2月2日より森美術館で上記展覧会が始まった。1960〜80年代の欧米の現代美術作品と90年代以降の写真作品を概観するには絶好の機会に違いない。特にウォーホル 、リキテンスタイン 、カッツ 、ダミアン・ハースト などは良い作品が来ている。
2004年にUBS銀行がPaine Webber社を吸収合併するまでの十数年間、このコレクションはThe Paine Webber Art Collectionとして知られていた。(同名の書籍が1995年Rizzoliから出版されている。)10年以上前になるが、展覧会の日本での巡回が企画され、同社内に展示されていた作品群を当時のキュレーターに案内されたことを思い出す。
圧巻は最上階の大会議室兼ダイニングの太い柱に展示されていたスーザン・ローゼンバーグの1988年の6点組作品、1987年に同社が依頼したものだ。各322x118cmもあり、2005年の2月〜4月にMoMAで開催された展覧会には出品されていたが、今回は出品されていない。他にもロバート・ライマン、クリストファー・ウールなどが欠けていて残念だ。
しかし、UBSコレクションとなってから加わった写真作品の多くは余り日本で展示の機会がなく、スナップ写真を写真と誤解している人々の目には衝撃となるに違いない。特にアンドレアス・グルスキーの《99セント》は、2006年5月のオークションで落札価格225万ドル(2億7000万円)のものと同じ作品だ(エディション6)。そのほかマッシモ・ヴィターリ 、オリヴォ・バルビエーリといった作品を見てみると、同じ技法を用いている本城直季 の作品がいかにレヴェルも高くオリジナリティを持ったものかが理解される。本城の作品がUBSコレクションに加わる日も近いだろう。
先見の明あるUBS銀行は1998年からアート・バンキング部門を設け、顧客に様々なアドバイスやサービスの提供をするほか、不透明な美術市場や美術品の不正取引などといった罠にかからないように手助けをしている。そのほか、美術品の鑑定、購入機会を探し、投資戦略や保険、輸送の手配などもおこなっている。同銀行は『ユーロマネー誌』から2007年の「世界ベスト・アート・バンキング」に選ばれている。
タグボートも、小規模ではあるがUBS銀行に劣らぬサービスを提供するのはもとより、銀行には出来ない新人作家のプロモーションに注力していきたい。
「アートは心のためにある:UBSコレクションより」展は、2008年4月6日(日)まで〈会期中無休〉森美術館
www.mori.art.museum
ジョナサン・ボロフスキー 《アートは心のためにあるNo.3094248》 1989年 169.6 x 138.1 cm シルクスクリーン、銀箔
ロイ・リキテンスタイン 《ポスト・ヴィジュアル》 1993年 243.9 x 203.2 cm 油彩、アクリル、カンヴァス ©2007 Estate of Roy Lichtenstein, ProLitteris, Zurich
ゲルハルト・リヒター 《ヘレン》 1963年 108 x 99.1 cm 油彩、グラファイト、カンヴァス The Museum of Modern Art, New York.
(Partial and promised gift of UBS)