トップページ > 触れるTOP > ex-chamber museum | 幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報

幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報

村田朋泰展「ブロンズと胸像と」

GALLERY MoMo

東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F

5/3(土)~5/31(土)日月祝休 5/3開廊

12:00~19:00

村田朋泰080503.jpg

Tomoyasu Murata "With a Bronze and a Busts"

GALLERY MoMo

6-2-6-2F,Roppongi,Minato-ku,Tokyo

5/3(Sat)-5/31(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

12:00-19:00

Google Translate(to English)

全編を貫く「黒」が奏でる、交錯する時間性。

GALLERY MoMoでの村田朋泰さんの個展です。

いつものように、レトロ風味と未来的なイメージとが混ざりあったような独特な描き味のキャラクターがそれぞれの作品で登場し、ユニークでユーモラスな物語をつくり出しています。

・・・しかし、今回はその物語のなかの時間の流れが格段に複雑な時空の絡まりを思い起こさせるんです。

まず、入口に入る瞬間。

人影を見つけて

「あ、こんばん・・・」

と素で挨拶しかけたところで

人形かよ!Σ( ̄口 ̄;)

村田朋泰301

実物大かよ!Σ( ̄口 ̄;)

ていうか実物より大きい!Σ( ̄口 ̄;)

これ、2度目に伺ったときも、階段を昇っているときに「いるんだよな...」と意識してから入ったのにも関らず、やっぱり

あ、こんばん...ハッ!!!Σ( ̄口 ̄;)

とまたもや素で挨拶しようとしてしまった次第で。

この人形は平塚市美術館でも登場していたので、いったい何体あるのかと。

ずらっと並んだところを想像したらちょっとシュール、もとい、かなりシュール(汗)。

昨年の個展に続いて、今回もパステル調のコンテ作品が手前の壁に並び、やさしい静けさがおだやかに広がっています。

描かれる人々のやわらかい表情がぬくもりを醸し出して、気持ちよく心に満ちていきます。

村田朋泰302

で、今回はいままで以上にペインティングを中心に据えた構成。

ほぼすべての作品の背景が黒で、これまでの村田さんのペインティングの「日常のなかの不思議」的な世界から一気に飛んで、「『壮大な』日常のなかの不思議」といった感触の作品が並びますってこの表現で伝わらなかったらごめんなさいごめんなさい。

おなじみのへんてこな植物の巨大オブジェ(こんなに大きな設定だったのか!Σ( ̄口 ̄;))と隣り合わせで展示されている大きな作品。

キッチュな縮尺感がユニークな奥行きと空間性を生み出しています。

村田朋泰305 村田朋泰304 村田朋泰306

村田朋泰303

そして、暗めの照明のなかにずらりと展示されたペインティング群。

ひとつひとつを眺めていって、そこに登場するキャラクターたちをヒントに関係性を考えながら繋げていくのがとにかく面白くて刺激的です。

村田朋泰315

一見して桃屋「ごはんですよ」のCMのキャラクターを数割増しでかっこよくしたような肖像、その肖像の男が違う画面でブロンズ像になっていたり。

村田朋泰307

村田朋泰309

また、ある作品ではウィッグみたいに頭部から離れているような感じで登場している髪が、別の画面で西洋的な衣装に身を纏うある女のものであると分かったり。

村田朋泰313 村田朋泰308

村田朋泰312

この宇宙服を着た人がもしかしたら例のイケメン桃屋という設定かも、と思い浮かべたり、他にもさまざまなキャラクターやアイテムが画面を出たり入ったりしながら、さらに「ココは何所?」的ないろんなシチュエーションで繰り広げられていて、多数展示されている作品にひとつひとつ目を向けながら、その順番を頭の中で組み換えていって、勝手に自分のストーリーをつくり出すことを惹起するような感触です。

村田朋泰311 村田朋泰310

村田朋泰314

昔思い描いた宇宙の壮大さ、時間を経るにつれてより宇宙へのイメージが具体的になってしまったおかげで想像の部分が相当に修正されていったのですが、今回の村田さんの作品群を眺めていると、修正前のイメージに、むしろその想像をより具体化、具現化していくような印象を受けます。

そしてそこには、言うまでもなくこれまで村田さんが紡ぎ出していったクリエイティビティがしっかりと入っていて、あの独特な未来レトロ風味も随所に織り込まれているように感じられるのもなんとも嬉しい限りです。

ここから始まっていく物語も、そこに例のイカやさかだちくんが絡んでいくかも知れないと考えたりすると、さらに楽しみになってくるんです!

村田朋泰317

村田さんと言えば、その平塚市美術館の大規模な個展も実に楽しかったです。

村田朋泰 個展 “夢がしゃがんでいる”

平塚市美術館

神奈川県平塚市西八幡1-3-3

4/12(土)~5/25(日)月休(祝日の場合開館、翌日休。5/6開館)

9:30~17:00

村田朋泰080412.jpg

シチュエーション設定といい、動線の随所に投入されるたくさんの映像作品といい、村田さんのエンターテイナーっぷりが十二分に発揮された展覧会でした。

掴めそうで掴みきれないようなもどかしさがあって、それがまた味わい深いと言うか...。一昨年の原美術館での束芋さんの個展にも通じる、クリエイションの懐の深さを感じ取れるような印象を受けました。

機会があれば、旧家屋1軒をまるまる使った村田さんのインスタレーションを観てみたい気がします。

前月
2008年5月
次月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
幕内政治がお届けする今最も旬な現代アートイベント情報

writer name:幕内政治
birth:1971/6/17
mail:exchamber@yahoo.co.jp