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幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報
2008年6月アーカイブ

携帯電話の電源を切ったとき、絵画は雄弁に語りだす 小池真奈美 樫木知子 Firoz Mahamud
OTA FINE ARTS
東京都中央区勝どき2-8-19-4B
6/7(土)~7/12(土)日月祝休
11:00~19:00
Ota Fine Arts 080607.jpg

OTA FINE ARTS
2-8-19-4B,Kachidoki,Chuo-ku,Tokyo
6/7(Sat)-7/12(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
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OTA FINE ARTSでの、小沢剛さんのキュレーションにより3名のアーティストをフィーチャーした展覧会です。

3つのクリエイティビティが画面に映し出すアイデンティティが、その違いに留まらず、イメージされる風景としても実に奥行きを感じさてくれるコントラストを築き上げているように感じられます。


今回はじめて拝見する、バングラディシュ出身のアーティスト、Firoz Mahamudさん。
遠目でぱっと拝見したときは「手漉きの紙の切り絵かな」と一瞬錯覚するような味わい深い色使いと色面構成で、壁画を思わせるダイナミックな大作が並びます。


Firoz Mahamud 07

くっきりとしていながら一言で言い表せないひとつひとつの色の独特の色調は力強く重厚で、絵の具の乗る素材としての臨場感にも惹き付けられます。
自然の光景に直結しない深い色彩で描かれていながらも、そこに広がる世界からは独特の温かみが滲んで、同時におおらかな感触は大地のイメージを思い起こさせてくれます。
充分に大きな作品でありながら、思い浮かぶのはさらに雄大な光景、分厚い時間、歴史だったりするのも興味深いです。


Firoz Mahamud 06 Firoz Mahamud 04 Firoz Mahamud 05

Firoz Mahamud 03

メインスペースの入口付近に展示されている楕円状の半球体の作品もあり、独特の色使いと色面が生み出す工芸的なユニークさが引き出されているような。


Firoz Mahamud 02

Firoz Mahamud 01

昨年のギャラリーなつかでの二人展、先月大阪のMEMとCASOと続けて拝見する樫木知子さん。
乾いた薄いベージュ色が大きな画面に繊細に広がり、そこに儚げな色調で女性の姿や光景が描き込まれます。


樫木知子204

この乾いた色彩とマチエルから、風のイメージが思い浮かんできます。
ほのかに美人画を想像させる女性の独特の表情と仕草、佇まいは、その色調や儚げな線描と相まって何故だかレイドバックした時代性を醸し出しているような印象を受けます。
描かれている風景に登場するさまざまなものは現代的なのに、そういった昔のイメージが彷佛されるのがなんだか不思議で、その曖昧さに包まれるのがまた心地よかったりします。


樫木知子202 樫木知子203

樫木知子201

そして、おおきな画面での大胆な空間性も、あるインパクトを放ちます。
空虚ささえも思い起こさせてくれる奥行き感、そこにもたらされる淡々とした時間のイメージ。
すごく遠くの景色を眺めているかのような印象も浮かび、しかし、その空虚なところにぽつんと何かが描かれていたりするユーモアが、遠い時代と現代とを繋げてくれているような気もしてきます。


樫木知子206 樫木知子208 樫木知子207

樫木知子205

一転して、小池真奈美さんの作品からは、あたかもそこだけ湿度が増しているかのように、ウェットな臨場感が迫ります。


小池真奈美005

色彩のひとつひとつの瑞々しさ。
それらで描き出される女の子の鮮やかな着物の模様、黒髪の艶やかさ。
ほんのりと滲んだ風合いでていねいに、緻密に紡がれ、蜃気楼のように揺らめくようにそれぞれの場面が描き上げられていて、そのシーンのユーモラスさは妖しげな雰囲気へも転化しているように感じられるのも興味深いです。


小池真奈美002 小池真奈美003 小池真奈美004

小池真奈美001

一にもニにも、描かれる着物の女性の妖婉さに魅せられます。
くっきりとして落ち着きをももたらす空間性、ウェットなマチエルと滲むフォルムが、鮮やかな色彩にさらに艶やかさをもたらします。
樫木さんの乾いた雰囲気と対を成すことで、その独特の、ある温度も思い起こさせる瑞々しさの臨場感が際立って感じられます。


小池真奈美008 小池真奈美007 小池真奈美009

小池真奈美006

ここでフィーチャーされている3つのクリエイションを眺めていて、期せずして「土」「空気」「水」の3つの要素をそれぞれの作品から感じた次第です。
また、それぞれから思い起こさせてくれる時代性の差異もそれと同時に興味深く感じられます。

もっとも僕のなかに浮かんできたこのイメージが展示の主旨にどれだけ沿っているかは分からないのですが、こうやってひとつの企画にパッケージされることで、個々では思い浮かんでこないイメージがそれぞれの作品からより鮮やかな臨場感を伴って伝わってきたことも、たいへん興味深く感じられ、それぞれのクリエイションへの奥行きもぐんと深まった気がします。

おそらくほかにもいろんなイメージをもたらしてくれる展覧会だと思います。
空間のポテンシャルを活かし、それぞれが思い切りのいい大作を発表されていることも実に嬉しく感じられます。


小池真奈美010

山口智子 個展 "ききょう"
LA GALERIE DES NAKAMURA
東京都新宿区早稲田鶴巻町574 富陽ビル
6/13(金)~7/6(日)木休
12:00~19:00
山口智子080613.jpg

Tomoko Yamaguchi exhibition "kikyo"
LA GALERIE DES NAKAMURA
574,Waseda-tsurumaki-cho,Shinjuku-ku,Tokyo
6/13(Fri)-7/6(Sun) closed on Wednesday
12:00-19:00
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現実と幻想をゆるやかに行き交う...つなぎ合わせていく...

LA GALERIE DES NAKAMURAでの山口智子さんの個展です。

1階と2階のふたつの広い空間に小さなものを中心にさまざまなサイズの作品とインスタレーションが配されて、山口さんらしい、ビターな甘さを連想させるような、ほのかにメロウでセンチメンタルな雰囲気が緩やかに漂います。

山口智子002

山口智子001

それぞれの壁にさまざまなかたちで作品が掛けられて、その空間の表情が豊かに、そして同時にメランコリックに彩られている、そういう印象が伝わります。
絵の具を筆でキャンバスに擦り付けるような感じで、薄くさらさらと塗られて描かれた作品群。そこに生み出されている透明感を滲ませるグラデーションが、絵の中の世界を現実から遠ざけて、懐かしいようなイメージへと誘ってくれます。
追いかけても追いかけても消えゆくような儚さ、立ち止まるとやさしく包んでくれる淋しさ、そういった、言葉にしようとすればするほどに曖昧さが際立ってしまうような印象が心によぎります。


山口智子008

絵の中に登場する女の子たちは、一様に不思議な表情や仕草、佇まいをたたえています。
シチュエーションも、そこに描かれるアイテムの組み合わせも、なんだかシュール。
潤んだ瞳と意味不明さとが相まって、その絵の中の世界に、そこにいる女の子が醸し出す雰囲気に引き寄せられていくような感じです。
「いったい何を考えているんだろう...」と思う一方で、そこに実は答えを求めてはいなくて、そういう曖昧な感触に浸るのが心地よいのかな、とも思ったりします。


山口智子003 山口智子006

山口智子007

山口さんの作品は、今回も昨年のギャラリー小柳での二人展で発表されたときと同様に、側面も彩色されています。
今回の空間は、鉄筋の凹凸をそのままに白く塗られた壁面や柱、窓からも通りを走る車や買い物をする人など普段の光景が目に飛び込んできたり、などなど、展示空間として、より身近で日常に近い雰囲気が満ちているのですが、その臨場感と絵の中の世界とを隔て、同時につなげるリボンのようなイメージが浮かんできます。

そのほんの数センチ、数ミリの僅かな幅の色が、絵画の「もの」としての存在を際立たせるだけに留まらず、そこに描かれた場面を、「ここから違う世界なんですよ」というふうに「とくべつなもの」へと押し上げているような感じで、そんなイメージがさらにこの空間を独特な、特別なものにしているような。。。


そんな絵の中の「違うどこかの世界」が、インスタレーションによって空間に現れているようなところもあって、この存在が山口さんが描く世界と普段の時間とをキャンバスの側面のリボンとは違うかたちで繋げているような印象も受けます。


山口智子005

今回の個展と合わせて、山口さんの画集もリリースされています。
爽やかでかわいらしくて、ちょっと気恥ずかしいような感じも伝わるような。
メランコリックでかわいらしいシュールさを秘めたいろんなシーンがページを捲るごとに現れます。


山口智子009

どこか淋しげな雰囲気がやさしく漂う空間。
広がる朧げでなんとなく遠いような風合いが、山口さんが紡ぐ世界に臨場感をもたらしているように感じられ、そこから得るイメージに深みをもたらしてくれているように感じられます。

そのイメージは、観る人の数だけ、きっとあるだろうな、と。
静かに、そこから得られるイメージに心を委ねて、緩やかに流れる時間に浸りたい展覧会です。


山口智子004

山本太郎展 風刺花伝
新宿高島屋10階美術画廊
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2
6/18(水)~7/1(火)
10:00~20:00(金土:~20:30)
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Taro Yamamoto exhibition "Fushi-kaden"
Shinjuku TAKASHIMAYA 10F Art Gallery
5-24-2,Sendagaya,Shibuya-ku,Tokyo
6/18(Wed)-7/1(Tue)
10:00-20:00(Friday and Saturday:-20:30,last day:-16:00)
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日本画とコンテンポラリーアート、この両方の面白さを放つ「ニッポン画」でおなじみの山本太郎さんの、新宿高島屋10階美術画廊での個展です。

まず正面の柱に展示された桜とジェット機がお出迎え。めくるめく「ニッポン画」の世界へと誘ってくれます。


山本太郎001

画廊内をパーテーションで区切り、その手前のスペースでは額装された作品が並びます。

キラーチューンならぬキラーモチーフの炸裂。
コーラの缶から溢れる赤い流線、ガードレール、こんもりと盛り上がる山を水平に横切る舗装道路などが、いわゆる日本画的なモチーフと同居し、キッチュなコントラストを奏でます。
普段過ごす日々の視点では缶やガードレールなどのモチーフが身近なはずなのに、「絵画」のなかではそういったものが描かれていることに違和感を感じ、むしろ桜や梅の美しく描かれた姿のほうが身近に感じられるのが興味深いです。


山本太郎006 山本太郎003 山本太郎002

山本太郎004

昨年のVOCA展で放たれたスマッシュヒット、誘導ブロックの作品も。
独特の臨場感にコミカルさを感じつつも、おそらく普段接している、日常当たり前に目にしているはずのこういう景観へのさまざまな思いも過ります。


山本太郎005

1点、軸装の作品も。
縦の動線の見事さ、松の緑と缶から流れる線の赤、そして雲のように湧く箔の金の色彩の調和とモチーフ同士が醸し出すユーモラスなコントラストがいろんな面白さ、味わいを放ちます。


山本太郎007

奥のスペースには、屏風の大作が飾られ、ダイナミックな空間が演出されています。
今回に限ったことではないものの、暗めの照明設定と黒光りする床により、山本さんの作品に多用される箔がいつになく全面に押し出されているように感じられ、その輝きが鋭く、おおらかに空間を彩ります。


山本太郎011

屏風の大きな画面では、そこに描かれるストーリーにもよりダイナミックな展開が持ち込まれているような印象を強く感じ、さらにそこに今回の展示のタイトルにもある「風刺」の視点も伝わってくるような気がします。


山本太郎009 山本太郎010

山本太郎008

廃れたビニールテントの中で禅を組む僧侶。
そこに生えるセイタカアワダチソウ。
繁殖力の強い印象があるこの黄色い花は青のビニールシートに映え、棄てられたような傘や布切れを従え、細身ながらも力強い生命力を見せつけているように思えます。その奥で簾から姿を覗かせる僧侶の存在に何故か哀れみを感じてしまうのもなんだか不思議です。


山本太郎015 山本太郎014 山本太郎013

山本太郎012

山本さんの作品を拝見する度に感じるのは、描くこと、表現することに対する真面目な姿勢です。

例えば貼られる箔のていねいさ、桜や梅や松などのモチーフの日本画としての個性などが、自らの作品を日本画と呼ばずに敢えて「ニッポン画」と呼ぶことに説得力をもたらしているように感じられます。無論、絵の精度として他のモチーフもていねいに描き上げられることは言うまでもなく、さらに、モチーフ同士の組み合わせや空間性についても、しっかりと考え抜かれているような印象を受け、それが確固たるオリジナリティを作り上げているように感じます。

これからも、どんな組み合わせで僕らを笑わせ、考えさせてくれるか、その展開が興味津々です。

佐藤栄輔展「アイスクリームをのみこむ」
GALLERY MoMo
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F
6/7(土)~7/5(土)日月祝休
12:00~19:00
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Eisuke Sato "I Swallow My Ice Cream"
GALLERY MoMo
6-2-6-2F,Roppongi,Minato-ku,Tokyo
6/7(Sat)-7/5(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
12:00-19:00
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洗練された筆致で現される狂気。

2年ぶりの、GALLERY MoMoでの佐藤栄輔さんの個展です。
前回の個展ではどこか遠くへと視線を送るような達観した雰囲気が印象に残っているのですが、今回はひとつの画面にさまざまな情報を詰め込まれてぐんとアグレッシブに展開され、マッドな痛快さが堪らない作品が多く出品されています。


佐藤栄輔007

ヴィヴィッドな色の重なりが、より騒然としたシチュエーションを現し、ダイナミックな動きのイメージももたらしてくれます。
どの箇所をピックアップしても、そのひとつひとつの筆致が実に正確でフラットに仕上げられ、絵の具の素材としての迫力にほぼ一切の力を借りることなく、「何を描くか」という1点において徹底して突き詰められた狂気、という感触が鮮烈に貫かれているような印象です。


佐藤栄輔005 佐藤栄輔002 佐藤栄輔003 佐藤栄輔004

佐藤栄輔001

独創的な人物像も強烈なインパクトを持ち合わせています。
つるりとした色面のエッジの美しい曲線のフォルム、そこに配される顔のパーツの潰れたような鋭く鈍く、サディスティックな感触。
特に目のかたちは印象的で、さまざまな状況においても沈むような醒めた感覚が伝わり、その冷徹な重厚さが独特の雰囲気を漂わせています。


佐藤栄輔010 佐藤栄輔011

佐藤栄輔009

小品群も当然小粒ながらも、そこに向かう引力があるかのような力強い存在感をそれぞれの画面が発しているように感じられます。
小さな画面だからこそ、肖像の存在にスポットを当てるような構図で、ある意味大作群よりも大胆なアバンギャルドさ、ときにユーモラスでもあったりして、より具体的なイメージをもたらしてくれるようなインパクトを内包しているように思えます。


佐藤栄輔012 佐藤栄輔013 佐藤栄輔006

佐藤栄輔014

構図といい描写力といい、実に巧みで、描かれた世界のシュールさは格別の面白さです。
描かれている非現実的な場面は、それを佐藤さんの脳内でイメージされたものとの乖離は小さいような気さえします。
それぞれの作品は背景などからは一見して関連がなさそうにも思えるほどにバリエーションに富んでいるのですが、それでもひとつの物語の上に存在している、そう感じさせてくれる説得力があるように感じられます。

この2年で「静」から「動」へと変化した感もある佐藤さんのクリエイション、今後どんな景色を見せてくれるか、次の展開も待ち遠しく感じられます。


佐藤栄輔008

《6/18》
山本太郎展 風刺花伝
新宿高島屋10階美術画廊
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2
6/18(水)~7/1(火)
10:00~20:00(金土:~20:30)
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山本太郎さんが描く「ニッポン画」、やっぱり楽しいです。
今回の個展では、全体的に暗めの照明設定が合う新宿高島屋10階美術画廊ということもあり、画面を覆う箔の輝きが今まで以上に冴えを増し、そこに昔から連綿と続く桜や富士山などの「いかにも」といったモチーフと、身近で現代的、現在的なアイコンとがひとつの画面に共存して、ふたつの「和」の響きが不思議な世界を構築しています。
手前の額装の作品、奥の屏風の大作群と、それぞれの空間にユーモアと艶やかさが満ちています。

吉田茂規 IDENTICAL LIGHT
東京画廊
東京都中央区銀座8-10-5-7F
6/18(水)~7/12(土)日月祝休
11:00~19:00(土:~17:00)
吉田茂規080618.jpg

モノクロームで切り取られるさまざまな風景。
ケレン味のなさ、切り取る風景に求められたディテールの実にセンシティブな質感など、動かない時間が淡々と提示されるようなシーンの連続。
人口建造物の内装なども多くの作品に登場し、そこに存在する幾何学的なフォルムの美しさがシャープな陰影で際立ち、フューチャリスティックな静謐を発しているように感じられます。

《6/19》
NEXT DOOR vol.6 佐藤修康 佐賀永康 大久保具視 小西美紀子
T&G ARTS
東京都港区六本木5-9-20
6/19(木)~7/17(木)日月祝休
11:00~19:00
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今年最初のNEXT DOOR。
今回はヴィヴィッドな色彩感でアバンギャルドな毒気を表現したような力強い存在感を放つクリエイションが揃っているような印象を受けました。
1階の佐藤修康さんの作品の、大きな画面に焦燥をそのままぶつけたようなダイナミックな配色、さまざまな素材のかたちなども活かし、平面の中に立体的な表現もケレン味なく繰り出す大久保具視さん、2階での小西美紀子さんの敢えてそこを取り上げるか、というサディスティックさとナイーブさとを発しているような写真群と映像、壁全面を顔の絵で覆い尽くした佐賀永康さんの圧巻のインスタレーション、それぞれさまざまな温度のイメージを提示しているかのような印象も興味深いです。

《6/21》
MUGA MIYAHARA EXHIBITION
EMON PHOTO GALLERY
東京都港区南麻布5-11-12 TOGO Bldg.,B1
6/17(火)~7/12(土)日祝休
11:00~19:00(土:~18:00)
宮原夢画080617.jpg

広尾の瀟洒な雰囲気が広がる裏通りにあるEMON PHOTO GALLERYでの宮原夢画さんの個展です。

ふたつのコンセプチュアルなシリーズの写真作品が空間を隔てて展示されています。

「TOKONOMA」、心の動きなどをさまざまなモノを使って床の間の狭い空間で表現したインスタレーションをモノクロームで撮影したシリーズ。タイトルが現す感情と、それを表現した床の間の光景。イメージの一致を探る面白さ。
もう1方の「Nulla nasce dal nulla」は、ひとつのストーリーが紡ぎ上げられています。展開も、ひとつひとつの場面もシュールで、展示されている作品を続けて拝見して1本の実験的なショートムービーを観終わったかのような、なんともいえない不思議な達成感が心に広がります。

