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幕内政治が覗いたおすすめアートイベント情報

古家万 "Real Imagination/現想図 Vol.1"

東京画廊+BTAP

東京都中央区銀座8-10-5-7F

03-3571-1808

8/26(水)~10/3(土)日月祝休

11:00~19:00(土:~17:00)

古家万090826.jpg

Man Furuya solo exhibition "Real Imagination Vol.1"

Tokyo Gallery+BTAP

8-10-5-7F,Ginza,Chuo-ku,Tokyo

03-3571-1808

8/26(Wed)-10/3(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00(Sat:-17:00)

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写真の中に現れる、あたかも水墨画を思い起こさせるような、重厚な一閃が放つダイナミズム。

東京画廊+BTAPでの古家万さんの個展です。

画面に収まっているのはおおよそどこかの風景の写真。しかしその空にはファットで力強い閃光。その圧倒的な存在感にただ見とれ、その分厚さを備える情景に意識が引き込まれます。

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現れる情景のなかに横たわる繊細な静謐感と、その空を走る光の筋。それぞれが放つ気配の深遠さが、そこに漂う空気感のイメージにいっそうの奥行きをもたらします。

そして、ひとつの平面に収められた情景として、圧倒的に美しい...。そこに広がる雰囲気の澄んだ感触、独特の気品が静かに心に届きます。

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モノクロームの作品では、その渋みがさらに深まります。

夜通しカメラのファインダーを開いたままで経過させ、それが空にダイナミックな光の軌道を映し出し、さらに動かぬものたちの輪郭をいっそう鋭く際立たせる効果をもたらしているようにも感じられます。

モノトーンだからこその圧巻の陰影感。そして、光の筋は敢えて画面を横切ってしまうことなく、その「はじまり」もしくは「おわり」を画面に残すことで、大胆なストロークのような風合いが画面に紡がれます。

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古家万04.JPG

そのストロークの大胆さ、迷いなく振り上げられた筆が画面を叩き、這い、引き上げられる一連の動作を思い起こさせる刹那的な臨場感が、実は一晩中、すなわち何時間もかけて撮影された写真の中にもたらされているように感じられるのが大変興味深いです。

上の掲載のものに続いて、渋みを加速させるモノトーンの作品。「滝」というモチーフが「和」の気配をいっそう深め、また滝の輪郭の刹那な感触にも独特の美しさ、とてつもない深遠さが伝わってきます。そして上空に走る1本の閃光の圧倒的な動的イメージ。滝に水が落ち込んでいるものの、どこか人々を寄せ付けないような尋常でない雰囲気が滲んできます。

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構図として大変興味深いのが、画面中央に光のストロークが一筋走っているだけのシンプルな作品。

無論この作品も同様なアプローチによる写真作品なのですが、構図のシンプルさがいっそうの深みを、そして太くはあってもそれが一切の迷いを感じさせない線であること押し上げているように思えます。

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ギャラリー奥の一角は黒い布で仕切られ、照明を点灯させて真っ暗な空間が創出され、そこで眺める古家さんの作品にはいっそうの臨場感がもたらされているように思えます。

圧倒的な深みが静かに、しかし豊かに画面から放たれ、それを眺めていると横たわる時間のおおらかさ、壮大な気配が紡がれたからこその荘厳な雰囲気に包まれ、いつまでも眺めていたくなります。そして、対峙した時間だけのイメージをしっかりと想起させてくれるだけの懐の深さを持ち合わせているようにも感じられます。

現実の情景から導き出される深遠な幻想感にただ浸りたい、そんな想いを強くさせてくれる写真作品群、そして空間です。

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政田武史 "New Works"

WAKO WORKS OF ART

東京都新宿区西新宿3-18-2-101

03-3373-2860

9/11(金)~10/10(土)日月祝休

11:00~19:00

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Takeshi Masada "New Works"

WAKO WORKS OF ART

3-18-2-101,Nishi-Shinjuku,Shinjuku-ku,Tokyo

03-3373-2860

9/11(Fri)-10/10(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00

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画面に配置されるストロークのすべてが鳴る。

危うげな世界観とそれを組み上げる構造が轟く。

WAKO WORKS OF ARTでの政田武史さんの個展です。

前回の個展でおおいにその臨場感に呑み込まれ、壮大でドラスティックな空間性とそれを描き上げるストロークが放つミニマムなリズムが想像性を掻き立ててくれたのですが、今回の個展でもその面白さは無論のこと保持され、これまで以上に大胆に繰り出されるさまざまなサイズのストロークが構造的な面白味を加速させたような印象です。

モチーフに採用される「化け物」の力強い佇まいとシチュエーションの臨場感、まずそれが強烈に重厚なスリルを濃密に醸し出します。

これが明るい画面で展開されると、画面のなかに作り上げられる気配に膨張感がもたらされ、相当な迫力を溢れさせながらパワフルに迫ってくるような感覚に襲われます。濃密な世界観ながら、その濃厚さは外へ外へと向かい、情景としても、物語性としてもいっそう豊かなスケール感を生み出しているように感じられます。

そして、ひとつのストロークはそれぞれがくっきりとその存在を画面上に際立たせ、そして知れだけに留まらず、例えば顕微鏡で観る細胞の振動、蠢きを思い起こさせるような、その内側にエネルギーをたたえるような印象を覚えます。鮮やかな色調、隣り合う色同士でもたらされるグラデーションのダイナミズム、ミニマムな部分を画面から脳内でトリミングして凝視したときに迫り来る強烈な抽象性。内側へ、内側へと誘うような面白さが画面の広さだけ展開されているように感じられ、至近で眺めているとどんどんその雰囲気に引き込まれていきます。

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今回発表された作品で興味深いのが、そのストロークのバリエーションによってもたらされる緊張感。

描かれるモチーフを構成するストロークは、わずかに筆が画面に触れただけの小さいものから、ペンディングナイフによってダイナミックな色面が画面の中に絶妙に配置されています。あたかも大きな構造物が小さなものの上に乗る、あるいは小さな構造物が緻密に積み上げられるような感じがとにかく面白く、それが安定を得た瞬間、その刹那的なバランスが画面の随所に現れていて、その危ういミニマムな情景を視覚が捉えるたびに唐突に一色が入り込んでいくんです。

描かれるモチーフが前提として存在していたとして、それを表現するために構造物が重ねられるようなアプローチが堪らなく興味深くて、そのストロークのかたちのクールネス、エッジの効いた感触がぐんと立ち上がってきます。

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今回もメインスペースと別室の両方で展示が行われていて、ほぼ1点ごとに壁面があてがわれて、それぞれの作品が持ち合わせる気配感、重厚な臨場感にどっぷりと浸れる展示構成も嬉しいです。画面の色調がもたらす時間のイメージも、壁面と照明の明るさによってシャープに引き出されているように感じられます。

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そして今回は大判のドローイング作品も展示されています。

キャンバス全面を無数のストロークが覆い尽くす油彩の作品群とは異なり、ひとつのモチーフが滲んで曖昧になる絵の具の感触によって独特な雰囲気を奏でます。

紙と絵の具の軽やかさ、それがモチーフの危うさに不思議な、どことなく儚げな臨場感をもたらしているように思えます。

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シャープな発色を放つ色彩やさまざまな表情を伴うストロークでもたらされる世界からは、リミットゼロとリミット無限大、このどちらへも突き抜けるような壮大なイメージが想起されます。

さらに、描かれるシーンの危うげなインパクト、ストイックに画面に配置されるストロークの集積、それぞれが濃密な刺激となって観る側のイマジネーションを促し、須天軸ポジティブな感触に満ちるカオスが創出されているようにも思えます。

絵の具をコントロールして制作する「絵画」としての面白味、その純度の高さに痺れます。

そして、この膨大な創造性に対して、今まで以上の頼もしさを感じた次第です。

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横横内賢太郎 新作展 imprintinroom

KENJI TAKI GALLERY

愛知県名古屋市中区栄3-20-25

052-264-7747

8/1(土)~9/19(土)日月祝・8/9~8/21休

11:00~13:00、14:00~18:00

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Kentaro Yokouchi new works "imprintinroom"

KENJI TAKI GALLERY

愛知県名古屋市中区栄3-20-25,Sakae,Naka-ku,Nagoya-shi,Aichi-ken

052-264-7747

8/1(Sat)-9/19(Sat) closed on Sunday,Monday,national holiday and 8/9-8/21

11:00-13:00,14:00~18:00

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KENJI TAKI GALLERYでの横内賢太郎さんの個展に、最終日に滑り込みで行ってきました。

お馴染みのサテン地の作品はもちろん、実験的な小品作品、油彩の大作と、バリエーションに富んだ構成がとにかく興味深い展覧会となっていて、この凄まじい見応えに接することができて良かった、と思っている次第で。

サテン地の大作は、1階の奥と2階に展示。

妖しさを放たせながらさまざまな色彩の滲みが複雑に融和するその情景は、アブストラクトな雰囲気がさらに深っているように感じられます。

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例によって、オークションブックを開いたところをモチーフに描かれていて、東名のメディウムによって描き出される、本に掲載されている室内装飾の絢爛さ、さまざまな家具が緻密に描き上げられることで導かれる臨場感、さらにそれが本のページのたわみによって生じた歪みで、相当に具象的でありながらも異次元のイメージを彷彿させてくれます。

加えて滲む色彩の鮮やかで妖し気な雰囲気により、ここに深い幻想性が創出されているように感じられるんです。

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印象として、メディウムによる描写は、初めて拝見した時の画面に対して微妙に角度を付けて眺めてみないと気付かない曖昧な感じから比べるとよりその描写の存在をくっきりと露にしているように思え、それがその奥に広がる色彩の混沌、さらにサテンの光沢感と響き合い、よりこの世界へと引き込む速度を速めているような気もします。

また、陰影のダイナミズムといい、さまざまな色の絡まりの複雑さといい、色彩によってもたらされる密度のコントラストがより激しくなったような感じで、そのアブストラクトな気配感にもおおいに惹かれた次第です。画面に張られるサテンの張り具合と側面のエッジの立ち上がりの鋭さも、その幻想性やアブストラクト感をさらに鮮烈に際立たせているように思えます。

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ちいさな画面の作品では、相当に実験的というか、この先にクリエイションを展開していく上で通過しなければならないイメージを記録、画面に納めているような感触が強く印象に残ります。

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情景の曖昧さ、抽象性は相当に高められています。

その分、おそらく相当に遠く深い、まだ掴み切れていないようなイメージの感覚が、臨場感を伴って迫ってきます。それぞれの小さな画面で繰り広げられている空間、そこからどんな次元の展開がなされていくか、実に興味深いです。

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そして、今回の展覧会でまず最初に出迎えてくれたのが、ペインティング作品。

サテン地の作品群がアブストラクトだとすると、こちらはそのままアバンギャルドな世界観が凄まじいエネルギーと濃密な深みとを伴って迫ってきます。

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同様にオークションブックがモチーフに採用されているのですが、サテン地の作品とはまるで別の雰囲気が導き出されています。

もたらされるストロークに注がれる、狂気性へと置き換えたくなるような刹那的な風合い。垂れる絵の具の質感の生々しさ。滲むような風合いはそのまま保たれつつも、奥へと引き込むサテン地の作品の雰囲気から一転して、観る者が立つ方向へと襲いかかるような危うさ、スリリングな雰囲気が備えられているように感じられます。これまで拝見してきた作品、それによって紡がれてきた横内さんの作品のスタイルに対するポジティブな先入観とのあまりの質感の違いがむしろ好奇心を引き上げ、高揚感に包まれます。

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このふたつの大きなコントラストが、これからの横内さんの作るものへの期待も大きくしてくれます。そして、府中市美術館の府中ビエンナーレや先に閉幕した「引込線」などで続けざまに大きな展覧会とスペースで作品を拝見した流れを経て、これらを、このタイミングで観ることができたのもありがたかったと思っている次第です。

今回提示された既に凄まじいギャップがこれからさらにその差異を広げるのか、それとも融合をみるのか、また小品で展開された実験、さらに現在横内さんご自身が興味を持つ情景やイメージなど、今後の展開がさらに楽しみです。

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長谷川ちか子「穴 - Punica Granatum」

ラディウムーレントゲンヴェルケ

東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17

03-3662-2666

9/4(金)~9/26(土)日月祝休

11:00~19:00

Chikako Hasegawa "Holes - Punica Granatum"

Radi-um von Roentgenwerke AG

2-5-17, Nihonbashi Bakuro-cho,Chuo-ku,Tokyo

03-3662-2666

9/4(Fri)-9/26(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00

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構築されるシャープな空間と、そこから「覗き込む」過剰に有機的な情景とのギャップ。

ラディウムーレントゲンヴェルケでの長谷川ちか子さんの個展です。

今回はすべてペインティングで構成され、例えば六本木時代のレントゲンで開催された個展とはまったく異なる雰囲気が導き出されていながら、インスタレーションとしての完成度、作り込まれた理系的な静謐感が強く印象に残ります。

展示されているペインティングはすべて同じサイズ、同じ構図に設定されていて、そのリフレインが展示空間に強度をもたらしているようにも感じられます。

1階に展示された2点がイントロダクションのように機能し、ここから先に展開、提示される世界のシャープさが「例題」的に提示されているような感じが好奇心をそそります。

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階段を上って。

作品の配置の計算され尽くされたような位置がこの複雑な構造の空間にリズムをもたらします。

絵画と空間構造の関係だけに留まらず、照明によって生み出されるキャンバスや配置物、建徳構造などのシルエットもシャープな複雑さをいつになく引き立て合っているように思えます。

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2階のメインスペースは、実にスマートな展示が施されています。

あまりにも真っ当な、それはもう過剰なほどにストレートな構成が繰り広げられていて、どこを切り取っても隙のない感じが伝わり、それが空間にある種の緊張感を生み出しています。

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それぞれの画面に施されるストイックなまでの統一規格がシャープな静謐を加速させます。

これぞプロの仕事、と思わずにはいられないピンと張られるキャンバス、側面と表面の黒と白の色分けの精度の高さも硬質な風合いをもたらします。

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空間全体のシャープさが、画面中央の「穴」のなかに描かれたモチーフを異様なまでの有機的な質感をいっそう深めます。

構成される空間の精度が、平面作品であるのにも関わらず、画面の中の丸い「小窓」から見えるものを「覗き込む」ような行為を誘います。なんだかヤバいものを観てるスリルが脳内に沸き起こるんです。

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このモチーフはザクロなのだそうで、言われるとなるほど、と思うのですが、分かっていてもそれ以上の生々しいもののように思えてくるのが不思議で、かつ興味深いです。

すべて同じ物が描かれているにもかかわらず、思いのほか豊かな色彩がもたらされているのも印象的です。

生々しい臨場感に、掌で塞げるほどの穴の広さだけしか見えないもどかしさも手伝い、だんだんとその雰囲気に呑み込まれていくんです。

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印象として、1点1点のペインティング作品というより、全体の構成がひとつのインスタレーションとして機能しているように感じられます。

そこにもたらされる状況の過剰なシャープさとそこから除かれる有機的な情景、冷静な静謐感と毒々しささえ感じられる濃密な気配とのコントラストが、さまざまなイメージを思い起こさせてくれます。この空間の設定が、どちらが「外側」でどちらが「内側」なのかが分からなくなってくるような、そういう謎めくような感じもまた印象的です。

体感する絵画展、そういう雰囲気が深遠に創り上げられているのが興味深いです。

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「月人間展」石黒賢一郎/大森暁生/三田尚弘/須田悦弘/草井裕子/龍口経太/平林貴宏/村田兼一/森口裕二/山口英紀

LOWER AKIHABARA.

東京都千代田区東神田1-11-7 東神田M.Kビル1F

03-5829-8735

9/11(金)~9/26(土)日祝休

11:00~19:00

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"Human Mon Exhibition" Kenichiro Ishiguro/Akio Omori/Takayuki Mitai/Yoshihiro Suda/Yuko Kusai/Keita Tatsuguchi/Takahiro Hirabayashi/Kenichi Murata/Yuji Moriguchi/Hidenori Yamaguchi

LOWER AKIHABARA.

1-11-7-1F,Higashi-Kanda,Chiyoda-ku,Tokyo

03-5829-8735

9/11(Fri)-9/26(Sat) closed on Sunday and natioonal holiday

11:00-19:00

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参加アーティストは総勢10名。お馴染みの名前からフレッシュな個性までが揃い、しかもハイクオリティの作品が並ぶ展覧会。

LOWER AKIHABARA.で開催の、「月人間」をタイトルとテーマに据えたグループショーです。

まず、平林貴宏さんの作品。

日本画の渋さ、さまざまな表情がしっかりと表出された女性像。

気配のおどろおどろしさはさらに深まり、右下の手がその世界観にさらに妖しい雰囲気をもたらしているように感じられます。

相当に怖い情景が伝わるのですが、その一方で絵画としての美しさ、静謐観にも引き込まれるんです。

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三田尚弘さんの日本画も静謐な美しさをたたえます。

繊細で洗練された気配感が印象に残ります。

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日本画の渋い気配が続いたとことで一転、森口裕二さんの作品には、シャープな発色と線とで鮮烈な雰囲気をもたらされているように感じられます。

場面の危うさと、その描写の鋭さとがもたらす緊張感とクールネス。グラフィカルな面白さにも溢れます。

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森口裕二1.JPG

石黒賢一郎さんの圧倒的な再現性、これが絵画であることの嬉しさが心に溢れます。

女性の横顔の描写の精度と、画面全体を覆うグレーの淡々としたトーン、マチエルの渋みなど、ひとつひとつの要素に惹かれます。

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龍口経太さんの作品も1点。常に高く保たれる洗練された風合いと高貴な雰囲気に触れられるのが嬉しい限り。画面にもたらされるひとつひとつにもたらされる繊細さ、どこか霞むような朧げな気配感、そして観る者の想いを吸い取るかのような深く静かな魅惑性。加えて真正面の構図が、画面の中の世界に深い冷静をも感じさせてくれます。

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山口英紀さんは2点出品されています。1点は珍しく、全体がぼやける感触に仕上げられ、どこか夏の夜の空気感、月明かり照らされて、静かなノイズが聞こえてきそうな独特の臨場感が静かに溢れます。なんとなく幻想的なところへと誘う場所のような雰囲気をもたらしているようにも感じられます。

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もう1点は構図に知性があふれます。

円形の画面の縁に沿い、月の満ち欠けが順に描かれ、それが硬質な雰囲気をもたらす中、画面中央の切手の画像の面白さ、そこに広がる方眼のシャープさなど、そこにあるものが静かに響き合い、豊かな深みが奏でられているように思えます。

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大森暁生さんは、木彫作品が2点。

木彫りの味わいを力強く感じさせてくれる獅子の面、そして弾丸が雫のように落ちかける十字架の硬質な仕上がりの面白さ。それぞれの雰囲気や世界観は異なるものの、木彫の深みと造形が醸し出す臨場感におおいに感嘆させられます。

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重厚な静謐感を備える作品がずらりと並ぶなか、草井裕子さんの作品は、やわらかい色彩のドローイング的なもので、その軽やかさが今回の展示に心地よいアクセントをもたらします。

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色のやわらかさにまず惹かれ、じっくりと眺めると実に緻密な線が高密度で施され、複雑な紋様が密集しているのに気付かされます。モチーフの有機的な感じも妖しいイメージをもたらしてくれます。

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地下のスペースには村田兼一さんの写真作品が。画面の中の世界観の異様な濃密さに圧倒されつつ、その美しさ、質の高さも印象に残ります。

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須田悦弘さんの「雑草」。初日に伺った際は気付けず、2度目に伺ったときにようやく。

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このさり気なさ、圧倒的な再現性の高さが、この中に雑草が生えている違和感を一瞬忘れさせてくれます。

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たったこれだけで圧倒的な存在感を静かに放ちます。

この造形の見事さには分かっていても感嘆させられます。

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とてつもなく深みあるクリエイションが並んでいて、そのひとつひとつに対してじっくりと対峙したくなる空間です。

■9/18 Fri

足立喜一朗「シャングリラ2」

YUKA CONTEMPORARY

東京都文京区関口1-30-9

03-5272-2476

9/18(金)~10/24(土)日火休

11:00~19:00

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のそのそと動く、緑に覆われた大きな幼虫のような作品のなんともいえないかわいらしさ、ギャラリーの真ん中に吊るされる緑の球体の鳥かご。それらが提示する人工物と自然物との奇妙な共存にさまざまな想いが過ります。

さらに、さまざまなサイズのタブローが展示されていて、これが面白い!抽象的な色彩の広がり、飛沫とそこに描き加えられる緻密な線描が有機的な情景を導き出し、ぐんぐんと引き込まれていきます。

村田朋泰展「2」

GALLERY MoMo Ryogoku

東京都墨田区亀沢1-7-15

03-3621-6813

9/19(土)~10/17(土)日月祝休

11:00~19:00

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初日に伺えないのでフライングで前日にちょっとだけお邪魔してきました。

これまで六本木での個展で展開されたどこか軽妙な雰囲気から一転し、今回の個展ではストイックにさまざまなイメージが追求されているように感じられるのが強く印象に残る空間が展開されています。

インスタレーションの深遠さ、ずらりと並ぶ平面作品など、そこにあるすべてが何らかの意味を持っているように思えてきます。じっくりと対峙したい空間です。

天野亨彦「918」

magical, ARTROOM

東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 3F

03-3445-8988

9/18(金)~10/17(土)日月祝休

12:00~20:00

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これまで拝見してきた天野さんの作品の破天荒ぶりから考えると、実に硬質で知性にあふれる空間が創り出されています。

平面作品のみでの構成、しかもそれらには文字的なものが描き込まれ、それが音声に変換されないもどかしさとグラフィック的な面白さとが混在し、不思議なスピード感を伴いながらシャープに迫ってきます。

■9/19 Sat

シルバーウィークの最初の2日間を使い、名古屋から神戸まで遠征。

侮っていたわけではないのですが、さすが大型連休、新幹線の尋常でない混み具合にいきなり「名古屋まで新幹線自由席立ちっぱなし」の洗礼を浴びてしまいまして。

それはともかく、まず名古屋で降りて、愛知県美術館での「放課後のはらっぱ -櫃田伸也とその教え子たち-」を拝見。

新幹線立ちっ放し移動でけっこう疲れていたのですが、展示室に入ってまず出迎えてくれた櫃田伸也さんの作品が「あ、これ好きー」みたいな感じでそれが嬉しくて、気持ちよいポジティブな気分にいきなり浸れた次第。

とにかく貴重な展覧会だなぁ、と。奈良美智さんをはじめとするさまざまなアーティストの初期作品を目にするたびにさまざまな想いが過ります。いちばん印象的なエピソードが、加藤美佳さんのエスキースにまつわる話で、なんとも嬉しい気持ちに。

展示後半に出てくる、参加アーティストが「櫃田先生」を描いた肖像画がずらりと並ぶ壁面が楽しいです。参加しているアーティスト全員が、この展覧会に参加できている喜びと誇りが伝わってくるようで。

横内賢太郎 新作展 imprintinroom

KENJI TAKI GALLERY

愛知県名古屋市中区栄3-20-25

052-264-7747

8/1(土)~9/19(土)日月祝・8/9~8/21休

11:00~13:00、14:00~18:00

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まず1階の油彩作品に圧倒された次第。1階奥以降に登場するサテン地のお馴染みの作品はアブストラクトな雰囲気をさらに深めていて、その手前の油彩作品のアバンギャルドなテクスチャーとが生み出している相当にヴィヴィッドなギャップにやられました。

小品で展開される実験的な創作も興味深いです。

ignore your perspective 8

児玉画廊|京都

京都府京都市南区東九条柳下町67-2

075-693-4075

9/5(土)~10/10(土)日月祝休

11:00~19:00

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お馴染み、児玉画廊がさまざまなクリエイションを紹介する企画、今回も大勢のアーティストが紹介され、見応えのある展覧会となっています。

野原健司さんの平面作品、さまざまな材質が大胆に画面に取り込まれ、実にダイナミックなテクスチャーが生み出されています。そこに描かれるモチーフと抽象的な背景とのコントラストも独特な深みをもたらしているように感じられます。

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先に開催された個展も印象的だった貴志真生也さん、今回はオブジェ的な作品を発表。

ざっくりとした造形のそこかしこに潜むアクセントが、なんとも不思議なイメージを生み出しています。独特の味わいと世界観が滲みます。

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西森瑛一さんの微妙なストロークの痕跡が黒い画面に残る作品も興味深いです。

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今回初めて紹介される梶原航平さん、実にシュールな物語が放たれます。

要素の立ち上がりのヴィヴィッドさ、程よく荒れる筆遣いが生み出すダイナミズムなど、さらにどんな世界が展開されるかも楽しみです。

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三家俊彦 "still river"

児玉画廊|京都

京都府京都市南区東九条柳下町67-2

075-693-4075

9/5(土)~10/10(土)日月祝休

11:00~19:00

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圧巻のインスタレーション。アルミホイルでできた無数の武将が床一面を覆い尽くし、その情景にただただ圧倒されます。

加えてステンレス板を削り、研磨して描かれる抽象世界にも引き込まれます。さまざまなテクスチャーが生み出され、ミニマムな要素の集積が凄まじい密度となって迫るんです。

桑田卓郎展

TKG Editions Kyoto

京都府京都市下京区西洞院通六条下ル西側町483

075-353-9992

9/11(金)~10/17(土)日月祝休

11:00~19:00

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セラミックとしては信じられないくらいに鮮やかな発色が楽しいです。

表面の乳白色、さまざまな色調が放つフレッシュな感触、加えて渋いメタリックの仕上がりなど、さまざまなテテイストが一体となり、なんとも嬉しい雰囲気が導き出されています。

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ちいさな食器なども。まるで粘土細工のようなほっこりとした造形も楽しいんです。

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大きな壷の迫力も痛快!

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さまざまな面白さが溢れます。眺めているだけで軽やかな気分が広がります!

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Varda Caivano The Inner Me

TOMIO KOYAMA GALLERY,Kyoto

京都府京都市下京区西洞院通六条下ル西側町483

075-353-9992

9/11(金)~10/17(土)日月祝休

11:00~19:00

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独特の深みが展示空間内に漂います。

わずかにベージュ系の色調に塗り替えられた壁面と、ほどよく抑えられた照明がナチュラルな気配をもたらし、そこに展示される抽象的な情景にさらに深みをもたらします。

絶妙な作品の配置、それも深い情景観をさらに押し上げます。刹那的なイメージとともに、淡々とした深遠な世界観も伝わってきます。

名和晃平展 Transcode

Gallery Nomart

大阪府大阪市城東区永田3-5-22

06-6964-2323

9/19(土)~10/17(土)日祝休

13:00~19:00

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身体感覚へのアプローチがとにかく興味深いです。

これまでもさまざまな手法で感覚のズレが提示されてきたような印象を覚えているのですが、今回の作品はその伝わる過程をさらに短くしたような感じします。

その伝わり方は、展示空間に入った瞬間に現れる作品群の造形としての美しさに、思わず涙が出そうになるほど。そしてさらに奥のスペースで繰り広げられている展開の臨場感にも圧倒されます。

■9/20 Sun

朝一で神戸アートビレッジセンターへ。先に開催されたラディウムでのグループショーなど、拝見するたびに嬉しくなるシルクスクリーン作品を発表される芳木麻里絵さんが参加されている展覧会1floor2009「THREE DUBS」へ。

着いたのが10時40分頃、建物の中には入れたものの、展示室はシャッターが下りたまま。確認すると、12時から。

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シャッターがバータイプなので展示状況はなんとか眺めることができたのですが、芳木さんの作品を遠くから眺めてどうなんだ、と。まあまあまあ。

田中真吾「灯に照らされた闇」

studio90

京都府京都市南区久世大藪町490-1-3

8/29(土)~9/27(日)土日のみ(9/21~9/23は要予約)

13:00~20:00

これまでもeN artsなどの展覧会で拝見し、印象に残っている田中真吾さんのアトリエでの展覧会。壁面、天井、床面も黒く、照明も落とされた空間で、そのうちのひとつの壁面一面に、漆喰状の白い画面にお馴染みの炎でのドローイングが。それをロウソクの明かりで眺めるという展示。

火で描かれているのに、水墨的、もっと言うと「書」のような奥行き感が伝わってくるのが印象的です。ストロークが力強く、それらの集積と余白とが不思議な深みを奏でます。

ある風景の中に In a Landscape 梅田哲也/岡田一郎/鈴木昭男/ニシジマアツシ/藤枝守/矢津吉隆

京都芸術センター

京都府京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2

075-213-1000

9/15(火)~10/18(日)

10:00~20:00

ある風景の中に090915.jpg

面白い!

それぞれの展示スペースで実に深いインスタレーションが繰り広げられています。

矢津吉隆さん、南ギャラリーへ行く途中の廊下か例の回転体がかわいらしく回っていて、展示スペースに入るとさまざまなものが薄暗い中に回っています。眼鏡や紙コップ、果てはキューピー人形までが高速で回転していて、それが独特の美しい情景を導き出しています。

梅田哲也さんのインスタレーションも、独特の世界観が。白くて大きな風船がまず目に付く空間、むしろ散らかった感じが日常的な臨場感を醸し出すなかに、唐突にベルの音やら、水が満たされた流し台に浮かぶ食器がぶつかって出るカラカラという衝撃音、お馴染みの自ら泡が出る音など、さまざまな音に溢れます。今回は自然光がたっぷりと注ぎ込む空間ということもあり、照明の変化こそなかった(わからなかった?)ものの、奥のほうに羽が舞っていたりと視覚的なアクセントにも溢れます。

藤枝守さんのインスタレーションの静謐にも大いに惹かれた次第。ミニマムなノイズ、硬質な空間構成、重厚なクールネスが空間全体に満ちていて、じっくりと対峙したい時間が紡がれます。

鳥展 大野麻里

同時代ギャラリー

京都府京都市中京区三条御幸町南東角 1928ビル1F

075-256-6155

9/15(火)~9/20(日)

12:00~19:00(最終日:~18:00)

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赤いペンで描かれるキュートな情景。キャラクター的なモチーフも独特のかわいらしさが醸し出されます。密度も楽しいです。

今回の作品はパネルに直接、あるいは水張りの紙に描かれた作品だったのですが、キャンバスの作品もぜひ観てみたいです。

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河井菜摘 "残像"

立体ギャラリー射手座

京都府京都市中京区三条小橋東入る フジタビル地階

075-211-7526

9/15(火)~9/20(日)

13:00~20:00(日:~18:00)

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今年の京都市立芸術大学の卒制展で印象に残っている河井菜摘さんの個展。

先に拝見した作品は平面だったのですが、今回はキューブ状の作品が空間に配置され、より重厚な雰囲気が創り出されていました。

艶やかに漆が塗布されたキューブ、そこにピンホールカメラによってダイレクトに投射される風景。ギリギリの陰影で現れるさまざまな場面はいっそうの究極的な深遠さに満ち、その気配にもおおいに惹かれた次第です。

アートまぶさび 寺田就子 西奥栄利子

galerie 16

京都府京都市東山区三条通白川橋西入上ル石泉院町 戸川ビル3F

075-751-9238

9/15(火)~9/26(土)月休

12:00~19:00

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寺田さんの作品はこれまでも何度か拝見していたのですが、今回も、素材の面白さが活かされるのと同時に、繊細な気配が丁寧に紡がれるちいさなインスタレーションが展開されています。貫かれる透明感が神々しいイメージをもたらしてくれます。

西奥栄利子さんの作品は、白で統一され、微妙なテクスチャーで水面の状況などを表出させていて、その緩やかな気配感が印象的です。

ふたりの作品の響き合いも心地よく感じられた次第です。

パラモデル個展「P級建築士事務所」

mori yu gallery kyoto

京都府京都市左京区聖護院蓮華蔵町4-19

075-950-5230

9/12(土)~10/4(日)月火祝休

12:00~19:00

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画面に配されるおもちゃのレール、間取りによるダイナミックな展開。

今回のパラモデルの個展は平面作品を中心に発表されていて、その外へ外へと向かう感触が印象的です。

また、ミニチュアの動物の口などを細いチューブが繋ぐ作品も、パラモデルらしい空間の使い方が楽しく、それがミニマムな容積のなかで展開されていたのが興味深く感じられた次第です。

■9/21 Mon

吉田修一×南川史門「横道世之介」

MISAKO & ROSEN

東京都豊島区北大塚3-27-6

03-6276-1452

9/16(水)~9/23(水)

12:00~19:00(日:~17:00)

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芥川賞作家の吉田修一氏の連載小説に掲載された南川史門さんの挿絵が一挙公開された展覧会。

味わい深い線と色調で描かれるさまざまな場面、物語は未読なのでどの絵がどんな場面を示しているか分からないのがもどかしかったりもしたのですが、独特の世界観に触れられたのが嬉しかったです。

本も早く読みたい!

■9/22 Tue

池田学展

おぶせミュージアム

長野県上高郡小布施町大字小布施595

026-247-6111

7/31(金)~10/6(火)

9:00~18:00

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高橋コレクション展で巡回している作品を除くすべての大作が一挙に展示され、それが観られたのがまず何より嬉しかったです。サインもなんとか、少なくともカラーの作品のは見つけられて安心。

池田さんの変遷を堪能する一方で、過去の作品でさえも充分にインパクトを放ち、好奇心を煽り、鑑賞者の意識を一気に引き込む力は相当なものであることを実感。どれも一度観始めると止めようにも止められないんです。

兼未希恵展「ハナハナサケサケ」

第一生命南ギャラリー

東京都千代田区有楽町1-13-1

050-3780-3242

8/24(月)~9/25(金)土日祝休

12:00~18:00

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Mikie Kane exhibition "Hana hana Sake sake"

Dai-ichi Life South Gallery

1-13-1,Yurakucho,Chiyoda-ku,Tokyo

050-3780-3242

8/24(Mon)-9/25(Fri) Closed on Saturday,Sunday and national holiday

12:00-18:00

Google Translate(to English)

第一生命南ギャラリーでの兼未希恵さんの個展です。

兼さんの作品はVOCA展で拝見していて、その構図の面白さ、横長の画面が上下に分けられそれぞれで異なる空間を描き、そのコントラストが広がりを伴うイメージをもたらしてくれたのですが、今回の個展ではそれを空間全体で行ったかのような構成が興味深いです。

両端の壁面、入り口より右手には雲が浮かぶ青空を描いた絵が。

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その向かいには、夜、浮かぶ月。

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ひとつの空間に「昼夜」が配されることで、もうふたつの作品のイメージに時間的な広がりを思い起こさせてくれます。そして、向かい合うもう2面に展示された作品も、上記の両端の作品の対比と近いコントラストが導き出されています。

画面いっぱいに描き込まれる無数の青い小さな花。

背景は和紙の色がそのまま採用されていて、それが不思議な浮遊感をもたらして、さまざまな方向を向きながら咲く花の細かいリズムもなんだか楽しげです。

この花は屋外でこそ咲くそうで、すなわち自然光があるからこそ存在する花で、晴天時のお昼前後の数時間しか開かないらしく、それがこれだけ無数に咲き誇っている様子が提示されるとその時間のイメージもより鮮明になってきます。一日のうちの数時間しか咲かないことの刹那な感じ、これだけの群れ、画面全体から迫る情報の密度をもってしてもなお、そこにどこか儚い気配を感じるのも興味深いです。

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そしてこの空間でもっとも長い壁面には、花屋の花がずらりと並び描かれています。

この空間に入った瞬間に眼前に広がる圧倒的な色彩の数々。岩絵の具の美しさが存分に発揮された感じ、加えて線描のシャープさが、現代的な風合いを醸し出します。

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ひとつひとつの花の描写の丁寧さにもおおいに惹かれます。

圧倒的なバリエーションが展開される横長の画面、そこにびっしりとひっきりなしに描かれる花々のかわいらしさ、凛とした表情。

それぞれはしかし、どこか人工的な感触も滲んでくるように感じられ、それが「花屋」の花の刹那を思い起こさせてくれます。

昼夜関係なく、咲く花を光の下に常に晒す様子に、先の小さな青い花とは異なる儚さが伝わってくるような気がします。

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一方、ずらりと並ぶその圧倒的な数量から「選ぶ」面白さも伝わってきます。

これはもう想像上でなのですが、いいなぁ、と思った花を画面より抜き出して別の空間に生ける、そういう連想がひとたび始まると、またそれも楽しかったり。

展開のダイナミックさを思うと間違いなく相当なボリュームの作品なのですが、その実、シンプルな花の絵のように、もっと言うと一輪の花の絵の集積のようにも思えてきます。

この空間でしか体感し得ない壁面構成、そして何より岩絵の具本来の純粋な美しさが印象に残る展覧会です。

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鎌谷徹太郎 Picasso vs Bacon

Gallery Cellar

東京都中央区銀座1-21-14

03-3563-8003

9/9(水)~9/26(土)日月祝休

12:00~19:00

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Tetsutaro Kamagaya Picasso vs Bacon

Gallery Cellar

1-21-14,Ginza,Chuo-ku,Tokyo

03-3563-8003

9/9(Wed)-9/26(Sat) closed on Sunday,Monday and natinoal holiday

12:00-19:00

Google Translate(to English)

「クラシックからの引用」が加速をもたらす、その描写の精度の面白味。

Gallery Cellarでの鎌谷徹太郎さんの個展です。

今年に入り、名古屋から東京は銀座へと移転し新たなスペースをオープンさせたGallery Cellar、ここでお馴染みのアーティストの中でもっとも気になっているひとり、鎌谷さんのクリエイション。前回の名古屋での個展はタイミングが合わずに伺うことが叶わず、また作品は今年のアートフェア東京などでも拝見していたのですが、ようやく個展で観られたことがまず嬉しく、加えて今回は新たなコンセプトへ挑まれ、そこに再現性の高さに加えこれまでとはまたひと味違うユーモアも大胆に織り込まれた実に興味深い世界観が創り出されていて痛快です。

今回の個展では西洋絵画のクラシックを代表する、数多く存在する作家のなかのふたり、Francis BaconとPablo Picassoの世界が大胆に引用され、それが独特な面白さを醸し出しています。

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現代に蘇るその雰囲気。

ぱっと目にして「あ!」と分かる感じが、その世界への距離感を一気に縮めてくれるのと同時に、その独特のマチエル、不思議な透明感を保つ画面がこれまで体験したことのないイメージへと誘ってくれるんです。

そしてその特徴的な画面が、色自体が持つポジティブな鮮やかさを引き立たせ、いかにもあのピカソ的な世界観に異なる深みが備わっているように思えます。

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制作過程が実は相当にユニークで、ここに現れる色彩はすべてがペインティングではないのだそう。

支持体にプリントされたもとの画像と、そこに上から描き足されるさまざまなテクスチャーがなんとも不思議なぼやけた感じ、もしくはさらに細密な再現性とをもたらすことで、独特の雰囲気が創り出されます。

しかも支持体にプリントされる画像は自身が作成したジオラマ的なもの、ちいさな模造を撮影したもの。複雑な道具の使用の行程が、実に現代的な感覚を表出させているように感じられます。加えて最後に画面表面に艶やかな仕上げが施されることで、プリントとペインティングとの差異が限りなく消え、なんとも不思議な精度と風合いを保つ情景が導き出されるんです。

しかし支持体に画像が使われていることへの抵抗感は一切感じられず、むしろ提示したい世界観の精度を上げることに純粋に貢献しているように思えるんです。

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ピカソの滑稽な感触、そこに注がれるユーモアの可笑しみ、ファニーな軽やかさから一転、ベーコンの世界観が引用された作品では独特の透明感はそのままに、そのストイックな雰囲気、シャープで瞬間的な動きがドラスティックに捉えられているような印象を覚えます。とにかくかっこいいんです。

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動きや歪み、シチュエーションの面白さなどが巧みに引用され、そこにさまざまなアイデアがさらに折り重ねられたり、あるいはその表情をストイックに現代に再生させていたりと、そのひとつひとつが持つ雰囲気に引き込まれます。

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モチーフとなった作品と見比べると、その現代的な雰囲気がよりいっそう立ち上がって感じられます。

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ここで繰り広げられる現代的な感覚からは、さまざまなイメージを思い起こさせてくれます。

西洋絵画のクラシックが引用されることで、現代的な平面の解釈が立ち上がってくるようにも感じられます。確実に「本物」は絵の具の立体感、臨場感の凄まじさが力強く伝わってくると思うのですが、鎌谷さんが描く作品は伝えたいイメージが優先され、そこに描かれる情景そのものの爽快感や面白味がより高速に観る側の感性に届くようにも思え、しかしそのために展開される行程の独創性は、いわゆるペインティングとは異なる、これはこれで実に個性的なマチエルも獲得しているように感じられるんです。

