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幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報

[輝く暗闇]赤羽史亮

magical, ARTROOM

東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 3F

4/17(金)~5/14(木)日月祝休

12:00~20:00

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"Shining in the dark" Fumiaki Akahane

magical, ARTROOM

1-18-4-3F,Ebisu,Shibuya-ku,Tokyo

4/17(Fri)-5/14(Thu) closed on Suncay Monday and natinoal holiday

12:00-20:00

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ざわめくマチエルが放つ重厚感。

闇に潜むユーモア。

magical, ARTROOMでの赤羽史亮さんの個展です。

前回の個展やTWS本郷での展覧会などで拝見して、臨場感たっぷりに、盛り上がる油絵の具で描かれるひたすら黒い情景のインパクトが強く印象に残っているのですが、今回の個展のDMを拝見し、その変化にまず驚かされた次第。

色彩的にも、そしてモチーフ的にも情報量が格段に増え、複雑さ、混沌がユーモラスに展開されていて、いったいどうなっているのだろう、と楽しみで。

エレベーターを降りた一角、比較的ちいさな作品が出迎えてくれます。

この後に続いて拝見する大作群と比較すると、リラックスしているというか、いろんなことが楽しく試されているような感じが痛快です。

白を多く用いて全体的な雰囲気が軽やかに感じられるもの、モチーフのシンプルさとこれまでの作品には登場しなかったくるくると細やかに舞う線。ベースとなる黒の深さ、その強さは変わらないものの、そこに灯るさまざまな要素がポジティブな風合いを醸し出しているように感じられるんです。

小品はカウンター奥の棚などにも多数飾られていて、それぞれの色彩的な密度と遊び心とが小気味よく空間に配されている様子もなんとも楽しく思えてきます。

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メインスペースは圧巻のひとこと。

どっしりとした大作がずらりと展示され、その迫力と混沌に気圧されます。

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多用されるキノコのようなモチーフ(タイトルを拝見すると実際にそれをキノコと解釈してもよいのかもしれない、と思います)。

その姿は実にユーモラスで、その無邪気なかたちが楽しいイメージを増長させてくれます。そしてその周りを複雑に交錯するさまざまなテクスチャー、緩急に溢れる線、無数に灯るドットなどが、凄まじくアバンギャルドな混沌を生み出し、この躁状態とも表現していいような感じのマチエルが、こちらの感性を煽ってくるかのような。

明らかにオーバードーズな感触、実に騒々しい感じがして、それが不思議と楽しく感じられるんです。

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至近で眺めると今度はそのテクスチャーに、そしてさらに加速度的に密度を増す情報量に圧倒されます。

ひとつのストロークがもたらす絵の具の盛り上げ。ふたつの、あるいはそれ以上の色彩が接し、際どく混ざり合う、さらにあたかも油絵の具の塊が叩き付けられる瞬間のをそのまま残すかのようなかたちなど、さまざまな緊張がそこかしこに存在し、それが束になって襲いかかってくるような印象ももたらされます。

イマジネーションが明らかに異なる次元に誘われていくんです。

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ダークトーンの臨場感も無論健在ながら、そこで展開される状況が全然違うように思えるのも興味深いです。

これまでの作品を思い返して、「闇」が「闇」であった状況、闇のなかで大きなものがうごめき、そこに尋常でない@「熱さ」が存在するかのような深く重い迫力がじっくりと迫ってくる感触から、今回は闇のなかでとにかく賑やかに、奔放にいろんなものが騒いでいるかのような、なんとも楽しげな情景のイメージが浮かんでくるんです。

タイトルの「『輝く』暗闇」という言葉にもあらためて大いに納得させられます。深い闇に閃光が走った刹那、

なんかいっぱいいるぞ!Σ( ̄口 ̄;)

なんかいっぱいいるぞぉぉっ!Σ( ̄口 ̄;)

と瞬間的に高揚がもたらされ、叫びだしたくなるような感じにも思えるんです。

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このアグレッシブな感触は実に痛快です。

闇が暗さに転化されない、そんな感触。赤羽さんが描く情景は僕のイメージでは確実に「異界」で、しかしここにはネガティブさはなく、例えばここに登場するものたちがいわゆる「お化け」的なものだったとして、食べちゃったりするとさすがに具合が悪くなるかもしれないんですけど、それを眺めているだけ、あるいはちょっとその賑やかさに加わってみる、そうするとちょっと外見がおどろおどろしいのも案外かわいいものだな、と思えるかも...そういうのと近い感情が生まれるような印象です。

加えて、そういったある意味コミカルな世界観が貫かれつつも、凄まじく激しいマチエルが放つアバンギャルドなインパクトは、最初に目にしたときに瞬間的にやられてしまったインパクトがそのまま持続されるだけでなく、むしろさらに激しさを増し、混沌のメーターがどんどんあがっていくような感じもまた痛快なんです。

とにかくは、画風の変化に驚かされ、そこで繰り広げられる情景に気圧され、引き込まれた次第です。

どういうふうに広がっていくか、楽しみです!

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