中川トラヲ「おとなう」
児玉画廊|東京
東京都港区白金3-1-15-1F
6/21(土)~7/26(土)日月祝休
11:00~19:00
中川トラヲ080621.jpg

確固とした捉えどころがない不思議な縮尺感の抽象的な景色に薄い色彩が重なり、もりもりとした奥行きと、それを平面的な空間に押し込めたような感じの同居が独特のユーモラスなユニークさを生み出しているような印象を覚えます。
薄い白のオーバーダブが施されない作品もあり、それらのくっきりとした色彩の臨場感が、薄い白が被さる作品の平面的な感触により臨場感をもたらしているように感じられます。

肥沼義幸 untitle
GALLERY TERRA TOKYO
東京都港区麻布台2-3-5 NOAビル1F
6/21(土)~7/19(土)日祝休
10:00~19:00
肥沼義幸080621.jpg

青を基調としていながらも実に重々しい印象の色調と筆致で描かれた、現実感と幽玄な雰囲気とが混ざりあった場面が独特の臨場感で描き上げられています。
てらてらと照明の光りを反射する油絵の具の質感のインパクトや、一見荒々しく思えてその実緻密な筆遣いも随所に垣間見られます。

高山恒展 [鬱景]
exhibit Live & Moris
東京都中央区銀座8-10-7 東成ビルB2
6/16(月)~6/21(土)
12:00~19:30(最終日:~17:30)
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Art Complex Centerでの個展が印象に残っている高山恒さん。
前回は生殖器や原子爆弾などの生々しいモチーフを緻密な鉛筆画で描き切ることのインパクトが衝撃的だったのですが、今回の個展では風景を取り入れ、実に深遠な世界が相変わらずの隙のない鉛筆画で表現されていました。


高山恒002 高山恒003 高山恒004

高山恒001

絶妙な濃淡により、細部まで徹底して精緻に描かれる、荒廃したような世紀末的な世界。
小さく描かれる人影が、この世界の空間的、印象的な奥行きをより深くへと押し拡げているような印象を受けます。
またすぐに再びArt Complex Centerでの個展が開催され、そのときはまた以前の作風に一旦戻られるようなのですが、こちらの展開もぜひ続けて、更に深遠な世界を描き上げてほしいような気がします。


高山恒008 高山恒007 高山恒006

高山恒005

松本三和「昼」
Gallery FURUYA
東京都中央区銀座2-11-18 銀座小林ビル1F
6/16(月)~7/5(土)日休
11:00~19:00
松本三和080616.jpg

少し前から「キャンバスで『書』のような作品があったら面白いのでは」と想像していたのですが、それをある視点において具現化してくれている、松本三和さんのGallery FURUYAでの個展です。

下地として白く仕立てられたキャンバスに黒のオイルバーを用い、ドメスティックな雰囲気を漂わせるユニークな空間が表現されています。


松本三和03 松本三和02

松本三和01

太い線のうねりは実にユーモラスです。
ある風景を究極的にデフォルメしたような感触がまたおかしみを誘います。
描かれる景色は文字ではないので「書」ではないのですが、このおおらかな空間性と背景と線とのシンプルな色調などに、このスタイルの可能性を感じます。


松本三和06 松本三和04 松本三和05

松本三和07

佐藤岐夜美『幻覚材料、幻覚作業、そして幻想』
フタバ画廊
東京都中央区銀座1-5-6 福神ビルB1F
6/16(月)~6/22(日)
11:00~19:00(最終日:~16:00)
佐藤岐夜美080616.jpg

昨年のシェル美術賞でも印象に残った佐藤岐夜美さん。
コラージュの展開がたいへんシャープで、大きな画面に描かれる女性の纏う衣装の柄が知性とリアルな風合いとを伴って描き上げられていました。
女性の姿や表情を描く線描のていねいさも印象に残ります。
今回展示されていた中では、展示スペースの入口すぐに展示されていたモノクロームの作品、さまざまな素材を緻密に取り込んだ肖像画がもっとも印象的でした。

TARO NASU "Opening Exhibition I"
TARO NASU
東京都千代田区東神田1-2-11
6/21(土)~7/12(土)日月祝休
11:00~19:00

FOIL GALLERYが入っているビルなので、こちらには何度も伺っていたものの、いったい何所が新しいTARO NASUなんだろう、と思っていたら...

地下だったのか!Σ( ̄口 ̄;)

またすごく面白い空間が出現、今後の展開もますます楽しみです!

中山玲佳展[yume-utsutsu]
mori yu gallery
東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第3ビル4F
6/21(土)~7/19(土)日月祝休
11:00~19:00
中山玲佳080621.jpg

この統一感のなさはむしろ痛快!
動物のリアルな仕草を捉えたダイナミックな臨場感の作品があるかと思えば、いたずら心にも似たやんちゃなシーンのものもあったりと、ひとりのアーティストがひとつの個展に出品するには幅広すぎ!
しかし、その迷いのない感触や、それぞれの作品が放つ力強さは大きな魅力に感じられます。

風能奈々、渡辺豊
TKG Contemporary
東京都江東区清澄1-3-2-6F
6/21(土)~7/12(土)日月祝休
12:00~19:00
風能奈々 渡辺豊080621.jpg

たいへん感慨深いです。
渡辺豊さん、もうずいぶん前に上野にあったGallery J2での個展を拝見していて、あのときの正直な印象としてまだ何を描くか定まっていない「迷い」が感じられた方が、こうやって今ここでフィーチャーされていることが心から嬉しく感じられます。
渡辺さんの作品は、少し前に東京大丸で開催されたTOKYO EYESのときのスタイル、それが大きな画面に描かれて、さらにユニークな世界を構築しているように感じられます。

今年のART AWARD TOKYOでも紹介されていた風能奈々さん。白の奥にわずかにそのフォルムを滲ませる花の線画で、軽やかさと儚げな風合いとがやわらかく広がります。

《6/22》
モバイルアートへ行ってきました。
いろんな方がおっしゃるようにアッという間の1時間弱で、ホントに楽しかったのですが、至れり尽せりの構成でこんなに「楽」に、自ら考え、そこから何を感じたか自答していくことなくコンテンポラリーアートに接してしまってよかったのかな、とも、ちょっと思っています。

コンテンポラリーアートをレコメンドした企画では圧倒的に白眉、珠玉。
でも、それはそれ、これはこれ、と。

写真は、翌23日、雨上がりの夜のパビリオン。


モバイルアート

屋上庭園
東京都現代美術館
東京都江東区三好4-1-1
4/29(火)~7/6(日)月休(5/5開館)
10:00~18:00
屋上庭園080429.jpg

大きな画面に視線を彷徨わせ、その瞬間ごとに発見をもたらし続けてくれる内海聖史さんの大作。
濃淡の緑のドットが生み出すダイナミックな奥行きに呑み込まれそうな錯覚を覚えつつ、まさに身体で感じる絵画といった趣で、作品に会えたことの嬉しさが身体中に満ちていきます。

三千世界、三たび登場の展示室も圧巻です。
ぐんと見上げるようにして、ずっと上にぱちぱちと弾けるさまざまな色彩のドットに、いろんなイメージが脳裏を駆け巡っていきます。

そして、これは展示が始まる前に内海さんにお目にかかった際に伺ったのですが...
続く須田悦弘さんの作品の展示室へと歩みを進め、そこで振り返ったときに迫る三千世界の光景は、その刹那「うわぁっ!」と思ってしまうほどの迫力です。

トーキョーワンダーウォール公募2008作品展
東京都現代美術館
東京都江東区三好4-1-1
6/14(土)~7/6(日)月休
10:00~18:00
TWW2008.jpg

シェル美術賞と比較して、トーキョーワンダーウォールは立体的なマチエルの作品が多いと感じていたのですが、確か昨年から立体・インスタレーションの作品もOKになったからか、「どう描くか」より「何を描くか」に焦点が当てられ、そこにユニークさを感じさせてくれる平面作品がより多く展示されているような印象を受けます。

今回おそらく初めて拝見する印象に残ったアーティスト、まず国本泰英さん。
薄いベージュの色彩を背景に、水泳帽を冠った子供達の集団のシルエットが描かれています。懐かしいシチュエーションなのに、シルエットのグラデーション緻密な精度が未来的なイメージをもたらしてくれます。

エースナカジマさん。
カオスかよ!Σ( ̄口 ̄;)
矢印の方に行くとカオスかよ!Σ( ̄口 ̄;)
美術館に展示されているからなんとか理性を保って接することができているけど、普通に道路にあったら指さしてヒーヒー泣くと思います。

佐藤亮太さんの3点組のペインティングは、表面に描かれた緻密な紋は未来的で、同時にベージュのキャンバスの側面に垂れる白い絵の具のアバンギャルドな感触を放ちます。秩序と無秩序との同居がスリリングで深遠です。

ましもゆきさんのインクの細描画は一瞬でこの緻密な世界に引き込まれます。
おおらかに佇む孔雀、緻密な紋様を纏い、凛として静かにその存在をアピールしています。そのまわりを華々しくもさり気なく彩る花も実にていねいに再現されています。
秋にオペラシティのコリドールで展示があるようで、楽しみです。

また、既知のアーティストの作品も多く出品されていています。

柳ヨシカズさんのポップなシンメトリー、以前の画面の激しい立体感が影を潜め、鮮やかなピンクでスピード感溢れる抽象の世界を展開する工藤雅敏さん、固まった油絵の具を重ねる独自の手法の可能性がどんどん突き詰められていく杉田陽平さんの力強いうねりを持つ風景、黒い色調を大胆に取り入れ、ステージに佇む道化師の孤独を表現したようなMASAKOさんのペインティング、危うさ、アバンギャルドな雰囲気が充満する坂口竜太さんのトワイライトゾーン、クレメントサロンでの個展が圧巻だった木原智代さんの、プラモデルのランナーを抽象的に編むように組み上げたインスタレーション的な作品、ほんのりとしていながら深みを持つ独特な赤を用い、緻密な描写力でシュールで深いファンタジーを表現する北川瑶子さん、他にも榊貴美さんや吉田和夏さんなど、続けて観ていきたいアーティストの作品も多数拝見できて嬉しい限りです。

《6/23》
D-party展 A 加藤由美 川勝綾 堀恵子 三島祥
77 gallery
東京都中央区銀座7-5-4 毛利ビル5F
6/23(月)~6/28(土)
11:00~19:00(土:~17:00)
D-party080623.jpg

4週に渡り、芸大デザイン科出身、あるいは現在在籍するアーティストを紹介していく企画です。

今回久々に拝見した加藤由美さんが面白い!
配色の鮮やかさ、モチーフのくっきりとしたフォルムなど、描写の精度の高さもさることながら、どこか甘い毒気を含んだようなスリリングな感触があって、今後もさらに楽しみです。

ぎゃらりぃ朋での個展も直近に控える堀恵子さんの穏やかでほっこりとした味わいがいい感じの肖像画、ドットなどを取り入れて緻密に展開する川勝綾さん、銀の箔を酸化させて独特の深みを出す三島祥さん、それぞれにユニークな個性を発しています。

田村香織 夢の浄化装置
@Gallery銀座フォレスト
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル507
6/23(月)~6/28(土)
12:30~19:00(最終日:~17:30)
田村香織080623.jpg

つい先日、ギャラリー坂巻での個展を終えたばかりの田村香織さんの、今度は個展です。
小さなスペースに、あの細密なスクラッチが施されたメルヘンチックな緑の世界が所狭しと展示されています。
窮屈な空間が、作品の密度の臨場感を盛り立てているようにも感じられます。


田村香織102 田村香織103

田村香織101

よくよく眺めてみると、一度スクラッチされたところに絵の具が塗布され、スクラッチ痕とはまた異なる緻密さが生み出されています。
また、以前に制作されたというシルバーの作品も見応え充分です。


田村香織105

田村香織104


内山聡「おくの手」
ギャラリー現
東京都中央区銀座1-10-19 銀座一ビル3F
6/23(月)~6/28(土)
11:30~19:00(最終日:~17:30)
内山聡080623.jpg

Gallery Stump Kamakuraのメンバー、内山聡さんの個展です。
紙で鉛筆の削りカスやらカッターの刃やらを作ってプチ度胆を抜いた内山さん、今回も「ドーセクダラナインダロー」と高を括っていたのですが...

内山聡001

内山聡003

クダラナーイ!!!(≧∇≦)ノ゛
ヤッパリクダラナーイ!!!(≧∇≦)ノ゛

何かと。
何なのかと。

紙が貼ってあるミラーボールて既にミラーじゃないんですけど、まあそういうものだったり。
これがまたけっこうな出来だったりするものだから(笑)。

カラフルなビニールで空間に書かれた文字はクールです。

そして...


内山聡002


いいのか?!Σ( ̄口 ̄;)
ホントにいいのか?!Σ( ̄口 ̄;)

これは笑えます。
DVDプレーヤーでマトリーショカになってます。

屋宜久美子展
アートスペース羅針盤
東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル2F
6/23(月)~6/28(土)
11:00~19:00(最終日:~17:00)
屋宜久美子080623.jpg

昨年はアクリルのカバーに施される透明なテクスチャーがその向こうの画面に影を映し出し奥ゆかしい深遠さが印象的だった屋宜久美子さん。
少し前にフタバ画廊でも個展を開催されていましたが、今回はそのときよりさらに、伝えたいイメージと伝えているものとの距離が縮まったような印象です。


屋宜久美子101

正面の壁に大きな画面が4点、その両隣りの壁には小品が4点と、シンプルな構成ながらもそれらがしっかりと空間に作用して、静かな深みを醸し出しています。
アクリルを用いずに層のイメージを創出するというコンセプト、暗めの照明などが作品から空間に広がっていく曖昧な雰囲気に臨場感をもたらしているように感じられます。

パネルの側面が絶妙な色彩で彩色されることで画面が浮かんで見えるような効果を生み出しているのも興味深いです。


屋宜久美子102

山本豊子 個展 ‐宇宙時代の独身主義、さえも‐
art gallery closet
東京都港区西麻布2-11-10 霞町ビル3F
6/23(月)~7/12(土)水休・日要予約
12:00~18:30(土祝:11:00~)
山元豊子080623.jpg

まずタイトルにやられます。
伺うとそうでもないとのことなのですが、やはりデュシャンの亡霊というか、そういう先入観をがっちりと持って拝見。
独特のメッセージ性、知性を刺激するようなアカデミックな雰囲気がそれぞれの作品から静かに放たれテいるような感触が印象的です。


山本豊子01 山本豊子02

山本豊子03


ちなみにタイトルはご本人が付けたのではないのだそう。
言葉が加えられることで、さらにひとつフィルターがかけられて、それが想像の源泉にも刺激にもなっているように思えます。


山本豊子04


深い謎めきが不思議な味わいを醸し出し、ユニークに感じられる展覧会です。

《6/24》
小池一馬+冨田結+西成田洋子 生まれ出る形と繋がり
clementsalon*workshop
東京都港区南青山4-26-16-B1
6/25(水)~7/21(月)火休
11:00~20:00
生まれ出る080625.jpg

3名のアーティストをパッケージした展覧会、フライングで設営中にお邪魔してきたのですが、これがすごく面白い!
まず、小池一馬さんの合板の木彫作品とインクによるドローイングがとにかくかっこいいんです。
冨田結さんの木版の肖像が放つ朴訥として重厚な存在感、西成田洋子さんの蠢くようなテクスチャーのオブジェと、見応えのあるクリエイションがパッケージされています。

TWS-Emerging098 シムラユウスケ「WITCH」
トーキョーワンダーサイト本郷
東京都文京区本郷2-4-16-2F
6/7(土)~6/29(日)月休(月曜日が祝日の場合開廊、翌日休)
11:00~19:00
シムラユウスケ080607.jpg

TWS-Emerging098 Yusuke Shimura "WITCH"
TOKYO WONDER SITE Hongo
2-4-16-3F,Hongo,Bunkyo-ku,Tokyo
6/7(Sat)-6/29(Sun) closed on Monday (If Monday is a national holiday,the following day will be closed instead.)
11:00-19:00
Google Translate(to English)


静止画だけで綴られている、深みを滲ませる時間。

トーキョーワンダーサイト本郷でのシムラユウスケさんの個展です。
シムラさんの作品はこれまでも拝見する機会を得ていたのですが、僕の記憶では個展で拝見するのは今回が初めて。
自身が過ごす「ある時間」の一連の景色を計算された構図にしたがってカメラに捕らえながらおよそ1本のフィルムに収め、そのなかから抜き出された場面をひとつの動線に沿って展示、展開することで、本来そこに流れたであろう時間とは異なる長さの時間を提示する...そういうユニークな構成に毎度感嘆させられているのですが、今回はそのストーリー性がさらに鮮烈かつ静謐に押し出され、淡々としていながらも登場する人物に流れる空気によりリアルな臨場感がもたらされているように思えます。


シムラユウスケ005

登場するのはひとりの老婆。ニューヨークの街角。
そこに流れた「ある時間」。
両手に抱えられる本、黒と白の袋など、脈絡を考えると頭の中がこんがらがるような取り合わせといい、履く靴のサイズといい、老婆を彩るアイテムは謎めきをいっそう深めます。


シムラユウスケ004

その表情は、どれも大きな変化が感じられず、実に単調です。
展示されている写真をよく観てみると、実はずっと同じ場所にいる老婆。
展示された写真がおさめるシーンは、一応の動線は構築されているものの、どこが始まりなのかが曖昧なまま。
僅かに陽の傾きが時間の経過を思わせてくれますが、いずれにしても、写真のシーンと展示共から々、さまざまな要素が絡んで生み出されるミステリアスな雰囲気が現れ、それが展示空間にひとつの筋を貫いているように感じられます。


シムラユウスケ003

暗い空間で、トリミングされた照明を当てられた写真は、まるでその光景をライブで観ているような臨場感を放っています。
さまざまなサイズの写真がケレン味なく並べて展示されていることが、重厚な風合いすら漂わせているようにも思えてきます。


シムラユウスケ002

僕の想像では、ここに提示された時間は1時間くらいかな、という感じなのですが、シムラさんに実際にかかった時間を伺って、そのギャップに驚かされた次第で。
ここに展示されたおよそ十数点の「瞬間」。その作品同士の隙き間にいかに自分で時間の長さを独自にイメージしていたかを実感し、そこに改めて面白さを感じました。