何より、まずはぜひ直にご覧頂きたい作品群です。

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大矢加奈子展

hpgrp GALLERY 東京

東京都渋谷区神宮前5-1-15 CHビルB1F

03-6805-0840

9/4(金)~9/27(日)月休

11:00~20:00

Kanako Oya exhibition

hpgrp GALLERY Tokyo

5-1-15-B1F,Jingumae,Shibuya-ku,Tokyo

03-6805-0840

9/4(Fri)-9/27(Sun) closed on Monday

11:00-20:00

Google Translate(to English)

さらにソリッドな深みを放つ、シャープな艶かしさ。

hpgrp GALLERY 東京での大矢加奈子さんの個展です。

Gallery jinでの個展、芸大での学内展、HP FRANCE丸の内のウィンドウやART OSAKAでの堂島ホテルで繰り広げられたバスルームでのインスタレーション、などなど...。初めて拝見したときから相当に高精度の表現性に圧倒され、そこから確実な進化と広がりを感じさせてくれているのですが、今回の個展でもやはりその全身と拡大は留まりを見せることなく、さらに大胆なアプローチと構成に引き込まれます。

おなじみの水まわりの情景を描いた作品も、構図の良い意味での硬さ、それが持つ幾何学的な面白さがより引き出されているような感じがして、これまで以上にハイスピードでその気配に意識が入り込んでいきます。

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人物を描いた作品は逆に有機的な要素がいっそう濃密に展開されているような感触が印象的です。

さまざまなテクスチャーやアプローチが駆使されるペインティング。絶妙な濃淡で織り成されるグラデーションのある種金属的にも感じられる陰影の感触、それと垂れる絵の具の生々しさとが同居し、銅像のようなずっしりとした重厚感とは裏腹の危うさにも溢れているように思えます。その独特な雰囲気を加速させる背景の白、そしてパネルのフラットさが、虚空感を漂わせているように思えるのも印象的です。

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初めて拝見した時から一貫する色調の統一感で、展示されている大作それぞれが異なる気配を思い起こさせてくれるのも印象的です。

先に紹介した作品が、女の子の立ち姿を正面からストレートに捉えた構図が硬質な雰囲気を加速させていたのとは一変、ふたりの女の子の自然な佇まいが描き上げられた作品は、その雰囲気、物語性が膨らみます。ゆらりと揺らぐような気配の感触が、今度は有機的なスリルを奏で、ところどころに現れる絵の具のムラが妖し気な空気感を醸し出します。

このような情景で、多く用いられる暖色系の色調の本来持つ気配感が発揮されているような感じがして、いっそう濃密な雰囲気を生み出し、より深い臨場感をもたらしているように思えます。

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そしてその無機と有機とがひとつの画面で交錯すると、さらにユニークな気配が生み出されます。

ただ眺める、まず伝わってくるのは女の子が床に座る状況なのですが、そこにはなんとなく違和感が満ちているというか、どこかズレのような感触に捕われます。白抜けの床面に浮かぶ柄のようなドットですら浮遊しているような感じや、手前に置かれるさまざまなアイテムが女の子と同じ空間にいる、あるという確信が得られなかったりなど、子の画面に描かれる状況の論理的な現実感は少なくとも僕には一切の説得力をもたらさず、逆にそのズレの感触に大いに惹かれるんです。

加えて、例えば履くハイヒールの圧倒的な艶やかさなどを観るにつけ、あたかも研磨されたかのような仕上がりに尋常でない凄みを感じたり。。。この平面空間に配されるさまざまな要素、それらによって生み出される調和と衝突、過剰に整頓されつつもかえってそこに導き出されている複雑な混沌、それがとにかく面白いんです。

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小品では、小さい画面だからこその密度の濃さが印象的です。

ドールハウスや山並み、それぞれのモチーフのユニークさも興味深く感じられます。

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高いアベレージを保ちながら、そこからさらにポジティブな方向へと突き進み続けるクリエイション。その力強い展開は実に頼もしく感じられます。

僕はまだ読んだことがないのですが、以前ラジオで宮台真司氏が京極夏彦の分厚い小説を評して「どこから読んでも面白い」と仰っていたのと思い出したのですが、大矢さんのクリエイションもそれと同様に「いつから観ても面白い」、そんな印象をあらためて感じた次第です。

このクリエイションが退行することはおよそ想像できない、まず間違いなく精度はさらに突き詰められていき...しかしポジティブな「裏切り」がもしあるのだとしたら大いに期待したい、そう期待させてくれるアーティストのように思えます。

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緑陰幽草 by 藤井雷

閑々居

東京都港区新橋1-8-4 丸忠ビル5F

03-5568-7737

9/11(金)~9/23(水)

11:00~18:00

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Ryokuin-Yuso by Rai Fujii

Kan-Kan Kyo

1-8-4-5F,Shinbashi,Minato-ku,Tokyo

03-5568-7737

9/11(Fri)-9/23(Wed)

11:00-18:00

Google Translate(to English)

この風合いが、現代の感覚で堪能できる喜び...。

閑々居での藤井雷さんの個展です。

藤井さんといえばなんといっても横浜美術館で開催された「日本×画展」の印象が強いのですが、そのときに展示された延々と続く「封筒絵」、それが展開するめくるめく情景の変化になんとも言えない高揚感が湧いてきたのが今でも忘れられず。

そして先に黄金町で拝見した個展で、水墨画としての滋味、豊かで繊細な深み、そこかしこに軽やかにもたらされるあたたかい滑稽さに加え、そこに注がれる現代的なアプローチの面白さにも大いに引かれた次第。

そして今回の閑々居での個展。

画廊内に和室を備えるスペースに展示された作品は水墨画としての本領が充分に発揮され、空間ごと心に染み入るような穏やかで深遠な雰囲気がなんとも心地よく感じられて、それが何より嬉しく思えます。

都会の雑居ビルの典型、そんな感じを彷彿させる外階段を通ってギャラリーの扉を開くと、まず出迎えてくれるのが提灯絵でございます。

提灯というもののかたちが自然に醸し出す可笑しみがなんとも味わい深く伝わり、そこに施される絵の朴訥とした濃淡、綴られる情景の豊かな奥行き、そしてそこで繰り広げられる場面の面白さ...さまざまな味わいが小気味よく、そしてじんわりとした重みを伴って迫ってきます。何だか嬉しくなる感じが良いんです。

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細い通路部分には額装された色紙絵的な小品が並んでいます。

「間」の取り方、画面の空間の豊かさに、イメージも緩やかに広げられていきます。

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ほぼ統一される色調、画面の大きさとそこに描かれる情景の縮尺感の揺らがぬバランス。落とし込まれる情報の量の程よさが、あたたかで和やかな印象をもたらしてくれます。

そして作品によってはそのなかにころりと忍ばされる軽妙な違和感も、楽しさや現代的な深みを思い起こさせてくれるんです。

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額装作品は、他にも模写のがあり、こちらも見応えがあるんです。

和室へ。畳敷きが嬉しいちいさな空間、靴を脱ぎ、框を跨いで畳に座して、対峙する軸層の作品が2点。

それぞれが、藤井さんの水墨画家、ひいては日本画家としての矜持をひしと感じさせ、懐の深さをじっくりと見せてくれている一方で、やはりそこに注がれる現代的な感覚が、その絵にある種の鋭さ、際どさをもたらしているように感じられ、大変興味深いです。

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漆喰の壁に黒い軸が映え、そのなかに描かれる鬱蒼とした細道の情景は、その奥から光が放たれているかのような深い力強さをたたえ、静かに観る者に迫り、その意識を引き込んでいきます。

水墨画としてのストレートアヘッドな仕上がり、モノトーンで沈むように描き上げらた情景。手前にさり気なく、数枚の葉を付ける苗のようなちいさな木。その葉の緑色は墨の黒よりも濃く深く、しかし静かにその存在感を醸し出しています。

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描かれる情景の深み、水墨画としての味わいにひたすら酔いしれます。

そして、その豊かな味わいに充分浸らせてくれるがために、具体的にどこであるかというのは、少なくとも僕にはもはや関係なくなってきます。

もしかしたら藤井さんにとって想い出深い場所なのかもしれない、もしくは前回の黄金町の個展や横浜美術館での展開などからの流れを考え、現存しない情景、いくつかの風景が組み合わせられたフィクショナルなものなのかもしれない,,,。

作品の深み、その絵としての純粋な面白さを左右するところではない部分で、さまざまな想像を思い起こさせ、広げてくれるところに現代美術としての面白さを感じるんです。

まさにここで、古くから連綿と続く水墨画の流れと、さまざまなヴィヴィッドでエポックな出来事がダイナミックに起こり続ける現代美術の流れとがここで交錯している、その現場に立ち会えているような気がして、そこにも嬉しさを感じてしまいます。

そんな深い想いに浸っていて、框のところに置かれるうちわ絵を眺めると力が抜けて楽しくて。

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奥に展示されたもうひとつの提灯絵も実に楽しい、大胆にユーモア溢れる感じが嬉しかったりします。

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実にユニークな立ち位置で、そのユニークさをふんだんに活かしながら、自らのペースでクリエイションを展開していくような印象が実に頼もしく思えます。

これからもその独創的なスタンスで、アートシーンのアクセントたり得てほしい、そう思わせてくれる希有なクリエイション、そういう印象をいっそう強くした次第です。

《9/11》

政田武史 "New Works"

WAKO WORKS OF ART

東京都新宿区西新宿3-18-2-101

03-3373-2860

9/10(木)~10/8(木)日月祝休

11:00~19:00

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やっぱり面白い!

これまでのストロークを重ねる手法はそのままに、その大きさに大小のバリエーションが加わり、そのコントラストがもたらす奥行きにスリリングなダイナミズムが感じられます。

大判の水彩のドローイング作品も展示され、あのアバンギャルドな世界に俯瞰、至近と両面の視点からに置ける広がりがもたらされていて見応えがあります。

今村哲 新作展

Kenji Taki Gallery Tokyo

東京都新宿区西新宿3-18-2-102

03-3378-6051

9/11(金)~10/24(土)日月祝休

12:00~19:00

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前回の個展では凄いインスタレーションを行った今村さん、今回はペインティングのみで構成。さまざなまモチーフの大作が並び、しかし作品に描かれる情景との距離感が共通しているような、不思議なところに統一感を感じるのが興味深いです。

Girl's Zone 05 増子博子×河野里沙

ArtJam Contemporary

東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 2F

03-5449-8122

9/7(月)~10/4(日)9/14、9/24、9/28休

12:00~20:00

増子博子河野里沙090907.jpg

ふたりの女性アーティストをフィーチャーするお馴染みの企画。

Gallery Jinでの個展などで常に印象的な作品を拝見している増子博子さん、大作でのさらにクールなかたちに育った大作が面白いです。

河野里沙さんも大作を発表、そのサイズによって放たれる迫力と深みが面白く、メランコリーな雰囲気が緩やかに溢れる感触と、独特の風合いで描かれる登場人物の憂いを帯びたような表情も印象的です。

SZ vertual/actual [pneuma]

TOKIO OUT of PLACE

東京都港区南麻布4-14-2 麻布大野ビル3F

03-5422-9699

9/11(金)~10/10(土)日月火祝休

12:00~19:00

SZ 090911.jpg

インタラクティブなインスタレーション。

時間に余裕がなく、最初に伺った日は残念ながらそれを体感することが叶わなかったのですが、その設置状況がすでにクールでかっこいいんです。

あらためて伺って体感するのが楽しみです。

青木陵子作品展「オブジェクト・リーディング」

FOIL GALLERY

東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤

03-5835-2285

9/11(金)~10/10(土)日祝休

12:00~19:00(初日:~18:00)

青木陵子090911.jpg

本来の意味は違うかもしれないのですが、「スーパーフラット」の意味が感覚的につかめたような感じが印象的です。

さまざまな紙に描かれるドローイングがギャラリーの壁面に散らばり、それらの「画像」の面白さがシンプルに伝わってきて面白く、その面白さの感触が、リリースされた画集を観た時の面白さと変わらないのが興味深いです。

「月人間展」石黒賢一郎/大森暁生/三田尚弘/須田悦弘/草井裕子/龍口経太/平林貴宏/森口裕二/山口英紀

LOWER AKIHABARA.

東京都千代田区東神田1-11-7 東神田M.Kビル1F

03-5829-8735

9/11(金)~9/26(土)日祝休

11:00~19:00

月人間090911.jpg

とにかくこの面子の作品が揃って面白くないわけがなく。

龍口さん、平林さん、三田さんといった日本画群、石黒さんと山口さんといったスーパーな再現性を誇る平面などなど、それぞれが放つ濃度と説得力に大いに引き込まれます。

《9/12》

片山高志

GALLERY b.TOKYO

東京都中央区京橋3-5-4 吉井ビルB1F

03-5524-1071

9/7(月)~9/12(土)

11:00~19:00(金:~21:00、最終日:17:00)

片山高志090907.jpg

実に楽しい、シュールでブラックな世界が展開されています。

溶けるアイスクリームがスーツを着込む、ガードマンの卵が割れている、擬人化されたポストなど、描かれるモチーフのアバンギャルドさがいちいちブラックな可笑しみを醸し出します。

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空間の大胆な使い方が放つ面白さも。

繰り返される溶けるアイスクリームのモチーフ、切れ味鋭い画面構成とそれが奏でる痛快な奥行き感がとにかく楽しくて、ユーモアも加速します。

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クリアに描き上げられたキャラクターたちがもたらす動きのイメージ、そしてそこかしこから溢れる歪みや唐突さがとにかく興味深いです。

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片山高志04.JPG

肖像画的な作品も相当にシュールな面白さを放っています。

片山高志03.JPG

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描かれる要素がひとつひとつが分かりやすくて、それらが持つ雰囲気や面白味がキャッチーに伝わるのが強みとなって、めくるめくシュールな世界が繰り広げられているのが楽しいです。もっといろんな展開を観てみたいクリエイションです。

片山高志01.JPG

羽毛田信一郎展 気味の悪いこんにちはが来ます

Gallery K

東京都中央区京橋3-9-7 京橋ポイントビル4F

03-3563-4578

9/7(月)~9/12(土)

11:00~19:00(最終日:~17:00)

羽毛田信一郎090907.jpg

再訪。

とにかく大作が素晴らしい!

陰影の豊かさと緻密さ、描かれるキャラクターのシュールで無邪気な姿、そして懐かしい雰囲気が醸し出されるモノトーンの世界観。独特の深みが楽しさを膨らませます。

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他のコンパクトなサイズの作品でも、その雰囲気は保持され、溢れる渋みのなかに展開される大人びたファンタジーがなんとも心地よいです。

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羽毛田信一郎01.JPG

緑陰幽草 by 藤井雷

閑々居

東京都港区新橋1-8-4 丸忠ビル5F

03-5568-7737

9/11(金)~9/23(水)

11:00~18:00

藤井雷090911.jpg

横浜美術館での「日本×画展」での膨大な時間をそのまま落とし込んだ作品、そして先日黄金町で拝見した個展と、それぞれ興味深い世界観が印象に残る藤井雷さん。今回の個展は畳が敷かれる和室があるスペース、閑々居での個展で、連綿と続く滋味に溢れる水墨作品とじっくりと対峙できることが嬉しく、そして何よりこの雰囲気に現代の感覚がしっかりと備わっていることが痛快に感じられます。額装された小品、軸層の作品、提灯絵とバリエーションに富んだ構成も興味深いです。

熊谷直人 "p d"(d)

Gallery Teo

東京都品川区東五反田2-5-15-3F

03-5791-4484

9/5(土)~9/19(土)日月祝休

11:00~19:00

熊谷直人090905.jpg

前回のペインティングの展示も印象的だった熊谷直人さん、今回はドローイング作品による構成で、一帯どんな感じになっているのだろうと想像していたら・・・

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ど、どんだけ!Σ( ̄口 ̄;)

この空間の相当に広い壁面がすべてドローイング作品で覆い尽くされていて圧巻。

MEGUMI OGITA GALLERYでの竹谷満さんの個展でも展開された展示手法ですが、とにかくこのスケールで繰り広げられて、その雰囲気に圧倒されます。

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伺うとここ10年ほどで描き溜められた作品を並べているとのこと。

それだけにさまざまなモチーフが並び、見応えがあります。

前回のペインティングで繰り広げられていた展開を思わせる抽象性の高い作品もそこかしこに。

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さらに遊び心や実験的な雰囲気に溢れるものも。

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密度の濃い展開が興味深い作品も随所に。

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熊谷さんご自身も何点展示されているか分からないという、そのボリュームがとにかく痛快です。そしてそこから興味深い情景が立ち上がってくる感じもまた楽しいんです。

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Chosil Kil "RING THE BELL"

青山|目黒

東京都目黒区上目黒2-30-6

03-3711-4099

9/12(土)~10/10(土)日祝休

12:00~20:00

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おそらく100年後に同じ展示を行ったとしても、そのクオリティは変わらないのではないか、と思わせてくれる、深い説得力が印象に残る展覧会です。

ただそこに、そのままのかたちで置かれているだけなのに、その「もの」が過ごした時間が深みをもたらし、シンプルな構成が美しさをも放っているように感じられます。

じっくりと感じ、そこに様々な思いを重ねていきたいです。

《9/13》

駒沢公園ハウジングギャラリーで開催のKOMAZAWA MUSEUM X ARTへ。

住宅展示場でのアートの展示は昨年の横浜で拝見していてそれが凄く面白かったことが印象に残っていて、ただ時間に余裕がなく充分に観られなかったこともあり、今回は休日に充分時間を取って観てきた次第。

やっぱり楽しいです、これまでギャラリーで拝見してきたクリエイションがいつもと違う表情を見せてくれていて、そのひとつひとつが嬉しく感じられます。

会期も27日までと長いのもありがたいです、ぜひいろいろと見付けていただけたいです。

《9/14》

南舘麻美子展 窓とカーテン―窓からの眺め、ユートピア

シロタ画廊

東京都中央区銀座7-10-8-B1F

03-3572-7971

9/14(月)~9/30(水)日祝休

11:00~19:00(最終日:~17:00)

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朴訥とした感じが不思議な風合いをもたらす南舘麻美子さんの作品たち。

今回は大判の版画作品に加え、膠彩画や木彫作品も多く出品され、独特の世界観の中に豊かなバリエーションが繰り広げられています。

木版画作品は相変わらずの渋み、深みを伴うかわいらしい世界を奏でます。

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膠彩画は、その味わい深いマチエルが印象的です。

沈み込むような深みを醸し出す色調と、それによって淡々と奏でられるファンタジックな雰囲気に、ゆったりと引き込まれます。

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コミカルな表情が織り込まれた作品も。

不思議な可笑しみが滲みます。

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木彫作品の朴訥とした風合いも心地よい響きをもたらします。

彩色の丁寧さとそこに現れる表情のあたたかみ、そしてそこから流れるまろやかな雰囲気に和まされます。

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南舘麻美子01.JPG

岩掘敏行展ディサフィナード | 音痴

シロタ画廊

東京都中央区銀座7-10-8-B1F

03-3572-7971

9/14(月)~9/19(土)

11:00~19:00(最終日:~16:00)

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VOCA展で拝見した時は「なんでまた・・・」と思わざるを得なかった、そのあまりにもイージーな仕上がり。しかし思い返すたびにだんだんとその不思議な魅力に惹かれます。

今回はシロタ画廊の応接スペースでの個展、紙に鉛筆というシンプルな組み合わせで、やはり不思議な味わいを醸し出す作品が発表されています。

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広い紙の画面におおらかな弧を描く線、その落ち着かないゆらゆらと揺れる感じがまた独特の味わいを醸し出していたり。その過剰なまでの素朴さに接した瞬間の「これでいいの?」という印象は間もなく「ああ、これでいいんだ・・・」というなんとも言えない安心感のような気持ちに満たされます。

一転して力強い塗り潰しがなされる作品も。

濃密な黒の色面が醸し出す深みには、他の作品の素朴さにより、逆に得体の知れない畏怖のようなものも感じてしまいます。

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なんといっても、こういった作品を描かれる岩堀さんのご職業がバリバリの理系であるのが、ここに提示される世界の面白味を加速させてくれます。

機会があればいろいろとお話を伺ってみたいなぁ、と思わせてくれるクリエイションです。

岩掘敏行1.JPG

星岳大 個展 “Into The Next Night”

art data bank

東京都中央区銀座7-10-8 第5太陽ビル1F

03-3574-6771

9/7(月)~9/19(土)日祝休

11:00~19:00(最終日:~17:30)

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これまでも折に触れて拝見している星さんの木版画。

今回の個展では過去に制作、発表されたものから新たな展開のものまで幅広い時期の作品が揃い、それぞれが興味深い独特の雰囲気を醸し出しています。

同じ版を繰り返し重ねて摺ることでもたらされる緻密で滋味溢れる濃淡、それが奏でる透明感溢れる気配が印象的です。

そして、1点だけ展示されたタブローも興味深いです。

小泉春香

galleria grafica bis

東京都中央区銀座6-13-4 銀座S2ビル1F

03-5550-1335

9/14(月)~9/19(土)

11:00~19:00(最終日:~17:00)

小泉春香090914.jpg

石粉粘土を用いて制作されるオブジェが並びます。

正面に展示された立像の雰囲気にまず魅了されます。頭髪の色の鮮やかさと、4つ目のおどろおどろしさと鋭さとの混在が放つ強烈なインパクト。未来的な気配の中に濃密な妖しさがもたらされているように感じられます。加えて影の造形が面白味をさらに加速させているように思えます。

奥のほうに展示されたスケールの大きな造形、巨大な動物の背に乗る人たちの姿、その情景のコミカルな風合いも楽しいです。

本間洋展

Gallery K

東京都中央区京橋3-9-7 京橋ポイントビル4F

03-3563-4578

9/14(月)~9/19(土)

11:00~19:00(最終日:~17:00)

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なっ!Σ( ̄口 ̄;)

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背景の艶のない黒が際立たせるモチーフの臨場感。

痛快な深みを伴う情景が、シンプルに展開されていて楽しいです。

カエルをくわえるナマズの図。

コミカルな雰囲気さえも、分厚い奥行き感と迫力を伴って迫ってきます。

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水中を浮遊する感触がなんとも心地よく伝わってきます。

緻密なグラデーションによって描き出されるモチーフの豊かな表情にも惹かれます。

そして、透明感溢れる暗さがなんとも心地よいんです。

本間洋1.JPG

夜中ノ興奮 テラシマサトル

GALLERY b.TOKYO

東京都中央区京橋3-5-4 吉井ビルB1F

03-5524-1071

9/14(月)~9/19(土)

11:00~19:00(金:~21:00、最終日:17:00)

テラシマサトル090914.jpg

僕にとってはebcアトリエでもお馴染みのテラシマサトルさん。

先に開催されたトーキョーワンダーウォールで拝見して嬉しく感じていたところで、このタイミングで開催される個展、夜を思わせるダークな色調の作品が並び、しかしそこに雰囲気的な「暗さ」はほぼ存在せず、実にポジティブでアクティブな雰囲気が画面から膨らんで伝わってきます。

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作品によってはシュールなユーモアも炸裂!

遮断機が下りつつある踏切に駆け込む人々、その状況が既にワケワカランのですが、それ以上に

どんなご一行さまだよ!?Σ( ̄口 ̄;)

ていうかいつの時代だよ!?Σ( ̄口 ̄;)

と突っ込まずにはいられない面々に、想像も暴走しがちでして。とにかく楽しい!

テラシマサトル10.JPG テラシマサトル09.JPG テラシマサトル08.JPG テラシマサトル07.JPG

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さらにシュールな情景は続きます。

この作品など、最初からどんなシチュエーションなのかが分からない、しかし分からないのが分かる、それがまた楽しさを加速させてくれます。

テラシマサトル05.JPG テラシマサトル04.JPG テラシマサトル03.JPG

テラシマサトル02.JPG

この描かれる世界観の独特な風合い、さらに続けて拝見したいです。

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柔らかな器―感覚の境目を行き来する6人の作家 工藤春香 黒野裕一郎 塩川彩生 塩谷良太 しんぞう 平川正

@松の湯二階

東京都新宿区山吹町16

9/14(月)~10/4(日)

16:00~21:00(土日祝:11:00~19:00)

柔らかな器090914.jpg

ま、参りましたぁっ!(≧∇≦)ノ゛

文句なしに面白い展覧会になっていてびっくり、銭湯の2階、ここももともと銭湯だったスペースで、6名のユニークな個性がその面白さを遺憾なく発揮していて痛快な雰囲気が創り出されています。

塩谷良太さんの超巨大クリップの唐突感といい、木の匂いが妖し気な雰囲気を深める平川正さんのインスタレーションといい、まるで湯気越しに眺めているかのような雰囲気が楽しい塩川彩生さんの展示情景といい、それぞれがシチュエーションを活かして楽しくのびのびと展示しているのが伝わってきます。

《9/15》

高倉麻世 うたかた

表参道画廊

東京都渋谷区神宮前4-17-3 アーク・アトリウムB02

03-5775-2469

9/14(月)~9/19(土)

12:00~19:00(最終日:~17:00)

高倉麻世090914.jpg

保たれる透明感。

深い赤紫系の色彩で統一された作品が並びます。

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そこに描かれる人々の仕草は、その豊かな濃淡とグラデーションによっておおらかに描き上げられ、実に深い情景となって現れています。

高倉麻世09.JPG 高倉麻世08.JPG 高倉麻世07.JPG 高倉麻世06.JPG

高倉麻世05.JPG

緩やかな動きを感じさせてくれるのが、そこに深い臨場感をもたらします。

揺らぐような気配感に意識も沈み込んでいくような感じで、心地よい錯覚に満たされます。

高倉麻世04.JPG 高倉麻世03.JPG

高倉麻世02.JPG

伝わる世界観にしっかりとした強度と繊細さも備わっているように感じられ、それがまた嬉しいです。

ぜひ続けて拝見したいと思わせてくれる、独特の心地よさに満ちたクリエイションです。

高倉麻世01.JPG

《9/17》

黒宮菜菜 個展

谷門美術

東京都港区北青山3-3-7 第一青山ビル1F

03–3403–9740

9/17(木)~10/8(木)日月祝休

13:00~19:00

昨年の個展から大きな変化がもたらされていて、それは何より興味深いです。

支持体をアルミ板から樹脂に変え、さらに描くモチーフもドット的な構成からより抽象と具象とが混ざり込んだような妖しく曖昧な雰囲気が押し進められ、独特の濃密さも進化しているのが楽しく感じられます。

圧倒的な艶やかさを誇る作品、抽象的なテクスチャーが独創的な密度をもたらす作品など、さまざまな要素に溢れています。

潮夢 ~記憶/記録シリーズ#1~ ありがとう&TENKI

Gallery ef

東京都台東区雷門2-19-18

03-3841-0442

8/7(金)~8/30(日)火休

12:00~21:00(最終日:~19:00)

ありがとう&TENKI0909118.jpg

どんな展示になるかまったく予想がつかなかったのですが、拝見してそこにもたらされるとてつもないスケール感と深みに瞬間で圧倒されてしまった次第。

ふたつのユニット、それぞれ異なるメディアの5名のクリエイター、その表現が実に絶妙なバランスでブレンドされ、懐の深い豊かな雰囲気が創り出されています。じっくりと対峙したい空間です。

山口裕美プレゼンツ;石塚隆則「霊獣」展

nca | nichido contemporary art

東京都中央区八丁堀4-3-3 ダヴィンチ京橋B1

03-3555-2140

9/4(金)~9/19(土)日月祝休

11:00~19:00

石塚隆則090904.jpg

Takanori Ishizuka "Sacred Beast" curated by Yumi Yamaguchi

nca | nichido contemporary art

4-3-3-B1,Kyobashi,Chuo-ku,Tokyo

03-3555-2140

9/4(Fri)-9/19(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00

Google Translate(to English)

いらっしゃいませで迎えてくれるのはこんなカワイイ小動物。

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あんな隅っこにも1匹。

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近づくと・・・

石塚隆則22.JPG

だ、大丈夫か!?Σ( ̄口 ̄;)

いろんな意味で大丈夫なのか!?Σ( ̄口 ̄;)

目を剥くザ・齧歯目が両手にホネ持ってイエーイの図。

・・・って、おい。

いやもうこんなことでは驚いてなんかいられないほどの凄まじいボリューム、nca | nichido contemporary artでの石塚隆則でございますぅぅぅ!

とにかく凄まじい作品密度。大小の木彫作品が展示空間内に溢れます。

こんな感じで↓

石塚隆則21.JPG

首長ぇよ!Σ( ̄口 ̄;)

ああ!

壁とか床とかもうどーでも!

占めゆくのは容積!空間!

そしていったい何匹!

・・・ハッ!!!

もとい何頭いるんだよ!Σ( ̄口 ̄;)

・・・と、そんな感じで凄まじく濃密な空間が作り上げられています。

なによりこのサイズでの木彫作品というだけでそれはもう相当に迫力があって痛快極まりないのですが、そこに入り込むユーモラスでシュールな要素がその面白味を加速させてくれます。

この巨大な立像ひとつとってもどれだけツッコミどころがあるか考えるともう脳内が「ウヒョー!!!(≧∇≦)ノ゛」てなるんですけど、敢えてひとつ書くとしたら横たわるキツネ風の動物の舌の緊張でしょうか。

上に乗っかられて杖立てられてその頭の上にアバンギャルドだんご三兄弟が乗っかってもさらに鳥がナメた感じで止まっていても実は平気ですぅぅぅっっっ!

みたいな(なんとなく各方面全方位に土下座)。

石塚隆則20.JPG 石塚隆則19.JPG 石塚隆則18.JPG

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動物に髑髏が加わる造形が多いのも印象的です。

力強く彫り上げられる造形の活き活きとした感触、生命力漲る目、そういった要素が醸し出す「生」の感触と、裏腹に「死」を思い起こさせる髑髏とがひとつの作品の中に落ち仕込まれることで、達観や冷静を伴さわえながら、ある生死観が提示されているように感じられます。

石塚隆則16.JPG 石塚隆則15.JPG 石塚隆則14.JPG

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とはいえ、シャレ的な造形が多いのもまた楽しく、それはそれで独特の深みとアクセントをもたらします。

その暴走加減は留まるところを知らず・・・。

思いついちゃって果たして勝ちなのか負けなのかわかんないんですけど、少なくとも作品を拝見する限り、面白いという点で圧勝かと。

これなどどんな北斗の拳だよ!Σ( ̄口 ̄;)的な感じ、ひょっとして鳴き声もアタタタタタとかかよ、みたいな、観る側もひとたびスイッチが入ると想像も暴走しがちで困ります(笑)。

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というか立ってるだけで可笑しいです。

実にバリエーションに富んだ造形が配されています。

それぞれに生命観や生死観などが自然に醸し出されているような印象が、冷静に眺めるとじんわりと心に広がっていきます。

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木彫作品に留まらず、平面のペインティング作品も数点展示されていて、それがストーリー的な広がりを展示空間内にもたらします。

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毛並みの丁寧な描き込み、グラデーションの緻密さなど、単純に絵画としての面白味、見所にも溢れます。そして、木彫の作品群と響き合い、それぞれがさらにダイナミックな生命の感触とユーモアを膨らませて迫るような印象も覚えます。

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いろんなイメージをもたらしてくれる展覧会です。

初日に伺った時は実に大勢の方がいらっしゃってて、この作品数ですからそれはもう混沌とした雰囲気が満ち満ちていて、その時でしか体感し得ない空間のインパクトが強く印象に残っているのですが、あらためて伺うとこれだけの数の作品が溢れていてもそのひとつひとつはしっかりと深いイメージを奏で、初日とは異なる、熱を持つ静謐感、独特の臨場感に包まれる感じが心に残ります。

何はともあれ、大胆な彫りと艶やかな仕上げが奏でる彫刻としての深み、そしてユーモアと生命観とが混在する濃密な雰囲気を体感してほしいと思う次第です。

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松嶋由香利 "vacant evil"

児玉画廊|東京

東京都港区白金3-1-15-1F

03-5449-1559

8/22(土)~9/19(土)日月祝休

11:00~19:00

松嶋由香利090822.jpg

Yukari Matsushima "vacant evil"

Kodama Gallery Tokyo

3-1-15-1F,Shirokane,Minato-ku,Tokyo

8/22(Sat)-9/19(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00

Google Translate(to English)

美しくさざめく色と線。

児玉画廊|東京での松嶋由香利さんの個展です。

松嶋さんの作品は昨年の京都でのignore your perspective展で拝見している黒い紙に鉛筆で描かれたものが印象に残っていて、そこに入り込む線の密度と描かれる風景、大胆な構成の面白さが放つ妖しさ、危うさなど、シンプルながらさまざまなイメージをもたらしてくれたのが印象に残っているのですが、今回の個展ではそのイメージをおおいに覆す、鮮やかな色彩が眼前にぱぁっと広がって、そのスリリングな高揚感をもたらしてくれる情景に一気に惹かれます。

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溢れる色彩。

それぞれの色が持つ鮮やかさ、華やかさが遺憾なく発揮された画面がずらりと並びます。

そしてそれぞれの画面に無数に舞う線、それらが導き出すパターンやモチーフはエキゾチックな風合いを醸し出し、抽象性は高くとも思い浮かぶイメージは実にくっきりとしていてそれがまた独特の心地よさをもたらしてくれます。

4点組の作品、横にパノラマのように並ぶ構成と、大きく広がる軽やかな赤と花吹雪を思い起こさせる無数のストロークにより、いっそうの絢爛の情景、そしてほんのりと「和」の味わいが力強く迫ってきます。

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不思議な奥行き感も大きな魅力です。

艶かしい線描が醸し出す気配は豊かな情景感を導き出し、そこに横たわる物語に幻想的な雰囲気をもたらすように感じられます。

時おり顔を見せる女性的なアプローチ、この作品に置ける画面に登場している女の子の佇む姿などが、そこに収まる色やかたちのひとつひとつに意味をもたらし、情景の豊饒さはさらに膨らんで、たゆたう静けさ、沈むような闇の気配などがより厚い臨場感を伴って緩やかに伝わってきます。

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黒い背景の作品の静けさ、すっと広がりどこまでも続く澄んだ闇のような感触は、その上に重なるストロークに心地よい響きのイメージをもたらすように感じられます。

さまざまなモチーフが大胆に重なり、それによって導き出される奥行き感が幻想的な雰囲気を醸し出します。

画面左上の浮遊する和装の女性の伏せる姿、長く伸びる首、おおよそこわそうなイメージのをもたらすように思えてむしろ軽やかなおかしみを奏で、そのシュールさがここに広がる幻想的な情景に痛快さを軽やかにはなっているように思えるんです。何だか不思議と、実に楽しい絵だなぁ、としみじみ。。。

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明るさを獲得した作品は一転して天真爛漫さが弾け、ポジティブな空気感が立ち上がります。

ひとつひとつのストロークが刹那な感触を奏で、次へ、次へとまるで生き急ぐかのような凄まじい速度を感じさせてくれます。うねる太い枝を思わせる青の線、そこに実がなるように無数のドットが放たれ、それらから垂れる絵の具の痕跡が刹那な気配を煽ります。そして光のようにそこかしこからぱあっと広がる透明感溢れる黄色がさらにその瞬間の鮮度を押し上げているように思えます。

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京都で拝見した、黒い紙を支持体とする鉛筆画も。

ちいさな画面の中に愛おしい情景が満ちています。

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入り口すぐの応接スペースの奥の壁面に並ぶ連作も楽しいです。

くるくると舞う線、すらりすらりとかさなるストローク、さまざまなパターンが豊かな情景を導き出し、それぞれが煌めきを放っているんです。

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さらに、抽象的な水墨画のような風合いを奏でるドローイングも。

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溢れる情報量に翻弄され、その感じがとにかく心地よいんです。

どこまでも天真爛漫で、弾けるようにその世界観を膨張させるエネルギーに満ちた作品、一方で陰へ陰へと入り込むような、たゆたう闇の気配へ沈んでいくような、そんな静かな雰囲気を備える世界観もまた味わい深く。

そして随所に登場するエキゾチックな「和」の感触の痛快さ、さらには女性的な感性が遺憾なく発揮される独特のスリリングなバランス感覚や大胆かつ繊細な構成や女性的な優しいストロークや伸びやかな表現など、ひとたび意識が掴まれるとそこからすいすいと引き込まれる情景が都切り出されていて、なんとも嬉しく感じられます。

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彦坂敏昭 えらぶ・なぞる・わすれる・とじる

遊工房アートスペース

東京都杉並区善福寺3-2-10

03-5930-5009

9/1(火)~9/13(日)

12:00~19:00(最終日:~17:00)

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Tosjiaki Hikosaka exhibition

YUKOBO Art Space

3-2-10,Zenpukuji,Suginami-ku,Tokyo

03-5930-5009

9/1(Tue)-9/13(Sun)

12:00-19:00(last day:-17:00)

Google Translate(to English)

意表を突く展開がもたらすイメージングの過程へのアクセントと、そこからの広がりと。

遊工房アートスペースでの彦坂敏昭さんの個展です。

これまで「燃える家」「テサグリの図面」のシリーズがお馴染み、資生堂ギャラリーと東京都現代美術館という大規模な空間での展覧会をはじめとし、さまざまなグループショーでも拝見していてその度に描き込まれる凄まじい情報量とその緻密さ、そして特異な過程を経て生み出される特徴的なテクスチャーなどにおおいに惹かれていたのですが、今回はそれらのシリーズから一旦離れ、これまでの流れからはおおよそ想像できなかった「人物」をモチーフとした作品が発表されています。

やはりまず目にした瞬間に、そこに描かれているモチーフから「図面」や「家」を探してしまったのですが、それ逆に混乱を招きます。

そしてようやくそこに何が描かれているかが見えてきたとき、一気にその状況のシャープに混沌とした感じが立ち上がり、斬新な臨場感に圧倒された次第。

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分割された画面による構成が、未来的な雰囲気を加速させます。

さまざまなテクスチャーと素材とを用いて作り込まれる、印象としての機械的な混沌。それぞれが放つ音のイメージは相当に金属的で、その衝突がさらに描かれる情景の密度を高め、深めます。

そして、この作品では人物の頭部と脚部をカットした半身図が描かれていて、それを透明の赤がシルエットの輪郭をもたらすと同時に、背景的にも機能していて、このあたりの風合いが彦坂さんの作品に登場するのが新鮮です。

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全体のサイズ的、そして情報量的な圧迫感の痛快さから、今度は分割される画面ひとつひとつに目をやると、それが今度は抽象的な世界として機能していて興味深いです。

ひとつの画面で浸食する赤と残る部分とのせめぎ合いにさまざまなかたちでイメージも刺激され、画面によってさまざまな縮尺のイメージも重なって、その凄まじく複雑な情景の面白さに入り込んでいきます。

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小品も興味深いです。

こちらは頭部のみを3つの画面で描いたシリーズ。

画面と画面の間の隙間も意識的な間隔が設定されていて、それが顔全体から目と口の部分をカットしているように構成されていたり。

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画面を這うようにして硬質で妖し気な曲線を描き出している鉛筆のグラデーションによるラインといい、金属的な光沢を放つ部分といい、さらにそこかしこに現れるさまざまな色彩や圧倒的に細かすぎる線など、細部にわたって見応えに溢れています。

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岡山の大原美術館での滞在制作を経て発表される今回の新しいシリーズ。

これまでの俯瞰から一気に縮尺の分母を下げ、むしろ拡大される画像が実に興味深い世界観を奏でているように感じられます。

その独自の手法による表現に新たな世界が加わり、広がりと膨らみがもたらされことで、これからの彦坂さんの展開にも良い好奇心が湧いていきた次第です。

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《9/4》

岩淵華林

ギャラリー坂巻

東京都中央区京橋2-8-18 昭和ビルB2F

03-3563-1733

8/31(月)~9/5(土)

12:00~19:00(土:~17:00)

昨年の2人展で拝見した時のポップな雰囲気から一転、今回はモノトーンで統一された作品で構成され、ひと味もふた味も違う世界観が展開されていました。

版画作品では、リアルな女性のシルエットと、そこにさまざまな模様を織り交ぜてクールな情景が演出され、硬質なリズムが奏でられています。

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タブローも面白い!

