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幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報
2009年3月アーカイブ

TWS-Emerging115 増子博子「行為の庭」

トーキョーワンダーサイト本郷

東京都文京区本郷2-4-16-2F

2/14(土)~3/8(日)月休(月曜日が祝日の場合開廊、翌日休)

11:00~19:00

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TWS-Emerging115 Hiroko Masuko

TOKYO WONDER SITE Hongo

2-4-16-2F,Hongo,Bunkyo-ku,Tokyo

2/14(Sat)-3/8(Sun) closed on Monday (If Monday is a national holiday,the following day will be closed instead.)

11:00-19:00

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昨年のGallery Jinでの個展に引き続き開催された、トーキョーワンダーサイト本郷での増子博子さんの個展に行ってきました。

TWSの3階のふたつい並ぶスペースを活かし、これまでの盆栽のシリーズと、新たな展開の作品とに分けて展示され、それぞれの面白さをダイナミックに感じることができて嬉しかった次第で。

まず手前のスペースでは、お馴染みの盆栽のシリーズがずらりと。

既発表作品も多く出展され、大きな画面で繰り広げられる緻密なパターンの繰り返し、その密集の力にあらためて感じイいりました。全体の丸みを帯びたようなどこか滑稽なかわいらしさを伴う構図感のものも、なんともよい感じです。

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新たな展開が繰り広げられていた奥のスペース。

まず、大きな屏風に目が向かいます。

これまでの線のパターンの密集による展開に加え、さらに有機的なかたちがうねうねと湧いているような風合いに、増子さんの作品における新鮮なエッセンスを感じます。いままでの「ひとつのい塊」での増殖から一転し、いくつかの要素でもたらされる奥行き感も不思議な雰囲気を醸し出しているように感じられます。

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無論、徹底した密度による展開、ひとつの塊のなかにさまざまなパターンが詰め込まれ、めくるめく細密のダイナミズムをもたらしている作品も。

このあたりの質感はホントに面白い!パターンの際がもたらすコントラスト、濃淡と、それが導く立体感にも引き寄せられます。

そして、まさに「塊」と言わんばかりの密集部分と、一転して大きな弧を描くような構図との組み合わせが、スケール感もさらに押し拡げているように思えます。

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そしてさらに進化します。

ある動物の頭部を思わせる全体の構図感。細く伸びる角のような部分の鋭さ、咆哮する口元を連想させる部分の危うさなど、これまでにないほどの先鋭的なイメージを創出しているように感じられる一方で、そのまわりをクラゲのようにぽわぽわと浮かんで囲む奇妙にかわいらしいモチーフのどこかほんわかとした不思議な感じや、ずらりと隊列を組むようにして上から下へと向かうパターンがなんだか

エビフライか!Σ( ̄口 ̄;)

(しかも寿司ネタになってるっぽいし)

というユーモアの風味がけっこう大胆に挿入されているのもステキな感じです。

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さらに先鋭的な風合いを加速させるのが縦長の作品。

「盆栽剣」、刀の鞘のかたちにまとわりつく紋様の複雑さがゴージャスな感触を導き出します。

そして縦の構図がもたらす速度感が、これまでの「広がる」展開のイメージから「進む」感触へと展観しているように感じられるのも興味深いです。

四の五の言うより、とにかくかっこいい!

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小品による壁面構成も見応えがありました。

モチーフの小ささ、そこに詰め込まれる想像のボリューム。構図の面白さ、空間性もさらに押し進められ、よりおおらかなアイデアの反映がたのしい情景を無数に導き出しているように感じられた次第です。

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細密の展開に対するストイックな姿勢はもちろんですが、それよりも描き手の楽しさがポジティブに伝わってくるのが嬉しいです。

今週開催の101TOKYO Contemporary Art Fair 2009のGallery Jinのブースでも増子さんの作品が紹介されるとのこと、こちらも楽しみです!

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オランダか!Σ( ̄口 ̄;)

・・・というわけで、先週末、妹の結婚式でオランダはアムステルダムまで行って参りました。

で、式への出席など諸々をこなしつつ、しっかりとギャラリー巡りも敢行してきた次第でございます。

普段から「基本は陸続き」と公言して憚らない僕もこの機会は逃してはいかんとばかりに巡りに巡って20軒以上、おそらくこの週末、アムステルダムでいちばんギャラリーを回ったのは僕、というちょっとおかしな状況を創り出しつつも、そこかしこでの出会いは新鮮で。そして意外な作品を拝見する貴重な機会を得る、という驚きもあったり。

印象として、こちら(日本)となんにも変わらない、と。

だから、面白い!めちゃくちゃ面白い!日本で楽しめてるんだから向こうも面白い!

そして、作品や展示の差も、クオリティだけでなくアイデンティティ的にもほとんど感じなかったです(あるギャラリーで「あ、これ知ってる、日本人ですよね」と聞いてみたらアメリカ人若手アーティストの作品だったり)。

あと、これはアムステルダムに行く前に聞いていたのですが、アムステルダムのギャラリー情報のフリーペーパー「EXHIBITION AMSTERDAM」があって、それが大変便利で。これを見つけるまでは若干時間がかかってしまいましたが、入手してからはこれを手がかりにがんがん回って、いろいろとチェックすることができました。

加えて、それこそほぼギャラリーの数だけの人と会っているのですが、それでも耳で覚えたオランダ語はひとつもなく、それくらい英語が通じます。僕の英語力などまったくたいしたことはないのですが、それでもほぼ大丈夫なのもありがたかったです。

《3/20》

Wim Claessen

GALERIE ROGER KATWIJK

3/21-4/25

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無彩色的な色調と、建造物などのシルエットがシャープな雰囲気を紡ぎ出すペインティング群が静かに並んでいました。

追求されるリアリティの精度、かたちの硬質な風合いが理知的なインパクトをもたらしていてかっこいいんです。

David Powell, Spectres

annahakkens gallery

2/14-3/14

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会期が終わっているのに作品が引き続き展示されていて観ることができた展覧会。

クラシカルな雰囲気が醸し出す独特の空気感、そしてそのテイストのなかに詰め込まれる物語性のおおらかさとボリュームが印象に残っています。

Reinoud Oudshoorn Nieuwe Beelden

Wetering Galerie

3/14-4/18

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磨りガラスや木、金属などを駆使し、建築的なアプローチを織り込んで作品ごとにユニークな空間性が生み出されていて、見応えがありました。

このギャラリー、奥にもスペースがあり、こちらに並んでいたヴィヴィッドな個性も面白かったです。

Power to the Paint

Arti et Amicitiae

2/7-3/22

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アムステルダム内にいくつかあるインディペンデントスペースのうちのひとつ。大きな通りに面していて、建物の壁面に掛かる大きなタペストリーに誘われて入るとここは有料でした(3ユーロ)。

開催されていた展示はふたつあって、そのうちのペインティングにスポットが当てられたこちらの企画がけっこう面白かったです。Frank Ammerlaanの大作での抽象表現の重々しさが放つ分厚い壮大感、一転してJoachim Grommekの整理された図形的なアプローチ、そしてもっともインパクトがあったRob van de Werdtの、絵の具の缶を切って作品化したその大胆なアプローチと、行為の蓄積ではなくそれに付随した、コントロールきないところにできる面白いものの面白さがけっこう痛快で。

《3/21》

Erin Dunn Distinguished by the Swans/Geer van der Klugt New curiosity

W139

3/14-4/12

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ここもインディペンデントスペース。結構な奥行きです。

そしてここがホントに面白かった!

Erin Dunn の作品は映像とインスタレーション、そして映像にも用いられているドローイングとさまざまな作品が展示されていたのですが、なかでもドローイングが面白い!凄く親しみを感じる風合いが嬉しいんです。

Geer van der Klugtの大作も相当な見応え。入り口から続く長い壁面に、堂々と展示された作品に描かれる風景、そのスケール感はサイズの大きさと相まって相当に力強い世界を放出しているように感じられた次第です。

Gerben Mulder New Paintings

GALERIE AKINCII

3/21-4/18

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こってりと乗る絵の具が作品の雰囲気を原始的なものへと動かしているように感じられます。さまざまな色彩の作品が空間に余裕を持って配置され、そこに描かれる人物の表情や仕草の豊かさにも感じ入った次第。

Rob Regeer "K.O."

Metis_NL

3/21-4/18

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ぼやけた筆致で描かれるペインティング。これがけっこうかっこいいというか、深いユーモアを醸し出していて魅せられます。

並ぶポートレイトは一様に頭を抱えるようにしていて、モチーフも実際にギャンブルで負けた瞬間の様子を捉えたようなのですが、ぼやけていることで発せられる匿名性が曖昧な臨場感を醸し出し、詰められない距離の存在にも絵の中の状況と現実との差異、奥行きの豊かさを思い起こさせてくれます。

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その向かいの1点、ウルフの後ろ姿、即ち勝者の勇姿を思わせるシルエットが対峙していて、空間にも深い世界観が満たされています。

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こちらのギャラリーの方に誘われて事務所にもお邪魔したところ、マップケースに花澤武夫さんのドローイングが入ったグリーティングカードを見せていただいてびっくり、さらに、先日までラディウムーレントゲンヴェルケで開催されていた「掌9」にも参加されていた高田安規子さん、政子さん姉妹の作品もあったりと、なんとも嬉しいハプニングの連続があり、世界の広さと狭さを実感した次第です。

Terry Haggerty

VOUS ETES ICI

3/21-4/18

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おそらくマスキングを駆使し、実に精度の高いグラフィカルなペインティングが並んでいます。

かたちと配色とで組み上げるシャープさ、錯覚がもたらす奥行き感。フューチャリスティックな質感に圧倒されます。

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Merina Beekman 'Opium Garden'

SLEWE

2/21-3/28

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モノクロームのドロイーイング的な作品や、布を用いたぬいぐるみのようなものまで、支持体のバリエーションは豊かでありながら、空間全体に満ちる世界観にはある宗教的な雰囲気を伴う硬質で静謐な統一感が感じられます。

カートゥーン的な風合いの描き味も随所に発揮され、それぞれの物語性と対峙し、じっくりとその渋みを体感した次第で。

'HOW DO I KNOW ABOUT THE WORLD? BY WHAT IS WITHIN ME'

Willem Kerseboom Galerie

3/14-4/2

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中国人アーティストを特集した展覧会。

東京画廊での個展で拝見したHan Yajuanさんの作品に出会えたのが嬉しいハプニング。

それぞれに力が入った作品が並ぶなかで、Feng Zhengquanさんのポップな世界観にいちばん惹かれました。

:-)-: NOA GINIGER

GALERIE GABRIEL ROLT

2/21-4/4

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床に置かれる紙の束。その真ん中に一つの言葉が、まるで紙の布団に横たわるかのようにプリントされていて、不思議な響きを空間に放っていました。

インスタレーションっぽいインスタレーションといった感じなのは、今回アムステルダムで観て回った展示のなかでもこの展示が突出していたように思えます。相当にメッセージ性が強い展示のように見受けられたのですが、そういったインスタレーションはもしかしたら日本のほうが多いのかもしれないです。

SUTO-RI- Martine Stig

Motive Gallery

2/14-3/28

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映像作品、さすがにしっかりとチェックすることができず残念。

なんでも今回出展されている作品は、アーティストが日本にレジデンスで滞在しているときに制作したたものなのだそうで、登場人物は日本人、言葉は聞こえてこなかったと記憶していますが、見覚えのある景色が現れたり。。。

'GREAT BIG MEN' - JOHN SCOTT

RONMANDOS

2/21-4/9

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なんだかざっくりとして厭世観が漂うような雰囲気がかっこいいんです。

さまざまなスタイルの作品が並び、殺伐とした風合いの筆致で繰り出される世界は勢いがあると同時にグラフィック的なテイストの刹那感が印象的です。

ANY KIND OF CRUELTY

Martin van Zomeren

3/14-4/25

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さまざまなアーティスト、さまざまなメディアがひとつの空間にパッケージされ、とらえどころのない不思議な混沌が生み出されている展覧会です。かなり前衛的な世界観が取り揃えられているような印象もあり、独特な深みが興味深く感じられた次第。

先日、東京のTARO NASUで個展を開催されたCornelius Quabeckのペインティングも!

Tom Gidley ‘Ritual Footpath’

GALERIE DIANA STIGTER

2/21-3/28

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ホントにひとり?と思ってしまうほどに、平面、映像、立体とバリエーションに富んだ表現手段と、平面ひとつとっても実に豊かな展開が繰り出されていて楽しい戸惑いが沸き起こってきます。

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そしてそれぞれのクリエイションの強度にも感嘆させられます。

力強い世界観を持ちながら、複雑な関係性をももたらしているように思えてきます。

ペインティングの深みには特に感じ入った次第で。ひとつの空間で味わってしまうにはもったいないくらいの広くて深い風合いが印象的です。

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Bryan Zanisnik

TEN HAAF PROJECTS

3/14-5/9

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なんともシュールなテイストで綴られる映像群。腕を切り落とすとか、線状の最前線で銃を乱射するとか、伝えいたい状況のサディスティックさ、暴力的な感じを表現するのに、そのあまりのイージーさに思わず笑ってしまうんです。

しかしさらに裏返されるメッセージ性にも感じ入ります。

PLACES TO BE. NEW YORK - SHANGHAI - TEL AVIV - TEXAS - ZAGREB

Annet Gelink Gallery

3/7-4/11

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グループショーで、そのなかでもAlicia Framisの作品が面白い!

プリントの作品、クレジットを見ると「3D computer drawing」とあるので、緻密に陰影を創出し、テクノロジーでシャープに描き上げられたフューチャリスティックな情景は独特なかわいらしさを感じさせてくれます。

沈んだトーンで深い情景を描くCarla Kleinのペインティングも魅力的です。

Claire Sherman

Gallery Hof & Huyser

2/26-3/28

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具象的なテイストと行為が放つ抽象性とが独特な深みと奥行きを醸し出すペインティングです。

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ゆったりとした感触と同時に追いつめられるような勢いも、作品のマチエルから感じられるような気がします。

描かれるある風景に、その本来の関係性を裏切って予想外に立ち上がってくる色彩のせめぎあい、そしてその迫力も面白いです。

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Portraits Niels Helmink,Hanneke van Leeuwen,Petra Stavast

Galerie Bart

2/19-3/28

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3名の写真家の作品をパッケージ咲いた展覧会、Petra Stavastのレイドバックしたようなポートレイトの独特の空気感の緩さ、それとは裏腹に鋭く放たれる意識の存在のインパクトが印象に残っています。

美術犬(I.N.U.)」第二回企画シンポジウム「絵画」

日時:4/4(土)15:00~18:00

会場:トーキョーワンダーサイト本郷

主催:美術犬(I.N.U.)

※入場料無料、予約不要

パネリスト:内海聖史(画家)、千葉正也(画家)、藪前知子(東京都現代美術館学芸員)、佐藤純也(美術家、美術犬)

司会:土屋誠一(美術批評家)

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2月に開催された「美術」がテーマのシンポジウムを盛況のうちに終え、それに引き続き「美術犬(I.N.U.)」の企画による2回目のシンポジウムが行われます。

テーマは今回も壮大に「絵画」ときました。そしてパネリストとして内海聖史さんが参加されるのは大変興味深いです。

お時間のある方はぜひ!

■開催趣旨

今日、「絵画」を巡る環境は、一見すると活況を呈しているかのようにみえます。戦後美術の史的展開とともに、絵画はジャンルとして「死」を宣告され、写真、映像、インスタレーションといった表現方法の隆盛ともに浮き沈みを繰り返してきました。しかしながら、近年の国内外でのアートマーケットの活発化の渦中において、絵画の占める位置は再び大きなものとなっています。一方、絵画におけるスタイルの在り方も、多様化する美術の流れと歩みをともにし、抽象や具象といった対立や、あるいは形式主義に代表的な様々な「イズム」に依拠するような束縛からも解放されてきました。同時に、画家の制作根拠は、極めて個人な経験や感情に、その根拠地をおくようなものが主流的になってきたかのようであり、それはグローバリズムに対するひとつの態度表明のあらわれかもしれません。

 現在の絵画が、かつてと比較して、より自由と多様性を得ていると仮定したとして、そのような「絵画」を素朴に享受すれば済むという考え方は、「絵画」というジャンルを再び退行させるだけの反動に過ぎないでしょう。私たちは、この「絵画」の現況に対して、何らかの違和をもってしかるべきではないでしょうか? 「絵画」が美術における絶対的な準拠枠として捉え難くなった今日、価値観の相対化のすえ、互いが本来ならば引き受けざるを得ないような摩擦や軋轢を忌避し、自らの手の届く範囲の中で世界とふれ合っていると思い込んではいないでしょうか。では、今日の美術をとりまく状況下において、絵画とは一体何を提示し得るのか? 「美術犬(I.N.U.)」主催による第二回企画である本シンポジウムでは、制作と批評の双方による複数の視座から、「絵画」の置かれている今日的な在り方を討議し、その可能性の潜勢力を照射することを試みます。

田島秀彦展

KENJI TAKI GALLERY/TOKYO

東京都新宿区西新宿3-18-2-102

3/5(木)~3/28(土)日月祝休

12:00~19:00

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Hidehiko Tajima

KENJI TAKI GALLERY/Tokyo

3-18-2-102,Nishi-shinjuku,Shinjuku-ku,Tokyo

3/5(Thu)-3/28(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

12:00-19:00

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さまざまなテクスチャーを駆使し、組み上げて繰り広げられる、無国籍/ノンカテゴライズワールド。

KENJI TAKI GALLERY/TOKYOでの田島秀彦さんの個展です。

田島さんの個展は、昨年の名古屋でのを見逃してしまっていたので、今回拝見できて嬉しい限り。

直に見ないと判らない要素もあり、いろんな面白さが平面、立体それぞれの展開のなかに挿入されていて、イマジネーションの刺激もその内容に伴うさまざまなテンションで受けられるような印象です。

ちょっと暗めの照明設定、ガラス越しにまずふたつの立体作品、インスタレーションに目が向かいます。

少々古びたショーケース。そのなかにちょこちょこと踊るように、小さなクラゲのようなものが動いています。やわらかい色彩の小さなタイルなどが奏でる軽やかな雰囲気など、そのなかの空間の不思議な時空のイメージが楽しいです。

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もう1点の立体の作品は、解放感とユーモアも静かに溢れます。

低い円柱がふたつ重なり、パステル風の色彩でグラフィカルに模様が入って、納まっている安定したかたちとふわっとした膨らむような、同時にシャープなパターンの関係性がユニークなスケール感を創出しているように感じられるのですが、台の脚部の下に作り込まれる白くてちいさな町並みが縮尺の解釈を押し広げ、さらに台の上

を旋回する何か(これが、俯瞰と至近とで得るイメージが全然違うんです!)がユーモラスな雰囲気を淡々と盛り上げているように思えてきます。

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平面作品は、ひとつの画面にいくつものアイデアやアプローチが複雑に組み込まれ、さらにそれぞれの二次元的、三次元的な関係性が独特の世界観を構築しているように思えます。