シムラさんのイメージでは「ニューヨークの街角に降り立った魔女」という設定だそうで、あたかも演じているかに思えるこの老婆も偶然出会った、もとい見かけたとのこと。
その場所に流れていた無意識的な時間が再構築され、見る人の数だけ、新たなストーリーへ昇華していくことに大きな興味も感じます。


シムラユウスケ001

TWS-Emerging097 安田悠「空想されたトキ」
トーキョーワンダーサイト本郷
東京都文京区本郷2-4-16-2F
6/7(土)~6/29(日)月休(月曜日が祝日の場合開廊、翌日休)
11:00~19:00
安田悠080607.jpg

TWS-Emerging097 Yu Yasuda "Fantasized Time"
TOKYO WONDER SITE Hongo
2-4-16-2FHongo,Bunkyo-ku,Tokyo
6/7(Sat)-6/29(Sun) closed on Monday (If Monday is a national holiday,the following day will be closed instead.)
11:00-19:00
Google Translate(to English)

重なる緻密。さらに壮大な時のイメージへ。

トーキョーワンダーサイト本郷での安田悠さんの個展です。
展示空間に踏み込んだ瞬間、視界が安田さんが紡ぎ上げた景色を捉えた瞬間に、そこから発せられる空気に肌が反応するような錯覚を覚えるほどの臨場感。

蜃気楼を思わせる、そこに描かれるさまざまなフォルムの揺らめき。
先にVOCA展にて発表された作品の傾向を引き継ぐように、大きな画面で「引き」のシーンを描くことでスケール感がぐんと増しているように感じられます。緻密に紡ぎ上げられる曖昧さが、その世界をより遠くに感じさせ、その風景までの感覚的な距離がより近くなったような感触がよりリアルな臨場感をもたらしてイル用にも思えます。


安田悠103 安田悠102 安田悠105 安田悠104

安田悠101

あまり例えは良くないかも知れないのですが、伸びる菌糸を連想させる人々の姿も、ここで繰り広げられる物語の個性をより際立たせてくれています。
その人々の何気ない佇まいや仕草が立ちのぼらせる雰囲気が、時間の流れさえも揺らめかせているように感じられ、イメージにさらなる膨らみをもたらしてくれます。


安田悠109 安田悠110 安田悠111

安田悠108

繰り出される色彩も実にバリエーリョンに富み、ある統一感をキープしながらも豊かなイメージの源泉のひとつになり得ているように思えます。
曖昧に淀む色の重なりと特徴的なダークな色彩感とが、光景がゆらゆらと滲むような印象を抱かせてくれます。


安田悠113 安田悠112

安田悠107

安田さんの作品の多くに水がある風景が登場するという印象を持っているのですが、キャンバスに描かれるモチーフとともに、滲む色彩が醸し出す曖昧さもその一助となっている気がします。


安田悠114

安田悠115

TWS本郷ではおなじみとなっている暗めの照明も活き、さらにダークな雰囲気が演出され、よりリアルな臨場感をもたらしています。

色調、筆致など、さまざまな要素で独特な風合いを持つ安田さんの世界。
キャンバスの向こうへと広がっている「虚」の世界、独特の温度感を奏でるメルティングゾーンとでも表現したくなってきます。
さまざまな要素が絡み合って作られるこの緩やかさを、実際に作品をご覧になることで油絵の具の質感などとともにじっくりと味わってほしいです。


安田悠106

Lantschaft IV 内海聖史 桑島秀樹 山本基 水野シゲユキ
ラディウム-レントゲンヴェルケ
東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17
6/6(金)~6/28(土)日月祝休
11:00~19:00
LANDSCHAFT IV.jpg

Lantschaft IV
Radi-um von Roentgenwerke AG
2-5-17,Nihonbash-bakurocho,Chuo-ku,Tokyo
6/6(Fri)-6/28(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)

いくつかあるレントゲンヴェルケの企画の中で、「風景」をテーマとしたグループショー。今回は4名のアーティストがピップアップされています。

扉をくぐってまず目に飛び込んでくるのが水野シゲユキさんの作品です。
この企画、僕がチェックした限り、これまでは写真のアーティストが入っていたと記憶しているのですが、今回はフィーチャーされておらず、その「写真家枠」と入れ代わるかのように参加されている水野さん。

プラモデルのジオラマのスペシャリストが構築する、いったいどこまでがキットなのか分からないほどに緻密な3次元の「風景」です。


水野シゲユキ03 水野シゲユキ05 水野シゲユキ04

水野シゲユキ01

僕自身、小中学生の頃にプラモデルにハマっていて、もっとも子供が作るものなのでせいぜい説明書通りに組み上げるだけの稚拙なものではあったのですが、その頃にそれこそ穴が開くほどにカタログや雑誌を見まくっていたこともあり、あの頃の記憶が一気にフラッシュバックし、感動が心の中に湧き起こった次第。

しかも、信じられないくらいのクオリティ。
朽ちるタンク、荒涼とした内装と外観はもちろん、そこに生える雑草さえもしっかりと、台の上のちいさなスペースに一切の隙もなく徹底してリアルに再現されています。

ギャラリーに設置されている水野さんの過去作品のファイルを拝見すると、以前はまぎれもなく現代美術のシーンに組み込まれて然るべきインスタレーションも発表されているようで、この経歴が、このジオラマがここに展示されていることに説得力をもたらしているように感じられます。
1階に展示されている内海さんの作品、抽象的な光景をバックに見る、徹底してリアルなジオラマ。実に新鮮な味わいを鮮烈に放ちます。


水野シゲユキ02

階段を昇って2階、見事な構成の展示で、まさにレントゲンヴェルケの真骨頂という世界が構築されています。


階段を昇り切って右手に内海聖史さん、左手に山本基さんの作品が向かい合うように展示されていて、そのコントラストにさまざまなイメージが過ります。

「モノクローム/カラフル」
「線/点」
「パネル/キャンバス」

相反する要素、そのひとつひとつが徹底的に相反し、お互いの個性をシャープに引き立てあっているように感じられます。

その要素の中でもっとも印象的なのが、「密度」の差。
緻密に這う線が一定間隔で画面をほぼ埋め尽くし、平面的に展開されていながら、すべての作品でではないものの「塩」という相当にアクロバティックな素材の立体感が引き立てられる山本さんの作品群。
一方で内海さんの作品群では、繰り出されるドットが凝縮し濃密に色彩感が立ちのぼる一方で、随所に見受けられる余白とのコントラストがさまざまな縮尺感をイメージさせてくれます。

向かい合う左右の壁面で展開されるクリエイション、凄まじいスピードで感性を揺さぶられることに快感を覚えます。

そして、このスペースの正面に鎮座するのが、前回の個展に引き続いて参加の桑島秀樹さんの作品。
内海さんと山本さんの、強烈なコントラストを発しながらもハイパーテクニックという視点でそれこそハイパーなクオリティ両クリエイションを左右に従えて、玩具などのカラフルな素材でシンメトリーな風景が構築されています。

最初に観たときの「えっ?」という意表を突かれた痛快さ、そこからじわじわと伝わってくる神々しさ。
前回の個展を直前に拝見していることが大きく効いてきます。
ここに作り上げられたインスタレーションが一切の隙もなくシンメトリーに仕上げられていることの「意味・意図」が、一度桑島さんのクリエイションにどっぷりと浸っていることで力強い説得力を伴い、素材としてだけでなく存在としても「軽い」素材を用いていながらも、実に重厚に、圧巻の風格で迫ってきます。

抽象性の高いクリエイションが「風景」として紹介されることに違和感を感じないどころか、むしろ誇りたいくらいに「風景」として捉えられることが嬉しく感じられます。

Bunkamura Gallery
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
6/18(水)~6/25(水)
10:00~19:30
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Maki Hosokawa exhibition Multiplying maki mode
Bunkamura Gallery
2-24-1,Dogenzaka,Shibuya-ku,Tokyo
6/18(Wed)-6/25(Wed)
10:00-19:30
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Bunkamura Galleryでの細川真希さんの個展です。


ギャラリーの入口を入った瞬間、


ワーイ!!!(≧∇≦)ノ゛

といった具合に瞬時に一気にテンションが上がり、さらに

コレか!Σ( ̄口 ̄;)
コレなのか!Σ( ̄口 ̄;)


・・・と、自分のはしゃぎっぷりに動揺に近い驚きを感じた次第でして。


とにかく、自分の中のミーハーが全面に現れてとにかく楽しい、元気をもらえる展覧会でございます。

いやぁ、いい!
かわいい!
すごくいい!


細川真希07

細川真希08

もうおなじみの、ドラえもんの身体が2頭身だったとして、同じように現すとしたら2眼顔といった感じの(音読するとぜんぜん雰囲気と違うのな...ニガンガンてオイ)女の子が無邪気に登場するペインティングがずらりと並んで痛快です!
さまざまなシーンを背景に、その大木なめを見開いて笑顔を浮かべていたり、いたずらっぽく感じられたりと、思い浮かぶストーリーはさまざまですが、何にせよそこからポジティブなイメージが浮かんできます。そういうイメージがどんどん出てくるのが楽しいんです。

広い画面におおらかに描かれる都市風景、そこに突如現れたかのような船らしき巨大な物体。その上の展望台と前方の尖端に風を楽しむ女の子。
この壮大なスケール感と痛快なシチュエーション、眺めているだけでどんどん元気になっていくような感じです。


細川真希06 細川真希05

細川真希04

おおよそほぼ3つに分かれている展示スペース、いちばん奥では細川さんの風味がたっぷりと効いた「和」の世界が。
ずらりと並ぶ画面には一人ずつ、和の装いを纏い、艶やかに髪を結い上げた女の子たちが描かれています。
それぞれの仕草が自然に醸し出す洗練された風合いと、それでも隠しきれない...ていうか、隠してない...かわいらしさがそれぞれの豊かな表情からぎゅっと滲んで、そのコントラストが独特のユーモアを発しているように感じられます。


細川真希12 細川真希10

細川真希11

そして、その女の子たちが増殖!
ひとつの画面にずらりと。
これが楽しくないわけがない!


細川真希09

入口側のスペースには、西洋の近代絵画のクラシックを引用した、ユーモラスな作品も。
充分に元ネタが分かるディテールの盛り込まれ具合、そしてアレンジの妙。


細川真希16

有名な絵画の、またはかの時代への憧れがあって、それを演じている嬉しさ、楽しさが伝わってくるような気がします。
そして、そういうシチュエーションで細川さんが描く女の子を観られるのもまたこの上なく嬉しかったり。


細川真希21

1点だけ、立体の作品、インスタレーションも。
過去に描き溜めたドローイングで作られた衣装を纏うマネキン。床に置かれたカロリーメイト風の箱。細川さんが過ごした時間、制作に費やされた表に出ない部分がパッケージされたような印象も思い浮かびます。


細川真希02 細川真希03

細川真希01

細川さんの作品を直に拝見するのは実質的に今回が初めてでしたが、大小たくさんの作品を一挙に拝見して、ポジティブな気持ちがぱっと一瞬で膨ませてくれるようなハッピーな世界にただただ圧倒され、やっと観られたことの感慨もあって、冒頭と繰り返しになるのですが、自分でも驚くほどに一気にこのキャッチーな世界に引き込まれてしまいました。

大きな目の女の子。
小品では目を閉じた表情のもあってそれも独特の味わいが滲んですごく飯野ですが、幼さと好奇心と今を楽しむ天真爛漫さとが瞳の奥にぎゅっと詰まったような感じが、実際の作品を拝見したとき、えも言われぬ臨場感を伴って迫ります。


もっといろんなところで出会いたいクリエイションです。
本の表紙やCDのジャケットなどで見つけたらきっと嬉しいだろうし(おそらく既にあるような気もするのですが、未確認...)、どこかのビルの外壁面に大きく描かれてたりしたらホントに楽しいだろうなぁ、雨でも全然オッケーだろうなぁ...なんて想像したり。


細川真希18

眼差しと好奇心 vol.4 石原七生 大島梢 太田麻里 指江昌克 松山智一 山田郁予
ミヅマ・アクション
東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル5F
6/4(水)~6/28(土)日月祝休
11:00~19:00
眼差しと好奇心vol.4.jpg

"Eyes and Curiosity" vol.4
MIZUMA ACTION
1-3-9-5F,Kami-meguro,Meguro-ku,Tokyo
6/4(Wed)-6/28(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)

新しい個性を紹介するミヅマ・アクションの企画の4回目。
6名の個性派が紹介されています。


まず、一昨年に続いての参加の太田麻里 さん。
拝見する度にスタイルの幅を広げ、特にギャルリー東京ユマニテで開催された個展での壮絶なパフォーマンスは特に印象強いのですが、今回は太い稜線のドローイングが発表されています。
これまでの太田さんの作品のなかでもポップさ、キャッチーさが際立って感じられるのが印象的で、しかしピックアップされるモチーフのサディスティックさが太田さんらしく、この見た目のポップな感触が反対側に振れ、アバンギャルドに感じられます。


太田麻里102

太田麻里101

大島梢さんの作品、1点のみの出品ですが、そこに描かれるスケールの壮大さは圧巻です。
大島さんの専売特許と呼びたくなるブルーの線の緻密な描き込みで、ダイナミックなシーンが折り重なるようにひとつの画面に詰め込まれ、視線を変えるごとに場面も展開し、それらの関係性が耕地tく刷るストーリーのボリュームにも圧倒させられます。


大島梢102 大島梢104 大島梢103 大島梢105

大島梢101

Takuro Someya Contemporary Artでの個展も面白かった松山智一さんの参加も嬉しいです。
そのTSCAでの個展で拝見した作品からさらにドメスティックな世界へと踏み込んだような感じが楽しく、あのくっきりとしたユニークな色使いによる展開で、違う味わいを醸し出しています。


松山智一102

松山智一101

今年の武蔵野美術大学の修了展示でのインスタレーションのインパクトも強烈だった山田郁予さん。
たくさんのアーティストを一挙にチェックする学内展示では名前を覚えて来ず今回拝見するまで失念していたのですが、ざっくりとした筆致の大胆さとスリリングな風合いが、丸めた紙などで床を敷き詰め、危うい雰囲気が刺すように充満していたインスタレーションのインパクトを思い出させてくれます。
トレーシングペーパーにカラフルな色彩で描かれた女性の佇まい。消え入りそうな淡い色の重なりが醸し出す脆さと強さの両面性が、独特の時間のイメージをもたらしてくれるような気がします。
もう一度、あのインスタレーションをチェックし直してみたい気分です。


山田郁予03 山田郁予02

山田郁予01

一転して、石原七生さんが描く世界はどこまでも力強く、ヴィヴィッドな彩色、構図のインパクトに圧倒させられます。
もう「なんでもありだゴルァ!!!」的なイメージが浮かんだ初動の勢いを削ぐことなく、それでいて投入されるモチーフのひとつひとつの精度にも目を見張らされてしまいます。広い画面のどの部分を切り取っても面白い圧巻のクリエイション、この大作をメインストーリーとして、ここからどんどんスピンオフしていきそうな展開にも思わず期待してしまいます。


石原七生05 石原七生03 石原七生04 石原七生02

石原七生01

指江昌克さんの作品は、抜群の描写力で描き上げられる混沌と静謐とが同居した独特の世界観が印象的です。
廃虚となっ都市の空中に浮かぶ球体、そこにおさまるさまざまな商店、建造物。
球体でありながら重力が中央に向かっていない構図が、固定観念を逆手に取られた痛快さをもたらしてくれます。ひとつの世界を描くために追求されている絵画としての精度の高さがこの不思議な世界に説得力ウェおもたらし、そこにも感嘆させられます。


指江昌克04 指江昌克02 指江昌克03

指江昌克01

バリエーションに富んだセレクションで、お互いの強烈な個性のぶつかり合いも伝わり、観る側の感性もガンガン揺さぶられる感じで。
それぞれの展開も楽しみです。


・・・ところで、vol.3は何処へ。

あの時か!Σ( ̄口 ̄;)
新橋の時のか!Σ( ̄口 ̄;)

日根野裕美展
GALLERY SHOREWOOD
東京都港区南青山3-9-5
6/2(月)~6/26(木)日祝休
11:00~18:00
日根野裕美080602.jpg

Yumi Hineno exhibition
GALLERY SHOREWOOD
東京都港区南青山3-9-5
6/2(Mon)-6/26(Thu) closed on Sunday and Monday
11:00-18:00
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ふわりとした淡い色調の日本画と、黒の線で緻密に紡がれる妖しげな雰囲気を漂わせるペン画のコントラストが印象的な、GALLERY SHOREWOODでの日根野裕美さんの個展です。


日本画、ペン画ともにそれぞれで独特の雰囲気が感じられます。

まず、日本画。
今回の個展では、新作、近作に加え、少し前のカラフルな色彩と緻密な模様が印象的な「つりびな」をモチーフにした作品も数点出品されていて、日根野さんのこれまでの展開を一望できるのも嬉しいです。


岩絵の具の穏やかな質感と、鮮やかな色使いとのコントラストも心地よく、ほのかに淋しげな風合いも漂う清々しい世界が描き上げられています。


日根野裕美017 日根野裕美016

日根野裕美015

日根野さんが描く女の子。
日本画では、その無垢な佇まい、表情が印象的です。
幼さのなかに潜む大人びた感触も作品によっては感じられます。


日根野裕美012 日根野裕美011

日根野裕美014

猫を描いた作品も数点展示されています。
さらさらとした筆の流れでやわらかな毛並みを描き上げていて、シンプルな背景と合わせて、かわいらしく、同時に穏やかに流れる時間やほのぼのとした空気も伝わってくるような感じです。


日根野裕美013

日根野裕美010

今回の個展では、ペン画も多く出品されているのがまた嬉しいです。
淡い色使いの日本画から一転して、紙にペンというシンプルな組み合わせが親しみやすさを醸し出しながら、ゴシック調の仕上がりが奏でるピアニッシモの重厚感も心に強く突き刺さってくるような印象もあり、さまざまなイメージが過ります。


日根野裕美002

日根野裕美001

メランコリックな雰囲気のなかに、そこはかとなく滲むサディスティックさ。
ペンの黒の線に、すぐにでも折れてしまいそうな脆弱さと、刺すような鋭さ、とてつもない強靱さを同居させているように思えます。


日根野裕美004

日根野裕美003

並べて展示されたペン画の一角は、この展覧会に強いアクセントとインパクトをもたらしています。
細い線の緻密な重なり、なめらかに流れる曲線、精緻な点描など、実に濃い密度で展開されていて、じっくりと見入ってこの世界に引きずり込まれていくような錯覚を覚えます。


