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幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報

絵画の春 伊藤雅恵 上田奈保 傍嶋崇 馬場健太郎

鎌倉画廊

神奈川県鎌倉市鎌倉山4-8-33

3/29(土)~5/10(土)日月休

11:00~18:00

絵画の春080329.jpg

Painting in Spring ITOH Masae,UETA Naho,SOBAJIMA Takashi,BABA Kentaro

Kamakura Gallery

4-8-3,Kamakurayama,Kamakura=shi,Kanagawa-ken3

3/29(Sat)-5/10(Sat) closed on Sunday and Monday

11:00-18:00

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美術評論家の名古屋覚さんのキュレーションによる、4名のアーティストがピップアップされたグループショーです。

以前から伺いたいと思っていた鎌倉画廊、電車とバスを乗り継ぎ、細い路地と階段を通って辿り着くのですが、この日はおそらく今年のゴールデンウィークではいちばんよい天気で、初夏を思わせる陽気、ピカピカの陽射しが途中の緑に降り注ぎ、空気の爽やかさも気持ちよく。

ギャラリーとしてもゆったりとしたスペースで、なんだか美術館に来たような、そんな錯覚も沸き起こってくるような、また足を運びたくなる素敵な空間。

そこに、ヴィヴィッドな色彩を放ち、華やかさと奥深さを同時に感じさせてくれるペインティングがゆったりと展示されています。

まず、昨年のWAKO WORKS OF ARTでのグループショーなどで強く印象に残っている傍嶋崇さんのダイナミックでパワフルな作品が。

キャンバスに力強く乗る油絵の具。ひとつひとつの色面をシャープに立ち上げているように感じられます。

おそらくその下地には異なる色彩が塗り重ねられているようで、傍島さんの作品の大きな魅力である画面全体のおおらかな躍動感と裏腹に、わずかに覗く色面と色面との隙き間がミニマムで抽象的な面白さを海出しているのも興味深いです。

傍嶋崇003 傍嶋崇002 傍嶋崇004

傍嶋崇001

さまざまな小品も多数展示されています。

人がモチーフとなったおなじみのスタイルのものから、ミリタリーのアイコンのシルエットがユーモラスに投入されたものなど。

ちいさなキャンバスにぎ、色面のエネルギーが、さらにそれらが隣り合い、ぶつかりあって発せられる衝撃がぎゅっと詰め込まれたような、それでいておおらかさも失われることなく、力強く展開していきます。

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傍嶋崇008

今年のVOCA展でひときわ鮮やかな色調を放っていたのが印象に残っている伊藤雅恵さんの作品。

あらためて今回、いくつかの作品を拝見して感じたのは、「色彩が爆発している!」と。

青空に咲き乱れる花の狂おしさをイメージさせる、過剰なまでに鮮やかな色調。

青と赤とのコントラストの鮮烈さが凄まじいインパクトを発散し、そのイメージをぐんと押し拡げているような。

それぞれ、筆のストロークの鋭い痕跡が凄まじいスピード感を発散しているように感じられます。

伊藤雅恵02 伊藤雅恵03

伊藤雅恵01

遠目で視界が伊藤さんの作品を捉えたとき、まさに「瞬間」をギリギリの精度で表現したかのようなスリリングな感触が感性を貫いてきたかのような、敢えて暴力的と表現したくなるほどのヴィヴィッドな錯覚が沸き起こってきた次第で。

至近で観て、エアブラシを使ったのかな、と勘違いしてしまいそうなほどにひとつひとつの色は刹那的。

一心不乱に、内包するエネルギーを外へ向けて発する感触が、火花を思い起こさせてくれます。

このスピード感溢れる色彩に視界を占められ、心地よい錯乱が心の中に広がるような印象です。

伊藤雅恵04 伊藤雅恵05

伊藤雅恵06

中央の螺旋の階段を下って地下のスペースへ。

昨年、GALLERY MoMoでの個展を拝見している馬場健太郎さんの、ひとつの画面につきひとつの色彩で染め上げられたシンプルな作品が並びます。

そこにすっと入り込む筋やグラデーションが、闇の中に滲む光の存在を感じさせてくれます。

馬場健太郎001

長い壁に横長のパネルの作品が4点並んで展示された一角は壮観です。

それぞれの画面に描き上げられた「光景」を前にして、静かに広がる深遠な光に触れ、不思議な想いが満たされるような感触です。

馬場健太郎003 馬場健太郎004 馬場健太郎005

馬場健太郎002

今回のなかで、唯一はじめて拝見する、上田奈保さん。

ポップでヴィヴィッドな色彩、分厚いレンズ越しに眺めているような歪みと、そのイメージを明確に提供してくれる描写の精度など、さまざまな角度からイマジネーションの膨張を促してくれるような感じが堪らない!

キュートなフォルムの車をモチーフに描かれた2点。

ポップさが画面全体から溢れていて、またどこへ進むのか分からない痛快な曖昧さがおおらかな緊張感をもたらしてくれます。

上田奈保01

上田奈保02

抽象性がぐんと増す作品は、幾分かポップな風合いが影を潜め、膨張するようなエネルギッシュな勢いと、さまざまなテクスチャーが駆使されて生み出される緊張感とで、激しい混沌を織り成しているように感じられます。

一方では線上を猛スピードで過ぎ行く時間を、そしてそれと同時に、点が弾けて広がっていくような勢いとが伝わってくるような、独特のダイナミズムが伝わってきます。

上田奈保05 上田奈保04 上田奈保06 上田奈保07

上田奈保03

海岸のテトラポットとその向こうにクールな色調で広がる水平線、「DANGER」の文字。

画面上方にその光景の情報が凝縮され、そこから下の広いスペースで展開されるめくるめく抽象世界。

見えない場所で起こっているアグレッシブな展開が面白い!

立体的に盛り上げられた線のうねりの力強い躍動、またこの作品に限らないのですが、絵の具がキャンバス上を垂れた痕跡や筆の運びが生み出す動線などがさまざまなベクトルを交錯させ、ひとつの画面の中で衝突し、凄まじいエネルギーとなって昇華されているような感覚に神々しい痛快さを覚えた次第です。

上田奈保09 上田奈保11 上田奈保12 上田奈保10

上田奈保08

ちいさな林を抜けて辿り着くヴィヴィッドなクリエイション。

4名のアーティストの個展が一ケ所で行われている、といっても差し支えないほどのボリュームも嬉しい、さまざまな発見を見出せ、観るもののクリエイティビティも大いに刺激してくれる展覧会です。

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writer name:幕内政治
birth:1971/6/17
mail:exchamber@yahoo.co.jp