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分厚いパネルの表面に、さまざまな柄がタイル状に整然と、「並ぶ」ということにかんしてはこれ以上ないくらいにストレートに配置された背景。抑制される色調が醸し出すレイドバックしたような雰囲気は、よくよく眺めてみると実は際どい情景なども入り込んでいるのを隠す効果ももたらしているように感じられます。

そして、そのタイルの各模様から、あるいはまったく別の要素として、強烈な発色でモチーフが重ねられています。そのギャップの鮮烈さはかなりのインパクトを生み出し、ある種のサディスティックな感触さえ奏でているように思えます。

さらに、この作品ではほぼ中央部、カラフルなドットの密集とともに画面に小さな穴があけられ、その内側から変化する光が湧き出てきているのです。ペインティングの時点で既にふたつの層の重なりを思わせ、その状況を貫くテクノロジカルなアプローチはよりいっそう世界観を複雑なものへと押し上げているように感じられます。

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入り口から観て右手の壁面に並ぶ作品群は、背景は同じくタイル状に模様が並べられていて、今度はそこにミリタリーもチーフを配置、グラフィカルなリズムで繰り出される関係性と構図の面白さが加速し、いろんなイメージがオーバーラップしていきます。

戦艦の砲芯部分の光、そしてそこからケレン味なく伸びる直線。弾の発射と軌道があからさまに連想されるのですが、となると、先ほどの作品と同じくカラフルなドットの重なりとちいさな穴から溢れる光は被弾の瞬間を思い起こさせます。無論、テレビゲーム的な雰囲気が立ち上がって、ほのかに懐かしい印象が広がります。

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田島さんとお話しし、いろいろと伺えたことからあらためて気付かされたことでもあるのですが、背景のタイルの模様に織り込まれるさまざまなモチーフは、敢えてバラバラの、無関係のものを配することで、それも多岐にわたって選び上げられることで、逆にそれぞれの関係の喪失と、それが翻ってある固定観念からの解放を促してくれるような感触が痛快に感じられます。その質感は押さえ込まれる色調からも感じられます。

そしてそういう過程を経てさらに複雑にさまざまな要素が重ねられ、独創的な空間、さまざまな解釈が同時に沸き起こる縮尺のイメージなど、いろんな想像が導き出されるような感じです。

空間全体に満ちる独特の静けさ、光の変化などの動きに満ち、既知のモチーフをたくさん目にしながらも、どこか違う世界へと誘われたような感じが強く印象に残ります。

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掌9

ラディウムーレントゲンヴェルケ

東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17

3/6(金)~3/28(土)日月祝休

11:00~19:00

TANAGOKORO 9

Radi-um von Roentgenwerke AG

2-5-17,Nihonbash-bakurocho,Chuo-ku,Tokyo

3/6(Fri)-3/28(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00

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掌、初体験。

ラディウムーレントゲンヴェルケで開催のグループショー、なんでもレントゲンヴェルケがまだ吉祥寺に居を構えていた頃以来に行われる企画なのだそう。

レントゲンゆかりのアーティストが10cmの立方体のなかに収まる立体作品、という題目で作品を制作、それらを一挙に展観するという、ファンにとってはこれ以上ないくらいにワクワクするもので、実際に拝見してちいさな空間にぎゅっと詰め込まれたあの世界群は相当に堪らない!

この企画について内海聖史さんとお話しする機会があって、その際に自身のクリエイションで数いるレントゲンの立体作家とどう対峙するか、相当に頭を悩ませていらっしゃったのが大変印象に残っているのですが、事実これまでにも立体の作品を制作されたことのある内海さんがどんなアプローチを繰り広げてくるかもおおいに楽しみで。

その内海さんの作品は、入り口すぐに展示されています。

そうきたか!Σ( ̄口 ̄;)

そりゃ作るの大変そうだ!Σ( ̄口 ̄;)

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その向かいにはあるがせいじさん。

台の上に乗る、あの精巧緻密なペーパーカットの世界。

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階段の途中には丸橋伴晃さんの遊び心に満ちた作品が。

メディアとの距離との独特な感じも印象的です。

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階段を上り切ったところの正面、岩田俊彦さんの漆の世界。

このサイズに注ぎ込まれる洗練。漆芸の美しさとモチーフの危うさとが深く繊細な響きを生み出しているように感じられます。

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岩田俊彦001.JPG

渕沢照晃さんは、その有機的で細かい線のターンを透明の立体物に無数に施した作品。

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藤芳あいさん、ちいさな白いトルネードが踊ります。

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ユーモアを抜群の木彫のスキルで創出する大平龍一さん。

いったい何の値段だよ!Σ( ̄口 ̄;)

っていうツッコミたくなる感じが痛快です。

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カラフルな色彩、シャープな構成のキューブ、荻野僚介さんの展開。

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水野シゲユキさんのジオラマ。サイズにしっかりと収めながら、このリアリティ、この臨場感。

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青木克世さんのセラミックも美しいです。

緻密な表現で奏でられる有機的で妖しい雰囲気が、このサイズからも鮮烈に放たれているように感じられます。

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青木克世 01.JPG

一転、佐藤好彦さんの視点のシャープさが遺憾なく発揮された作品。

コンピュータに必ず内蔵されているという部品がモチーフになっていて、隠される機能美が見事に表出されています。

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今回初めて拝見する高田安規子さん、政子さん姉妹の作品。

素材の面白さが緻密な造形によってシャープに引き出されています。

この双子の姉妹が制作される作品、先日アムステルダムのギャラリーのミーティングルームで拝見する機会を得たのですが、凄く面白い!もっといろいろと拝見したいです。

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山本基さんの作品も、渕沢さんの作品と同様に東名の立体物にあの世界が表現されています。無限に続く矩形波のミニマムなリズムに引き寄せられます。

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山本基 01.JPG

アクリルのケースに収められる金箔、謎めく長谷川ちか子さんのクリエイション。

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昨年の7人展では平面作品を発表されていた双唾冷々さん、今回は、この展示のなかでもっともストレートな表現を繰り広げています。

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荒川眞一郎さんの作品。

透明な層のなかに浮かびあがる文字のシルエットがどうしようもなくクールで。

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伊藤一洋さんの彫刻作品、おなじみの有機的な質感と素材の重みが奏でる世界観。

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山本修路さんと長塚秀人さんはおなじ台の上に。

緑のコラボレーションを繰り広げています。

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外見のキュートさとは裏腹のアプローチを繰り広げている桑島秀樹さん。

プラスチックのチープさがイージーな雰囲気を醸し出すおもちゃ。その背中の穴から中を覗くと、この作品の肝がぐんと迫ります。

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壁画家、石川結介さんは、もっともアクロバティックなアプローチで参戦。

ソリッドな彩色、配色がこのかたちと合致し、シャープな空間を生み出しているように感じられます。

壁画のスケール感を思いながら眺めると想像もさらに膨らみます。

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意表を突く立体作家、健闘する平面作家、それぞれがこのちいさな空間にイマジネーションを注ぎ込み、フルスロットルで作り込んでいるのが観られてホントに楽しい!

溢れる創造性におおいに魅せられた次第です。

最後、もうひとりクレジットされたアーティストの作品はここに・・・!

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興梠優護展「meltiog point」

CASHI

東京都中央区日本橋馬喰町2-5-18-1F

3/6(金)~3/28(土)日月祝休

11:00~19:00

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Yugo Korogi "meltiog point"

CASHI

2-5-18-1F,Nihonbashi-bakurocho,Chuo-ku,Tokyo

3/6(Fri)-3/28(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00

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深化する危うい芳香。

昨年夏の二人展に続いて開催の、CASHIでの興梠優護さんの個展です。

大きなサイズのペインティングが空間を囲み、モチーフのあからさまに危うい雰囲気が静かに、そして凄まじい鋭さを伴って溢れ返っています。

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猥雑なモチーフが、あたかも最外郭の表皮を剥いだかのような生々しいテクスチャーと色彩感とで描かれることで、異様なまでに強烈な、思わず目を背けたくなってしまいそうなほどのインパクトが創出されています。

妖しい衝動がそのまま画面に撫でつけられたような筆跡はもちろん、表面に現れるキャンバスの目さえ、その生々しい臨場感の生成に加担しているかのような印象です。

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凄まじいほどに情動的な場面群。

ポルノ画像を基に描かれているそうで、この生々しい情景がこうして絵画として表出されるにあたっていくつものフィルターが掛かっていることも興味深く感じられます。

初めて目にしたときの、どうしようもない過剰な危うさが噎せ返るような臨場感のインパクトから、時間が経つにつれてこの危なさへの「慣れ」が重ねられることで、最初に感じたのとは別の種類の生々しさ、そこに描かれている色使いや筆の運びの面白さへと興味が傾いていきます。

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極めて締め上げ、骨が軋むような力強さで引き込んでいく場面の迫力。生々しすぎる印象、エロティシズムの過剰感が生み出すアグレッシブさが、そこに潜むさまざまな「描く行為」の面白味をも加速させているように思えてきます。

そして、モチーフのダイナミズムがあたかも咆哮するかのような、殺伐とした雰囲気を構築しているように感じられます。

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いくつもの「果敢」なスタンスが感じ取れていきます。

キャンバスに描かれる絵画としてこのモチーフが現れるまでの複雑な経緯。エロティックな感触もより際どい方向へと向かうとと同時に、フラットな背景の色彩の広がりがモチーフの揺らめくグラデーション、その変化の面白さを加速させているように思えます。

前回の2人展では小品が中心の展示だったこともあり、先日の東京藝術大学の修了制作展と今回の個展で拝見した大きな画面での迫力に触れられたのは大変興味深い体験だった気がしています。

このどうしようもなく妖しい筆遣い、色使いが他のモチーフではどういう雰囲気を紡ぎ出し、発していくか、ということへも興味が湧いてきます、今後の展開が楽しみです。

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根上恭美子展「スターだらけの」

GALLERY MoMo Ryogoku

東京都墨田区亀沢1-7-15

3/7(土)~3/28(土)日月祝休

11:00~19:00

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Kumiko Negami "Full of Star"

GALLERY MoMo Ryogoku

1-7-15,Kamezawa,Sumida-ku,Tokyo

3/7(土)-3/28(土) closed on Sunda,Monday and national holiday

11:00-19:00

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!Σ(@口@;)

スパイダーマンか!Σ( ̄口 ̄;)

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3人いるとありがたみがないけどスパイダーマンか!

ていうか・・・

スパイダーメンか!Σ( ̄口 ̄;)

(ここで英文法のディテールに拘る僕はエラいと自画自賛)

(ご指摘ごもっともだが遅いと言うなこの野郎様)

・・・見た目は全然違うけど!

・・・・・。

も、もとい!

もとーい!

GALLERY MoMo Ryogokuでの根上恭美子さんの個展です。

根上さんの作品は昨年初めの六本木でのグループショーや芸大の修了制作、CASHIのこけら落としの展覧会で拝見していて、そのミョーな造形がミョーに印象に残っているのですが、この路面ガラス張りそっからスポーンと長ーく抜けた空間でいきなり

!Σ( ̄口 ̄;)

なインスタレーションが繰り広げられていて仰天。

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ガラス越しにも見えるんですけど、その空間でとんでもない情景に

逆さ吊りか!Σ( ̄口 ̄;)

いわゆる動物虐待か!Σ( ̄口 ̄;)

同じ型で造形されているので基本的に同じ形なのですが、1匹ごとに微妙に顔は違うらしい・・・。

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あ、あんまり顔の違いは判んないけどな!

それよりなんとなく恍惚とした表情に見えなくもなく、ていうか、

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お前誰?!Σ( ̄口 ̄;)

犬たちのダラーンでドローンな顔に囲まれてひとりキリッと締まった表情、冠るキャップも効いていて、

でも

パンツ一丁で靴下片足だけって台無し!Σ( ̄口 ̄;)

そしてさらに奥へ。

ここまでの造形作品がプラスチック製だそうで、その奥の壁面に現れるのが今回唯一の木彫作品とのことなのですが

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小僧寿しか!Σ( ̄口 ̄;)

格好はずいぶん違うけど!

いやはや、なんともいえない臨場感が漂ってます。

木彫の肌合いの温かみある生々しさ、造形と彩色と、ともに追求されるリアリティ、そしてダイナミックに投げ込まれるユーモア。

これが逆さ宙づり犬軍団(+約一名)と同じ空間で見事に調和していて笑えます。

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そしてさらに奥のスペースに展示されているペインティングの小品も楽しすぎ!

これをもってして「スターだらけ」というのがまた、絶妙に説得力があって、なんだかもうワケが分からなくなっていきます。

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けっこうコワいモチーフも大胆に織り込まれていながら、

スターかよ!Σ( ̄口 ̄;)

という天然ツッコミ素養をそのままに発生させて、その状況に何故か納得してしまうのです。

ペインティング自体今回が初めてとのことなのですが、敢えて言わせてもらうと、なんとなく「あんまり分かってないデス」的な感じが堪らなく面白い方に発揮されていて痛快です!

もっとも暴走しすぎな一面もあるわけですけど!

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最高なのがこの逸品。

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殺風景な病室のベッドに横たわり、点滴を受けるご老人、なんともいえない切ない雰囲気が漂うように感じられてしんみりしそうになる刹那、左下のキャプションに注目。

「Fantaグレープ」

ちょっと待て

ファンタか!Σ( ̄口 ̄;)

炭酸飲料ダイレクトに静脈に注入か!Σ( ̄口 ̄;)

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この臨場感、最高です。

立体作品でのインスタレーション、ペインティング共に相当にシュールなコントが繰り広げられています。

そして、そのユーモア満載の創造性のなかに、特に造形において独特のセンスが遺憾なく発揮されていて、まさにここでしか体感し得ないインパクトが創出されています!

安冨洋貴展

Gallery Teo

東京都品川区東五反田2-5-15-3F

2/27(金)~ 3/28(土)日月祝休

12:00~19:00

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Hiroki Yasutomi

Gallery Teo

2-5-15-3F,Higashi-gotanda.Shinagawa-ku,Tokyo

2/27(Fri)-3/28(Sat) closed on Sunday,Mondayu and national holiday

12:00-19:00

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影を押し込む。影を立ち上げる。

Gallery Teoでの安冨さんの個展です。

今回も鉛筆で精緻に、そして狂おしいほどストイックな雰囲気も漂わせながら、深遠に情景を綴った作品が並んでいます。

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屋内がモチーフとなった大きな作品が多いのが、展示全体の印象に大きく影響しているように感じられます。

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展示空間の最初のスペースの奥の壁面に展示された作品。

安冨さんの作品としては黒く塗りつぶされる部分の少なさが、ほのかにレイドバックしたような雰囲気を醸し出し、それが独特の味わいを滲ませているように思えます。

陰影の緻密さが放つ重厚感と、それ以上に気配の感触が細やかに、そして深遠に再現されているように感じられます。

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ひたすら線を重ねて描かれる、しかも鉛筆で、すなわちモノトーンで綴られる作品の、描かれる情景と描く行為。それぞれが放つ印象の絶妙なバランスをもたらしているような気がします。

そしてそのバランスが、さらに独特の気配を生み出します。

背景に広がる黒。画面の奥へ奥へと押し込むようにして創出される分厚く重々しい闇。その奥行きがそのまま濃密な気配の感触へと転化し、台の上の黒電話と床に転がる受話器がかもしだす物語性にも深みをもたらしているように感じられます。

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「水」をモチーフにした作品も、もちろん出品されています。

常にかたちを変化させ続け、留まらないものを敢えて取り上げ、その瞬間の表情を画面に収めようというライフワーク的な制作スタンスにも感じ入ります。

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揺らめく水の表情、その妖しさが緻密に表現されています。

水の光の屈折が醸し出すその表情の臨場感、蛇口の金属感や洗面台の陶の艶やかさ。その再現性と、それを覆う背景の濃厚な黒のなかに潜む行為の蓄積の重々しさのギャップが、独特の奥行きを生み出しているように思えます。

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大作から小品まで、さまざまなサイズの作品によって、深い情景がモノクロームでストイックに再現されています。

そして、描かれる情景の精密な感触に加え、そのストイックな行為も今まで以上にぐんと立ち上がって、徹底した具象表現から滲む抽象性、表現のプリミティブな質感が伝わってくるように感じられるのも印象的です。

また、その行為が、陰影の表現への重厚感をもたらしているようにも感じられます。すべての光を吸収する闇を表現するために、押し込むように画面に鉛筆の筆圧をかける感触が、その分厚い闇の臨場感を立ち上げているようにも思え、さらに細やかなストロークのひとつひとつも三次元表現に潜む細かい闇を引き出しているようにも感じられるんです。

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debut! ver. Askua WATANABE 渡辺明鈴香個展

谷門美術

東京都港区北青山3-3-7 第一青山ビル1F

3/6(金)~3/27(金)日月祝休

13:00~19:00

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debut! ver. Askua WATANABE

TANIKADO ARTS

3-3-7-1F,Kita-aoyama,Minato-ku,Tokyo

3/6(Fri)-3/27(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

13:00-19:00

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ほっこりとふくらむしあわせ、やさしい気持ち。

谷門美術での渡辺明鈴香さんの個展です。

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やはりまず、このコンパクトなスペースに展示された大きな作品に、そのおおらかでやわらかな世界に引き込まれ、やさしくてあたたかな雰囲気に包まれます。

これまで、特に渡辺さんの作品を見始めた頃のどこか繊細な神々しさ、恍惚とした風合いが影を潜め、そのかわいらしい色彩感のほっとするような感触が独特のスケール感を紡ぎ出しているような感じが伝わってきます。

画面のなかをふわふわと飛び交う飛行機の軌跡がパッチワークの模様のような感じで、ほかにもいろいろと取り込まれているそういった要素が、このサイズに俯瞰で描かれるペインティングに身近なイメージをもたらしているように思えます。

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ちいさなドローイングも楽しいです。

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さまざまな日常的な場面が色鉛筆のやさしい色と線で描かれています。そこに飛行機の機影が描き加えられたりしていて、軽やかなファンタジーが心地よく詰め込まているような感じで、それぞれのちいさな画面にポジティブなイメージが膨らんでいるように思えます。

そしてそのやさしい雰囲気を、シンプルなホワイトのフレームが引き立てています。

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視線のやわらかさが伝わってきます。

それぞれの作品に描かれる世界のなかに、ほんのりと漂う幸せの匂い。遊び心溢れる情景の向こうにやわらかな笑顔が見えるような感じがするのもなんとも嬉しく思えます。

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久保田珠美 個展「pity is akin to love. -憐れみは恋の始まり-」

hpgrp GALLERY 東京

東京都渋谷区神宮前5-1-15 CHビルB1F

3/13(金)~3/31(火)