黒の背景に白いシルエットが映え、ユーモアも入り込んで、ユニークな情景が創り出されています。

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そのまわりに並ぶ小品も、それぞれがクールで濃密なアクセントを放っていたのも印象に残っています。

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もっとも印象的だったのがこちらの作品で、艶やかな部分とマッドな部分とのコントラストが不思議な奥行きをもたらしていて、その空間性が興味深いです。

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9月の庭 関根直子 個展

art space kimura ASK?

東京都中央区京橋3-6-5 木邑ビル2F

03-5524-0771

8/31(月)~9/12(土)日休

11:30~19:00(最終日:~17:00)

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抽象性の高い鉛筆画、おおよそどんな展開が繰り出されるかが分かるだけに、そこに現れる情景の微妙な変化にも期待するのですが、いつものさまざまな濃淡を駆使して描かれる情景に実に豊かな雰囲気がもたらされていて嬉しく感じた次第。

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これまで見受けられなかった要素も入り込んでいます。

小さな粒状の余白が大きなスケール感をもたらす作品も。

関根直子09.JPG 関根直子08.JPG

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そして、薄いモノトーンが紡がれる大きな作品が素晴らしいです。

絶妙なテクスチャーが、あたかも雲海のように壮大な広がりを生み出していて、それに加えてさまざまなストロークがそこかしこに潜んでいたり。

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新たな展開も多く観られる、見応えのあるモノクロームの世界が溢れています。

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奥天昌樹展 immature efect

GALLERY b.TOKYO

東京都中央区京橋3-5-4 第1吉井ビルB1

03-5524-1071

8/31(月)~9/5(土)

11:00~19:00(金:~21:00、最終日:17:00)

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シルクスクリーンと油彩とのハイブリッド。

異なるテンションがひとつの画面に挿入され、独特の気配感が構築されています。

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写真製版のリアリティと、油彩ならではの滲みや絵の具の盛り上がりなどの臨場感がアバンギャルドな雰囲気を生み出しているように感じられます。

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さまざまなモチーフがひとつの画面に重ねて織り込まれる作品も。

記憶の残像のように仕上げられた画面、色彩の深みなども相まって、実に分厚いイメージを提供してくれます。

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ペインティングのみの作品も魅力的です。

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小川浩子「水景」

Gallery Q

東京都中央区銀座1-14-12 橋本第17ビル3F

03-3535-2524

8/31(月)~9/5(土)

11:00~19:00(最終日:~17:00)

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長い空間に漂う薄い布。

そこから垂れる無数の糸、そしてその一部の先には縫い針が下がっていて、それが妖しく繊細な雰囲気を紡ぎ出しています。

弛緩と緊張とのコントラストが、豊かで優しい空間にさまざまなイメージをもたらしているように感じられた次第。いつまでも眺めていられるやわらかい空気感が、なんとも不思議で。そこにゆったりと流れる時間の心地よさが印象的です。

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山口裕美プレゼンツ;石塚隆則「霊獣」展

nca | nichido contemporary art

東京都中央区八丁堀4-3-3 ダヴィンチ京橋B1

03-3555-2140

9/4(金)~9/19(土)日月祝休

11:00~19:00

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ずいぶん多いな!Σ( ̄口 ̄;)

入るなりいきなり驚かされる、ひしめく木彫の動物たち。微妙にひょうきんな表情がまた味わい深かったりして、加えてレセプションの時間で実に大勢の方々がいらっしゃっていて賑やかなことこの上なく。

一匹くらいしゃべってるのがいてもおかしくない雰囲気が痛快、人が少ない状態で観たときにもっと見えてくる景色やイメージがあるんだろうなぁ、と想像しています。

大矢加奈子展

hpgrp GALLERY 東京

東京都渋谷区神宮前5-1-15 CHビルB1F

03-6805-0840

9/4(金)~9/27(日)月休

11:00~20:00

初めて拝見した時点ですでに完成されていた精度は、今なお研ぎ澄まされ、いっそうの深みと繊細さを放ちます。

お馴染みの白地にオレンジと紫を多用したペインティング、空間の捉え方や構図の足し引きで面白味が増し、作品の面白い部分、味わうべき部分が研磨されたかのような印象です。

《9/5》

奥原しんこ「花嫁の手紙」

H.P.FRANCE WINDOW GALLERY

東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング1F H.P.FRANCE BIOUX 丸の内店

03-3240-5791

9/4(金)~10/1(木)

11:00~21:00(日祝:~20:00)

家族写真をコラージュして作られる文字、それで紡がれる言葉。

ウェディングをテーマとしたインスタレーションなのですが、男の僕でもぐっと来てほろりと来そうな雰囲気。綴られる言葉に登場するモチーフが刺繍されていて床に置かれていたりと、ひとつひとつの要素が豊かな響きをもたらします。

1点だけ出展されているペインティングも、奥原さんらしいおおらかで豊かな奥行き感が印象的な作品で、それを観られたことも嬉しく感じられた次第です。

羅針盤セレクションvol.4 今、注目の作家展 大源麻友 長雪恵 佐野紀満

アートスペース羅針盤

東京都中央区京橋3-5-3-2F

03-3538-0160

8/31(月)~9/5(土)

11:00~19:00(最終日:17:00)

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3名のアーティストがフィーチャーされた展覧会、GEISAI MUSEUM#2で2位を獲得した大源麻友さんの作品が面白いです。

緻密な描き込みが圧倒的な曼荼羅、その繊細な描写に引き込まれます。

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絹本彩色特有の優雅な美しさが際立ちます。

エキゾチックなモチーフ、大胆な配色と清楚な顔立ちで描かれる女性。要素のひとつひとつが艶やかな風合いを紡ぎ出します。

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豊かな空間性も印象的です。

さまざまな色彩で描かれる煙雲と、羽の絢爛具合と。味わい深い風合いも嬉しいです。

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細やかな描写にはぐっと引き込まれます。

金色の線で描かれる金魚。揺らめく藻の風合い、無数の線が凝縮される鰭、まわりの鮮やかな色彩がクールな雰囲気を際立てます。

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とにかく見応えのある世界観です。

線の美しさ、色の美しさ、素材の美しさの三位一体、これからも拝見したいです。

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NEW DIRECTION展 #1「exp.」小宮太郎+しょうじまさる+藤本涼+三井美幸+宮永亮+村田宗一郎+山下耕平

トーキョーワンダーサイト本郷

東京都文京区本郷2-4-16

03-5689-5331

9/5(土)~9/27(日)月休(月曜日が祝日の場合開廊、翌日休)

11:00~19:00

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面白い!

強烈な個性がパッケージされ、それぞれが見応えのある雰囲気を生み出しています。

2階の藤本涼さんの写真と先日まで京都の児玉画廊での個展で発表されていた宮永亮さんのコラボレーションは見事、他のアーティストもそれぞれ分け与えられた空間で展開、敢えて迷いや不確定性を出してしまうことでさらなる可能性が提示されているように感じられた次第です。

Group Show I

CASHI

東京都中央区日本橋馬喰町2-5-18-1F

03-5825-4703

9/4(金)~9/26(土)日月祝休

11:00~19:00

これまで同ギャラリーで紹介された4名のアーティストが揃ったグループショー。

サガキケイタさんの圧倒的な密度、興梠優護さんの深い世界観、それぞれに濃密な雰囲気を紡いでいます。

悠久斎さんの遊び心、そして助田徹臣さんの新たな展開、それぞれのアプローチのコントラストも興味深いです。

長谷川ちか子「穴 - Punica Granatum」

ラディウムーレントゲンヴェルケ

東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17

03-3662-2666

9/4(金)~9/26(土)日月祝休

11:00~19:00

レントゲンヴェルケのペインティングはこの精度がスタンダードなのか...。

パネルに張られるキャンバス、構図、展示、そのすべてに隙のないインスタレーションが印象的です。

あたかも穴があいたかのような画面構成は、実際にそこを覗き込んでしまわせるほど。硬質で濃密な雰囲気が強く印象に残ります。

荻原賢樹 新作展

ギャラリー・ハシモト

東京都中央区東日本橋3-5-5 矢部ビル2F SPACE355

03-5641-6440

9/4(金)~10/10(土)日月祝休

12:00~19:00

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昨年に引き続いて開催の荻原賢樹さんの個展。

カラフルな色彩が溢れる作品と、黒い線がアグレッシブに交錯する作品とが発表されています。

プリミティブな雰囲気と、濃密で痛快な混沌が心地よいです。

米田知子「Rivers become oceans」

ShugoArts

東京都江東区清澄1-3-2-5F

03-5621-6434

9/5(土)~10/3(土)日月祝休

12:00~19:00

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瑞々しい情景が目に潤いをもたらします。

そぼ降る雨が奏でるモノトーン、ずっと向こうに広がる雲。自然な景色を眺めていて、何もいらない感触に包まれ、その気配に浸っていたくなるんです。

ELMGREEN & DRAGSET「SUPERMODELS」

TAKA ISHII GALLERY

東京都江東区清澄1-3-2-5F

03-5646-6050

9/5(土)~10/3(土)日月祝休

12:00~19:00

渾身のインスタレーションは、ファッショナブルな雰囲気をさらに押し上げて、異次元を思い起こさせる空間が創り出されているように感じられます。

有機的な造形のユーモラスでプリミティブな感触、それらにさまざまなファッションデザイナーが制作した服が着せられていて、キャッチーでファンシーで未来的な世界が広がります。

Ernesto Caivano 彼女が枝にあたえる影響(関係のトポグラフィー)

TKG Contemporary

東京都江東区清澄1-3-2-6F

03-3642-4090

9/5(土)~10/3(土)日月祝休

12:00~19:00

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さまざまなドローイングが並びます。

架空の童話の挿絵のような風合いのものが多いように感じられたのですが、その中に織り込まれる抽象的なモチーフの作品が興味深く感じられた次第で。

万代洋輔「ラジコン」

hiromiyoshii gallery 2

東京都江東区清澄1-3-2-6F

03-5620-0555

9/5(土)~10/3(土)日月祝休

12:00~19:00

TWS渋谷でのMIHOKANNOの展覧会で発表された作品を再構成。

配置が変わると伝わる雰囲気にも変化がもたらされて興味深いです。

さらに今回はひとつの空間での展示ということもあり、それぞれの画面に創出されている硬質な雰囲気がよし臨場感を伴って伝わってくるように思えます。

サーラ・ドラタバディ『Pejvak (god is great)』

MIZUMA ART GALLERY

東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F

03-3793-7931

9/4(金)~9/26(土)日月祝休

11:00~19:00

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イラン人アーティスト、サーラ・ドラタバディさんの個展。

暗い空間に緑の蛍光灯が配されるシンプルな構成、そこに流れる音声に心を委ねると、イメージも深いところへと広がっていきます。

《9/6》

彦坂敏昭 えらぶ・なぞる・わすれる・とじる

遊工房アートスペース

東京都杉並区善福寺3-2-10

03-5930-5009

9/1(火)~9/13(日)

12:00~19:00(最終日:~17:00)

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モチーフの変化が興味深いです。

これまでの俯瞰風景や家などがモチーフとなった作品をイメージしていると、それが何であるか気付くのに時間がかかります。

そして、見えるまでの曖昧さと見えてからのダイナミズムが痛快です。

《9/8》

杉本博司 放電場

ギャラリー小柳

東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル8階

03-3561-1896

9/8(火)~10/10(土)日月祝・8/13~8/17休

11:00~19:00

参りました。

この密度。この空間性。

シンプルな要素はストレートにその深みを感じさせてくれます。

そして、さらに自在にスパークがコントロールされて、実にバリエーションに富んだ豊かな静謐に溢れる情景が提供されています。

じっくりと観て、無数の発見に浸りたいです。

森万里子「フラットストーン」

SCAI THE BATHHOUSE

東京都台東区谷中6-1-23 柏湯跡

03-3821-1144

9/8(火)~10/3(土)日月祝休

12:00~19:00

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これが世界を巡回して今ここにあるのか、と思うと、さらにイメージが深まります。

中央に置かれる縄文式土器を模したオブジェと、それを取り囲むように配される白い石の連なり。静かに眺めていると、だんだんその空間が浮かんでいくような想像が湧いてきます。

平面作品もいろんなイメージを提供してくれます。有機的な要素が未来的な幻想を導き出しているような感じです。

《9/9》

スローガン

OTA FINE ARTS

東京都中央区勝どき2-8-19-4B

03-6273-8611

9/8(火)~10/10(土)日月祝休

11:00~19:00

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4名の個性がひとつの空間で紹介され、実に深い、意識が沈み込むような雰囲気が創り出されています。

嶋田美子さんの過剰に濃密な雰囲気、猪瀬直哉さんの重厚な世界観。このふたつのクリエイションの分厚さは、アキラ・ザ・ハスラーさんの映像、そして照屋勇賢さんのお馴染みの紙袋の木で和らげられます。

鎌谷徹太郎 Picasso vs Bacon

Gallery Cellar

東京都中央区銀座1-21-14

03-3563-8003

9/9(水)~9/26(土)日月祝休

12:00~19:00

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そいいうことか!と感心しきり。

ユニークな過程を経て制作されるオリジナリティ溢れるリアリティ。

今回のテーマも実に面白く、個性がいっそう面白く発揮されているように感じられます。実に痛快な世界です。

岩澤慶典 -animalism-

ギャラリー坂巻

東京都中央区京橋2-8-18 昭和ビルB2F

03-3563-1733

9/7(月)~9/19(土)日休

12:00~19:00

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もう随分長く知っているアーティストである岩澤慶典さん、意外にも個展で拝見するのは今回が初めて。

ファンタジックさとユーモアとが絶妙なバランスで織り込まれる、ユニークな世界が描き上げられています。動物たちのすがたの精緻さにも感嘆、そしてその情景の深みを伴う面白さに惹かれます。

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やわらかな筆致が豊かな響きをもたらします。

シュールさも案外鮮烈に挿入されていたりするのですが、それを直接的に感じさせない穏やかさが心地よく感じられます。

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落ち着きある色調も心に優しく響きます。

描写の精度の高さと構図の安定感も印象的です。

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羽毛田信一郎展 気味の悪いこんにちはが来ます

Gallery K

東京都中央区京橋3-9-7 京橋ポイントビル4F

03-3563-4578

9/7(月)~9/12(土)

11:00~19:00(最終日:~17:00)

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これまで小さな作品を拝見することが多かったこともあり、今回の個展で発表されている大作にひたすら圧倒されます。

絹本の深み、そこにもたらされるストロークから溢れる滋味。場面のリアルな臨場感と、そこに登場する生物のユニークな姿のギャップが、独特な幻想世界を導き出します。

大森さやか

Galley 58

東京都中央区銀座4-4-13 琉映ビル4F

03-3561-9177

9/7(月)~9/12(土)

12:00~19:00(最終日:~17:00)

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抽象的な世界がずらりと並びます。

特にDMに採用された作品が面白いです、さまざまなテクスチャーが交錯し、ユーモラスさも備わる奥行き感がもたらされます。このテイストの抽象世界に最近興味があって、これからどんなふうに発展していくかが楽しみです。

《買った本》

「星間商事株式会社社史編纂室」三浦しをん

「向日葵の咲かない夏」道尾秀介

《買ったCD》

「waterproof」chiharu mk

「Mirror Flake」cokiyu

はまぐちさくらこ「生戦」

artdish g

東京都新宿区矢来町107

03-3269-7289

8/22(土)~9/16(水)月休

12:00~22:00

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Sakurako Hamaguchi solo exhibition

artdish g

107,Yarai-cho,Shinjuku-ku,Tokyo

03-3269-7289

8/22(Sat)-9/16(Wed) closed on Monday

12:00-22:00

Google Translate(to English)

その元気、さらに膨らんで・・・!

artdish gでのはまぐちさくらこさんの個展です。

変わらないポジティブな雰囲気、それはもうこのギャラリーのちいさな展示スペースに収まらず、カフェスペースにも溢れます。

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お馴染みの目が大きな女の子のキャラクターたち。

天真爛漫さは加速し、とてつもなくエネルギッシュに小さな画面いっぱいに、いきいきとした動きを感じさせてくれます。背景の色彩もその伸びやかさを押し上げて、イマジネーションの膨らみをそのまま現してるかのような雰囲気はやっぱり痛快です。

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ギャラリースペースを入り口から覗くと...

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ど、

ど、

どんだけデカいんだよ!Σ( ̄口 ̄;)

なんかもう、いくら何でも、と全力で呆れてしまうほどに途方もないサイズの大きさの作品が!

いやもう!

スゴい!

すべてを圧倒するそのサイズ、小さい空間とはいえそのもっとも広い壁面全体をほぼ追い尽くすほどの画面、その大きさを持ってしても収まり切らないの!って感じが楽しい!嬉しい!

描かれるさまざまな情景に勢いを感じます。

縮尺の解釈などどーでもいい、思い浮かんだものを画面に投げ込むようにして、その衝動に任せて描き、描いたものが今度は触媒となってあらたにイマジネーションを刺激、さらなる描き込みが紡ぎ出され、というポジティブな連鎖を思い起こさせてくれる感じが楽しいんです!

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サイズと比例し呼応するかのような大きくおおらかな構図が繰り広げられる一方で、内へ内へ、細かい方へと向かうミニマムな衝動もそこかしこに収められていきます。

そうやって描かれるモチーフのひとつひとつがカワイイ!

統一感とかムツカしいことは一切無視、描かれるキャラクターたちが、そしてもっと言うと線や色そのものが活き活きとしています。彼ら彼女らに出会うたびに脳内でイメージが弾けて広がって、この世界観もいっそう立体的になっていくんです。

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浴びるように体感するはまぐちさんの世界。

このサイズの画面がこのちいさな空間で接することができるのも貴重ですし、それがもたらす臨場感にも感嘆させられます。

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別の壁面も負けていません、一転して背景の青が空と海を混在させてしまったような雰囲気を生み出し、そこにこれまたさまざまな情報が凝縮されて、アグレッシブでアクロバティックな雰囲気が空間にもたらされます。

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もうひとつの壁面には小品がぎゅっと詰め込まれています。

広い画面のおおきな世界から一転、今度はちいさな画面に凝縮される場面の濃密さに、それぞれのスピード感に、やはりポジティブなイメージが伝わってきます。

それぞれの色彩感も楽しいんです、いかにもはまぐちさんらしい鮮やかな色彩のものがあるかと思えば、意表を突く色彩構成があったりとバラエティに富んでいて、いろんな魅力も伝わってきます。

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描くことの楽しさがストレートに伝わってくるのが何より嬉しいんです。

もちろんそこにはさまざまな葛藤もあるかもしれないと思います、しかし、そういったこと、大げさに言うともしかしたらこのアーティストは「描けないこと」さえも「描くこと」で克服していっているんじゃないか、そういうふうに思わせてくれるのはホントにありがたいし、元気づけられます。

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そしてその先に笑顔があれば。

ふわりとした優しさがさり気なく溢れます。

膨らみまくる元気のなかに灯るほっこりとした雰囲気がまた嬉しかったり。

無垢な感性がいっぱいに発揮された展覧会です!

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小橋陽介

Gallery MoMo Ryogoku

東京都墨田区亀沢1-7-15

03-3621-6813

8/22(土)~9/12(土)日月祝休

11:00~19:00

小橋陽介090822.jpg

Yosuke Kobashi exhibition

GALLERY MoMo Ryogoku

1-7-15,Kamezawa,Sumida-ku,Tokyo

8/22(Sat)-9/12(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00

Google Translate(to English)

ここまで来るともはやそのスタンスは孤高。

徹底して自画像、小橋陽介さんのGallery MoMo Ryogokuでの早くも2回目の個展です。

小橋陽介36.JPG

今回も怒濤の自画像ワールド炸裂でございますぅぅぅっっっ!

前回の個展では新たな空間へのチャレンジと調和を思わせるように、大きく描き出された自画像が多数登場していたのが印象的ですが、今回は原点回帰というか、自身の本来のスタイルへと戻り、大きなものから見逃してしまいそうなほどに小さいものまでさまざまな自画像が登場、これまた大小の画面をこれでもかと行き交い、暴れ回り、さまざまな表情と仕草でアピールしてきます!

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手前の長く伸びるスペースの壁面に、今回もっとも大きな作品が。

夜を思わせる濃いめの青の空、スコーンと奥へと抜けるキャッチーな空間性。

グラフィカルでリズミカルなモチーフも背景に多数投入、巨大な色面の圧倒的なパワーやくねくねと破天荒に画面を這い、強烈に濃密でシュールな世界観が導き出されています。

無論、自画像も大小さまざまなサイズに加え豊かな色彩で描き込まれ、めちゃくちゃにキッチュな場面の出来上がりでございます。

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その向かいはずらりと並ぶ小品群。これまた圧倒的!

絢爛の情景の連続、夢十夜ではないですけど(そもそも数が足りてない・・・)、それぞれの画面に収まるシーンのバラエティの広さ、ひとつひとつの濃密な雰囲気はこれだけ並ぶことで引き立て合い、その濃さを個性のベクトル進行へと加速させます。

ていうか四の五の言わず、あーもう楽しい!そんな感じで接するが善し!

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まーとにかく大きな作品になるとそこに描かれる自画像の数も自然と多くなりまして。

比較的見付けやすい大きなものはその表情から様々な思いが伺える感じが楽しく、

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見逃しちゃいそうなサイズの自画像は意表を突く、いやむしろ突きすぎなくらいに破天荒な仕草で登場、

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さらにゲストでいろんな動物たちもその姿を現します。

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賑やかなことこの上なく、加えてさまざまな自画像が放つ雰囲気のギャップと交錯がさらに面白味を深めます。

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そして今回印象的なのが、これまでにはあまり見受けられなかった(というか記憶にあまり残っていないだけかもしれないんですけど)、アンニュイな表情の自画像が多く描かれている点でして。

痛快、天真爛漫、破天荒、平面の中でやりたい放題のアクティブでアグレッシブな雰囲気も一転して、色彩やシチュエーションの派手さとは裏腹に不思議な静謐、静けさを醸し出しているように思えてくるんです。

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さらに新展開、動物だけが描かれた作品も。

意表を突く場所に展示されていたりしてそれも楽しいです。

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自画像が紡ぐ物語はさらに厚みを増していきます。

作品が増えれば増えるほど広がり続けるバリエーション、バラエティ。

徹底していながら義務感やストイックさは微塵にも感じさせない、描きたい本能だけがダイレクトに溢れる世界はやはり今回も健在、とてつもなく痛快です。

そしてこれからどうなっていくのだろう、と興味も湧いてきます。

今回発表された、少なくとも僕は初めて拝見する自画像以外の作品。比較的小さなサイズでしたが、自画像とのバランスがどんな響きをもたらすのかなど、好奇心も膨らんでいきます。

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プレイ・ルーム 黒川知希 マーティン・マニグ 松橋萌

NANZUKA UNDERGROUND

東京都港区白金3-1-15-2F

03-6459-3130

8/22(土)~9/12(土)日月祝休

11:00~19:00

[ PLAY ROOM  ] (Group show by Tomoki Kurokawa, Martin Mannig, Moe Matsuhashi)

NANZUKA UNDERGROUND

3-1-15-2F,Shirokane,Minato-ku,Tokyo

8/22(Sat)-9/12(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00

Google Translate(to English)

この鋭くヴィヴィッドな色彩感こそ、NANZUKA UNDERGROUNDの真骨頂。

3人のアーティストによる、バラエティに富んだクリエイションがパッケージされた展覧会です。

いやもう痛快、さまざまな色彩が溢れるだけでなく、そのすべてにスピード感が備わっているかのような、独特の爽快感と、しかしそこにはギャラリー名にアンダーグラウンドと冠されることだけあって、相当に分厚い危うさ、アウトローな社会性も伝わってくる空気感に包まれます。

まず、ドイツ人アーティスト、マーティン・マニグさんのサディスティックなペインティング。カートゥーン的な軽みの中に収まるシュールで危うい感覚。肖像的な作品が数点展示されていて、それらはいずれもどこか尖った雰囲気を感じさせてくれます。

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大作では多くのモチーフがひとつの画面に収められることでそれぞれが醸し出す危うげな雰囲気がかさなり、あるいは衝突し、ネガティブなエネルギーを発しているように思えます。垂れる絵の具の痕、異常に豊かな表情のキャラクター群、それらを描き出す線の過激で繊細な風合い。時空をねじ曲げるように物語は交錯し、アバンギャルドな幻想へと導いてくれるような印象です。

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黒川知希さんは一転して、同じくマンガ的な味わいをもたらしつつも、くっきりとしたキャッチーな描写がユーモラスな雰囲気を創り出します。

そして、マーティンさんが歪ませるのが時空、時間だとしたら、黒川さんのこの作品は空間を歪ませにかかっているような感じが痛快です。

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圧倒的にポップな配色と個性が楽しく、そして色彩だけであればキャンディのように甘く分かりやすいイメージであるのに、何故だかそのシチュエーションにハードボイルドなクールネスを感じてしまいます。

野球なのは分かる、しかしこの幻影感というか、状況の奇妙さは、円城塔氏の小説「オフ・ザ・ベースボール」のベースボールのような、冷静と狂気、もしくは冷静な狂気、そういう要素の最短の帰結、そういった印象、自分で書いていても分からなくなってくるんですけど、その分からなさがまた頼もしかったり。

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黒川知希6.JPG

シチュエーションとしては比較的分かりやすそうなこの作品でも、そこかしこに現れる「ズレ」が、これだけキャッチーな色彩と線とで構成されていながらも、さまざまな奇妙さ、放たれる歪んだ空間性に、おかしい、変だ、と思いつつも引き込まれていくんです。

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黒川知希1.JPG

今回のグループショーが同ギャラリーでは初のお目見えとなる松橋萌さん、プレスなどでは平面作品を拝見していて、独特の風合いに興味を持ったのですが...

何だこれはぁぁっっ!Σ( ̄口 ̄;)

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まあお約束、何故にランドセルしかも巨大その上微妙な色調、なんだかこの状況が提示された時点で

負けた・・・orz

と思ってしまった次第。ディテールの作り込み具合も微妙に微妙だったりするのも、あり!

むしろ、よし!

しかも背中に接する部分に設置されたモニター、そこで流されているアニメーションもなかなか面白く。

ところどころ強引に感じる部分がなくはないんですけど、カワイイ雰囲気に引いて呑まれるという器用な距離感で対応、いやもう楽しいんですよ。

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ビルを模した作品も楽しいです。

「懸命」と「適当」のバランスがこの痛快さにメロウな濃密さをもたらしているような感じで。窓から覗く部屋の様子もいちいちほどほどに細かくて面白味が滲み出てきます。

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松橋萌07.JPG

メインスペースに展示された平面作品は、色使いの面白さが弾けます!

全体的な青みがかったトーンがもたらす不思議な気配感と温度感。絵が勝ている景色自体は案外現実的で、しかし側面に至るまで描かれる絵の具の質感は、ところどころに剥落を思わせるざらついたマチエルがあったり、あるいは高密度で複雑な広がりを見せる滲みがあったりと、そこかしこに観られる抽象性がとにかく面白いんです。

もっと見たい!

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松橋萌02.JPG

それぞれのクリエイションが放つアクティブな色彩感、その衝突がエネルギッシュな空気感をもたらしています。

なんかもう、ぱーん!と膨らんで弾けるような雰囲気に包まれているのが痛快で。この高揚感が堪らないんです!

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立石大河亞/田中圭介/平川なつみ/松宮硝子「Unfamilier Landscape」

山本現代

東京都港区白金3-1-15-3F

03-6383-0626

8/22(土)~9/12(土)日月祝休

11:00~19:00(金:~20:00)

TATEISHI,Tiger/TANAKA,Keisuke/HIRAKAWA,Natsumi/MATSUMIYA,Shoko "Unfamilier Landscape"

YAMAMOTO GENDAI

3-1-15-3F,Shirokane,Minato-ku,Tokyo<

03-6383-0626

8/22(Sat)-9/12(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00(Fri:-20:00)

Google Translate(to English)

4名のアーティストがフィーチャーされたグループショー、それぞれが見せる「景色」がなんとも不思議な響きを空間にもたらします。

入り口すぐに設けられたコンパクトなブース。こちらに田中圭介さんの小作品が展示されています。

お馴染みの構造、縦の動線が美しい造形の作品が正面に。

彩色の丁寧さと木々や雲の独特の仕上がり、それらの連なりの麓に佇むニワトリのなんともいえないかわいらしさ。このあたたかみと神々しさがが溢れる気配、それがコンパクトに収められて、そこに引き込まれます。

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そしてここに並ぶ他の作品は、ユーモア溢れるシチュエーションが堪らないのです。刹那、

なぜそこに!Σ( ̄口 ̄;)

と思うも束の間、かわいらしさの加速とその一方でのんびりほんわかとした緩やかさ、さらにシュールさによる緊張感と、作り込まれたちいさな空間からさまざまなアクセントが交錯します。

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田中圭介5.JPG

メインのスペースにも、柱状の作品が。

この細さ、縦長の感じが、ある気配を凝縮させ、緊張感をもたらします。

そして柱状の造形に視線を這わせると、まるで綴られる物語のように、樹木と雲に紛れるようにしてそこかしこに場面を思わせるモチーフが登場し、人の姿こそ現れないものの、あるひとつの人生のの始まりと終わりを思い起こさせてくれるのが興味深く、そして深いイメージをもたらしてくれます。

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田中圭介1.JPG

お馴染み、ドゥークーヒープーという想像上の生命体を繊細なガラスの造形で表現する、一度目にしたら忘れられない松宮硝子さんのインスタレーション。

奥まった一角に、ひんやりとするような独特の緊張感に満ちた情景が作り上げられています。

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その緊張感は、これまで以上にスリリングに届きます。

床にどっしりと座るのではなく、今回は足で立っています。体毛のように無数のガラスの棘が生える細い足4本で支えられる塊。構えるようにも思える佇まいに感心すると当時に、その姿がこの情景への意識の入り込みを加速させてくれます。

松宮硝子6.JPG

松宮硝子5.JPG

その4本足の塊から上へと伸びるガラスの線。

複雑に交錯するラインが上昇のイメージをもたらします。

そこかしこに現れる小さな塊の弾け咲くような感じや、ガラスの冷たく澄んだ透明感が、想像上の情景にさらに神々しい気配をもたらしているようにも思えてきます。

松宮硝子4.JPG 松宮硝子3.JPG

松宮硝子2.JPG

そして天井へ。

青い球体の、すべてのエネルギーを吸い込むような存在感。

ギリギリの調和が醸す果敢なげさ、空気の揺れさえも影響してしまいそうな際どさに圧倒されます。

松宮硝子1.JPG

孤高の緊張感を体感した後、あらためて平川なつみさんのペインティングを観る。

驚きの表情を浮かべる青年。

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「んー?」と振り返る...なんですかねー、おそらく妖怪ランクはねずみ男とかこなきじじいとかその辺りじゃないんですかねー。一応カマ持ってたりして怖いですよねー。

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・・・ていうか青年よ。

平川なつみ3.JPG

なんで小屋のなかにいるんだよ!Σ( ̄口 ̄;)

外から眺めてヤバい表情浮かべるんだったら分かる、なんでまた入んなくてもいいところに入っちゃってるわけですか、と。

しかも見つかってるし。

・・・そういうことを考え始めると想像はどんど暴走していきます、そこにあるすべてが可笑しく思えてくるという、いやもう最高。

そういう意味ではこちらもおおいに凄いのです。

何かが間違ってる!Σ( ̄口 ̄;)

もとい

すべて間違っとる!Σ( ̄口 ̄;)

と心の中で雄叫びを挙げる一方で、実はすべて正解だったりするかもしれないと思うと...

あーもうタマラン!!!(≧∇≦)ノ゛

となる次第。ああ、こんなに暗い色調なのに盛り上がること盛り上がること。

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空間の描写がとにかく面白いんです。

不思議な広がりが感じられ、そしてこのダークな気配感。

もっといろいろと拝見してみたいです。

平川なつみ1.JPG

雰囲気も世界観もまったく異なるさまざまな個性が溢れ、痛快に乱れ交錯する空間を、立石大河亞さんの小品が力強く、そしてスマートに纏めます。

ふわりと軽やかで明るい色調、そこに描かれるシュールなモチーフ、奇妙な幻想世界。

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特に今回出展されている作品は淡々とした感触が印象的で、その薄暗い気配感が深い静謐となって伝わります。

妖し気なモチーフの「分からない」感じ、謎めく感じがもたらすほんのりとした「怖さ」の緊張感にも惹かれます。

立石大河亞2.JPG

絵の世界に調和するかのような色が塗布された額に収まることで、その分厚くファットな世界観もまろやかに伝わってくるようにも感じられます。

立石大河亞1.JPG

さまざまな発見と、スピード感も深みも異なるそれぞれのクリエイションが引き立てあう面白味とが溢れていて、実に見応えある、体感し甲斐のある空間が提供されています。

《8/28》

第1回所沢ビエンナーレ美術展「引込線」

@西武鉄道旧所沢車両工場

埼玉県所沢市東住吉10-1

080-3537-3021

8/28(金)~9/23(水)水休

10:00~18:00

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見応えがあって嬉しいです。

空間の大きさを活かしてそれぞれのアーティストがダイナミックな展示を展開、そのひとつひとつがエネルギッシュに感じられます。

ベテラン勢がその存在感を力強く放ち、若手も壮大な展開をここぞととばかりに繰り広げているように感じられます。そして平面作品も、いつもと違う雰囲気がひと味異なる気配を醸し出しているようにも思えたり。

《8/29》

松嶋由香利 "vacant evil"

児玉画廊|東京

東京都港区白金3-1-15-1F

03-5449-1559

8/22(土)~9/19(土)日月祝休

11:00~19:00

松嶋由香利090822.jpg

京都でのignore your perspectiveで、黒い紙に鉛筆で描いたドローイング作品が印象に残っている松嶋由香利さん。今回の個展では、そのときに発表された手法の作品を導入に、さまざまな色彩を取り込み、豊かな線や色面が画面上でアグレッシブに交錯、ヴィヴィッドな情景が織り上げられるように描かれていて楽しい!

さまざまな時間帯を思わせる作品が揃い、いろんなイメージが伝わってきます。

プレイ・ルーム 黒川知希 マーティン・マニグ 松橋萌

NANZUKA UNDERGROUND

東京都港区白金3-1-15-2F

03-6459-3130

8/22(土)~9/12(土)日月祝休

11:00~19:00

このヴィヴィッドな色彩感はNANZUKA UNDERGROUNDの真骨頂。

黒川知希さんのクリアな色面構成、危うい風合いのモチーフがスリリングな気配を放つマーティン・マニグさんのペインティング、そして松橋萌さんのコミカルさが膨張する立体作品と、さまざまなテクスチャーが現れるペインティング、それぞれから突き抜けるような色彩のインパクトが痛快です。

立石大河亞/田中圭介/平川なつみ/松宮硝子「Unfamilier Landscape」

山本現代

東京都港区白金3-1-15-3F

03-6383-0626

8/22(土)~9/12(土)日月祝休

11:00~19:00(金:~20:00)

メディアもさまざまなクリエイションがパッケージされ、見応えのある構成が繰り広げられています。

田中圭介さんの木彫作品のユーモアと深遠さ、松宮硝子さんのお馴染みの想像上の静物をモチーフとしたトゲトゲのガラスのインスタレーション。

平川なつみさんのペインティングは突っ込みどころ満載でひとたびその世界観に入り込むとどうしようもなく面白過ぎ、そしてこの奇天烈な構成を立石大河亞さんの額装された油彩作品がきりりと締める、そういう構成が印象に残ります。

河井美咲個展 Homeland 2020

TAKE NINAGAWA

東京都港区東麻布2-12-4 信栄ビル1F

03-5571-5844

8/29(土)~10/3(土)日月祝休

11:00~19:00

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!Σ( ̄口 ̄;)

前回の個展も相当に濃いインスタレーションが繰り広げられていたこともあってある程度凄いものを想像していた...つもりだったのですが。

あのボリューム感、負けた...orz

とにかく、比較的小さめのスペースにぎゅうぎゅうに詰め込んだインスタレーション、そこに流れるのんびりと牧歌的な音楽と、嫌でもポジティブな気持ちにさせてくれる展示です。

渡辺明鈴香 昼景、伝言 day view and massage

ギャラリーゴトウ

東京都中央区銀座1-7-5 銀座中央通りビル7階

03-6410-8881

8/24(月)~8/29(土)

11:30~18:30(最終日:~16:30)

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直近では谷門美術での個展で拝見している渡辺明鈴香さん。

そのときはドローイングとペインティングで構成、ふわりとした感触が心地良かったのですが、今回はパネルに直に描かれた新しい手法の作品を発表。淡くあたたかみ溢れる色彩はそのままに、描かれるモチーフに広がりがもたらされたような感触が気持ちいいです。

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組み合わせられるモチーフは思いのほかシュールなのですが、色彩のテイストがそれを自然な感じにしているのも印象的です。ところどころにちょっとくっきりとした色が灯され、それも良い塩梅のアクセントとなっています。

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小品でも遊び心が溢れています。

いわゆるパワフルさ、強いインパクトはないのですが、このやさしい雰囲気、それがさらにナチュラルに進化しているような感じが嬉しく思えた次第です。

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小橋陽介

Gallery MoMo Ryogoku

東京都墨田区亀沢1-7-15

03-3621-6813

8/22(土)~9/12(土)日月祝休

11:00~19:00

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いやはや、いつにもまして賑やかな...。

相変わらず天真爛漫に展開する自画像、アグレッシブに弾けるようなものある一方で、アンニュイな表情が印象的な作品もあり、バリエーションに富んだ雰囲気が痛快です。

「納涼について」

成山画廊

東京都千代田区九段南2-2-8 松岡九段ビル205号

03-3264-4871

8/17(月)~9/5(土)日水休

15:00~19:00

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松井冬子さんの新作が...

おおぉぉぉぉぉぃぃぃぃっっっっ!Σ( ̄口 ̄;)

いや、凄いです。ある意味大問題作かと(汗)。

川口奈々子「7人の小人はまだ来ない」

Yuka Sasahara Gallery

東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第三ビル4F

03-5228-5616

8/29(土)~10/3(土)日月祝休

11:00~19:00

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面白い!

