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幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報

荒木恵信展

新生堂

東京都港区南青山5-4-30

5/14(水)~5/24(土)日祝休

11:00~18:00(最終日:~17:00)

荒木恵信080514.jpg

Keishin Araki exhbition

Shinseido

5-4-30,Minami-aoyama,Minato-ku,Tokyo

5/14(Wed)-5/24(Sat) closed on Sunday and national holiday

11:00-18:00(last day:-17:00)

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あたたかい風、穏やかな空気。

新生堂での荒木恵信さんの個展です。

スルガ台画廊での個展で拝見して、ていねいな景色の描写と独特のマチエルに大いに惹かれて以来、主に院展で発表される作品を中心に観続けてきたのですが、今回の個展ではパネル3枚組による大作と小品とが拝見でき、眼前の光景への慈しみ、やさしい視線が伝わるあたたかい作品が揃い、久々に荒木さんが紡ぐさまざまな情景を堪能できる機会を得られた感じです。

ふたつの展示室、まず正面の大作に目が止まります。

夕暮れ、仲間のシルエット、どこまでも続いていく茜色の空。

支持体のやわらかな風合いとそこに施される無数の筋が、色彩のやさしい感触をさらにおだやかに、ふわりと演出し、そこに流れる時間の緩やかさがじんわりと伝わってきます。

画面の広さは迫るような力強さを発することなく、ただ静かに、穏やかに広がりをもたらしているのも印象的です。

荒木恵信11 荒木恵信10

荒木恵信09

2点並べて展示されているスクエアの小品が素晴らしいです。

赤く染まる海景、そこにぽつねんと浮かぶ船影。この画面にしてこの空間性の深み。

もう1点の、日常の人々が行き交う慌ただしさが過ぎ去り、広がる穏やかさを想わせるシーン。

どちらの作品にも、色彩の落ち着いた鮮やかさが満ちています。

荒木恵信01

荒木恵信02

いつもと同じ目の高さで触れる光景を描く作品が並びます。

たとえ、描かれている景色を知らなくても、「分かる」感覚。

このやさしい印象が、荒木さんが描く日本画の大きな魅力に思えます。

荒木恵信06

荒木恵信07

日本の田園、南の島の椰子の木々、それぞれが、多すぎず少なすぎずの情報の量と色彩とで描き上げられ、なんだか懐かしい感覚も心の中に広がっていくような気がします。

荒木恵信05 荒木恵信04

荒木恵信03

膠などの盛り上げによる工芸的な作り込みのインパクトとは反対の、画面の細かい凹凸。

緻密に、かつ流れる時間をやさしく捉えるように描かれる情景。

そこには「軽み」「軽やかさ」が満ち広がっています。

そして、描く情景は、目の前の場面を描くと同時に、「光」を描いているような印象も受けます。

確かな技術と感性によって導かれる、やさしい風景、場面。

慌ただしさから解かれたような穏やかな心地よさが心の中に灯ります。

荒木恵信08

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writer name:幕内政治
birth:1971/6/17
mail:exchamber@yahoo.co.jp