蜷川実花's Voice

蜷川実花が語る「BABY BLUE SKY」! その3

表紙作品のエピソード


ついに人気投票も終わりましたね。皆さん、参加して頂けましたか? 
もうすぐ、結果発表です。何がベスト5になるのか私自身楽しみにして、予測している5枚があるのですが当たるかな?表紙の写真は入るのではないかと思っているのですが、どうかな?
表紙に使われた赤ちゃんの写真は気に入ってる一枚です。私は、写真集を作る時は「そのとき打ち出したいイメージ」の作品を表紙にするようにしています。
31175784.jpg(c)mika ninagawa

たくさんある本のなかでどうしたら手にとってもらえるか、中のイメージを集約できているか、いい意味で今までのイメージを裏切っていけるか、なるべくメジャー感がある写真を選ぼうと心がけます。簡単な言葉でその写真を言い表せるというのも結構重要です「赤ちゃんが表紙の本」とか「金魚の本」「花に虫がいる写真」「白いイチゴ」「菜の花に蜂が飛んでる写真」代表的な写真ってわかりやすい言葉で伝えられる事が多いんです。

撮りたいものを見つけた瞬間にシャッターを押す

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(c)mika ninagawa

この写真は、私にしては珍しくピントが奥まで来ています。構図は計算されているようですが、意図的に撮っているわけではありません。撮るときに、「四隅のバランスを確認して、赤ちゃんの位置は対角線上において、水平線は斜めにかけて」という具合に考えこんでいては、いい瞬間はどんどん逃げてしまいます。例えばこの写真の場合、私が考えている間に、赤ちゃんは歩いたり座ったりしてしまうし、画面からいなくなってしまうかもしれません。
「あ、赤ちゃんがいる」と、撮りたいものを見つけてからシャッターを押すまでの間は、とても短いです。撮りたい、と思った瞬間にシャッターを押しているので、意識しているひまがないのです。シャッターを押す動作さえもなければいいのに、目がシャッターだったらいいのに、と良く思う程脳と直結しています。調子が良い時はカメラが体の一部になったような、体がすべてカメラになったような感覚になります。そういう時に撮ったものは良い写真になるんですよねー。


一番大事なことを逃すのは本末転倒


もちろん、スタジオ撮影などの場合はモデルさんやセットの配置バランス、構図をじっくり考えて作ることもあります。でも、旅の写真の場合は構図を考えることよりも、移り変わってゆくいい場面をつかまえることの方が大切だと思うのです。物事のプライオリティはどこに置くのか、という判断も難しいし、それを死守することは意外と難しい。でも、一番大事なことを逃してしまうと本末転倒になってしまう。物事が複雑になっていけばいくほど、意外とシンプルなことってわからなくなってしまいます。シンプルな事、自分の感情と直結させる事は私にとってとても大切な事です。

2006年09月04日 11:29