これまでも有機的な色面の重なりでさまざまな情景を描き出していた印象がありましたが、今回発表された作品ではさらに色面のかたちが細かく複雑になり、密度の濃い描き込みがそのまま世界観の深さへと転化したような感じで。

ヴィヴィッドさはそのままに、妖しいメロウネスが溢れる空間が創り出されています。

藤原康博個展「記憶の肌ざわり」

MORI YU GALLERY TOKYO

東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第三ビル4F

03-6906-9556

8/29(土)~9/19(土)日月祝休

12:00~19:00

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Yuka Sasahara Galleryでの川口さんの個展がさまざまな色に溢れていることもあり、この藤原康博さんの個展はその渋み、ダンディズムが深く感じられます。

さまざまなメディアの作品が配されていながらも、統一感に支配され、そこから伝わるイメージのソリッドさにも感じ入ります。

《9/3》

TOKYO PHOTO 2009

ベルサール六本木1F・B1F

東京都港区六本木7-18-18

9/4(金)~9/6(日)月休

11:00~17:00(9/5:~19:00)

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国内で初めて開催される、写真に特化したアートフェア。そのレセプションに行ってきました。

まず、構成が素晴らしいです。天井の高い空間に背の高いパーテーションが組み込まれ、ブースによって白と黒に壁面が分けられて、そのソリッドな空間が展示される写真作品を引き立てています。

そして何より、写真作品だけが展示されていることで、これだけ集中してチェックできるのかと思った次第。

TARO NASUのブースで紹介されていた松江泰治さんの新作、大阪から参加のMEMでの森村泰昌さんの軸装作品や今を知るものに撮ってはその雰囲気の差に驚かされる澤田知子さんの初期の作品群、TOMIO KOYAMA GALLERYノブースの黒の壁面によっていっそうそのシャープさを立ち上げられる福居伸宏さんの作品などが特に印象的。

小さなプリントの展示が少なめなのがちょっと残念な気もしましたが、ショーとして充分に見応えがあります。

山田純嗣 新作展 "The Pure Land"

不忍画廊

東京都中央区八重洲1-5-3 不二ビル1F

03-3271-3810

8/3(月)~8/29(土)日休

11:00~18:00(土:~17:00)

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Junji Yamada "The Pure Land"

Shinobazu Gallery

1-5-3-1F,Yaesu,Chuo-ku,Tokyo

03-3271-3810

8/3(Mon)-8/29(Sat) closed on Sunday

11:00-18:00(Sat:-17:00)

Google Translate(to English)

具体的なモチーフを得て、さらに深みを持ち、イメージの到達への加速が促される。。。

不忍画廊での山田純嗣さんの個展です。

自ら制作したジオラマを撮影し、その写真画像にさらに銅版による線描を重ねるという極めてユニークな手法で制作される、独創的なモノクロームの世界。これまではオリジナルな情景を導き出していましたが、今回は自らも慣れ親しみ、リスペクトするさまざまな名画をモチーフに採用。その遊び心にも満ちるアプローチが実に豊かな表現を生むだけでなく、観る側の想像の深度もダイナミックに後押しし、そして自身のオリジナリティ溢れる手法の面白さもより強く提示されているように感じられます。

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さまざまなモチーフが登場します。

ダイナミックに再現される波、海景。

お馴染みの有機的な質感をたたえる造形のほっこりとコミカルな感触はそのままに、しかし波の飛沫の力強さなど、これまでは造形は有機的でも構造は一貫して無機だった印象から広がり、ある種のグラフィカルなアプローチがとにかく楽しく、想像を膨らませてくれます。

そして、そこに被さる銅版の線には、さまざまな隠れキャラが。臨場感たっぷりの壮大な波の造形の合間からひょこんと鯉が飛び上がっていたり、はたまた髑髏があるらしかったり、さらに波間の泡のようなものを思い起こさせる緻密なストロークが塊になっていたりと、いくつもの発見がその複雑な構造をもつひとつの平面のなかに散りばめられていて、見つける楽しみにも溢れています。

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その隣に展示されている、一転して黒の世界。そして描かれるモチーフは炎。

尋常でない力強さにおおいに惹かれます。

おおらかな波の印象とは裏腹に、燃え盛る炎の一瞬のかたちを捉え、それを立体像系へで再現することで永遠のかたちへと落とし込み、そしてさらに写真で収めることで、実に深い深遠さ、静謐感、そして圧倒的に濃密な世界観が落ち出されているように感じられます。

また、重ねられる銅版の線描もストイックに有機的なパターンが紡ぎ出されていて、この作品における時間の流れのイメージを高次元のベクトルへと広げているように感じられます。

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白と黒とのコントラストも実にユニークな見応えと見所を提供してくれています。

黒の画面に白が灯るような質感、降り注ぐ闇の気配が印象に残ります。

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同じ構図、反転させたような構造の作品も。

構図自体が持つ渋み帯びる気配はそのままに、全体の色調が変わることで異なるクールネスが引き出されているように思えて興味深いです。

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そして、もっとも大きな作品、ユニコーンをモチーフにしたダイナミックな世界。

まずはただ、そのサイズに圧倒されます。ちいさな空間でありながらも思いのほか俯瞰する余裕を持つこのギャラリーで、全体を眺めてそのスケール感と凛と力強く放たれる神々しい雰囲気に圧倒されます。

至近で眺めると、やはりそこに重なる銅版が面白い要素をサマザな真家たちで紡ぎ出しています。若干青みがかった色調であるのが、版の存在感を高め、そこに施される遊び心も鮮烈に立ち上がって感じられます。

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もう一点、おおいに惹かれたのが、版を施さない、写真のみの作品。

ナチュラルの仕上げながらもずっしりとした重みを感じさせてくれる額に収められ、その造形の美しさ、力強さが濃密に引き出されています。

背景に広がる圧倒的に静謐で深い黒、そこに浮かび上がる炎の塊の造形。その重厚感は、杉本博司氏の蝋人形の作品のテイストを思い起こさせてくれます。

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押し拡げられる表現がとにかく面白く、見応えも発見もあり、刺激にも満ちています。

機会があれば造形自体も拝見してみたいのですが、まずは平面で展開される分厚く重厚な情景にただただ感服、感嘆しきり、の展覧会です。

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石川結介 "UNFINISHED ELIXIR" 未完のエリクシール

藝術倉庫

栃木県那須群那須町高久丙3227-10287-77-0033

8/1(土)~8/30(日)月休

11:00~18:00

Yusuke Ishikawa "UNFINISHED ELIXIR"

Nasu Warehouse-a contemporary art field

3227-1,Takaku-hei,Nasu-machi,Nasu-gun,Tochigi-ken

8/2(Sat)-8/24(Sun)

11:00-18:00

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壁画家の面目躍如。圧巻、壮大な空間の創出。

藝術倉庫での石川結介さんの個展です。

昨年、浅草橋ラディウムの企画第一弾として登場した石川さんが、この夏の藝術倉庫に登場とあって、以前から楽しみにしていたのですが、その広々とした空間のポテンシャルが充分に発揮され、石川さんのクリエイティビティもそれを受けておおらかに響き、圧倒的にダイナミックな空間が創出されています。

まず、壁画に近い状況を想定して制作されるプレートの作品。

それぞれ広い壁面に1点ずつ飾られ、その情景に濃密に作用します。

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比較的おおらかな構造が、逆に印象に残る作品。

画面に現れるかたちはすべてエッジが効いているにもかかわらず、鈍角の多様と濃い色彩がひときわメロウな風合いを醸し出しているように感じられます。

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一転して複雑な構造を持つ作品、こちらになると鋭利なかたちの交錯がヴィヴィッドなインパクトを鮮烈に放ちます。

いっそうのきらびやかさがスピード感を伴って迫ります。

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入り口に沿う壁面には小作品が丁寧な配置で並びます。

レインドロップ型の構造が面白いもの、そしておそらく一旦は板に描かれたものを切り刻み、再構築させたと思われる、そういう過程を彷彿させる作品が2点ずつ。

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額装の作品は、実に複雑な立体構造も持ち合わせていて、これがシャープな混沌を三次元的にも創出しているのが面白いです。

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そして、メインの壁画。

これがとにかく圧巻。

正面のもっとも広い壁面の全面が濃紺色に染め上げられ、その虚空に刺すようい鋭い交錯と揺らめくような艶かしさが重なり合い、独特の混沌が生み出されています。

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複雑に折り重なるかたちは、思いのほか平面的に収まっているのも興味深いです。

前面に立ち上がるような臨場感よりむしろ、重力感にズレをもたらすようなアプローチ...壁面に向かって重量作用しているかのような錯覚を思い起こさせる、独特な気配がなんとも痛快です。

壁面に近づいて煽るように見上げると、そのスケール感はさらに膨張します。

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また、この壁面のみに留まらず、全体の壁に続いてもたらされるグラデーションも面白い空間の創出に貢献しています。

正面の壁画から左手は、コーナー部分に短い間隔で、その右手は長短を織り交ぜて、空間構造的にアクセントがもたらされているのも興味深いです。

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快哉を叫びたくなるような、痛快なスケール感が楽しく、そして嬉しいです。

基本的に壁面での展開、無論壁画家であるのでそれで結構なのですが、もし床面や天井にも描かれるようなことがあれば、どんな重力感が導き出されるのだろう、と想像するとまた楽しくなってきます。

何はともあれ、このボリューム感は頼もしいことこの上なく感じます。

そして、タイトル自体にも「未完」とあるわけで、次の展開も俄然楽しみです。

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元田久治

hpgrp GALLERY東京

東京都渋谷区神宮前5-1-15 CHビルB1F

7/31(金)~8/30(日)月休

11:00~20:00

Hisaharu Motoda

hpgrp GALLERY Tokyo

5-1-15-B1F,Jingumae,Shibuya-ku,Tokyo

7/31(Fri)-8/30(Sun) closed on Monday

11:00-20:00

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より生々しく表出される、重く深いイメージ。

hpgrp GALLERY東京での元田久治さんの個展です。

これまでリトグラフでの制作をメインにされていた元田さん、最近はドローイングやペインティングも発表されていたのですが、今回は初めてペインティングをメインに構成。基本的にモノトーンでの展開だったところからそこに重い色彩が乗るだけでなく、キャンバスに定着する絵の具の素材の質感、なによりキャンバス、パネルの厚みが、そのクリエイションにこれまで以上に分厚い臨場感をもたらしているように感じられます。

描かれる情景はこれまで通りに想像上の近未来の朽ちた建築物。

しかし、すべては筆の痕跡をも生々しく残していることで、緻密な描き込みとともに随所に抽象性が濃密に現れ、リアリティと、むしろ幻想世界に近い非現実性とがひとつの画面で深い混沌を導き出しているように感じられます。

東京駅。

淀む色彩のなかに晒される朽ちた姿が、気配をいっそう重く感じさせてくれます。

ざらつく画面も雰囲気を深めます。

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歌舞伎座を描いた作品。

改築が話題となっている建物ということもあって、さまざまな想いも過ります。

全体のトーンの褪せた感触や、思いのほか大胆に現れている滲みの痕跡、そして敢えて徹底した描き込みがなされずに仕上げられているのが、遠い気配感を漂わせているように感じられます。

剥落する壁面、潰れるスポーツカー、そこかしこに登場するモチーフが放つ独特のリアリズム。もしかしたら別の次元では現実なのかもしれない、という思いさえ浮かんできます。

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朽ちた現代建築の緻密な再現性が、残酷なくらいに深い空の青に晒されます。

ざっくりと剥き出しになる骨組み。頽れ、廃れる感触は、精緻に表現される陰影でさらに深みを増し、経過した時間の厚みさえも思い起こさせてくれます。

また、空だけでなく、水面を埋め尽くす蓮の葉が、画面左下にぽつねんと浮かぶ蓮の白い花が、朽ちた建造物の儚さを生々しく、揺らめかせながら映し出す水面が、自然とその現象の強さを伝えているようにも感じられます。

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事務所などにも小品をはじめ、水彩のドローイングやお馴染みのリトグラフ作品も展示されていて、これまでの元田さんの変遷もチェックできるのもありがたいです。

そしてそれを踏まえ、今ここに、ペインティングという強さを伴う表現へと至ることが大いに興味深く感じられます。

リトグラフでは徹底して、ストイックに近未来の再現性が追求されていたように思うのですが、無論その展開もこれから引き続き行われることと信じつつ、ペインティングではさらにその臨場感の追求と、絵の具の質感が自然にもたらす抽象性を巧みに画面に織り込んでの危ういアプローチとがそれぞれ深められ、これからどういう風に展開してくのだろう、と期待も深まっていきます。

これまでにない迫力に溢れています。元田さんのこれまでを知る方には、特にぜひ観てほしい展覧会です。

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《8/8 Sat》

たけむら千夏 個展『2つのふし穴』

ArtJam Contemporary

東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 2F

03-5449-8122

8/4(火)~8/30(日)月・8/10~8/20休

12:00~20:00

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明るい額に収められた写真が並びます。

生活感が滲むもの、男性のヌード、憂いを帯びた女性の表情、遊び心に満ちたポートレイト、外の風景を撮ったものなどなど、さまざまな景色がそれでもひとつの統一感のなかに収められていて。

惹かれるもの、敬遠したいものとひとつひとつに対してまるで翻弄されるようにいろんな想いが沸き起こります。もう一度足を運んで、ゆっくりと観てみたいとも思ています。

このたけむらさんに限らず、スナップの延長(という表現が合っているのか分からないのですが)的な写真の展示は、写真に捉えられた光景の、そこに流れた時間の、そしてそれを撮った人との距離が客観的につかみづらくて、なんとも言い難い気分が湧いてきます。仮に面白い、と思ったときに、それはどんな感性が働いて面白いと思っているのかが分からないというか...。

その辺りの感覚もうまく伝えられるようになれたら、とも思ったりします。

藤井秀全展「Stain "Spread"」

@Akio Tamura@GINZA

東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル7F

03-5579-9581

8/3(月)~8/27(木)日・8/9~8/16休

11:00~19:00

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昨年のstudio Jでのグループショーや今年のART AWARD TOKYO、先に会期を終えた混沌展などで印象に残る藤井秀全さんの個展。

乳白色のケースの中で滲むように赤い光が広がる作品が並び、未来的な空間が作り上げられています。

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絵画的な色の広がりをテクノロジーで演出する感じがなんとも不思議です。

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studio Jでも拝見した、透明のテープに光を当て、さまざまなグラデーションを発する作品も。

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これだけ未来的な雰囲気を保つ、ざわつくような感覚、混沌とした感じはやはり面白いです。いろんな角度から眺めるごとに新たな発見を導いてくれます。

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古川松平展

Oギャラリー

東京都中央区銀座1-4-9 第一田村ビル3F

03-3567-7772

8/3(月)~8/9(日)

12:00~20:00(最終日:11:00~16:00)

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艶かしさとシャープさとが一つの画面に絶妙のバランスで存在する作品が並んでいました。

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ひときわ目立って感じられたのが、描かれるモチーフの具象的な部分へも想像性が高いと思われる作品。濃く思い色彩の多様が、世界観の濃度も深めているように感じられます。揺らめくようなファンタジーへと引き込むような感覚が印象的です。

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多くの作品は、明るい色調が清々しく感じられます。

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一部の圧倒的な具象性とそのまわりのグラフィカルな色のかさなり、さらにまわりの淡く浅い気配感。それぞれのコントラストが不思議な情景を思い起こさせてくれます。

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日常的な感覚に煌めくようなインパクトを灯したような感触が楽しいです。

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山下春菜展

Oギャラリー UP・S

東京都中央区銀座1-4-9 第一田村ビル3F

03-3567-7772

8/3(月)~8/9(日)

12:00~20:00(最終日:11:00~16:00)

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谷門美術での個展も印象に残っている山下春菜さん。

さまざまな料理が描かれ、その独特なタッチと彩りが痛快な臨場感をもたらしています。

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描かれるモチーフの面白さと、それを拡大して描くことで生み出されるダイナミズム。

描かれるものが何であるかを認識した瞬間の面白さも楽しいです。

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山田純嗣 新作展 "The Pure Land"

不忍画廊

東京都中央区八重洲1-5-3 不二ビル1F

03-3271-3810

8/3(月)~8/29(土)日休

11:00~18:00(土:~17:00)

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今回の山田さんの作品は、さまざまなクラシックの絵画を引用し、そこに描かれるモチーフを自身のジオラマで造形することで再現、そこからはいつものようにそのジオラマを撮影し、その写真に銅版画の緻密な線描を重ねる、といったもので、これまでの山田さんのクリエイションの中でもっとも具体的なイメージが湧いてくる感じが楽しいです。

全体の絵の力強さ、そこに重なる線で描かれる、隠れるモチーフが見つかっていく楽しさ。さまざまな要素が満ちています。

New Artists 2009 新垣美奈 笠井麻衣子 チョグト 永田惇也

Gallery Jin

東京都台東区谷中2-5-22 山岡ビル1F

03-5814-8118

8/1(土)~8/9(日)8/3休

12:00~19:00(最終日:~17:00)

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4名のアーティストが紹介されている展覧会。

まずカウンターの壁面に並ぶのが、新垣美奈さんの作品。

あの夜祭りの和やかな雰囲気が、あったかい筆致で描かれていて、眺めていてほっこりと和めます。

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なんとなく、麻生知子さんが描く雰囲気に通じるような心地よさを感じます。

自然な時間の流れを、且然に捉えたようなやさしい感触が嬉しいクリエイションです。

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群馬青年ビエンナーレ2008での優秀賞受賞でも話題を集める永田惇也さん。

敢えて重たい色調、大胆なシチュエーションが採用され、これだけ鈍く滲む雰囲気にも奇妙なコミカルさが伝わってきてなんとも不思議です。

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入り口から見て左手の壁面には油彩とドローイングがびっしりと。

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大胆な筆致が痛快です。

コミック的な感触の面白さ、何だかよくわからないけど、というかわからないのが妙に笑える作品が、それぞれ濃密なアクセントを発しているように感じられます。

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昨年のシェル美術賞でグランプリ不在で2名選ばれた準グランプリのひとり、笠井麻衣子さんの作品も。

ケレン味のない激しさを伴う筆致が白い画面に広がります。

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ざわめくような雰囲気が、独特のタッチと色使いで綴られていきます。

そこに収められる瞬間、そのスリルも鮮烈に伝わってくるような感じです。登場する女性、女の子の髪が振り乱れる様子の臨場感も印象的です。

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大きな画面の作品では、さらにその鮮やかな発色が白い背景に乗り、放たれる鮮烈な世界感に引き込まれます。

刹那な筆致の臨場感、さわさわと心にざわめきが生まれ、それでいてすうっと猛スピードで浮かび上がっていくような空気感。もっといろいろと拝見したい世界です。

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チョグトさんのアニメーション、零戦が飛ぶ作品、じっくりと拝見する余裕がなかったのが残念でしたが、そこに綴られた濃いストーリーも心に残っています。

この日はワンピース倶楽部の2回目の展覧会「はじめてかもしれない」へも。

さまざまな作品が並ぶ様子は圧巻、そのバリエーションの多さも何だか楽しく感じられた次第。

こういうシチュエーションでないと絶対にあり得ない作品同士が並んでいるのもあって、それがまた見事に収まっているのがまた面白かったり。

《8/9 Sun》

石川結介 "UNFINISHED ELIXIR" 未完のエリクシール

藝術倉庫

栃木県那須群那須町高久丙3227-10287-77-0033

8/1(土)~8/30(日)月休

11:00~18:00

レントゲンヴェルケが持つ、ダイナミックなクリエイションを懐深く受け止める空間、藝術倉庫。ここでこの夏に個展を行うのが、壁画家の石川結介さん。

正面の大きな壁面に描き上げられる巨大な宝石のモチーフにまず圧倒されます。壁全体も塗布され、それが空間全体に硬質なコントラストをもたらし、他に展示される作品とともに、まさにダイナミックな空間が創り出されていて圧巻です。

廣瀬智央展「ウェルトゥムヌス」

板室温泉 大黒屋

栃木県那須塩原市板室856

0287-69-0226

8/1(土)~8/30(日)

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いつか伺いたいと思っていた板室温泉大黒屋。車での慣れない坂道の移動はなかなか難儀でしたが、藝術倉庫から30分ほどで到着。

漆喰風の壁面を背に飾られる、ちいさなさまざまなものが浮かぶ透明のアクリルや、板の間に置かれる作品、写真など、都内のギャラリーで拝見したのとはまた違い、意外にもそういったシチュエーションでも合っている、もちろんギャップはあるのですがそれを含めて楽しく感じられます。

わざわざ社長の室井氏もお出でいただき、いろいろとお話を伺えただけでなく、パーマネントで設置されている菅木志雄さんや矢部裕輔さんなどの作品へもご案内いただき、恐縮しながらもそれぞれの作品がナチュラルに放つ魅力にもおおいに魅了された次第。

《8/11 Tue》

響像】KYO-ZO【川鍋道広+津田翔平+小林昇太

ROCKET

東京都渋谷区神宮前6-9-6

03-3499-1003

7/31(金)~8/11(火)

12:00~19:30

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面白かった!

観られてよかった!

吹き抜けて圧倒的な高さを持ち、立体的に大きいこの空間を暗室に仕立て、そこに赤い光が粛々と交錯。空間内に配されるさまざまな線がその赤い光線を受け、そこかしこに赤の光が動いていく、重厚なミニマムミュージックを伴いながらさまざまな要素が降り注いででくる空間。

アイデアのダイナミズムとそれを具現化させてしまうバイタリティにも感服させられた次第、今後の展開も楽しみです。

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えっぽい 岡本梨江 片山真妃 宮内理

トキ・アートスペース

東京都渋谷区神宮前3-42-5 サイオンビル1F

03-3479-0332

8/10(月)~8/16(日)

11:30~19:00(最終日:~17:00)

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3名の女性アーティストのクリエイションがぎゅっと詰め込まれ、その濃密さが楽しい展覧会です。

いきなり最初の空間から、実に濃密な世界観に包み込まれます。

宮内理さんのインスタレーション。床にびっしりと置かれる木琴の上を手袋が這い、からからと心地よく、涼しげなノイズを奏でています。

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見上げると銀色の風船がびっしりと。

なんとも凄まじいシチュエーションに呆然。なんだか「負けた・・・」って感じが痛快で(笑)。

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で・・・・

なんだお前は!Σ( ̄口 ̄;)

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この紙袋がかわいいんですよチクショウ!!!!!

奥の空間にはもうふたりの作品がずらりと壁面を埋めています。

岡本梨江さんは、グラフィカルなモチーフを多用し、さまざまな素材を用いてポップに展開。幾何学的な要素の重なりが未来的なイメージを立ち上がらせます。

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片山真妃さんは一転して、生々しい筆致が印象的です。

七夕の飾りのようなものをモチーフに、それを画面いっぱいに描くことで大胆な情景が生み出されています。

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一角を埋め尽くす小品群も、その「もの」として放たれる濃密な空気感で迫ります。

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都市的知覚 PERCEPTION AND URBAN ENVIRONMENTS

トーキョーワンダーサイト本郷

トーキョーワンダーサイト本郷

東京都文京区本郷2-4-16-2F

03-5689-5331

8/11(火)~8/30(日)8/17、8/24休

11:00~19:00

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映像作品が多いです。

今回はゆっくりと拝見することが叶わなかったのですが、そのなかで前林明次さんのインタラクティブなインスタレーションは体験。ヘッドフォンを装着して着席、そこから始まる深い世界観。沈み込むようにどんどんと入り込んでいき、さまざまなちいさなエポックが次々と、淡々と発生していくのを目の当たりにしながら、あっという間に5分間。面白いです!

トランス 小池一馬

AISHO MIURA ARTS

東京都新宿区住吉町10-10

03-6807-9987

8/11(火)~9/6(日)月休

13:00~21:00(日:~19:00)

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木彫、水彩、そして前回の個展で発表されたペインティングと、現在の小池さんのクリエイションが網羅されるかたちでパッケージされています。

なかでも、ペインティング作品が、前回からさらに進化し、キャッチーな面白味を増しているのが興味深いです。木彫もその独特の造形の面白さは相変わらず!

《8/12》

NEGAPOP 吉永蛍 蔭山忠臣 平川恒太 尾家杏奈 樽井英樹

shinwa art museum

東京都中央区銀座7-4-12

03-3569-0005(代表)

8/12(水)~8/16(日)

11:00~19:00(最終日:~15:00)

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5名のアーティストがフィーチャーされた展覧会。

それぞれに、若さを発揮しほとばしる個性が提示されているのが楽しいです。

先頃会期を終えたばかりのWADA FINE ARTSでの個展も印象深い尾家杏奈さんは、新作1点を含む3点を発表。平川恒太さんはこれまでの展開から一旦離れ、抽象性の高い世界観を展開。吉永蛍さん、樽井英樹さんはそれぞれ大きな作品が印象的です。

「変成態-リアルな現代の物質性」展 vol.3 泉孝昭×上村卓大 「のようなもの」の生成

gallery αM

東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビルB1F

7/25(土)~9/5(土)日月祝休

11:00~19:00

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Formation of "something like" Takaaki Izumi,Takahiro Murakami

gallery αM

1-2-11-B1F,Higashi-kanda,Chiyoda-ku,Tokyo

7/25(Sat)-9/5(Sat) closed on Suncay,Monday and national holiday

11:00-19:00

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gallery αMでの通年企画、「変成態-リアルな現代の物質性」展の第3弾。泉孝昭さんと上村卓大さんという、これまた絶妙なパッケージ。お互いのスタンスがユニークな解釈のい響きをもたらしています。「のようなもの」、というタイトル、絶妙です。

まず、六本木時代のTARO NASUでの個展や、名古屋でのグループ展、さらに昨年のECHOへの参加も印象に残っている泉孝昭さんの作品。

唐突に置かれるパレット。生木のナチュラルな色と、さまざまな色に塗り分けられ、無造作に置かれる天板が、「もの」の質感とは裏腹な軽やかな雰囲気を滲ませています。

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パレットというと、倉庫などでフォークリフトが持ち上げている様子などを思い浮かべるのですが・・・

なんとなく眺めていると...

あれ?(・。・)

これ、なんかおかしくない?(・。・)

で、さらにしげしげと眺めて...

釘打ってねぇ!Σ( ̄口 ̄;)

結局のところ、これはパレットではなくて、一部塗装がされている木材がただ積まれているだけという。

なんだかやられた感じ、それに気付いて妙に痛快な気分が湧いてきた次第。

見た目から受ける勝手な解釈で、想像の中でそれに機能を持たせてしまっていたことに、いや、それに対して反省なんかはしないんですけど、この解釈の押し引きみたいな感覚が楽しく感じられます。

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広い壁面に灯るように展示された、何か。

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錆び付いた鉄板の欠片、潰れた空き缶、靴下(手袋?)。

それらがワイヤーに纏められて壁に打たれた釘に吊るされただけ、というものであるのに、しっかりと壁面と空間に作用して、けっこう強烈な存在感を放っているように感じられて、それもまた痛快なんです。

輪となったワイヤーの端がピーンと跳ねている様子やただシンプルに金具で留められたものたち、それらは普通に地面に落ちていそうなものであるのに、それなりの「美しさ」というか見事に収まっていて、観ていられるんです。

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タイヤが回転する作品も。

こういうふうにタイヤが回転しても「だから何」という感じではあるんですけど、やはりその「何?」という想いから始まり、ここへと至る解釈に、ある醒めた感覚を伴いながらも妙に引き込まれて行くんです。

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泉さんの作品が、さまざまなものを「そのまま」使う、もとい置いただけだったりする一方で、上村卓大さんのそれも同様に素材の質感が全面から現れていつつ、より「作った」感じが伝わります。

オレンジが鮮やかなネットで「WALL」。

目に飛び込む色の弾けるような感じはなんとも気持ちが良くて、しかし此れだけスカスカで「壁だ!」と主張する様子はコミカルで。

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そして奥には、さらにさまざまな色彩が溢れる造形が。

たくさんのポリタンクが透明アクリルのケースに収められ、なんとも不思議な情景が導き出されています。

発色の異様なまでの良さが、そのシュールさを刹那、忘れさせてくれます。

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上村さんもかたちなどを「そのまま」落とし込んでいく作品なのですが、見た目の「分かりやすさ」とは裏腹の製作の手間が感じられて、その行為自体からもユーモアが伝わってくるような気がします。

泉さんがじっくりと「何?」というところから鑑賞者のイマジネーションへズレをもたらす(案外、泉さんは何もやっていないような気がするのでそれもまた面白いです)のと比較すると、上村さんはもの凄く遠回り、懸命さが伴っているのにまずそれを感じさせず、むしろストイックなほどにパンと弾けるような痛快さ、シュールさを提供してくれているように思えます。

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田中功起さん辺りを筆頭とする、自身のイメージと作品との距離をなくす方向で展開されるさまざまなクリエイションに最近興味が湧いてきているのですが、今回の泉さんと上村さんも、もしお互いに偶然同じ素材で同じものが作られたとしても、そこにある過程やイメージの差異が確実に存在して、そのこと自体が面白く感じられます。

今回の展覧会でも、それぞれのベクトルで、それぞれのスタンスから発生される「ズレ」がもたらしてくれるイメージがとにかく楽しいんです。

梅津庸一「ゴールドデッサン」

ARATANIURANO

東京都中央区新富2-2-5 新富二丁目ビル3A

7/11(土)~8/22(土)日月祝・8/9~8/17休

11:00~19:00

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UMETSU Youichi - Gold Dessin

ARATANIURANO

2-2-5-3A,Shintomi,Chuo-ku,Tokyo

7/11(Sat)-8/22(Sat) closed on Sunday,Monday,national holiday and 8/9-8/17

11:00-19:00

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青い壁に何を見る・・・

ARATANIURANOでは2回目となる梅津庸一さんの個展は、僕が初めて拝見した梅津さんの個展での構成と近くて、まずそれが懐かしさと嬉しさとを心の中に沸き起こさせてくれまず。

同時に、それ以来の梅津さんの展示、前回の個展でのさまざまな要素を詰め込んでそれでもすべてを見せていないように感じられる鋭い混沌や同年開催の101 Tokyo ContemporaryのARATANIURANOのブースでの濃密なスリルが溢れる油彩画群、そして今年ZAIMで開催された「ZAIMIZAMZIMA」では先の個展での世界観が、梅津さん本人がそこに滞在するだけでなくさまざまな人々が関わることでさらに多彩、雑多な要素が入り込んで深まったような印象など、独特の妖しさが、激しく大胆な提示とは裏腹にどこか冷静で達観し、それらに接する鑑賞者の感覚を見透かしながら誘うような雰囲気が強く心に残っているのですが、そういった気配から一転し、デッサンのみで構成され、ストイックなまでにひとつの手法、しかも「金筆」を用いた作品のみが並びます。

梅津庸一6.JPG

壁面を独特の青に染め変えられた空間。

そこに、白い額に収められる金筆のデッサンが、しかもそれぞれは精緻な再現性を誇る作品が整然と散りばめられ、重厚さと透明感とが硬質に響き合って伝わってきます。

梅津庸一5.JPG

描かれるモチーフはバリエーションに富み、おそらく記録写真を基に描かれたものや、ユーモアを交えた静物画的な作品、身近な風景を思わせるものなどが、色調とタッチによる統一感の中に収められていて、奇天烈とも天真爛漫ともいえそうな、しかしある強い意志で選び抜かれたような、そのモチーフのチョイスに対するバランスにも独特な気配を感じます。

梅津庸一4.JPG

ほぼどの作品も、それが何であるか分かるのですが、唐突に抽象性が立ちのぼる作品が紛れていて、それが痛快で深遠な戸惑いをもたらします。

タイトルを拝見すると思わず笑みがこぼれてしまうような「なるほど」といった痛快さも秘められていたり。

梅津庸一3.JPG

とにかく、さまざまな面において、圧倒的な空間が作り上げられているように感じられます。

梅津さんが今回の作品を制作される上でいくつか自らに課したルールがあるそうで、そのひとつが、スロトーク、金筆のタッチの一切は点描のみで描き切る、ということだと伺いました。

素材の特性上、支持体である紙とのファーストコンタクトはある程度定着するものの、それが2度、3度と重なっていくとなかなか金筆の金の定着が難しいそうで、なのでここまで丁寧精緻に再現されたさまざまな情景の中に織り込まれるグラデーションは、いったいどれだけの時間を経て描かれているのか、ということへと想いが至ると、ただただ遠く、とてつもないものに感じられてくるんです。淡々とした作業の遂行へのモチベーションの維持とストイックさ、そしてそれと背中合わせの狂気へ畏れのような感情も抱きます。

梅津庸一2.JPG

そして、その筆致を、さらには作品の「もの」としての存在感を静かに際立たせる壁面の青。そこへもさまざまな想いが過ります。

何かしらの意図があるのだろうと思って梅津さんに伺うと、「ちょっとロマンチックな話になるんですけど・・・」と前置きされてからお話しされたのが、なんでも今回の作品はすべてファミレスで、諸々を持ち込んで制作されたそう。それもほぼ1日中、これも先に書いたルールのひとつなのですが、あるところまで描き切らないとその日の作業を終わらない、というスタンスで日々臨まれ、その日の終わり、それは夜を過ぎて早朝、日が昇る頃、窓際にできた作品を並べて眺めた時、ちょうど空の色がこんな青。。。

梅津さんご自身が眺めたのと同じようなのと近い状況で作品を観てもらえるように、との考えから、壁面がこのどこか深みを帯びる独特の青色に塗られたということを伺い、なんとなくほんのりと神々しい感じでもあり、力が抜けたときの安堵、ふわりとした気配に包まれるような印象ももたらしてくれて。。。

梅津庸一1.JPG

金筆という言葉とは裏腹に画面に収められたストロークは黒い輝きを鈍く放っていて、しかし、陽の光にかざすと本来の色を煌めせるそうで、この空間で展示された作品群が秘める力を目にすることが叶わないのが些かもどかしく・・・。

いや、それでも充分に独特の雰囲気に包まれ、やはりそこにどこかシニカルなスタンスも隠されているかのような緊張感も伝わってきたりして、さまざまな想像が広がり、重なっていくのが楽しく、またさまざまな感情も行き交って、それがこの展示と、さらには梅津さんのクリエイティビティとの距離、関わりをさらに濃くしてくれるような気がします。

金筆のストイックなタッチの集積を、青に染まる空間が醸し出す気配を、ぜひ直に体感してほしいです。

《7/31》

「My story -ひとりあそび」近藤恵介、黒嶋亮子、牡丹靖佳、Aurelie Mathgot

MA2Gallery

東京都渋谷区恵比寿3-3-8

7/31(金)~8/29(土)日月祝・8/11~8/15休

12:00~19:00

my story 090731.jpg

4名のアーティストをフィーチャー。MA2Galleryが企画するグループショーは、いつも独特の静謐に満ちていてそれがもたらしてくれる落ち着きと潜む無邪気さとが楽しいのですが、今回も例に漏れず、ステキな空間が紡ぎ上げられています。

オペラシティでのproject Nで拝見して印象に残っている近藤恵介さんと東京と大阪とでチェックしている牡丹靖佳さんとが冷静にせめぐ1階、黒嶋亮子さんとAurelie Mathgotさんの、布や糸の質感が活かされる緩やかな世界観、それぞれに豊かな響きをもたらしていて心地よいんです。

「こ わくな い もん」隠崎麗奈 源生ハルコ トーヴェ・クレイスト

TOKIO OUT of PLACE

東京都港区南麻布4-14-2 麻布大野ビル3F

7/31(金)~8/29(土)日月火祝休

12:00~19:00

こわくないもん090731.jpg

3名の女性アーティストを紹介する展覧会です。

それぞれのクリエイションメディアも発色の勢いも異なっているのにも関わらず、拝見する前のイメージも、そして実際にその空間に足を踏み入れても、実に見事に調和しているのが心地よく感じられます。

タイトルにある「こわい」要素は後々考えて「・・・もしかしたら・・・?」と思うことはあるのですが、それ以上に気持ちよさ、清々しさが空間を満たしています。

混沌から躍り出る星たち2009

スパイラルガーデン

東京都港区南青山5-6-23

7/31(金)~8/8(土)

11:00~20:00

混沌090731.jpg

面白い、そして嬉しい!

毎年開催でお馴染みの、京都造形芸術大学の昨年度の修了制作から選ばれた力作が登場、先のART AWARD TOKYO 2009で一度拝見している作品も多く登場し、その再会も含めて発見と再確認の連続でとにかく充実しています。

ふたたび拝見する川上幸子さんの緻密な線がレイヤーK状に重なる作品や寺村俊規さんのグレーを拝見としてふたりの人物が無機的に登場するペインティング、荘厳で繊細なストロークが紡がれてエキゾチックな情景を導く藤居典子さんの作品などは、ショーウィンドウ越しでない状態でよりその繊細さや大胆さが伝わります。

佐藤允さんの鉛筆画が観られるのもまた嬉しいです、このざわめき、凄まじい密度で詰め込まれたストロークのひとつひとつが未だうごめいているかのような感触が堪らないのです。

名古屋での個展を観に行けない極並佑さんの大きな作品、そのゆったりとしてキャッチーな空間性に触れられるのもまたありがたく。

高木仁美さんのレシートがまた面白い!至近で眺めて驚かされ、そこに記録されたものもまた興味深かったり。

藤井秀全さんの妖しく輝く光、井階麻未さんの波打つ色彩のダイナミズム、などなど、それぞれに濃密なインパクトをもたらしてくれて痛快です。

元田久治

hpgrp GALLERY東京

東京都渋谷区神宮前5-1-15 CHビルB1F

7/31(金)~8/30(日)月休

11:00~20:00

これまで一部水彩やペインティング作品も拝見していたものの、メインとして制作されてきたリトグラフの印象が強い元田久治さん、今回はペインティングのみで構成され、色の印象や画面のマチエルなど、描くモチーフこそ都市が破壊され風化する姿でありながら、これまでにない表情が大胆に提示されていて、見応えのある展覧会となっています。

《8/1》

若手作家グループ展「ネオネオ展 Part1 [男子]」

高橋コレクション日比谷

東京都千代田区有楽町1-1-2 日比谷三井ビルディング1F

8/1(土)~10/18(日)月・8/14~8/17休

11:00~19:00

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単純に大好きなアーティストの作品、それも初めて発表された展覧会で拝見している作品がずらりと並んで展示されているのがとにかく嬉しいです。

「あれもこれもここにあるのか」と思うと、あらためて感嘆させられる次第。

懐かしさと誇らしさとが押し寄せてくるのですが、そういったなかで、岩永忠すけさんの作品が放つ世界観の濃密さにおおいに惹かれたのと、雨宮庸介さんの一人掛けのソファがあるのが特に印象に残っています。

東あや おふろば展

Pepper's Gallery

東京都中央区銀座7-13-2 銀座パインビルB1

7/27(月)~8/1(土)

11:00~19:00(土:~16:00)

暗めの照明に深く、艶かしく響くオレンジが強く印象に残ります。

おおらかで大胆な構図で描かれる浴室の情景。再現性の高さと景色の切り取り方の面白さなど、ユーモアも備える展開が印象に残ります。

今回の個展で展開された雰囲気の統一感は力強い説得力をもたらしているように感じられました、他の世界もぜひ拝見してみたいクリエイションです。

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新世代への視点2009 佐藤裕一郎展

ギャラリー58

東京都中央区銀座4-4-13 琉映ビル4F

7/27(月)~8/8(土)日休

11:30~19:00(最終日:~17:00)

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前回はパネル作品による構成で、絵画としての力を提示されていたのが印象的でしたが、今回は本来持つ本領を発揮するかのように、インタラクティブな空間が構築されています。

深い青のグラデーションが、いくつものパネルを立ててずらりと並べる空間構成に広がり、その臨場感が心地よく感じられます。

新世代への視点2009 菊池絵子展

藍画廊

東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル2F

7/27(月)~8/8(土)日休

11:30~19:00(最終日:~18:00)

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紙に鉛筆、という基本スタンスがイージーさを加速させているように感じられます。

しかし、イージーでライトな雰囲気でありながら、そこに紡がれる空間性はなんとも面白く感じられます。

それぞれの画面から始まるイメージの展開や変遷にも興味が湧いてきます。

新世代への視点2009 柳井信乃 "my obscure outline"

Gallery Q

東京都中央区銀座1-14-12 楠本第17ビル3F

7/27(月)~8/8(土)日休

11:00~19:00(最終日:~17:00)

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はじめてトーキョーワンダーウォールで拝見し、一度目にしたら忘れることのできない個性的な作品。

画面にビーズでできた無数の蟻が這う作品でお馴染みの、柳井信乃さんの個展です。

日本画を学ばれていた影響も、作品におけるおおらかでその実滋味に溢れる空間性や、張られる紙の精度など、随所に感じられるのも興味深いです。

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蟻ではなく、もっとキャッチーな素材をちりばめた作品も。

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ビーズでできた蟻は妙にリアルで、それらが画面を這う仕草もユーモラスに感じられたり。

大胆な空間性も、そのユーモアに拍車をかけてきます。

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今回は写真作品や映像も展示されていて、そちらの展開も興味をそそられます。

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強いインパクトを備えるオリジナリティを手にして、これからどんな展開が繰り広げられるかも楽しみです。

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高松和樹展 距離感主義

GALLERY b.TOKYO

東京都中央区京橋3-5-4 第1吉井ビルB1

7/27(月)~8/1(土)

11:00~19:00(金:~21:00、最終日:17:00)

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ギャラリー戸村での個展での興奮も覚めやらぬまま、今度はGALLERY b.TOKYOでの高松和樹さんの個展です。

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前回の個展から短い期間しか経っていないにもかかわらず、その作風にしっかりと進化の跡がみられるのが嬉しいです。

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加速する構図の面白さに加え、緻密な部分における細やかさなど、細部にわたって深められる世界観。

また、独特の距離解釈もいっそう細かく分解され、それがグラデーションにさらなる複雑さをもたらしているように感じられます。

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今後の展開として興味がわいてくるのが、表面ではなく内部へ距離の解釈が向かっているように感じられる作品。本来見えない部分が晒されるような感触が、危うさを加速させているように思えてきます。

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それぞれの色面に盛り上げを加えるなどの工夫も、このコンセプトに力強さをもたらしています。

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随所に織り込まれる遊び心や危うさなど、これからの展開も楽しみです!