日根野裕美006 日根野裕美008 日根野裕美007

日根野裕美005

ひとりのアーティストの二面性、肌で感じる質感のギャップがたいへん興味深いです。
そしてそれぞれが、お互いの世界の引き立てあっているのも面白く感じられます。

柴田鑑三展
INAXギャラリー ギャラリー2
東京都中央区京橋3-6-18 INAX:GINZA 2F
6/2(月)~6/26(木)日祝休
10:00~18:00
柴田鑑三080602.jpg

Kanzo Shibata exhibition
INAX Gallery Gallery2
3-6-18-2F,Kyobashi,Chuo-ku,Tokyo
6/2(Mon)-6/26(Thu) closed on Sunday and natinoal holiday
10:00-18:00
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圧巻の白の世界。


INAXギャラリー ギャラリー2での柴田鑑三さんの個展です。
昨年の東京画廊での4人展、入口に設置された柴田さんの作品の衝撃は相当なもので、それから何度か作品を拝見する機会にも恵まれ、そのたびに「やっぱすごいなぁ...」と感心させられているのですが、今回は、最初に受けたとき以上の衝撃が。

分厚いスタイロフォームに施される、地図の等高線のような緻密なカット。
それが、決して狭くないINAXギャラリー2の空間を横切り、陽と陰のふたつに隔てています。


柴田鑑三001

枚数は数えていないですが、複数のスタイロフォームを列ね、目算で10mほどはありそうな幅での展開。
これほどまでに巨大なサイズに挑みながらも、そこに入るカットの線の緻密さはまったく失われていないことに純粋な感動を覚えつつ、充満するフューチャリスティックな臨場感にどっぷりと浸かるような感触です。
カットした部分を押し出す、という自由度の高いインスタレーションにより、手前側の比較的おとなしい立体感から、奥へ進むに連れてより大胆なアプローチがなされ、押し出され、聳えるようにぐんと迫る、あるいは急な谷まになっている部分などの立体感に圧倒されていきます。


柴田鑑三005 柴田鑑三007

柴田鑑三003

照明が当たる正面のヴィヴィッドな輝きも美しいですが、その向こう側は、照明が直接当てられずに唯一の光がスタイロフォーム越しに届き、それが神々しい空間を作り上げているように感じられます。


柴田鑑三006

いったいどれだけの時間がかかったんだろう、などなど、このインスタレーションに関るさまざまな要素について思いを巡らせるたびに唸らされてしまいます。
また、スタイロフォームという素材のチョイスも、おそらく加工などの理由が源泉的にあると思うのですが、表面の艶やかな素材感が照明の光を乱反射して輝く効果を生み出していて、それも柴田さんのこのクリエイションのユニークさをいっそう加速させているように感じられます。

壮大なスケールを体感できる展覧会です。


柴田鑑三002

創発展 vol.1:伊藤遠平/高亜美
YUKARI ART CONTEMPORARY
東京都目黒区鷹番2-5-2 市川ヴィラ1階
6/4(水)~6/28(土)日月火休
11:00~19:00(土:~20:00、最終日:~18:00)
伊藤遠平・高亜美080604.jpg

emergence vol.1:Enpei Itoh/Ami Ko
YUKARI ART CONTEMPORARY
2-5-2-1F,Takaban,Meguro-ku,Tokyo
6/4(Wed)-6/28(Sat) closed on Sunday and Monday
11:00-19:00(Sat:-20:00,last day:-18:00)
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ペインティングと陶の二人のアーティストをピックアップした展覧会です。

手前の展示室は、今年の101のYUKARI ART CONTEMPORARYのブースでも紹介され、その緻密なテクスチャーが印象に残っている伊藤遠平さん。
まず、小品が出迎えてくれます。この画面にしてすでに、繊細にして強烈な雰囲気を持っているように感じられます。


伊藤遠平05

描かれる人物の異様なまでに彫りの深い顔面、その顔が浮かべるどこか枯れたような、しかしある種の達観、深遠さを滲ませる表情、そして纏う服、さらに背景までもが細かいテクスチャーで徹底的に描き込まれている...明るめのベージュの色調で繰り広げていながら、この重鈍な空気感が意識を掴み、引きずり込むような力強さを滲ませているように感じられます。


伊藤遠平02 伊藤遠平04 伊藤遠平03

伊藤遠平01

縦長の画面に描かれる細身の男。
凄まじい精度の表現力に加え、全体はほぼ等身大と思われるサイズで描かれているからか、ひょろひょろと長い手足、小さな頭部など、本来は違和感を感じる体躯のバランス感にも自然な説得力が感じられます。


伊藤遠平07 伊藤遠平08

伊藤遠平06

伊藤さんの平面の作品、「平面を観ている」という感覚から遠のいていくような印象さえ受けます。
画面に綿密に紡ぎ上げられた皺のようなパターンが、すでに静止画としてのイメージから1歩進んだ印象を与えてくれているのですが、そこからさらに、その空気の中に混じり込む乾いた砂の匂いも伝わるような錯覚すら思い浮かぶほどの臨場感で、空間を共有しているような感触が沸き起こります。


伊藤遠平09 伊藤遠平10

伊藤遠平11

さらに、1点、立体の作品も。


伊藤遠平16

これがまた、すごい...。
画面の世界からすっと現れたような臨場感。表面の作り込みの緻密さにはめを見張らずにはいられない...。。
表情といい佇まいといい、何か積極的に伝えるようなふうではないのに、立体作品としての存在感は鮮烈です。


伊藤遠平13 伊藤遠平14 伊藤遠平15

伊藤遠平12

奥の展示室は高亜美さんのインスタレーションが。

陶製の人形が床に散らばり、ほっこりとした、のんびりとした静けさを空間に滲ませています。
家族を思わせる雰囲気が伝わり、やさしさを奏でているように感じられるのも嬉しい感じです。
加えて、すべての人形が立っていることにも静かな驚きを感じ、それがこの空間のインスタレーションのあったかい印象にアクセントをもたらしてくれています。


高亜美02 高亜美03 高亜美04

高亜美01

壁には平面の作品も。
並ぶ4点の作品に織り込まれるそれぞれのものが関係し合って、不思議な物語性をたたえているようも感じられます。


高亜美06 高亜美07 高亜美08

高亜美05

伊藤さんと高さんのテクスチャーの差異、殺伐としたシャープさとまろやかな丸みとのコントラストも興味深い展覧会です。

《6/14》
本多絵美子展「家に巣む」
FLEW GALLERY
東京都渋谷区代々木4-10-8 三仁荘1F
6/13(金)~6/25(水)木休
12:00~19:00(最終日:~15:00)
本多絵美子080613.jpg

力強く彫り上げられた生物の木彫作品です。
民家をほぼそのまま活かしたFLEW GALLERYに展示され、木が醸し出すナチュラルな風合いと、異様な感触でリアリズムとデフォルメとが混在する仕上がりにより、ある種の重厚な雰囲気が作り上げられています。


本多絵美子01

いちばん最初に目に飛び込む巨大なダンゴムシの彫刻の凄み、存在感は相当なインパクトをもたらしてくれます。甲殻の異様さに目を見張った次第で。


本多絵美子03

本多絵美子02

窓に這いつくばる「阿吽」の蜥蜴。
大きな目がユーモラスな表情を生み出しているように思えます。


本多絵美子06 本多絵美子05

本多絵美子04

亀、ハリネズミ、カメレオンと、それぞれに効果的な彩色や素材の取り込みがなされ、配置される空間の空気を力強く支配しているように感じられたのが強く印象に残ります。


本多絵美子07 本多絵美子08

本多絵美子09

銭谷江理展 New Abstruct Spiritualism
Azabu Art Salon Tokyo
東京都港区麻布十番1-5-10
6/13(金)~7/18(金)日月休
12:00~19:00
銭谷江理080613.jpg

キャンバスにはみ出るほどに大胆に画面に乗る絵の具のダイナミックな感触、素材としての相当な迫力と、それでいて爽やかさ、清楚さも感じさせる不思議な魅力を持った抽象画です。
ふわりと広がるような浮遊感から、図形的な構成のグラフィカルな面白さなど、さまざまな魅力も持ち合わせています。

佐々木加奈子展「ウキヨ-Floating World」
ガーディアン・ガーデン
東京都中央区銀座7-3-5 リクルートGINZAビルB1
6/9(月)~6/26(木)日休
12:00~19:00
佐々木加奈子080609.jpg

MA2 Galleryでの個展が印象深い佐々木加奈子さん、今回はさまざま国籍、年齢の女性のポートレイトが淡々と綴られているような構成です。
まるでそこに佇む女性のなかだけで時間が紡がれていっているかのような...おおらかで繊細で、淡々としているなかにぎりぎりの情動が灯っているようにも思えたり。。。
ひとつひとつがそこだけの物語になっているような深みも心に残ります。

※come展 加藤みつこ 堀直子
@藤屋画廊
東京都中央区銀座2-6-5 藤屋ビル2F
6/10(火)~6/15(日)
11:00~18:00(最終日:~17:00)
come展080610.jpg

二人の女性アーティストによる水墨画の展示。
前回アートギャラリー環で個展を拝見したときはカラフルな作品を発表されていた堀直子さん、今回は水田などの風景を豊かで渋く、緻密な奥行きをもって描き上げている作品が発表され、そのギャップにも驚かされつつ、独特の空間性や水墨としてのユニークさがこれからどうなっていくかが楽しみです。
加藤みつこさんの作品は、抽象性と花などの具象画との組み合わせにより、知性が滲むような仕上がりが印象に残っています。

αMプロジェクト2008 現れの空間vol.2 木島孝文×グループ2時間
ASK? art space kimura
東京都中央区京橋3-6-5 木邑ビル2F
6/9(月)~6/21(土)日休
11:30~19:00(土:~17:00)
木島×2時間080609.jpg

もう、これは実際にこの空間を体感していただくのが早い、というか、この空間に実際に足を踏み入れてこそ伝わるリアリティや臨場感があって、ぜひとも直にご覧いただきたい展覧会です。


これまで2度、ギャラリー山口とa・Pexでの個展でその重厚なインスタレーションを拝見、体験させていただいている木島孝文さん。
先のふたつの展覧会でも実にユニークで壮大な空間が作り上げられていたのですが、今回は床と天井にあの壁画的な作品が配され、まさにこの展示でしか体感することのできない圧迫感があり、相当に重厚なインパクトをもたらしています。


木島孝文201

例によって、錆びたような、朽ちたような、独特の深み溢れるテクスチャーでさまざまな文字や紋が描き上げられています。
今回の展覧会では、床に置かれた作品の上を実際に靴を脱いで歩きながら観る、というこれまで以上にインタラクティブな要素も盛り込まれていています。


木島孝文202 木島孝文203

木島孝文204

天井の絵も床のと同じサイズ。
これが吊るされているということだけでも充分に驚愕に値します。


木島孝文205

木島さんから教えていただいたのですが、この展示をよく眺めていくと、天井と床とで鏡写しのような構成になっていることに気付きます。
文字は反転していない代わりに、反対の意味の内容となっているのだそう。
構図としてほぼ大まかに鏡写しの空間的なシンメトリーの構成となっているとはいえ、作風からも当然細部までは同じでは有り得ず、それが、天井と床と、どちらが真でどちらが虚なのか、という根源的な問いを内面に湧き起こさせ、それがこの展示によりいっそうの深みをもたらしているように感じられるのも興味深いです。

第一回青田刈展 森村誠 酒井龍一 渡辺おさむ
ギャラリー北井
東京都北区昭和町1-9-16 齋藤ビル2F
6/7(土)~6/20(金)日月祝休
12:00~19:00
第一回青田刈展080607.jpg

3名の若手アーティストの作品を紹介する展覧会、なんといっても渡辺おさむさんのいつもの生クリームの作品が面白い!
絞りから出された生クリームを石に、巨大なイチゴを岩に見立て、日本庭園風に仕上げられた作品が、コミカルなはずなのに造形のシャープさも相まってヴィヴィッドな説得力に満ちています。
平面の作品も相変わらずの精度、目が眩むようなグラフィカルな構成に感嘆。

酒井龍一さんの木版画のような独特のテクスチャーで描かれる風景のセピアがかった雰囲気、森村誠さんのネズミ捕りを引用した作品のダイレクトなユーモア、それぞれに今後もどういうふうになっていくか、興味深いです。

夜は、MAGIC ROOM?で開催のNATURAL HIGHによる全員展でのパーティーへ。


全員展080610.jpg


想像以上の騒々しさに呆気に取られつつ、このさまざまなものを巻き込む力強いエネルギー、やんちゃなアクティビティがこれから生み出していくものやムーブメントがホントに楽しみでもあり、恐ろしくもあり(笑)。

《6/15》
C5 exhibition『漂流の観測者 Observers of The Drift』vol.2「礒邊一郎 ざわめく、またたき」
APMG(武蔵野美術大学9号館6階608室)
東京都小平市小川町1-736
6/2(月)~6/20(金)6/8休
11:00~18:00
礒邊一郎080602.jpg

礒邊さんというと、鉛筆画を真っ先に思い浮かべるのですが、今回は理屈と感覚とのバランスが面白味を生み出しているような鉛筆の作品は挨拶代わりにとどめ、さまざまな素材を用いて制作された半インスタレーション的な立体の作品やペインティングなどが発表され、礒部さんのポテンシャルを垣間見れる貴重な機会となっているように感じられます。

山口智子 個展 "ききょう"
LA GALERIE DES NAKAMURA
東京都新宿区早稲田鶴巻町574 富陽ビル
6/13(金)~7/6(日)木休
12:00~19:00
山口智子080613.jpg

昨年のギャラリー小柳での展覧会や、今年のART@AGNESで発表された作品など、その独特なムードをほのかに滲ませるペインティングが深く印象に残っている山口智子さんの個展です。
1階と2階の広いスペースで、むしろどこか淋しささえ感じられるほどに閑散としていて、しかしその緩やかな空間性が山口さんの作風にぴったりと合って、堪らない雰囲気をつくり出しているように感じられます。

生まれつつある現在2008 ―5人の作家による― 梅津庸一 ジャンボスズキ 城野詠一 高松太一郎 立原真理子
文房堂ギャラリー
東京都千代田区神田神保町1-21-1 文房堂ビル4F
6/10(火)~6/23(月)
10:00~18:30
文房堂080610.jpg

5つの個性がパッケージされた展覧会です。

まず目に飛び込んでくるのがジャンボスズキさんのペインティング。
もう、気持ちいいことこの上ない、大きなキャンバスに伸びやかな筆致と構図、さらにキャッチーでクリアな色彩、色面により、ダイナミックな風景、シーンが描かれています。
ジャンボさんの作品を前にすると、いつもよりも自分が小さくなったかのような錯覚も起こるような感じです。

梅津庸一さんは一転して小品4点。
そのうちの2点のペインティングがまた堪らない...。
「山椒は小粒で…」という例えを持ち出すにはあまりにも作品が放つ引力が強烈で、また梅津さんの知られざる一面をスパッと切り出したかのような、鋭さと清廉さ、さらに混沌をも持ち合わせたような感じで、小さいながらいろんなイメージが湧いてきます。

Zero-K vol.2 -absolute zero- いしばしめぐみ 根岸創 松永聖士 宮永ゆみ 吉野祥太郎
全労済ホール/SPACE ZERO
東京都渋谷区代々木2-12-10 全労済会館B1
6/9(月)~6/18(水)
12:00~19:00(最終日:~17:00)
Zero-K08609.jpg

昨年に引き続いて開催の、今年はそれぞれ異なる素材を用いるアーティストが揃った展覧会です。

まず、根岸創さんの金属のモビールが楽しい!
ゆらゆらと揺れながら、時々に金属音を響かせつつぶらりと吊るされる様はなんともユーモラスで、同時に根岸さんの作品らしい奥ゆかしさも持ち合わせているように感じられます。

宮永ゆみさんの石彫も印象的です。
丸みを帯びた石に咲く花。一部がピンクがかった大理石で彫り上げられた花弁の艶やかさ、繊細さが、石の作品でありながら、軽やかさ、爽やかさを演出しています。

吉野祥太郎さんのコンクリートというアート的には実にレアな素材を用いた作品の重厚さ、いしばしめぐみさんのヴィヴィッドな彩色が印象的なFRP作品、松永聖士さんのシルエットが深遠さを盛り上げている木彫作品と、それぞれの個性を楽しめました。

森田浩彰「Clockwise」
青山|目黒
東京都目黒区上目黒2-30-6
5/30(金)~6/28(土)日祝休
11:00~22:00
森田浩彰080530.jpg

Hiroaki Morita "Clockwise"
AOYAMA|MEGURO
2-30-6,Kami-meguro,Meguro-ku,Tokyo
5/30(Fri)-6/28(Sat) closed on Sunday and national holiday
11:00~22:00
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だいたいにおいて

…ん?(・。・)

  ↓

!Σ( ̄口 ̄;)

  ↓

サイコー!!!(≧∇≦)ノ゛

みたいな流れのキュートでキッチュなクリエイション。

青山|目黒での森田浩彰さんの個展です。

まず、広い壁面に散らばるコラージュ群が軽いジャブを見舞います。
おそらく雑誌などのグラビアページにエフェクティブなコラージュが施され、ユニークな縮尺感やある種のグロテスクな効果を生み出しています。


森田浩彰01

…ん?(・。・)その1。

円形の鏡。
何の変哲もない鏡ですが、実はこれ、回ってます。
回ったところで映り込む景色は変わらないのですが、そのムダな感じが放つユーモアがいい!


森田浩彰02

で、その鏡の近くに…ん?(・。・)その2。

ネジ。

ネジが!Σ( ̄口 ̄;)


森田浩彰03

あ、いや、どうってことないといえばどうってことないのですが、どうかしてると思うと面白くて堪らないという。

一角で大きなプロジェクターに投影されている映像作品。
これがまた面白い!

もっとも、すぐには何のことか分からなかったのですが、ていうか静止画かと思ってたんですが、これまたある瞬間に動くのを観て


そういうことか!Σ( ̄口 ̄;)

と。


森田浩彰04

森田浩彰06


なんていうか、芸が細かい!
馴染みのある道具が構築していくデジタルクロック。
1分後、どう動くかがけっこう楽しみだったりして、で、実際に動くところを観て「おぉ~」と感心したり。


で、ここにもネジが!Σ( ̄口 ̄;)


森田浩彰05

さらに、事務所スペースに刺さっている釘ネジ。
これがまたいいんです。文句なくいい!


