ミヅマアートギャラリー・注目の作家特集ページ |
![]() |
日本画を描くということ
- −天明屋さんの絵を多くの日本画と比べて、「新しい日本画」や「新しい日本画家」と言われることについて、ご本人はどう感じているのですか。
- 基本的に日本画は膠を使用して岩絵具で和紙や絹地に描いたものとされています。僕の場合、画材はアクリル絵具なので、日本画なのかと言われると一般的にはそうではないかもしれません。ただ、美大の日本画科出身の方もアクリル絵具を使っていたり しますけど。つまり、現代においては日本画とは画材に限定した概念ではないと僕は思っていて、それを「ネオ日本画」と命名し活動しています。厳密にはもっと補足説明をしなくてはわかりにくいと思いますが、単純に言ってしまえばそんな感じですね。一般的でいう所の日本画家ではありません。まあ、そんなお上品な言葉じゃなくて「絵師」かな。
- 「No Border」展(「MOTアニュアル2006 No Border −「日本画」から/「日本画」へ」2006年1月21日〜3月26日、東京都現代美術館)の作品で使ったトレーシングペーパーとか透明アクリル素材、ライトボックス、鉛筆は日本画材ではないものだけれど、掛け軸仕立てにすると、いかにも近未来的な日本画らしく見える。これが現代のネオ日本画なんじゃないのかな、と。現代人が現代の素材で古典的な技法により日本画を制作したら、日本画もこうなりますよといった。まあ、できるだけわかりやすいように、パッと見はしているつもりです。制作意図はとても深いんですけどね(笑)。
- −モチーフの組み合わせがヒップホップ的というか、コラージュをされますよね。
- カットアップやサンプリング的なものは、日本では本家取りという古くからの伝統があるんですが。西洋の言葉ではヒップホップ的となるかもしれないけれど、日本には昔からある手法ですね。ただ、高校のときはグラフィティとか描いていたので、直接的にヒップホップには影響は受けていますけどね。精神は日本文化の婆娑羅や傾奇者であったりしますけど。
- −昔はどんな絵を描いていたのですか。
- 高校生のときは石膏デッサンとか地味な事をやっていました。あと、学園祭のポスターに選ばれたり。高校のちゃんとした金をかけた印刷物の表紙はよくたのまれて描いてました。北斎の波の絵にサーフィンしているのを描いたり、自由の女神が地球を持っていたりしてるのを。今では千手観音が銃を持っていたり、やっていることは変わってないかもしれません(笑)。
- 親戚には絵を描く人はいないですね。親も普通のサラリーマンだし。近所にただのお絵かき教室がなくて、行った先がたまたま日本画をやっていたところだった。そこで、日本画の絵の描き方を教えてもらったわけですよ。小さいときは日本画をやる意識は全くなかったですけどね。
描きたいものを描いているわけなんですけど。
- −2006年ドイツW杯記念FIFA公式アートポスターに日本で唯一選ばれたアーティストですが、「蹴球之図」で描かれている鎧兜をかぶったサッカー選手って……あまりいないですよね。
- −レコード会社のアートディレクターであったと伺いましたが、どのような仕事をされていたのですか。
- CDジャケットのデザイン、アートディレクションをするのが仕事でした。癒し系からロックまで、いろんなジャンルをやっていました。カメラマン、スタイリスト、メイクに頼んでいわいるチームワーク的な仕事です。チームワークは苦手なのがわかり見切りをつけて辞めましたけど。やっぱり、一人でじっくり制作に没頭するのが僕には向いているようです。
- −シリーズものをよく制作されていますが、街角の壁にスプレーで描かれたグラフィティの漢字版である「漢字グラフィティ」などはもうやらないのですか。
- シリーズである程度やったことは、基本的にはもうやらないです。いろいろテーマごとに新しい事に挑戦していきたいので。実験的に新しい事に挑戦していく事が「ネオ日本画」の精神なのかもしれません。なんて(笑)。
(インタビュー収録 2006年3月7日 中目黒・ミヅマアートギャラリーにて)
天明屋尚ウェブサイト
http://www3.ocn.ne.jp/~tenmyoya/
2006年9月、ミヅマアートギャラリーにて個展開催!
「小下図はできているので、あとは拡大して描いていく作業です。今回は1点につき、1ヶ月ぐらいかかる予定です。たぶんあと6ヶ月なので6点かな。テーマはまだ内緒です。あまりに革新的な事をやってしまうと、誰もついてこれなくなるのかなとも思ったり。例えば、POPミュージシャンが新しいアルバムを出したとします。ミュージシャンは革新的な事をやったばかりに、いままでのファンがついてこれなくなってしまい、売れなくなってファンもいなくなる。それじゃPOPはやって行けない訳ですよね。POPは売れてなんぼだから。しかし、十年ぐらい後になってやっと理解できる事ってあるじゃないですか。ただ、僕はPOPミュージシャンじゃないので、ファンをいい意味で裏切って行きたいと思っていて、創りたいものを創るだけかな」。
ミヅマアートギャラリー
http://www.mizuma-art.co.jp
三冊目の作品集『天明屋尚作品集』(河出書房新社)が6月刊行予定!
絶版となった『ジャパニーズ・スピリット』(2003/学習研究社)、『傾奇者』(2004/PARCO出版)に続く、作品集第三弾が刊行される。「CDで言うところのベスト版みたいな感じですね。僕的に作品は古い方がいいものがあると思っているので、そちらも見てもらいたいなと思っています」。
映画『≒天明屋尚』今夏公開決定
|
さまざまな分野のアーティストを取り上げるドキュメンタリー映画「≒(ニアイコール)」シリーズ。テレビのドキュメンタリー番組とは違う視点から、彼らの創作活動を追うことで、作品の魅力に迫りながら、アーティストとしてだけにとどまらず、人間としての魅力に迫るドキュメンタリー。『≒森山大道』『≒会田誠』『≒舟越桂』に続くシリーズ第4弾として、『≒天明屋尚』が制作された。「恥ずかしいから、見て欲しくないんですけど」と本人は語る。
|
©2006 B.B.B.INC. |
天明屋尚サイン入り作品集『傾奇者』6名様プレゼント
ご応募ありがとうございました。応募は5月8日をもって締め切りました。発送をもって当選のお知らせとさせていただきます。 |
![]() |










