2008年を振り返ってみて、1年の長さ、というより、特に年の後半、終盤あたりから1週間がすごく早く感じられ、気付けば年の瀬、そんな感じで。
いや、今年は楽しすぎました。
このブロを始めて約2年半、たった今、今年書いてきたものをざっと振り返ってみてあらためてその分量に我ながら驚かされると同時に、これだけたくさんの方々と関わってきたことがとても感慨深いのですが、その冒頭にも書いた今年の後半、終盤にかけて、僕自身が「できること」が格段に広がったなぁ、と、またまたあらためて思う次第です。
@GALLERY TAGBOAT内に展覧会レコメンドの連載「ex-chamber museum」を、そして携帯のアートコンテンツ「CA[m]」へも速報性重視のレビューとあわせて随時お薦めアート巡りコースを紹介していく連載「ex-chamber mobile "up-and coming”」を書いていたり、また今月25日に発売されたアートコレクター2月号にも細密画の特集記事を寄稿させていただいたりと、あれだけ国語嫌い、とりわけ作文嫌いだった僕が一体どうしちゃったのだろうという具合に文章に関わる機会が増え、不思議なものだなぁと思ったり、そして何より自分的にエポックだったのが、自称「ブロガー枠(笑)」でウルトラに参加させていただいたことでして。
アート巡りと称して今年ホントにいろんなところに足を運んで、たくさんの人と出会い、作品や空間に接することができたことで、楽しかったなぁ、と。
で、とりあえずお約束な感じで2008年印象に残った展示を挙げてみよう、と。
まず、今年はダイナミックなスケール感と緻密なテクスチャーとが共存するインスタレーションに多く出会えた年でもあったと思います。
review:BLACK,WHITE & GRAY《2/8、2/15、2/16》
2/8(金)~3/8(土)日月祝休
12:00~19:00
2/9(土)~3/8(土)日祝休
11:00~19:00(土:13:00~)
review:SHINCHIKA-シンチカ《3/15、3/22》
SHINCHIKA-シンチカ
3/15(土)~4/19(土)日月祝休
11:00~19:00
review:西嶋雄志彫刻展 -存在の気配-《7/3、7/12》
7/4(金)~7/21(月)火休
12:00~21:00
review:塩保朋子「Cutting Insights」《8/29、9/6》
8/29(金)~9/27(土)日月祝休
12:00~19:00
展示空間が持つ個性とアーティストのクリエイティビティとが響き合い、素晴らしい空間を構築していました。山本基さんの緻密な塩の世界、名和さんの弩迫力、シンチカのフレッシュで無垢な遊び心、西嶋雄志さんの神々しさ、塩保朋子さんの繊細な影、部分で魅せ、全体で迫るコントラストが堪らなかったです。
ペインティングでは、圧倒的にこの3つ。
4/1(火)~4/26(土)日月祝休
12:00~19:00
review:大城カズ Untitled Recordings《6/27、7/3》
6/27(金)~8/2(土)日月祝休
11:00~19:00
review:小村希史 絵画・素描《11/25、11/29》
11/25(火)~12/20(土)日月休
12:00~19:00
もちろん他にも素晴らしいペインティングの展覧会はたくさんあり、挙げるとホントにきりがないのですが、とにかくこの3名の個展は強烈でした。
モノクロームだけでさまざまなうねりとアバンギャルドな響きを生み出す五木田智央さん、小村希史さんはオイルペオンティングを観る喜びを実感できるほどの凄まじい筆致が印象的で。そして大城カズさんの尋常でない精度の再現性を誇る作品群は、オンキャンバスであることへの驚きが何度拝見しても沸き起こってきたのです。
平面作品としてはちょっとアクロバティックですが、こちらも忘れ難い展示でした。
review:姉川たく vol.2 you重力ベイビー「ボくぷまれたよ」《11/2》
10/31(金)~11/30(日)火休
12:00~21:00
およそ2ヶ月続けて、ふたつの展覧会を開催された姉川たくさん、その後半の展覧会。前半の展示と、そのさらに前にNANZUKAUNDERGROUNDで開催された個展のほぼ集大成的な構成で、しかもちいさな画面にさまざまな刺繍が施され、それらに囲まれ何とも言えない高揚感に満たされました。この展覧会に結局一度しか足を運べなかったことが悔やまれます。
2008年はこの二人の僕が尊敬して止まないアーティストにとってエポックな年になったのでは、と思います。
review:TEAM13 雨宮庸介 ムチウチニューロン《6/29、7/6、7/20》
6/28(土)~8/31(日)月休(月曜日が祝日の場合開廊、翌日休)
