~19:00
BLUE GARDEN080202.jpg

京都を本拠とするモリユウギャラリーの東京進出
嬉しい!
こちらもギャラリー所属のアーティストのユニークなクリエイションがずらりと。
小沢さかえさんとパラモデルは作品を拝見したことがあり、それぞれがユニークな個性を発揮していて楽しく、さらにまだほ未知のクリエイションもたっぷり。
どんな展開が繰り広げられていくか、ホントに楽しみです。

《2/3》
西山ひろみ展
ART BOX GALLERY
東京都中央区銀座5-10-9-4F
2/3(日)~2/8(金)
11:00~18:30(最終日:~15:00)
西山ひろみ080203.jpg

昨年拝見したギャラリーなつかCROSSでの展示が印象的だった西山ひろみさんの個展です。
鉄さびと黒いドットとの渋いハーモニーが奏でる穏やかで静謐なポートレート。

大野智史 個展「PYSICAL TREE」
magical,ARTROOM
東京都港区六本木6-8-14
1/22(火)~2/23(土)日月祝休
11:00~19:00
大野智史080112.jpg

Satoshi Ohno "PYSICAL TREE"
magical,ARTROOM
6-8-14,Roppongi,Minato-ku,Tokyo
1/22(Tue)-2/23(Sat) closed on Sunday,Monday and natinal holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)

二次元に封じ込められた壮大なイメージ。

magical,ARTROOMでの大野智史さんの個展です。
大野さんというと、TOMIO KOYAMA GALLERYやトーキョーワンダーサイト渋谷で開催された、空間の大きな容量を充分に活かしきった壮大で凄まじいインスタレーションのインパクトが脳裏に焼き付いているのですが、今回はそのふたつと比較するとコンパクトな空間で、逆にその窮屈さを逆手に取るかのように、平面の作品が中心の展示が繰り広げられています。


まず、4階のほうへ。
こちらでは、さらにコンパクトなスペースで、いかにも大野さんらしい、浮かぶイマジネーションに対するリアクションをそのまま空間に投じていったかのようなインスタレーションが展開されています。
大野さんのインスタレーションで登場するおなじみのモチーフが描かれたドローイング、写真、壁に直接スプレーで吹き付けられた文字や線など、独特のうねりをもったさまざまな要素が塊となって、力強く迫ります。
それぞれの画面に呑み込まれそうでもあり、同時に壁、床、天井に溢れる展開に包み込まれ、押しつぶされてしまいそうな迫力を感じます。


大野智史15 大野智史16 大野智史17

大野智史14

この空間に詰め込まれたさまざまな要素が、1階のメインスペースに展示されている5点の円形のキャンバスと1点の立体に散らばり、再構成され、各画面で壮大な景色が作り上げられています。

まさに、異界への入口を思わせます。
小さくカラフルな三角形が凝縮し、幾何学的に複雑な風合いを醸し出す球体の部分と、地下通路の落書きを連想させるスプレーが吹き付けられた痕跡の曖昧なフォルムとのコントラストが、実に奇妙に響き合っているように感じられます。
それらが黒の縁取りが描かれた円形の画面に収められ、それぞれが各々の動的なイメージを醸し出しながら、複雑に絡み合う時間の積み上げが今も続いているかのような有機的な雰囲気が充満し、物体としての平面性と究極的にフィクショナルな光景としてのどこまでも続いているような奥行きを動じに感じさせてくれます。


大野智史07 大野智史06

大野智史05

異様な色彩感覚、力強さを鮮烈に放つさまざまな表現の痕跡、それぞれがぐいぐいと遠慮会釈なく観るものの好奇心を煽り、意識が呑み込まれていくことに快感に近い感動を覚えます。

ほぼ大人の身長くらいの直径を持つ、大判の円形の画面が、そこに描かれている光景のスケール感をより壮大に押し広げることに大いに貢献しているように感じられるのがたいへん興味深いです。
おそらく矩形の画面だったら、ある風景を切り取った感じが強く出てしまうのかも、とも思うのですが、円形からこそ、画面が外へ外へと広がっていく、といったベクトルの動線が構築されているようにも思えてきます。


