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幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報

高松和樹展「距離感主義」

ギャラリー戸村

東京都中央区京橋2-8-10 丸茶ビルB1

4/24(金)~5/23(土)日祝休

11:00~19:00(土:~17:00)

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Kazuki Takamatsu exhibition "Distanfeerism"

Gallery Tomura

2-8-10-B1,kyobashi,Chuo-ku,Tokyo

4/24(Fri)-5/23(Sat) closed on Sunday and natioinal holiday

11:00-19:00(Sat;-17:00)

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より高精度に世界観を表現するために。

ギャラリー戸村での高松和樹さんの個展です。

お馴染みのコンセプトによる、ある1点からの距離で階調分解されたモチーフを青みがかったグレートーンのグラデーションで表現されたシャープな情景群、ペインティングの大作とジークレープリントを取り入れた作品とで構成されています。

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ペインティングの大作は3点が出品されていて、折り重なる女の子がさらに緻密な臨場感を伴って再現されています。

表現法のスキルも確実に精度を増しているように感じられ、身体の線の美しさや表情なども豊かに描かれているのも楽しいです。また、登場する人々に一貫して匿名性が保たれていることと、シチュエーションのフューチャリスティックな感触とが相まって、独創的なファンタジーのようにも思えてきます。

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ガスマスクやライフル、サバイバルナイフ、手榴弾などの物々しいモチーフが大胆に織り込まれた作品。女の子たちの無邪気さはさらに先鋭的な雰囲気を加速させているように感じられます。

人の身体の有機的なイメージがこの無彩色の世界へさまざまな「色づけ」をなしていくと同時に、ある部分における機械的で無機的な質感、決してそこには落とし込まれないのですが、乱暴に言ってしまうと結局はグレートーンのかたちが重なっただけという冷徹さも、情景の深度を押し拡げているように思えます。

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そして、ジークレープリントを取り入れた作品群。

今後はこちらの手法を中心に展開されるのだそう。

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手描きの作品だとどうしても出てしまう筆痕や詰め切れない精度などを克服するために、ジークレープリンとが採用され、それによって平滑性が格段に上がっています。

支持体となる下地は手描きで黒く染められていて、そのテクスチャーが人の手による風合いをしっかりと伝えながら、高松さんの独自の解釈をよりプリミティブに提示しているように思えます。

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テクノロジーを取り入れることで、緻密な表現が可能となり、全体的なシャープさもさらに鋭く展開されいるように感じられるのも興味深いです。

細密な部分と大きな部分、手描きよりも確実に精緻な等距離の解釈と展開とが可能となることで、その臨場感も高まると同時に、幻想的な透明感も放たれているように思えます。

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高松さんの作品は長きにわたって拝見していますが、その最初に観た「距離感主義」の作品から比べると、確実に階調の解釈が繊細で緻密になってきているように思えます。そしてそれが、描かれる世界観に鋭さをもたらします。

危うさと未来的な質感にも満ちた世界。これからの展開も楽しみです。

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