11:00~19:00
@藝術倉庫
8/2(土)~8/24(日)
11:00~18:00
この二人の名前をホントに多く目にし、たくさんの展示、作品を拝見したと思うのです。
で、2008年は内海さんがこれまで発表された大作がほぼすべて登場しているような気がします。上記の展覧会で4つの大作が展示されたのをはじめ、東京都現代美術館と静岡県立美術館でも過去の作品が登場、敢えて「三千世界」をサイズ可変の作品として捉えるとしたら、最新の「十方視野」まで含めて9点の作品を観ることができたのは貴重だったと。
一方、雨宮さんは2ヶ月に及ぶインスタレーションを敢行、それが雨宮さんのキャリアでものすごく大きなものになるだろうと思うのです。おそらくこれから行うすべてのパフォーマンスやインスタレーションが、すべて今年の夏の時間に帰結していくかのようなイメージがあり、実際に赤坂でのインスタレーションを拝見したときも、そして現時点では未見ながら府中市美術館での展示もおそらく、今年のTWSを基点に鑑賞し、していくような気がします。
抽象表現にあれほどまでの確信をもたらし、具体的なイメージを惹起させる内海さんと、想像するに手探りで自らの想像の世界を突き進み、具体的な情報から抽象的な世界を紡いでいく雨宮さん、それぞれの今後の展開がいっそう楽しみです。
個人的には、山口英紀さんとこの距離で関われたことも大きかった、と。
@新生堂
1/16(水)~1/26(土)日休
11:00~18:00(最終日:~17:00)
初めてお会いして2年、今年の初めの山口さんの個展で拝見した作品群の、水墨のイメージを覆す細密の精度への驚きと、それに続いて制作された作品群のさらに高まる緻密さ。その驚きを然るべきかたちで紹介できたことも嬉しかったです。
他、今年印象的な動きとしては、なんといっても「THE ECHO」の開催に心躍らされ、そこから沸き起こるうごめきへ期待が今でも高まっています。あれだけのアーティストが一堂に介して行われたグループショー、ぜひとも継続してほしい企画です。いろんな動きがここを軸に広がり、生まれていくと面白い、と思っています。
また、それこそ雨後の筍のごとく開催されたアートフェアでは、横浜での住宅展示場でのフェアがダントツで面白かったです。2日だけの開催というのがなんとも残念で、こちらもぜひ、できればもう少し余裕のあるかたちで続けて開催してほしいと願います。
で、特に順位をつけないかたちで紹介させていただいたのですが、いちばん印象に残っているのをひとつ、迷わずこの展覧会を挙げます。
review:大畑伸太郎 個展「さよなら三角」《10/2、10/4》
10/2(木)~10/25(土)日月火休
11:00~19:00(土:~20:00、最終日:~17:00)
展覧会が始まって、初日に伺い、ギャラリーに入る前にあと1ヶ月でこの展示が終わってしまうことに淋しさを覚えてしまったほど。それくらいの期待と高揚をもって望んだ展示の素晴らしさは、言葉では伝えようのないくらいにステキなイメージをもたらしてくれました。
展覧会には都合3回足を運びました。
会期中のレビューではご紹介できなかった、奥のスペースでのインスタレーションを、今年の最後に。
これが紹介できることがホントに嬉しいです。
この空間に入る刹那、誰もが息を呑んだと思います。
それくらいの臨場感。あの絵の中のやさしく繊細な世界が3次元に変換されていて、一瞬で心がつかまれます。
暗い空間に、わずかな光が灯ります。
紫陽花がひっそりと咲く公園かどこか...ブランコに座って携帯の画面を見つめる女の子。何気ない光景がここまで美しく感じられることに、感嘆させられます。その高貴な感じからは、アンタッチャブルな雰囲気さえも伝わってきます。
独特の色使いが奏でる淡く儚げな時間のイメージの感触。女の子の手足、表情のていねいな作り込み。手前のスペースの明るい空間とのコントラストは、作品の精度のシャープさをも際立たせていて、観れば観るほどに溜息が漏れ、油断すると涙腺も緩みそうになるくらいに感動的なインスタレーションでした。
今年はたくさんのアートに触れただけでなく、久々にCDも結構買って聴いたし、あと本もたくさん読みました。
音楽はさかいゆうのファンクネスに、コトリンゴのふわりとした声とメロディに心を躍らせ、本は伊坂幸太郎、西加奈子、瀬尾まいこ、円城塔、桜庭一樹、近藤史恵などなどを読みあさりました。
そして、あらたに城福監督を迎えたFC東京の躍進にも楽しませてもらいました。
いろいろと楽しかったです、2008年。
たくさんの方々とお会いし、お話しし、何かをやった年でもあります。
すべての方々に感謝いたしいます、皆様のおかげです!
