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幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報

《4/29》

ART AWARD TOKYO 2009を拝見。

今年は都内だけでなく、京都市立芸術大学、愛知県立芸術大学の卒業・修了制作展も観に行って、どんなアーティストの作品がピックアップされるかを予想したりするのも楽しかったのですが、やはり印象に残った方が選ばれているのを見付けたりすると、嬉しいのと同時に、ほんの数ヶ月前のことなのに妙に懐かしく感じられたりして。

レセプションにも参加し、今年のグランプリがwahのお二人と発表された瞬間、

賞金でヘビ花火10万個か!Σ( ̄口 ̄;)

とか思って思わず涙が出そうに(汗)。

興味深いクリエイション、足を運ぶことができなかった大学からの作品や、観たはずなのにあらためてその素晴らしさに気付かされたものなど、観ていて様々な思いが過り、ホントに楽しいです。

《4/30》

SIDE 2コレクション展

GALLERY SIDE2

東京都港区東麻布2-6-5

4/25(土)~5/11(月)日月休

11:00~19:00

GALLERY SIDE2所属アーティストの作品がほどよいバランスで展示され、ギャラリーの独特のスタンスが垣間みられて大変興味深く感じられます。

まず佐藤姿子さんの作品。小品が中心で、大人の遊び心が満ちたような感じです。

ペインティングなどに詰め込まれるお洒落な感覚が印象に残ります。

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先の2人展も印象に残っている藤田淳さん。

タブローと版画の展示で、ある法則に導かれて描き出される抽象的でかつくっきりとした紋様のリズム感が楽しいです。

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渡辺泰子さんは、フェルトと紙の作品を。

壁に留められる鳥のシルエット、ピンで留められ、山並みの風景を創出する紙の作品。それぞれ、展示されている状況の緊張から解放されると平面に、1枚の平らな素材に還ってしまう、そういう想像が、切り抜かれて表現される情景の臨場感と相まって不思議な深みをもたらしているように思えます。

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花澤武夫さんのペインティング、まずは大作、これがすごくいいんです!

101TOKYOにも出品されていたというこの作品、手をつないで踊るカエルたちが放つ奇妙で楽しそうな雰囲気、背景に広がる縦のストライプのケレン味のなさとそこに絡まる赤や黒、亀の後ろあたりにモクモクと広がる白、そして下方の円形に植わる植物、などなど。。。それぞれのモチーフの意味こそ掴むのが難しい印象を得るのですが。それ以上に全体に満ちる「和」のテイスト、エキゾチックな雰囲気におおいに惹かれます。

遊び心をそのまま画面に起こすような無邪気な筆遣いの、随所にもたらされる緻密な描き込みや再現性がさらに興味深さを加速させてくれます。

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カルチャーシーンとのユニークな距離感でモチーフをピックアップし、構成する小品などの展開も、変わらぬ面白さを秘めています。

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直後に個展を控えるムラタ有子さん。

こちらも独特の濃密な素朴がちいさな画面からじんわりと伝わってきます。

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ちいさな作品が空間に響くような感じは痛快です。

爽やかな色使いとふくよかな絵の具の質感が、豊かな情景のイメージを盛り上げてくれます。

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牛島孝さんの作品が、先の花澤さんの作品と向かい合わせで展示されているのが、個人的にすごく嬉しいです。

昨年秋の横浜の住宅展示場でのアートフェアで、この二人の作品が々和室に展示されていたときの空気感が脳裏に蘇ります。

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それぞれ、実に個性的なエキゾチシズムを奏でながら、ひたすら妖し気なバランス感覚を保持しながらヴィヴィッドに濃密な世界を繰り出す花澤さんと、和紙や墨、箔の素材感がシャープに立ち上がるほどに生々しくも深い「間」を奏でる牛島さん、それぞれの世界観が補完し合ってさらに深遠なイメージをもたらしてくれているような感触が心に深く響きます。

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Dawn,Moon,World:New Photo Works by Ruud van Empel

GALLERY TERRA TOKYO

東京都港区麻布台2-3-5 NOAビル1F

4/18(土)~5/23(土)日月祝休

11:00~19:00

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実に洗練された、複雑に作り込まれるコラージュフォト作品。