11:00~20:00

Tamami Kubota "pity is akin to love. "

hpgrp GALLERY Tokyo

5-1-15-B1F,Jingumae,Shibuya-ku,Tokyo

3/13(Fri)-3/31(Tue)

11:00-20:00

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鋭い透明感と揺らめく色彩の妖しさとの、絶妙なせめぎあい。

hpgrp GALLERY 東京での久保田珠美さんの個展です。

おおらかな筆の運びと大胆な色彩とで紡ぎ出される、繊細でダイナミックな情景。赤の熱情、青の冷静、用いられる色彩のひとつひとつがその力を発揮し、鮮やかで深い世界観を奏でます。そしてそこにもたらされるさまざまな色のうねりの中に朧げに浮かぶ男性のシルエットは、憂いを帯びたような表情を色合いや曖昧なフォルムから感じさせつつも、その雰囲気とは裏腹の凛とした存在感を放っているように思えます。

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濃密な色合いが静かに溢れるなかで、淡い色調が空間のアクセントとなっている作品。筆先がほんのわずかに触れただけの感触、うっすらと滲むような青の広がりが、ひときわその繊細な風合いを深めているように思えます。

その全体の幽幻な雰囲気が、立ち姿の人物の頭部、そこから角が生えたかのように施される、めくるめく色の絡まりの力強さに臨場感をもたらしています。

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深い青と緑が漂い、沈む込むように広がる横長の作品は、筆跡が奏でる美しさに惹かれます。

室内の奥行きとそこに横たわる空気感が硬質な透明感とともにゆっくりと、静かに迫ってきます。そして画面に近付き、その情景を紡ぐよう構成する筆の運びの痕跡に目を遣ると、ゆらゆらと揺れる面の重なりの妖しさ、その際どい抽象性が心を捉えます。絵の具が画面を垂れた痕や滲みなどがこの空間の構成とは異なるミニマムな奥行きを生み出して、それが新たな刺激を惹起させてくれます。

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小品も濃厚に魅力を発揮しています。楕円や台のかたちの支持体が持つユニークなイメージと相まって独特の味わいをそれぞれが軽やかに奏でています。

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久保田さんが紡ぎ出す繊細で妖艶な独特の世界観。そこに加え、画面に必ず隠されているサインを探すのも楽しいです。サインを探しながら画面と対峙していると、そこに現れているさまざまな色彩の艶やかさ、流れのおおらかで妖しい風合いの深みに引き込まれていくんです。

レントゲンヴェルケでのグループショー「たからもののじょおうさま」ではじめて拝見した久保田さんの作品は紙粘土の人形のオブジェで、そのかわいらしさと妖しさの共存が印象に残っているのですが、そこからぐんと大人っぽく深い世界へと変遷しているように感じられます。

揺らめいて、沈み込むような色彩で紡がれる、濃密で透明な、そして大胆で繊細な世界観。この情景を直に体感してほしいです。

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李演「Snippet」

山本現代

東京都港区白金3-1-15-3F

2/21(土)~3/21(土)日月祝休

11:00~19:00(金:~20:00)

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Li Yan "Snippet"

YAMAMOTOGENDAI

3-1-15-3F,Shirokane,Minato-ku,Tokyo

2/21(Sat)-3/21(Sat) closed on Sunday,Monday,and national holiday

11:00-19:00(Fri:-20:00)

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ランダムに組み上げられる、硬質で無機的なリズム。

中国人アーティスト、李演さんの、山本現代での個展です。

入り口からまず目に入ってくる、縦に整然と並ぶ小さな画面。

そのストレートな配置が硬質な印象を放ちます。

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李演さんの作品は、ひとつの壁面にインスタレーションされたペインティング群がひとつの組み作品としてパッケージされていて、壁面の広さによってエクスパンションの変化を伴うものの、それぞれのペインティングの配置関係も決定されているとのこと。

中央のパーテーションも含め、各壁面で展開されているどこか殺伐とした情景が繋がり、ダイナミックな導線を作り出しているように感じられます。

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端にまず小品が1点、そこから縦にパネルが重なり、壁面構成が膨らんでクライマックスがもたらされ、再びあたかもフェイドアウトするかのようにひとつの画面へと収束していく、このダイナミクスが深い世界観を創出しているように思えます。

そしてその構成に組み込まれる画面に描かれた場面の関係性が、さらに複雑な混沌を呼び起こしてきます。

それが何を描いたものであるか、相当にあからさまに分かるもの、または場面の状況の臨場感がその緻密な描写によって鮮烈に伝わる一方でそこに登場する人物の匿名性が立ち上がってきているものと、さまざまなテンション感が交錯しています。縮尺のバリエーションも加わり、圧巻の奥行き、立体感がもたらされているように思えて興味深いです。

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そして、ストロークの面白さにも強く惹かれます。

緻密に再現されるさまざまな場面を至近で眺めてみると、無数の長短のストロークが衝突し合うようにして画面に重なり、アバンギャルドなソリッド感が鋭く伝わってきます。

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奥の一角には、再び整然と画面が並ぶ構成の作品が展示されています。

統一されるサイズ、そして縦横の関係性。無機的なリズムの感触が、それぞれの画面の明るさのコントラストを立体的な空間性の面白さへと引き上げているようにも思えてきます。

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ピックアップされる場面群はインターネットなどで入手される画像なのだそう。

アンダーグラウンドな風合いの場面が多数を占め、それがひとつの壁面全体、ひいては展示空間全体の硬質で冷徹な雰囲気を構築しているように思えるのですが、そのなかに文字が入り込む画面、手紙の表面であったり地図であったりという、そういったものが強烈に立ち上がって迫るような感触も印象的です。

本来無関係のさまざまなシーンが組まれることで、新たな関係性が築かれると同時に、その状況の匿名性も押し出され、色調の深みやかたちのクールネスが生み出されているように思えます。

白い壁面に展示され、色彩のダークな感触がより鮮烈に提示されていてそのかっこよさは格別。機会があれば別のシチュエーションでも拝見してみたいです。

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《3/10》

takashi matsumoto:(untitled)

SPICA ART

東京都港区南青山4-6-5

3/2(月)~3/14(土)日祝休

13:00~19:00

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再訪。

曼荼羅のような構成の写真作品、モノクロームの渋さや硬質感がその整理された混沌のクールさを加速させているように感じられます。

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草、木の枝など、身近にある景色が重ねられ、緻密な世界が構築されていて、その複雑さに引き込まれていきます。

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竹の作品がまた面白い!

表面の微妙な紋様や節のかたちを組み上げて、ひときわ幾何学的な情景が作り上げられています。

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今回は同じサイズのスクエアのの画面でひとつの空間が構成されていましたが、さらに複雑化された世界をぜひ拝見したいクリエイションです。

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《3/11》

上甲トモヨシ一瀬皓コ2人展 -うちゅう-

art space kimura ASK?

東京都中央区京橋3-6-5 木邑ビル2F

3/9(月)~3/14(土)

11:30~19:00(最終日:~17:00)

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一昨年のTHE SIXで拝見してその素朴さがかもしだすユーモア溢れるアニメーションが印象に残っている一瀬皓コさんと、同じくアニメーションを制作されるさんによる2人展、それぞれのアニメーションの上映はもちろん、ギャラリーの壁面をぐるりと貼り巡らされた紙、そこに会期中どんどんとドローイングが描き足されていってい

て楽しい雰囲気が溢れかえっていました。僕が観に行ったのが水曜日、その時点でほぼ全面が何かしら埋められていたので、最終日にはどんなことになっていただろう、と。

上映されていた作品もすべて拝見することはかなわなかったのですが、一瀬さんののんびりとしたシュール感と、壮大なストーリーがファンタジックに展開する上甲さんの作品、かなり楽しめました。

倉冨隆行展

フタバ画廊

東京都中央区銀座1-5-6 福神ビルB1F

3/9(月)~3/15(日)

11:00~19:00(最終日:~16:00)

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屏風に、3次元的に這う竜のダイナミックな姿。

鍛金で制作される迫力ある竜の大作に、ただただ圧倒されてしまった次第。

今回の個展では明るい照明のもとでその細部の表現まで眺められたのが嬉しかったのですが、もし機会があれば空間ごとのインスタレーションでもその迫力を体感してみたいです。

今井麗 作品展

NICHE GALLERY

東京都中央区銀座3-3-12 銀座ビルディング3F

3/10(火)~3/18(水)日休

11:00~18:30

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面白い!

伸びやかな色彩と筆の運びで描き上げられる、シュールな世界。

独特なバランス感がユーモラスな表情も醸し出しながら、逆に危うい雰囲気も加速させているように感じられます。

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モチーフが醸し出す危うさも印象的です。

緻密な陰影がもたらすミニマムなダイナミズムが、深い奥行き感をもたらしているように感じられ、それがそこに描かれる場面の深遠さを加速させているようにも思えます。

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小品から大作まで、ひとつの色彩や世界観にとらわれない豊かなシーンが展開されていて、その幅広さ、バラエティの豊かさも興味深いです。一方で、そのとらえどころのない感じのなかにもある一貫する雰囲気が伝わってきます。

大きな画面の作品ではおおらかな風合いが広がります。色の使い方や構図の大胆さがユニークな印象をもたらしてくれます。

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小さな作品では、よりミニマムな状況にスポットが当てられたような感触、その視点の鋭さにも感じ入ります。

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あと、「顔」のインパクトも強く印象に残ります。

軽やかで痛快で、どこか際どい危なげな感触も伴う不思議な情景群、もっといろんな展開で拝見したいです。

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千田哲也 個展

Gallery Q

東京都中央区銀座1-14-12 楠本第17ビル3F

3/9(月)~ 3/14(土)

11:00~19:00(最終日:~17:00)

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前回のb.TOKYOでの個展から間を置かずに開催の今回の千田哲也さんの個展。絵の具のクラックなどが放つアバンギャルドな背景の質感は影を潜め、モチーフとなる人物たちのサディスティックな仕草や佇まいの世界観がストレートに立ち上がって迫るように感じられました。

岩松徹展 シコティッシュ Dreamin'

GALLERY b. TOKYO

東京都中央区京橋3-5-4 第1吉井ビルB1

3/9(月)~3/14(土)

11:00~19:00(金:~21:00、最終日:~17:00)

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昨年拝見したときと変わらぬエロ的な展開の痛快さは健在!その過激なユーモアが、ケミカル的に過剰に鮮やかな色彩感によって加速し、強烈なシーンが現れていて、とにかく凄かったです。

吉田恵展 -小さな出来事-

GALERIA SOL

東京都中央区銀座6-10-10 第二蒲田ビルB1F

3/9(月)~3/14(土)

11:00~19:00(最終日:~17:00)

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瑞々しいガラスの造形が楽しいです。

丸みを帯びたかたちのなんともいえないかわいらしさ、透明感が放たれるほどに艶やかに仕上げられた作品と、つや消しで半透明に仕立てられたものと、それぞれで不思議な雰囲気を醸し出していました。

青山悟「Glitter Pieces #1-22:連鎖/表裏」

MIZUMA ART GALLERY

東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F

3/11(水)~4/11(土)日月祝休

11:00~19:00

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昨年のECHOで発表された作品をベースに、ということをプレスリリースなどで見聞きしていてどんな空間が作り上げられているか興味津々だったのですが、その完成度の高さにはただただ呆然とするばかり。

巧みな動線の構成も絶妙に織り込まれ、緊張感に満ちる至高のインスタレーションが展開されています。

加藤愛「きゅぴんッ展」

ミヅマ・アクション

東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル5F

3/11(水)~4/11(土)日月祝休

11:00~19:00

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!Σ(@口@;)

きゅぴんッて!Σ(@口@;)

《3/12》

久保田珠美 個展「pity is akin to love. -憐れみは恋の始まり-」

hpgrp GALLERY 東京

東京都渋谷区神宮前5-1-15 CHビルB1F

3/13(金)~3/31(金)

11:00~20:00

レントゲンで開催されたグループショー「たからもののじょおうさま」に紙粘土のオブジェで参加、hpgrp galleryでのグループショー「untitled」で平面作品を発表されていてそれぞれ印象に残っている久保田珠美さん。今回はキャンバス作品による構成で、その揺らめくような透明感に満ち、色彩の艶やかさが独特の深遠でファンタジックな世界観を生み出しています。

《3/13》

平川恒太 ”人間、自然、社会”

GALLERY at lammfromm

東京都渋谷区上原1-1-21 山口ビル1F

3/13(金)~4/27(月)

12:00~20:00(土:11:00~、日:11:00~19:00)

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ちいさな空間に溢れる遊び心と危うい雰囲気。

テレビゲームのような現代的なリズム感に満ち、大胆で軽やかな色使いで案外サディスティックなシーンが描かれていたりして、第一印象とそこから伝わってくる情報とのギャップも面白味を加速させてくれます。

野依幸治 -Panorama-

Bunkamura Gallery

東京都渋谷区道玄坂2-24-1

3/13(金)~3/22(日)

10:00~19:30

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作品の描写の精度と味わいの素晴らしさは言うまでもなく、空間に落とし込まれる遊び心が痛快!

パーテーションで区切られる空間ごとのアプローチ、隣り合う空間との関係性など、そうなっているのか、と関心しきりの構成がとにかく楽しいです!

樫木知子

OTA FINE ARTS

東京都中央区勝どき2-8-19-4B

3/13(金)~4/17(金)日月祝休

11:00~19:00

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今年のVOCA展へも出品されている樫木知子さん、昨年からの流れを考えると尋常でないハイペースで展覧会をこなされている印象なのですが、今回も大作がずらりと並ぶ見応えのある展示が繰り広げられています。

これまでのどこか描きかけの風合いが醸し出す独特の味わいの作品に加え、画面全体にしっかりと描かれている作品も登場、その世界の広がりも嬉しく感じられます。

《3/14》

この週末はダイナミックに動いて参りました。

まず拝見した愛知県立芸術大学の卒業・修了制作展が面白かったです。

昨年の個展も素晴らしかった坂本夏子さんの大作、これまでの展開を一つの画面に詰め込んで、さらに異なる情景へと押し上げた世界を観ることができたのが何より嬉しかったのと、新たな発見もたくさんあって、観に行ってよかったです!

越智勝浩展

ウエストベスギャラリーコヅカ スペースホワイト

愛知県名古屋市中区丸の内1-9-7 バンケービルB1F

3/9(月)~3/14(土)

12:00~19:00(最終日:~18:00)

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墨絵のような渋い風合いで描かれる、都市の情景。

淡々と、静かに綴られ、その朧げな感触が毒六の繊細な雰囲気を紡ぎ上げているように感じられます。

画面に施される枠もさらにその渋さを強めているような感触も。またあらためてじっくりと拝見したい世界観です。

野田万里子 個展

番画廊

大阪府大阪市北区西天満2-8-1 大江ビル1F

3/9(月)~ 3/14(土)

11:00~19:00(最終日:~17:00)

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京都市立芸術大学の学内で発表された卒業制作が印象に残っている野田万里子さん。

鉛筆でストイックに、そしてダイナミックに描かれている作品に緻密さと衝動とが詰め込まれているような感触が印象に残っています。

今回の個展では、まず入り口すぐに鉛筆が塗り込まれた真っ黒の紙が。

展示されている作品は、これを用いてトレースしたのだそう。行為の痕跡の提示から始まることで、それぞれの作品の奥行きがより深まるような印象です。

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細かいかたちによって構成される女性のポートレイト。

アニメのなかから引き出されたかのような感触で、そのかわいらしさと線描のどこかメカニカルな感触とのギャップが面白いです。

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かたちが線から黒塗りに。

その像のクールさ、デジタルな風合いに引き込まれます。

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額装された作品群のリズム感も興味深いです。

矩形との組み合わせが独特な硬質感を醸し出しています。

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大作による展開も強く深いインパクトが伝わってきた次第。

緻密さと大胆さとによって展開される世界、卒業制作とはまた異なるスタイルの作品が拝見でき、野田さんの表現の懐の深さと強さを知ることができたのも嬉しいです。

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加賀城健 -Positive Taboo-

YOD Gallery

大阪府大阪市北区西天満4-9-15

3/3(火)~3/21(土)日月休

11:00~19:00

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「染織」の表現の可能性がダイナミックに広げられている感覚、そのベクトルのユニークさが興味をそそります。

生み出される偶然の必然性。手法のオーソドックスさとは裏腹のアバンギャルドなテイストが、フューチャリスティックな世界観をもたらしているように感じられます。

PICA3 岡田真希人、Hyon Gyon、水田寛、宮本佳美、村上滋郎、sabia(徳山拓一、山口冴子)

ARTCOURT Gallery

大阪府大阪市北区天満橋1-8-5 OAPアートコート1F

3/3(火)~3/19(木)日月祝休

11:00~19:00(土:~17:00)

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メインの展示スペースはもちろん、各箇所やその僅かな通路に至るまで、空間を目いっぱいに活かされながら、伸びやかにさまざまな展開が繰り広げられています。

先に開催された京都市立芸術大学でなグループショーて発表されたHyon Gyonさんの作品の再登場が嬉しく、参加アーティストの力作大作がパッケージされていて充実の見応えです。

吉田典子展 古人からの学び

MEM

大阪府大阪市中央区今橋2-1-1 新井ビル4F

3/10(火)~3/31(火)日月祝休

11:00~18:00

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昨年の同ギャラリーでのグループ展と、京都市立芸術大学での修了制作が面白かった吉田典子さんの個展、今回はタイトルにもある通りに古くから伝わる格言にユーモラスな解釈を施し、それをモチーフにさまざまな情景を描いた作品が揃えられています。

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色の強さが放つインパクトは鮮烈です。

ひとつひとつの色の濃厚な感触が、描かれる情景に強さをもたらしているように思えます。

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その色で繰り広げられる大胆な世界。緻密な描写と大胆なストロークや色の解釈を駆使して、ダイナミックで動的な場面が展開されていて、そのパワフルな雰囲気に圧倒されるような感じです。

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淺井裕介 ぐらぐらの岩

graf media gm

大阪府大阪市北区中之島4-1-18

2/21(土)~3/29(日)

12:00~20:00

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淺井裕介さんがここで個展を開催する、ということを知っただけでもう楽しみで・・・!