ありがとう、2008年。
おせちも作って準備万端、さあこい、2009年。
おかげさまでこのブログ、始めてから25ヶ月が経ちましたってこういう場合12進法で勘定するだろ普通!Σ( ̄口 ̄;)
ホントにたくさんの皆様に、あらためて御礼申し上げます。
また、コメント欄やメールなどでご意見、ご感想、情報をお送りくださる皆様、ありがとうございます。こちらの怠慢でお返事できず、ホントに申し訳ないです。
これからも長く楽しく続けていきたいと思っています。
今後も何卒よろしくお願いいたします。
児玉幸子 Morphotower
3/10(月)~3/28(金)日休
12:00~19:00
Sachiko Kodama Morphotower
2-8-18-B2F,Kyobashi,Chuo-ku,Tokyo
3/10(Mon)-3/28(Fri) closed on Sunday
12:00-19:00
驚きと発見に満ちた、変化し続ける「造型」。
gallery坂巻で開催されている、児玉幸子さんの個展です。
児玉さんのモルフォタワーは、昨年、国立新美術館のこけら落としで開催されたメディアアートの展覧会ではじめて拝見したのですが、そのちいさな円錐の表面で起こり続ける変化はまさに「事件」といってもいいほどに魅力的で、しばらくその側から離れられず...。
さらに、昨年の末から先日まで東京都写真美術館で開催されていた「文学の触覚」でも、モルフォタワーとまた異なる作品とが出品され、混雑していた国立新美術館との雰囲気と打って変わり、落ち着いた静謐のなかで淡々と展開するモルフォタワーに再び見入ってしまいました。
そして今回の待望の個展です。
先の展覧会で出品されたのとひとまわりちいさなサイズのモルフォタワーが4基、カプセルに入った状態で、それぞれ低い台の上に置かれて展示されています。
どす黒く、重い質感をたたえる磁性流体。
カプセルに満ちた液体のなかにそびえる小さな円錐型の電磁石。
その円錐には、螺旋上に溝が入っています。
この電磁石に通電されると、カプセルに満ちた磁性流体がその表面を這い、鋭い棘を形成、円錐をびっしりと覆います。
その姿は実に魅力的。重力を無視し、意志を持つかのように、円錐の表面にジワリと鈍い光を放つ黒が滲もみ、刹那、棘が立ち上がって容姿が一変、異様なエネルギーを発するかのようなグロテスクな風合いに。
そして通電が解かれた瞬間、その棘がすっと消え、あまりにも呆気なく、ふたたび黒い液体へ戻った磁性流体が円錐の表面を流れ落ちます。
その過程の一部始終は、すべての瞬間がスリリングに感じられます。
淡々としていながら、それぞれの瞬間に感じられる表情にはしっかりと、例えば怒気、覚醒、穏やかさなど、感情に近いものもイメージされます。
そして何より、アート的なスキャンダラスさを強く充満させているのも堪らない魅力に繋がっていると思うんです。
変幻する造型。
すべての瞬間がその時にしか訪れない、刹那的に構築されていく彫刻。
そういうアーティスティックな刺激に満ちた作品であると同時に、このちいさな作品の中にどれだけのテクノロジーが、どれだけのセオリーやロジックが織り込まれているか、そういう視点からの想像も喚起させてくれます。
モニターで上映されている磁性流体の映像も、実に美しいです。
磁性流体の「金属」としての魅力を存分に引き出したかのような、いかにも金属的な輝きがさまざまな場面で垣間見られます。
断言してもいいのですが、このモルフォタワー、はじめてご覧になる方は、確実に驚きを誘われます。
衝撃的な発見に満ちています。
そして、たくさんの人に見せてみたい、驚かせてみたいという好奇心も沸き起こってくるんです。
日本国内で、児玉さんの展示としてモルフォタワーを観られる機会は少なくとも今年はこの機会のみのようです。
ぜひとも一人でも多くの旁とこの驚きを共有したいです。
毎年年末恒例のお節作りもさすがに何年もやってるせいかあっさりと5品(鮭と鰊の昆布巻、紅白なます、田作り、栗きんとん、黒豆)をほぼ前夜に作り終え、迎えた大晦日。
思い返すと今年もそれなりにいろいろとあったなぁ、と。
自転車事故に遭って左手の手のひらの中指を骨折し、病院に行ってレントゲン撮って包帯巻いてもらって帰宅して包帯とったらトムとジェリーのジェリーにいたずらされたトムの手みたいにパンパンに腫れ上がっていて痛いの忘れて思わず笑ったり、その自転車もしばらくして後輪のスポークが根こそぎ折れるという聞いたことも想像したこともない最期を迎えたり、と、それなりの災難を乗り越えつつ、月刊ギャラリーの展覧会案内を担当させていただくことになったり封筒の中のギャラリーの第3弾として企画したあるがせいじさんのマルチプル「ひらき」がレントゲンヴェルゲさん他のご尽力のおかげで多くの方々に行き届くまでになったりと、アートシーンの中でも観るだけでなく、このブログも含めて「伝える」という立ち位置でそれなりに何かができたのかな、とも思えて、さらにそういったさまざまなことを通じて2007年もホントにたくさんの素晴らしい出会いに恵まれて。