ひとつひとつの色彩の瑞々しさはもちろん、ひとつの画面に無数に取り込まれるさまざまな要素が、陰影なども徹底して理詰めともいえるようなていねいなアプローチで鮮烈な情景を導きだしています。

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「月」をモチーフにした作品の闇の暗さも印象的です。

描かれる子どもも実在するのではなく、さまざまな人のパーツなどをパソコン状で組み上げてひとつの情景を描き出す、そのプロセスにも感嘆させられます。

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妙に具現的な表情を現しながらも、瑞々しい色調の中にどこか危うい雰囲気を漂わせているような感じもしてきます。

登場する子どもたち、その表情にも無数の人のパーツが組まれているらしいのですが、それぞれくっきりとした表情を浮かべていながらも匿名性が力強く押し出されているような感覚にも大いに引き込まれるようにも思えます。

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小島千雪展 リズミカルム

ギャラリー山口

東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビルB1F

4/27(月)~ 5/2(土)

11:30~19:00(金:~21:00、最終日:17:00)

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映像作品と、プリントされたジグソーパズルの作品とが展示されていました。

ジグソーパズルの作品は、何らかの彫像を捉えた画像が薄暗くプリントされています。

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並ぶ作品が、時間による変化を現しているように感じられ、映像作品にも通じる小島さんの独特の深みが印象的で、興味深いです。

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映像作品は3点、あわせて7分ほどに纏められていて、それぞれじっくりとチェックできたのがまず嬉しかったです。

いくつかの空の変化を続けて捉えた作品、雲の動きとその変化のダイナミズムが緩やかに展開される様子におおらかなイメージがわいてきます。

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どこかの博物館のアトリウムで定点撮影された作品。

硬質な空間、正面の階段の部分などに人の流れが次々と変化し、その行き交う人々の状況を無機的に捉えたときに現れる色彩や密度の展開に、不思議と引き込まれます。

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チンパンジーの作品も、ゆっくりと、しかし次々に切り替わる画面に絵画的な抽象性が繰り出されて面白く感じられます。

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小島さんの作品を拝見したのは昨年の東京都写真美術館での「液晶絵画」で、そのときは10分超の映像作品で、そのときに感じた緩やかな時間の変化が今回は3つのバリエーションで展開されていたように感じられた次第。

バラエティに富んだ変化とともに、映像の美しさ、透明感も印象に残っています。

《5/2》

関口潮 新作展

AISHO MIURA ARTS

東京都新宿区住吉町10-10

4/28(火)~5/17(日)月休

13:00~21:00(日:~19:00)

木版画特有の味わいを保持しつつ、無数の水泡が描き現され、爽やかさ、軽やかさを醸し出して、新鮮な印象が伝わります。

複雑に組み上げられる密度が絶妙なコントラストを導きだし、全体に豊かな濃淡をもたらして、そのスケール感にも引き込まれます。

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さまざまな大きさ、厚みの作品が揃っているのも楽しいです。

摺りの加減が巧みにコントロールされ、すっと入り込むような黒の深さと消え入りそうな淡さとが生み出す陰影感にも感じ入ります。

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いしかわかずはる 個展「welcome home」

YUKARI ART CONTEMPORARY

東京都目黒区鷹番2-5-2 市川ヴィラ1階

5/2(土)~5/30(土)日月火休

11:00~19:00(最終日:~17:00)

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画面に乗る糸が紡ぐさまざまな情景。

背景の色と糸の色とが絶妙に合わせられ、さらに今回はひとつの作品に複数の色が用いられたり透明のアクリルが重なりレイヤー状の展開が繰り出されるなど、さまざまな手法を取り入れながら、それが手法の工夫に留まらず、あたたかみとやさしさに溢れる雰囲気が伝わってきて、なんとも和やかな気分に浸れるんです。

《5/3》

金氏徹平:溶け出す都市、空白の森

横浜美術館

神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1

3/20(金)~5/27(水)木休

10:00~18:00(金:~20:00)

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僕にとって、金氏さんは「色」の人、そういう印象を新たに持った次第です。

さまざまな素材に注がれるようにかかる樹脂の白、コーヒーの染みの茶色。ひとつのインスタレーションや立体作品にもたらされる色彩の統一感が、ユニークなスケール感と深い世界観をもたらし、その色彩にイメージが包み込まれていくような感じがするんです。そして、その色彩の統一感のなかに微妙な陰影、グラデーション、コントラストが組み込まれ、そのミニマムな味わいも楽しいです。