森田浩彰16

くねっと艶かしく歪んだ2本の釘ネジ、ゆったりと回転しています。
自分でも何でだか分からないくらいに、いつまでも眺めていられるこの動く釘ネジ。
ゆっくりまったり回転させながら、そのふたつの3次元の曲線、そしてそのシルエットのふたつの曲線の図形的な関係性を変化させ続けて、淡々と、実に淡々としていながらも大変に豊かな表情を繰り出してくるんです。


森田浩彰07 森田浩彰09 森田浩彰10 森田浩彰11

森田浩彰12 森田浩彰13 森田浩彰14 森田浩彰15

森田浩彰08

見つける楽しさ、気付く楽しさ。
それぞれ、緩い感じがなんともいえない魅力を放っているのですが、それがツボにハマったときの快感がまた堪らないんです。

100 degrees Fahrenheit vol.0 サガキケイタ 助田徹臣 鈴木一郎太 Nam Hyojun 根上恭美子 帆苅祥太郎
CASHI゜
東京都中央区日本橋馬喰町2-5-18-1F
6/6(金)~6/28(土)日月祝休
11:00~19:00
CASHI080606-1.jpg CASHI080606-2.jpg

100 degrees Fahrenheit vol.0 Keita Sagaki Tetsuomi Sukeda Ichirota Suzuki Nam Hyojun Kumiko Negami Shotaro Hokari
CASHI゜
2-5-18-1F,Nihonbashi-bakurocho,Chuo-ku,Tokyo
6/6(Fri)-6/28(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
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浅草橋、ラディウム-レントゲンヴェルケの隣に新たにオープンしたギャラリー、CASHI゜のこけら落としとなる、6名のアーティストをフィーチャ-したグループショー。ギャラリー、アーティスト共々、フレッシュな個性が凝縮した展覧会です。

まず目に止まったのはサガキケイタさんのペン画です。
サガキさんの作品は昨年のシェル美術賞展で拝見していて、ダイナミックな筆致の油彩の作品が大勢を占めるなか、ペンによる緻密にして混沌とした描き込みのインパクトが鮮烈だったのを記憶しているのですが、入口正面の壁面に展示されたモノクロームの作品が目に飛び込んできた瞬間、一気にその世界に吸い込まれすような感触で。


CASHI°サガキケイタ02 CASHI°サガキケイタ03

CASHI°サガキケイタ01

魑魅魍魎というか、凄まじいほどの情報量が画面に詰め込まれています。
そして全体として、また異なる画像を生み出していて、このギャップも鮮やかです。
観れば観るほどに発見や要素の連なりが延々と続いていきます。

ヴィヴィッドな赤を背景にした作品も、圧巻の仕上がりです。


CASHI°サガキケイタ04

一転して、シンプルな油彩画の鈴木一郎太さんのクリエイション。
淡々とした風合いはある種の過剰な雰囲気を漂わせ、ほのかにシュールさが妖しく滲むような。


CASHI°鈴木一郎太01

手前の一角には、想像上の動物が描かれた小品が並んで展示されています。


CASHI°鈴木一郎太04 CASHI°鈴木一郎太03

CASHI°鈴木一郎太02

助田徹臣さんの写真。
咲き誇る桜の木。
艶やかさと儚さとが背中合わせで共存する桜を、おそらく同じ位置からピントを変えて撮影されたものと思われるのですが、桜へのピントがずらされたほうに、突如現れる横縞のストライプが不思議なアクセントをもたらしています。

このストライプを纏っているのが、もう1点展示されている作品に出演している女性なのだそう。


CASHI°助田徹臣02

CASHI°助田徹臣01

Nam Hyojunさんのクリエイションは、ひたすらシュールなコミカルさをたたえています。
映像作品のシュールっぷりは凄まじすぎ。

何やら興味深げに白菜やらナスやらを手に取って眺めたり匂いを嗅いだりしているのですが。

刹那


!Σ( ̄口 ̄;)


という展開に暫し唖然とさせられます。


CASHI°Nam Hyojun 01

シンプルなタブローも、さらに奇妙に謎を加速させるような印象です。


CASHI°Nam Hyojun 02

今年初めのGALLERY MoMoでのグループショーと、芸大の修了制作展示でも拝見する機会があり印象に残っている根上恭美子さんの木彫作品。
表情もちょっとヘンならカッコは相当ヘンな人のかたちのオブジェ。

何をしているのかと。
いったいお前は何をしているのかと。

犬っぽい感じやら、その「シェー」って感じの口許の動きやら、無駄に鋭い眼光やら、ツッコミどころが枚挙に暇ない感じですが、それがいいんです。
なんともいえない味わいが滲みます。


CASHI°根上恭美子02

CASHI°根上恭美子01

もうひとりの立体造形のアーティスト、帆苅祥太郎さんのFRP作品。
座って頭を垂れる犬の頭部から被さる溶けるような艶かしいフォルムと、サイズに反して重厚な存在感を醸し出す黒に近いグレー。
奇妙なインパクトとそれでも眺めてしまうほどの深い味わい、この独特な世界を持った造形にイマジネーションが引き込まれていきます。


CASHI°帆苅祥太郎03 CASHI°帆苅祥太郎02

CASHI°帆苅祥太郎01

もう1点の小品も、空間のアクセントとして機能しているように感じられます。
ほぼ完全に抽象化したフォルムが鈍重な熱のイメージを放ち、一度気付くとそこから意識がなかなか解放されないような、「山椒は小粒でぴりりと辛い」的なインパクトを放っています。


CASHI°帆苅祥太郎05

CASHI°帆苅祥太郎04

このグループショーに続いて開催されるのが、この帆苅さんのソロ。
どんなサイズの作品が現れるか、実に楽しみです!

dix mesangettes 10編の詩のための秘匿箱 羽田野麻吏展 ドローイング/小川敦生
clementsalon*workshop
東京都港区南青山4-26-16-B1
6/4(水)~6/23(月)火休
11:00~20:00
羽田野麻吏080604.jpg

dix mesangettes Mari Hatano exhibition drawing:Atsuo Ogawa
clementsalon*workshop
4-26-16-B1,Minami-aoyama,Minato-ku,Tokyo
6/4(Wed)-6/23(Mon) closed on Tuesday
11:30-20:00(Sunday and national holiday:10:30-18:00)
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美しい「ことば」への心尽くし。

clementsalon*workshopでの、製本家、羽田野麻吏さんの展覧会です。

ギャラリースペースに入る手前に数点の製本も展示されていて、こちらの落ち着いた美しさに見愡れつつ、ギャラリーの中へ。


実にしっとりと落ち着いた展示です。
数台のテーブルに、さまざまな素材で制作された「秘匿箱」が置かれています。
そしてその傍らには、活版が。


秘匿箱05

今回出品された作品には、それぞれ羽田野さんが愛おしむ詩編が収められています。
活版で刷られ、もとい「押され」て、見える範囲で確認した限りだと、四角く白いおそらく紙でできたキューブに綴られる詩編がさまざまなかたちの箱に収められています。


秘匿箱04 秘匿箱07 秘匿箱06

秘匿箱13

革、木、金属などが組み合わせて用いられ、それぞれその詩に合う箱が制作されたのだそう。
落ち着いた渋い色調も美しく、それぞれスポットの明かりに浮かび上がって、言葉の魂の存在を緩やかに滲ませ、神々しい雰囲気を醸し出しているのがたいへん印象に残ります。


秘匿箱08

秘匿箱09

数点、アクリルケースのものも。
こちらの作品には、小川敦生さんによるサンドブラストでのドローイングが施されています。


秘匿箱02 秘匿箱03

秘匿箱01

小川さんの作品を初めて拝見したのはVOCA展で、延々と連なる歯車のような矩形波の緻密さが強く印象に残っていて、ここで拝見できるの嬉しい限りで。
そのときの大きな平面での展開とは異なり、今回はちいさなケースに、しかも透明な素材にサンドブラフトで描かれ、平面でのダイナミズムから一転して小さいからこその臨場感が繊細に伝わってきます。
そして、複雑な奇跡を描くこのフューチャリスティックな紋様はすべてひと筆で描ききられていることにも驚かされます。

白いキューブに浮かぶ白い線、さらにくっきりと緻密に映り込む影まで、さまざまな美しさがちいさなケースに詰まっていて、それがそこに収められている詩編の言葉の響きによりいっそうの鮮烈な風合いをもたらしているような印象を受けます。


秘匿箱11 秘匿箱12

秘匿箱10

ひとつひとつのていねいな仕上がり、加えてその凛とした風合いをさらに引き出す静かな展示。
さまざまなポイントから、羽田野さんがそれぞれの詩編に持つ慈しみを感じます。

すっと落ち着いた気分になれる、洗練された美しさに満ちた展覧会です。


秘匿箱14

CORRESPONDENCE/LANDSCAPE 08 玉野早苗 広田敦子 藤本涼
工房 親
東京都渋谷区恵比寿2-21-3
6/4(水)~6/21(土)日月休
12:00~19:00(祝・最終日:~17:00)
風景・所在値080604.jpg

CORRESPONDENCE/LANDSCAPE 08 Sanae Tamano Atsuko Hirota Ryo Fujimoto
Kobo Chika
2-21-3,Ebisu,Shibuya-ku,Tokyo
6/4(Wed)-6/21(Sat) closed on Sunday and Monday
12:00-19:00(national holiday and last day:-17:00)
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「風景・所在値」をテーマに3名のアーティストがピップアップされたグループショーです。
それぞれの写真作品が展示されています。


フタバ画廊での個展ではモノクロームで淡々と綴られた映像作品が印象に残っている玉野早苗さん。
今回出品された2点の写真は、ぼやけたところとくっきりと焦点が合ったところとのギャップがユニークな囲気をつくり出しています。


C/L玉野早苗02

C/L玉野早苗01

一度その被写体を撮影し、その写真に穴を空けてもう一度撮影、というアナログな手法を経て制作された作品とのこと。
敢えてずれた位置に浮かび上がるタンスの取っ手はなんとなくコミカルな風合いを醸し出し、一部がくっきりと現れたお皿はまるで水の中に浸けられたかのような感じ、しかし光の屈折がないので、実際に水の中のお皿を撮影したときよりも自然に見えるような印象も興味深いです。


C/L玉野早苗03

広田敦子さんのモノクロームの写真群は、さまざまな縮尺で撮影され、その風景を捕らえるというより、そこに存在する光を取り込んだような感触です。
モノクロームの黒の鎮まりが印象的です。


C/L広田敦子03 C/L広田敦子01

C/L広田敦子02

今年のART AWARD TOKYOでも印象に残った藤本涼さんの作品。
焦点が合うところとぼやけたところがひとつの画の中に混在し、距離感のダイナミズム、深みが面白いです。
辿る記憶、その記憶がハッキリと思いかえせる部分と曖昧になってしまっている部分が共存しているような感色であったり、あるいはずっと遠くへ続く景色をじっと眺めてじっと焦点を合わせていくような、不思議な時間のイメージを内包したような作品です。


C/L藤本涼01

C/L藤本涼02

遠くにあるはずのものがよりくっきりと焦点が合っていたり、具体性と曖昧さの混在が鑑賞者の感性を揺らがせるようなミステリアスな雰囲気がおおきな魅力に感じられます。
さまざまなサイズの作品がアクロバティックな配置にインスタレーションされているのも深みを増す要素のひとつになっている気がします。

スケール感のおおらかさとミニマムさなど、相反する要素が自然に、しかし興味深いギャップも放つ、ある種の映像的なイメージの刺激も提供してくれるクリエイションです。


C/L藤本涼03

《6/5》
YOSHIKO ふわぽこぷかり
HP FRANCE WINDOW GALLERY
東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング1F
6/5(木)~7/10(木)
11:00~21:00(日祝:~20:00)
YOSHIKO080605.jpg

丸ビルの地下からのエスカレーターを昇るとHP FRANCE WINDOW GALLERYのまさにウィンドウがだんだんと見えてくるのですが、今回のYOSHIKOさんの展示は、その見えてくる感覚がすごく気持ちいいです。
ピンクのさまざまな素材で紡ぎ上げられ、ちいさなベビーカーからもくもくと湧くような雲を思わせるインスタレーション。
あたたかくて、爽やかで、色合いのやわらかさが心地よくて、でもその迫力に、「うわ、なんかすごい!」という第一印象の痛快さ、とんでもないものを見せてもらっているような嬉しさが一気に心の中に広がります。

《6/6》
奈良エナミ "refigure"
GALLERY at lammfromm
東京都渋谷区上原1-1-21 山口ビル1F
6/6(金)~7/14(月)
12:00~20:00(土:11:00~20:00、日:11:00~19:00)
奈良エナミ080606.jpg

滲むようなグラデーションとくきいりとした色面をうまく使い分け、ダークでライトな色調でアンダーグラウンドな光景を切り取って描く奈良さん。
一度拝見すると忘れないスタイルで、GALLERY at lammfrommの壁を独特の世界で彩ります。

郡司侑祐 個展「conpeito」
hpgrp GALLERY 東京
東京都渋谷区神宮前5-2-11 H.P.DECO 3F
6/5(木)~6/29(日)
11:00~20:00
郡司侑祐080605.jpg

ファンシーなイマジネーションに満ちたクリエイション。
壁にずらりと並ぶ、有機的なかたちにカットされた紙の支持体の作品に、まず目を奪われます。


郡司侑祐05

緻密な家の密集、ヴィヴィッドな色の重なりが奏でるおおらかな動きのイメージ、アメーバのように揺らめくかたち。
紙にペンと色鉛筆という馴染み深い素材を用い、作品によってはコラージュも取り込まれていたりして、細やかさとおおらかさが同時に感じられます。


郡司侑祐03 郡司侑祐02 郡司侑祐04

郡司侑祐01

モノクロのドローイングも楽しいです。
かたちの面白さや細やかさが立ち上がります。


郡司侑祐06

さらに、丸いテーブル3つで繰り広げられているインスタレーション。
なんていうか、おいしそう(笑)。
スウィートな感覚がきゅんと広がります。


郡司侑祐07

日根野裕美展
GALLERY SHOREWOOD
東京都港区南青山3-9-5
6/2(月)~6/26(木)日祝休
11:00~18:00
日根野裕美080602.jpg

日本画とペン画とが展示されています。
これまでの「つりびな」の作品から、猫や女の子が主題の新作が揃う日本画の、日根野さんの独特の穏やかでふわりとやわらかい色彩と、実に緻密に描き込まれるペン画のサディスディックな世界とのコントラストも興味深いです。

4 Winds 2008展 永井桃子 根岸文子 秋葉シスイ 三須研一
ときの忘れもの
東京都港区南青山3-3-3 青山Cube 1F
6/6(金)~6/14(土)日月祝休
12:00~19:00
4 Winds 2008 080606.jpg

4名のアーティストをパッケージした展覧会です。
それぞれの世界の深みの違いも、お互いの個性を引き立てあっているように感じられます。

根岸文子さんの作品はケース状の額に収められた小品による展開で、くっきりとした色調の強さが印象的。その向かいに展示された三須研一さんの作品も同様に強い色彩での展開で、油彩ながらマッドな仕上がりと、日本人が共有するような懐かしさを感じさせてくれるドメスティックなキャラクターやモチーフで、さらにそれぞれの画面が独自の世界を持っていて、くっきりとしたストーリーの小編集を読んでいるような感じです。

永井桃子さんは、原点回帰という感じの展開。すべての作品がバラの密生を描いていて、やわらかい色合いでさまざまなサイズのパネルを組み合わせてひとつの壁面が作り上げられていて、ほぼのぼの清々しく、どこかほのかな危うさを秘めた感触に包まれます。

フタバ画廊での個展も印象的だった秋葉シスイさん、こちらもひとつの壁面での展開。それぞれの画面の奥行き感やさまざまな縮尺が、独特の孤独感に深みをもたらしているように感じられます。

鷹野隆大展「ばらばら」
ツァイト・フォト・サロン
東京都中央区京橋1-10-5 松本ビル4F
6/6(金)~7/3(木)日月祝休
10:30~18:30(土:~17:30)
鷹野隆大080606.jpg

男性器などを大胆に画面に収めたモノクロームの写真よる展開。
これ以上ないインパクトを持つモチーフに、否応がなくさまざまな想像が脳裏を過ります。
それでもじっくりと対峙してみたくなるアカデミックな魅力に満ちたクリエイションです。

Lantschaft IV 内海聖史 桑島秀樹 山本基 水野シゲユキ
ラディウム-レントゲンヴェルケ
東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17
6/6(金)~6/28(土)日月祝休
11:00~19:00
LANDSCHAFT IV.jpg

4名のアーティストがパッケージされた、「風景」がテーマの展覧会です。
もう、このセレクションは嬉しい限りで。
内海聖史さんのいつも以上にカラフルなバリエーションに富んだチョイスと、今回は平面作品のの山本基さんの塩と線の白とのコントラスト。前回の個展に引き続いてフィーチャーされている桑島秀樹さんの、前回の個展の作品を観ていてこそ立ち上がってくるクリエイティビティの興味深さ。
そして、唯一未知のアーティスト、プラモデルのジオラマのスペシャリスト、水野シゲユキさんの作品のクオリティの高さ。
見応え充分。

100 degrees Fahrenheit vol.0 サガキケイタ 助田徹臣 鈴木一郎太 Nam Hyojun 根上恭美子 帆苅祥太郎
CASHI゜
東京都中央区日本橋馬喰町2-5-18-1F
6/6(金)~6/28(土)日月祝休
11:00~19:00
CASHI080606-1.jpg CASHI080606-2.jpg

レントゲンの隣にできた新しいギャラリー、CASHI゜のこけら落とし、さまざまなクリエイションが展示されています。
それぞれ独特の個性を発していて、メディアもバリエーションに富んでいます。

QUZILA
Sunshine Studio
東京都渋谷区神宮前3-25-12-BF
6/7(土)~7/21(月)月休
11:30~29:00
QUZILA080607-1.jpg
QUZILA080607-2.jpg

BEASTY BOYSのアートワークなども手掛けるGeoff McFetridgeさんの、キャッチーにデフォルメされたクジラがプリントされた支持体に、長場雄さんのカエル、穴薪ペインティングの穴薪可南子さんとVIWAさんのペインティングが絡みます。
このユーモアとシュールさとが混然となったコラボレーションはとにかく痛快!
クッションの作品群のおおらかさももちろん、奥の壁面に展示された小品群で展開される、それこそほとばしる感性を追い越すようにおおらかに描きまくった世界の痛快さは堪らないです。

《6/7》
The Melting Pot Group Show「TIME CHANGES」
CALM & PUNK GALLERY
東京都港区西麻布1-15-15 浅井ビル1F
6/7(土)~6/8(日)
11:00~18:00
THE CHANGES 080607.jpg

ニューヨーク在住のアーティストが集まり、たった2日だけ行われた展覧会。
これが2日だけ、というのはホントにもったいない!そう思わせる、ユニークなクリエイションが揃った興味深く」見応えのある内容で。