いやぁ、今年も楽しかったです。
そんな2007年のアート巡りを振り返って。
2007年の大晦日の夜、この時点で2007年に観た展覧会で印象に残った10展を敢えてピックアップするとしたらこんな感じです。
政田武史 -New Paintings review
@WAKO WORKS OF ART
東京都新宿区西新宿3-18-2-101
9/15(土)~10/13(土)日月祝休
11:00~19:00
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大畑伸太郎 個展 ひかり review
@YUKARI ART CONTEMPORARY
東京都目黒区鷹番2-5-2 市川ヴィラ1階
10/25(木)~12/15(土)日月休(火水:事前予約制)
12:00~20:00
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野口里佳「マラブ・太陽」 review
@ギャラリー小柳
東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル8階
10/27(土)~11/30(金)日月祝休
11:00~19:00
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青山悟「Crowing in the Studio」review
@ミヅマアートギャラリー
東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F
10/17(水)~11/17(土)日月祝休
11:00~19:00
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佐伯洋江展
@TAKA ISHII GALLERY
東京都江東区清澄1-3-2-5F
12/22(土)~1/26(土)日月祝・12/29~1/7休
12:00~19:00
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小谷元彦「SP2 New Born」review
@山本現代
東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第3ビル4F
6/30(土)~7/25(水)日月祝休
12:00~19:00
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内海聖史展 review
@GALERIE ANDO
東京都渋谷区松濤1-26-23
7/10(火)~7/28(土)日月休
11:30~19:00
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田代裕基 個展「HARMONY」review
@ギャラリーエス
東京都渋谷区神宮前5-46-13 ツインエスビル
9/20(木)~10/7(日)月休
11:00~19:00
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「25×4=□」展 尾崎真悟・大平龍一・柴田鑑三・飯田竜太 review
@東京画廊
東京都中央区銀座8-10-5-7F
4/4(水)~4/28(土)日月祝休
11:00~19:00(土:~17:00)
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Eternal Spring アダム・ブース 日本画展 永遠の春 review
@Gallery ef
東京都台東区雷門2-19-18
3/16(金)~4/15(日)火休
12:00~21:00
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2007年は、キャンバスの作品の勢いに蹂躙された印象が強いです。
油彩、アクリルともに、もっともスタンダードなスタイルで、自身のクリエイティビティに対して素直なリアクションをぶつけたような痛快なものから、独特の手法や精緻な具象表現を織りまぜながら、さまざまなオリジナリティが再現されていて、見応えがある展覧会がホントに多かったです。それこそ、これだけで10個以上選べるくらい。
選にはなかでも印象が強かった政田武史さんと大畑伸太郎さんの個展を挙げました。それぞれ個展で拝見したのは初めてで、もう「あなたがこれから作るものはすべて好きです!」と断言できるほどに惹かれた次第です。
一方で、日本画、それも岩絵の具の絵画は強く迫るものが少なかった気がします。
アダム・ブースさんのGallery efでの個展は、その空間の特徴と相まって、インスタレーションとしても極上でした。