渕沢照晃展「春材」

ポラリス☆ジ・アートステージ

神奈川県鎌倉市台1752-10

3/28(土)~5/3(日)金土日のみ(4/29開廊)

13:00~19:00

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ミニマムなストロークの集積で壮大な情景を紡ぎだす渕沢さんのポラリス☆ジ・アートステージでの個展、まず三方がガラス張りの空間に展示された作品におおいに引き込まれます。

ペンから筆に持ち替え、ひとつの線に強弱がもたらされ、さらに味わい深いリズムを生み出しながら、これまでにない妖艶な雰囲気を充満させ、うねるようなダイナミズムが展開されていたのが強く印象に残ります。

空間の中央に吊るされ、わずかな風に揺れる作品群。半透明の支持体も、浮遊する儚げな雰囲気を演出しているように感じられました。伺った時間はまだ明るかったのですが、もっと陽が落ちると深遠な雰囲気が立ちのぼったのだろうなぁ、と。。。

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奥のコンパクトなスペースにも、さまざまな作品が。

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パネルにペンで描かれた作品も展示されていて、こちらの凄まじい密度が放つ濃密な陰影感にも大いに唸らされます。

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そして、会期中に描かれた作品も。

今会期では未完に終わったようなのですが、それでも豊かな空間性とひとつのストロークの濃淡の豊かさが、これまでにないエキゾチックな雰囲気をもたらしているように感じられ、これからの展開も楽しみになってきた次第です。

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藤田道子 -虹になる-

Gallery惺SATORU

東京都武蔵野市御殿山1-2-6 ビューキャニオン吉祥寺御殿山B1F

5/3(日)~5/31(日)火水休(5/4、5/5開廊)

11:00~19:00

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爽やかで繊細な色彩によるシルクスクリーン作品。

リボンや目元をモチーフに淡々とした雰囲気を紡ぎ、適度な深みを生み出しています。

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空間の随所に配される立体作品やドローイングなど、さまざまな作品が揃っていてそのほっこりとした雰囲気も楽しいです。

なかでも、重ねて楽しめる作品、その遊び心にも惹かれます。

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《5/6》

クリテリオム76 松宮硝子

水戸芸術館現代美術ギャラリー第9室

茨城県水戸市五軒町1-6-8

4/4(土)~5/10(日)月休(5/4は開館)

9:30~18:00

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繊細なガラス作品によるインスタレーション、おなじみのDuquheapuer(ドゥークーヒープー」の生涯をひとつの空間に織り込んで、実に深みのある展開が繰り広げられています。

これまで拝見した中でもっとも壮大なスケール感。ひとつの塊から放たれる鋭い尖端、その密集、危うい雰囲気に溢れ、深遠なイメージをもたらしてくれます。

栗田成己展|ダイビングナイト

ROOTS GALLERY

茨城県水戸市北見町5-16 キワマリ荘内

4/4(土)~5/6(水)日祝のみ

12:00~18:00

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キワマリ荘のなかにある展示スペースのひとつで行われていた栗田成己さんのインスタレーション。

床に描かれたダイナミックなモノクロームのドローイングのインパクトと、ペン画が施された紙をカットし重ねて構成される小品、それを拡大コピーして壁面に展開と、さまざまな質感で濃密な空感がもたらされていました。

展示空間が小さく作品数も少なかったのが残念ではあったのですが、ファイルも拝見し、もっといろいろと観てみたい世界観が確かに存在していて、今後の展開も楽しみです。

《5/7》

AUDREY KAWASAKI SOLO SHOW Watching Shadow「かげぼうし」

SPACE YUI

東京都港区南青山3-4-11

5/7(木)~5/16(土)日休

11:00~19:00(最終日:~17:00)

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心を捉えて離さない美しさ。

憂いを帯びた女性の表情、仕草、そのひとつひとつに引き込まれていきます。

クラシカルな雰囲気と斬新なシチュエーションとの絶妙なバランス、大人びた幻想が繊細に、そして深遠に広がっているような...。

落ち着いた色調が醸し出す、沈み込むような雰囲気も印象的です。

《買った本》

「夕子ちゃんの近道」長嶋有

「ルート350」古川日出男

《買ったCD》

「Scale of Rime」sooner