大野智史03 大野智史04 大野智史02

大野智史01

1点だけ展示されている立体の作品。
力強い色彩が溢れ出る平面作品の世界に囲まれて、立体であるにもかかわらず、渋く静謐に空間に鎮座し、不思議なアクセントとなっています。


大野智史09


銀色に輝くツリー。
表面に広がる複雑で混沌とした激しい凹凸。
蠢くような感触も伝わってきます。


大野智史12 大野智史11 大野智史13

大野智史10

大野さんのインスタレーションを観る度に、この人はどんなに広い空間が与えられても、それを充分満たすだけの壮大なクリエイティビティをお持ちだろうな、と想像してしまうのですが、今回の平面の作品を拝見して、逆にその思いが強くなった次第です。
機会があれば、もっと広い大野さんの空間を体感してみたい、という衝動も沸き起こります。
その入口だけを見せてもらえたかのような、なんとももどかしい、しかしそれがまた痛快な展覧会です。


大野智史08

Jane Dixon Regeneration
東京画廊
東京都中央区銀座8-10-5-7F
1/16(水)~2/9(土)日月祝休
11:00~19:00(土:~17:00)
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Jane Dixon Regeneration
Tokyo Gallery
8-10-5-7F,Ginza,Chuo-ku,Tokyo
1/16(Wed)-2/9(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00(Sat:-17:00)
Google Translate(to English)

東京画廊でのJane Dixonさんの個展です。
コンセプチュアルなアプローチで制作されたモノクロームのエッチングとドローイングの作品が並んでいます。


エッチングの作品。
シカゴの都市の風景を緻密に描き、モノクロームの濃淡で独特の質感がもたらされています。
至近で見ると複雑な幾何学模様に感じられるのが、距離を置くと一気に居並ぶ摩天楼の姿が立ち上がってきて、都市の奥行きが見えてきます。


Jane Dixon01

同じくシカゴの風景がモチーフとなった作品。
先の黒基調の作品から一転して、薄いグレーで描き上げられ、ある距離からだと平面であることが信じられないくらいに立体的に見えてきます。


Jane Dixon04 Jane Dixon03

Jane Dixon02

再開発中の横浜の風景がモチーフとなった作品。写真製版によるエッチングです。
遠目では俯瞰した風景の姿が伝わってきますが、アミ点がびっしりと画面を覆っていて、至近からだとそのアミ点に意識が向かいます。


Jane Dixon06 Jane Dixon07

Jane Dixon05


これらの風景作品には、さまざまな時間の交錯が封じ込められているように感じられます。
日々、新たな開発が進む都市の大変長いスパンにおける刹那的な表情を捉え、それを「版」を用いることにより、ひとつクッションが入ることで作品の情景の客観性も増しています。
さらに、モノクローであることなどの要素も、その現実の情景の刹那から生み出され、紡がれる異なる時間軸の存在を提示しているようにも思えてきます。


風景を描いた作品のなかに、異なるテイストの一角があります。
イタロ・カルヴィーノの「Invisible Cities(マルコ・ポーロの見えない都市、原題:Le Citta Invisible)」の一節を点字に書き直し、空押しのエッチングとして制作された連作です。
それぞれのエッチングの下には、方眼紙で刷られた紙のフロッタージュ(摺り写し)が合わせて展示されています。

空刷りのエッチングは、ある距離からは一見するとただのまっさらな紙。
無論、至近からは点字の凹凸は認識できるものの、本来手で触れてその文字を認識するものであるにもかかわらず、こうやって額装されて「作品」として飾られると、触ることすらできない...。
それ以前に、僕は、ですが、点字が分からない、英語も堪能でない、ということもあって、この提示からは事前知識でなんとかこれが上記の文章からの引用であることが分かっているだけなのですが...。