なかでも、Aiko Nakagawaさんのストリートの空気が充満したパワフルな混沌、Chris Mendozaさんの緻密にして建築を学ばれたという感性が伝わる生前とした描き込みとスクラッチのカオスが印象に残っています。

佐藤栄輔展「アイスクリームをのみこむ」
GALLERY MoMo
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F
6/7(土)~7/5(土)日月祝休
12:00~19:00
佐藤栄輔080607.jpg

GALLERY MoMoで2年振りとなる佐藤栄輔さんの個展です。
歪んだ表情の独特のキャラクターが登場するペインティングで、さらにバリエーションに富んだシチュエーションの作品が揃い、その世界に更に深みがもたらされているような印象です。

Jun Tsunoda Solo Exhibition
FOIL GALLERY
東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤
5/30(金)~6/22(日)
12:00~20:00(初日、日:~18:00)
角田純080530.jpg

軽やかな色彩と浮遊感のあるモチーフで繰り広げられる抽象世界。
ポップでキャッチーなやわらかさと、おおらかな広がりによって奏でられる独特の深みが印象に残ります。

"WOODCUT姉妹" 井上美奈 塩川彩生 白川悦子
文房堂ギャラリー
東京都千代田区神田神保町1-21-1 文房堂ビル4F
5/27(火)~6/7(土)
10:00~18:30
WOODCUT姉妹080527.jpg

3名の女性の木版画家によるグループショー。
井上美奈さんのおそらく凹版と凸版を組み合わせたユニークな展開、ほのかな色彩とその滲みが独特の静けさをもたらしている塩川彩生さん、一転して白川悦子さんの力強くくっきりとエッジの効いた作品群。
それぞれに個性を発揮していて、そのコントラストも、そして木版画としての統一感も心に残ります。
それぞれのソロでの展開も楽しみです。

TWS-Emerging098 シムラユウスケ「WITCH」
トーキョーワンダーサイト本郷
東京都文京区本郷2-4-16-2F
6/7(土)~6/29(日)月休(月曜日が祝日の場合開廊、翌日休)
11:00~19:00
シムラユウスケ080607.jpg

そうきたか...。
深いです。
作られる空間のストーリー性にするりと導かれます。ライティングも白眉です。

TWS-Emerging097 安田悠「空想されたトキ」
トーキョーワンダーサイト本郷
東京都文京区本郷2-4-16-2F
6/7(土)~6/29(日)月休(月曜日が祝日の場合開廊、翌日休)
11:00~19:00
安田悠080607.jpg

もう、堪らない!
さらに緻密に、ダイナミックに広がっていく安田悠さんのペインティング。
蜃気楼のように揺らめくような景色にさらに奥深さ、独特の重厚さが加わって、ずっと観ていたくなる世界が展開されています。

携帯電話の電源を切ったとき、絵画は雄弁に語りだす 小池真奈美 樫木知子 Firoz Mahamud
OTA FINE ARTS
東京都中央区勝どき2-8-19-4B
6/7(土)~7/12(土)日月祝休
11:00~19:00
Ota Fine Arts 080607.jpg

3名のペインターがフィーチャーされた、アーティスト小沢剛氏のキュレーションによるグループショーです。
それぞれの独創性に加え、アイデンティティが作品から滲んでいるように感じられるのも興味深いです。

《6/9》
EXHIBITION C-DEPOT 2008 HOME
横浜赤レンガ倉庫1号館2F
神奈川県横浜市中区新港1-1-1
6/3(火)~6/9(月)
11:00~20:00(最終日:~16:00)
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今年のC-DEPOTは横浜で。
相変わらず、クオリティの高いクリエイションがパッケージされていて、やはり観ると楽しいです。
そのうちいくつかをピックアップ。

CLEAR GALLERYでの個展も印象に残っている田部井勝さんの作品が、まず目に入ってきます。
一見、ただの岩。

「・・・岩。」

とか思いながらぼーっと眺めていると、

動いた!Σ( ̄口 ̄;)

と。

乱発的にゴロゴロと不器用に転がる様子が面白い、そしてそれ以上にソrうェお眺めている人が驚く瞬間が面白い作品です。


田部井勝
田部井勝001

田部井勝002

真壁友さんと天野由美子さんのコラボレーションは、実に楽しいことに。
レコードのシングル盤を連想させる円盤の縁に並ぶ、天野さんのおなじみの磁器製のチムニー。
テーブルのボタンを押すと円盤がぎゅい~んと音を立てて回転し、刹那、カクカクとした回転へ。
それが、コマ送りのアニメーションのようにチムニーに動きをもたらして、楽しく和めます。


真壁友+天野由美子04 真壁友+天野由美子02 真壁友+天野由美子03

真壁友+天野由美子01

アートガイヤ目黒での個展も楽しかった門田奈々さんのイラスト。
ひとつの統一されたサイズのシリーズが展示され、それぞれに描かれる女性の憂いを帯びた表情と揺らめくような色彩感が心に緩やかさを灯してくれます。


門田奈々004 門田奈々003 門田奈々002

門田奈々001

鈴木太朗さんの作品は、今後の展開に大きな期待を抱かせてくれます。
一角に並ぶ細い筒、その先には羽が取り付けられていて、風を受けると光がほのかに灯ります。


鈴木太朗001

末宗美香子さんの作品は、これまでの白い背景からカラフルな背景へ。
彩りが加わり、壁面での空間にさらに緩急が付いたような感じで、それが構図の統一感に奥行きをもたらしています。


末宗美香子201

debut! ver.NANA IIZUKA 飯塚菜菜 個展
谷門美術
東京都港区北青山3-3-7 第一青山ビル1F
5/23(金)~6/14(土)祝休(日月:要予約)
12:00~19:00
飯塚菜菜080523.jpg

debut! ver.NANA IIZUKA
TANIKAD BIJUTSU
3-3-7-1F,Kita-aoyama,Minato-ku,Tokyo
5/23(Fri)-6/14(Sat) closed on national holiday (Sunday and Monday:appointment only)
12:00-19:00
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支持体が放つ硬質さと、そこから立ち上がる色彩のエッジの鋭さと。
それでいて、有機的。

青山通り沿いに新しく出来たギャラリー、谷門美術でのこけら落とし、飯塚菜菜さんの個展です。

谷門美術は空間自体はたいへん小さなギャラリーですが、今回の飯塚さんの個展が始まる前の準備期間に展示されていた作品を拝見して、これからどんどん面白いアーティストがフィーチャーされてきそうで、ホントに楽しみです。

飯塚さんの作品は、アルミニウムのパネルを支持体としているところがまずユニークです。
そこに、透明感を放つヴィヴィッドな色彩が乗り、その透明さによって下地のアルミニウムの光沢が表面に透過し、独特の濃密かつ軽やかな色彩感を奏でています。


飯塚菜菜02 飯塚菜菜03 飯塚菜菜04

飯塚菜菜01

その透明感から、水のイメージが彷佛させられます。
多くの色彩や色面のかたちが丸いことも、細胞の凝縮や原生生物の蠢きを思わせ、それが独特の世界を紡ぎ出していることに一役買っています。

ちいさなスペースに展示された大作、縦長の画面が生み出す動線のダイナミズムやそのなかで丸い色面の連なりが生み出す動線、そして画面自体の大きさがそのまま迫力に転化されて、オリジナリティ溢れる飯塚さんが生み出す風景に入り込んでしまうような錯覚を覚えます。


飯塚菜菜11 飯塚菜菜12 飯塚菜菜13 飯塚菜菜10

飯塚菜菜09

作品によって、顔を思わせるようなモチーフが入り込むものもあって、それがキュートな風合いを奏で、かわいらしいアクセントをもたらしています。
モチーフの有機的な感覚と素材の質感によって押し出される全体のアバンギャルドさに、そのかわいらしさが引き立てられていて、それがさらにこの世界のなかに流れるストーリーのイメージに具体的なフォルムを与えているような印象です。


飯塚菜菜06 飯塚菜菜07

飯塚菜菜05

飯塚さんの作風の見どころにひとつに、画面から立ち上がる絵の具のエッジがあります。
表面の画面構成がさまざまな縮尺感を生み出している一方で、画面を横から眺めてみると色面のエッジが聳えるように立ち上がっているのが分かり、それが立体的な臨場感も生み出しています。
透明感のある色だからこそ、その盛り上がりが余計にカッコよく感じられるのもたいへん興味深いです。
ファイルに掲載されている、透明の支持体に描かれた作品のディテールがこの面白さ、カッコよさをうまく伝えています。


さまざまな要素が複雑に組み込まれて作り上げられるユニークな世界、ぜひ直に体感してほしいクリエイションです。


飯塚菜菜08

牛島孝「陽炎」
GALLERY SIDE2
東京都港区東麻布2-6-5
5/24(土)~6/20(金)日月祝休
11:00~19:00
牛島孝080524.jpg

Ko Ushijima "MIRAGE"
GALLERY SIDE2
2-6-5,Higashi-azabu,Minato-ku,Tokyo
5/24(Sat)-6/20(Fri) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
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緻密で洗練された技と、粗野で大胆な筆致とのコントラスト。

GALLERY SIDE2での牛島孝さんの個展です。

まず、このギャラリーで日本画が紹介されることに驚かされます。
箔が整然と貼られた和紙の精度。
薄い和紙の繊維の隙き間から覗く箔の輝きが醸し出す、切るような鮮烈な風合い。
そこに描かれる粗雑な筆致とのギャップの大きさに、しばらくの戸惑いを覚えます。


牛島孝14

モチーフとして描かれる「場所」は相当に身近で、その距離の印象が放つ臨場感に、意識がだんだんと侵食されていきます。
どちらかというと乱暴な筆の運びで描かれる蛇口、そこからジャーッと流れ出す水。
蛇口といい、そこから出る水といい、実にあっけらかんとした筆致で再現されています。


牛島孝04 牛島孝05

牛島孝03

作品には「現象」が大胆に取り込まれています。
色とりどりの風船のように浮かぶ球体と、矩形で表現される奥行きのある空間。
その空間性を斬り壊し、ものとしての存在感を鈍重に放つ、画面を垂れる墨の滲み。
この墨の現象が、具象性や空間性と対峙し、強烈なアクセントとなっています。


牛島孝07 牛島孝08

牛島孝06

そもそも、描かれる空間性自体のユニークさが、牛島さんの作品の大きな要素に思えます。
いくつかの作品で見受けられる芝生のような緑の色面、蛇口や洗面所などの水まわり、窓など、粗い筆致ながらも「それ」と分かるほどに描き切られているのですが、一方で描かれている場所の空間的な違和感も伝わります。


牛島孝12 牛島孝02

牛島孝11

そういう、さまざまなアバンギャルドな要素をもつ作品は、それが展示される空間にも鮮烈なアクセントとして作用していきます。
広い壁面に狂った空間が灯されることで、まさにここからしか生まれ得ない異次元の空間のイメージが沸き起こってきます。
しっかりと重力の方向は提示されていつつも、それとはまったく別のベクトルの重力のイメージも無意識に過っていきます。


牛島孝10

牛島孝09

オープニングレセプションに伺ったのですが、そのときはロウソクを灯してさらにその独特の空間性が放つ不思議な雰囲気を全面に押し出され、展示タイトルにあわせるかのようなインスタレーションも拝見できました。
ロウソクの炎の揺れが、牛島さんの作品が本来持ちうる「日本画」としてのポテンシャルも引き出しているように感じられた次第です。


牛島孝01

使用されている素材だけでいえばまぎれもなく日本画であり、同時にそこに投入される要素が構築する雰囲気はアバンギャルドで。
僕が知るそれぞれの作品の流れに一石を投じているかのような感触も痛快です。
身近なのに、いやだからこそ、世紀末的な風合いに強い臨場感がもたらされ、深く印象に残るクリエイションです。


牛島孝13

review:劉孝澄 Liu XioaCheng 日照香爐生紫烟《5/21、5/31》

劉孝澄 Liu XioaCheng 日照香爐生紫烟
東京画廊
東京都中央区銀座8-10-5-7F
5/21(水)~6/14(土)日月祝休
11:00~19:00(土:~17:00)
劉孝澄080521.jpg

"Sun lights Incense Burner peak,Kinding violet smoke" Liu XioaCheng Solo Exhibition
Tokyo Gallery
8-10-5-7F,Ginza,Chuo-ku,Tokyo
5/21(Wed)-6/14(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00(Sat:-17:00)
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うっすらとほのかに漂う余韻。

東京画廊での劉孝澄さんの個展です。

画像で観て想像していたのと実際に作品を拝見したときに受ける印象との差に感嘆させられる、独特の雰囲気に満ちたペインティングです。


入口すぐの台の上。
焚かれる香の香りが劉さんの作品の雰囲気に臨場感をもたらしてくれます。


劉孝澄14

「呼吸」と「金剛経」、このふたつのシリーズの作品が展示されています。

まず、前者の「呼吸」のシリーズ。
大きな画面に描かれる、横たわる男の半身像。
目許や口許などの顔の表情から、髪の毛の1本1本、服の皺、さらに横たわる男の影に至るまで、完璧な写実力で実にリアルに描かれ、独特の深く、重々しいような臨場感を放っています。

しかし、そこに敢えて上から淡い色彩が塗られ、男のフォルムが曖昧に。
そして霞むような、淡く繊細な色調の背景のなかをひとすじの白い煙がふわりと流れています。


劉孝澄07 劉孝澄06 劉孝澄05

劉孝澄01

あたかも、男の身体から精魂が抜け出ているような風合いです。
その精魂が身体から抜けゆくのと合わせるように、その場面の色彩感も消えていくようなイメージも静かに広がります。

具象的に描かれる男の静かな佇まいと、ふっと浮かぶような、虹のような、あるいは画面を横切る激しい波形などの抽象性の高い煙のモチーフとのギャップが、このシリーズのストーリー性を繊細に立ちのぼらせているような印象を受けます。


劉孝澄02

劉孝澄03

「金剛経」のシリーズにも、同様に精魂のシルエットを思わせるものが描き込まれています。
加えて、プロパガンダのような、くっきりとした表情と仕草の人々が登場していること、そして言葉が添えられていることが、色調こそ相通ずる要素があるものの、「呼吸」のシリーズの曖昧な雰囲気とはある部分で一線を画しています。


劉孝澄10 劉孝澄08

劉孝澄09

添えられている言葉は、概ね「虚無」を意味するのだそう。
くっきりと描かれる人々のさまざまな姿が、薄く淡い色が上から重ねられることで遠くへと存在するような風合いに仕上げられています。

そして、「呼吸」のシリーズと同様に精魂を思わせる線があることで風景の魂も消えゆくような雰囲気が立ちのぼるのですが、どこか眠りの前のような雰囲気を静かに滲ませる「呼吸」の諸作とは異なり明らかに意図、意識を持つ表情の人々がそういった中に存在していることで、現実感からの乖離の印象をより突き付けられているかのような力強いメッセージ性のようなものも感じられるような気がします。


劉孝澄13 劉孝澄12

劉孝澄11

劉さんの作品を拝見していると、絵画制作のプロセスが、描けば描くほどにそこにあるものを消していくように思えて、なんともいえない気分に包まれます。
敢えてそうすることで、圧倒的な写実表現を曖昧にすることで、自らが絵画を通して伝えたいイメージに輪郭を持たせているように感じられます。

ここに描かれる世界には、ここだけの時間のゆるやかな流れがあるように思えます。
それに接していると、沈み込むような落ち着きと、淡い色彩による浮遊感に満たされます。

じっくりと対話したいクリエイションです。


劉孝澄04

永山真策展
switch point
東京都国分寺市本町4-12-4 1F
5/22(木)~6/1(日)水休
11:30~18:30(最終日:~17:00)
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Shinsaku Nagayama exhibition
switch point
4-12-4-1F,Honcho,Kokubunji-shi,Tokyo
5/22(Thu)-6/1(Sun) closed on Sunday
11:30-18:30(last day:-17:00)
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先日開催されたGEISAI MUSEUMで、初めて出会ったクリエイションの中でもっとも印象に残った永山真策さんのペインティング。


澄んだモノクロームの静謐。
絵画としての説得力に満ちて、美しいものを「美しい」と思えるシンプルでピュアな感性だけで充分に楽しめる作品です。


永山真策06

今回の個展では、そのGEISAI MUSEUMに続き、女性の肖像画が展示されていました。
すっと沈み込むような透明感が静かに広がり、女性の艶やかな雰囲気も静かに漂わせているように感じられます。
実にていねいに再現されている、女性の髪やそこに飾られる花、服の細やかな模様、ジュエリーなど、そのひとつひとつの美しさにも惹かれます。
それらがひとつの世界を深遠に奏で上げているような風合いが印象的です。


永山真策05 永山真策04

永山真策03

また、すべての作品に描かれる女性の匿名性も作品の深みを押し拡げているように思えます。
表情を描かないことで誰か分からないことを演出しながら、分からないことによって静かな佇まいの妖しげな雰囲気が、よりリアルな臨場感を伴って伝わってきます。


永山真策09 永山真策10

永山真策08

モノクロームの色調だけでなく、すべての作品がほぼ同じ構図で統一されていたことも、空間にもたらすひとつの世界に厚みをもたらしていました。
感情を押し鎮めたかのようなぎりぎりの生命感が静かに満ち、その深い静けさのなかで宝石や髪飾りなどのモチーフの華やかさ凛として立ち上がり、迫ってきます。


永山真策02 永山真策07

永山真策01

ひとつの世界が淡々と提示され、それが鮮烈なインパクトを静かに心の中にもたらしてくれたような。。。
無音が続くなか、ピアニッシモで繊細に奏でられるピアノの音色にも通ずる美しさを感じます。

最近の、ほとばしる感性のまま情動的に繰り広げるペインティングの席巻を痛快に感じているのですが、そういった流れとは敢えて一線を画すかのように、洗練された写実力で綴られる静謐は、心の中に強く印象に残ります。

永山さんの今後の展開がホントに楽しみなのと同時に、さまざまなバリエーションの作品もぜひ拝見してみたいです。


永山真策11

楊雅淳「at the point of turning」
MEGUMI OGITA GALLERY
東京都中央区銀座5-4-14 銀成ビル4F
5/23(金)~6/14(土)日月祝休
12:00~19:00
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Yo Masajun "at the point of turning"
MEGUMI OGITA GALLERY
座5-4-14-4F,Ginza,Chuo-ku,Tokyo
5/23(Fri)-6/14(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
12:00-19:00
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「変化する」嬉しさと、「変わらない」嬉しさと。

