トップページ > 触れるTOP > ex-chamber museum | 幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報

幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報

「お釈迦様の掌」宮永愛子 人長果月 塩保朋子

ARTCOURT Gallery

大阪府大阪市北区天満橋1-8-5 OAPアートコート1F

5/7(水)~6/7(土)日月休

11:00~19:00(土:~17:00)

お釈迦様の掌080507.jpg

Oshakasama no Tanagokoro Aiko Miyanaga,Kazuki Hitoosa,Tomoko Shioyasu

ARTCOURT Gallery

1-8-5 -1F,Tenmabashi,Kita-ku,Osaka-shi,Osaka-fu

5/7(Wed)-6/7(Sat) closed on Sunday and Monday

11:00-19:00(Sat:-17:00)

Google Translate(to English)

ダイナミックなクリエイションを繰り広げる3名の女性アーティストがパッケージされた展覧会です。

それぞれのインスタレーションが空間を隔てて繰り広げられ、迫力と臨場感に満ちた展開がなされています。

宮永愛子さん、おなじみの塩の結晶のインスタレーション。

ACG宮永愛子02

ACG宮永愛子01

正面の、通常ではふたつの空間を繋ぐ長い空間を用いての展開で、その長い空間の両端を繋ぐように張られた無数の糸。そこにびっしりと、大阪湾の海水から抽出された塩の結晶が付き、自然光を受けてキラキラと輝いていました。

宮永さんのインスタレーションはいつも、さまざまなイメージをを心にもたらしてくれます。

「塩」がこの空間と海とを繋いで壮大なイメージを提供してくれたり、または、その塩の結晶のかたちの偶然性と脆さとが、どこか儚げな、切ないような風合いも醸し出しています。

ACG宮永愛子04 ACG宮永愛子05

ACG宮永愛子06

今回はじめて拝見する、人長果月さんの作品。

インタラクティブな映像インスタレーションです。

暗い空間、正面の壁に大きく映し出された映像。

それをその反対側の壁にもたれて眺めているうちは変化しないのですが、ギャラリーの中央に置かれた横長の黒いセンサーに近付くと、それにより、ダイナミックかつ重厚に映像が展開していきます。

ACG人長果月03 ACG人長果月02 ACG人長果月01

展覧会タイトルの「掌」を連想させる、画面右からぬっと突き出る巨大な手。

反対側からは無数の人の肢体が花吹雪さながらにくるくると舞い広がっていきます。

そのシーンに続いて、今度は観る人の立つ位置に泡が湧き、そこからさまざまな事物がどんどんと現れ、画面上方へと浮かび消えていきます。

大きな画面で体感する非現実的な情景、キャプションによると芥川龍之介の「蜘蛛の糸」もアイデアの基のひとつにあるようで、この力強い妖しさ、魑魅魍魎の雰囲気に呑み込まれるような感触が深く印象に残ります。

ACG人長果月04

塩保朋子さんの作品は、人長さんの映像作品が上映されているスペースの手前の小さな空間にまず小品が展示されています。

合成紙を用い、細かなカットや、おそらく合成紙を熱で加工するという手法で制作されたと思われる作品。

ACG塩保朋子02

ACG塩保朋子01

ただただ、この細やかさで綴られる華やかな情景に惹かれていきます。

塩保さんのこのサイズの作品をじっくりと拝見したのは今回が初めてでしたが、このサイズだからこそ感じられる臨場感、そこに施されたテクスチャーの緻密さをよりしっかりと感じ取れたのが何より嬉しく思えます。

ACG塩保朋子06 ACG塩保朋子05

ACG塩保朋子04

そして、人長さんのスペースと反対の、天井が高い空間。

こちらでは、塩保さんの大きな作品によって、実におおらかで深遠な世界がつくり出されています。

ACG塩保朋子08 ACG塩保朋子10 ACG塩保朋子09

ACG塩保朋子07

高い天井から降るように設置された4本のタペストリー。

そこには、信じられないほどにびっしりと、細かいカットが施されています。

見上げて、どこまでも続いていく有機的で妖艶な世界。

圧巻の一言に尽きます。

薄い紙の素材感。天女の羽衣、そんな言葉を連想させる神々しさ、華やかさ。

また、空間的につくり出されている「縦」の動線が、実にダイナミックなインパクトをもたらしています。

うっすらと映り込むシルエットもまた美しく感じられます。

ここにあるのは紙の色だけ、何の色彩も用いられていないのに、イメージの中でこの空間が彩りに溢れていくのも興味深いです。

そして、このサイズになると、全体すべてをひとつの視界で捉えたときの印象も。よりダイナミックなものになります。至近で眺めたときの緻密なカットを実感し、全体をを見渡したときに、そこにある凄まじいほどの情報の渦に、目から受けるインパクト以上の迫力に埋もれる...そんな、身震いするような情動に包まれます。

ACG塩保朋子11

それぞれが実に見応えある展開を繰り広げています。

会期も6/7まで延長されたそうで、ぜひとも一人でも多くの方にこの荘厳さを実感してほしいです。

前月
2008年5月
次月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
幕内政治がお届けする今最も旬な現代アートイベント情報

writer name:幕内政治
birth:1971/6/17
mail:exchamber@yahoo.co.jp