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幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報

松原健個展「水の中のナイフ」

eN arts

京都府京都市東山区祇園北側627 円山公園内八坂神社北側

5/2(金)~5/31(土)金土日のみ

12:00~18:00

松原健080502.jpg

Ken Matsubara solo exhibition "KNIFE IN THE WATER"

eN arts

,Gion-kitagawa,Higasiyama-ku,Kyoto-shi,Kyoto-fu

5/2(Fri)-5/31(Fri) only Friday to Sunday (appintment only on anather days)

12:00-18:00

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「問われる」ことの心地よさ。

eN artsでの松原健さんの個展です。

複雑な動線のeN artsの空間に、ほぼひとつの壁に1点ずつ、穏やかで知的で、大いに謎めいている写真作品がゆったりと静かに展示されています。

松原健03

展示されている作品は、すべて、動と静とが組み合わさった構成になっています。

「動」を現す、刹那的な事物のさまざまな「瞬間」を捉えたもの。

「静」を現すのは、機能美と表現するには「美」の要素があまりにも少ないと思える、オフィス家具。

それぞれの画面で、これほど異なる要素を持つ画像がひとつの画面に並べて収まっているのですが、それらは驚くほどにギャップを感じさせず、当たり前のように、最初からこういうふうに並ぶべくして生み出されたかのように、実に自然に隣り合っています。

松原健02

炎、ミルククラウン、噴射する煙、コップからこぼれ落ちる水。。。

それぞれ、あまりにも刹那的な、一瞬たりとも同じかたちでいることがない事物。

そのある種の決定的な瞬間が、まるでそのかたちにぴたりと静止したかのように、画面の中で、穏やかな緊張感を漲らせています。

その一方で、オフィス家具は、その機能のみを徹底して追求されているフォルムをより際立たせるかのように、殺人の残り香はおろか、生命の存在をまるで否定するかのような殺風景な空間に朴訥に存在しています。

しかし、わずかにインスタレーションが施されていることで、微妙にその存在の意味を匂わせているように感じられるのも興味深く...。

松原健01

このある種の相対関係を感じさせる2つ、もしくは3つの画像が自然に穏やかに並んでひとつの作品として目の前に現れたとき、そこにあるかもしれないメッセージをの存在を、自然に静かに探り始める自分に気付きます。

そして、そこに込められた何かは何故か、分からなくてもいい、そういう静かな気分に満たされるんです。

そうやって問われることが何故か気持ちいい...。

作品と観る者との言葉のない対話が沸き起こり、導かれ、緩やかな時間を自ら紡いでいくような感じがなんとも心地よく感じられるんです。

eN artsの大好きな場所、地下のブラックキューブには2点の作品が展示されています。

松原健06

それぞれ、モノクロームの作品です。

1階のカラーの作品も充分に、落ち着きに満ちた色調の静かな力強さが印象的なのですが、窮屈な黒い空間にモノクロームの作品という組み合わせが、「知」の密度をさらに濃く展開しているように感じられます。

松原健05

八坂神社の北側の通りの実にエキゾチックでドメスティックな雰囲気に満ちた場所に突然現れるコンテンポラリーアートの空間というシチュエーション、そしてさらに、そのなかで繰り広げられている世界の独特の静けさ。

さまざまなかたちでイマジネーションを刺激してくれるだけでなく、深く静かに押し拡げてくれる、知性と静謐に満ちた展覧会です。

松原健04

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writer name:幕内政治
birth:1971/6/17
mail:exchamber@yahoo.co.jp