MEGUMI OGITA GALLERYでの楊雅淳さんの個展です。


今回の展覧会、ギャラリーに入ってまず感じたのは、「うわ、変わったなぁ!」と。
前回のGallery JINでの個展で拝見したときの印象を今思い返すと、丸みを帯びた、ウォームでどこかのどかな雰囲気、そこに潜む危うさ、アバンギャルドな表情などが浮かんでくるのですが、今回出品された作品は、いきなりヴィヴィッドでダイナミックな矩形波のダイナミズム、引力の流れを思い起こさせるテクスチャーなど、実に動的な、アクティブな雰囲気に満ちていて、これまでのイメージが力強く裏切られたてことがとにかく痛快です。


楊雅淳002 楊雅淳004 楊雅淳003

楊雅淳001

ダイナミックな迫力をもたらす矩形。
これまでなかった奥行き感もつくり出しているように感じられます。
緩やかに向こうまで続くようだったこれまでの作品から一変して、前へ前へ、鑑賞者の方向へと力強く濃厚なインパクトとなって迫ります。
矩形のシャープなグラデーションがもたらす未来的な雰囲気も印象的です。


楊雅淳007 楊雅淳009 楊雅淳008

楊雅淳006

その一方で、変わらない部分、楊さんのウォームな部分もしっかりと残っているのもまた嬉しかったり。
描かれるさまざまな人物、彼らの仕草からにじみ出るユーモラスな温かみは、矩形のシャープさとのギャップに引き立てられ、


何やってんのよ...( ̄口 ̄;)


とツッコミを入れたくなるようなコミカルさが伝わります。
実際、このシチュエーションでホントに何やってるのか分からない...いや、いくつか分かるのもあるのですが、それはそれで何でやってるのかが分からないという...。
また、人の姿からぷあぷあと広がっていく波形もヴィヴィッドでコミカルで。

なんていうか、みんな


!Σ( ̄口 ̄;)


みたいな感じも堪らなかったりします。

このあたたかい風合いも、楊さんのクリエイションの大きな魅力です。


楊雅淳010

楊雅淳005

変化する構成と変わらない個性とがひとつの画面、そしてひとつの空間で味わえるのは嬉しい限りです。
続けて同じ時代の空気を吸うアーティストのクリエイションを観ていく醍醐味をあらためて感じた次第です。

また、ここで楊さんを知った方、ここがこのヴィヴィッドでユーモラスなクリエイションとの付き合いのスタートだという方が、それぞれの方にどういうふうに関係性が育っていくのだろう、ということにも興味があったり...。

独特の色彩感覚も印象的な楊さんのクリエイション、これからの展開も楽しみです。


楊雅淳011

山元勝仁 "PLANETIZE ME"
YUKA SASAHARA GALLERY
東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第3ビル4F
5/17(土)~6/21(土)日月祝休
11:00~19:00
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Katsuhito Yamamoto "PLANETIZE ME"
Yuka Sasahara Gallery
3-7-4F,Nishi-gokencho,Shinjuku-ku,Tokyo
5/17(Sat)-6/21(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)

ファンシーで壮大・・・!
ファンシーなのに壮大!

YUKA SASAHARA GALLERYでの山元勝仁さんの個展です。

山元さんの作品は、今年に入って2度拝見する機会がありました。
21_21 DESIGN SIGHTでのグループショーで、フロントで繰り広げられたスケール感満点のインスタレーション、そして、新丸ビルでのNEW TOKYO CONTEMPORARIES、エレベーター扉の上方での展開。
前者のフューチャリスティックでシャープな雰囲気、後者の落ち着いた大人びた雰囲気、どちらも痛快に作用し、楽しいアクセントとなってその空間を彩っていたのが嬉しく、頼もしく感じられた次第で。


そして、久々となる個展。
まず、上記のふたつに通ずるインスタレーションが、今度はホワイトキューブをヴィヴィッドに染め上げます。
壁に増殖する、カラフルで有機的な構造物。白い空間がそのヴィヴィッドさをさらに鋭く立ちのぼらせて、 アッパーな雰囲気がぎゅんと膨張しているような、力強いクリエイションが出迎えてくれます。


山元勝仁01

パネルから立ち上がる無数の構造物。
ひとつひとつがかわいらしくて、しかしそのかわいい感じが逆に振れて妖しい、危うい雰囲気も醸し出しているように感じられます。紙を使って作る手作業の感触も、モノを作る楽しさを感じます。

そして、それを支持するパネルのペインティングがまた面白い!
まさnヴィヴィッドな配色、艶やかな仕上がりが作品の先鋭的な雰囲気を加速させ、スピード感溢れる色面のスプレッドが、よりおおらかなイメージを惹起します。


山元勝仁05 山元勝仁03 山元勝仁04

山元勝仁02

山元さんのもっとも強いインパクトを持つオリジナリティは、言うまでもなく紙で作られる構造物だと思うのですが、それを支持するものにも相当な重要さを感じ、そしてその精度にも思わず目を見張ります。
この縦長の作品だと、パネル表面の白と側面の水色が空と雲の関係性を連想させてくれるのですが、ひとつ前の丸いパネルの作品なども同じく、支持するものが思い浮かべさせてくれる壮大なスケール感によって、
そこに建つ有機的な構造物もさらにダイナミックな存在へと脳内で変換されていくんです。


山元勝仁09 山元勝仁08

山元勝仁07

「紙」という実に親しみやすい素材と、それを彩色するものもおそらく比較的身近なものを取り入れられていると思うのですが、そうやって作り上げられた構造物は、その「もの」としての親しみやすさをあたたかく伝えてくれます。
無論、それがぎゅっと集まることだけでも充分にイマジネーションの刺激を引き起してくれるのですが、支持するものに施されるペインティングが、そのものの大きさにイメージを留めさせず、より壮大な想像をもたらしてくて、それがとにかく痛快、爽快で。


山元勝仁13

山元勝仁12

もうひとつ、構造物も支持体へのペインティングも有機的なイメージが強いのですが、そこに当てられる照明が構造物の影を支持体に映し出して、いろんな要素の丸みと鮮烈にギャップをつくり出すシャープなシルエットにも魅入られます。


山元勝仁11 山元勝仁06

山元勝仁14

普通に流れゆく時間、空間を異空間へと導くヴィヴィッドなインスタレーションと、さまざまなサイズ、かたちのパネルで展開されることによって提供される縮尺のイメージのバリエーション。
そこに、山元さんクリエイションが内包する強烈なエンターテイメント性も感じます。

いろんなアプローチでイマジネーションを揺さぶり、押し拡げてくれて、表面的なキャッチーさとひとつ踏み込むと射すように迫るアバンギャルドな感性のコントラストも鮮やかなクリエイションです。


山元勝仁10

漆原夏樹展
ギャラリー広田美術
東京都中央区銀座7-3-15 ぜん屋ビル1階
5/30(金)~6/12(火)日休
11:00~19:00
漆原夏樹080530.jpg

Natsuki Urushihara exhibition
Gallery Hirota Bijutu
7-3-151F,Ginza,Chuo-ku,Tokyo
5/30(Fri)-6/12(Tue) closed on Sunday
11:00-19:00
Google Translate(to English)

緻密な筆致で紡ぎ上げられる軽やかな魑魅魍魎。

ギャラリー広田美術での漆原夏樹さんの個展です。

とにかく、実際に拝見してみて、その過剰なまでに緻密な筆致に圧倒されます。
細かい線が緊張感の途切れが一切なくひとつひとつ画面に刻み込まれ、今回の個展に出品されている多くの作品に登場するパンダの毛並みや背景の黄金色の木々などがうねるような臨場感とともに迫ります。


漆原夏樹09

ケレン味のない細やかな筆致の蓄積は、独特の縮尺感を生み出しています。
リアルにその姿が再現された左手前のペンギンの群れの臨場感と、右手の桃源郷のような、極楽のような、味わい深い黄金色と絶妙のグラデーショントとで描き上げられている景色の壮大な神々しさ。
それぞれ、モチーフの大きさを考えると縮尺的には違和感があってもおかしくないのですが、そこに不安定さはまったく感じられず、むしろその違和感によってダイナミックな想像を導いてくれるような気さえします。


漆原夏樹08 漆原夏樹07

漆原夏樹06

描かれるシーンの構成もユニークです。
、日本画としても充分に味わい深く表現される花の儚げで妖艶な肢体、遠くにはおおらかに、そしてリアルに佇まいを晒す月。
おそらく金泥によって夜空の星々がぽつぽつと灯り、さりげないながらも深遠な雰囲気の演出をおおいに盛り上げつつ、この作品の主役的な存在であるパンダのかわいさと奥に秘めた生まれ持った野生性、さらには緻密な毛並みなどによる奇怪な雰囲気。
それらがユニークな縮尺の関係を保ちながらひとつの画面に収められ、静かな緊張感を押し拡げているように感じられます。


漆原夏樹04 漆原夏樹02 漆原夏樹03

漆原夏樹01

今回の個展でもっとも大きな作品、横長の画面に巨大に、かつ体毛の1本1本までも再現したかのように緻密に描き上げられた蜘蛛の異様なまでの存在感と、それと対峙するような黄金色の穏やかな景色。このコントラストは、かなりのインパクトと不思議な物語性をもたらしています。


漆原夏樹10

日本画というと、連綿と受け継がれるさまざまな技術によって生み出される工芸的な美しさも園大きな魅力のひとつだと思っているのですが、今回拝見した漆原さんの作品は、その工芸的な部分の「過剰さ」が印象的で、徹底して描かれる線や緻密な盛り上げなどにある種の狂気を感じます。
そして、その狂気的なスキルで描かれる世界の独創性も、同時に強く印象に残ります。

パンダやペンギンなど、眺めてほのぼのとするようなかわいらしい動物をモチーフとして採用しておきながら、その野生性を敢えて引き出すかのように鋭い筆致で描くことでギャップをつくり出し、独創的な世界にさらに孤高の雰囲気を立ちのぼらせているように感じられます。


ちいさなスペースをひとつの鮮烈な雰囲気で満たす、さまざまな視点で圧巻のクリエイションです。


漆原夏樹05

《5/30》
森田浩彰「Clockwise」
青山|目黒
東京都目黒区上目黒2-30-6
5/30(金)~6/28(土)日祝休
11:00~22:00
森田浩彰080530.jpg

ネジ、鏡、たくさんの工具、文具。
おなじみというにはおなじみ過ぎるアイテムを取り入れて、こんなにコミカルでキッチュな時間を体験させてくれるとは!
キュートで遊び心に満ちたアートワークです。

漆原夏樹展
ギャラリー広田美術
東京都中央区銀座7-3-15 ぜん屋ビル1階
5/30(金)~6/12(火)日休
11:00~19:00
漆原夏樹080530.jpg

隙のない緻密な描き込みの日本画です。
全面を覆う煙るような黄金色と、そこに登場するパンダやペンギンなどのさまざまな愛嬌のある動物たちの本能的に持つ獰猛さ、凶暴さを引き出したような姿。
伝奇的な雰囲気が強く印象に残る、見応え充分の世界です。

杉山実柳ヨシカズ2人展
Gallery銀座芸術研究所
東京都中央区銀座7-3-6 洋菓子ウエスト2F
5/22(木)~6/3(火)日休
15:00~20:00(最終日:~18:00)
杉山実 柳ヨシカズ080522.jpg

シンメトリーのペインティングの柳ヨシカズさんと、イラスト、版画、アニメーションなどさまざまなメディアでの展開を繰り広げる杉山実さんとの2人展です。

柳さんの作品はこれまでも拝見していますが、小さなスペースにぎゅっと詰め込まれるように展示された今回の作品群は、シンメトリー構成はこれまでを踏襲しながらもよりユニークでバリエーションに富んだモチーフを取り入れて、さらに面白味や深みを増したような印象が嬉しく感じられます。

杉山さんの作品では、まずアニメーションがどうしようもなくくだらなすぎて最高。かなりツボでした。
版画作品とペン画の緻密な描き込みによる混沌も、見応えがあり、じっくりと見入ってしまった次第で。
もっと観たい!

《5/31》
現代の琳派 名古屋剛志 絵画展
池袋東武6F1番地美術画廊
東京都豊島区西池袋1-1-25
5/29(木)~6/4(水)
10:00~20:00(最終日:~16:30)

久々の名古屋さんの個展。
これまでの女性が登場するシリーズを一旦お休みして、今回は金魚がモチーフとなった作品が中心。
ていねいに貼られ、ところどころにスクラッチが施されて矩形を織りまぜた金箔を背景とし、さまざまなサイズの画面で舞うように金魚が描かれ、日本画としての渋さや静謐感をたたえつつ、壮大なダイナミズムも展開していたのが印象的でした。
重々しい表情の風神雷神も相当なインパクト。

TSCAコレクション展「ナイト・ウォッチ」飯田竜太 タムラサトル 松山智一 ヤマガミユキヒロ
TSCA kashiwa
千葉県柏市若葉町3-3
5/24(土)~6/28(土)金土のみ
16:00~21:00
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TSCA所属のアーティストの作品がパッケージされたコレクション展。
そのなかで、今回柏に初見参のヤマガミユキヒロさんの作品が面白い!

長い廊下の奥の壁に映し出された映像作品。
今年の岡本太郎賞展に出品された作品と同様の手法で、ある街の光景のさまざまな時間帯で、そこを行き交う歩行者や車が映っては消えていきます。
そして、時間帯が移り変わる刹那、映像全体がフェードアウトしたときの驚き、「そうなのか!」という発見も印象的です。


ヤマガミユキヒロ001


京都neutronでの個展で拝見した作品も展示されています。
テーブル状のパネルに配されるさまざまな空の写真。ひとえに「空」といってもこれだけさまざまな色彩があることにあらためて感じ入ったり、よく見ると隅の方に小さく写ってしまっている建造物が見つかるのも、おそらくヤマガミさんが意図したことではないと思うのですが、面白く感じられます。


ヤマガミユキヒロ003 ヤマガミユキヒロ004

ヤマガミユキヒロ002

《6/1》
永山真策展
switch point
東京都国分寺市本町4-12-4 1F
5/22(木)~6/1(日)水休
11:30~18:30(最終日:~17:00)
永山真策080522.jpg

先日開催されたGEISAIミュージアム2で初めて拝見したアーティストの中でもっとも印象に残った、永山真策
さんの個展に行ってきました。
モノクロームでていねいに描かれる女性の肖像、後ろ姿であったり、髪が被さって顔の表情が分からなくなっていたりと、匿名性を静かに押し出しつつ、すっと降り被さるような繊細な雰囲気が立ちのぼっているような感触が深く印象に残ります。

地図と指紋 1)地図シリーズ 企画構成/広川マチ子 作品/西原功織 テキスト/林道郎
A-things
東京都武蔵野市吉祥寺本町4-6-2-1F
4/16(水)~6/15(日)月火休
13:00~19:00(最終日:~17:00)
西原功織080416.jpg

同じ吉祥寺内に移転したA-thingsでの、今年いっぱい続く企画の第1段です。
西原功織さんの、ダイナミックな線の展開が痛快で同時に問うような深みを醸し出すさまざまな作品が白く爽快さが満ちるような空間に展示されています。
地図の道路を抜き出したようなペインティングがずらりと並ぶ一角は圧巻。
また、線ではない、シンプルな風景画や静物画もあって、それが展示の構成に奥行きをもたらしているように感じられます。
この企画の今後の展開も楽しみです。

-仄- 烏山秀直個展
Plaza Gallery
東京都調布市仙川町1-24-1
5/31(土)~6/29(日)水休
10:00~18:30
烏山秀直080531.jpg

ガラスや薄い布など、透過性のある素材を支持体とし、そこに細かいドットが緻密に配置される作品です。
なにより涼しげな風合い、瑞々しさが気持ちいいです。
床に置かれた作品や通りに面したガラス張りの壁面に直に描かれたペインティングなど、軽やかなリズムに満ちています。

《6/2》
"pa-ff." 石本かや乃 今村綾 岡村美咲 武智周三 野澤里沙 宗岡さと子 mayu
GALLERY b.TOKYO
東京都中央区京橋3-5-4 第1吉井ビルB1
6/2(月)~6/7(土)
11:00~19:00(金:~21:00、最終日:~17:00)
pa-ff 080602.jpg

女子美術大学油絵研究室の同期生によるグループショーです。

TWSで拝見している石本かや乃さん。抽象的な筆の運びで表現される、風景を思わせるペインティング。
爽やかな色調で繰り広げられるおおらかなスケール感が興味深いです。


pa-ff 石本かや乃03 pa-ff 石本かや乃01

pa-ff 石本かや乃02

宗岡さと子さんの作品は、小品と大作とが離れた位置に展示され、こちらも抽象的なインパクトが強いですが、展示された2点が同じような構成、構図なのが意味深で、シンプルな展開に奥行きをもたらしています。


pa-ff 宗岡さと子01

pa-ff 宗岡さと子02

さらにシンプルな構成で、水平線、地平線の風景を連想させる作品、武智周三さん。
やわらかな色のチョイスと作品のスケール感とのギャップが面白いです。


pa-ff 武智周三02

pa-ff 武智周三01

岡村美咲さんのペインティング。
さまざまな色彩が混ざりあう細かい線の集積で、ミニマムなリズムを展開しています。
自動車の窓を流れる雨粒の水滴のようにも思えたり、もっと大きな風景を鳥瞰しているようにも感じられたり。白の背景が、線の存在感をよりヴィヴィッドに浮かび上がらせていて、複雑な構成に意識が引き寄せられるような感じです。


pa-ff 岡村美咲04

pa-ff 岡村美咲03


合わせて展示されている風景画のダークな雰囲気も印象に残ります。


pa-ff 岡村美咲02

今村綾さん。
わかっていても、からりと描かれる光の残像の、大人びていて同時にキュートな風合いは、作品を観た瞬間に「あぁ、やっぱりいいなぁ」と思ってしまいます。


pa-ff 今村綾03

大作では、さまざまな色の光がくるりと舞います。
夜を思わせる黒の背景、そこに浮かぶヴィヴィッドな色彩。その光の真ん中の白へと連なるグラデーションの緻密さにも感嘆させられます。


pa-ff 今村綾02

pa-ff 今村綾01

これまでも目にする機会の多い、もとい、一度拝見したら忘れられないmayuさんのキュートなクリエイション。
軽やかな遊び心に満ちて、ポップなリズム感も実に楽しげな風合いを奏でています。


pa-ff mayu02

pa-ff mayu01

おなじみのペットボトルの蓋を並べた作品は、他では感じることのできないキュートさと圧巻の光景とが、不思議な臨場感を醸し出しています。
ひとつひとつに施される絵のかわいらしさも印象的です。


pa-ff mayu05 pa-ff mayu04

pa-ff mayu03

SAN-AI GALLERYでの展示も印象に残っている野澤里沙さんの作品、ドットの集積による立体的なテクスチャーの力強さはやはり見応えがあります。


pa-ff 野澤里沙01

実にていねいな描写の風景画ですが、そこかしこに見受けられる個性的な絵の具の使い振りによる「もの」としての存在感が、重厚なインパクトを放っています。油絵の具の艶やかさもそのテクスチャーにさらなる臨場感をもたらしているように感じられます。


pa-ff 野澤里沙03 pa-ff 野澤里沙04

pa-ff 野澤里沙02

柴田鑑三展
INAXギャラリー ギャラリー2
東京都中央区京橋3-6-18 INAX:GINZA 2F
6/2(月)~6/26(木)日祝休
10:00~18:00
柴田鑑三080602.jpg

