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幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報

桑島秀樹 Vertical / Horizontal

ラディウム-レントゲンヴェルケ

東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17

5/2(金)~5/31(土)日月祝休

11:00~19:00

桑島秀樹080502.jpg

Hideki Kuwajima Vertical / Horizontal

Radi-um von Roentgenwerke AG

2-5-17,Nihonbash-bakurocho,Chuo-ku,Tokyo

5/2(Fri)-5/31(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00

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「光」を、捉える。

ラディウム-レントゲンヴェルケでの、桑島秀樹さんの個展です。

とにかくその絢爛の光景に圧倒されます。

ガラスの器、皿、カップなど、さらに鏡面を緻密にシンメトリーに配置して構築された景色をモノクロームで捉え、経験的に培われたさまざまな技法やアイデアを投入して、マンダラを思わせる圧倒的な情報量が整然と提示されます。

そして、パソコンか何かで加工されてシンメトリーに仕立てていると一瞬思ってしまうのですが、至近で眺めると左右で微妙に異なる部分が見つかっていきます。それほどまでに、このシチュエーションがギリギリまで緻密に作り込まれていることも伝わり、あらためて強く感服した次第です。

1階に展示されている、背景が白の作品。

画面を縦横に跋扈するモノクロームのグラデーションが放つスピード感。

さまざまな装飾が施されたガラスの器や置き物が並ぶ上をするりと舞うように這っていく影。

奥に鮮烈な光が存在し、こちら側へと凄まじく繊細で静謐な威力を伴って発散されているかのような、深遠な世界が伝わってきます。

桑島秀樹02 桑島秀樹04 桑島秀樹03

桑島秀樹01

階段に展示された縦長の作品。

この深い位置から見上げて、これまでに思い描いたことのない、究極的にシャープな荘厳が脳裏に広がります。、緻密に作り込まれた現代音楽的なイメージ、例えばライヒの曲のように、何重にも重なるヴァイオリンの音が生み出すソリッドな重厚感、その羅列がつくり出すミニマムな展開に血が沸き立つような感覚。

それに近い情動がインスパイアされるような感じです。

桑島秀樹06

2階に展示されている横長の作品。縦の作品の重力と重なる動線も圧巻ですが、パノラマのように横へと広がる光景もまた、圧倒的な力強さで観る者に迫ります。

桑島さんのお話では特にそれを意識されてはいないそうなのですが、この荘厳な雰囲気は、背景が黒いこともあり、杉本博司さんのいくつもの仏像を撮影して列ねて提示した作品の、仏像が居並ぶ光景にも通ずるような印象を覚えます。

桑島秀樹08 桑島秀樹09 桑島秀樹10

桑島秀樹07

桑島さんの作品を拝見していると、確かに撮影されているのはガラスなのですが、提示されているものはがらすというよりむしろ、その緻密に配置されたさまざまなかたちをちた透明なものを通じて、そこを透過していく「光」の流れ、存在を捉えたような印象が脳裏を巡り、広がっていきます。

さまざまなかたちをしたガラスの器の造形の洗練、それがガラスであることが醸し出す脆さ。

そのなかを繊細に、そして可憐に舞う光。

静かに、力強く放たれる光。

画面のなかに封じ込められた無数の「光」のエネルギーが、実に艶やかな絢爛の世界を紡ぎ上げているんです。

さらにイメージはその絢爛の世界へと紛れ込み、光とともに彷徨っていくんです。

展示されている作品はどれも大判で、視界をその情景に占められ、その世界に浸れる嬉しさも堪らなく感じられる展覧会です。

桑島秀樹05

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writer name:幕内政治
birth:1971/6/17
mail:exchamber@yahoo.co.jp