「ファクトリー」、アンディ・ウォーホルについてちょっとでも勉強された人なら、町工場とでも訳すべきこの言葉が、60年代アメリカン・ポップ・アートの聖地、即ちウォーホルのスタジオを意味することはご存知のはず。アルミ箔やスプレー塗料で銀色一色にされた空間からは、「マリリン」、「エルヴィス」、「キャンベルスープ」、「フラワー」、「ブリーリョ・ボックス」などの伝説的な作品群が生み出されたのだった。
ファクトリーには、アーティストだけでなく、ミュージシャン、素人俳優たちがドラッグと音楽に浸かる毎日、その中で最も目を惹いたイーディ・セジウィックの短い生涯の伝記として、この映画は作られている。
ウォーホル自身の姿が見られるビデオやDVDあるいは写真集をご覧になれば、それらがカラー版になって動き出したような錯覚に陥るだろう。2000年代のファッション・アイコンであるシェナ・ミラーが見事に60年代ファッションを着こなして、イーディの雰囲気を漂わせ、ガイ・ピアースのしゃべり方はウォーホルに生き写しだ。
ファクトリーのあちこちに、ウォーホルの代表作が飾られ、立てかけられ、放り出され、本物なら、時価総額数百億円になるだろう。
この映画は、一時期一心同体のように行動をともにしていたウォーホルとイーディの悲劇的結末、つまり脚光を浴びていたウォーホルの陰ともいうべき部分を描き出している。
ウォーホルの人間的冷淡さは、実はその作品のクールな側面に現れている。このクールを引き継ぎ、制作システムも踏襲している作家が、村上隆であり、ピーター・ハリー、そして、実際にウォーホルの最後のアシスタントだったデイヴィッド・ラシャペルたちなのだ。
会場にはウォーホルというより60年代ファッションに興味がある10代20代の姿が多数、若い人たちに混じってウォーホルと同世代70歳代や60歳代の人たちも熱心に見ていたのが印象的だった。一見の価値あり、是非渋谷に足を運ばれるよう。
(取材・文/広本伸幸)
| アンディ・ウォーホル |
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|---|---|
| 村上隆 |
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| ピーター・ハリー |
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| ディヴィッド・ラシャペル |
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シネマライズ
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