拝見し、与えられた空間に淺井さんのインスピレーションが反応する風合いが充満しているように感じられるほどに、、あの力強い世界が繰り広げられています。

また、梅香町でのプロジェクトのアーカイブや葉っぱや種子を使った作品も楽しく、興味深いです。

《3/15》

インシデンタル・アフェアーズ うつろいゆき日常性の美学

サントリーミュージアム[天保山}

大阪府大阪市港区海岸通1-5-10

3/7(土)~5/10(日)月休(3/30、4/6、4/27、5/4開館)

10:30~19:30

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見応え充分の企画展です。

絵画、写真、映像、インスタレーションと表現のメディアは多岐に渡り、それぞれのコーナーでその深遠な世界が繰り広げられ、イマジネーションの深いところへとじわりとその風合いが届いていくような...。

また、東京の各ギャラリーで開催された個展などで拝見しているアーティストの作品とあらためて対峙できる機会が得られるのも嬉しい限り。それぞれの空間の主張に、観終わったあとからもさまざまな想いが脳裏をよぎり、深いイメージが心を満たしてくれます。

松原正武|時の刻印

芦屋画廊

兵庫県芦屋市大原町8-2 ラフォーネ芦屋2F

3/6(金)~3/25(水)木休

12:00~19:00

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東京での写真展も素晴らしかった松原正武さん、今回は硬質な世界観はそのままに、ヒビが縦横に走る壁を撮影した写真に、そのヒビに沿ってルーターで彫って溝を施した作品が展示されています。

抽象的な画像にアグレッシブなテクスチャーが加えられ、アバンギャルドな風合いが表出されているだけでなく、透過性などの要素もユニークな質感を引き上げているように感じられます。

さらに進化したときにもっと凄い世界が提示されるような可能性が伝わってきます、今後の展開も楽しみです。

now here,nowhere展 苅谷昌江 仲居真理 馬場晋作 藤井俊治 前田朋子 水木塁

京都芸術センター

京都府京都市中京区室町通蛸薬師下ル山伏山町546-2

3/4(水)~3/22(日)

10:00~20:00

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ふたつの空間で繰り広げられるグループ展、大作が配されていることもあり、見応えある空間が展開されています。

南ギャラリーでは苅谷昌江さん、仲居真理さん、藤井俊治さんの作品。藤井さをはこれまでのサーモグラフィ的な色彩のアプローチが進化、ユニークな色層の解釈はそのままに、ダイナミックな動きの一瞬をおおらかな筆使いで表現。さまざまな要素が絡み合って鮮やかなシーンが描き上げられています。

苅谷さんはどこかのシアターの内部をモチーフに、その床に暴れる鳥のシルエットが施され、さらに展示スペースの床にも鳥のシルエットが描かれて、その深遠さは藤井さんのシャープな世界観と豊かなコントラストを為しています。

仲居さんの展開はまた一線を画し、そこかしこに見つかるあらゆるコーナーを撮影、それらをブリントしたタイルをスクエアの画面に並べ、さらにそれらを壁面に整然と配したインスタレーションが、グラフィカルで硬質な雰囲気を作り出しています。

北ギャラリーでの馬場晋作さんの鏡面のタブロー、前田朋子さんの女性の足元とシルエットを捉えた写真のふたつのシリーズ、水木塁さんのユニークな工程で生み出されるテクスチャーの妙、シャープな響きが空間を満たしています。

no name 厚地朋子 伊東宣明 小田原のどか 加藤翼 菊川亜騎 友清ちさと 野沢裕 藤本涼 芳木麻里絵

ZAIM

神奈川県横浜市中区日本大通34

3/12(木)~3/16(月)

10:00~19:00(最終日:~18:00)

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横浜と京都で開催されるグループ展、伺った時間が遅くなってしまい、ありがたいことにわざわざ観せていただいた次第で。

関東、関西の既知、未知のアーティストが揃い、そのユニークな世界が鮮烈に、そして無邪気に発揮されている感触がとにかく嬉しく感じられました。

芳木麻里絵さんのシルクスクリーン作品。

あの緻密な構成はさらに精度を増し、加えてモチーフ選択のセンスも光ります。

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台の上に展示されたエンブレムなどの作品も見応えがあります。

その立体感に好奇心が力強く引き寄せられます。顔料の塊がこれほどまでに緻密で美しい造形をもたらすとは、という驚きも、初めて拝見したときと変わらないのも嬉しいです。

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藤本涼さんのインスタレーション、これまでの写真の作品とはまた展開に変化がもたらされ、ある場面のある部分を切り取って空間に散らしたような感じが、その空間の余白に不思議な深みを創出しているように思えます。

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TARO NASUでのグループ展、THE SIX、そして京都市立芸術大学での修了制作と印象的な作品をその都度発表されている厚地朋子さんの作品を拝見できたのがまた嬉しい!

ストレートなペインティングの大作、描く場面の騒々しく躍動する空気感がダイナミズム溢れる筆致で描き切られていて痛快です。

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友清ちさとさんのインスタレーション、イメージと制作との距離の近さ、短さが刹那的な空間を生み出しているように感じられます。パフォーマンスは拝見できなかったのですが、そこに殺伐とした情動が溢れるような臨場感も印象に残ります。

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菊川亜騎さんの作品群。

久々に、痛快な捕らえ所のない世界に触れたような気がします。

摩訶不思議なストロークで創出されるペインティング、ゴム素材の立体と、不可思議なフォルムやかたちがなんともいえない立体感を奏でているように思えます。

もっといろいろと拝見し、その斬新な世界観に触れてみたいです。

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小田原のどかさんのインスタレーションも面白い!

消しゴムでできたスタンド、鉛筆で作られる巨大な矢印、ビニールテープで描かれる木のシルエット。素材の面白さと造形のリアリズムとのギャップがユーモラスな雰囲気を充満させています。

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映像作品も多く出展されていたのですが、時間に余裕がなくしっかり拝見できず・・・。

京都での展示であらためてチェックしたいと思います。

《買った本》

「プリンセス・トヨトミ」万城目学

「ポトスライムの舟」津村記久子

《買ったCD》

「5.Dec」Daisuke Kashiwa

忽滑谷昭太郎作品展

新宿眼科画廊

東京都新宿区新宿5-18-11

2/13(金)~2/22(日)

12:00~20:00(最終日:~17:00)

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Shotaro Nukariya exhibition

Shinjuku Ophthalmologist Gallery

5-18-11,Shinjuku,Shinjuku-ku,Tokyo

2/13(Fri)-2/22(Sun)

12:00-20:00(last day:-17:00)

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鉛筆の硬質感と、絵の具の有機的な感触とで生み出されるダイナミックなギャップ。

新宿眼科画廊での忽滑谷昭太郎さんの個展に行ってきました。

フタバ画廊での個展も印象に残っている忽滑谷さん、そのときは鉛筆のテクスチャーが全面に立ち上がって感じられ、その鋭い質感のインパクトは今でも鮮烈に残っているのですが、今回の個展では鉛筆を用いない作品も発表され、彩りのアグレッシブさも加わってアグレッシブな世界観が溢れていました。

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鉛筆でもたらされる、金属的なテクスチャー。同じ方向へのストロークをストイックに重ねることで生み出される独特の質感が、油絵の具でも再現されていて、そのテイストの共通性が大変興味深いです。

ひとつの区画のベクトルがぶつかり、重なり、交錯する感触のハードさ。ガチンと衝撃音が聞こえそうな臨場感が伝わってきます。

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下地のカラフルな情景と、それを覆う黒の色面。前回は鉛筆と絵の具とで生み出されていたこの関係性も、絵の具のみで創出されていたりして、その絵の具ならではの有機性がひと味違う雰囲気をもたらしているように感じられます。

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その抽象性は、硬質なベクトルが無数に挿入されることでひとつの動線が力強くもたらされ、力強さや鋭さなど、ヴィヴィッドでハードな世界へと導いていくようにも思えます。

比較的小さな作品であっても、そこに載る絵の具の素材感、立体感が観る者の視線をぐんと引き込んでいきます。

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油絵の具のペインティングから、だんだんと、鉛筆の硬質感が浸食していく作品が現れてきます。

この奥行き感が面白い、忽滑谷さんの真骨頂のひとつが展開されています。

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このかっこよさ、クールな質感が醸し出す危うくハードボイルドな雰囲気。

鈍くぎらつく、鉛筆のストロークの重なりがもたらす金属の質感、眺める位置によって画面の表情も劇的に変化し、その表情の豊かさにもおおいに惹かれます。

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そして今回の展覧会のクライマックスとでも呼ぶべき大作が、とにかく凄かった!

天井から床までの空間の高さギリギリ、見上げてその硬質なテクスチャーのうねりに圧倒されます。

鉛筆の筆跡が繰り出す密度は当然そのままに、あの硬質ね情景が眼前を覆い、まさに「聳える」という表現がぴったりの空間が創り出されていて、もう圧倒的なインパクト。ダイナミック極まりない奥行きに、唐突にそこに現れている有機的なかたちと色、その混ざり合うことのないせめぎ合いも実にスリリングです。

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テクスチャーの妙が生み出していく抽象世界、それらはことごとく立体的、三次元的なイメージを惹起する力を備えていて、凄まじくアグレッシブな世界観をもたらしているように感じられた次第です。

尋常でないストイックな雰囲気に遊び心も感じさせてくれるクリエイション、叉ぜひ拝見したいです!

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村山伸彦|光景

GALLERY OBJECTIVE CORRELATIVE

東京都新宿区四谷1-5 四谷アートステュディウム1F

2/24(火)~2/28(土)

11:00~17:00

村山伸彦090224.jpg

Nobuhiko Murayama exhibition

GALLERY OBJECTIVE CORRELATIVE

1-5-1F,Yotsuya,Shinjuku-ku,Tokyo

2/24(Tue)-2/28(Sat)

11:00-17:00

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行程のユニークさが生み出す独特のテクスチャーと情景。

GALLERY OBJECTIVE CORRELATIVEでの村山伸彦さんの個展に行ってきました。

村山さんはGallery Stumpでもよくお目にかかり、作品は折りに触れて拝見しているのですが、現在のスタイルになってからの作品はその質感のミニマムな感じが相当に僕のツボで。

これまでは抽象性の高い展開でしたが、今回の個展で発表された作品は、景色の気配が残り、それが不思議な風合いを醸し出していたのが印象的です。

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「歪み」が発する抽象性の面白さと、そこに何かが描かれている痕跡とのせめぎ合いが観る側の好奇心んをぐんぐんと引き寄せます。

さまざまな色彩が用いられれば、それが複雑な色彩の展開となり、ユニークなダイナミズムをもたらしているように感じられます。

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村山伸彦006.JPG

色の統一感がある画面では、グラデーションの面白さが際立ちます。

揺らめくような色彩の流れが、至近で眺めるときに分かるセルによって紡がれ、おおらかなスケール感とミニマムなリズムとを放っていて、さまざまな面白さが伝わってきます。

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今回発表された作品でもうひとつ印象的なのが、支持体の粗い目の麻のキャンバスの素材感も今まで以上にしっかりと感じられる点で、キャンバスの目から立ち上がる油絵の具のちいさな塊の隙間から茶色い麻の色が表面に現れているのが、「もの」としての味わいをも深めているように思えます。

村山伸彦012.JPG 村山伸彦013.JPG

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とにかく制作の行程が面白いんです。

今回は景色がテーマということもあり、まずキャンバスに風景などを油彩で描き、それを今度は裏ごしするようにざっと画面の表面に圧を加えてキャンバスの裏面に絵の具を押し出し、裏返して張って作品化されています。

なので、見えている情景は逆さにするとそれが何であるか伝わりやすいのですが、敢えて天地をひっくり返さずに提示することで、行為の痕跡が全面に押し出され、さらに抽象性も高められて、独特の雰囲気を導き出しています。

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一度しっかりと、「描く」という行為はコントロールされていながら、それを「漉す」行為によって壊すことで面白い情景が生み出されているように思えます。

ひとつのテーマが設けられることで深まるコンセプチュアルな要素。さらに進化する展開がこれからどのような世界を繰り広げていくか、楽しみです。

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時々 New Creaters Exhibition

TURNER GALLERY

東京都豊島区南長崎6-1-3-3F

1/17(土)~1/24(土)

11:00~19:00

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ji-ji New Creaters Exhibition

TURNER GALLERY

6-1-3-3F,Minami-nagasaki,Toshima-ku,Tokyo

1/17(Sat)-1/24(Sat)

11:00-19:00

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拝見してからだいぶ経ってしまったのですが・・・(汗)、圧巻の鉛筆画を繰り広げる勝正光さんが中心となって開催された企画「時々」へ行ってきました。

まず印象的だったのが、勝さんと相島大地さんによるユニット「no understand」によるドローイング作品。

緻密でリアルな描写とユニークな感覚のコラージュによって構成される痛快な世界。不思議なポップさを醸し出します。

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TWSでの個展で度肝を抜くインスタレーションを繰り広げていたのが印象に残る、池田拓馬さん。今回は映像作品を出品されていて、これが凄くかっこよかった!

都市の夜景を再構築、道路が大きな円環を描くように再構成され、その情景のダイナミズムとクールさとがソリッドな世界観を生み出していました。その後、芸大修了制作の学内展で再び拝見、こちらではもっと大きな空間でさらに壮大な光景を創出していたのも印象に残っています。

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さまざまなメディアのアーティストが揃うなかで、ペインターの躍動が鮮烈に目に届いてきます。

それぞれの名刺代わり的なおなじみのアプローチで、その個性が目一杯発揮されていて痛快です。

高倉吉規01.JPG 松川はり001.JPG Jang Chi 001.JPG 佐貫巧001.JPG

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TWS本郷での個展やT & G artsでのグループ展での展開も印象的だった中島健さんの壁面インスタレーションも楽しいです。

相変わらずストイックに展開されつ絵画と、その過程を記録され、上映されているビデオ作品。それぞれが生み出す関係性が面白いです。

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長田哲さんの壁面も相変わらずのポップさです。ぱっと明るい色彩とキャッチーなモチーフが楽しい雰囲気を醸し出します。

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萩原稔さんの作品の爽やかでかわいい感触も印象に残っています。

葉っぱに並ぶ雫が文字となり、奏でられるリズムの痛快さといったら・・・!

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この展示で拝見できてもっとも嬉しかったのが、勝さんのエポックといえる作品。

奥まった一角に、大判のロール紙がひたすら鉛筆で塗り潰された作品で、暗闇のなかにその姿を浮かび上がらせ、独特の重厚感を醸し出していました。

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他にも映像からインスタレーションまで、相当に実験的なアプローチのものもあったりして、見応えのある構成でした。

この企画の今後の展開も興味深いです。

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服部公太郎「デブリ/症」

Gallery Jin

東京都台東区谷中2-5-22 山岡ビル1F

2/20(金)~3/7(土)月火休

12:00~19:00(最終日:~17:00)

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Kimitaro Hattori "debris/sympton"

Gallery Jin Projects/JinJin

2-5-22-1F,Yanaka,Taito-ku,Tokyo

2/20(Fri)-3/7(Sat) closed on Monday and Tuesday

12:00-19:00(last day:-17:00)

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思いつきと行為にまつわるエトセトラ。

Gallery Jinでの服部公太郎さんの個展に行ってきました。

これまでも折に触れて拝見している服部さんの作品、用いられる素材の質感のストレートさと、そこに秘められる壮大なイメージへの起動スイッチ的な感触、さらにそこにスマートなユーモアも入って、いろんな角度からいろんなイマジネーションの刺激を受けるのですが、今回もお馴染みのアプローチあり、新たな展開の作品あり、と、いわゆる「網羅」的な展開ではないものの、楽しいイメージがたくさん惹起されたような。

ギャラリースペースに入るとまず、スクエアのテーブルの上に並ぶ瓶や缶、紙パックが目に飛び込んできます。

一見、雑多な感触が伝わりますが、それぞれの上にちょこんとちいさな鳥が停まっていることに気付き、ああなるほど、と。

お馴染みのガムのオブジェ、すべて同じ方向を向いているのが面白い空間を生み出しているように感じられます。

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奥の小さなスペースにもガムの作品、奇妙なかたちが興味をそそります。

街でとつとつと繰り広げられたパフォーマンスを収めたビデオも合わせて上映、展示されている作品に奥行きがもたらされているように思えます。

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今回の新展開、これが面白い!

カタログなどから切り抜かれた乗用車、それらがあたかも事故車のようにぐしゃりと歪められ、台上に配されています。

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ウィンドウに入る折れシワはそのままあたかも割れたような質感を漂わせ、歪むボディなども絶妙の臨場感を伴って迫ります。

ぐっしゃりとつぶれる車体、きれいなフォルムが遠慮会釈なく壊されていることの痛快さ、これがけっこう楽しいんです。

まさにアイデアの勝利という感じ、実にシンプルなアイデアと行為とが組み合わさって生み出されるこの世界観。これほど、作品に費やされる行為や時間、行程が容易に想像できるのは他にないかも、と思わせるほどなのに、軽やかに酷い状況が提示されちゃってるあたりに妙に感じ入った次第で。

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ここからいろんな要素が脳内で関係し合い、ダイナミックな想像を導き出していきます。

1台のスケール感。実際は紙ですが、現実との距離感へ飛躍させたとき、台上のクラッシュに凄まじい迫力がもたらされていくのですが、そこから再びそれらが容易に手に入る素材であることに着目して、それこそ何百枚、何千枚のカークラッシュを創り出してまとめてインスタレーションしたら...。

・・・などなど、暴走する想像。なんだかワクワクしてくるんです!

他にもユニークなアプローチの作品が出展されていて、良い意味での捕らえ所の無さが痛快な展覧会でした。

さて次は何を繰り出してくるか、興味津々です!

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UNLIMITED 淺井裕介、泉太郎、遠藤一郎、齋藤祐平、鈴木彩花、栗原森元、栗山斉、ダビ、藤原彩人、村田峰紀、柳原絵夢

@アプリュス(A+)

東京都荒川区南千住6-67-8 荒川区リサイクルセンター南側1F

3/1(日)~3/15(日)

13:00~19:00

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UNLIMITED

@A+

6-67-8-1F,Minami-senju,Arakawa-ku,Tokyo

3/1(Sun)-3/15(Sun)

13:00-19:00

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遺憾なく発揮される空間の本領。

そしてそこに呼応するアーティストたちの無限の創造性。

アプリュス(A+)で開催されているグループ展、これが凄い!

以前に開催されたMr.FREEDOM Xは空間の広さを逆手に取ったようなミニマムな構成が逆に新鮮だたのですが、今回はとにかく詰め込めるだけ詰め込んで、そして詰め込める人たちを集めて、と、やりたい放題な感じが痛快極まりない空間が作り上げられています。

というわけで、お馴染みの顔文字連発で参りますのでどうかご容赦、階段を上っていきなり

!Σ( ̄口 ̄;)

でけぇ!Σ( ̄口 ̄;)

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空間の真ん中にどんと横たわる像。

ここをアトリエに構えるアーティスト、柳原絵夢さんの作品で、まさに個々で作り続けるからこそ作り上げられる作品、これが中央に聳えることで一気にこの空間のめくるめく凄まじい世界に入り込めます。

壁面に設置された藤原彩人さんのセラミックの作品。

全体的にイマジネーションとアクションとの距離が近いクリエイションが溢れるなか、子の藤原さんの作品が締めているような印象です。メッキ加工などで美しい陰影が施され、造形の精緻さと合わせてじっくりと魅入られます。

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再び・・・

!Σ( ̄口 ̄;)

手形か!Σ( ̄口 ̄;)

またずいぶん多いな!Σ( ̄口 ̄;)

鈴木彩花さん(現役女子高生!Σ( ̄口 ̄;))のインスタレーション、どうやら僕が伺った初日に子どもたちなどを集めたワークショップが開催された模様で、そのときに作られた手形足形が子の一角に留まらずさまざまな場所にぐるりと連なっていて、その軽やかな色彩が心地よいアクセントをもたらしています。

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こういう空間が現れるとその創造性がエクスプロージョンを起こすのが容易に思い浮かぶ、淺井裕介さん。ダイナミックな竜の姿が空間全体をぐるりと囲み、他にも床に、壁に、天井にとさまざまな手が施されていて痛快!

