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幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報

ペインティングの恋人 Lovers of Painting 田中奈津子、渡辺紗知子、羽部ちひろ、吉田典子、樫木知子

MEM

大阪府大阪市中央区今橋2-1-1 新井ビル4F

4/30(水)~5/24(土)日月祝休

11:00~18:00

海岸通ギャラリーCASO

大阪府大阪市港区海岸通2-7-23

4/29(火)~5/18(日)

11:00~19:00

ペインティングの恋人080429.jpg

Lovers of Painting Natsuko Tanaka,Sachiko Watanabe,Chihiro Habu,Noriko Yoshida,Tomoko Kashiki

MEM

2-1-1-4F,Imabashi,Chuo-ku,Osaka-shi,Osaka-fu

4/30(Wed)-5/24(Sat) closed on Sundey,Monday and nationali holiday

11:00-18:00

Gallery CASO

2-7-23,Kaigann-dori,Minato-ku,Osaka-shi,Osaka-fu

4/29(Tue)-5/18(Sun)

11:00-19:00

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女性アーティスト5名をフィーチャーし、MEM海岸通ギャラリーCASOで同時開催された企画です。

MEMでは小品を展示、一方で海岸通ギャラリーCASOでじゃその広い空間を活かして大作を展示しダイナミックにそのクリエイティビティが発揮されていて、今のこの世代のオイルペインティングの面白さが充分に詰まった、実に楽しく見応えのある展覧会で、またこういった機会に未知のクリエイションに出会えることも、毎度のことながら嬉しい限りで。

渡辺紗知子さん。

幾何学的なかたちと有機的なかたち、それぞれが織りまぜられて、楽しげな混沌を生み出しています。

MEM渡辺紗知子01

描かれるシチュエーションのユーモラスさが際立ちます。

明るめの色調で、思いのほか具体的なものが多く描き込まれて、それらがドライなストーリー展開を思い浮かばせてくれるような感じです。

MEM渡辺紗知子03 MEM渡辺紗知子05 MEM渡辺紗知子04

MEM渡辺紗知子02

CASOでの大作は、縮尺感はそのままに、さらに多くの情報がひとつの画面に注ぎ込まれ、そこに起こっているストーリーにキャッチーでキュートなダイナミズムをもたらしているように思えます。

CASO渡辺紗知子01

CASO渡辺紗知子02

ざくっと筆を走らせて伸びやかな色面の広がりをもたらしているところと、細かい描き込みとが絡み合って、独特のスピード感を放っているのも印象に残りました。

CASO渡辺紗知子05 CASO渡辺紗知子04 CASO渡辺紗知子06

CASO渡辺紗知子03

吉田典子さんの作品は、甘いフォルムとくっきりとした色調とで、キャッチーな風合いがもたらされたシュールな世界がめくるめく繰り広げられています。

深め、濃いめの色調の、色そのものの重みが強調されているように感じられる構図も印象的です。

MEM吉田典子01

MEM吉田典子02

大作でのさらなる迫力!

けっこうなインパクトをもたらしています。

思いきりのよさ、ケレン味のなさが痛快で、ぶわっと膨張するような溢れる勢いが痛快です。

CASO吉田典子02

CASO吉田典子01

今回唯一、拝見したことがあるアーティスト、樫木知子さん。

ギャラリーなつかでの二人展で拝見していたのですが、こういった場所で再びお目にかかれ、しかもそれが素晴らしかったのがホントに嬉しくて・・・!

MEM樫木知子01

MEM樫木知子02

ベージュ系の淡い色調、そこに潜むように描かれる人の姿。

生活感が滲むような風合いがリアルな臨場感を生み出していて、同時にだからこそ現実からの遠さ、シュールな妖しさ、色めきをも思い起こさせてくれます。

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MEM樫木知子03

CASOでの大作も、やっぱり素晴らしいです!

広い画面に儚げな風合いを醸し出しながら穏やかに広がるやさしい色調。

ぶわっと広がる青白い花、上方に浮かぶような女性、すらりゆらりと舞うような淡くくっきりとしたベージュの色面。その傍を沿うように漂う仄かな青。

その色から滲む未来的なか感覚と懐かしいような雰囲気を背景に、細かい描き込みとアンバランスな構成とでうまく言葉で表現できないような妖しい世界を紡いでいます。

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CASO樫木知子03

何よりその色調の風合いが存分に活きた、どこか古めかしい雰囲気もあり、かつ観たことのない未来的な感触も伝わるクリエイションです。

CASO樫木知子02

CASO樫木知子01

羽部ちひろさんの作品は、吉田さんのと同様に、濃厚な色調のインパクトにまず引き寄せられます。

そして、もっと身近な印象のある事物が引用され、しかもその組み合わせの違和感がシュールな感触をぐんと全面に押し出されるようなユニークさが独特の世界を作り上げているように感じられます。

MEM羽部ちひろ02

MEM羽部ちひろ01

膝丈のスカートを履いた女の子を思わせるような白の色面、足の部分が山道のような感じにも。

そしてそのスカートの部分、全体を俯瞰すると空のようにも思えますが、そこに淡い赤の線で描かれる石積みのゲートと舟が、時空の複雑な絡みを思わせます。

MEM羽部ちひろ04 MEM羽部ちひろ05

MEM羽部ちひろ03

色調、世界観ともに濃い印象なだけあって、CASOでの大作のインパクトはかなり重厚に感じられました。

CASO羽部ちひろ02 CASO羽部ちひろ03

CASO羽部ちひろ01

重厚であるのですが、小品、MEMに出品されていた作品に加えて同時期に開催されていたFUKUGAN GALLERYでのグループショーで拝見した作品での濃密さと比べるとよりおおらかな色使いで、それが羽部さんの独特の世界の雰囲気に作用し、コミカルさも感じさせてくれたような気がします。

CASO羽部ちひろ04 CASO羽部ちひろ06

CASO羽部ちひろ05

田中奈津子さんの作品は、MEMでのぎゅっと詰まった構成により、画面から盛り上がるシャープな立体感がより際立ち、アバンギャルドなクールさが伝わってきます。

それぞれ、煌めくようなヴィヴィッドさを強く発しているように感じられます。

MEM田中奈津子03 MEM田中奈津子04 MEM田中奈津子02

MEM田中奈津子01

ひとつひとつの画面にひとつの世界を描いたシンプルな小品と比べると、大作では混沌の度合いがぐんと高まります。

さまざまな筆の運び、表現法により、それぞれの色調のヴィヴィッドさがキレを増し、力強い迫力を伴って眼前に迫るような感じが印象に残っています。

CASO田中奈津子02 CASO田中奈津子03

CASO田中奈津子01

ピップアップされた5名のアーティストは、ふたつの空間で大作と小品を同時期に発表することでそれぞれがその個性をしっかりと発揮しているように思えて痛快だったと同時に、まだまだ未完成な部分、おそらく自身が伝えたいイメージと描いてこの時点でできあがっている世界との詰め切れないギャップの存在のもどかしさのようなものも伝わってくるような感じもあり、逆にその不安定さというか、完成されていないからこその魅力も鮮烈に感じられました。

それぞれのクリエイションがこれからどういう方向へと向かっていくか、ホントに楽しみです!

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writer name:幕内政治
birth:1971/6/17
mail:exchamber@yahoo.co.jp