凄い。
分厚いスタイロフォームを列ね、空間を分断するインスタレーション。
そこに施される等高線のような緻密なカットと、押し出されて立体的に立ち上がる様がとにかく圧巻です。
手前と奥、どちらの方向から眺めても、照明によって見え方が異なり、じっくりといつまでも眺めていられます。

《6/3》
dix mesangettes 10編の詩のための秘匿箱 羽田野麻吏展 ドローイング/小川敦生clementsalon*workshop
東京都港区南青山4-26-16-B1
6/4(水)~6/23(月)火休
11:00~20:00
羽田野麻吏080604.jpg

製本家の羽田野麻吏さんが、ご自身が好きな詩を活版で刷ったちいさなキューブをその詩の雰囲気にあわせてパッケージした作品が、静かに展示されています。
透明アクリルのケースの作品に施される小川敦生さんの一筆書きの緻密なドローイングも美しいです。
静謐感に満ちて、凛と落ち着いた雰囲気が心地よい展覧会です。

《6/4》
CORRESPONDENCE/LANDSCAPE 08 玉野早苗 広田敦子 藤本涼
工房 親
東京都渋谷区恵比寿2-21-3
6/4(水)~6/21(土)日月休
12:00~19:00(祝・最終日:~17:00)
風景・所在値080604.jpg

3名のアーティストの写真作品が展示されています。
不思議な構成がどこかユーモラスな雰囲気を漂わせる玉野早苗さん、モノクロームで光の表情を捉える広田敦子さん、今年のART AWARD TOKYOでも印象に残っていて、滲むような風合いが深遠な雰囲気を醸し出す藤本涼さん。

創発展 vol.1:伊藤遠平/高亜美
YUKARI ART CONTEMPORARY
東京都目黒区鷹番2-5-2 市川ヴィラ1階
6/4(水)~6/28(土)日月火休
11:00~19:00(土:~20:00、最終日:~18:00)
伊藤遠平・高亜美080604.jpg

ペインティングの伊藤遠平さんと、陶芸の高亜美さんがフィーチャーされた展覧会です。
伊藤さんの。複雑なテクスチャーで描かれる、退廃的で殺伐とした雰囲気の中に深い表情を浮かべる細身の人物の肖像と、高さんのどこかほのぼのとしていて朴訥としたやさしい感触が心地よい素焼きの陶器の人物たち、このコントラストも面白く感じられます。

ORDER RECEIVED 会田誠 池田学 鴻池朋子 天明屋尚 山口晃
MIZUMA ART GALLERY
東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F
6/4(水)~6/28(土)日月祝休
11:00~19:00
ORDERRECEIVED080604.jpg

ニッポンの現代アートのビッグネームが名を列ねるグループショー、いうまでもなく見応えもイマジネーションの奥行きもたっぷりなのですが、そのなかでも池田学さんのドローイングが観られるのがとにかく嬉しいです。
DMにも採用された作品も、決して大きくない作品ですが、無意識に画面に顔を近付けてペンによる細かい線の集積に見入ってしまいます。

眼差しと好奇心 vol.4 石原七生 大島梢 太田麻里 指江昌克 松山智一 山田郁予
ミヅマ・アクション
東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル5F
6/4(水)~6/28(土)日月祝休
11:00~19:00
眼差しと好奇心vol.4.jpg

実にバリエーションに富んだ、それでいてしっかりとミヅマアートギャラリーの方向性と懐の深さも鮮烈に感じさせてくれる、フレッシュでいて渋さも持ち合わせたクリエイションが凝縮されています。
これまでとひと味違う太田麻里さんの作品、大島梢さんの壮大な展開など、見どころも満載です。

西山美なコ ~いろいき~
児玉画廊|東京
東京都港区白金3-1-15-1F
5/10(土)~6/14(土)日月祝休
11:00~19:00
西山美なコ080510.jpg

Minako Nishiyama "i-ro-i-ki"
Kodama Gallery Tokyo
3-1-15-1F,Shirokane,Minato-ku,Tokyo
5/10(Sat)-6/14(Sat) closed on sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)

染まる空間。
彩られる空気の漂い。

児玉画廊|東京での西山美なコさんの個展です。
西山さんといえばほのかに映り込むピンクが印象的ですが、今回はその淡い色調が空間の随所に配され、よりいっそうそのユニークさが儚げな臨場感を伴って迫ります。


西山美なコ16

どこまでも透明感溢れる空間がつくり出されています。
ふわっとほのかに膨らむような、繊細なダイナミズムに満ちていて、この淡いピンク色が醸し出すやわらかい雰囲気に浸るような感触が実に心地よく感じられます。


西山美なコ15

いちばん奥にあるオブジェ。
何層にも重なる複雑な構造をしたオブジェは、その色調からかわいらしさを爽やかな滲ませつつ、同時に花が持つ脆さに通じるというか、ふっと空間に消え入ってしまいそうな儚げな風合いと、それでも重厚で強固な個体としての存在感を力強く放っています。


西山美なコ01

西山美なコ02

今回の展示をあらためて拝見してみて、照明の設定の大胆さに気付き、それがもたらす空気感の迷いのなさ、ケレン味のなさが強く印象に残ります。


西山美なコ08

西山美なコ07

作品自体に直に当てられる照明の数は相当に少なく、代わりになにも置かれていない床に向けて真下を煌々と照らす白熱照明の白い光。
過剰なほどに繊細に、大胆に、緻密に設定される照明設定。この大胆さが、西山さんの作品の独特の美しさをぐんと引き出して、作品が、そして空間が持つ力を目一杯引き上げてくれています。


西山美なコ03

作品の配置も絶妙です。
妖精の残り香のようなほのかなピンク色を滲ませながらくるっと舞うように、かわいらしいかたちが空に浮かびます。
さらに、微妙なピンク色のウォールペインティングも、浮遊感を盛り上げてくれます。


西山美なコ05 西山美なコ06

西山美なコ04

額装された紙の作品。
それぞれの画面で、実に繊細な風合いを奏でています。


西山美なコ14 西山美なコ13

西山美なコ10

緻密に綴られる装飾的なパターン。
ところどころで僅かにカールしていたり、アクリルのパネルを重ねて層を作り上げていたり、そこにさらに織り込まれるさまざまなアイデアやテクニックも。
そして、乳白色の背景をピンクの色彩がほんのりと染め上げます。


西山美なコ11

西山美なコ12

入口の扉を明けた瞬間からすっと心に入り込んでくるような、繊細でやわらかいクリエイション。
ひとつひとつの作品の精度や存在感も素晴らしいですが、考え抜かれた大胆な照明と配置により、この空間全体がひとつの作品と言ってしまいたくなるくらいに澄んだ美しいインスタレーションが施され、その風合いが深く印象に残ります。


西山美なコ09

YAMAMOTOGENDAI FUTURE FEATURE volume 4 小林香織・平川なつみ「第三者」
山本現代
東京都港区白金3-1-15-3F
5/10(土)~6/7(土)日月祝休
11:00~19:00(金:~20:00)
平川なつみ080510.jpg 小林香織080510.jpg

YAMAMOTOGENDAI FUTURE FEATURE volume 4 Kaori Kobayashi/Natsumi Hirakawa "THE THIRD"
YAMAMOTOGENDAI
3-1-15-3F,Shirokane,Minato-ku,Tokyo
5/10(Sat)-6/7(Sat) closed on Sunday,Monday,and national holiday
11:00-19:00(Fri:-20:00)
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異なる二人の若手女性アーティストがフィーチャーされた展覧会です。
その個性のコントラストのが劇的で、ユニークな空間を生み出しています。

まず、平川なつみさんの小品がお出迎え。


平川なつみ01


!Σ( ̄口 ̄;)

まったくもってよく分からないシチュエーション。
ツッコミ所満載でどこから考えていいのやら、おおいに戸惑ってしまうところですが、ファイルでチェックできるこの作品のタイトルもまた最高で、このシュールさを一気に加速させてくれます。

この作品を観て、子供の頃に観た「この絵の中に間違いはいくつあるでしょう?」「・・・ありません」「正解!」っていうやりとりの炭酸飲料のコマーシャルを思い出したのですが、この炭酸飲料の名前が思い出せず...orz


もとい。

どこまでも痛快なシーンがそれぞれの作品で展開されています。
ひとつひとつがコントみたいに、しょーもない感じが充満していて、そこに

なんでお前がそこにいるんだよ!Σ( ̄口 ̄;)

とおおいにツッコミを入れたくなるようなキャラクターやらシチュエーションやらがきゅっと織り込まれていて、いやもう噴き出しそうになるくらいにどんどん脳内でイメージが膨張していくような感じで。
案外「あ、知ってるかも」と思わせる身近な感じの場所を描いていたりするのですが、こういう作品が揃うと、例えば人影がいない工場の絵でも「影になった部分にかつての志村けんが隠れているんじゃないか」とか、自分でこうやって書いていてもどうかと思うような下らない妄想をがんがん盛り上げてくれます。


平川なつみ06 平川なつみ04 平川なつみ02

平川なつみ03

そういった作品がまた、比較的おとなしめの額に収まっているものだからこれがまた。
「描いちゃいました」的な暴走っぷりがとにかく楽しすぎるクリエイションです。
いったいこれから何所まで行くのやら、っていうかもう充分にずいぶん遠くまでイっちゃってる感じがなくもないですが、またいろいろと観てみたいです。


平川なつみ05


一転して、小林香織さん。
こちらは、絵画的な説得力に満ちた、穏やかな静謐感が広がる油彩の作品です。


小林香織02 小林香織03 小林香織04

小林香織01

3名の登場人物。
今回出品されている作品位登場する人物はおそらく同じで、それがここに並ぶ作品をひとつに繋げ、無声の映画を観ているような感覚に陥ります。
ここで綴られる物語、それぞれの画面に描かれるシーンが淡々としていて、耳を澄ますとその情景に静かに響くノイズしか聴こえてこないような、それほどに静かな印象で。
この淡々と綴られるような感じは、以前に観たギリシャの映画を思い起こさせてくれます。


小林香織05

小林香織07

大作のスケール感、どこまでも続く広々とした感じが強く印象に残ります。
ひとつのパターンを愚直に列ね、水平線のところまで緻密な広がりをもたらしていて、凪ぎの海の景色を演出することで、対面するふたつの大作だけでなく、ここに展示された作品やこれらが作り上げる物語に淋しげな、儚げな風合いをもたらしているように感じられます。

また、魂が抜けるように描かれる、透過した人のシルエットが演出する浮遊感が、より内面的な要素を作り上げているようにも思えます。


小林香織06

今回紹介されたふたつの個性、それぞれ雰囲気が劇的に異なっていますが、そのコントラストがお互いを引き立てあっているように思えます。
同じ空間でこの差を体感することの戸惑い、揺さぶられる感じも、これはこれで気持ちいいんです。

そして、それぞれが今後どのようなストーリーを綴っていくかもすごく楽しみです。


小林香織08

松下康平 SUMI ART -大地-
COEXIST
東京都港区赤坂3-8-8-2F
5/12(月)~6/6(金)日休
11:00~19:00
松下康平080512.jpg

Kohei Matushita SUMI ART
COEXIST
3-8-8-2F,Akasaka,Minato-ku,Tokyo
5/12(Mon)-6/6(Fri) closed on Sunday
11:00-19:00
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大胆で繊細なアプローチと、そこに込められる環境への提案や思い。

松下康平さんの、自らが運営に関るCOEXISTでの個展です。


主に炭を素材とした作品を中心に、さまざまなクリエイションが並びます。


松下康平001

紙を自ら漉いた作品。
リサイクルの精神をそこに反映させると同時に、そこかしこに環境がテーマの新聞記事を配し、メッセージ性がより具体的に立ち上がって感じられます。
何より、ざっくりとしたグレーの紙のリアルな質感とそこを舞う墨の線が生み出すダイナミズムに感情が引き寄せられます。


松下康平005 松下康平004 松下康平003

松下康平002

もう1点の平面作品も印象的です。
普段使用しないような素材も取り込み、そこかしこに混ざり込む炭の粒子の輝きを引き立てています。
力強い重厚さがぐんと伝わり、深い臨場感を発しているように感じられます。


松下康平011 松下康平010

松下康平009

炭をシンプルに用いた作品は、自然によって生み出されたなめらかなフォルムとていねいに磨き込まれた表面の艶やかさ、輝きとにより、その素材の美しさが繊細に引き出されています。
黒に黒のコントラストに微妙な陰影も生まれ、独特の静謐感を醸し出しています。


松下康平007 松下康平008

松下康平006

会期前半にライブで作られたというインスタレーションも。


松下康平012

「炭」という素材の美しさとポテンシャルが力強く伝わります。
そして、そこかしこに織り込まれるリサイクルの精神がそれぞれの作品の確信の大きなバックボーンとなって、独自のユニークさを構築しているように感じられるのも興味深いです。

機会があれば、松下さんによるもっとダイナミックな空間、それこそ八方を全面炭で覆うくらいのインスタレーションも観てみたいです。


松下康平013

ないないのば 吉田早苗 高松伊穂
Gallery Stump Kamakura
神奈川県鎌倉市十二所848
5/18(日)~6/14 (土)金土日のみ
13:00~20:00
ないないのば080518.jpg

Nainai no Ba Sanae Yoshida,Iho Takamatu
Gallery Stump Kamakura
848,Juniso,Kamakura-shi,Kanagawa-ken
5/18(Sun)-6/14(Sat) Friday,Saturday and Sunday only
13:00-20:00
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ふたつのモチーフのコントラストが響きあう楽しさ。


Gallery Stump Kamakuraを共同で運営するアーティストメンバーの村岡佐知子さんの企画による、同じくメンバーの高松伊穂さんに、吉田早苗さんを迎えた2人展です。
特に意識されたわけではないようなのですが、高松さんの「輪」と吉田さんの「階段」、まるいものと角ばったものという差異が分かりやすいモチーフの作品がひとつの空間、というより家屋のなかに展示されていて、お互いキュートに響きあっています。

吉田早苗さんの作品。
ペインティング、立体の作品、インスタレーションと、ひとつのスタイルに留まらない幅広さが楽しさを演出しています。

シンプルな色面構成のペインティング。
くっきりとした発色とかたちの感触が痛快です。


ないないのば 吉田早苗01

ないないのば 吉田早苗02

天井から吊るされた、リボンの階段。
光を受けててらてらと輝いて、素材のグリーンの鮮やかさが際立ちます。
リボンというやわらかな素材で堅いかたちが作り上げられていることのシュールさも楽しく思えます。


ないないのば 吉田早苗09 ないないのば 吉田早苗08

ないないのば 吉田早苗07

透明の素材でちょこんと吊るされた階段も。
風に吹かれてくるくるゆらゆらと動く様もかわいくて、この展示のアクセントになっています。


ないないのば 吉田早苗04

ないないのば 吉田早苗03

他にもいろんなアプローチで階段、段々をかわいくおおらかに表現しているのですが、そんな中、奥の小部屋で展開されているインスタレーションのシュールさが最高。


ないないのば 吉田早苗06


部屋中に積み上げられた段ボール箱の段々。
一部はぐっちゃりと見事に潰れちゃっているのですが、その中にモニターがあって、そこに映し出されている、stumpの某メンバーがこの積み上げた段ボールを登っている映像を見るとその理由が一目瞭然。


いったい何やってんだアンタ!Σ( ̄口 ̄;)


と思わずにはいられない、究極的なくだらなさに脱帽。
あまりのアホ具合がツボにハマって即爆笑(≧∇≦)ノ゛
はっきり言って「だからなんだ!」という感じなのですが、面白いから許す!
大いに許す!

このギャップがホント堪らないです。


高松伊穂さんのペインティングは、前回のstumpのグループ展でも拝見していますが、今回はさらに作品数が多いこともあり、クリエイションのユニークさがこれまで以上にしっかりと伝わってきます。
あらためて、この面白さ、かわいくて素敵な感じを実感。

シチュエーションのあっさりとした表現をバックに、おおらかに輪が宙を舞っています。


ないないのば 高松伊穂02 ないないのば 高松伊穂04

ないないのば 高松伊穂01


色使いの軽妙さ、さわやかさが気持ちいい!
画面に描かれているいろんなモチーフが、色彩の軽やかさとそこに舞う輪のおおらかさによって、小さな画面でもスケール感を増して感じられ、思いきり深呼吸したくなるような清々しさに満ちているように感じられます。


ずらりと並んだ小品群も楽しげな雰囲気を広げています。


ないないのば 高松伊穂06 ないないのば 高松伊穂05

ないないのば 高松伊穂07

ポップで、それでいてやはり何か奇妙さを秘めているような感じに引き寄せられます。


ないないのば 高松伊穂03


高松さんの展示されていない大作も見せていただきました。
今回の展覧会に飾るのは、色合いがちょっと浮くために見送ったそうなのですが、より実感できるシチュエーションのなかに大きく登場する輪、力強くてダイナミックな風合いが興味深く、あらためてちゃんと拝見したいです。

展示を拝見していて、「輪」の高松さんと「段」の吉田さんの共作、もしくは同じ大きさの作品など、お互いの距離を縮め、ひとつの空間に展示されている関係性がより実感できるような作品や演出があるともっと面白いような印象を受けました。
このことは伺ったオープニングのときにもお二人にお話ししていて、会期も余裕があるので、そういった作品が加えられていると嬉しいなぁ、と。

おかげさまでこのブログ、始めてから25ヶ月が経ちましたってこういう場合12進法で勘定するだろ普通!Σ( ̄口 ̄;)


ホントにたくさんの皆様に、あらためて御礼申し上げます。
また、コメント欄やメールなどでご意見、ご感想、情報をお送りくださる皆様、ありがとうございます。こちらの怠慢でお返事できず、ホントに申し訳ないです。

これからも長く楽しく続けていきたいと思っています。
今後も何卒よろしくお願いいたします。

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writer name:幕内政治
birth:1971/6/17
mail:exchamber@yahoo.co.jp