空間との関わり方を身体で掴んでいる感触、その伸びやかさが伝わってきます。

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圧巻なのが齋藤祐平さんのドローイング群。

どんだけ描いてんだ!Σ( ̄口 ̄;)

と、とにかくその分量に圧倒されまくり、それらが生み出す凄まじい混沌にぐんぐんと引き込まれていきます。

至近で眺めてひとつひとつに詰め込まれる情動のアグレッシブな感触にも呆然、空間の広さにまったく引かないバイタリティが圧倒的です。

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今回の首謀者、遠藤一郎さんが「これはここでやったら最高!」と設置された、泉太郎さんの映像作品。

六本木のころのHIROMI YOSHII fiveでこの作品は拝見しているのですが(記憶では僕が最初に拝見した泉さんの作品)、宇宙船が空を飛んでいる感じがまさにぴったりで。

もっともそれよりコォォォォォピシュゥゥゥゥゥゥゥみたいな口効果音が空間に響いてこれがなんとも(笑)。

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magical,ARTROOMでの展覧会も印象的だった栗原森元さんの作品もでかい!

そして両面構成なのも面白い!

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ざっと眺めてなんとなく「仕舞い忘れた重機か」と思ってスルーしていたこちらの重機(そのままかよ)。

これが実は相当に壮大な情景を提示しているのです。

栗山斉さんによるインスタレーション、換気口に向けられるカメラが捉えるのは北極星。ちょっと説明が難しいのですが(僕もおそらくもう5%くらい理解が完全でないような...)、このアプリュスがある緯度を辿り、変化しない位置を提示しているのだそう。

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そして、首謀者、遠藤一郎さんのお馴染みの作品。

インスタレーションも含め、作品を作るアーティストとは異なるスタンスがユニークな展開を生む、そんな感じで、今回も作品というよりも伝えたいイメージを伝えただけ、しかし「だけ」で終わっちゃいけなくてとことんまでやってしまう感がダイナミックに伝わってきてあくまで良い意味で呆れます(笑)!

ていうか

よく天井に張れたな!Σ( ̄口 ̄;)

(それぞれのアーティストに壁面や床面を配置していったらここしか空いてなかったらしいです)

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とにかく凄い空間です!

ボリュームの凄まじさが圧巻のグループショーです!

呉強個展「無上清涼」

東京画廊

東京都中央区銀座8-10-5-7F

2/18(水)~3/14(土)日月祝休

11:00~19:00(土:~17:00)

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Wu Qiang solo exhibition "Supereme Purity"

Tokyo Gallery

8-10-5-7F,Ginza,Chuo-ku,Tokyo

2/18(Wed)-3/14(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00(Sat:-17:00)

Google Translate(to English)

僕と変わらない世代のアーティストがこの情景を描く、そのことへの喜び。

東京画廊での呉強さんの個展です。

絶妙な筆圧の強弱により、豊かな表情を生み出す味わい深い線。

それらがさまざまな要素の稜線をていねいに紡ぎ、過去から現代へと連綿と続く水墨表現の奥行きを力強く、そして洗練された仕草で押し拡げているように感じられます。

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入り口すぐの壁面に展示された小品。

このちいさな画面の中で繰り広げられる緻密な情景。

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墨だけでなく、赤色や金なども用いて、この大きさでありながらもじっくりと対峙してその味わいを充分に堪能したくなるような。。。

ところどころの金泥による表現、眺める角度によってうっすらと広がる背景が煌めいたりと様々な表情がもたらされ、その質感が実に効いています。

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額におさめられたさまざまな作品も見応えがあります。

水墨表現の豊かさの一旦に触れる臨場感。その深遠さ、味わい深さは格別です。

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そして、大作。

小品ではさまざまな色が用いられていますが、大きな作品はストイックにおそらくほぼ墨のみで描かれています。

断崖の景色が放つ漂う凄まじいほどに堂々とした空気感。どこまでも深く、遠くへと連なっていく壮大な情景が、緻密な筆遣い、筆さばきで描き上げられていて壮観です。

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聳える水墨表現、見上げてそのダイナミックな感触に大いに感じ入ります。

大きな画面に隙なく描かれる、そこに潜む深遠な気配、それらがざわめき、さざめく様子、その空気の震えが脳裏にしっかりと蘇り、どうっと豊かに深く響き渡るような。。。

筆圧の調べが微妙な表情までも繊細に引き出し、濃淡がその情景の奥行き感をていねいに浮かび上がらせているように感じられます。

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今回の個展でさらに興味深さをもり立てるのが、90年代に描かれた初期の作品も展示され、呉強さんのキャリアをほぼ網羅されている構成です。

一貫するストイックさ、そしてその流れのなかにもちこまれる試みや挑みが垣間みられるような感触も面白く感じられます。

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数多の先人が気付き、引き継いできた水墨画の大きな流れへの敬意と、そこにさらに自らの感性を迸らせ、奏でられる独創的で深遠な世界。それに触れることができたことに大きな充実感を感じます。

また、呉強さんは昨年秋に北京のスペースで個展を開催されているのですが、そのときに出展された作品がすべて日本で発表されていることも嬉しく思う次第です。

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高木こずえ

TARO NASU

東京都千代田区東神田1-2-11

2/27(金)~3/21(土)日月祝休

11:00~19:00

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Cozue Takagi

TARO NASU

1-2-11,Higashi-kanda,Chiyoda-ku,Tokyo

2/27(Fri)-3/21(Sat) closed on Sunday, monday and national holiday

11:00-19:00

Google Translate(to English)

階段を下る途中で、視界に飛び込む混沌。

おそらく展示毎のメンテナンスが充分に行き届いているからだと思うのですが、今だ新鮮な雰囲気を保ち続ける、東神田へ移転後のTARO NASU、真っ白な広い壁に、赤から黒へ連なる濃密な色彩が映え、凄まじいほどの情報の量が一気にアグレッシブな世界へと誘います。

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TARO NASUでの高木こずえさんの待望の個展です。

これまで、東京都写真美術館でのキャノン写真新世紀グランプリ受賞で開催された、ひとつの空間で繰り出されるアクロバティックな写真のインスタレーション、昨年のTARO NASU OSAKAでのグループショー「450」でのミニマムな展開、そして今年初めの東京でのグループ展で発表されたストレートフォトのその名の通りの真っすぐな感性の表出と、展示のたびにさまざまなアプローチで繰り出される写真作品は、それぞれに見応えがあり、強く印象に残ると同時に、高木さんのイマジネーションの豊かさと奥深さも感じさせてくれます。

タグボートのページでその一部をチェックしていただけます)

そして今回、会期後半にVOCA展を控えた個展では、むろんの新たなアプローチでさらに壮大な世界が緻密に、そして大胆な感性に従って組み上げられています。

階段の位置から俯瞰した時点で既に圧倒されてしまっている大作。

至近で眺めると、そこに凝縮されるさまざまな情報のオーバーフロー感がヴィヴィッドに立ち上がります。

身近なもの、それと分かるもの、さらには風景と、無数のさまざまなモチーフが画面に配され、歪む縮尺感がひとつの情景のイメージにこちら側の感性を留めず、激しく揺さぶり、翻弄してくるかのようです。

そして、そこに現れるさまざまな要素のフォルムからピクセルの単位へとさらに意識の深度を進め、熱を帯びるような色彩のダイナミズムと複雑なグラデーションによってアグレッシブな抽象世界を生み出していて、さらにその混沌へと入り込んでいきます。

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もともとひとつの構成を分割し、ブラックのフレームを装着して幾何学的な硬質感を持ち込んでいるのもかっこいいのです。

上のスマートな9分割と、さらにアクロバティックに分割された下の作品、それぞれの構図も強固なアクセントをもたらしているように感じられます。

また、分割前の時点での膨大な情報量とインパクトのある色調とが生む全体的な抽象性により、それぞれに分割され、組作品を構成する個々の画面自体がひとつの「作品」としても機能しているように思えるのも興味深いです。全体でのスケール感と、分割されることで立ち上がってくる面白味。対峙する時間に比例して発見の総量もぐんぐんと増えていきます。好奇心が尽きることのない、堪らない情景です。

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奥の空間には、小作品を中心に構成されています。

蛍光灯と白い壁面とによるシャープな光量が、それぞれの画面の赤と黒の深度を加速させているように思えます。

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もっともちいさな画面の作品。

黒いふれームとホワイトのマット、そのなかに拡大されたような情景。部分が放つ重厚感、わずかな情報によってイメージの膨張も加速します。

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その向かい側の壁面には、上記のより大きめの写真画面の作品が並びます。

こちらは、ある場面が黒い背景に浮かぶあがるようになっていて、重なる複数の要素によってもたらされる時間の厚みが、小さいながらも濃厚な世界観を醸し出し、重厚な迫力でインパクトを与えてきます。

そういったなかに、重ねられない、少なくとも僕が観た限りはひとつの情景を色彩のコントロールエフェクトのみがかけられた作品もあり、他と比べて複雑な過程が持ち込まれてないシンプルなアプローチによって紡がれる、その情景から漂う繊細で妖し気な雰囲気も強く印象に残っています。

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もっとも奥の壁面では、画面ごとに大胆で硬質な構図のアプローチが挿入される作品が。

方形による展開、そして球状のモチーフの塊の配置、それぞれシンメトリーな構図の安定感が全体にもたらす落ち着いた感触、一方で踏み込んでその混沌に触れたときのアグレッシブなイメージとのギャップも面白いです。

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とにかく見応えがあります。

ひとつの展示として、この空間に貫かれるコンセプトの統一感。そしてそのなかで縦横無尽に、空前絶後のスケール感とバイタリティで繰り広げられる圧倒的な前衛世界。

コピーやスキャニングなど、おそらくさまざまな、案外身近な手法も駆使されて制作されるシーンの情報の過剰さが痛快です。

重なるモチーフの関係性が生み出すユニークな縮尺感や時空性、凄まじくアグレッシブな色調の解釈によってもたらされるストイックなアブストラクト感。壮大なイメージの創出を惹起してくれる写真作品であり、空間です。

そして、このレビューを書いている時点では未見の今年のVOCA展での高木さんの作品が、あの空間でどういう響きをもたらすかも楽しみです。

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舟田潤子

シロタ画廊

東京都中央区銀座7-10-8

3/2(月)~3/14(土)日祝休

11:00~19:00(最終日:~17:00)

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Junko Funeda exhibition

Gallery Shirota

7-10-8,Ginza,Chuo-ku,Tokyo

(Mon)-(Sat) closed on Sunday

11:00-19:00(last day:-17:00)

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はなやかな色彩、楽しそうに踊るような線。

シロタ画廊での舟田潤子さんの個展です。

のびやかで楽しい世界が綴られていきます。

サーカスをテーマに、あのワクワクするようなめくるめく時間が、銅版画らしい微妙な滲みが醸し出す味わいで表現され、さらに爽やかな色彩が施されて、穏やかでやさしい、ほんのりと大人びた雰囲気が空間に溢れています。

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覚めたらなんだか名残惜しくてもう一回眠ってその世界に戻りたくなってしまうような夢、そんな儚げで繊細な雰囲気が画面に広がります。

さまざまなモチーフが、ときにくにゃりと歪んでコミカルさを奏でながら織り込まれて、豊かな奥行き感が都売り出されています。ふわりと心地よい浮遊感が広がっていて、それに包まれるような感触がいいんです。

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ちいさな作品たちのおおらかな風合いも楽しいです。

画面いっぱいにおおきな動きの仕草で魅せるサーカスの団員たち、ゆったりとした時間のイメージが、淡く素朴な色彩から伝わってきます。

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特別にちいさな作品もあって、これがかわいい!

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奥の壁一面に散らばる小作品も、さまざまな場面が溢れていて、そしてそのひとつひとつがクラシカルな額に収められて、軽やかで深い味わいを奏でています。

今回の展示のなかでもひときわ銅版画らしいテイストが広がっています。

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ちいさな画面の中にきゅっと詰め込まれる様々な景色、味わい深い線と鮮やかな色彩とで、素朴で濃密な風合いがひとつひとつに感じられ、思い入れも深まっていきます。

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さまざまなサイズの作品が揃い、それぞれがサイズが放つ迫力や味わいも含め、豊かなイメージをもたらしてくれるような気がします。

ふんだんに織り込まれる遊び心、別の薄い紙に刷った銅版画をコラージュ的に挿入して独特の発色を活かし、手彩色とのコントラストで絶妙なリズム感を生み出したりと、アプローチの多彩さも楽しい雰囲気をもり立てているように感じられます。

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大竹竜太新作個展

TARO NASU OSAKA

大阪府大阪市中央区博労町1-8-13-1F

1/16(金)~3/14(土)木金土のみ

12:00~19:00

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Ryuta Otake

TARO NASU OSAKA

1-8-13-1F,Bakuro-machi,Chuo-ku,Osaka-shi,Osaka-fu

1/16(Fri)-3/14(Sat) Thursday, Friday and Saturday only

12:00-19:00

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ソリッドな空間に落とし込まれる現代的なシャープな共有感覚。

TARO NASU OSAKAでの大竹竜太さんの個展です。

大竹さんの作品は、東神田移転記念のTARO NASUのグループショーと前回の大阪でのグループ展とで拝見したスタイルの作品が興味深く、特にサンライズのアニメが全盛を誇っていた頃に小学生だった僕くらいの世代には、ストレートにそのテイストが記憶に届き、響きます。

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入り口すぐのスペースに展示されている風景のみの作品。

基地の景色の壮大さ、ダイナミズムのかっこよさが力強く迫ります。陰影の感触、人工物のクールな佇まいなど、ここに描かれている風景のかっこよさが、自然に記憶を呼び起こすことで感覚的に掴めてしまうのがなんとも楽しいです。

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東京でのグループショーでは小さめの画面に描かれたフューチャリスティックなテイストの肖像画。それがずらりと並べられていて壮観でしたが、こちらでは大きなキャンバスに描かれ、サイズがそのまま迫力に転化されて、ヴィヴィッドな臨場感をもたらしています。

稜線のキャッチーな感じ、個性的なかたちで描き上げられる目、そして身につけるアイテム、武器の類いが醸し出すかっこよさ。スマートな構図がクールさを押し上げ、痛快に感じられます。

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奥のスペースには、立体の作品や線のみのドローイングも。

マケット的な感触が、この後どう展開するのだろう、と期待を持たせてくれます。

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いちばん奥の壁面に展示された小品。

入り口に展示された大作よりさらに俯瞰の構図となり、そのスケール感の壮大さがイメージの膨張拡大を促します。

そこに描かれる色の立ち上がり方も面白いです。

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おそらく僕と同じ世代(もしかしたら上の世代も)の男子が子どものころから持つ近未来のイメージ。それがキャンバスに描かれることで「もの」としての存在感も力強く提示されているように感じられます。

あの頃抱き続けたかっこよさの究極が、時を経てこういったかたちで提示されることの嬉しさ、そしてその懐古の提供に留まらず、モチーフとしてあのころのかっこいいイメージを引用しながら、鋭さやアート的なスキャンダラスな雰囲気をも、ペインティング自体からとこれを今描くその行為とから感じさせてくれます。

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小林且典展

nca|nichido contemporary art

東京都中央区八丁堀4-3-3 ダヴィンチ京橋B1

2/27(金)~3/19(木)日月祝休

11:00~19:00

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Katsunori Kobayashi

nca|nichido contemporary art

4-3-3-B1,Hatchobori,Chuo-ku,Tokyo

2/27(Fri)-3/19(Thu) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00

Google Translate(to English)

軽やかに漂う、清々しい静謐。

nca|nichido contemporary artでの小林且典さんの個展です。

DMを拝見した段階ではどんな作品でどんな展示なのかまったく分からず、手探りの心持ちで臨んだのですが、展示空間に入った瞬間、澄み切った空気感、そしてほのかに懐かしげな気配に包まれ、そのやさしい清々しさになんだかほっとするような気持ちがふっと湧くと同時に、しかしそこに貫かれる緊張感がまたイマジネーションを刺激してきます。

立体と写真による空間構成、それらが放つモノクロームの穏やかな色彩感が独特な雰囲気を醸し出しています。

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台上のジオラマ。

さまざまな遊具のどこかほの淋しい風合い、積もる白さは雪景色というよりも、レイドバックしたような雰囲気を感じさせてくれます。

緻密に施される縮尺感がリアリティを紡ぎ出し、そのリアリティがなんともいえない気配をもたらしているような。。。

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この情景を撮影した写真、これがまた独特の雰囲気をていねいに奏でているように感じられるんです。

微妙にぼやけるピント、モノクロームがもたらす繊細な陰影。そこに流れる時間の心地よい歪み、異なる時空のイメージが醸し出す独特な世界観。ただひとつの画面から、いろんな記憶や想像が刺激され、交錯していくかのように思えます。

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シンプルな構図、淡々とした時間が紡がれていきます。

アオリ写真のような風合いがなんともいえないかわいいイメージを思い起こさせます。

そしてその儚げな感じも、ここに収められる世界の奥行きをより深いものへと向かわせているようにも思えます。

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ちいさな画面の作品も。

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ずらりと並ぶ小品、いろんな情景が画面ごとに提示され、綴られる物語性が心に緩やかに響き渡っていきます。

ジオラマをモチーフに撮影された写真で、そのジオラマの縁をファインダーから外したときと、台の部分を取り込んだときとの縮尺の印象の差異も楽しいです。

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入り口左手および正面のモノクロームの穏やかさとストイックな空気感から、右手の一角のそこにほのかに色が加わる空間へ。

楽しげな、かわいらしい雰囲気が押し拡げられているように思えます。

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ふわりとやわらかくて軽やかな色彩が、全体に広がる清楚な白に凛と立ち上がります。

どこか雑然とした風合いも逆にかわいらしい印象で、そこを過ぎていった時間への想いもつのっていくかのような。。。

画面の外側に笑顔の気配が感じられるような気がします。こういうふうにワクワクするようなことってあまりないなぁ、と...。

なんともいえない不思議な心地、その感触に浸れる喜びが堪らないんです。

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もともとは彫刻をなさっているという小林さん、その精度はジオラマ作品で存分に発揮されています。

細やかな部分においてまでの隙のなさ、加えて雰囲気をさらにもり立てるような仕上げの巧みさに、あらためて感服します。

そして写真、これが大変興味深いのです。

お話によると、例えば割ったレンズを再生させるなど、自ら制作したレンズを用いて撮影されるのだそう。それが絶妙なぼかしや深い陰影を生み出すのだそうで、その大胆なアプローチがこの風合いをもたらすのだと知ると、さらに感じ入った次第です。

見所は溢れています。

いくらでもその空気感、気配に浸っていられる、浸っていたい空間がつくりあげられています。

ぜひ、この独特の雰囲気を体感してほしいです。

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《3/6》

debut! ver. Askua WATANABE 渡辺明鈴香個展

谷門美術

東京都港区北青山3-3-7 第一青山ビル1F

3/6(金)~3/27(金)日月祝休

13:00~19:00

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大作1点を含むペインティングとドローイングが出展され、ちいさな空間をハッピーな雰囲気で満たしています。

やわらかくてやさしい色彩感はそのままに、描かれる要素のひとつひとつがより軽やかに、ポップに登場しているかのような印象で。そしてドローイングのかわいらしい雰囲気がまた嬉しいのです。

ワンダーシード2009

トーキョーワンダーサイト渋谷

東京都渋谷区神南1-19-8

3/7(土)~3/29(日)月休

11:00~19:00

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レセプションで全体をさらりと見渡してみたときの印象では、僕が拝見した過去2回と比較すると今回はおとなしいかなぁ、と。

初めて拝見する方の作品も多くて、おそらく時間をかけて拝見することで気付く面白さもたくさんあるはずなので、あらためて時間を取ってじっくり観てきたいと思います。

スズキユウリ Physical Value of Sound

CLEAR GALLERY

東京都渋谷区渋谷4-2-5 Place Aoyama

3/6(金)~5/2(土)日月祝休

11:00~19:00

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ああ!楽しい!