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新世代への視点2009 鎌田あや

ギャルリー東京ユマニテ

東京都中央区京橋2-8-18 昭和ビルB1F

7/27(月)~8/8(土)日休

10:30~18:30

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昨年のトーキョーワンダーウォールでひときわ濃密な世界を展開していて印象に残っている鎌田あやさん。どんな展示が繰り広げられるか興味津々だったのですが、映像なども駆使された不思議な空間が創り出されています。

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水中に手を突っ込んで沈むさまざまなものを混ぜ返すなどの謎めく映像が壁面に重なり、そこかしこに配された鏡がその妖しい存在感を際立たせているように感じられます。

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そしてその鏡には、さまざまなつけまつげが無数に。

女性のアイコン的なその雰囲気が、さらに不思議さを増して包み込み、引き込んでいきます。

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衣類の山に灯る映像も。

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女性的な素材が溢れていることもあり、落ち着かない感じもするのですが、なぜだかずっといたいような、色彩に包まれる感じの心地よさにおおいに惹かれた次第です。

さまざまな空間で、例えばもっとコンパクトな空間などでも観てみたいクリエイションです。

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青木淳「夏休みの植物群」

TARO NASU

東京都千代田区東神田1-2-11

8/1(土)~9/5(土)日月祝・8/9~8/24休

11:00~19:00

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ARCHITECT TOKYO 2009関連で、さまざまなギャラリーで建築の展覧会が始まったこの週末、なかでももっとも面白く感じられた、TARO NASUでの青木淳さんの個展。

浮かぶサッカーボールの明かりなど、インスタレーションとして普段の展覧会を楽しむように楽しめたのが嬉しく感じられた次第です。

不死鳥と雉鳩 -真夏の夜の夢2- 徳本茉莉子 鈴木一郎太 山脇紘資

CASHI

東京都中央区日本橋馬喰町2-5-18-1F

7/18(土)~8/8(土)日月祝休

11:00~19:00

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CASHIらしさの一面、際どさを持つペインティングがパッケージされたグループショーです。

まず、徳本茉莉子さん。

艶かしい絵の具の質感は、至近では偶然生まれる抽象性の濃密さを感じさせつつ、全体では深く重い人物の仕草が創り出されています。

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景色、ある場面を描いた作品。

筆致の豊かな深みと、色そのものの艶やかさ、一転して筆の運びが生み出す濃淡の抽象性が気配をより濃密にしているように感じられます。

横たわる驢馬かなにかの動物、そこに寄り添うふたりの女性、春から夏を思わせる広がる緑。その物語性への興味も湧く一方で、激しく漂う危うさにも引き込まれていきます。

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額装された作品、円形の作品なども。

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支持体のが、独特の風合いを導き出す、さまざまな個性が織り混ざるクリエイションです。

ぜひソロでも拝見したいです。

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山脇紘資さんの作品は、滲むような色彩と、それとは裏腹に細部にまで感触が精緻に再現されるペインティグ。迫力があり、ダークな色調が溢れる画面に圧倒されます。

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色調と、大胆な滲みや配色が紡ぎ出すアバンギャルドな雰囲気。

どことなく深い「怖さ」をたたえているように感じられます。

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CASHIのこけら落としのグループショーにも登場していた鈴木一郎太さんも、ふたたび。

律儀な奥行き感が展開される風景画、ディテールの細やかな描写とおおらかな空間性とが一つの画面に備わっているのが面白く感じられます。

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鈴木一郎太3.JPG

その情景へのイメージを具体的にキャッチできるのですが、あまりにも人の気配を感じさせない透明感と、それだからこそ揺れるような妖し気な雰囲気とがじわりと滲んでくるように思えてきます。

山脇さんの作品とはまた異なる「怖さ」が潜んでいるように感じられるんです。

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鈴木一郎太1.JPG

若林佳代子 ―心証―

KIDO Press, Inc.

東京都江東区清澄1-3-2-6F

8/1(土)~8/29(土)日月祝休

12:00~19:00

若林佳代子090801.jpg

ちょっぴりコミカルな、そしてやわらかいあたたかみがじわりと広がる作品が並びます。

木版の素朴感やパステルなどによる彩色のやわらかさなど、ホッとするような情景が嬉しいです。

市原研太郎キュレーション「Truth -貧しき時代のアート」

hiromiyoshii

東京都江東区清澄1-3-2-6F

8/1(土)~8/29(土)日月祝休

12:00~19:00

Truth 090801.jpg

フレッシュなクリエイションがパッケージされた展覧会、そのヴィヴィッドさに圧倒されます!

奥の空間のペインティングがズラルと並んでひときわ濃密な空間をつくり出していたのも強く印象に残り、さらに井上信也さんの緻密な線描が画面全体を浸食スルッ用に広がっている作品におおいに惹き込まれた次第。

アートと環境との対話 環境展「絶景」

トーキョーワンダーサイト渋谷

東京都渋谷区神南1-19-8

8/1(土)~11/8(日)月休(祝日の場合は翌火休)

11:00~19:00

絶景090801.jpg

久々の大巻伸嗣さんの東京での個展、あらためてこの人のバイタリティとアイデアには感服させられた次第で。

よくもまあ、あれだけのゴミ焼却灰を持ち込んだものだと。。。

そしてしっかりとそこに横たわる重厚なメッセージ性。

栗山斉 ∴0=1 -prelude

magical, ARTROOM

東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 3F

8/1(土)~9/12(土)日月祝・8/9~8/17休

12:00~20:00

栗山斉090801.jpg

ヒューズの作品と、天体観測機器を用いた作品がそれぞれのコーナーに展示されています。

ヒューズの作品は、一つの画面にいくつもの光の破裂が灯っていて、それが不思議な動線を導き出しているように感じられ、なんとも不思議なイメージをもたらしてくれます。

天体のほうは、単純にその情景がかっこいいんです。そしてそれがどういう仕組みでもたらされているのかが分かるとまたさらに引き込まれていきます。

《8/2》

新世代への視点2009 藤原彩人展

gallery21yo-j

東京都世田谷区等々力6-24-11

7/28(火)~8/9(日)月休

13:00~18:00

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A+(アプリュス)での展示も印象的だった藤原彩人さん、ギンザから自由が丘へと移転しおおらかな空間へと変わったgallery21yo-jでの個展です。

そのときに拝見した作品もふたたび登場、あらためてこんなに大きかったのか、と。

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豊かな空間性を活かし、ダイナミックな構成が展開されます。

そしてそのすべてが焼き物であるのもまた、不思議な重厚感とぬくもり、さらにスリルをもたらしているように感じられます。

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いくつものパーツによって組み上げられる壁面展開の作品は、ただその迫力にやられます。強烈なダイナミズム、浮遊するような演出のおおらかさと、陶器としての艶やかさ、その両面が不思議な雰囲気を導き出しています。

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一転して、床置きのオブジェは、焼き物らしい素朴さに溢れています。

淡々とした存在感が印象的です。

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陶器の造形の面白さと味わいが溢れます。

事務所のスペースに展示された小品もかわいらしさとおっとりとした風合いが楽しいです。

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《8/4》

鶴見幸代個展 “チューニング Tuning”

谷門美術

東京都港区北青山3-3-7 第一青山ビル1F

7/17(金)~9/4(金)日月祝・8/11~8/15休

13:00~19:00

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再訪。

3つのアプローチが一つの画面にもたらされる、手法のユニークさがそのまま作品の世界観の面白さへと転化している作品。

前回のドローイングが今回はちいさなチップを並べてモザイクのような風合いを奏でていて、渋く軽やかなリズムが刻まれているように感じられます。

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鶴見幸代4.JPG

大作は、そこに深い物語性が重なります。ひとりの女性を抱えんとするふたりの人物、奥に広がる緑の情景と、画面の前にある種の唐突座を伴って現れる場面のギャップが不思議な雰囲気を紡ぎ出します。

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鶴見幸代1.JPG

《8/6》

Tyler Starr solo exhibition Wallowind Series

Gallery ef

東京都台東区雷門2-19-18

8/7(金)~8/30(日)火休

12:00~21:00(最終日:~19:00)

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アメリカ人アーティスト、Tyler Starrさん。雁皮紙を駆使し、日本の60年代のさまざまな事件や日本に寄港したアメリカの艦船をモチーフに、日本の絵画の豊かで繊細な空間性を独自に解釈したような場面がユーモアも交えて展開されています。

いくつもの見所が交錯する、興味深い展覧会です。

《買ったCD》

「an anxious object」mouse on the keys

accidental tourist」Serph

「URBAN ROMANTIC」Rie fu

《買った本》

「宵山万華鏡」森見登美彦

「ミッキーたくまし」西加奈子

from/to #5 早川祐太 村岡佐知子

WAKO WORKS OF ART

東京都新宿区西新宿3-18-2-101

7/16(木)~8/8(土)日月祝休

11:00~19:00

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from/to #5 Yuta HAYAKAWA,Sachiko MURAOKA

WAKO WORKS OF ART

3-18-2-101,Nishi-Shinjuku,Sinjuku-ku,Tokyo

7/16(Thu)-8/8(Sat) closed on Sunday,Monday and natinoal holiday

11:00-19:00

Google Translate(to English)

WAKO WORKS OF ARTでの、2人のアーティストがフィーチャーされた展覧会です。それぞれのスペースで展示され、その個性がより発揮されて感じられます。

まず、Gallery Stumpでもよく拝見していた村岡佐知子さんのペインティング。

独特の空間性やモチーフが登場する作品の印象が強いのですが、今回はムサビの学内での卒修制作展で拝見した、漆黒が全面を覆い、そこにさまざまな色彩とかたちが散らばるスタイルの作品が展示されています。

それぞれのかたちや色はバリエーションに富み、かつそれらの煌めくようなキュートさが独特の世界観を奏でます。そして、それらが虚空に浮くような感触が、イメージの広がりも思い起こさせ、さらに上へと浮かび上がっていくような動線のイメージも浮かんできます。また、止めどない奥行き感もあらためて印象に残ります。

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それぞれの画面でさまざまな表情が試されているような展開も興味深いです。

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ざらりとしたマチエルが生々しさとなって迫り、打って変わって「降る」イメージを連想させる作品も。

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さまざまな色彩が行き交い、その上に黒の色彩が被さるような感触など、ひとつのシリーズとしての統一感を保ちながらもそのなかにさまざまな表情が潜んでいるのが大変興味深いです。

画面を垂れ、這う絵の具の痕跡、ぼこりと唐突な盛り上がりとなって現れる絵の具の塊、テクスチャーのバリエーションが発する臨場感と、全体に広がるダークなトーンの奥からその存在を覗かせる色彩の鮮やかさにも惹かれます。

レイヤー的な展開がイメージをさらに深遠なものへと導いてくれるような気がします。

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早川祐太さんのクリエイションは一転して、あからさまに「現象」を提示、しかしそこに現れる情景はとにかく面白い!

まず、天上に吊るされた、水が入ったボトルがくるくると回転するインスタレーションが。

何てことはない、しかし、ずっと眺めていられる心地よさとその不思議さ。

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そして、何といっても・・・

何だこの唐突な感じはぁぁっっ!Σ( ̄口 ̄;)

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この空間に浮かぶ白いボード。

理屈は無論想像できるのですが、しかしただただそのシュールな景観に呆然とさせられます。

天井から吊るされる1本のワイヤー、

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それが白のボードを引き上げて、

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水平を見事にキープ。ワイヤーも緊張し、まるで硬質のまっすぐの針金のように思えてきます。

ホントに見事です。

見事すぎです。

敢えて例えるとしたら、体操競技のつり輪で十字をキープする見事さ、というよりもインパクト的に跳馬の着地が決まったぁぁぁぁっっ的な印象。

いやもうそれは理屈ではそうすることはいくらでもできるんでしょうけど、それがン実に提示されるとこれほどまでに和みのインパクトを放つとは...。

眺めているだけで嬉しくなってきます。

油断するとだんだんと回ってあらぬ方向へと向きを変えてしまうのにも、愛着が湧いてきます。

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パーテーションの向こう、カウンター前のスペースにも、ある種ピタゴラスイッチ的に現象提示が繰り広げられた作品が。

白い台をメインにしたインスタレーション、水が細いパイプを伝って台上の未来的アナログミニチュアししおどし(しかしほぼ無音)が素朴感をふるふると漂わせながら運動中。

つんつんと揺れる尖端から落ちる水滴、それが直下のパイプの口に入っていく様子も、あーなんて軽やかで爽やかなのだろう、と。

いやもうホントかわいいんですよ、そのまわりは結構機器が配されているんですけど、その生々しさもまた一興。

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さらに、入り口からだと正面パーテーション左に設置された作品が。

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入り口すぐと同様の展開、しかしこちらは長い紐状のものが吊るされ、それが回転して、螺旋を紡ぎ出しています。

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早川さんの作品は、ホントに直に観ないとこの感覚は伝わらないので、なんとももどかしく。。。

こちらに動画が上がっているのでご覧頂きたいのですが、ぜひ展示を実際にご覧頂くと、さらにその雰囲気は伝わるかと。

「現象の提示」というシンプルなコンセプトの遂行が確実にもたらしている面白味がとにかく堪らないクリエイション。単調さはむしろそれぞれの深みへと転化されているようにさえ感じられます。

意表を突く方面から驚きをもたらしてくれる感じの斬新さ、痛快さも印象に残ります。

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尾家杏奈「はじまりのはじまり」

WADA FINE ARTS

東京都中央区築地3-2-5 第2平和田ビル

7/22(水)~8/8(土)日月祝休

11:00~19:00

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Anna Oya DAWN OF THE BEGINNING

WADA FINE ARTS

3-2-5,Tsukiji,Chuo-ku,Tokyo

7/22(Wed)-8/8(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00

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豊かな表情が溢れる筆致と色使いで、大胆に綴られる物語。

WADA FINE ARTSでの尾家杏奈さんの個展です。

イムラアートギャラリーでの3人展で拝見した迫力に満ちた大作のインパクトの記憶がまだフレッシュな時期に拝見することができた今回の個展。時に激しく、時に穏やかな筆遣いでさまざまな情景が描き上げられています。

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今回の個展でもっとも大きな作品。

京都で拝見した作品とは一転、青紺の系統の深くダークな色調が、ずしりとした重厚感を放ち、イメージしていたものとは異なるインパクトに遭遇して一気にその力強さに引き込まれます。

さまざまなモチーフが、それこそさまざまな解釈で表現され、それがここで繰り広げられる物語性の生々しさをより力強く放たせているように思えます。

色の魅力、沈み込むような色調が全体を覆うなかに灯る鮮やかな赤や紫、緑が活き活きと現れているのも印象的です。

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際どい線の表現は、その物語の激しさや儚さを表現しているように感じられます。

音が立つような、ざっくりと引っ掻かれるような質感は、情動的な、アグレッシブな風合いを思い起こさせながら、やはりその一方でその刹那な感触は焦燥感というか、思い浮かんだ「瞬間」を画面に遺さないと、という緊張感をも備えているように思えてきます。

この作品では、さまざまな色が用いられているのが印象的で、描写の激しさがさらにその空気感の刺々しさを立ちのぼらせて、しかし中央下に描かれる舟に乗るうさぎのかわいらしい描写がいっそう危ういイメージを発しているような気がして、それが複雑さ、混沌とした物語性をも生み出しています。

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ひとつの画面にさまざまな場面が描き込まれる作品が多い中で、ほぼひとつのモチーフのみが描かれた作品は、さらに迫力溢れる臨場感が伝わってきます。

ひとつのモチーフの存在感の大きさとは裏腹に、その描写の激しさは至近で眺めたときに強烈な抽象性が濃密に放たれます。さまざまなテクスチャーが醸し出す無数の情報、色や線の重なりや衝突が生み出すエネルギーにもおおいに惹かれます。

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時折見せる神々しさも印象的です。

今回、ほぼ壁面に1点ずつの作品が展示され、迫力に満ちた作品に囲まれたことで、その世界観の騒々しさ、激しさ、そしてその一方に潜む穏やかさ、達観が、いろんなかたちへとイメージを押し拡げてくれるように感じられます。

膨らみ広がる想像は、そこに自然と引き込まれていくのもまた興味深かったり。。。

個性的な筆致、大胆な色使いなど、今は心の中におそらく大きく存在する「迷い」と対峙し、押しつぶされそうになりながらもそこにある「熱」を掴み、引き上げて画面に投げ込む、そう表現したくなるようなダイナミズムは実に痛快です。これからどんな情景や世界が提示されていくかも楽しみです。

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ミリアム・ケイアンス/杉田陽平展

Gallery Strenger

東京都港区南麻布3-3-39 カーサベルマン1F

7/18(土)~8/8(土)日月祝予約制

12:00~19:00

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Myriam EYKENS/Yohei SUGITA

Gallery Strenger

3-3-39-1F,Minami-azabu,Minato-ku,Tokyo

7/18(Sat)-8/8(Sat) Sunday,Monday and national holiday:appointment only

12:00-19:00

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静かで穏やかな「生」と、凄まじく騒々しい「死」、それぞれの表現の鮮やかなコントラスト。

Gallery Strengerでの2人展、メディアも世代も、そして国籍も異なるアーティストがひとつの空間を共有し、独特のテンションをもたらしています。

まず、圧巻の色彩感とマチエルで視界に飛び込んでくる杉田陽平さんのペインティング。

独自の「死」のイメージを画面に叩き付けるように、圧巻のアグレッシブな情景を繰り出しています。

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もはやお馴染みとなった、絵の具を皮状に固形化し、それを重ねる手法で描かれる超高密度の混沌。ひとつのシートの中に注ぎ込まれる数多くの色彩と、それらが生み出す尋常でない量の情報、それらがカオスとなって迫ります。

部分ごとの抽象的なテクスチャーは、至近で眺めたときに凄まじい密度を伴って迫ってきます。一方、俯瞰したときに浮かぶさまざまなモチーフ、今作品においてはあらゆる生物たちの姿が力強く、そしてどこか朧げな気配感で表現されていて、その魑魅魍魎とした幻想空間にも引き込まれていくような気がしてきます。

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アクリル絵具を用いた作品から、今回は油彩の作品も合わせて登場しています。これがとにかく素晴らしいんです、その存在感は格別です。

熱を帯びるようなストロークが重なり、濃密な気配が奏でられています。画面に投入されるさまざまな色彩はその力と雰囲気を濃厚に醸し出しながら、さまざまな色と衝突し、混在し、それで描かれ表現される人物の表情の深さ、凄みには、ただ圧倒させられるばかりで。

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常に実験性を伴うような、それでいてどこかクラシカルで、普遍性を帯びたような説得力が溢れる作品。

筆の運びの生々しさとその動線の衝突が騒々しく、しかし俯瞰した時、なぜかしらそこに穏やかさが潜んでいるように感じられるのがなんとも不思議です。

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ミリアム・ケイアンスさんの作品は一転して静かな気配を紡いでいきます。

陶芸の素朴さが醸し出す、やわらかな雰囲気。眺めていて、ゆったりと心が落ち着いていくような印象を覚えます。

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やさしさと滋味に溢れる表情、不思議なポーズ。

それらはほんのりとシュールな感触を滲ませながら、、空間を共にする杉田さんの切迫したような、焦燥感を煽るような強さとは裏腹な、穏やかな説得力をそれはそれで力強く放っているように思えてくるんです。

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これだけテイストが異なる作品、クリエイションでありながら、ひとつの展示として実に調和しているのがなんとも不思議で、かつ心地よく感じられます。

互いのクリエイションが持つ濃密な雰囲気を引き立てあいながら、そこにある隙間を埋めるようにして、独特の響きが豊かにもたらされています。

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大林芳紀

青山|目黒

東京都目黒区上目黒2-30-6

7/4(土)~7/25(土)日祝休

12:00~20:00

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Yoshiki Obayashi

AOYAMA|MEGURO

2-30-6,Kami-meguro,Meguro-ku,Tokyo

7/4(Sat)-7/25(Sat) closed on Sunday and national holiday

12:00-20:00

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この1枚からはじまる狂気の世界。

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予備校時代に描かれ、教員を愕然とさせた習作なのだそう。

シンプルに鉛筆で描かれていながら、静物の精巧な描写と、それとは裏腹に有機的なモチーフの活き活きとした奇妙さが目に留まり、静かな気配感ながら強烈に引き込まれます。

最終日に滑り込みで拝見することができた、青山|目黒での大林芳紀さんの個展です。

圧倒的なカオスが展開されています。

元々は銅版画の版として制作されていながら、その素材の質感などの深みにより、こちらもひとつの平面作品としてあらたに手が加えられ、仕上げられた作品。

揺らめくストロークの密度、銅という素材のスリリングで重みのある煌めき。そして凄まじくエキゾチックなモチーフの群れが、独特なアバンギャルド性を立ちのぼらせているように感じられます。

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多く展示されていたペン画は、ストロークの豊かさが存分に発揮されていて、例えシンプルなモチーフ、構図でさえも、そこに収められるある種の濃さ、やんちゃさやら侠気やらが滲む世界観に惹かれます。

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アクロバティックなアプローチ作品によっては施されています。

一部、あたかもその部分が帯状にずらされたかのような仕上がりとなっている作品。

眉間の皺の深さ、太く濃い頬の稜線が醸し出す熱さ、その一方で、ちょうど左こめかみの高さでスパッとズレがもたらされていて痛快。

「あれっ?」という軽妙な驚きが濃い雰囲気にユーモラスなアクセントともたらしていて楽しいんです。

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そして細密の世界へ。

コミカルなユーモアが失せ、濃厚な狂気が一気に加速、深まっていきます。

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とにかくストロークが面白い!

ただ無数の線が重なるだけでなく、そこには徹底して強弱、太細の展開が常に現れ、それが生み出すカオスは尋常でなく。独特の騒々しさが、観ているとイマジネーションが浸食されていくような感覚に襲われます。

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さらに、そこに具体的なモチーフも加えられ・・・。

線、ドット、グラデーションとさまざまなテクスチャーが駆使され、凄まじい情報量が収められた画面にもたらされる混沌とした感じはいっそう深みを増していきます。

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他にもさまざまなクリエイションが並んだ見所の多い展覧会で、これを観られたのは本当によかったなぁ、と。

そして、プレスなどではこの展覧会は大林さんを新人作家と紹介されているのですが、若くして既にお亡くなりになられているとのこと。このジャンキーな世界観のこれからを観られないのは非常に残念至極なのですが、こういった機会にご存命の頃の大林さんをご存知の多くの方が、ちょっとした落書き的なドローイングなんかも持ってこられることがあるようで、もしかしたらそういったもので次が観られるかもしれない、と。。。

いずれにしても、この絶妙のジャポネスクな味わいとダークなアングラ感が潜む世界に、もっと多くの方に触れていただきたい、と思った次第です。

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澁谷忠臣 個展「教」

hpgrp GALLERY 東京

東京都渋谷区神宮前5-1-15 CHビルB1F

7/3(金)~7/26(日)月休

11:00~20:00

Tadaomi Shibuya Exhibition “Oshie (Doctrine)”

hpgrp GALLERY Tokyo

5-1-15-B1F,Jingu-mae,Shibuya-ku,Tokyo

7/3(Fri)-7/26(Sun) closed on Monday

11:00-20:00

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表現法のオリジナリティを携えて、さらに深く、ストイックな世界へ。

hpgrp GALLERY 東京での澁谷忠臣さんの個展、前回から一転して、強固な統一感に支配され、合わせて5点のみのキャンバスの作品による構成で深遠な雰囲気が濃密に、しかし鑑賞者とのある距離感を置きながら、きわめて静かに充満していたのが強く印象に残っています。

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前回の個展では、その幾何学的なモチーフを重ねることでさまざまな動物の姿や仕草が描き出されていて、用いられる色のバラエティなどとも相まってキャッチーで男の子心をくすぐるプリミティブなかっこよさが溢れていたのですが、今回はほぼ、茶系の色のみが用いられ、さらに抽象的な情景が描き出されていて、いわゆるキャッチーなイメージさからはかけ離れた景色が展開されていたのです。

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狂わされる感覚。

果たしてどれくらいのスケール感のものを俯瞰しているのか...もしかしたらもっと細微な部分に視点を凝縮させているのか。そして、上からなのか水平方向からなのか、これほど「かたち」としての存在を際立たせていながら、一旦あるベクトルへの想像へと侵入させると留まるところなくイメー時は膨らみ、加速していきます。そしてその膨張の度合いだけ、謎めきも増大していくんです。

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さらに、手描きのテクスチャーの生々しさがその硬質なモチーフに被さってきます。

微妙な色調のグラデーションが、その眼前の情景に潜む気配感を深めていきます。

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大作が3点並ぶ壁面の、それぞれの関わりがもたらすイメージのボリュームにも感嘆し、底に意識を沈めつつ。。。

また、1点だけがひとつの壁面にあてがわれたとき、それがその壁面、そして空間に及ぼす雰囲気にもおおいに惹かれます。

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今回の展示タイトルであり、テーマでもある「教」、すなわち、澁谷さんご自身が辿り、血肉としてきたさまざまな精神、宗教観などをベースに、そこからまったくのイマジネーションに従いながら制作された作品群は、そういった過程が深みを重厚に放っていたのが強く印象に残っています。

そして、僕自身の想像も加速します。

このスタイルでさらにアクロバティックな展開があるとしたら...これだけ方向の感覚のズレが面白い展開が、もし壁面に留まらず床や天上、あるいは複数の壁面などでよりダイナミックに展開されたらどうなるだろう、などと連想してみて、いっそう興味深くなってきます。

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加藤千尋「変化(へんげ)」

Yuka Sasahara Gallery

東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第三ビル4F

7/4(土)~8/8(土)日月祝休

11:00~19:00

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Chihiro Kato "Metamorphosis"

Yuka Sasahara Gallery

3-7-4F,Nishi-gokencho,Shinjuku,ku,Tokyo

7/4(Sat)-8/8(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00

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Yuka Sasahara Galleryでの加藤千尋さんの個展です。

今回は平面作品のみの発表、お馴染みのハイブリッドなモチーフが随所に登場、独特の世界観が築き上げられ、なおかつさらにイマジネーションの膨張を促す展開が興味深い内容となっています。

まず正面の壁面で出迎えてくれるのが、銀杏返しをベースに孔雀の羽やら鶴の頸やらが生え、おおらかな佇まいで魅せる作品、さまざまな色彩が背景の白に映え、その美しさをしなやかに奏でているように感じられます。大作にしてまさに加藤さんの真骨頂、そういう印象が痛快です。

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そして今回は、これまで一貫して白で統一されていたバックに、具体的な背景の要素が入ってきています。

作品によっては風景と同化し、ハイブリッドの方向がさらに広がってアクロバティックな展開を繰り広げる作品も。

その色彩とストロークの繊細さも遺憾なく発揮され、フューチャリスティックな世界観はさらに深みを帯びているように感じられます。

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縦長の作品、シンプルにモノトーンのグラデーションが施され、これまでとは異なる静けさがもたらされたものも。

浮遊する感触が重なり、臨場感が増して伝わってきます。

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背景への作用はさらに加速、複雑化していきます。

例のハイブリッドな有機物が、あたかもそこに息づくような、想像上のリアリティが追求されたような作品も。

遠くに霞む景色、さまざまな草葉が茂る中にもりもりと聳える人毛ぞベースにしたような新生物。

もしかしたら、この草葉もハイブリッドの一部かも、と思ってみると、想像がさらにアクロバティックに膨らみます。

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背景にさまざまな要素が描き込まれることで、世界観が深みと広がりとを伴って迫ってくるような印象を覚えます。

無論、これまでの白がもたらす虚空の感触、虚無の感触の鋭さとともに、これからどういう広がりと展開を見せてくれるかにも興味が湧いてきます。

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《7/25》

REAL OSAKA -大阪発12人の提供でお送りいたします。-

Bunkamura Gallery

東京都渋谷区道玄坂2-24-1

7/25(土)~8/2(日)

10:00~19:30

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大阪のギャラリーが送り込む若手アーティスト12名、既知、未知の個性が揃い、実に楽しい空間が創り出されています!

国本泰英さん。

フクダ画廊での個展でもたっぷり拝見した、ベージュのソフトな色彩を背景とし緻密なグラデーションで人物のシルエットを描いた作品がまず出迎えてくれます。

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今年さんざん目にした場面も。

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人を描かない作品も登場していて、こちらの展開も興味深いです。

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噂のアーティスト、小沢団子さんも登場!

線の面白さ、楽しく溢れる色彩、シュールな女の子の姿。キャッチーな世界がめくるめく広がっていっています。

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立体も可愛い!

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1点のみの出品、森田存さん。

強烈に濃密なエキゾチックな雰囲気のインパクト。もっといろいろと拝見したいクリエイションです。

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ART AWARD TOKYO 2009で小山登美夫賞を受賞し話題を集める寺村利規さん。

不思議な空間性、たったふたりの人物が描かれ、その無機的な表情と佇まいが、画面に収まらない部分へのイメージを膨らませてくれます。

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小品での展開も、独特のダークな雰囲気が興味深いです。

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momoさんのペインティング、キュートな危うさが目を惹きます。

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モチーフのかわいらしさ、ざっくりと荒れる画面や絵の具の飛沫が放つアバンギャルドなテイスト、そして何より透明感と深みを備える赤のインパクトに、一気に膨張し弾けるような痛快さと危うい感触が奏でる緊張感に引き込まれます。

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立体の作品、小品もどくとくのかわいらしさが。

甘い毒を持つ感じ、その危うさが印象的な世界観を生み出しているように感じられます。

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展現舎での展覧会が気になっていた、双子姉妹アーティストのひとり、倉澤梓さん。シャープな構図、くっきりとした配色と色彩の解釈、かわいくデフォルメされた動物たちがそのなかでさまざまな場面を繰り広げています!

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くっきりと、グラフィカルに描き上げられるさまざまな風景の未来的な臨場感と、登場する動物たちの仕草や表情が醸し出すキャッチーな物語性が楽しく、印象的です。

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大きな画面の作品とともに、たくさんの小品がちりばめられていて、ひときわ華やいだ楽しい壁面が創り出されているのもまた嬉しいです。

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立体のアーティスト、まずは向井正一さん。

宇宙服を纏う赤ちゃん、表面のグラデーションが奏でるリアルな仕上げの説得力と、徹底したかっこよさがとにかく楽しいです。

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赤ちゃんだけあって、武器が哺乳瓶とか、かっこいいなかにユーモアが入り込んでいるのもなかなかよい感じで。

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一転して、Chapuriさんの創作人形の深遠な雰囲気に魅せられます。

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無垢で高貴な色香が漂います。

両表の立像、儚げな表情と佇まい、樹から人へと変わる脚の部分など、さまざまな部分が幻想的な風合いを奏でます。

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洗練された世界観、大人びたファンタジー。その繊細な気配に包まれます。

もっといろいろと、そしてソロでも拝見したいクリエイションです。

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ふたたび平面へ。

高橋淳さんの作品は、とにかくその徹底したテクスチャーに圧倒されます。

ぐしゃぐしゃと絡まる絵の具の線の1本1本の力強い存在感、それが描くポートレイトの曖昧さ。そのコントラストが危うい世界観を醸し出します。

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この画面の生々しさに圧倒されます。

そこにある表情、もしかしたら笑っているかもしれないけど、その笑みを取り囲む凄まじいノイズ、そしてもしこの画面をかき分けることがでいきたとして、手を突っ込んだら気配が一気に消えそうで、その妖しいイメージも強烈に印象に残ります。

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小松孝英さん、その渋さが今回の展覧会に深みを与えます。

絵画としてのクラシカルな風合い、描写の高い再現性の説得力。独特の静謐感が繊細に漂います。

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仄かな透明感を醸し出す色使いも随所に織り込まれ、丹念に紡がれるひっそりと静かな情景の臨場感。その穏やかさが心地よく感じられます。

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名古屋での個展などで印象に残る添野郁さんの作品も。

このクールな色彩と緻密に構築される奥行き感、いつ拝見しても楽しいです。

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オペラシティでのproject Nでもフィーチャーされた阿部岳史さんの参加も嬉しい!

木製のちいさな色とりどりのキューブが画面に整然と配され、それがポートレイトやさまざまな場面を描き上げていて、そのお洒落な感じが独特の面白味を奏でます。

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キューブを凝縮した作品も。

グラデーションの面白さに、妙に引き込まれます。

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キューブの作品に留まらず、光を用いた作品もあり、こちらの展開も興味深いです。

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キャッチーな立体的アプローチが、さまざまな表情を生み出します。

俯瞰したときにそれが何かにたしかに見える面白さと、至近で眺めた時にぐんと立ち上がる立体感、それぞれが楽しいんです。

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大林芳紀

青山|目黒

東京都目黒区上目黒2-30-6

7/4(土)~7/25(土)日祝休

12:00~20:00

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ストロークの味わい深さが奏でるエキゾチックさ、ジャポニズムが、独特の世界観を導き出しています。

徹底した描き込みの作品の圧倒的な密度にも感嘆させられた次第。

最終日になんとか伺い、作品ひとつひとつとじっくりと対峙し、そこから滲む深みに浸れたのがとにかく嬉しかったです。

小沢剛「もうひとつの小沢剛展」

Ota Fine Arts

東京都中央区勝どき2-8-19-4B

7/21(火)~8/29(土)日月祝・8/9~8/17休

11:00~19:00

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広島での個展と会期を合わせての、小沢剛さんのOta Fine Artsでの個展。これまで発表されたさまざまなクリエイションが年表風に展示されているのがありがたく、また楽しい構成となっています。

それぞれが醸し出す謎めきに満ちた創造性に感嘆しつつ、なかでもパフォーマンスを収めた映像「できるかな2004」に夢中に。

できてるのか!?Σ( ̄口 ̄;)

ホントにできてるのか!?Σ( ̄口 ̄;)

と思わずにはいられない、地味に破天荒な展開が面白すぎるのです。

馬場俊光展

BASE GALLERY

東京都中央区日本橋茅場町1-1-6 小浦第一ビル1F

7/3(金)~8/7(金)日祝休

11:00~19:00

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再訪。

ひとつひとつの色彩がていねいに、マスキングも駆使して画面に重ねられ、シャープに描かれる風景の独特の重厚感、その淡々とした静かな気配が心地よいです。

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アルミのプレートの画面の強靭さを兼ね備える画面のフラットさが、緻密な色面構造を引き立てます。

そして、ひとつの色面が持つ豊かなグラデーションが生み出す陰影も、描かれる情景に、さらに深みをもたらしているようにも感じられます。

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作品によって統一される色調も、独特の美しさをもたらしています。

そして、本来の風景から意識に入ってこないものを引き、より感覚に近い情景が描かれることで、眺めていると自然にそのなかに入り込み、硬質な静けさを肌で感じるような感覚に浸れるのも嬉しかったり。。。

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裸婦の作品も。

究極的に有機的なモチーフながら、そのユニークなアプローチにより、独特の硬質感がもたらされ、不思議なエロティシズムが奏でられているように感じられて興味深いです。

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シャープなテクスチャーと、ユニークな解釈を通過しての高い再現性。

これからの展開も楽しみです。

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「変成態-リアルな現代の物質性」展 vol.3 泉孝昭×上村卓大 「のようなもの」の生成

gallery αM

東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビルB1F

7/25(土)~9/5(土)日月祝休

11:00~19:00

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それぞれ、さまざまな素材の質感が直接的に活かされ、というかほとんどそのまま提示され、それが空間に作用して独特のシュールさが紡がれています。

これまでも折に触れて拝見している泉孝昭さんの作品、なんだろう、このおもしろさは...なかなか言葉にするのは難しそうなのですが、そこにそれがあるだけで何故か説得力と美しさを感じてしまうという...。

泉さんよりは「作った」感が伝わる上村さんの作品たちも、それでもやはり不思議な雰囲気を漂わせています。

ふたつのクリエイションの境界の曖昧さも、展示の面白さを加速させているように思えます。

不死鳥と雉鳩 -真夏の夜の夢2-

CASHI

東京都中央区日本橋馬喰町2-5-18-1F

7/18(土)~8/8(土)日月祝休

11:00~19:00

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3名のアーティストがパッケージされたグループ展。

CASHIらしいクリエイション、伸びやかなペインティングがそこかしこに溢れます。

膨らむような色彩が楽しく、心地よいです。

《7/26》

藤野未来展

Gallery惺SATORU

東京都武蔵野市御殿山1-2-6 ビューキャニオン吉祥寺御殿山B1F

57/11(土)~8/2(日)火水休

11:00~19:00

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色鉛筆と鉛筆で綴られる、滋味溢れる世界。

それぞれの壁面で構成される物語性は、素材の軽さ、親しみやすさが独特の不jか見をもたらしているように感じられます。

不思議なモチーフが、人の顔のまわりを広がり漂う作品、モチーフの微妙な歪みが奏でる臨場感が面白いです。

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同様のモチーフが今度は画面に鉛筆で描かれて整然と配され、そこを背景に青い髪の女性がやってくる構成。

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縮尺を巧みに活かし、展開されるユーモアが楽しいです。

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それぞれ、淡々とした気配が印象に残ります。

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TRIO-A-STRIPE 秋本将人 西原功織 保坂毅

A-things

東京都武蔵野市吉祥寺本町4-6-2 SATOH BLDG.1F

7/25(土)~8/30(日)月火休

13:00~19:00

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3名のアーティストが、展覧会タイトルにある通り「ストライプ」をテーマに制作した作品を揃えた展覧会です。

西原功織さんの筆遣いの面白味、本来からストライプの展開が多いこともあり、真骨頂的な感じが痛快です。立体のアプローチが大胆かつ素朴さをも奏でる保坂毅さんの作品群、そして紙の箱を組み上げてユニークな空間を導き出す秋本将人さんと、それぞれの個性の響き合いも心地よく爽やかに感じられます。

また、壁面のどの部分を眺めても収まりがよくて、それがまた楽しさを加速させてくれるんです。

《7/30》

原口佳子「cosmos」バウムクーヘンの森/嘴のさきに見える山

artdish.g

東京都新宿区矢来町107

7/30(木)~8/16(日)月休

12:00~22:00

原口佳子0907300001.jpg

真夏に観る雪景色。

FUKUGAN GALLERYで拝見した海辺の風景の写真作品も印象的な原口佳子さんのartdish.gでの個展、コンパクトな空間に収められる景色の神々しさと軽やかな空気感が新鮮です。

ふわっと広がる白が、心を潤して、そして癒してくれるような感じがして心地よく感じられます。

熊谷直人 "p d"(p)

Gallery Teo

東京都品川区東五反田2-5-15-3F

7/18(土)~8/1(土)日月祝休

11:00~19:00

熊谷直人090718.jpg

Naoto Kumagai "p d"(p)

Gallery Teo

2-5-15-3F,Higashi-gotanda.Shinagawa-ku,Tokyo

7/18(Sat)-8/1(Sat) closed on Sunday,Mondayu and national holiday

12:00-19:00

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揺らめくような色彩で紡がれる光の表情。

裏腹な画面のマチエルの生々しさ。

2期続けて開催されるGallery Teoでの熊谷直人 さんの個展の前期、まずはペインティング作品が発表されています。

植物をモチーフとし、さまざまな色彩が画面にもたらされ、幻想的な情景が紡ぎ出されています。それぞれの作品における繊細さと大胆さが、そのまま強さと儚さとなり、その絶妙な加減が豊かな世界観をもたらしているようにも思えます。

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作品によってトーンにバリエーションがもたらされているにも大変興味深いです。

鮮烈で色が用いられ、その発色の強さが呑まれるような濃密な世界を奏でている作品から一転、グレートーンが印象的な画面では、淡々とした気配が印象的です。

しかし、画面の仕上げの艶やかさや下地や絵の具の質感の立体感など、至近で眺めたときに伝わる「もの」としての臨場感が、異なる重厚なインパクトをもたらしているように感じられます。

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植物をモチーフとする統一されたひとつのコンセプトによって、実にバリエーション豊かな情景が導き出されているのが楽しいです。

今回の展覧会の中でひときわ大きな作品、風にそよぐ草を思わせる、ふわりとした膨らみをもつ無数のストローク。そのカラフルさは、さまざまな光の表情を思い起こさせ、軽やかで幻想的な情景が生み出されているように感じられます。画面のサイズ以上の広々としたイメージを想起させながら、やはりマチエルの生々しさに、ただ軽く爽やかな想像を許さない、強烈な要素が備わっているようにも思えて、そのギャップも興味深いです。

熊谷直人13.JPG 熊谷直人12.JPG 熊谷直人11.JPG

熊谷直人10.JPG

筆致がもたらす表情の豊かさは、用いられる色彩とともに、画面ごとの世界感を個性づけていきます。

朧げに画面を這う線と、そこかしこに広がる色彩。こちらもトーンの落ち着きが沈むような雰囲気を醸し出し、気配に霞む樹木のシルエットのようなイメージを思い起こさせてくれます。また、この作品の画面はざらついていて、俯瞰した時の霞むような気配感の印象へも作用してきて、それだけイメージに幅が生まれていくんです。