印象に残った日本画の展覧会を思い返すと、和紙であったり、あるいは墨であったりと、岩絵の具以外の素材の魅力が追求されているものが多かったり、岩絵の具そのものの美しさを特徴的な画題をセレクトすることでこれまでにないかたちで引き出したものが目に留まりました。
もともと日本画は大好きですし、岩絵の具の美しさや膠の盛り上げなどの工芸的な素晴らしさには抗い難い魅力を感じるので、新鮮なクリエイションとの出会いを期待したと思っています。
キャンバスの作品とともに、木彫でインパクトがあるものが多かった印象もあります。
田代裕基さんの巨大なニワトリの作品が発するダイナミズムはホントに凄かったですし、信じられないくらいに緻密に再現された大平龍一さんの畳は、同時期にヴァイスフェルトで開催された展覧会での段ボールとともに、木彫であることに気付いた瞬間の衝撃は忘れ難いです。
アーティスティックな写真の展覧会も多く拝見しました。
暗い空間にトリミングされた照明が当てられた写真がていねいに配された野口里佳さんの個展は、野口さんの魅力にあらためて気付かされただけでなく、時間の流れをももたらされた構成にぐっと引き込まれました。
もともと好きな緻密なクリエイション、やはりそれぞれの展覧会で見入ってしまいます。
フューチャリスティックなグラフィカルイメージを立体で表現した小谷元彦さんのオブジェ群には心底参りました。
また、つい先日始まったばかりの佐伯洋江さんの個展も、目の醒めるような鋭さをたたえた緻密な鉛筆画は圧巻です。佐伯さんは目黒区美術館での展覧会も印象的でした。
そして、青山悟さんと内海聖史さんの展覧会は、大きな期待をもって拝見したものの、その期待が素晴らしいほうへと大きく裏切られました。分かっていても、その素晴らしさに感服した次第です。
内海さんは、東京で開催されたふたつの展覧会のどちらも相当な見応えで、しかもそのふたつの個展が比較的短いインターバルで行われ、資生堂ギャラリーで体感した壮大な余韻が残った状態で、ギャラリエ・アンドウでの個展を観ることができたのは貴重な体験でした。四国での展覧会も観たかったのですが...。
青山さんは、究極的な刺繍のスキルを駆使し、それぞれの作品の相変わらずのハイパークオリティな見応えを提供するに留まらず、実にエンターテイメントに富んだ構成で目一杯楽しませてくれました。
上に挙げた展覧会以外にも、コメントしたい展覧会はいっぱいあるのですが、断腸の思いで選ばせていただいた次第です。アーティストの名前だけでも挙げようと思ったのですが、それでも相当に膨大な数になってしまうので...根性なくてすみません...。
ざっと自分のブログを見返してみると、今年に限ったことではないですが、そのときの感動が蘇ってきます。
とにかく全部、面白かった!
この1年も、ホントにたくさんの方にお世話になりました。
この場を借りて、お礼申し上げる次第です。
そして、このブログをご覧いただいている皆様にも感謝です。
今後もよろしくお願いいたします。
ありがとう、2007年。
さあ来い、2008年。
昨日の高円寺ペンギンハウスでのライブ、今回も無事終えることができました。
毎度ながら多くの方々に足をお運びいただきまして、あらためてお礼申し上げる次第でございます。
どうもありがとうございました!
おかげさまで、このブログを始めて昨日でまる1年が過ぎ、本日から2年目に入りました。
この1年、ご協力いただいたアーティストの皆様、ギャラリーの皆様、そしておつき合いいただいた皆様に、心より感謝申し上げます。
それにしても、1年も経つとさすがによくやってきたなぁ、と。
個人で書いたギャラリーベースのアートの展覧会のレビュー、質はともかく、数はおそらく世界一なんじゃないかなぁ...。
無意識に頑張っちゃうように楽しんでいきますので、これからもどうかよろしくお願いいたします。
今日から始まる1年も、すばらしいクリエイションに出会えますように。
あと、変な場所で自転車がパンクしませんように。
16日早朝、ラジオでMicheal Brecker氏逝去の一報を耳にしました。
僕らの世代(と、およそ僕らよりひとつ上の世代)でジャズをやっている人間にとって、彼の影響を受けていない人というのはいないと思います。
先日、Bunkamuraミュージアムでのエッシャー展にて、激しく込み合う館内を過ぎながら、「エッシャーってそれこそ絵を見始めるずいぶん前から知ってたけど何だったかな...そうか、僕はブレッカーのジャケットで知ったんだったな」と思い出してました。
今、CDの棚からこの「NOW YOU SEE IT...(NOW YOU DON'T)」を引き出して、久し振りに聴いています。
1曲目の「ESCHER'S SKETCH (A TAIL OF TWO RHYTHMS)」、冒頭のテナーサックスの知性溢れる唸りに。
ご冥福をお祈り致します。