アナログ版レコードをモチーフに展開されるエンターテイメント性に富んだインスタレーション。走る針や、渦状ではなくループにカットされたレコードにいくつもの針が落とされる作品など、ユーモアをふんだんに織り交ぜられた展開がとにかくかわいくて楽しいです。

そしてそこに組み込まれるデジタル情報社会への批判性も興味深いです。

大庭大介「The Light Field ー光の場ー」

magical, ARTROOM

東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 3F

3/6(金)~4/5(日)12:00~20:00

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これほどまでにストイックな絵画の展覧会があっただろうか、と。

大作がずらりと並び、壁面に対する絵画の面積は相当に広いのですが、伝えていることはただひたすらにひとつ。その真っすぐな感触にただ圧倒されます。

《3/7》

湯浅克俊展 ―版・モノクロームの深度―

INAXギャラリー

東京都中央区京橋3-6-18 INAX:GINZA 2F

3/2(月)~3/26(木)日祝休

10:00~18:00

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一昨年の青山での個展も強く印象に残っている、湯浅克俊さんの木版画のインスタレーション再び。前回の宙づりではなく、今回はすべて壁面に展示され、オーソドックスな空間構成ですが、やはりそれぞれの作品の精度がとにかく素晴らしいです。

斜線の重なり、その太さで濃淡を現し、情景の奥行き感や光の表情などを精緻に再現した作品、さまざまな情景が木版特有の穏やかさと、およそ木版画であることが信じられないほどの緻密さとで繰り出され、さまざまな表情とそこに収められる気配に引き込まれていきます。

興梠優護展「meltiog point」

CASHI

東京都中央区日本橋馬喰町2-5-18-1F

3/6(金)~3/28(土)日月祝休

11:00~18:00

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昨年夏の2人展に続き、今回はソロで登場の興梠優護さん。

あの過剰に艶かしい、そしてあからさまなエロティシズムを凄まじく危険をはらむ筆致で描くペインティング。背景と溶け合うフォルムも、有機的なイメージを加速させる色彩感も、情景の臨場感にダイレクトに転化され、独創的な雰囲気が空間に溢れかえっているように感じられます。

掌9

ラディウムーレントゲンヴェルケ

東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17

3/6(金)~3/28(土)日月祝休

11:00~19:00

掌(たなごころ)に乗るサイズの作品、という条件で、ゆかりのアーティストがその想像性を駆使し、それぞれの作品に鮮烈に発揮される個性。

立体に熟れるアーティストのさすがの展開あり、平面作家の条件とのせめぎ合いのスリリングさも随所に観られ、とにかく文句なしに面白すぎる展覧会です。

大庭大介「The Light Field ー光の場ー」

SCAI THE BATHHOUSE

東京都台東区谷中6-1-23 柏湯跡

3/6(金)~4/4(土)日月祝休

12:00~19:00

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前日のオープニングは悪天候のために伺えず、一日遅れでまず拝見してきたのですが...

思わず涙腺が緩みそうになってしまったくらいに、ただただその美しさ、そこから伝わるさまざまなものへの誠意に心が震えます。

magical,ARTROOMでの展開とは異なるアプローチながら、一貫するストイックな姿勢はただただ感服させられるばかりです。

松崎宏史個展「STUDIES ON EVERYDAY FLOW-ERS」

MAKII MASARU FINE ARTS

東京都台東区浅草橋1-7-7

3/6(金)~3/18(水)日休

11:00~19:00(最終日:~17:00)

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くるくると渦を巻くそれが奏でる奥行き感の面白さ。

画面上のシンプルな構図、そこで繰り広げられる壮大なダイナミズム。

実際に作品を拝見し、グラフィカルな作風を予想していたのが見事に裏切られ、溢れかえるような動的なインパクトはとにかく痛快です!

根上恭美子展「スターだらけの」

GALLERY MoMo Ryogoku

東京都墨田区亀沢1-7-15

3/7(土)~3/28(土)日月祝休

11:00~19:00

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六本木でのグループ展や、CASHIでのオープニングなどで作品を拝見している根上恭美子さん。

さまざまな素材を用いた立体のインスタレーションに加え、ペインティングも出品され、そのユニークな世界観がさまざまなアプローチを通じて空間全体に充満しています。

手前の空間の宙づりとガラス壁面にへばりつく作品群は圧巻です!

宇田川愛 "developing Utopia"

KIDO PRESS

東京都江東区清澄1-3-2-6F

3/7(土)~3/28(土)日月祝休

12:00~19:00

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溢れる繊細さが清々しく心地よい作品たち。

透過性のあるメッシュ地を絶妙なグラデーションで染め、それを支持体に緩やかな気配の情景が描かれ、独特な雰囲気が漂うような。

緊張感も広がる静謐さが、心の深くを覆うような感触です。

山本桂輔展“起立”

TOMIO KOYAMA GALLERY

東京都江東区清澄1-3-2-7F

3/7(土)~3/28(土)日月祝休

12:00~19:00

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謳歌される現代アート讃歌。表現する喜びに溢れる色彩、そして何よりも・・・!

コンナノツクッテドウスルンダー!!!(≧∇≦)ノ゛

と心の底から叫びたくなるような圧倒的な木彫作品に、喜びが爆発します!

《3/8》

第3回 shiseido art egg 小野耕石

資生堂ギャラリー

東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビルB1F

3/6(金)~3/29(日)月休

11:00~19:00(日祝:~18:00)

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僕が小野耕石さんの作品を拝見したのが、東京藝術大学の学園祭での展示で、そのときもそのユニークなテクスチャーに魅せられたのですが、それからずいぶんのときを経て久々に作品を目にする機会を得られ、最初の日曜日に足を運んできました。

小さな作品しか拝見したことがなかったこともあり、今回の空間の使い方にまず驚かされます。

そして、そこにいったいいくつのドットがもたらされているのだろう、と思うと気が遠くなるほど...。

その仕事の量がそのまま圧巻の空間へと跳ね返り、立体的な構造によって観る角度の変化から空間全体のグラデーションもダイナミックに変化するような感触に感動。

スケール感もただならぬ大きさ、壮大さを思い起こさせてくれます。

タノタイガ個展『T+ANONYMOUS』

現代美術製作所

東京都墨田区墨田1-15-3

3/7(土)~3/29(日)月火休

12:00~19:00

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いやもうこの辺りのクリエイションのバカバカしさは最高ですよホントに。

これまで発表されたさまざまなパフォーマンスやインスタレーションなどの展開がひとつの空間に収められていて、それぞれ世の中との接点のぶっ飛んだ感触が痛快極まりなく。

木彫作品もあって、その作品自体の精度も見応えがあるのですが、それを使って海外旅行に出かけてかえって来るパフォーマンスを記録した映像も笑えます。

《2/27》

安冨洋貴展

Gallery Teo

東京都品川区東五反田2-5-15-3F

2/27(金)~ 3/28(土)日月祝休

12:00~19:00

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大作から小品まで、静謐な鉛筆画が並んでいます。

室内や街並みを描いた作品、そこに漂う気配が静かに滲んでくるかのような印象です。

あたかも「影」を描き出すかのような風合いは特に背景の闇の深い黒から感じます。徹底してストイックに画面に向かう姿勢も伝わってきます。

小林且典展

nca|nichido contemporary art

東京都中央区八丁堀4-3-3 ダヴィンチ京橋B1

2/27(金)~3/19(木)日月祝休

11:00~19:00

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面白い!ステキです!

台上のジオラマと、それを捉えた写真の展示で、空間全体に満ちるモノクロームの色調感も繊細な深みを奏で、ジオラマの風景の独特な気配、それをさらに深化させるようなテイストの写真と、じっくりと堪能したい情景が綴られています。

高木こずえ

TARO NASU

東京都千代田区東神田1-2-11

2/27(金)~3/21(土)日月祝休

11:00~19:00

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キャノン写真新世紀でグランプリを受賞され、それで開催された個展、そしてTARO NASU OSAKAでのグループショーで拝見してそのシャープなアプローチのかっこよさが鮮烈な印象となって残っている高木こずえさんの個展。階段を下って目に飛び込んでくる大作の凄まじい混沌により、そのアグレッシブな叙情世界に一気に引き込まれます。

さまざまな景色やものなどを重ね、組み合わせたフォトコラージュ、大作の圧巻の気配、小品でのミニマムに焦点を当てた展開など、見応え充分です。

《2/28》

Domain of Art 2 東亭順

さいたま市地域中核施設プラザノース

埼玉県さいたま市北区宮原町1-852-1

2/14(土)~2/28(土)2/23休

10:00~19:00

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本当であればもっと早いタイミングで伺いたかった今回の東亭順さんの個展、これが素晴らしかったんです。

T字型に組まれる砂場、そこに埋め込まれる円形の大作のタブロー。映り込む空の表情を思わせる青の透明感、そこに重なる白いシルエット。山並みを想起させるものもあれば、風に吹かれる草、木々など、その繊細な色彩で紡がれるいろんな表情がイメージをぐんと膨らませてくれるんです。

壁に展示された2点もあわせ、放たれる世界観は圧倒的で、体積的にたっぷりとある空間が充分に活かされ、いつまでも浸っていたいインスタレーションが繰り広げられていました。

村山伸彦|光景

GALLERY OBJECTIVE CORRELATIVE

東京都新宿区四谷1-5 四谷アートステュディウム1F

2/24(火)~2/28(土)

11:00~17:00

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gallery stumpでもお馴染みの村山伸彦さん、前回の同じ場所での展示は2人展でしたが今回はソロで。

目の粗い麻のキャンバスに描き、それを漉して裏側に現れる立体的なテクスチャーで表現する世界観、これまでの抽象性の追求から、今回は具象的なものを描き、それを漉すことて崩れるフォルムがユニークな情景となって表出している感触がもたらされ、その手法に奥行きが加えられたような印象です。

五十嵐公 個展「a tempo」

YUKARI ART CONTEMPORARY

東京都目黒区鷹番2-5-2 市川ヴィラ1階

2/7(土)~3/7(土)日月火休

11:00~19:00(最終日:~17:00)

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以前、ギャラリーエスで作品を拝見した五十嵐公さん、今回の個展ではふたつの空間でそれぞれ風合いに変化を付けた構成が面白かったです。

手前のスペースでは、海岸、海の景色を捉えた作品による構成。

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水平線のケレン味のない直線、建造物の矩形、海上に漂うさまざまなかたち。厳選されたユニークな構図でそれぞれの画面に収まるかたちだけでなく、色彩もさらにシャープに伝わってきます。奥行きを持ちつつも、平面的な解釈での図形的な面白さも印象的です。

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通路部分にも作品が。トンネルの影と空間の薄暗さとが絶妙な雰囲気を漂わせていました。

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奥のスペースでは、山の景色が並びます。

自然と人工物との共存がダイナミックなコントラストをもたらして、海の作品の硬質な印象とはまた異なる、かたちの組み合わせの面白さも感じられる写真作品です。

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後藤輝 You Are The Universe

TAKE NINAGAWA

東京都港区東麻布2-12-4 信栄ビル1F

2/28(土)~3/28(土)日月祝休

11:00~19:00

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まず驚きますってば・・・!

自然を演出する(ためにあそこまでやっちゃうところが痛快で)インスタレーションに、さまざまなマチエル、テクスチャーのペインティングが壁面を覆い、ぐんとそのヴィヴィッドなクリエイションが四方から迫ってきます。

緻密に描き上げられる猫の表情、ざっくりと描く行為を叩き付けるかのような荒々しさ、そのコントラストも鮮烈です。

瀧将仁

シロタ画廊

東京都中央区銀座7-10-8

2/23(月)~2/28(土)11:00~19:00(最終日:~17:30)

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ギリギリ、というか間に合ってなかったのですが、撤去しているなか、その時点で飾ってある作品を拝見させていただきました。

味わい深い木版のテイスト、それが朴訥な風合いから洗練の度合いが増し、繊細な女性の姿が淡く朧げな雰囲気とともに描き上げられていて、なんとも言えない切ないような気持ちが心を満たします。

あらためてじっくりと拝見したい、穏やかさと鋭さとが共存する鮮烈な木版の世界です。

小西真奈 Portrates

ARATANIURANO

東京都中央区新富2-2-5 新富二丁目ビル3A

2/28(土)~4/4(土)日月祝休

11:00~19:00

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このところ遠い風景を描いた作品を多く発表されてきた小西真奈さん、今回は一転してさまざまな一のポートレイトがあの独特の筆遣いで描かれ、新鮮な印象が伝わってきます。

小品がぱらぱらと散らばって小気味よさが心地よい壁面、大作に登場する人物の圧倒的な存在感。

人が描かれている作品の、その人の姿の引力の強さを実感した次第です。

海老原優×原田賢幸 二人展「円周率と最大公約数」

Ottomainzheim Gallery

東京都中央区八丁堀3-11-9-B1F

2/28(土)~3/29(日)11:00~19:00(土日祝:~18:00)

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谷門美術やArt Jam Contemporaryでの個展で拝見し、不思議な情景を映像で綴る海老原優さんと、今年の武蔵野美術大学の学内での卒業修了制作展で最初に拝見していた(アレは忘れられない・・・)原田賢幸 による二人展、薄暗い空間で映像とインスタレーションとがなんだか不思議な雰囲気を充満させています。

入り口をくぐっていきなり原田さんの展開に驚かされるのがとにかく痛快!

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扇風機か!Σ( ̄口 ̄;)

これまたずいぶん型の古いのを集めたな!Σ( ̄口 ̄;)

・・・で、前をと降り過ぎてみると唐突に

ヴーン...

って回り出してびっくりします、はい。

扇風機の表面にスピーカーが取り付けられていて、それが羽の回転と同時に発音し、子どものころよくやった扇風機に向かって声を出すと細かいビブラートが掛かって変な感じ、あれの再現が始まるんです。

いや、もう、何て言うか、この下らなさ、無駄な感じ、最高です。

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海老原優さんのアニメーション、空間への落とし込み方も面白い!

ひとつの画面が区切られ、それぞれに展開し、パズルのように移動しながら流れていく映像、これが斜めに映し出されているアクロバティックさが楽しさをさらに加速させているように思えます。

コーナーに上映されている作品も同様に、角で映像が折れてしまっているあたりも痛快です。

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Recent Works vol.1 - 加藤千尋、原良介、ましもゆき

Yuka Sasahara Gallery

東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第3ビル4F

2/28(土)~3/21(土)日月祝休

11:00~19:00

3名のアーティストの新作、近作が展示されていて、入り口の加藤千尋さんの平面作品のシャープさと原良介さんのおおらかなペインティングとに出迎えられるなか、先日まで東京オペラシティアートギャラリーに出展されていたましもゆきさんの作品を、そのとき展b路されていたものも含めてあらためて見られるのが嬉しい!

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いくら眺めてもいっこうに好奇心が収まることのない、圧倒的な密度で繰り広げられる絢爛の世界。

羽をダイナミックに広げ、尾をなびかせる鳥の姿の、すべての部分における饒舌さ、ストイックに紡がれる徹底した描写で繰り出されるこの過剰さが、鋭く艶やかな世界観をもたらしているように思えます。

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オペラシティでは黒い壁面に展示され、深い雰囲気を奏でていた作品も再登場、こちらでは白の壁面に蛍光灯の照明が当たり、明るく照らし出されることで、描かれる世界のダイナミズムと緻密さとがさらに鋭く立ち上がって感じられます。

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小品の危うさとかわいらしさとが背中合わせで共存する作品も。

線の細さが描かれるシーンの儚さを紡ぎ出しているようにも思えてきます。

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神藤知子個展「足音のない動き」

MORI YU GALLERY TOKYO

東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第3ビル4F

2/28(土)~3/21(土)日月祝休

12:00~19:00

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色彩の鮮やかさ、画面を這う絵の具の生々しさ。

行為の蓄積で紡がれる抽象的な情景は、ある瞬間にそこに奥行きを認めると、そこから一気に情景の広がりが加速します。

大胆なストロークの奥に潜む繊細な感性の存在が、爽やかな心地よさをもたらしてくれます。

木原智代『bluemorous』

AISHO MIURA ARTS

東京都新宿区住吉町10-10

2/28(土)~3/22(日)月休

13:00~21:00(日:~19:00)

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青山clementosalonでの個展では空間全体を圧迫する巨大なインスタレーションで度肝を抜いた木原智代さん、今回は代名詞とも言えそうな深い青に染まるちいさなオブジェを空間に無数にぶら下げるインスタレーションで、やはり空間全体で強烈なインパクトを生み出しています。

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玩具、文具、食玩のかき揚げ、もしくは畳鰯状態。

・・・と表現すると元も子もないような気がするのですが、そういうふうに馴染みのかたちが収まっているのがなんだか懐かしくて嬉しくて、不思議な気持ちを誘います。

そして、これらは触るとなんとも言えない手触りで。カウンターに置いてあるものを持たせてもらったのですが、不思議と愛着がわいてくるんです。

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《3/1》

大和由佳展「存在の満ち欠け」

neutron tokyo

東京都港区南青山2-17-14

2/7(土)~3/1(日)月休

11:00~19:00

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neutron tokyoの2番手、大和由佳さんがここで個展を行うと知っていったいどんな展開でやるのだろう、と興味津々で。

1階の触れるとちりちりとかわいらしく鳴る金魚を思わせるブロンズを用いたインスタレーション、上階でのお馴染みの作風から新たな展開まで、展開の豊かさが大きな想像性をもたらしてくれます。

UNLIMITED 淺井裕介、泉太郎、遠藤一郎、齋藤祐平、鈴木彩花、栗原森元、栗山斉、ダビ、藤原彩人、村田峰紀、柳原絵夢

@アプリュス(A+)

東京都荒川区南千住6-67-8 荒川区リサイクルセンター南側1F

3/1(日)~3/15(日)

13:00~19:00

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最高だ!