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数点展示されている小品も、それぞれの壁面と空間に豊かな響きとアクセントをもたらします。

小窓から覗いた風景のような、コンパクトな画面における構図の楽しさ、そこで繰り出されるある種の実験的な要素。大きな作品がずらりと並んでいることもあり、ちいさな画面からも豊かに想像が広がっていきます。

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色彩と筆致によって描かれる植物をモチーフとしたシルエットは、むしろさまざまな光の表情を紡ぎ出しているように感じられます。

仄かに漂う透明感、ゆらゆらと揺れる幻想的な気配。抽象性の高さも加わり、メランコリックな雰囲気もそこに注がれているように感じられます。

しかし、描かれる情景の繊細さがもたらすファンタジックなイメージは、画面のマチエルの生々しい立体感とのギャップによって現実感へと力強く引き戻されます。

そのコントラストが独特のクールネスとなって、熊谷さんが描き出す世界観をより個性的なものへと押し上げているように思えてきます。

夏休みを挟んで開催されるドローイングによる展覧会も楽しみです。

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永瀬武志 " super real "

YOKOI FINE ART

東京都港区東麻布1-4-3 木内第二ビル6F

7/17(金)~8/1(土)日月祝休

11:00~19:00

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Takeshi Nagase  "super real"

YOKOI FINE ART

1-4-3-6F,Higashi-azabu,Minato-ku,Tokyo

7/17(Fri)-8/1(Sat) closed on Sunday and national holiday

11:00-19:00

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神々しくさえある、圧倒的な透明感。

YOKOI FINE ARTでの永瀬武志さんの個展です。

直前に開催されたBunkamura Galleryでの個展では、最近の展開の集大成的な構成で、人物画、風景画、花をモチーフとした作品とバリエーションに富み、しかしそのひとつひとつに凄まじいほどの瑞々しさがたたえられていて圧倒されたのですが、続く今展では展示作品数もぐっと抑えられ、また暗めの照明設定によって、Bunkamura Galleryでの華やぐような雰囲気とは異なり、沈み込んでいくような静謐感がもたらされているように感じられます。

とにかく、DMにも採用された作品が素晴らしい...。

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黒いフレームにトリミングされた女性の横顔は、光の当たる角度や加減が伝わるほどに髪の毛や睫毛がていねいに再現され、顔の肌はいっそう艶やかな光を放って。

ほぼ右目だけで伺える表情も実に豊かに伝わります。思わず見とれるほどに美しい横顔、この繊細な気配感に唯事ではない貴重なインパクトを感じます。

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この展覧会では、人物画を中心に構成されています。

精緻に再現される作品たち。豊かな、そしてたおやかな表情やゆったりとした時間の流れを思い起こさせてくれます。

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そしてこれらがすべてエアブラシで描かれていることにも、あらためておおいに驚かされます。

肌の木目の細やかさ、艶やかさは、深く繊細な陰影をもたらすグラデーションで描かれ、さらに頭髪や睫毛の1本1本、そして瞳孔の内側さえも、緻密に再現されていて、エアブラシという道具のポテンシャルとそれを駆使する長瀬さんのスキルに感嘆。。。

エアブラシだからこそ、当然筆痕などが残るはずもないためにもたらされる画面表面のフラットさも、作品が持つ美しさ、透明感をさらに硬質なものへと引き上げているような気もします。

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1点だけある「奥歯」を描いた作品。

これがこの空間に与えるアクセントの濃度にも惹かれます。

「顔」の内側、構造というか、生命としての生々しさを絶妙な距離感で提示しているように感じられます。

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1点1点の深みとともに、ストイックな構成に酔ってもたらされている空間全体に広がる穏やかさと緊張感を感じてほしい展覧会です。

永瀬武志1.JPG

内海聖史展 ―千手―

GALERIE ANDO

東京都渋谷区松濤1-26-23

7/7(火)~7/25(土)日月休

11:30~19:00

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Satoshi Uchiumi “thousand-armed"

GALERIE ANDO

1-26-23,Shoto,Shibuya-ku,Tokyo-to

7/7(Tue)-7/25(Sat) closed on Sunday and Monday

11:30-19:00

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視線の高さで空間を知る...。

GALERIE ANDOでの内海聖史さんの個展に行ってきました。計3回足を運び、その都度見えてくるもの、見つかってくる要素、そして思い浮かぶイメージが変化し、そこにいる時間が常に充実して感じられたのが、いつものこととはいえ、今回も強く印象に残っています。

入り口の扉の格子越しに目が捉える空間。

もう何度も足を運んでいるこのギャラリーが、

「あれ、こんなに広かったっけ?」

と思わずにはいられないほどに、深くゆったりと感じられたのがとにかく新鮮に感じられた次第です。

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ユニークなかたちのスペースの、敢えて上方に配される内海さんのペインティング。

その位置のアクロバティックさは否応なく視線を上へと向かわせると同時に、逆に壁と床が接するコーナー部分にも、自然と意識が向かうんです。

あらためて、意外なほどに天井が高いことを自ら強く認識するがごとくしげしげと空間の形状へと意識を注ぎ込んでしまうのがまた印象に残ります。

そして、前回のこの空間での個展でのインスタレーションを思い浮かべ、そのときに出展された1枚の壁面全面をほぼ覆う作品が、今更ながらに相当なサイズだったことに呆然とさせられたり。。。

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前回の同ギャラリーでの個展の際に、上記の全面がペインティングで覆われた壁面の向かいの壁面に設置され、それと対峙し、空間として受け止めていた円環の構成の発展系である今回のインスタレーション。それぞれの画面が「何の色」と言い表せる構成、それに準じてもたらされる色彩のバリエーションにも随分と慣れてきたことも実感したのですが、では、とあらためて1点ずつとしっかり眺めてみると、例えば赤の作品の画面を眺めていると思って刹那、その画面に備わる赤ではない色に意識が入り込んでいることに気付かされることしばしば、この感触も印象的です。

また、同系統の色の濃淡が、壮大なイメージへと変換され、山並みを俯瞰しているような、もしくは余白が海面で、複雑な稜線に加え、無数の谷が這うように入り組む岸壁のようにも見えてきたり。

さらには、(敢えてこう表現しますが)ある一定数のストロークが構築するおよそひとつのドットの塊がうごめき、衝突しあっているような、動的なダイナミクスも伝わってくるんです。

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下方から煽るように眺めて、画面に乗る絵の具の臨場感をいつもより生々しく、強く感じられたのも心に強烈な記憶として残ります。

作品の展示位置を考えると至近で観ることはかなわないのですが、それでも最至近である下方から眺めていると、だんだん足下の意識が消えていきます。

「もしかしたら浮いているのか?」

などという錯覚も敢えて思い描いてみると、このインスタレーションがさらに体感できるような感じもした次第で。

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前回の「十方視野」の、すべての画面のサイズが異なる構成を直前に体感していたこともあり、また同時期にスパイラルガーデンで開催されていた展示のサイズがそのままド級の迫力へと転化する構成を観ていたこともあって、同サイズの画面を並べて得られていた今回の展示における無機的なリズム感がより伝わって、そしてそれが、一つの画面にトリミングされた感じいっそうシャープに提示しているようにも感じられました。

今回の作品が円環なのであれば、もし機会があれば、相応の広さの壁面で、文字通りひとつの円周上に配置された展示も観てみたいなぁ、と。

ひとつの空間での展示が時間的に完結しても、ここから作品が...もとい、コンセプトが育つ可能性を、今回の展覧会では、より強く感じます。

まずは8月の京都、そしてそれ以降の展開へも好奇心が膨らんでいきます!

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抜水摩耶 個展『私は強い、お前は弱い』

ArtJam Contemporary

東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 2F

6/26(金)~7/26(日)月休(7/20開廊、7/21休)

12:00~20:00

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Maya Nukumizu “I’m strong, You’re weak”

ArtJam Contemporary

1-18-4-2F,Ebisu,Shibuya-ku,Tokyo

6/26(Fri)-7/26(Sun) closed on Monday

12:00-20:00

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ステルス。

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・・・ふうの戦闘機のオブジェが至る所に。

宣戦布告か!

先制攻撃か!

しかしそんなのお構いなし、なぜなら私は強いからー!

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どんな強さだよ!Σ( ̄口 ̄;)

たしかに強そうだけど!Σ( ̄口 ̄;)

もとい、鑑賞者の先入観やら想像力やらに対しても圧勝のインパクトを誇るタブローがずらりと並んでいます、ArtJam Contemporaryでの抜水摩耶さんの個展です。

とにかくこの勢いが。

サイバーでソリッドでヴィヴィッドでアグレッシブな世界。

お馴染みのオメメパッチリもといバッチリな女の子が腕に銃を携え、目から光線をほとばしらせ、口から舌をビヨーーンと鞭のように伸ばし、ミニスカートを振り乱しながらながら、画面の方向へ向かって猛スピードで、ものすごい勢いで攻めてきます。

抜水摩耶21.JPG 抜水摩耶20.JPG 抜水摩耶19.JPG 抜水摩耶18.JPG

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ていうかなんで攻撃されんの俺!?Σ( ̄口 ̄;)

無彩色がベースとなり、そこにシルバーのラメなどもふんだんに取り入れることで、抜水さんの発する世界観に硬質さ、そしてフューチャリスティックな雰囲気が備わり、さらに勢いが増して感じられます。一にも二にも、とにかく痛快なのですぅぅぅ!

一転、白と黒との日章旗風のモチーフを背景に、今度は腕が刀となり、膝付きのポージングで隙あらば襲いかからんとするその仕草に、まるでヘビににらまれるカエル状態って穏当にそうなのかよくわかりませんけど、それはそれ、かっこいいですよホント。

振り乱される長髪のなかに描き込まれるさまざまな紋様、絵柄がさらにソリッドに奥行き感を創り上げ、複雑な立体感を伴って迫ってきます。

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ベースがモノトーンであることにより、そこに色が入ると一気にヴィヴィッドな感触が立ち上がってきます。

画面を這う顔料の生々しさ、そしてそこに何か焦燥感に煽られるかのよう画面を走り、塗り込まれる無数のストロークが、独特の濃密さを導き出しているように感じられます。

また、この作品においてはそのサイズにも圧倒されてしまいます。巨大な顔と、ただでさえ割合として大きいのにそれに比例してさらに拡張膨大となる目が、この世界観が持つ強さをさらに押し上げているようにも感じられるんです。

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1点だけ出展されていたフィギュアふうのオブジェ、これがまた素晴らしい臨場感で。

全身をダークシルバーで覆い、そこにあの、いかにも抜水さんらしい重里天真爛漫さとを伴うストロークが表面に走り、さまざまな模様が施されて、平面世界からホントに飛び出てきたかのような、ある種のリアリティが力強く提示、展開されています。

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今回の個展のタイミングでリリースされた(と思うのですが・・・)、新聞風の画集も見応えあり。

抜水さんのさまざまなクリエイションが網羅され、それが敢えて上質紙ではない紙にプリントされることで、アングラな感じがより鋭さと深みを増して現されているように感じられます。

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常に動的なイメージを放ち、観る者をそれで煽り続ける抜水さんのクリエイション。

ある瞬間を捉えたような独特の凄まじくスピード感溢れる緊張感と、画面に走り広がるラインやストライプが放つ、勢いに満ち、立体的なベクトルへと向かいながら世界観の拡大膨張を促すテクスチャー。

徹底して煽って煽って煽りまくるその画風は痛快極まりなく、そこに硬質な色彩が用いられるとでさらに力を得て、コンパクトな空間でありながらも窮屈に感じられるくらいに情報量が満ち溢れ、独創的かつアグレッシブなポップさ、キャッチーさも備える世界観が展開されています。それでいて、その後ろを振り向かない感じに悲壮感というか、敢えてネガティブな想いを押し隠すような印象も、その徹底し、むしろ過剰なほどの天真爛漫さの裏に潜んでいるように感じられたり。

・・・ああもう!

四の五の言うのはもうやめ!

とにかくこの勢いに感性が蹂躙される感じは痛快です!

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早川克己 展「Double:Vision」

Gallery MoMo Ryogoku

東京都墨田区亀沢1-7-15

7/4(土)~7/25(土)日月祝休

11:00~19:00

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HAYAKAWA Katsumi "Double:Vision"

GALLERY MoMo Ryogoku

1-7-15,Kamezawa,Sumida-ku,Tokyo

7/4(土)-7/25(土) closed on Sunda,Monday and national holiday

11:00-19:00

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さまざまなテクスチャーで組み上げられる、フューチャリスティックな抽象世界。

Gallery MoMo Ryogokuでの早川克己さんの個展です。

入り口からずらりと並ぶ大作群。そのひとつひとつに構築される情景は圧倒的で、幾何学的、図形的なアプローチも導入して立体感に溢れ、そのかっこよさ、子どもの頃に憧れたようなスピード感溢れる未来的なイメージに包まれます。

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画像はバリエーションに富んでいて、それぞれが独創的な雰囲気に満ちています。

おそらく何層にも重ねて塗布される絵の具によって生まれる表面を削ることで表出する色彩は、ときに光線のような鋭さを伴って迫ります。

引かれる直線、緻密に彫り込まれるドット、艶やかに広がる色彩。それらが一体となり、壮大なスケール感を生み出しているように感じられます。

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おそらく基本スタンスにあるのは「遊び心」なのだろうと思います。

単純にかっこいいことが追求されているシンプルな姿勢、そして理論というか、「こうすればこうなる」という感覚的な経験により、それぞれの作品に伝わりやすい面白味をもたらしているような気がするんです。

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奥のスペースでも、そのサイバーな雰囲気は続きます。

重厚なグラデーションが放つヴィヴィッドな輝き。そこに無数の線があるルールに沿って彫り上げられ、立体的な奥行き感が生み出されていいます。

そのなかに数本取り入れられる大きな弧が、ダイナミズムと時間のイメージとをそこに重ね、さらに分厚く壮大なスケール感をもたらし、より力強く迫ります。

そして、至近で眺めた時のスクラッチ痕の生々しさ、アバンギャルドさも見応えがあり、そのギャップも想像を膨らませてくれます。

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一転して落ち着いた色彩が広がる作品。

スクラッチの奥から除かれる濃密な赤、そしてそれによって現されるさまざまな角度のライン、そして無数のスクエアは、手描きらしい微妙なズレや歪みを伴い、それが混沌となってこの世界を複雑でアグレッシブなものへと押し上げているように感じられます。

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さまざまなサイズに加え、パネルの厚みなどにも変化がもたらされ、バラエティに富んだ情景、アクロバティックなテクスチャーが導き出されているのも興味深いです。

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空間に満ちるシャープな雰囲気も印象に残っています。

ペインティングの臨場感としても実に独特で、「描かれる」というより「創られる」と表現したほうがしっくりくるような、独創的な、壮大な世界観と生々しくアバンギャルドな触感をたたえるテクスチャーが強く心に残ります。

そして、作品ごとの強度、仕上げの艶やかさにも感嘆させられた次第。

ひとつの色彩、スタイルの作品で統一された展示空間はどうなるんだろう、とか、もっとアクロバティックな画面形体の作品も観てみたいなど、いろんな興味も広がります。

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《7/17》

project N 38 山下美幸

東京オペラシティアートギャラリー 4Fコリドール

東京都新宿区西新宿3-20-2

7/18(土)~9/27(日)月(祝日は開館)・8/2休

11:00~19:00(金土:~20:00)

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BOICE PLANNINGのメンバーとしてもお馴染み、山下美幸さんが鴻池朋子さんの個展とあわせて開催のproject Nに登場、これもまた素晴らしいです!

旧作も含む大作が、それぞれのコーナーに設置され、じっくりと対峙できる構成になっているのも嬉しく、新作における新たな試み、これまでになかったストロークもふんだんに取り入れられ、独特のメランコリックな雰囲気とともに新鮮なイメージの創出も促されます。

さらに、もっとも大きな作品のインパクトも強く印象に残ります。透明感も加わり、おおらかに情景が広がる感じも楽しいんです。

メインでの鴻池朋子さんの個展は、あれはもうアトラクションの域。

そして、

ガンツか!Σ( ̄口 ̄;)

あれを倒せば「100てん」か!Σ( ̄口 ̄;)

と思った次第。

分かる人にしか分からないですけど、分かる人にはすごくよく分かってもらえると思います(笑)。

鶴見幸代個展 “チューニング Tuning”

谷門美術

東京都港区北青山3-3-7 第一青山ビル1F

7/17(金)~9/4(金)日月祝・8/11~8/15休

13:00~19:00

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六本木時代のmagical,ARTROOMでの個展も印象に残っている鶴見幸代さんの久々の個展です。

1枚の写真に光や手描きなどを重ね、ユニークな情景を導き出すのですが、今回はその手描きの部分にモザイクのような、ちいさなチップをちりばめたようなテクスチャーが取り入れられ、緻密さが楽しく、またレトロな雰囲気が前回とは異なる味わいも醸し出しています。

《7/18》

ミリアム・ケイアンス/杉田陽平展

Gallery Strenger

東京都港区南麻布3-3-39 カーサベルマン1F

7/18(土)~8/8(土)日月祝予約制

12:00~19:00

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ふたりのアーティストをパッケージし、それぞれ「死」と「生」とがテーマとなり、お互いが放つ世界観を補完し合っているような構成が興味深いです。

杉田さんのペインティングにもさらに幅が生み出され、ミリアム・ケイアンスさんのピュアで味わい深いセラミックの人物の造形とユニークな響きを生み出しています。

Mark Borthwick

GALLERY SIDE 2

東京都港区東麻布2-6-5

7/18(土)~8/15(土)日月祝休

11:00~19:00

いつもと違う雰囲気に、刹那、戸惑わされます。

イージーに展示される写真やドローイング。それ以外にもさまざまなものが配され、リゾート的な雰囲気、レイドバックしたような空気感に包まれ、時間が経つにつれてその臨場感に心地よさが増していきます。

あらためて1点ずつの作品を拝見すると、これが実に味わい深く、セピア的な風合いを醸し出しながら豊かな気配を紡ぎ出していて、緩やかに引き込まれていきます。

この日はオープニングレセプションでアーティスト自身によるライブが行われたようで、その準備でギターや譜面、アンプなども出されていて、それもまた独特の雰囲気に臨場感をもたらしていたように感じられた次第です。

永瀬武志 " super real "

YOKOI FINE ART

東京都港区東麻布1-4-3 木内第二ビル6F

7/17(金)~8/1(土)日月祝休

11:00~19:00

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この透明感。

潤いに満ちる静謐観に気配に圧倒されます。

この写実表現がすべてエアスプレーで繰り広げられていることにも大いに驚かされ、6点で構成される空間の深みも強く印象に残ります。じっくりと対峙させてくれる空間です。

熊谷直人 "p d"(p)

Gallery Teo

東京都品川区東五反田2-5-15-3F

7/18(土)~8/1(土)日月祝休

11:00~19:00

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光の表情を独特の色彩の解釈で描き出し、植物をモチーフとしながらも抽象性の高い世界観が溢れる作品がずらりと並んでいます。

揺らめく光の質感も、至近で眺めると画面の質感の生々しさにも引き込まれます。

竹谷満 "in the forest"

MEGUMI OGITA GALLERY

東京都中央区銀座5-4-14 銀成ビル4F

7/7(火)~7/25(土)日月祝休

12:00~19:00

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これは楽しい!

ちいさな空間の壁面を、ドローイングが覆い尽くしていて圧倒されます。

そして、キャンバスのペインティング作品が画面から立体的に立ち上がり、そのものとしての存在感に加え、遊び心がたっぷりと注ぎ込まれるユニークな色彩感やモチーフにも惹かれます。

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ドローイングは、とにかくその量に圧倒されます!

日々描き綴った作品がびっしりと並び、そのバリエーションの多さもまた楽しかったり。

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風景を描いたドローイング。色の解釈が楽しいです。

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さらに、ある場面を描いたような作品も。

シンプルな感じが心地よいです。

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そして、自画像と思しきポートレイトも。

表情が独特で、それらが随所に配されていて、目が合うような感じもまた面白味を加速させてくれるんです。

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のびのびとした色使いとモチーフの豊かさ。これからどうなっていくんだろう、と興味も増してきます。

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中沢研

ANDO GALLERY

東京都江東区平野3-3-6

6/9(火)~8/29(土)日月祝休

11:00~19:00

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前回の個展ではペインティングが発表されていたのですが、今回は中沢さんのもうひとつのスタイルである、インスタレーションが作り上げられています。

天上から降るように、無数の鉄のスティックが整然と配されていて、その光景の独特の雰囲気に引き込まれます。

そして、4本1組で配置される鉄のスティックが床に触れる部分の情景がまた、味わい深いんです。

ほんのりと淡く影が伸び、ユニークなスケール感を奏でています。これがこの空間に並ぶ本数だけあると思うと、イメージもさらに膨らみます。

じっくりと堪能したいインスタレーションです。

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「続・続・続」展 大平龍一、コマドル、重田佑介、並河進、新見文森一朗

@市田邸

東京都台東区上野桜木1-6-2

7/18(土)~7/26(日)

11:00~19:00

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昨年に引き続いて開催、参加アーティストも一気に増え、さらに面白さを増したこの企画。入り口の靴ひものアニメーションから好奇心が煽られ、大平龍一さんの巨大なセミスピーカー、そして昨年も登場した無数の金色に輝くセミが凄まじい迫力に満ちる空間を作り上げていて壮観!

森一朗さんの焼物の鯉が庭にいたりして、そのインパクトもまた楽しく、さらに奥の部屋で上映されている、谷中のさまざまな建物がしゃべる映像がとにかく面白いです。

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《7/19》

TWS-Emerging 120 松本菜々「roots of one」

トーキョーワンダーサイト本郷

東京都文京区本郷2-4-16-3F

7/4(土)~7/26(日)月休(祝日の場合開館、翌火曜休)

11:00~19:00

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キュートなリズムが溢れていて楽しいです!

程よくあばれる筆致、自由な色使い。そのお転婆な感じというか、天真爛漫な筆の運びで描かれる抽象的な情景の動的なイメージが痛快に思えます。

もっといろいろと拝見したいです。

菊地良博 "ROMAN COLLAGE"

AISHO MIURA ARTS

東京都新宿区住吉町10-10

7/14(火)~8/9(日)月休

13:00~21:00(日:~19:00)

ドローイング的な作品がずらりと配される空間。これまではトイレに展示されていたのですが、その空間をギャラリースペースで再現、さまざまなテクスチャーが溢れています。

ガムテープを使った作品などもあり、その自由なアプローチも興味深く感じられます。

《7/22》

尾家杏奈「はじまりのはじまり」

WADA FINE ARTS

東京都中央区築地3-2-5 第2平和田ビル

7/22(水)~8/8(土)日月祝休

11:00~19:00

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京都での展示も印象的な、尾家杏奈さんの個展。

京都で発表されている作品のイメージで伺い、色味の差異に意表を突かれだ次第。夜の雰囲気が画面を覆い、そこにふんだんに収められるさまざまな場面が立ち上がってきます。

空間を囲むように作品が並び、その迫力にも圧倒されます。

山本昌男展「川」

MIZUMA ART GALLERY

東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F

7/22(水)~8/22(土)日月祝・8/13~8/15休

11:00~19:00

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深いです。

前回の個展では、インスタレーション的な展開が印象的で、そこかしこに灯されるようにさまざまなモノトーンの情景がそれぞTれ、ぽつん、とちりばめられていたのですが、今回は1点ごとに額に収められた写真作品が、ストレートに展示されていて、その画像の中に広がる気配のひとつひとつと対峙し、その深みに意識が沈み込んでいきます。

モノトーンで、ほのかなセピア色を伴って提示されるさまざまな情景。あるいはものであったり、偶然に眼前を過ぎた動物たちの姿を捉えたものがあったりと主題は幅広いのですが、統一感は穏やかにもたらされていて、全体から捉えられる世界観も印象的です。

そして、1点ずつを観ていった時、奇跡のフレーミング、奇跡のパース、そんな言葉が浮かんでくるほどに味わい深い景色が収められていて、じっくりと眺めていられるのがまた嬉しかったり。

時間を忘れて対峙したい展覧会です。

4 Winds 2009展 永井桃子 秋葉シスイ 矢口佳那 猪瀬直哉

ときの忘れもの

東京都港区南青山3-3-3 青山CUBE1F

7/3(金)~7/25(土)日月祝休

12:00~19:00

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4 Winds 2009 Momoko NAGAI, Sisui AKIBA, Kana YAGUCHI, Naoya INOSE

TOKI-NO-WASUREMONO

3-3-3-1F,Minami-Aoyama,Minato-ku,Tokyo

7/3(Fri)-7/25(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

12:00-19:00

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ときの忘れものでの、4名のアーティストをフィーチャーしたグループショー。

昨年に引き続いての開催で、参加アーティストのうち2名が入れ替わり、新鮮なインパクトももたらされ、昨年とはまたひと味違う見応えがあります。

まず、ときの忘れものではお馴染みの永井桃子さん。バラをモチーフにした作品の印象が強いのですが、ふわっと膨らむような色使い、筆使いで、バラ以外の花を描いた作品も合わせて発表されています。

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独特の空気感を醸し出すペインティング。思い浮かぶ物語性もゆったりとしていて、独特のメロウな緊張感もイメージを豊かにしてくれます。

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永井桃子1.JPG

矢口佳那さん。地平線、水平線を思わせる構図がまず印象的です。どこまでも遠くへと届いているかのような感じが、ちいさな画面でありながらもおおらかなイメージをもたらしてくれます。

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随所に施されるスクラッチの痕や細かいストロークの集積などが現実的な生々しさを現し、全体のダイナミックな気配感とのギャップとなって、さらに面白味を加速させているように思えます。

矢口佳那3.JPG 矢口佳那2.JPG

矢口佳那1.JPG

秋葉シスイさんはもう既にお馴染みの構図の作品で壁面を構成。

グレー調のダークな色彩は、オリジナリティ溢れる独特の気配を奏で、そこに佇む人が何を想うか、さまざまな想像も膨らみます。

秋葉シスイ4.JPG 秋葉シスイ3.JPG 秋葉シスイ2.JPG

秋葉シスイ1.JPG

猪瀬直哉さん。

昨年のTHE SIXで拝見していて、さまざまな弾けたクリエイションが展示されている中でストイックなまでに具象的表現が繰り広げられていて、逆にその存在感を強めていたのが印象に残っているのですが、今回も重厚な世界を圧巻の筆致で描き上げ、そのスケール感にあらためて圧倒された次第です。

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全体から放たれる、絵画としてのクラシカルな味わい。単純にその質感に意識も入り込んでいくのですが、標識や落書きといった随所にもたらされるユーモアが、この風景の世界観をねじ曲げ、シュールなイメージを放ちます。イメージが揺さぶられるのが痛快で、面白いんです。

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浮世絵の構図をモチーフに描かれた作品。

沈む岩場のホール、その間から除く景色。引用の面白さに加え、青の美しさにもおおいに惹かれます。

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そのモチーフとなった作品を、さらにユーモラスにアレンジしたものも。

ていねいな模写に、奥に見える工場のイージーな描き振りがおかしみを加速させます。

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猪瀬直哉さんはお話も伺うことがあり、作品に物語が付随していてそれもあわせての展示が基本的なコンセプトなのだそうですが、絵画単体でも充分に魅せてくれます。今回はスペースの関係などもあって絵画のみの展示となっていますが、機会があればぜひ、あらためて本来のかたちでの展示も拝見したいです。

佐伯洋江展

TAKA ISHII GALLERY

東京都江東区清澄1-3-2-5F

6/27(土)~7/25(土)日月祝休

12:00~19:00

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Hiroe Saeki

TAKA ISHII GALLERY

1-3-2-5F,Kiyosumi,Koto-ku,Tokyo

6/27(Sat)-7/25(Sat) closed on Sunday,Modnay and national holiday

12:00-19:00

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もっとも美しい、そしてさらに美しく広がる余白。

TAKA ISHII GALLERYでの佐伯洋江さんの個展です。

どの時期の作品を拝見しても、一目見てそれとわかる佐伯さんの作風ですが、それでもしっかりと展覧会ごとに異なる世界観、情景で魅せてくれます。

今回は、最近採用されていたアクリルカバー型の額から木製のフレームへと戻しての展示。支持体としての紙もさらに白みを増したものを採用されているような印象で、壁面の白と響き合い、フレームなかに豊かな空間が収められているような展示がまず印象的に感じられます。

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いつになく、塗り潰される部分が多いのも興味深く、さらに多くの作品に赤が用いられ、それが象徴的にも感じ取れるような鮮烈なアクセントとなって、静かに、しかし強く迫ってきます。この色彩が持ついきいきとした感じ、熱のイメージなどが、鉛筆の黒と支持体の紙の白に映え、さらに木製の額も含め、その色彩感を引き立てているように感じられます。

佐伯洋江13.JPG

佐伯洋江12.JPG

また、今回発表された作品は、縮尺のイメージがより曖昧に感じられるのも印象的です。

塗り潰され、深いグラデーションをもたらす色面が多く登場することもその理由の一旦だと思うのですが、それが何かを連想させる具体的なモチーフも思いのほか登場しているにもかかわらず、そこが壮大な景色を俯瞰しているのか、それともミニマムな世界へと入り込んでいっているのか...少なくとも僕にはその縮尺のイメージを決定づけるものをキャッチできないこともあって、今までにない深く壮大なボリュームのイメージをもたらしてくれるような気がします。

佐伯洋江11.JPG 佐伯洋江10.JPG 佐伯洋江09.JPG 佐伯洋江08.JPG

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画面に浮かぶようなモチーフの配置の作品は、さらにそのイメージの抽象性の加速を促します。

なんとも不思議な距離感、小さいものを観ているのか、大きなものを眺めているのか、その捉えどころのない感じに加え、壁面も含める大きく美しい余白が、大きくも小さくも、いずれのベクトルへも想像をおおらかにしてくれるんです。

佐伯洋江06.JPG

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左下部のツボのようなモチーフから有機的なかたちの黒の色面が放たれているような位置関係。しかし黒の塊が相当に大きくも感じられたり、はたまた壷より知覚に、または遠くにあるようにも感じられたり。

ある具体的なモチーフが画面に織り込まれると、そこに物語が生まれ、しかしそれは言葉にできないような感じで、ただ過ごす時間だけはいっそう豊かに、ふくよかに思えてくるんです。

静謐でストイックな画面から伝わるあたたかみが嬉しく感じられます。

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佐伯洋江02.JPG

空間性の深化。

モチーフが与えるイメージの広がり。

それでいて失われない、むしろ濃密さ、深みを増す個性。

細密な描き込みによる展開の面白さもそのままに、おおらかで深遠なグラデーションが持つ深みや灯される赤の鮮やかさとインパクト、さまざまな要素が新たに加わり、もしくは進化して、独創的で緻密なダイナミズムも加速しているように感じられます。そしてそのダイナミズムを空間全体から、身体で感じられるのも嬉しいです。

言葉にならない物語や大きく豊かな空間性が、これからどんな世界を展開してくれるかも楽しみです。

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池田光弘 漂う濃度

ShugoArts

東京都江東区清澄1-3-2-5F

6/27(土)~7/25(土)日月祝休

12:00~19:00

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Mitsuhiro IKEDA Floating Density

ShugoArts

1-3-2-5F,Kiyosumi,Koto-ku,Tokyo

6/27(Sat)-7/25(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

12:00-19:00

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素晴らしい発色で創り出される、独創的な硬質感。

ShugoArtsでの池田光弘さんの個展です。

ダークな色調で統一された大作が揃い、お馴染みのモチーフもふんだんに登場させながら、尖鋭的な感触をもそなえる重厚な迫力が空間を満たします。

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それぞれの作品のスケール感は相当なものであるにもかかわらず、それらはただ広がるだけではなく、重く沈むような気配感を伴う荘厳な気配を放って、独特の臨場感をも奏でているように感じられます。

冷たく硬い空気感を思い起こさせるダークな色彩のなかにはさまざまな色が潜み、それが深みをさらに押し込めて、それが空間ごとその気配を分厚く立ち上げてきます。そしてその奥の輝きがひときわ神々しく伝わってきます。そこへと至る石畳のリアリティが、背景のダークな色調と奥の光の抽象性とのコントラストを生み出して、誰もいない場面でありながら、凄まじく重厚な説得力を導き出しているようにも思えます。

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池田さんの作品の中に多く登場する、グレーの木々。背景の濃密な闇を思わせる色彩にそのダークな鮮やかさが力強く立ち上がっています。

作品によっては生える樹木として描かれているものもありますが、こうやって組み上げられた状態になると、金属的なものにも思えてきます。

そして、その硬質さがアバンギャルドな感触となって、攻撃的に迫ってくるんです。細く伸びる部分の尖端の尋常でない鋭さ、奥行きのダイナミズムなどが引き込まれるような雰囲気ももたらしながら、とてつもない「強さ」のようなものもを感じさせてくれるんです。

一方で、画面に施される絵の具による盛り上がりの配置が、独特のリズムを放ちます。そのひとつひとつは煌めくような色の絡まりを伴う抽象性を持ち、一気に現実のスケール感へと引き戻すアクセントとなって観る側のイメージに小さくても破壊力のあるインパクトとなって迫り、さらに俯瞰したときにそれらがまるで渦を描くかのように画面に散らばっている様子が、この場面に動的なイメージをももたらしているよう思えてくるんです。

DSCF0102.JPG 池田光弘14.JPG 池田光弘13.JPG 池田光弘12.JPG

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池田さんの作品の特徴で、危うさを伴う鋭さとはまた別に、精緻な再現性もあるように思われます。これまでも煉瓦造りの建造物などがストイックなまでに再現されているパートなどを目にするたびに、凄まじいスピードを伴うのとはまた異なる、ズンと重力方向へと沈むような重厚な迫力にもおおいに惹かれたのですが、今回は、妖しく焼ける空を背景に描かれる平屋の洋館が描かれた大作が。

ファサードのモダンさがシャープにう描き上げられ、そのまわりの樹木などのぼやけたようなフォルムとコントラストを生み出して、独特の危うい気配がもたらされているように感じられます。そしてこれほど暗く、凄まじい危うさをたたえる白があるだろうか、と。人の気配を感じさせないだけにさらにその白の独特の気配も深まります。

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グラフィカルな展開の作品も。

横のラインでシンプルに構成された展開。具体的なイメージを彷彿させるモチーフでないだけに、ストロークの面白さがより際立ちます。そして色の立ち上がりと深みが尋常でなく、ただその美しさに浸っていても充分に豊かな時間を過ごせるんです。

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今回じっくりと拝見し、VOCA展や前回の個展などでも拝見していた池田さんの世界観にさらに感じ入った次第です。

さまざまな拘りが、随所から感じられます。モチーフの持つ力を活かし、ストイックな構図で展開されるさまざまな情景。妖しく人影が登場する作品における、一瞬で消え失せてしまいそうな・・・もしかしたらそれすら幻影かもしれないという儚げな気配感、一方で人が登場しない作品ではそこに存在するさまざまなものの重厚さが全面に押し出され、ダイナミックに迫ってくるんです。

さらに、作品ごとの「もの」としての精度へのこだわりにも大いに感嘆させられます。

キャンバスの張りや画面に施される絵の具の質など、そういった部分では一切の隙を見せず、それが部分的に盛り上がる絵の具の臨場感やストロークによってもたらされるムラが醸し出す雰囲気にスムーズに引き込まれるような気がします。

じっくりと対峙したい、その荘厳さに圧倒されたまま、そこから沸き起こるイメージを堪能したいと思わせてくれる、尋常でない重厚さをそなえるクリエイションです。

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厚地朋子「ヘビノス」

TARO NASU

東京都千代田区東神田1-2-11

6/26(金)~7/25(土)日月祝休

11:00~19:00

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Tomoko Atsuchi "The Snake Nest"

TARO NASU

1-2-11,Higashi-Kanda, Chiyoda-ku, Tokyo

6/26(Fri)-7/25(Sat) closed on Suncay,Monday and national holiday

11:00-19:00

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膨らむようなタッチの味わいが・・・!

TARO NASUでの厚地朋子さんの個展です。

東神田移転記念のグループショーでも楽しませてくれたフレッシュなクリエイションがあらためてソロでフィーチャーされ、独特のタッチで綴られる景色や場面の豊かな臨場感が溢れ、空間を満たしています。

階段を下りて正面、迎えてくれるのが板にモノクロームのドローイング的な作品。展覧会のタイトルにもあるヘビがユーモアとスリルとを伴って登場しています。

木炭なども使用されているようで、油彩の作品とは違う雰囲気がしっとりと醸し出されています。しかしどこか、油彩の作品と通ずるふっくらとした感触も感じられたりして興味深いです。

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この展覧会の大きなハイライトのひとつ、風景を描いた大作がとにかく素晴らしい!

移転記念展のときに発表されたモチーフと近く、一部がシートで覆われる建築現場らしきどこか殺伐とした風景がピックアップされているのですが、それが独特の筆遣いによって導き出されるタッチ、そこにあるさまざまな表情を、絵の具を乗せることで紡ぎ取るような不思議なストロークで描き上げられることで、爽快感に溢れる絵画が生み出されているような印象を覚えます。

全体を見渡した時のスケール感のダイナミックさと、至近で観たときに捉えられる画面上の無数の抽象的な表情のコントラストも楽しいんです。それが何を描いているかを認識できなくなるくらいに近寄ってみると、ひとつのストロークによってもたらされる色面のエッジの立ち上がりの鋭さ、画面上に表れる立体感も独特の面白さを奏でています。

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奥の壁面へと向かうと、縦長の人物画が。

なんとも味わい深い気配感。肌の表情の生々しさは厚地さんの筆さばきでさらに生々しく、でもそこにはユーモラスさも備わっていて、不思議なイメージが浮かんでくるんです。浮かぶ表情はむしろ朴訥であっても、なんだろう、ひとりしかいないのに淋しくない感じ...その場面にさまざまな気配が重なっているようにも思えてくるので不思議です。

そして、ひっそりと背景部分に施される紋様が、またさらにその空間の雰囲気を深め、謎めかせているようにも思えてくるんです。

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家族を描いたと思しき3点の縦長の作品も、あたたかい雰囲気を奏でているように感じられます。

こちらの作品の背景にも、ハープのようなパターンが何かの象徴のように施されています。

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3つ並ぶ画面の位置関係も楽しいのですが、ひとつひとつを観た時のなんともいえないほっこりとしたあたたかな雰囲気も心地よく感じられます。

あたかもスポットライトが当たっているかように、暗い背景の中に円形で明るく広がる足下。それが畳なのがまた臨場感があって嬉しくなってきたりします。そして、パターンが導き出す上昇の動的なイメージ、さらにぽわんと浮かぶ星なんかも楽しくあったかな雰囲気を深めてくれるんです。

なんといっても、こどもの立つ姿のたどたどしさ、そして後ろ姿ながら無垢さがしっかりと伝わってきて愛おしくも感じられてきます。

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今回の展覧会のタイトルを考えるとこの作品の存在が展示に程よく強い緊張感をもたらしているように感じられます。

2点組、鏡に映る女性の顔と、頭にヘビを巻かんとする女性の姿。この関係性がさまざまなイメージを思い起こさせてくれます。

それぞれ、構図の面白さも相まって、この先の展開にも想像が膨らんでいきます。

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思い返すと厚地さんが取り上げるモチーフはむしろ硬派というか、重厚さが感じられるのですが、できあがる作品にはその場面が持つ壮大さや深みがていねいに、かつ大胆に引き出されて、豊かな個性を発揮しているように思えます。

そして何より、タッチの面白さは格別です。ひとつひとつのストロークはしっかりと意志を備えていて、強い存在感を放っている、特に至近で観たときにその臨場感が強く伝わるのですが、俯瞰した時の滲むような、揺らめくような色の感触も印象的で、それでいてぶわっと膨らみ広がる勢いもあって、さまざまな刺激に満ちているのが楽しいんです。

昨年のTHE SIXや今年の京都市立芸術大学での学内展で発表された、床置きのペインティングの展開もあり、今後が楽しみなクリエイションです!