Jane Dixon09


それらが鉛筆でフロッタリングされ、点字の存在が視覚で認識できるようになっています。
この作品では点字ですが、そこにあるものの存在をあぶり出しているような生々しい意志と、冷静な客観性とが同時に迫ってくるような印象を覚えます。


Jane Dixon10


空刷りの点字とその存在を示すフロッタージュ。
「見えない」ものと「見せる」ものとの関係性に、斬新な角度を持つ知性の存在を認識した次第で。
なんとも不思議なもどかしさが伝わってきます。


Jane Dixon08

フロッタージュの作品は、風景を描いたものも多く展示されています。大判の方眼紙に、あるものは角度を持った視点からの都市の情景を現していたり、またある画面では地図写真のような、真上から観たビルの矩形が並んだ景色だったり。

こちらの作品は、まさに真上から観たビルが並ぶ情景が描かれています。
近々に目にしたもので例えると、もっとも拡大したカーナビみたいな感じで。
ただ、この作品の最下部の崩れた矩形は、戦争などで破壊された建築の姿なのだそう。


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ギャラリーの正面の壁には、ほぼ似た画面の作品が並べて展示されています。
描かれているものの密度こそことなるものの、ほぼ同じ位置に同じかたちのものが描かれています。


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これらのフロッタージュは実に複雑でユニークな過程が経られています。
全てのフロッタージュには、フロッタリングされるペインティングが存在してるのだそうです。
それらは、上記のエッチングと同様に都市の風景を描いたもの。

ここにあるふたつの近似したフロッタージュは、同じペインティングをフロッタリングしたものだそうです。
ただ、同じ画面に一度フロッタリングした後に、加筆して再びフロッタリングをした、とのこと。
同じペインティングを使うことで都市が再構築される過程の時間軸を提示したのかと思い、 ジェーンさんに伺ってみたのですが、単純にそういうことではなさそう。
無論、それはある一面ではあると思うのですが、構図的なバランスの差異などの提示も含まれているようです。


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先に紹介したエッチングの横浜の風景の作品も、フロッタージュで再登場しています。
制作順としては、エッチングのほうが先で、しかし、この作品にも対応するペインティングがあるのです。
手前の半円筒形の建物の姿がエッチングと反転しているのが、画面が反転する「版作品」と反転しない「フロッタージュ」の差異を表出しているように感じられて面白いです。


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フロッタージュの作品の制作に用いられたペインティングは、役割りを終えたらその都度破棄されるそうです。
そう知ると、観てみたいような衝動も湧いてきます。

しかし、点字の作品が、「見えないもの」として提示され、そのフロッタージュも合わせて展示されていることを考えると、フロッタージュのみが提示された都市の情景は、フロッタージュのみが展示されることで、すでに破棄されているために存在しない、すなわち「見えない」ペインティングも仮想展示されているような印象も覚えます。

一元的に流れる時間のなかで繰り返される都市の破壊と再生。
そこに、知性溢れる視点によって斬り込み、複雑な過程を経てエッチングとフロッタージュによって異なる時間軸の提示がなされているように感じられるのがたいへん興味深いです。
また、それぞれの作品の関係性や、横浜のエッチングにおけるアミ点と認識と風景の認識とのギャップ、さらにはフロッタージュに用いられている方眼紙の方眼の冷徹さとフロッタージュの行為の痕跡としての生々しさの呼応など、さまざまな要素がさらに複雑に絡み合い、鑑賞者の好奇心を刺激しているように感じられます。

ジェーンさんの過去の作品も、事務所に数点展示されているほか、設置されている画集でも観ることができます。
今回の作品とはずいぶんとテイストが異なるのですが、それぞれに込められるコンセプトのユニークさには「なるほど」と大いに共感できるのも面白く感じられます。


知性を総動員して臨み、そこから得られるさまざまなイマジネーション。
じっくりと堪能してほしいです。


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