先月同じ場所で開催の展覧会の、空間の大きさを敢えて逆手に取ったかのようなミニマムな構成から一転、この空間がリベンジを期すかのように、そしてタイトルが示すように、ヴィヴィッドでユニークな、そして勢い溢れるクリエイションが空間を満たしていて凄い!

階段を上って床の高さに視線が到達した瞬間からその迫力に感性が押し倒されます。

《3/3》

山本晶展

GALERIE ANDO

東京都渋谷区松濤1-26-23

3/3(火)~3/21(土)日月休

11:30~19:30

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具体的なイメージに近づく抽象世界。

マスキングなども駆使され、シャープな色彩の立ち上がりで紡がれる情景は、不思議な奥行き感とそこに漂う気配を繊細に、そして和やかに伝えてくるかのようです。

小品のきゅっと詰まった感じ、大きめの作品の大胆な構図感など、いろんな面白さに満ちているように思えます。

ZAIMIZAMZIMA

ZAIM

神奈川県横浜市中区日本大通34

2/27(金)~3/8(日)

11:00~21:00

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梅津庸一さんによる、ある「企み」。

観に行く、というよりもお邪魔する、そんな感覚で。

伺うと、広い空間にさまざまなものが溢れ、雑多ななかに強烈な引力をもつ「気配」がそこかしこに存在している、という感触です。

「作品」を「展示」されているものを「観る」ことに慣れているせいか、随所にある梅津さんのタブローや、映像作品などを目にすると妙に安心したりして、ただ、なかには制作過程のもの、あからさまな途中のクリエイション、さらにはそのとき思いついたから、とあたかも痕跡を残すかのようにして書かれたものなど、さまざまな要素に溢れています。

「作る/創る」ということを、別の角度から提示しているかのような印象が強いです。

そこかしこに残る痕跡が、描き手、アーティストの内面へと誘うかのような生々しさを無意識に提示しているかのようにも感じられた次第。

本当であればもう一回は伺って、空間の変化、気配の変化を肌で感じたいところなのですが、ちょっと難しそうなのが残念至極。。。

《3/4》

舟田潤子

シロタ画廊

東京都中央区銀座7-10-8

3/2(月)~3/14(土)日祝休

11:00~19:00(最終日:~17:00)

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楽しいです!

カラフルな色彩が舞い、コミカルな動きのイメージに満ちた世界。

「サーカス」がテーマであるというお話もなるほどと思える、喜びに溢れる雰囲気がなんとも爽やかな心地よさをもたらしてくれます。

横長の大作のおおらかさ、ぱあっと壁いっぱいに広がるように飾られた小品のかわいらしさ、そして銅版の表現への清々しい拘り、さまざまなポジティブさが嬉しい空間です。

大和田詠美展 "UTOIPA WITH SEAFOOD"

GALLERY b. TOKYO

東京都中央区京橋3-5-4 第1吉井ビルB1

3/2(月)~3/7(土)11:00~19:00(金:~21:00、最終日:~17:00)

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でかい!Σ( ̄口 ̄;)

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焼き物のオブジェ、朴訥とした風合いで綴られるユーモラスな造形。

タコやイカの、特に吸盤あたりの細やかさの痛快さ具合といい、軽やかな配色といい、なんだかもやっちゃってる感じが痛快で痛快で!

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陶芸というと、「焼く」という作業が加わることでもっとも不器用な表現の手法のひとつだと思うのですが、それが振っ切れるとホントに信じられないくらいのダイナミックな造形を生み出すので面白いです。

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林勇気展「afterglow」

neutron tokyo 1F main gallery

東京都港区南青山2-17-14

3/4(水)~3/22(日)月休

11:00~19:00

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今年初めまでIID GALLERYで個展を開催されていた林勇気さん、今回はneutron tokyoの洗練された空間で、あの淡々とした映像が。

独特な世界観、ひたすらループする軽やかな絶望、そこにユーモアと精巧な映像の描写がふんだんに織り込まれることで、独創的なキャッチーな次官がもたらされているような亜印象を受けます。

あらためてじっくりと観たい、感じたい空間です。

金理有展

neutron tokyo 3F mini gallery

東京都港区南青山2-17-14

3/4(水)~3/22(日)月休

11:00~19:00

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重厚感を放つ色調と、造形のボリューム感が尋常でない迫力と存在感を奏でています。

陶芸作品とユニークなプロセスを経て制作されるタブロー、それぞれにアバンギャルドさを持ち合わせた味わい深い世界を滲ませているんです。

《3/5》

石居麻耶 -東京少年少女-

YOKOI FINE ART

東京都港区東麻布1-4-3 木内第二ビル6F

2/21(土)~3/7(土)日祝休

11:00~19:00

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再び足を運んできました。

ずらりと並ぶ軽やかで繊細なイラスト。季節感溢れる色彩、影の表現の絶妙な加減、そしてなにより、記憶に心地よく響く写実性が、やさしい気持ちをもたらしてくれます。

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シンプルな画材を用いて綴られる情景の身近な感じ、その臨場感が、描き手の石居さんの繊細さ、描かれる場面への想いを引き立てているようにも思えます。

線と色彩の清らかさ、それで紡がれるシーンに囲まれるのはやはり心地よいです。

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シリーズ彫刻//新時代vol.3 土屋仁応

東京日本橋高島屋6階 美術画廊X

東京都中央区日本橋2-4-1

3/4(水)~3/23(月)10:00~20:00(最終日:~16:00)

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美しすぎる造形。しかもこれが木彫である、そういうことに毎度ながら驚かされる、土屋仁応さんの作品たち。

なまめかしい肢体で佇み、あやしげな気配を漂わせ、空間全体に響く緊張感。鋭い眼光と対峙し、その幽玄な雰囲気に包まれていくかのような。。。

takashi matsumoto:(untitled)

SPICA ART

東京都港区南青山4-6-5

3/2(月)~3/14(土)日祝休

13:00~19:00

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4分割シンメトリーによる展開の写真作品。

身近な情景を収め、そのミニマムな要素の凝縮部分を活かし、複雑なリズムを放っています。

混沌と整理とが同居し、取り込まれる風景の身近さとは裏腹の切れの鋭さに、強烈に好奇心が引き寄せられます。

佐賀永康『ハッピー過ぎて腹痛い』

T&G ARTS

東京都港区六本木5-9-20

3/5(木)~4/2(木)日月祝休

11:00~19:00

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いやもう壮観です、1階の一角を埋め尽くす膨大な物量のドローイング/ペインティング群。

描くことの楽しさ、表現することの痛快さを全面に押し出したかのような伸びやかなテイストに溢れてるように思えます。

田島秀彦展

KENJI TAKI GALLERY/TOKYO

東京都新宿区西新宿3-18-2-102

3/5(木)~3/28(土)日月祝休

12:00~19:00

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名古屋での個展を見損ねていたこともあり、楽しみだった東京での田島秀彦さんの個展。

これは観ないと分からない、と作品を初めて直に拝見して強く感じた次第。

画面に施される小さな穴から発せられる光、あるいは立体のどこかコミカルな動き。それらから絶妙な距離感を置く背景の細やかなペインティングとトーンが落とされた色彩感。

さまざまなテイストが重なり合って、不思議な世界を生み出しているように思えます。

さわひらき展

OTA FINE ARTS

東京都中央区勝どき2-8-19-4B

1/31(土)~3/6(金)日月祝休

11:00~19:00

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Hiraki Sawa

OTA FINE ARTS

2-8-19-4B,Kachidoki,Chuo-ku,Tokyo

1/31(Sat)-3/6(Fri) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00

Google Translate(to English)

心眼が開く...

OTA FINE ARTSでのさわひらきさんの個展です。

この気配に接するできることの喜び。

「気配」を身体で感じ、そのなかで過ごす時間の心地よさ。

ふたつの映像インスタレーションによって構成される今回の個展、大小の空間で紡がれる繊細な「とき」が、実に豊かなイメージをもたらしてくれます。

ちいさなスペースでは、向かい合うふたつのスクリーンが異なる時間の流れを放ちます。

それぞれ、朴訥とした風合いをていねいに子のちいさな空間に広げていくような感触で、その響きのコントラストがなんとも言えない不思議な、しかし説得力に溢れる雰囲気を満たします。

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入り口より左手の映像では、さまざまな場面が矢継ぎ早に継がれていきます。

そこに現れる象徴的なモチーフ、鳥かご、鳥、砂漠、森、観覧車、空...それぞれが言葉で言い表せないメッセージを提示しているようにも感じられ、同時にその要素が、さらには連なる場面がこちらの心の中で関係性を生み出し、抽象的でありながらもある確信に満ちた物語性を思い起こさせてくれます。

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映像に伴うサウンドスケープもイメージに緩やかな広がりをもたらしてくれます。

テニスコーツ梅田哲也さんによって綴られる、空間を漂う美しいノイズ。さわさんの淡々としたモノクロームの映像にさまざまな音が色付けしていくような感触...。

・・・いろんな音が行き交います。

アコースティックギターのハーモニクスや鍵盤楽器の和音、ボリュームペダルでアタック音を消したエレクトリックギターの音、それらがランダムに絡み合い、そこにちいさな破裂音が重なっていきます。高音域のノイズやロングトーンが現れては消え、浮遊する和音や軽やかなアタック音が混ざり、いつしか女性のハミングがぽん、ぽんと雲の上をはずむような風合いで現れます。だんだんと厚みを増し、気付くとゆるやかに流れる和音のリフレインがテンポ感を醸し出し、そのなかを音を奏でるひとたちの意識が通り過ぎては近づいて、静かにピークを迎え、そこから安寧な収束へと向かっていく...。

自然な感性が紡ぐ音、ちいさな波を重ね、積み上げてもたらされるおおきな波。ほどよい緊張感と、くつろいだ緩やかさとがさらに繊細さを前面に、しかし静かに押し上げているように感じられます。

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音と映像、それぞれが提示する淡々とした時間の流れは、もしかしたらそこかしこにミラクルを生み出しているのかもしれない、と思うのです。ある瞬間に現れる映像の表情と発音とが重なるような、スリリングな瞬間。次々と変わるシチュエーション、場面によってはバタバタと風に煽られてはためく草らしきものなどが現れ、そういったものと音の表情とが視覚と聴覚をリンクさせる瞬間もあるのかもしれない、と、観てからある程度の時間が経った今、そんな想像が脳裏を過るのです。

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この空間のもうひとつの映像は、一転してひとつの情景がスローモーションで流れていきます。

スクリーンの全面を覆うトーン、そこにふたり、4人、画面上からひとり、さらに3人・・・といった塩梅で次から次へと遠目から眺めるような人影が現れては消えていきます。

ゆっくりと歩き、時折記念写真らしきものを撮影して...。画面に登場する多くの人は画面の外側から画面の内側へと現れてくるのですが、一部の人影はフェードイン、フェードアウトの加工がもたらされています。

大胆な空間性、余白の広がりがもたらすおおらかな風合い。

対面する映像の、おそらくほぼ現実のスピードで進む事象とのコントラストが不思議な空気感を醸し出すような印象です。

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そしてじっくりと眺めていると、鳥の影が漂うように横切る刹那が訪れます。

鳥かごや鳥が登場する向かい側の映像とその瞬間に繋がります。さわさんにとって意識的にか無意識にかは分かりかねるのですが、ほんの数秒、そのわずかな時間に起こる奇跡は実にスリリングで、ゆったりと精神を委ね、微睡みに堕ちていくような感覚に覚醒を促します。

この瞬間に気付けたことがなんだか嬉しいのです。

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広いスペースでは、インスタレーションと映像とがリンクする空間が作り上げられています。

インスタレーションは、設営された室内に、映像に登場するさまざまな要素が織り込まれ、時計の振り子が訥々と音を響かせるなか、独特な雰囲気を静かに漂わせています。

右手の壁面に映る鳥の影、左手の壁面に月の大きなシルエット。ビンや鳥かごなど、その雰囲気をさらに深遠なものへと押し拡げているように感じられます。

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そして映像、壁に斜めに立てられたおおきなスクリーンに映し出されるさまざまな情景。

デール・バーニングさんによる無垢と狂気とが背中合わせになったかのような透明感溢れるノイズ音の連鎖が危うさを加速させながら、淡々と、粛々と時間を紡いでいきます。

幻想的な風景へと誘われたかと思うと、ちいさな空間に引き込まれたり。瓶のなかに入る鳥の脆弱で強靭な生命の感触に緊張を強いられ、ゆっくりと揺れる時計の振り子の月影やおおらかに羽ばたく鳥の群れに壮大な時間のイメージを想起させられます。

随所に織り交ぜられる映像コラージュは、その美しさだけで静かな感動を呼び起こしてくれます。

比較するものではないと思うのですが、現在の映画などで観られるCGで表現できることのダイナミズムとは一線を画するシンプルな世界観。しかしその説得力は静かな重厚感を伴い、すべての瞬間が深く響くように、壮大な大人のファンタジーを綴っていきます。

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頽れるぎりぎりの際どさ、凛とした緊張感が冒頭のタイトルから貫かれます。

人の気配はいっさい登場しない(少なくとも僕は捉えることができなかったです)ことが尋常でない深い静謐を生み出し、ただそこで紡がれる時間に浸って、次の瞬間はいったいどうなるんだろう・・・という、ワクワクするのとは異なる好奇心がふつふつと湧いてきます。次に起こるすべては受け入れる...そうであることは宿命であるかのような説得力が空間に静かに満ちているように感じられます。

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神々しいと表現したくなるような気配に包まれていることが、深い感動をもたらしてくれます。

映像作品なのですが、目を瞑って観てみたい、接してみたい、そんな衝動も湧いてきます。

すべての感性を総動員して堪能したい、耽美的な珠玉の映像。心眼が開かされる世界です。

笛田亜希展 ソコノカワ-ソコ「黄金町大岡川」

LOWER AKIHABARA

東京都千代田区東神田1-11-7 東神田M.Kビル1F

2/20(金)~3/6(金)日祝休

11:00~19:00

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Aki Fueta exhibition

LOWER AKIHABARA

1-11-7-1F,Higashi-kanda,Chiyoda-ku,Tokyo

2/20(Fri)-3/6(Fri) closed on Sunday and natinal holiday

11:00-19:00

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ギャラリーに現れる「水面」。

LOWER AKIHABARAでの笛田亜希さんの個展です。

一昨年の個展ではじめて作品を拝見して以来、続けて笛田さんの展示をチェックしているのですが、その都度違う質感、違うアプローチで違う世界が展開されていて、さらに、特に平面作品での雰囲気の深みがどんどんと増しているように感じられます。

1階に展示されている、モノトーンの風合いの風景画。

描かれる景色、そこにある気配の漂いや空気の流れをていねいに捉え、残像のような繊細な雰囲気をもたらしているように感じられます。

とにかく、色彩の深みと筆の運びがもたらす滲むような感触が印象的です。

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飛ぶ鳥が画面にダイナミックに登場し、力強い臨場感を放つ作品も。

至近にその姿を晒す鳥、力強いフォルムで描き切られ、存在感を堂々と提示、遠くに広がる情景の朧げな風合いとのコントラストも時間性を思い起こさせてくれます。

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支持体と画材とを変え、ドローイング的なテクスチャーの作品がアクセント的に空間の絶妙な位置に展示されているのも面白いです。

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空間の中央にある階段で地下へ。

この階段のところにも相当にインパクトのあるインスタレーションが施されているのですが...

あたかも1階の床部分を水面と解釈したかのような設定、打ちっぱなしのコンクリートが空間としての冷静な臨場感を放つなか、その雰囲気も活かされた印象深いインスタレーションが繰り広げられています。

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左手の壁面に展示された作品、揺らぐクラゲのシルエットが画面に並んでいます。

半透明の層の向こうにその姿を現す様子、黒の背景がクラゲの姿の繊細な風合いを際立たせています。画面の質感も雰囲気をいっそう深いものに押し上げていて、独特な静かな時間の流れが伝わってくるのが印象的です。

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右手の一角には、笛田さんのお馴染みの手法である、透明のキューブの作品が並んでいます。

床に散らばる大小の砂利が水底の雰囲気を思い起こさせてくれるような気がします。

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キューブのなかに浮かぶクラゲのシルエット。

3次元として展開され、それぞれの方向から眺めてその姿がより伝わることで、リアリティにもさらに奥行きがもたらされています。

そして、わずかにセピア調に濁るような色合いが深みを奏で、あたかも時間を捉えたかのようなイメージも伝わってきます。

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平面作品と空間とが呼応し合い、ある場所のイメージの惹起を促すかのようです。

それが写真ではなく、手の仕事で紡ぎ出されていることで、もっと内面的なリアリズムが繰り広げられているような印象です。

ひとつの展示にさまざまなスタイルの作品を織り込みながら、すべてを述べてしまわず、むしろひとつのイメージにフォーカスを当てて展開するスタイル、今度はどんな情景が提示されるかも楽しみです。

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久保俊太郎 かわいがり

GALLERY TERRA TOKYO

東京都港区麻布台2-3-5 NOAビル1F

2/14(土)~3/7(土)日月祝休

10:00~19:00

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Shuntaro Kubo "Kawaigari"

GALLERY TERRA TOKYO

2-3-5-1F,Azabudai,Minato-ku,Tokyo

2/14(Sat)-3/7(Sat) closed on Sunday and national holiday

10:00-19:00

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かわいいフリしてなかなかにサディスティック。

いや、「フリ」じゃなくてかわいいのは間違いないのですが。

GALLERY TERRA TOKYOでの久保俊太郎さんの個展、これが面白いんです!