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wahすみだ川のおもしろい」展

すみだリバーサイドホール・ギャラリー

東京都墨田区吾妻橋1-23-20

6/20(土)~7/20(月)

10:00~19:00

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wah "Sumidagawa-no omoshiroi"

Sumida Riverside Hall Gallery

1-23-20,Azumabashi,Sumida-ku,Tokyo

6/20(Sat)-7/20(Mon)

10:00-19:00

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笑撃もとい衝撃のART AWARD TOKYO 2009グランプリ受賞から間髪入れないタイミングで開催の、有言実行アーティスト集団wahすみだリバーサイドホール・ギャラリーでの展覧会でございます。

さて彼らの作品とはなんだろう、と考えて、

わっ

わからん!Σ( ̄口 ̄;)

と思わず唸るわけですが、そんなことどうでもいい!

とにかく実行あるのみの無茶苦茶なバイタリティだけあれば!

で、アイデアを募って面白そうなものを実行するのですが、今回はまず

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湯舟。

・・・。

これ考えた奴、出てこい!Σ( ̄口 ̄;)

本来の湯舟の意味ってこうじゃないわけですが、すなわち

誰がうまいこと言えと言った!?Σ( ̄口 ̄;)

てな類いのアイデアなのですが、これが彼らの芸大先端でもまれた熟成筋肉脳を通ると

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マジすか!?Σ( ̄口 ̄;)

なんですかこのきちんとした感じは。

で、さらに

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湯舟という言葉におけるヒエラルキーが「湯>舟」から「湯<舟」へと切り替わった瞬間。

この記録映像がまた秀逸で、隅田川を遊覧する「湯舟」の凄まじくキッチュな風情も堪らないんですけど、

な、なんだあれ!Σ( ̄口 ̄;)

という表情を浮かべる市井の皆様の表情がまた堪らないのです。

ていうか普通におかしいだろ!Σ( ̄口 ̄;)

もとい、気を取り直して、続く作品。

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・・・。

どこが「気を取り直して」だよ!Σ( ̄口 ̄;)

ある意味もっとヒドい企画のような気もするんですけど、

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という青い空にはためくフラッグがおおらかなイントロから始まる記録映像では

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何作ってんだお前ら!Σ( ̄口 ̄;)

まだ分かりますよ、湯舟とか、舟は川に浮かべられるし今回の隅田川の企画とも合致するしまだ分かりますけど、船上でゴルフて(汗)。

しかも、実際に映像に登場するコースはこのスペースに持って来れなかったらしいものの、いちおう小舟2艘で別のコースを再現。

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なんですかこのディテール。フェアウェイはもちろん、バンカーもラフもあるという。

無いのは池。ていうか、そもそも川の上だし。

・・・・・!

そこか!Σ( ̄口 ̄;)

発想の源はそこか!Σ( ̄口 ̄;)

よっぽど考えた奴出てこい的な凄まじくダイナミックなアイデアの展開に、あらためて脱帽。

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さらに続きます、今度は隅田川で取れたもので丼を作る「すみだ川丼」

時間に余裕があれば僕はこれに参加しようと思っていた、ということはここだけの秘密だ。

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そして、隅田川にみんなで飛び込むパフォーマンス的なものも。

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いやもう、最高です。

このなかにミーティングルームも設営されていて、そこの壁には無責任極まりないアイデアの数々が壁を覆い尽くしていて

どうすんだよこれ!Σ( ̄口 ̄;)

って感じなんですけど、とにかく考えるのはあと、やるだけやってみようっていうスタンスは面白すぎます。

で、スタッフの方もおっしゃっていたのですが、実際今回のプロジェクトも、それを実現させようとしてどんどん逆算していくわけで、その過程で

こんなNPOもあるのか!Σ( ̄口 ̄;)

みたいな人々との出会いが不可能を可能にしていく、そういう過程もまた興味深かったりするんです。

とにかく!

これから何をしでかすか興味津々!

何かやるときあったら教えろ!

そんな痛快なクリエイションでございます!

P.S.彼らの映像がYouTubeにぃぃぃ!

というわけでリンク参照のほど。

http://www.youtube.com/user/gototsu

個人的にはwah 03 花火2wah 01 うまい棒が秀逸だと思うのですがぁぁぁ!

TEAM 15 MIHOKANNO「Hello! MIHOKANNO」

トーキョーワンダーサイト渋谷

東京都渋谷区神南1-19-8

5/30(土)~7/20(月)月休(祝日の場合は翌火休。7/20は開館)

11:00~19:00

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TEAM 15 MIHOKANNO「Hello! MIHOKANNO」

Tokyo Wonder Site Shibuya

1-19-8,Jinnan,Shibuya-ku,Tokyo

5/30(Sat)-7/20(Mon) closed on Monday(Holiday is open,next Tuesday is closed)

11:00-19:00

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見かけるたびに「こいつら何者?」と思わずにはいられないこのユニットネーム「MIHOKANNO」。

その全貌、そして現時点での最新アップデート版が明らかにぃぃぃっっ!

トーキョーワンダーサイト渋谷でのMIHOKANNOの展覧会。僕にとって、「今観たい!」と思うクリエイションがこれだけのスケールで凝縮されてお披露目されるということがとにかく嬉しくて。

そもそも、僕がこの一度目にしたら忘れられない、という意味ではある意味卑怯なまでにキャッチーなこの名前を見かけたのがBankART NYKにレジデンスで彼らが入居されている時で。なんとなく「スカした方々だなぁ」などと今思えば失礼千万な印象を覚えた次第だったのですが、その後さまざまなタイミングと場所でこの名前を見かけるごとに「面白そう」「すごいらしい」「唯事ではない」とだんだん興味も増してきて、いよいよこのタイミングであらためてメンバー個々の存在感も鑑みて、

ヤバいだろ!Σ( ̄口 ̄;)

普通にヤバいだろ!Σ( ̄口 ̄;)

と内心大騒ぎ。

最初になんとなくつるんでいた仲間がいつの間にやらこのステージに、という感じがなんとなく「ドラゴンボール」的、既にアートシーンで見逃し不可の存在感が間違いなくあるように思えて、さらにとにかくここまで至る変遷、ステップアップも痛快に感じられます。

そして今回の展覧会では、メンバーそれぞれがしっかい「勝負」してきているように主させてくれる、とにかく力の入った作品が出展されているのが嬉しいんです!

ShugoArtsでの個展も強烈に印象に残っている千葉正也さん。

お馴染みの石膏のオブジェを登場させるペインティングで、さらにインスタレーション的なアプローチが深められた展開、3次元的な要素も大胆に取り込んで、絵画表現、平面表現を独自のスタンスで押し拡げているように感じられます。

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スタンドに掲示されたペインティング、そしてさまざまなサイズとかたちのペインティングによる壁面インスタレーション。

ひとつひとつの画面は比較的シンプルな構成が深い空気感を放ち、中央の椅子の作品の存在感を軸としてそれらが纏めてひとつの壁面を構成していることで、よい意味での重鈍かつ硬質な雰囲気が衝突し合い、独特の世界観が現れているように思えます。

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マチエルにも大胆なアプローチを施し、不思議な世界観を導き出しています。

芝を彷彿させる濃密なグリーン、そのストロークは生々しいほど、むしろ生の芝を重ねたかのように絵の具が画面から盛り上がって、それが重厚な風合いを醸し出しているように思えます。

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まさに今観たい、すごく観たい、と思っていたアーティストのひとり、福永大介さん。

2006年、2008年と開催された小山登美夫ギャラリーでの個展では現場でその面白さをキャッチすることができないでいてもどかしかったのですが、今年初めの絹谷幸二賞の新聞記事に掲載されていた作品画像とVOCA展に出展された作品を拝見し一気に意識が前掛かりに。

独特の色彩の濃度で繰り出される光の表情が堪らない!

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メインスペースに展示された大作の神々しい気配。

描かれるモチーフの身近さ、どれもこれも特別なものではないはずなのに、そこにあるすべては躍動し、おおらかな空間性を放ちながらポジティブな雰囲気をほとばしらせているように感じられます。

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加えて、タッチの面白さにもおおいに惹かれます。

敢えて部分に焦点を当てたときに立ち上がる抽象性。滑らかなグラデーションや、意表を突くかたちが挿入されていたりと遊び心にも満ちているように感じられます。

不思議な密度感、色のチョイスの面白さなど、あらためて気持ちよい高揚感に満たされた次第です。

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榎倉冴香さんのシャープな密度を持つペインティングも楽しいです。

ひとつひとつのストロークのキレ、ケレン味のなさが、ダークな色調の中にふんだんに収められているように思えます。

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さまざまなタッチが混在して弾むようなリズム感を醸し出しているように感じられるのも印象的です。

緻密な描き込み、感覚的に綴られる淡いグラデーション、遊び心とか、いたずら心が何となく感じられる、キッチュな造形の挿入。さまざまな要素を絡ませてシャープな空気感を導き出しながら、そこから奏でられるファッショナブルな世界観も楽しげです。

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大城絢さんのアニメーション。

ピンク地に白玉が浮いているようなかわいらしいフレーム、そのなかにはひたすらうどんをすする顔。

朴訥とした線描のアニメーションは脱力の連続で、このシュールさが今回の展示の嬉しいアクセントとなっているように感じられます。

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山本修路さんもしっかりと勝負にでてきています!

ロビー的なスペースに展示された作品は、いつもの松景が千葉正也さんによってグレーに塗り潰され、違う世界となって現れています。

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山本さんの作品は、メインのスペースではその中央に。

台上で3つの脚に支えられる巨大な岩場と、真っすぐに伸び、冬枯れしたかのような松。その造形から幽霊船のような妖し気な気配を漂わせているように感じられ、一方、その重厚な臨場感、ダイナミックな重量感が溢れ、そしてオリジナリティとリアリティとの絶妙なバランスを持つこの作品が中央に「鎮座」していることで、空間にあるひとつの纏まりをも生み出しているように感じられます。

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そして、この作品での新たな試みも実に興味深いです。

緻密に再現される松の枝。その上に緑の針葉がシート状に被せられ、それがこれまでにはなかったスリリングな気配が。山本さんの作品に一貫する全体に広がるユーモアを保ちながら、それとせめぎあう緊張感をもたらしているように思えます。

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松原壮志朗さんの暴走がまた痛快極まりない!

とにかく展示された3点すべてにおいて、アグレッシブさとダイナミズムとが充満しています。

さまざまなテクスチャーが繰り広げられている大作。

ペインティングの焦燥感溢れるタッチ、色調の独特な感触。危ういメロウネスによって燻される空間が凄まじいスケールで創り出され、そこにさらにコミカルな要素、さらにおそらく版での展開も収められ、イメージの混沌が止めどなく加速していくんです。ホントにワケが分からない、しかしの分からなさに蹂躙される感じが痛快に思えてくるんです。

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3点組のペインティングは一転して、絵画としての力強さを放っています。

強烈に太く鋭く描かれる輪郭。どこかクラシカルな風合いを醸し出しつつ、描く情景のヴィヴィッドさに戸惑いを覚えます。

アーティストトークのときにどなたかもおっしゃっていて、僕自身松原さんの個展を拝見したときにたしかに感じたのですが、ペインティングからはある種の「怖さ」が伝わってきているように思えます。

太い稜線で画枯れるモチーフの重厚な存在感、しかしそれらひとつひとつには凶器的な鋭さを秘めているように感じられ、危うい雰囲気に溢れているように思えます。この鋭さにもおおいに惹かれる次第です。

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その側、コーナーで展開されるインスタレーションは一転して凄まじい混沌。

象徴的なかたちを盾にするようにして、その内側にさまざまなものが持ち込まれ、濃密な世界が展開されています。

原始人らしき誰かがひたすらペンを動かすシュールな映像、散らばる木材。ガラクタの強烈な存在感がぶつかりあっているんです。

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万代洋輔さんの写真からは、風景であってもどこか幾何学的なリズムが放たれているように感じられます。計算される奥行き感というか、徹底して図形的に追求されたような景色の構造が興味深いです。だからこそ、そこに潜む有機的な要素がアクセントとなり、ユニークな気配を導き出しているように思えます。

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複数の写真作品で組み上げられる壁面。

既に何を撮影したかのか、それが何であるか...そこから謎めきも加速していきます。

うろ覚えになってしまって申し訳ないのですが、中央とその上の画像はスキャナーを使用したもので、撮影自体にも相当な時間がかかっているのだそう。その無機的な作業の集積によって導かれる、人工的な光の情景。この迫力が、なんともいえない不思議さをもたらし、全体の空間的なイメージを想起させながら、さらにまわりのちいさな画面がアクセントとしてしっかりと機能しているようにも思えてきます。

ここから思い浮かぶ物語のシュールさ、奇妙に複雑な感じも楽しいのです。

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階段を上ると、福永大介さんと松原壮志朗さんとによるコラボユニット「FM」の作品が。

至近で眺められない位置に展示されていてもどかしいのですが、大作の迫力、俯瞰したときに得られるユニークなスケール感と物語性も充分興味深いです。

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そして。

COBRAさんの映像が上映されている部屋へ。

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その中の、さまざまなものに溢れている空間も、独特のムードを紡ぎ出しています。

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映像作品はすごかった・・・!

のどかなシーンも多数あるのですが、随所に訪れる

ちょっと待てぇ!Σ( ̄口 ̄;)

という展開が(汗)。

引くぐらいのシュールさ満載のロマンティックな物語。

分かるようで分からないようで、観終わっても分かったようで分かってないようで。

しかし、いくつかのシーンは脳裏に焼き付くので相当の覚悟が必要かと。

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1階奥のSPACE Dでは、メンバーのドローイング的作品や小品が並んでいます。

真っ赤な明かりの部屋のいかがわしさが、白い明かりの下では得られないそれぞれの作品のひと味異なる面白さを引き出しています。どこか猥雑な空気感が、奇妙な印象を生み出しているように思えるんです。

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清田亮平さんの編集による雑誌も。

手作りの感触に溢れ、メンバーの作品を始め、イラストやテキストもふんだんに入っていて、けっこう楽しめます。

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6/20に拝見した松原壮志朗さんの人形劇も相当にシュールで破天荒な感じで、楽しすぎでした。

ていうか、歌が!

歌がすごかったのだが!

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切磋琢磨、という言葉が力強く浮かんできます。

それぞれの個性が、そのことにおいてケレン味なく発揮されているのが痛快で印象的です。ユニットを共にする他の強烈な個性に媚びることなく、自らのオリジナリティを信じて・・・それはもう周りが見えていようが見えていまいが関係ない、そんな勢いで信じて創り出されるパワフルでアクティブな作品群。会期2日目のアーティストトークで、お互いに遠慮会釈なくその本質を抉るような質問をしあっている情景の連続は相当にインパクトがあって、しかしそれはむしろお互いへのリスペクトも感じられたのがまた嬉しく思えたり。

この展示を拝見して、あらためて横浜で彼らのスタートのきっかけでもあるらしいBankART NYKでのレジデンスに接していたことが誇りに思えてきます。そして、これからどこまでステージを上げていくのかも大変興味深く、期待も高まります。冒頭で「ドラゴンボール」的と例えましたが、村でいちばん強い者を決める大会の頃がBankARTでのレジデンスだとすると今はベジータ相手にドカンドカン戦ってる頃かと...ってどうでもいいだろ!Σ( ̄口 ̄;)

ピッコロと戦ってるとこかもしれないだろ!Σ( ̄口 ̄;)

もとい!

どんどんスーパーサイヤ人化していただいて(まだ言うか!Σ( ̄口 ̄;))、どんどんステージを上げていってもらいたいと思う次第です。

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《7/10》

加藤千尋「変化(へんげ)」

Yuka Sasahara Gallery

東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第三ビル4F

7/4(土)~8/8(土)日月祝休

11:00~19:00

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平面作品の新作が発表されています。

おなじみのさまざまな動植物のハイブリッドが緻密な描写で描き上げられているのに加え、今回は背景にも手が加えられ、さらにユニークな空間性と情景が創り出されています。

Summer Group Show "Hop Step Jump"

GALLERY MoMo Roppongi

東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F

7/11(土)~9/12(土)日月祝・8/9~8/17休

12:00~19:00

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1日早めにお邪魔してきました、ちょうど設営中で。。。

GALLERY MoMoのゆかりのアーティストの小作品がずらりと並んでいて、フレッシュな個性がぎゅっとこの空間に詰め込まれたような感じが楽しいです。

ドローイング的な雰囲気が興味深い大谷有花さんや新たな色調が満ちの深みを生み出している福島淑子さんと、それぞれが個性を発揮していて、今回のニューカマー、大坂秩加さんの銭湯がモチーフとなっているユーモラスな描写も面白い!

会期を3つに分けてさらに新しい作品も発表されていくようなので、楽しみも膨らみます。

Ly "PILED UP"

gallery POINT

東京都渋谷区恵比寿西1-4-7

7/10(金)~7/25(土)

12:00~20:00

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キッチュなドローイング、そして立体作品が並んでいます。

全編に広がるストリート感覚。大小さまざまなキャラクターの独特の雰囲気が奇妙な世界観を紡ぎ出していて、なんとも不思議な気分に。

《7/11》

早川克己展「Double:Vision」

Gallery MoMo Ryogoku

東京都墨田区亀沢1-7-15

7/4(土)~7/25(土)日月祝休

11:00~19:00

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サイバーな空間性がとにかくかっこいいです!

抽象的なアプローチで放たれるクールな奥行き感、そして画面に施される削る、あるいは彫るという行為のアグレッシブさとのコントラストも興味深く感じられます。

大作から小品まで、色彩、サイズ共にバリエーションに富んでいて、スピード感溢れるいろんなイメージが広がっていくんです。

増子博子「盆栽剣伝説」

Gallery Jin

東京都台東区谷中2-5-22 山岡ビル1F

7/4(土)~7/25(土)月火休

12:00~19:00(最終日:~17:00)

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TWS本郷での個展のインパクトも覚めやらぬまま、昨年に引き続いて始まった増子博子さんの個展。緻密なストロークを積み上げて創り出される「盆栽画」が発展、さらにダイナミックでシャープさが増した作品が並んでいて痛快です!

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TWS本郷でもお披露目されていた「盆栽剣」も、さらに装飾の度合いを増し、凄みあるゴージャスな造形が紡ぎ出されています。

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これまでの作風についても、尖った部分が増えたような印象で、それがサディスティックな感触をもたらし、全体を包むユーモラスな質感に鋭さのアクセントが加わっているように感じられるのも楽しいです。

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小品も楽しい!

とにかく描く面白さ、想像が広がっていく過程が伝わるのが嬉しく、その雰囲気が変わらないこともまた嬉しく思えます。

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「剣」があれば「盾」もある、そんなユーモアもまた面白く。

これからどんな展開が繰り出されるかもさらにさらに楽しみになってきます。

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阪本トクロウ

KIDO Press, Inc.

東京都江東区清澄1-3-2-6F

6/27(土)~7/25(土)日月祝休

12:00~19:00

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あらためて拝見してきました。

お馴染みのモチーフが銅版画で表現されると、スクラッチの生々しさが全面に押し出されて、タブローから得られるのとは異なるイメージが伝わってくるのが興味深いです。

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新しめのテーマ、「エンドレスホリデイ」の遊具も。

空間性のおおらかさ、そこに何もない感じ、そこへ向かう意識の虚無さもいっそう深く感じられます。

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もとから持つ空間性のユニークさがひと味違うアプローチで提示され、そこに新たな風合いが備わっているように感じられます。

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清水智裕「ま昼のまぼろし」

gallery坂巻

東京都中央区京橋2-8-18 昭和ビルB2F

7/6(月)~7/25(土)日祝休

12:00~19:00

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折に触れて拝見している清水智裕さん、個展は久々です。

拝見するたびに、色彩やモチーフのチョイスに深みを増しているように感じられるのですが、今回はそれにさらに拍車がかかったような感じがしてまた嬉しい限り。

レイドバックしたような雰囲気がゆるやかに溢れ、シュールでどこかセンチメンタルな世界観が広がっています。

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DMにも採用された横長の大きな作品。

両端にいる女の子の表情の緩さが印象的です。そして、そのふたりを繋ぐ赤、全体に広がる青のコントラストも独特の味わい。

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スパッタリングなどの手法も用いられた作品。

花火の臨場感が巧みに引き出され、さまざまな色彩が細かくかさなることで独創的な美しさがもたらされていて、さらに時間が止まったかのような感じ、ゆったりと流れる時空のイメージにも惹かれます。

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水墨画のような筆の運びによって紡がれる女性の輪郭と表情も、この独特の雰囲気へと心を誘ってくれます。

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そして、さらにシンプルに、線で紡がれる作品も・・・!

丸い輪郭、くしゃみをする表情のかわいらしさ。さまざまな色が使われている豊かさが、ユーモラスな雰囲気をより深めているように感じられます。

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さらにゆったりとした深い味わいを感じささせてくれる今回の清水さんの作品群。

じっくりと、目尻を下げながら堪能したい空間が作り上げられています。

そしてこれからさらにどんな変化がもたらされるかも楽しみです。

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アオキヒトミ展 黒点遊技場

@Gallery銀座フォレスト

東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル507

7/6(月)~7/11(土)

12:30~19:00(最終日:~17:30)

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とにかくその、過剰なまでに緻密な描写に圧倒された次第。

ちいさな画面にこれでもかと描き加えられている線。それらが尋常でない密度をもたらしていて、思わず身を乗り出して凝視してしまいます。

凄まじいほどの集中力を感じさせてくれるクリエイション、今後の展開も楽しみです。

梅津庸一「ゴールドデッサン」

ARATANIURANO

東京都中央区新富2-2-5 新富二丁目ビル3A

7/11(土)~8/22(土)日月祝・8/9~8/17休

11:00~19:00

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僕が初めて拝見した梅津さんの展示がが銀鉛筆のドローイング的な作品によって構成されていたこともあり、なんとも懐かしい気分と久々の緊張感とが入り交じってきます。

金筆を用いて描かれるさまざまなモチーフ。画面に押し潰される無数のストロークは、描かれるモチーフと構図のシンプルさとは裏腹に危うさを醸し出しているように感じられます。

そして、深い空色に染め上げられた壁面が1点1点の作品の存在感を引き上げています。

《7/12》

ARTIST IN OOHARA-SO STUDIO vol.1 滞在制作展 今津景×久保萌菜

大平荘スタジオ

神奈川県横浜市中区初音町3-67

7/4(土)~7/12(日)

13:00~19:00

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横浜は黄金町で行われているアーティスト・イン・レジデンスの一環で開催された展覧会。ふたりの女性のアーティストがそれぞれ個性を発揮していて、興味深い世界が導かれていました。

名古屋での個展を終えたばかりの今津景さん。こちらに滞在されたおよそ1ヶ月で制作された新作が発表されていたのですが、あの巧みな再現性と緻密な描写で、実に見応えのあるファニーな世界が描き上げられていました。

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夜の情景を描いた作品も、豊かな深みに溢れています。

この夜のシチュエーションが、今津さんの光の表現を引き出しているように感じられます。

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小品も楽しいです、夏の展示ということで、涼しげなモチーフが選ばれていたのも嬉しい限りで。

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久保萌菜さんの作品では、さまざまなパターンがスタンプで画面に捺され、リズミカルで楽しい世界が生み出されています。

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自由な感じがなんとも嬉しいです。

そしてさらに、時おり軽やかな色彩で紡ぎ出される豊かなコントラストも印象的です。

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藤井雷『環景』

バザールコミュニティ

神奈川県横浜市中区日ノ出町2-158 NPOオフィス1F

7/12(日)~7/25(土)日月休(初日を除く)

13:00~18:00

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横浜美術館で開催された「日本×画展(にほんガテン!) しょく発する6人!」へ参加され、封筒の作品で面白い空間を創り出していた藤井雷さんの個展です。

スペースの中央に環状に配される軸装作品がまず目に飛び込んできます。さまざまな風景を組み合わせ、現実に存在しない景色が創出されているのですが、ところどころにもたらされる色の深み、そして水墨の豊かな表現が深く爽やかな味わいを奏でているように思えます。

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そして、その両脇の壁面に展示された作品、軸と扇子に描かれたさまざまなモチーフにも惹かれます。中央に描かれた景色のなかの一部分を引き出し、草花などがていねいに描写されていて、その滋味溢れる雰囲気も印象に残ります。

《7/14》

&Co.Soon:EYE

magical, ARTROOM

東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 3F

6/21(日)~7/18(土)日月祝休(初日を除く)

12:00~20:00

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ふたたび拝見してきました。

車のボンネットを支持体に採用し、マジックで緻密に線を引きながら有機的な気配が紡ぎ出されています。

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スプレーやマジックというイージーな素材が、グラフィティ的なおおらかさ、痛快さを加速させているように感じられます。

そして支持体のある種無機的な艶やかさも世界観をより深めているようにも思えます。

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他にもさまざまなインスタレーション的展開も面白いです。

随所に描かれたさまざまなモチーフに気付いていくのもまた楽しいです。

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《7/16》

NEXT DOOR vol.9

T&G ARTS

東京都港区六本木5-9-20

7/16(木)~8/13(木)日月祝休

11:00~19:00

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久々な印象のNEXT DOOR、今回も面白いです!

1階のオチマリエさんのメランコリックさと瑞々しさとがしんしんと溢れる世界、2階の齋藤瑠璃子さんと北村佳奈さんの作品が並ぶ展示室のバリエーションに富んだ感じなど、見応えある作品が並んでいます。

手塚愛子展「落ちる絵-あやとり」

Kenji Taki Gallery Tokyo

東京都新宿区西新宿3-18-2-102

7/16(木)~9/5(土)日月祝・8/9~8/21休

12:00~19:00

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抽出される美しさ。機械織りの布から引き抜かれる糸を用いて別の刺繍を紡ぐ作品が並んでいて、その過程もじっくりと提示された作品が並んでいて、独特の雰囲気に満ちています。オープニングで公開制作も行われていて、その仕事を拝見できたのも貴重でした。

from/to #5 早川祐太 村岡佐知子

WAKO WORKS OF ART

東京都新宿区西新宿3-18-2-101

7/16(木)~8/8(土)日月祝休

11:00~19:00

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WAKO WORKS OF ARTが若手アーティストのクリエイションを紹介する企画、今回は早川祐太さんと村岡佐知子さん。

早川さんの作品、インスタレーションはとにかく観てほしい!直に接して感じるイメージの豊かさ、単に現象が提示されただけと言えばそれだかなのにも関わらず、驚きと嬉しさに満ちる感じが堪らないです。

そして、gallery stump関連でも多く拝見している村岡佐知子さんが描く情景も実に興味深いです。黒の中に灯るさまざまな色彩、それが生み出す独創的な奥行き感が、おおらかで壮大な気配を紡ぎ出しているように感じられます。

《買ったCD》

「平成風俗」椎名林檎×斎藤ネコ

Moeglichkeit II 児玉香織/高田安規子・政子/田内万里夫/満田晴穂/芳木麻里絵

ラディウムーレントゲンヴェルケ

東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17

7/3(金)~7/25(土)日月祝休

11:00~19:00

Moeglichkeit II Kaori KODAMA/Akiko & Masako TAKADA/Mario TAUCHI/Haruo MITSUTA/Marie YOSHIKI

Radi-um von Roentgenwerke AG

2-5-17, Nihonbashi-Bakuro-cho,Chuo-ku,Tokyo

7/3(Fri)-7/25(Sat) closed on Sunday,Modnay,and national holiday

11:00-19:00

Google Translate(to English)

昨年に引き続き、レントゲンヴェルケが独自の美学に基づいて選び抜いた5組6名のフレッシュなクリエイションがパッケージされたグループショー、ああもう堪らない!

もともと細かい仕事が好きな方には問答無用に面白いのです。

まず、1階のスペースの壁面には田内万里夫さんの壁画が施され、一気にめくるめく緻密なクリエイションの世界に導いてくれます。

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オープニングレセプションでも制作されていて、有機的なモチーフが増殖していく現場に立ち会えたのも実に貴重な体験で。

そしてそれまでじっくりと時間をかけて描き上げられた壁画の増殖は壁面に留まらず、天井や階段部分にまで及びます。

ひとつひとつの塊のなかに無数の線によって繰り出されるフューチャリスティックな魑魅魍魎。これまでもバスルームでの展開や鏡面に描かれたインスタレーションなど、さまざまなシチュエーションで田内さんの世界観に触れてきたのですが、今回おそらくもっともプリミティブ(とはいえ既に相当にアクロバティックですが)な状況で拝見し、あらためてその面白さに舌を巻いた次第。

壁と天上とのコーナー部分など、さまざまな場所で奥行き感や重力のイメージが狂わされていきます。そして有機的な線描はまるで壁面と天井の平面空間を這い回るような生々しいイメージも楽しいです。

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六本木時代に開催された好企画「たからもののじょおうさま」以来の登場、それ以降も檻に触れて拝見する機会があった芳木麻里絵さん。

シルクスクリーンの版を重ねて生み出される立体感、その具象性のインパクトはいつ拝見しても驚かされ、思わず近づいて至近で眺めてしまいます。

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2階の台上に置かれる、言わばもっともコントロールされた顔料の塊。

触れると崩れてしまいそうなほどの質感が緊張感となり、愛おしさの加速を促します。

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それにしても、いったい何種類の版を用いたのだろう...。

小ささからかわいらしさも溢れてきているのがまた嬉しいです。

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昨年のvia artでも印象に残った児玉香織さんは、そのときに発表されたのと同様に方眼紙に食物・料理を描いたドローイングが壁面を覆い尽くしています。

方眼紙の採用が効いています。さまざまな料理が線でフォローされ、シンプルな再構築の展開がいっそう硬質な雰囲気に転化されて鋭く、でもコミカルに迫ります。

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満田晴穂さんの「自在置物」。これが言葉を失う再現性。

壁を這うムカデ、無数の足が、触覚が、緻密に再現されていて、そのリアリティが醸し出す深い世界観に一気に引き込まれます。

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さまざまな昆虫が、実にリアルに再現されています。

驚かされるのが、上のムカデも含めて、「自在」の名前の通りにすべての関節が動く仕組みになっているところで。

この精巧さには、実物大のちいさなサイズながら圧倒的な魅力と迫力とを奏でます。

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さまざまな技巧が凝らされた虫達。

ぜひとも生でご覧頂きたい、究極的な手仕事、そして作品群です。

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今年春の「掌」にも参加されていた高田安規子さんと政子さんの双子の姉妹、その仕事の緻密さの一端に触れられるのも、無数にある今回の展覧会の大きな見どころです。

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遠目で見ると見過ごしてしまいそうな様子が逆に「何事か!?」と期待を煽ります。

で、至近で観ると、実際の切手が切り抜かれています。

・・・・・!

ジグソーパズルか!Σ( ̄口 ̄;)

信じ難い緻密さ。その状況に、作品の前では思わず息を止めて、凝視。

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さらに、実際に封筒に貼られ、移動を経た切手をカットした作品も。

ジグソーパズル状にカットされた切手は、どちらも遺跡が図柄に採用されたものなのだそう。

つまり、指先に乗るサイズのなかに、さまざまな時間の流れが時空を超えて存在する、そういうイメージも詰め込まれているのです。

太鼓から現在までの時間を知る遺跡、貼られて郵送され、空間と時間を超えてきた切ってとしての存在、そこに尋常でない時間をかけてジグソーパズル状に切り抜かれた現在の状況。そこに深みが横たわっていて、壮大な想いに圧倒されます。

高田安規子・政子5.JPG

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さらに、封筒が緻密に切り抜かれた作品も。

こちらのあまりのストイックさにしばし呆然。

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思うに公共料金だとかに使われた封筒だと思うのですが、その表面にプリントされたパターンに沿って緻密に穴が開けられていて、いやもう言葉を失います。

圧倒的な仕事の量がこのサイズに凝縮されていて、その密度にまたまた圧倒されます。

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それぞれのクリエイションの密度に触れ、なんでそれをやるのだろうなどという愚問は吹き飛びます。

それぞれ個展ではどういう展開が繰り広げられるのだろう、という想像も膨らみます。

A House is not A Home 安倍典子/古武家賢太郎/永山祐子/齋木克裕

SCAI THE BATHHOUSE

東京都台東区谷中6-1-23 柏湯跡

6/26(金)~7/25(土)日月祝休

12:00~19:00

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"A House is not A Home" Noriko Ambe/Kentaro Kobuke/Yuko Nagayama/Katsuhiro Saiki

SCAI THE BATHHOUSE

Kashiwayu-Ato, 6-1-23,Yanaka, Taito-ku,Tokyo

6/26(Fri)-7/25(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

12:00-19:00

Google Translate(to English)

異なるメディアで展開する4名のアーティストがパッケージされたグループショーです。

まず、安倍典子さんの紙のオブジェが出迎えてくれます。今年のART@AGNESでも個人的にひときわ目を惹き、さらに21_21 DESIGN SITEでの展覧会で拝見したオブジェも素晴らしかったのがとにかく印象的で、今回のグループショーに安倍さんが参加されるのは大変嬉しい次第で...

もう、素敵です。有機的なカットが施された紙が重ねられて地層の断面を思い起こさせるフォルムが導き出されています。

これらは紙を1枚ずつカットして重ねて制作されるとのことで、その過程の面白さにもイメージが広がっていきます。

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展示台に置かれるオブジェ。

地層というより、緻密かつ立体的に再現された等高線のような感じが堪らない・・・!

最下部の広がり、微妙に軸をずらしながら斜めに伸びていく造形が有機的と無機的の面白い部分を抽出したかのようです。

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低い立方体を削り出したかのようなイメージを思い起こさせる造形、無数に創り出されるホールが3次元表現の面白さをぐんと引き出しているように感じられます。

このサイズにしてこのスケール感。ただ眺めているだけで想像が膨らみます。

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立体だけかと思いきや、平面の展開も面白いです!

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重ねて収めることで、また新しい面白さが導き出されているように感じられます。

浸食するようなイメージであったり、あるいはありの巣のオブジェのようでもあったり。

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古武家賢太郎さんの平面作品、ひと味違うテクスチャーが、独特の深みを醸し出しています。

凧を思わせる形状と質感。そこに描かれる、目が異様に大きな人物のポートレイト。ユーモラスさと濃密な妖しさとが混在するような雰囲気が強く深いインパクトをもたらしてきます。

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奥の壁面に展示された大きな作品、板に直描きの生々しさも基からの妖しさを深めます。

横たわる人の姿にまずは圧倒されつつ、その脇を固めるさまざまな要素が物語性を複雑に押し進めていくような感じがします。頭に包丁が刺さる何らかの動物、コウモリらしきものの目、右上から見下ろす太陽もしくは月。それぞれは妖しさを通り越して危うささえも感じさせてくれます。

そして、この独創的な世界がすべて色鉛筆で描かれているということにも驚かされます。この発色の際どさ、いわゆる油絵の具の生々しさとも異なる気配感。ユーモラスなキャラクターのキッチュなフォルムにやわらかさと淡さが重なり、不思議な緊張感が芽生えているようにも思えます。

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建築士、永山祐子さんの作品もまた、実に興味深いです。

奥のスペースの一角、実にシンプルな空間が作り上げられています。

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吊られる長い台に乗るちいさなオブジェ群。

プレスなどで拝見した時点ではもっとかわいらしいイメージが立ち上がってくるかと思っていたのですが、実際に拝見してみるとその心底にある深みに感じ入ります。

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透明の樹脂のなかに収められる金色の造形。それ自体はボタンであったりダイスであったりと、それが何のかたちであるかは観てすぐに分かります。

分かるのですが、深い金色が醸し出す高貴な感触に加え、透明なものに囲まれて浮遊する感覚、さらにどこかレイドバックしたような雰囲気から、小さいなかに実に濃密なイメージを感じ取った次第。

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そして、ここに置かれるすべてがほぼ真ん中でカットされていて、その中が空洞になっているのが分かります。

閉じた状態であればそこに何らかの存在が提示され、しかし実はそこには何も存在しない、そのイメージの逆転が、光の屈折も相まってなんとも不思議な感覚へと導いてくれます。

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ちいさなキューブの中に収まる、言葉にならない知性。

外と内との構造が提示されることに、なんとなく建築家が持つイメージの懐の深さに想像が広がっていきます。

そしてもうひとつ、インスタレーションとしての清らかさ、美しさも印象的なんです。

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SCAI X SCAIでの個展も印象的だった齋木克裕さん。今回も前回に引き続き、さまざまな景色に潜むシャールなかたちを引き出し、再構築する展開が繰り広げられています。

複数の写真を組み合わせてユニークな図形展開。かたちの繋がりがあり得ない情景を導き出していて、エフェクティブなアプローチが面白いです。

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立体的な展開も。

こちらは、前回拝見した時は紙の展開でしたが、今回はパネルに画像をマウントし、よりソリッドに作り上げられています。

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枠状の空間に吊り下げられる複数のビルの壁面。シャープなかたちが3次元で重なり、興味深い情景が豊かに展開されています。

それぞれが持つベクトルが交錯し、また眺める場所によっては構造の面白さがさらに深まっていくんです。固定されていないこともあり、光景も実に自由に変化していきます。

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それぞれが提示する空間のイメージはホントに面白いです。

複雑で、幾何学的な要素と感覚的な要素とを混在させながら、立体的に、むしろ高次元でのイマジネーションの刺激が嬉しい展覧会です。

大野智史「予言者」

TOMIO KOYAMA GALLERY

東京都江東区清澄1-3-2-6&7F

6/27(土)~7/18(土)日月祝休

12:00~19:00

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Satoshi Ohno "PROPHET"

TOMIO KOYAMA GALLERY

1-3-2-6F,Kiyosumi,Koto-ku,Tokyo

6/27(Sat)-7/18(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

12:00-19:00

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昨年のECHO展だったか、あるいはどなたかの個展のレセプションでだったか、大野さんに「もし東京ドームで展示の機会が与えられたらどうされますか?」と伺ってみたところ、即答で「やりたいです」とおっしゃったのが大変印象に残っています。

その大野さん、2006年3月以来、およそ3年振りにTOMIO KOYAMA GALLERYに登場。

冒頭の質問の答えがあながちハッタリとも思えないほどの、凄まじいスケールでの展開にただ圧倒されます。

エレベーターを降りた刹那、視界に飛び込んでくる無数の作品群。

ペインティング、ドローイング、写真、壁に直接スプレーで...とにかくそのボリュームに、そしてバイタリティに圧倒されます。

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壁という壁が埋め尽くされているのが強く印象に残ります。

カウンター情報の狭い壁面でさえ、額装されたドローイング的な作品がずらりと配されます。

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手前のコンパクトなスペースはそれでも比較的、絵画の展示空間としての落とし込みが感じられます。

ただ、ペインティングのサイズが尋常でなく。

与えられた、もとい、得た画面の広さにクリエイティビティとバイタリティとが呼応し、想像性の脊髄反射とでも表現したくなるほどの、いつもの凶暴な筆致が画面上を這い、ダイナミックな人物が描き上げられていて、その巨人ぶりにあらためて圧倒されてしまった次第。見上げる痛快さに加え、至近での筆致の臨場感に、ほとばしるヴィヴィッドな想像性を感じずにはいられないという,,,。

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メインスペースには、まずその中央に聳える塔に目が向かいます。

前回の個展やZAIMでの展開とは異なり床面に顔料がち散らされていないせいか、インスタレーションが直接空間に作用して獲得される密度としては若干おとなしく感じられたものの、象徴のようにそこに立つ塔の存在感と素材から醸し出されるアバンギャルドな感触が、やはりこれまでの展開に引けをとらないどころか、空間的な余白にさえ斬新な気配がもたらされているように感じられます。

そして、ぐるりとその塔のまわりを歩くとこの空間に無数の情報が乱れ飛び、凄まじくアグレッシブに交錯しているのが伝わってきます。それはもう恐ろしさを覚えるくらいの。

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例えば塔に立てかけられた、大野さんの単独のペインティング作品としては過剰に抽象的に感じられる絵であったり、塔を形づくるフェルト生地のダークな色調の生み合わせといい、さまざまな要素がそれぞれの速度を伴いながら、観る者の感性に襲いかかってくるかのよう。その刺激に翻弄され、ときに立ち止まって考え尽くしたりしながら、めくるめく、猥雑で暴力的で、しかし深遠である種文学的な世界観に引きずり込まれていくような感じです。

そしてこの空間に展示されているペインティングのサイズはさらに尋常でなく。

このサイズの画面が存在することに、単純に驚かされ、感動させられるくらい。。。

ただでさえ広い壁面を覆い尽くすほどのペインティンングには、覆い被さるような臨場感が津波のように溢れ出し、凄まじい熱を帯びたイメージを想起させながら迫ってきます。

針葉樹的な樹木、笛を持つ人物、万華鏡の中身を思い起こさせる幾何学的な景色など、登場するモチーフはお馴染みのものが多く、むしろそれが記憶の惹起を促し、さらにヴィヴィッドに想像が膨らんでいくんです。

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創造と破壊、その相反する衝動がそこかしこで衝突し、それがエネルギーへと転化されているようなイメージが思い浮かんできます。

上でも触れましたが、大野さんのインスタレーションやペインティングを拝見していると、例えば両性有具の人物など、ストイックなまでに同じモチーフを登場させていることに気付かされます。あらためて考えると、敢えて同じモチーフを登場させていることへは、その主題で表現できることはこんなものではない、というフラストレーションが意識的にか無意識か分からないのですが存在しているようにも思えてきます。さらにそれは、もしかしたらそれまで持ってしまっている概念の破壊が目的かもしれないですし、さらに大きなスケールの創造かもしれない、とにかく壮大な何かへと向かっているような印象を、拝見するたびに強めていっているような気がします。

今回の展示を作り上げて、大野さんご自身は肉体的な達成感は得られたかもしれないですが、一方で精神的な満足にはほど遠いような、そんな気もしてきます。

真意はともかく、これだけの展示であるのでまずは一瞬でも達成感に浸ってほしいと思うのと同時に、まだまだ足りない、それこそ記憶さえも蹂躙してしまうほどのスケールの提示も期待してしまいます。

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土屋多加史展 -片肺の国-

WADA FINE ARTS

東京都中央区築地3-2-5 第2平和田ビル

7/3(金)~7/18(土)日月祝休

11:00~19:00

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Talafumi Tsuchiya -The Country with only one Lung-

WADA FINE ARTS

3-2-5,Tsukiji,Chuo-ku,Tokyo

7/3(Fri)-7/18(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00

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今までと違う気配。しかし、たしかに「これまで」から続けられる世界。

WADA FINE ARTSでの土屋多加史さんの個展です。

展覧会のたびに描く世界に広がりを感じさせてくれる土屋さんですが、今回の広がり方はひと味違う印象を覚えます。

しかしまず、名刺代わりのお馴染みの展開から。

シンメトリーの花の群れ。それぞれ銀色の布地を支持体とし、それがフューチャリスティックな気配を高めつつ、鋭いグラデーションで描かれる花弁には独特の生命の感触が宿っているように思えます。

そして、右側のさまざまな色彩のと左側のほぼ無彩色のものとでもまた、そこに漂う空気感に差異が感じられるのも興味深く。

そして、一見すると精緻なシンメトリー構造なのですが、ひとつひとつ確認しながら眺めていくとさまざまな違いが見つかっていくのもまた、土屋さんらしい「特殊性」を思い起こさせてくれます。

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その緻密な描写でさまざまなモチーフを描き、その構図で独特のシュールネスを放つ土屋さんが、「らしくない」展開を繰り広げているように感じられるのが、今回発表されたなかでも最も大きな作品。

色調にこれまでの展開の踏襲を感じるものの、筆致の生々しさ、さらに絵の具が画面を垂れた痕などもそのまま採用されていて、それがこれまでにない大胆さと重々しさとを感じさせてくれます。

しかし、その垂れる絵の具の痕跡、また抽象的に画面に仄かに乗せられる絵の具のなかにも人の姿が影のように描き込まれているあたりに、手段こそ新手ながらも土屋さんらしい独創的なズレの感覚を導き出しているようにも感じられます。

なにより、この重厚感が堪らないんです。何か分厚いイメージに動じず、いとも簡単に踏み越えてしまっているかのようななんともいえない痛快さがぐんと迫ってきているように思えるんです。

画面を弧を描きながら横切る金色も効いています。

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額装されたドローイング的な作品も興味深いです。

お馴染みとも言えるようなモチーフやパターンも際どい割合で活かしつつ、その独創性に加速を促しながらもどこか殺伐とした、硬質な静寂の気配がしっとりと広がっているように感じられます。

何というか、辞書の挿絵のクールな生々しさに近い感覚。そこに横たわっているのは基本的には無意志で、それがシンプルな構図さえも物語としてシュールで複雑に仕立て上げているようにも思えてきます。

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さらに生々しい情景が描かれた作品も。

口づけをかわすふたり、あたかも映画のワンシーンのようなロマンチックな雰囲気が溢れ、それをこういう色使い、絵の具の使い方で描かれていることへの面白味も相まって、刹那うっとりとした印象を覚えるのですが、土屋さんのお話ではふたりとも女性なのだそう。そうなるとまた異なる緊張感が迫ってきます。

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今回の土屋さんの個展で提示された世界は、これまでの世界のエッジをギリギリでかすりつつ、かさならない部分で新たな情景を導いて、ぐんと立体的な広がりをもたらしているように感じられます。

前回も独創的な支持体による作品などが出品されていてインパクトがあったのですが、それとはまた異質の迫力と説得力が、意味深なタイトルとともに伝わってくるように思えます。

さて次はどうなっていくか、好奇心も高まっていきます!

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風能奈々展「誰がその物語を知る」

TOMIO KOYAMA GALLERY,Kyoto

風能奈々展「草上の想像」

TKG Editions,Kyoto

京都府京都市下京区西洞院通六条下ル西側町483

6/19(金)~7/25(土)日月祝休

11:00~19:00

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Nana Funo “Who Knows the Stories”

TOMIO KOYAMA GALLERY,Kyoto

Nana Funo “Imagination on the Grass”

TKG Editions,Kyoto

483,Nishigawa-cho,Shimogyo-ku,Kyoto-shi,Kyoto-fu

6/19(Fri)-7/25(Sat) closed on Sunday,Modnay and national holiday

11:00-19:00

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さまざまな気配が重なって綴られる、めくるめくファンタジー。

TOMIO KOYAMA GALLERYの京都のふたつのスペースで開催されている風能奈々さんの個展です。

とにかく見応えがあります。作品の数、バリエーション共に充実していて、さらに昨年の東京での展示からも描かれる世界観も広がりが感じられて、そこにいるだけでさらにイメージも広がっていくような感じです。

まず2階から。

今年のVOCA展に出展された作品がふたたび登場しています。

大きな画面に広がる銀色、そのなかに葉っぱや実を思わせるモチーフがぎっしりと溢れ、独特のダイナミズムを生み出しています。

何というか、描き手の「描く」ということへの勢いがそのまま迫ってくるような臨場感が強く印象に残ります。

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黒地に白の線がぎっしりと詰め込まれた作品も圧巻です。

凄まじい情報の量で、密度の展開が相当に混沌ととした気配を導き出しているのですが、いわゆる緻密さの凄みより、描かれるひとつひとつのモチーフのかわいらしさ、天真爛漫なイマジネーション、溢れる創造性の楽しさがポジティブな雰囲気となって伝わってくるような感じがします。

俯瞰でも捉えることのできない光景、そのなかにいろんなものを見付けていく、いろいろと見つかっていく過程がなんとも楽しいのです。

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円形の画面の作品も。

モチーフの有機的な風合いがより艶かしく伝わってきます。

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マスキングなどの手法も取り入れながら、重ねられる層が不思議な情景を紡いでいきます。

角を突き合う2頭のトナカイ(かと思うのですが・・・)。そのシルエットのくっきりとした質感が、滲んで浮遊感が増した背景とのコントラストで不思議な時間性を導き出しているように思えます。

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このスペースでの比較的コンパクトな作品では、そのひとつひとつの画面の中にさまざまな気配が注ぎ込まれているような印象です。

構図だけでなく色彩のバリエーションも相まって、もう追いつかないくらいにさらにいろんなイメージが促されます。

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いろんな気配がそこかしこから伝わってきて、それらに翻弄される楽しさ、心地よさと、全体を覆う独特の色彩感が、どこか大人びた文学性というか、深みをもたらしているようにも感じられます。

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続いて1階のエディションのギャラリースペースへ。

こちらはこちらで、足を踏み込んだ刹那、ずらりと並ぶ画面に圧倒されると同時に、その数に高揚感が一気に弾けます!

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統一されたサイズ。厚めのパネルとスクエアの画面、それがバリエーションの多さをよりいっそう際立たせています。

お馴染みの銀色や白、さらにさまざまな色彩が取り入れられ、そのひとつひとつのなかでちいさな物語が紡がれていく状況にすこしだけ、気が遠くなります。

しかし、1点ずつを眺めていくとやっぱり楽しい!かわいらしさとコミカルさ、深みとが渾然となって迫り、観る側のイマジネーションも否応無しに膨らませられていくんです。

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風景がモチーフとなった作品も多数展示されています。

その場面に存在するさまざまなモチーフ、樹木であったり家であったり、それぞれが細かいストロークで描き上げられ、さらにそのストロークの味わい、表情の豊かさも相まって、そこに存在する物語にも想いが深まっていきます。

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人物らしき影が登場する作品は、さらに物語性が立ちのぼっているように感じられます。

佇まいや仕草の豊かな描写、背景との関係性などが、さらにイメージを深く、豊かなものへと押し上げてくれるように思えます。

何といっても、かわいらしい気配が愛おしいんです。ファンタジックな雰囲気がシックな色調で綴られ、独特の世界観がさまざまなかたちで伝わってくるんです。

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1点だけ、随分雰囲気が異なる作品があったのも印象的です。

葉と蔦のモチーフこそお馴染みな感じですが、緑と赤の色合い、画面の仕上げなどの特徴的な感触がこの空間のアクセントとなっています。

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ここに展示された作品は108点、すべてにタイトルが添えられていて、それを確認しながら観ていくのも楽しいです。それが何であるかを想像してタイトルを目にすると全然違っていてちょっとがっくりきたり(笑)、またタイトルとして添えられる言葉がちいさな画面の中の世界を深め、イメージの奥行きをさらにもたらしてくれるような感じも楽しいです。

ある意味、2階の展示よりも凄まじい情報の量で、すべての作品はパネルの側面までびっしりと描かれているのですが、やはり根底に漂う天真爛漫さ、ナチュラルなスタンスがどこか軽やかな雰囲気となって現れているようにも思えるんです。

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大作で、さまざまなサイズの作品で、そして108の画面がずらりと並ぶ空間で感じる風能さんの物語。それだけの量を創り出せるバイタリティにも感嘆しつつ、独特な雰囲気にも静かに感動が湧いてきます。

クサナギシンペイ「アイデス」

Taka Ishii Gallery Kyoto

京都府京都市下京区西洞院通六条下ル西側町483

6/19(金)~7/25(土)日月祝休

11:00~19:00

Shinpei Kusanagi “ideath”

Taka Ishii Gallery Kyoto

483,Nishigawa-cho,Shimogyo-ku,Kyoto-shi,Kyoto-fu

6/19(Fri)-7/25(Sat) closed on Sunday,Modnay and national holiday

11:00-19:00

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ふわりと広がって、すいこまれて...

Taka Ishii Gallery Kyotoでのクサナギシンペイさんの個展です、本当にいいんです!

画面の上に浮遊する色彩が奏でる、幻想的な景色。

生の支持体の色も残り、そこにさまざまなストロークが滲み、かさなって、まるで霧に霞むように曖昧な風合いを伴って豊かな気配が広がっているように感じられます。

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独特の配置、構図が繊細な雰囲気を紡ぎます。

ひとつひとつのかたちはちょっと息を吹きかけると壊れてしまいそうなほどの仄かな感触で、時おり強い意志を感じるストロークがそれだけの発色によって全体の画面の淡い気配感から迫ってきます。

ちいさな世界に入ってしまったかのような印象も、またはどこまでも広がっていくような止めどもない場所にいるかのような...いろんなイメージが行き交います。

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それが何か、そこがどこかは分からないのですが、それが何かで、そこがどこかであることは感覚的に掴んでいく、そんな感じです。

ひときわ大胆な濃淡で紡がれる作品。強い色が塊となって残る部分と青、緑、黒それぞれの色の接する部分の曖昧なグラデーションが、どこか爽やかな風合いとともに、独特な混沌とした気配をもたらしているように感じられます。もしこのなかに入り込んでしまったら戻って来れないような緊張感も朧げに伝わってきたり...。

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例えるとしたら、きれいな夜景を見付けたときのような感動が湧いてくるんです。

滲む色彩は時には空気のなかを漂う光のように凛とした感触を際立たせ、豊かな奥行き感をもたらします。ずっと遠くまで続いているような感じ、スケール感がファンタジックなイメージをさらにおおらかなものへと押し上げてくれるような。

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そのスケール感は小さな作品においてもしっかりと引き継がれます。

比較的大きな画面の作品が並ぶなかで、ひときわコンパクトなサイズの作品がぽつんとふたつ、壁面に灯されるように展示されているのですが、広い壁面に作用して、ぐんとイメージも膨らんでいくんです。

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色彩やかたちの配置の面白さ、それらが紡ぎ出す繊細な気配感。

あるかたちが具体的なイメージを示してくることもあって、それがその縮尺の印象に心地よいズレを導き出してくれるのもまた楽しいです。

ほっとするような溜め息が漏れ、一方で知らない場所へと誘われる時の仄かに気が張る感じもあたっりと、新鮮で斬新なイメージがひとつ浮かんでは広がっていきます。

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「ひとことガレット」片山大輔 個展&「ひとになる」高あみ 個展

YUKARI ART CONTEMPORARY

東京都目黒区鷹番2-5-2 市川ヴィラ1階

6/20(土)~7/18(土)日月火休(水:事前予約制)

11:00~19:00(最終日:~17:00)

片山大輔090620.jpg 高あみ090620.jpg

HITOGOTO galette' by Daisuke KATAYAMA & 'becoming human' by Ami KO

YUKARI ART CONTEMPORARY

2-5-2-1F,Takaban,Meguro-ku,Tokyo

6/20(Sat)-7/18(Sat) celosed on Sunday,Monday and nTuesday (Wednesday:appointment only)

11:00-19:00(laset day:-17:00)

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ふたつの展示室でひとりずつのアーティストを、それぞれ個展形式で紹介する展覧会。

まず手前のスペースでは、片山大輔さん。

コンパクトなスペースに居座るもうひとつのスペース。ちいさなお家を身体にして、手足と首がそこから生えて、ひとつの童話が現実世界に現れたかのような感じで、思いがけずファンタジーの世界に触れ、まだほんのりと童心が残っていることの気付かされ、なんとも嬉しい気分に。

さまざまな遊び心がふんだんに織り込まれているのも楽しいです。

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そして、そのお家のなかを小窓から覗くと・・・

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もう一匹いるー!!!(≧∇≦)ノ゛

積み木で遊ぶ仔鹿。

電灯が灯っていたり、このあったかい感じにも和めます。

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木枠に収められた作品も楽しいです。

3つ並んで壁に掛かる作品の、画面に取り入れられる立体的なアプローチがリアリティを醸し出し、独特の面白味を奏でます。

全体を覆うスタイリッシュな感触も印象的です。表面に被さるアクリルのパネルに書かれるアルファベットの単語と文章がストリート感覚を醸し出していてかっこいい!

・・・と思って読むとローマ字かよ!Σ( ̄口 ̄;)

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シンプルなドローイング的作品もいい感じです。

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鳥、もしくは鹿を基に描いたような独特の雰囲気を纏うキャラクター。

遊牧民的な佇まいと達観した表情が、ポップな色使いと味わい深いテクスチャー、部分的における細かい描き込みなどで巧みに描き上げられていて、遠いイメージが湧いてくるような感じです。

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続いて奥のスペース、高あみさん。

YUKARI ARTに登場するのは今回で2度目、前回のインスタレーションの深遠な雰囲気のイメージを持って展示スペースへ足を踏み入れると、基本的に1点ずつ完結した陶芸のオブジェが並んでいて、また異なる雰囲気に戸惑いつつも、そのあたたかみと滋味に溢れる造形にやさしく癒されるような...。

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やわらかな彩色、表面の土っぽい肌触りなどに加え、そこにやはり深い世界観はしっかりと収められているように思えます。

作品によっては相当に危うさを感じさせてくれる造形も。

ひとつの頭にふたつの顔、欠ける鼻、つぶれる目。特にこの造形に際どさ、危うさを感じます。

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様々な表情が並んでいます。

そのひとつひとつが深遠な雰囲気を伴っていて、対峙するごとにそこだけの次官が流れるような感じです。

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そして、前回の規模ではないのですが、インスタレーション的な展開も。

陶器の欠片がひとつの円に集められ、壁に円環を形成する顔と対になって、このスペースのなかでもいっそうの深い物語性、関係性を奏でているように思えます。

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それぞれ、独特の物語性が空間内に満ちているのが心に残っています。

綴られる時間の深み、おおらかなイメージ。伝わる、掴むものが豊かで、観賞後の感覚のあたたかさがまた嬉しいです。

呉亜沙 -whereabouts-

ギャラリー椿

東京都中央区京橋3-3-10 第1下村ビル1F

6/27(土)~7/11(土)日祝休

11:00~18:30

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Asa Go Solo exhibition -whereabouts-

Gallery Tsubaki

3-3-10-1F,Kyobashi,Chuo-ku,Tokyo

6/27(Sat)-7/11(Sat) closed on Sunday and national holiday

11:00-18:30

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こころのやわらかい部分に重なって、膨らんでいくファンタジー。

ギャラリー椿での呉亜沙さんの個展です。

もうずいぶん長く拝見している呉亜沙さんの世界。

はじめて接した独特のメランコリックな雰囲気、途中にニューヨークへの滞在が入って帰国後の世界が一転し、強さ、しなやかさが加わった印象、それから・・・

続けて拝見していって、その変化においてこちら側の距離感も変わっていきます。

そして、帰国後の強さが押し出されたような世界からだんだんとふわりとしたような風合いが戻っていくような感じがあって、そういう意味では昨年の横浜での個展で拝見した作品群、ポップさと繊細さとが独特の塩梅でそなわるような世界観は強く印象に残っているのですが、今回はあらたに「葉っぱ」というモチーフが登場し、いつもの女の子とうさぎがまた違う世界を綴っていっているような気がして、その不思議なイメージに嬉しさを感じます。

まず、今回出展されている最も大きな作品に驚かされます。

何より、画面下方、眼下に広がるトーキョーの俯瞰風景。シンボリックな建築物は過不足なく織り込まれ、そこがどこか分かるくらいにていねいに描かれているのが楽しく、また、佐藤美術館では都市風景が描かれた作品も登場していたものの、ここまで精緻かつ高密度に再現することができることへの驚きもひとしお。

さらに、そこに登場する女の子は空に浮かんでいると思いきや、

高速道路の上に立ってるのかよ!Σ( ̄口 ̄;)

てな感じのシュールな面白さ、白と黒の葉っぱが交互に鎖のように連なって、それがこれまた女の子の頭から生える樹木に生い茂るカラフルな葉っぱと微妙な差異の生命観を醸し出しているように感じられるのも興味深く。

さらに、画面の端に手が現れていることで、この不思議な情景の物語性にぐんと広がりをもたらしているようにも思えます。さまざまな見どころとイメージが画面に収められているんです。

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上の作品と対面する壁に展示された大きな作品の気配も、すうっと心に広がっていきます。

象徴的に真ん中に立つちいさな木。黒と白の葉っぱのリボンが絡まって、その一方は地面に触れ、もう一方はピンと張られて左上へと伸びている、これがまた独特の緊張感をもたらしています。

ふわりとした奥行き感や、散らばる椅子に座るうさぎ、女の子。大きく描かれるコミカルなかたちの葉っぱ、地面に広がる影の妖しげな風合いなど、こちらもさまざまな物語が広がっていくように思えてきます。

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そして、ポップな場面や景色を描いた作品が多く登場しています。

それぞれの軽やかさと、モチーフが奏でる繊細な深みとが独特の物語を放ちます。

要素のひとつひとつが楽しげでもあり、象徴的でもあるのが印象的です。

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人形が取り入れられた作品も。

また、うさぎと女の子とが同じ構図で入れ替わった対の作品も多く展示されているのも興味深いです。

記憶では、最初に拝見した時はどの作品にも女の子はひとりしか登場しなかったので、女の子「たち」になったのは今回が初めてではないものの、その変化にも慣れてきて、さらに遊び心が注がれているような感じが静かな楽しさを心にもたらしてくれます。

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今回のインスタレーション的な作品はこんな感じで。

目を閉じる女の子の表情の穏やかさが、そこから伸びる幹と広がる葉っぱへのイメージにも作用してきます。あたたかい色調も印象的です。

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呉亜沙さんが描く世界。知っていると思い出すたびにゆったりとしたイメージをもたらしてくれるような気がします。

穏やかにひろがるあたたかさ、ほんのりと漂う淋しさ、繊細な心の部分を癒してくれるような風合いは、新しい作品を拝見するたびふわふわと心の中に重なっていって。。。

その積み重ねが、さらに新しい作品を目にしたときに、ただ増えるだけでなくて、今までかさなったものも膨らんで、足された以上の大きさに育っていきます。

そういうクリエイションと同じ時間を過ごせる、過ごしていけるのは幸せだなぁ、と思うのです。

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《7/3》

澁谷忠臣 個展「教」

hpgrp GALLERY 東京

東京都渋谷区神宮前5-1-15 CHビルB1F

7/3(金)~7/26(日)月休

11:00~20:00

前回の個展でのバリエーションに富みカラフルな展開の印象が残るなかで、今回の個展の空間を拝見すると、そのソリッドさ、ストイックさに驚かされます。

ほぼひとつの色調で統一され、そこに展開されるのは前回と同じくさまざまな幾何学形体の構造なのですが、描かれる情景が抽象性を帯びていて、実に深いイメージが伝わってきます。

4 Winds 2009展 永井桃子 秋葉シスイ 矢口佳那 猪瀬直哉

ときの忘れもの

東京都港区南青山3-3-3 青山CUBE1F

7/3(金)~7/25(土)日月祝休

12:00~19:00

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昨年からメンバーを一部入れ替えて開催の4人展。

このギャラリーではお馴染みの永井桃子さん、バラのイメージが強いのですがさまざまな花が描かれていて楽しげで、ざらりとした気配感が印象的な矢口佳那さんの作品、こちらも僕にとっては既にお馴染みの秋葉シスイさんの暗い色に浮かぶ人物の絵、そして昨年のTHE SIXでも印象に残った猪瀬直哉さんの深く豊かな臨場感溢れるペインティングにおおいに惹かれた次第です。

土屋多加史展 -片肺の国-

WADA FINE ARTS

東京都中央区築地3-2-5 第2平和田ビル

7/3(金)~7/18(土)日月祝休

11:00~19:00

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この大きな変化、歓迎します!

シンメトリーの花の展開の作品はこれまでの作風を踏襲、そして大作での一見まったく異なる、しかしこれまでの世界観のエッジの部分に際どく重なっているような雰囲気に、イメージがぐんと広がり、奥まっていくような印象です。

馬場俊光展

BASE GALLERY

東京都中央区日本橋茅場町1-1-6 小浦第一ビル1F

7/3(金)~8/7(金)日祝休

11:00~19:00

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とにかく風景の作品が素晴らしい!

精緻に分解されたさまざまな景色。細かいマスキングによってもたらされるひとつひとつの色面が緻密に組み上げられ、いくつかの要素を排除しながらよりイメージの世界を現出させているように感じられます。やわらかな色彩も爽やかです。

Moeglichkeit II 児玉香織/高田安規子・政子/田内万里夫/満田晴穂/芳木麻里絵

ラディウムーレントゲンヴェルケ

東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17

7/3(金)~7/25(土)日月祝休

11:00~19:00

ああもう!

こういうの大好き!

人が作るものってこんなにも面白いのか、と凄まじい勢いで前のめりに再認識。それぞれの個性が発揮され、煌めいています!

《7/4》

風能奈々展「誰がその物語を知る」

TOMIO KOYAMA GALLERY,Kyoto

風能奈々展「草上の想像」

TKG Editions,Kyoto

京都府京都市下京区西洞院通六条下ル西側町483

6/19(金)~7/25(土)日月祝休

11:00~19:00

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京都の小山登美夫ギャラリーの二つのスペースで開催されている風能奈々さんの個展、東京での展示も印象的でしたが、今回はさらに大胆勝つ緻密なアプローチが、よりおおらかで深い世界を創出しているように感じられます。

上階での大作がずらりの構成、1階の108点の作品が整然と並ぶ空間、それぞれにユにpくなメルヘンが綴られているように思えます。とにかく楽しいです。

クサナギシンペイ「アイデス」

Taka Ishii Gallery Kyoto

京都府京都市下京区西洞院通六条下ル西側町483

6/19(金)~7/25(土)日月祝休

11:00~19:00

よい。

ホントによい。。。

キャンバスに滲む絵の具が浮かび上がらせる幻想的な情景。霞む気配感もまた、豊かなイメージの創出を促します。

じっくりと時間を忘れて対峙してしまいます・・・。

渡辺おさむ・尾家杏奈・廣川惠乙 グループ展「Entrance into Garden」

imura art gallery

京都府京都市左京区丸太町通川端東入ル東丸太町31

7/4(土)~7/25(土)日休

10:00~18:30

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3名のアーティストによるグループショーです。

まず、お馴染み生クリームと果物の渡辺おさむさん。絞り器でひとつひとつ乗せられるストロークの集積が放つダイナミズムを活かし、しかし一部腐ったように青いカビが生えた果物が散見するのを目にして、これまで痛快だった一貫するファンタジックさから一転、現実的な違和感がユニークな雰囲気を導き出しています。

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今回はほぼすべての作品で腐った果実の造形が持ち込まれていたり、あるいは円環のように配されたバナナが傷んでいく過程を思わせたりと、フレッシュさとは異なる、退廃というか、時間の経過の残酷さを思わせるアプローチが興味深いです。

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しかし2階には、いつものファンタジーが!

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尾家杏奈さんは、アグレッシブな筆致でダイナミックな物語を創出していきます。

お話を伺うと、物語を思い浮かべ、それが進んでいくように画面の中に要素を増やしていくというアプローチで描いていくのだそう。そこかしこから醸し出されるカオスが深いイメージをもたらしてくれます。

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小品も魅力的です。

物語の場面がコンパクトになったような臨場感。エネルギーがぎゅっと詰まっているような感じです。

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さらに、素材の感触が前面に押し出されたマチエルが、アバギャルドな雰囲気を奏でているものも。

今度は東京でも個展で観られる機会があるので、どんな感じの作品が登場するか楽しみです。

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廣川惠乙さんは、昨年のvia artで個人的にもっとも印象に残ったアーティスト。ここで再会できたことがまず嬉しいです。

そして、そのときに発表されていた作品が加筆され、両端に画面が足されて完成したかたちで拝見できたのも満足。細かい色が弾けるように放たれて、それがモノクロの世界の妖艶な奥深さににキュートさをもたらしているように感じられます。

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小品も雰囲気豊かな感じがいいんです。

巧みな描写と遊び心とが独特の気配を導き出しています。

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Art Court Frontier 2009

ARTCOURT GALLERY

大阪府大阪市北区天満橋1-8-5 OAPアートコート1F

7/3(金)~8/1(土)日月祝休

11:00~19:00(土:~17:00)

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毎年、アートにさまざまなかたちで関わる方がひとりずつ推薦してピックアップされた関西にゆかりあるアーティストによるグループショー。

ありがたいことに僕も推薦者のひとりとして参加させていただいて、他の推薦者の面々を眺めると「ぼ、僕でいいんですか?」という感じで至極恐縮だったのですが、東京を拠点に活動しているので、東京で拝見したアーティストを、ということで奥田文子さんを推薦させていただいて。

個人的にファンで、かつ期待するアーティストにあらたなことを挑戦する機会が与えられたことに充実感を得られ、その気持ちが何よりよい経験だったと思います。

しかし推薦されたアーティストも実に興味深い!

すべてではないのですが、平面作家を中心に。

まず、今回最も大きな発見だったのが、川上雅史さん。

推薦されたのがART ITReal Tokyoの小崎哲哉さんというのも大いに納得のかっこよさ。

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ある画像を等間隔でスライス、その部分ごとに描き、それを画面上で繋いで再構築、というユニークな手法で描かれたペインティングで、アプローチが生み出すズレが心地よい違和感、アクセントとなって迫り、独特のスリルが生み出されています。

随所に放たれる筆致の深みにも参った次第。

もっとたくさん、そして個展で拝見したいです。

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山本理恵子さんのかわいらしい筆遣いもまた楽しい!

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おおらかな弧を描きながら、鮮やかな色が画面に広がって、ほんのりとしたユーモアも残り香のように画面に流れているように感じられます。

キャッチーな色彩と密やかなシュールさがまた楽しいです。

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で、僕の推薦で作品を提供していただいた奥田文子さん。

これまでデイタイムの明るい光景を描いた作品が多かった奥田さんに、夕焼けの絵をリクエストしたのですが、奥田さんなりに僕の意図を解釈してくださって、ほんのりとレイトタイムのイメージが横たわる、ちょっと感じの違う作品が登場していて嬉しい限り。

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いつものように、ちいさな人影がいつもの不思議な縮尺間をもたらす一方で、その情景に流れる気配のどこか淋しげな感触が新鮮です。

またあらためて夕焼けの時間の作品にも挑戦していただければ、と期待しています。

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ギャラリーゼロや静岡県立美術館での「風景ルルル」でも印象に残っている柳澤顕さんが推薦されているのも嬉しいです。

3点のペインティングが配され、さらに広い壁面にカッティングシートで制作されたたおやかな曲線の重なりが、ユニークなパースペクティブが導き出されているように感じられ、痛快です!

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1点ごとの画面の中に展開されているシャープな混沌も刺激に満ちています。

複雑に組まれるグラフィカルな面白さにもおおいに惹かれます。

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そして、ダイナミックな弧のかさなりを眺めていると、さらにイメージがぐんと広がっていくんです。

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東京での個展を見逃していた木村宗平さん、ここで観られるのもありがたい。

推薦者の藤田千彩さんに感謝、感謝です。

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有機的な盛り上がりの迫力、無機的で有機的な世界観。

危うさとアバンギャルドさをも秘めた独特の味わいに引き込まれます。

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他のアーティストの作品も見応え充分でございます。

《7/5》

イメージの新様態 XIX -延延刻刻- 松谷博子×松野じゅんこ

GALLERY SUZUKI

京都府京都市東山区三条通りけあげ(都ホテル前)6/23(火)~7/5(日)

12:00~19:00(最終日:~17:00)

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ふたりのアーティストがフィーチャーされた展覧会。

松谷博子さん。

木版画で水泡が溢れるような情景を緻密に再現、木版での表現としては実に緻密な世界が導き出されていて、広がる黒の深い静謐と、緻密に繰り広げられるリズムに引き込まれます。

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さまざまな空間性が繰り広げられていて楽しいです。

作品によっては白のインクで制作されたものもあって、今後の展開も興味深いです。

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松野じゅんこさんの作品、なんといっても大きな画面で繰り広げられる細密描写に、気が遠くなるほどの仕事量に圧倒されます。

画面に広がる墨の飛沫のエッジを徹底してトレース、さらにそのかたちのなかにさまざまな線を描き込み、凄まじい混沌を生み出しています。

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小さな作品でもその密度は変わることなく。

東京のアートシーンでも見せてみたい、その反響を観てみたいクリエイションです。

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《7/7》

祝迫芳郎展

新生堂

東京都港区南青山5-4-30

7/8(火)~7/18(土)日祝休

11:00~18:00(最終日:~17:00)

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彫金作家、祝迫芳郎さんの個展です。

今回は樹脂で制作されたトカゲ、雛、ネズミといった動物をベースに、それらに兜をかぶせて勇ましい装飾の展開で魅せてくれます。

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その複雑で精密な仕事に感嘆させられます。

さまざまな技術が注ぎ込まれ、それが鋭い説得力を導き出しています。

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平面展開のトカゲの作品も。

兜の勇ましさがさらに迫力を増して伝わってきます。

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ネズミの作品も面白いです。

巨大な角の壮観さ、びっしりと広がる針、炎のような七宝の赤。

同じかたちでの展開がバリエーションの面白さを強く押し出しています。

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1点ずつのサイズのかわいらしさとたくさん観られる楽しさ。

じっくりと観て、そのかっこよさに思わずほほが緩みます。

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内海聖史展 ―千手―

GALERIE ANDO

東京都渋谷区松濤1-26-23

7/7(火)~7/25(土)日月休

11:30~19:00

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今回の内海さん、円環の展開を発展させた作品ということで、どんな感じかと思いきや・・・

もう何度も足を運んでいるこのギャラリーがこんなに大きく感じるとは・・・!

円環の構成も「そうきたか!」と唸らされます。

《7/9》

この日はZINE'S MATE THE TOKYO ART BOOK FAIRのレセプションへ。

とにかく凄いひとの数に圧倒され、

脱出できるのかここから・・・Σ( ̄口 ̄;)

と思ってしまうほど。

しかしその賑やかさが妙に新鮮で楽しかったり。

よく知るギャラリーから、まったく未知の出版社とさまざまなブースが並んで、そしてそこかしこに写真集や画集がずらりと並んでいて、そういう状況にもワクワクしてくるんです。

この週末に余裕があるか微妙なのですが、行けるようだったらあらためてちゃんといろいろ観てみたいです。

大島梢展「図鑑」

ミヅマ・アクション

東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル5F

6/12(金)~7/11(土)日月祝休

11:00~19:00

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Kozue Oshima "pictorial book"

MIZUMA ACTION

1-3-9-5F,Kami-meguro,Meguro-ku,Tokyo

6/12(Fri)-7/11(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00

Google Translate(to English)

深化する細密。

ミヅマ・アクションでの大島梢さんの個展です。

これまで折に触れて拝見してきている大島さんの作品。最初に観た時の、画面全面を覆うあざみのような花が緻密に描かれた小さな作品の凄まじい密度と精度のインパクトから、さまざまなモチーフや空間性を取り込んでその個性と技術にも磨きをかけ続けている印象があるのですが、さて久々の個展ではいったいどんな作品を、と興味津々で臨んだ次第。

もともと細かい描き込みの絵が好きなこともあり、大島さんが紡ぎ出す世界はまずすべて支持といった感じなのですが、今回発表されたものの中で最も大きな作品は、これまでの「線」の展開から「色彩」へと大きく舵を切ったような感触が実に新鮮なインパクトと迫力を放っているように感じられます。

無論、細密の技術は存分に活かされているのですが、広大な画面全面に隙なく色が入って、より描かれる情景の臨場感が増し、その世界へと意識が力強く引き込まれていきます。

また、濃厚な色彩が用いられていながらも、そこにはとてつもなく純度の高い透明さが広がっているようにも思えます。そして、描かれるさまざまな色の面のなかに潜む凄まじい情報の量に、さらに意識が前のめりに・・・!

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これまでの展開の気配を感じさせてくれる作品も多数展示されています。

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厚めのパネルに描かれる、幻想的で妖し気な気配が高密度で渦巻く世界。。

側面にもびっしりと描かれることで、この立体のなかにひとつの空感が存在しているような想像も思い浮かんできます。

そして何より、色のチョイスが大島さんらしいあぁ、とも思うのです。陰と陽、それぞれの色がお互いのコントラストを引き立てあっているようで、それが凄まじい情報量をより鮮明に提示しているようにも思えます。

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ペンのみで描かれた作品では、最近試されてきた空間性の実験がより複雑化したような印象が興味深いです。

複雑な縮尺を組み合わせ、シュールな空間が紡ぎ出されていて、その惑わせ、狂わせの要素もまた不思議と心地よい引っかかりをもたらしてくれます。

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今会期中に完成した、色と線の密度が複雑に展開されている小さな作品。

たったこれだけの面積が、広い壁を支配し、膨大で壮大なイメージの想起を促す軌道装置のような感じです。

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入り口近くの棚にもイラスト風の小品が。

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大作から小品まで、敢えて言うまでもなく力作が揃っていて、見どころも発見も豊かに備えられています。

そして、これまでの変遷を思い返しつつ今回の大島さんの作品を拝見すると、押し進められる表現が、あるベクトルへと向かうというより、多方向へ広がっていっているような印象を覚えます。

ここ最近の作品では、さまざまな情景を組み合わせ、複数の縮尺も大胆に織り交ぜながら壮大な構図を導き出したものが多く、緻密な描写も迫力へと転化されていたように思えます。そして今回はそこに大胆に色彩が投入され、これまで背景としても機能していた支持体自体すべてに彩色を施すことで、描く世界のスケール感がより立体的に発展したように感じられます。冒頭での今回の最も大きな作品での展開が、今後の可能性をも提示しているよな気もしてきます。

また、ここまで大胆な色使いの作品は少なくとも僕の記憶ではないのにも関わらず、その色についてもオリジナリティを獲得しているようにも感じられるのが興味深いです。

既に獲得している圧巻の細密描写力に加え、色彩で豊かな空間性を放たせる新たな「術」と「個性」を手にして、これからどんな情景が描かれていくか、そしてどんな色を見付けていかれるかも楽しみです。

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青木美歌個展

ギャラリーアートもりもと

東京都中央区銀座3-7-20 銀座日本料理会館2F

6/29(月)~7/11(土)日休

10:30~18:30

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Mika Aoki solo exhibition

Gallery Art Morimoto

3-7-20-2F,GInza,Chuo-ku,Tokyo

6/29(Mon)-7/11(Sat) closed on Sunday

10:30-18:30

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その有機的な造形はさらに妖し気でつやつやしい気配を放ちながら・・・。

ギャラリーアートもりもとでの青木美歌さんの個展です。

一度目にしたら忘れ難い、独特の美しさを繊細勝つ滑らかに奏でるおなじみのガラスの造形。シュウゴアーツで開催された三嶋りつ恵さんのインスタレーションを参考にされたという、光る台座に置かれた作品群が、穏やかで凛とした闇のなかから姿を現しています。

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青木さんの作品として、名刺代わり的な展開でもある注射器から伸びるオブジェの作品が、まず出迎えてくれます。

注射器自体の存在が放つ危うげな気配と、何かの菌糸を想像させるユニークな抽象造形とのがイメージのなかで絡まり、小さな作品でありながら、充分に深い世界観を生み出しているように感じられます。

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今回の個展での大きな見どころでもある作品は、ギャラリーのほぼ中央に展示されています。

圧巻の造形、有機的に伸び、絡み合う紐状のガラスがひとつの大きな、そして自立するオブジェを築いています。

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随所に織り交ぜられるユーモラスな造形。

網のように絡み合う紐状の部分から、あたかもそこに成る実のようにふわりとやわらかな膨らみがそこかしこに登場していて、ひとつひとつを見付けていく楽しい時間と、それら自体の、謎めきをも緩やかに醸し出す複雑な造形に感じ入ります。

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そして、連なる網の端の部分のスリルも格別です。

ガラスという素材の脆弱さがその感覚の鋭さをさらに鮮烈に引き出しているようにも感じられます。

その一方で、常に保たれる丸みが、独特の優雅さをも可憐に奏でているようにも思えて、その澄んだ気配にも心が入り込んでいきます。

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注射器の作品と同様に、青木さんらしいビーカーを使った作品も。

蓋のある空感が、その有機性を高めているようにも思えます。

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今回の個展では、上でも紹介した自立する大きな作品をはじめとした、新たな試みが繰り広げられる作品も多く出展されているのが興味深いです。

その妖し気なフォルムは確実に進化し、より繊細な美しさを導き出しているようにも感じられ、それらを眺めて僕自身も新鮮な想像が膨らんでいった次第で。

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青木さんの作品には、言わずもがなではありますが、生命の感触のイメージが注ぎ込まれているように思えます。

今にもぐねりと動き出しそうな独特の造形。あるいは、胞子の先はどんどんと伸び、増え、更なる複雑なかたちへと向かうその際どい手前のスリリングさも思い浮かんできます。

そしてなにより、その繊細さ、ガラスという素材が持つ感触はもちろん、感性の繊細さも伝わってくるような印象です。

今回の個展では大きな作品が観られたのがとにかく嬉しく、さらに空間インスタレーションも実に効果的で、より美しい世界観が満ちているように思えてきます。

輝く表面の有機的なフォルムに酔って、たくさんの人にイメージの広がりを体感してほしいです。

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倉重迅展「Hollow Point」

MIZUMA ART GALLERY

東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F

6/12(金)~7/11(土)日月祝休

11:00~19:00

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Jin Kurashige "Hollow Point"

MIZUMA ART GALLERY

1-3-9-2F,Kami-meguro,Meguro-ku,Tokyo

6/12(Fri)-7/11(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday

11:00-19:00

Google Translate(to English)

すべては君のため。

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造花ですけどー!!!(≧∇≦)ノ゛

もとい。

MIZUMA ART GALLERYでの倉重迅さんの個展である。

突然ですがここでクイズ!

Q:パイプの口に施される色彩は何のためでしょう?

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