入り口の重い扉を押し開けて、まず、いかにも日本画を学ばれた方らしい滋味溢れる色合いと空間性で、けっこうシュールな場面を描いた小品が出迎えてくれます。

線の鋭さ、彩色の緻密さに期待も高まります。

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DMにも採用された作品。こちらはコラージュも駆使され、相当にダイナミックなシーン、情景が描き上げられています。

直線の硬質な感触がそのまま建造物のモチーフの頑強な質感を発していて、一方で不安定さを助長しまくるその構造が、作品内に多数登場する人の顔から手足が伸びたキショい感イパーイのキャラクターと、人格を持ったように振る舞うさまざまな静物たちが繰り広げるシュールな情景に拍車をかけているように感じられます。

個々で登場する顔がほぼコラージュで組み上げられていて、それがこの世界観に過剰な大胆さをもたらしているようにも思えます。

そして同時に、案外軽やかな配色、彩色が爽快感をも醸し出しているように伝わるのも面白いんです。

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続いて、各画面でリフレイン的に動物が同じパターン描き上げられている作品のコーナー。

ここでもまた、引き込まれるんです。

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とにかく細かい表現の徹底振りに感嘆させられます。

すべて手描きだそうで、反復されるパターンの精度とそこに挿入される遊び心がなんとも...。

色づけで微妙な質感の差を出していって、同じポーズに違う個性を盛り込んでいるように思えるのもまた、痛快です。

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ここから比較的大きな作品が続いていきます。

それも、それぞれのシーンにコミカルにおどろおどろしさが小気味よく配され、アバンギャルドなファンタジーが繰り広げられているんです。

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どちらかというと地獄絵なんだろうなぁ、とよくよく考えて思い至るんですけど、その割にはポップな風合いの想像性がぎゅっと持ち込まれていて、ダークな雰囲気がそれほど鮮烈に伝わらないのも興味深く感じられます。

線描の精度や色使いの絶妙な加減が、それぞれの作品の「仕事」の部分に興味を向かわせ、そのあとでだんだんとそこで繰り広げられている情景の阿鼻叫喚具合が伝わってきます。

しかし、ひとたびシーンに一色が向かえば、その危うさの立ち上がり方は強烈!

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あたかも、いわゆる日本画の花鳥画的な風合いで綴られる動物たちの(人格的な)無表情振りが、仕草のあからさまな意識の存在を押し出して、それが逆に残虐性を強化しているようにも思えます。無垢が危うさを加速させるかのような印象です。

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とにかく緻密な描き込みは相当に見応えがあります。

日本画を学ばれ、そこで得たスキルが充分に活かされた作品群。

線の表情や彩色の鮮やかさ、そして繰り広げられる大胆かつ遊び心もふんだんに織り込まれたスーパーポップな地獄絵的展開を直に味わってほしいです。

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中林誠治展

市立ギャラリーいけだ

大阪府池田市栄町1-1 池田駅構内2F

2/11(水)~2/16(月)

10:00~19:00(最終日:~16:00)

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Seiji Nakabayashi exhibition

Municipal Gallery Ikeda

1-1-2F,Sakae-cho,Ikeda-shi,Osaka-fu

2/11(Wed)-2/16(Mon)

10:00-19:00(last day:-16:00)

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2月に青山スパイラルで開催されていた第12回リキテックスビエンナーレ。それを観に行ったとき、前々回の大賞受賞作品の強烈なインパクトを思い出し、参考に置かれていた過去の図録でアーティスト名をチェック、早速調べてみたら大阪で個展が開催されることを知り、ちょうど京都市立芸術大学の卒業・修了制作展を観に関西へ行くことも決めていたこともあり、行ってきました。

市立ギャラリーいけだで開催された中林誠治さんの個展。あのインパクトに再び出会えて感無量・・・!

駅ビルのなかにあるギャラリー、そこに大作力作がずらりと展示されていて、まずは青山で拝見したのと同スタイルの作品の前へ。

圧巻です。

精緻な造形の立体感溢れる画面、臨場感が力強く伝わります。画面に凝縮される無数のドットがミニマムなリズムを放ち、凄まじい情報量で迫ってきて、観る側の好奇心をぐんと引き寄せます。

用いられる素材は、爪楊枝。木枠にぎっしりと詰め込まれた楊枝、その数10万本。その「もの」としての存在感がとにかく凄いのです。

個々にもたらされる仕事の分料に思いを馳せると、圧倒的な驚きがイメージを蹂躙していくんです。

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もうひとつ、別のアプローチによる立体的な展開の作品。

遠目で眺めるとショーウィンドウ前に佇む人々のシルエットを描いたペインティング、その絵としての臨場感だけでも充分に印象的なのですが、その画面の凹凸感に再びおおいに驚かされます。

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こちらの作風で昨年の青木繁記念大賞公募展で大賞を受賞とのこと。

制作期間4年、2、4、6、8mmにカットされた角材を画面にびっしりと配し、凹凸を生み出した画面に、その角材ひとつひとつに配色、というまさに気が遠くなるような過程を経て出来上がる作品。

観る角度によって劇的に変化する陰影感がとにかく面白いんです。そしてさらに、画面全体の絶妙な陰影のグラデーションも緻密に計算され尽くしているような感触があり、そこにも感嘆させられます。

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キャンバスのペインティング作品も出展されていました。

平面作品では一転して、かつてのシュールレアリズムの系譜に通じるような、オーソドックスでクラシカルな風合い、そこにユーモアをぎゅっと挿入したような渋いコミカルさが痛快な世界に魅入られます。

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大作でも魅せてくれます。

構図のユニークなアプローチが面白い作品、絵の中に絵がある、観る人を観ている、そういうアクロバティックな視点を、実にていねいな再現性で描き切られています。

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平面と半立体の作品が同時に展示されて、中林さんはユニークな、とひとことで片付けてしまうにはあまりにも個性的なマチエルの作品を制作されている一方で、生粋のペインターだなぁ、とも思う次第です。

いろいろとお話しさせていただいて、絵のインパクトをいっそう強烈にするための手段として半立体のテクスチャーに取り込まれている、というスタンスにも感嘆させられました。

またぜひ拝見したい、今度はどんな仕掛けで挑んでくるかも興味深いクリエイションです!

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Ai Sasaki "GOLDEN"

graf media gm

大阪府大阪市北区中之島4-1-18

12/20(土)~2/8(日)月(祝日の場合開廊、翌火曜休) ・12/29~1/5休

12:00~20:00

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Ai Sasaki "GOLDEN"

graf media gm

大阪府大阪市北区中之島4-1-18,Nakanoshima,Kita-ku,Osaka-shi,Osaka-fu

12/20(Sat)-2/8(Sun) closed on Monday (Tuesday if Monday is a national holiday) and 12/29-1/5

12:00-20:00

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軽やかに捉えられる景色たち・・・!

graf media gmでの佐々木愛さんの個展に行ってきました。最終日前日に滑り込み、画像で拝見していて何故か写真の展覧会だと思い込んでいた僕は、大胆な構図で描かれる風景のドローイングを目にしてちょっとびっくり、しかしじんわりとやさしい雰囲気が滲むそのテイストにあったかい気持ちに。

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空間のなかに建物が建っているこのユニーク極まりない空間を効果的に活かし、遊び心いっぱいにさまざまな景色が隠され、散らされ、見付ける楽しみ、出会う楽しみをもたらしてくれていたのが印象に残っています。

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壁面にぎゅっと纏めて展示されるドローイング群。

そのイージーな感触、「絵」が描かれた、というよりも、その場所で過ごし、目にしたものを紙に留めていくかのような感触が不思議な臨場感をもたらしてくれているように感じられます。

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ドローイングのなかに紛れて展示されるペインティングが、そのモノとしての強さも発揮しながら、きりっとしたアクセントを空間にもたらしているように感じられました。

なめらかな絵の具の質感、それが醸し出す奥行き感の艶やかさ。ドローイングのドライな感じとのコントラストも興味深いウェットな風合いも、なんともいえない嬉しさをもたらしてくれます。

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建物のなかへ。

いっそう鮮やかでヴィヴィッドな色彩が溢れます。

ぽんぽんと軽やかで小気味よく配置されるタブローは、きゅっと詰め込まれる色彩のエネルギーも力強く発散しているんです。

こちらの空間に展示されている作品は、ニュージーランド滞在中に絵がいかれた作品なのだそう。

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ちいさな作品がちょこんと、その大きな壁面を大胆に用いることで、

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膨らむような色の勢いや力が嬉しいんです!

伸びやかで、しかし繊細で。暑さと寒さとが同居する国で見つかっていく季節感溢れる景色とそれへの想いとを描き、画面に詰め込まれたかのような痛快さがポップに迫ってきます。

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今回展示されている作品は、京都、青森、そしてニュージーランドと、自身が滞在した場所で制作されたものだそうで、雰囲気もイメージも異なる3つの場所がひとつの、しかもユニークな空間に収められて、軽やかな色彩がそれぞれの空気感を導き出しているような感触が伝わり、とにかく楽しい臨場感が嬉しく感じられました。

佐々木さんの作品は今回が初めて拝見ではなかったのですが、VOCA展に出品された砂糖を用いて緻密に模様を描く半立体的な作風とまったく異なっていて、最初はどんな作品だったかを思い出せず...。置かれていたファイルでそれに気付かされ、その表現の幅の広さにも感じ入りました。

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《2/17》

debut! ver. TOMOYO KAWASE 川瀬知代個展

谷門美術

東京都港区北青山3-3-7 第一青山ビル1F

(金)~(土)祝休(日月:要予約)

12:00~19:00

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最初に伺った際にゆっくりと拝見できなかったこともあり、あらためて伺いました。

パネルの水彩の作品がとにかくかわいいんです。

滲みの緩やかな味わい、ちょっとへんてこなデフォルメ感など、なんとも言えないおおらかさなかわいらしさがきゅっと詰まっているように思えます。

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遊び心に満ちた壁面のインスタレーションや、額に収まった作品なども楽しい雰囲気を奏でていた次第で。

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台の上に並んでいた半透明のオブジェたちも不思議な雰囲気を醸し出しています。

素材とフォルムの有機的な質感が印象的です。

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ちいさな作品がいっぱい、空間に楽しげな色とかたちとが溢れていて、ここのちいさな空間をポップに満たして、心も染めてくれます。

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《2/18》

Do android dream?VI PART II 山中綾子・mican

Pepper's Gallery

東京都中央区銀座7-13-2 銀座パインビルB1

2/16(月)~2/21(土)11:00~19:00(土:~16:00)

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ふたりのアーティストをパッケージした展示で、昨年の五美大展と少し前に開催された女子美の油彩のアーティストのグループ展とで印象に残っていた山中綾子さんの作品が面白かったです!

黒地にメタリックカラーのボールペンで描かれる線。それが奏でるダークな雰囲気が心に硬質に響き渡ります。

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背景の黒により、線のメタリックな質感が映えます。

有機的な軌跡を辿りながらモチーフの立体感、奥行き感を導き出し、妖し気な世界を築き上げているように感じられます。

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モチーフを絞った小品も興味深いです。

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メカニカルな展開と生命観の提示との混在、それが発する鋭く妖しい雰囲気。

線の密度がもたらす、観る者の興味を引き込むようなテイストといい、今後の展開も楽しみです。

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呉強個展「無上清涼」

東京画廊

東京都中央区銀座8-10-5-7F

2/18(水)~3/14(土)日月祝休

11:00~19:00(土:~17:00)

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素晴らしいです。清冽な風合いを漂わせる水墨画が並びます。

筆圧でもたらされる線の幅の変化が味わい深さをもたらし、描かれる風景に漂う気配、さまざまな生命の息吹や空気の匂いをも現しているように感じられます。

大作から小品までさまざまな大きさの作品が並び、加えて10年ほど前に制作された作品から新作まで幅広い年代の作品も網羅され、現代に継がれる中国の水墨の伝統の奥深さにも感じ入ります。

《2/20》

Analytic Limits -blue- 佐藤譲二 遠山陽子 福田幸久

AISHO MIURA ARTS

東京都新宿区住吉町10-10

1/28(水)~2/22(日)月休

13:00~21:00(日:~19:00)

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3名のペインターをフィーチャーした展覧会、昨年開催の2人展でも拝見している福田幸久さんに加え、佐藤譲二さんと遠山陽子さんという異なる個性が絡み、鮮やかな雰囲気を創り出していました。

遠山陽子さんのペインティング、何よりもまずその色使いのヴィヴィッドさをポップさが痛快です!

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描かれる場面もどこかコミカルな雰囲気をたたえていて、眺めていて楽しい気分が膨らんでいきます。

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佐藤譲二さんの作品、モノクロームで描かれるシャープな場面や肖像など、硬質な雰囲気で放たれるかっこよさが堪らない...。

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ある「時間」を掬いとって画面に凝縮させたかのような世界観。緻密かつ大胆、そして硬質な階調の解釈。深みと高次元の奥行き感とが迫力となり、画面から立ち上がってくるような気がします。

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服部公太郎「デブリ/症/」

Gallery Jin

東京都台東区谷中2-5-22 山岡ビル1F

2/20(金)~3/7(土)月火休

12:00~19:00(最終日:~17:00)

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面白いです!

今回もやっちゃってます。

さまざまな展開をひとつの空間にパッケージしていて、それぞれの展開で用いられた素材の質感を大胆に残しつつ、そこから素材本来のとは異なるイメージを引っぱり出し、さらにスケールの拡張をもたらしてきます。

車のグラビアを用いた展開が単純に格好良く、そして興味深いのです。

笛田亜希展 ソコノカワ-ソコ「黄金町大岡川」

LOWER AKIHABARA

東京都千代田区東神田1-11-7 東神田M.Kビル1F

2/20(金)~3/6(金)日祝休

11:00~19:00

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ある確固たるイメージを持ちつつ、拝見するたびに異なる展開を見せてくれる笛田さん。今回もこの新しい空間の個性を活かしながら、独特な静謐感を漂わせる作品を発表、全体に広がる遠い風景の、そして記憶の感触と、作品それぞれの説得力とに大いに惹かれます。

色彩を失っていき、渋い色調でていねいに気配を描き出すような風景画。地下のスペースで繰り広げられているクラゲのシルエットの3次元的展開、それぞれに見応えがあり、深く心に残ります。

kogarasi 原宿染

CLEAR GALLERY

東京都渋谷区渋谷4-2-5 Place Aoyama

2/20(金)~2/28(土)日月祝休

11:00~19:00

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今回のmini reviewが遅くなってしまったことで紹介が遅れ、いちばんの痛恨。

こちらの展示はホントに素晴らしかったのです。

久しぶりにテクノロジーアートの展覧会で心から楽しめるものと遭遇できたと思うのです。

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正面に映し出される映像。

この画面にはひっきりなしに光彩の粒が降り注いでいます。

しかも、色彩の変化、落下する光の粒子の軌跡の変化も美しい...。

設置されたカメラがその先にある色を捉え、それをコンピュータで変換、カメラが捉えた色の光彩が発せられ、降り注ぐように画面に現れる、という感じで、さまざまな色の傘が置いてあり、ひとしきりこの画面の前でカラフルな傘を両手に持って頭上に振りかざし、さまざまな色の光彩のシャワーを創出させて悦に入ってました。

相当に緻密に計算されたプログラムにより、インタラクティブな要素が実に巧みに機能していて、展開される無限の光景に無邪気に浸ってきた次第です。

またどこかで体験できるといいなぁ、と。。。

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《2/22》

Message from FUTABA!! vol.3「Micro-Macro」YOSHIE NOSE 山中準 山本浩生

フタバ画廊

東京都中央区銀座1-5-6 福神ビルB1F

2/16(月)~2/22(日)

11:00~19:00(最終日:~16:00)

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3名の若手アーティストがフィーチャーされた展覧会、既知のアーティストの作品が面白かったです。

山中準さんのペインティング、前回拝見したときは具象的な展開でしたが、今回は光のおおらかな陰影を捉えたようなダイナミックな抽象作品。何もない、グラデーションのみの作品ながら、その広さが安寧をもたらしてくれるような気がします。

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ギャラリー58での個展も印象的だった山本浩生さん、今回は小品と遊び心に満ちた作品とが出品され、ちいさな画面の中に凝縮され、密度の濃さが複雑な混沌を生み出しているドローイングが見応え充分で。

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水村綾子展 -sign-

art gallery closet

東京都港区西麻布2-11-10 霞町ビル3F

2/16(月)~2/28(土)水日休

12:00~18:30(土祝:11:00~)

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情景を、そして気配を感じさせてくれる抽象世界です。

大きな作品でのおおらかで静かなグラデーションが、神々しさと落ち着きとを奏でています。

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小さな画面のコンパクトな作品での展開も素晴らしいです。

まるで滲みで層の生み出したかのような、絶妙のグラデーションで奥行き感をもたらし、ちいさな画面に収まらない遠いイメージが紡がれているかのようです。

画面ごとの色調の統一感が、さらに深みを奏でているように感じられます。

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緩やかに揺らぐような情景の作品の一方で、シャープなフォルムと大胆なグラデーションのの、ひと味異なるおおらかさを醸し出す作品も。

くっきりとしたかたちが導き出す、より具体的に立ち上がってくるイメージが、スケール感の大きさを思い起こさせてくれます。

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石居麻耶 -東京少年少女-

YOKOI FINE ART

東京都港区東麻布1-4-3 木内第二ビル6F

2/21(土)~3/7(土)日祝休

11:00~19:00

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ずらりと並び、空間を囲むイラスト群。

東京新聞の連載記事に採用されたイラストがおよそ1年分、順番に並べられていて、順を追って眺めていくと季節感がそれぞれのイラストからていねいに伝わってくるのが楽しいです。

石居さんの絵に、色に、線に囲まれる、という状況がなんとも嬉しく感じられます。

李演「Snippet」

山本現代

東京都港区白金3-1-15-3F

2/21(土)~3/21(土)日月祝休

11:00~19:00(金:~20:00)

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かっこいい・・・!

さまざまな事件をモチーフに描いたようなペインティングを組み合わせ、セットでひとつの作品で、壁面ごとにインスタレーションされた作品がアンダーグラウンドな世界観を鋭く、そして重々しく、しかしリズミカルにもたらしているように感じられます。

田中功起「simple gesture and temporary sclupture」

青山|目黒

東京都目黒区上目黒2-30-6

2/21(土)~3/21(土)日月祝休

12:00~20:00

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もう1回は必ず観に行きます。

加藤豊 個展 "NIGHT SHIFT"

waitingroom

東京都世田谷区三軒茶屋1-5-9 メゾン湘樺101

2/21(土)~4/4(土)金土のみ

13:00~19:00

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マンションの一室をアートスペースとして運営、週末のみの開廊のwaitingroom。そのこけら落としの展覧会です。

加藤さんのペインティングと水彩のドローイングがちいさな空間に展示され、ユニークな視点と精緻な再現性とで、味わい深い情景が、そこに流れる時間や気配などもていねいに取り入れながら綴られているように感じられます。

《2/23》

忽滑谷昭太郎作品展

新宿眼科画廊

東京都新宿区新宿5-18-11

2/13(金)~2/22(日)12:00~20:00

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あーもうかっこいい!

こういうエネルギッシュな絵の具の使い方が最高!

フタバ画廊での個展も印象的だった忽滑谷昭太郎さんの久々の個展、鉛筆による硬質な表現の作品はもちろん、油彩によるダイナミックなテクスチャーの作品も出品され、ヴィヴィッドでシャープな抽象世界がめくるめく展開を見せていました。

最終日に滑り込みだったのですが、もっと早く行っておきたかった展覧会でした。。。

《買ったCD》

Rabo de Nube」Charles Lloyd Quartet

CARTOGRAPHY」Arve Henriksen

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