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「世界の層を見つけることに夢中です」−ベルリンを拠点に活躍するアーティスト小金沢健人
「世界の層を見つけることに夢中です」−ベルリンを拠点に活躍するアーティスト小金沢健人

資生堂ギャラリーバージョン
Dancing In Your Head

HIROMI YOSHIIバージョン
Dancing In Your Head

2004年に資生堂ギャラリーとHIROMI YOSHII 2ヶ所で開催された個展「Dancing In Your Head」のポスターとして制作された2枚組 のリトグラフ作品。実際に個展に出品された作品を原画にしており、 デザインは小金沢の2冊の画集を手がけているBluemark菊池敦己。 リトグラフのため数量も限定されており、当時、会場に数枚貼られ ただけで、メディア等では目にされることがなかった稀少な作品を このたびタグボートで特別に販売いたします。


Interview -小金沢健人 Takehito Koganezawa
−−映像学科の出身で、映像作品はもちろん、他にもインスタレーションやパフォーマンスなどいろいろな形態でこれまで作品発表をしていますが、その中でドローイングはどのような位置付けなのでしょうか?
毎日描いているので、数で言うとドローイングが圧倒的に多いですね。
もともと人に見せるつもりも全くなかったんです。ドローイングは、テーブルの上でもキッチンのまな板の上でも、
いつでも、どこでもできるものなので、そういう意味では日々の筋トレに近いですね。
僕の場合、デッサンして白い紙の上で、何かを作っていくみたいなことは好きじゃなくて、
コラージュとかサンプリングみたいな感覚で、何かと何かを組み合わせていく感じで、写真や映像とは別のやり方で、
世界を切り取っていく訓練のようなところもあります。
−−99年からドイツに渡って活動していますが、周りの環境が作品に影響することはありますか?
最近は作品を作る時、できればその場所に合ったものというか、影響を受けたらやっぱり作品の中に入れたいと
思ってます。日本で作ったら日本で作ったっていう影響が入ってきてもいいなって。
昔はできるだけそういった臭いを消して、世界中どこで作っても、どこにも属さないものを作ろうと思っていたけど、
最近はどこにも属さないって、つっぱてるのがおもしろくなくなっちゃったんでしょうね。
ホワイトキューブの白い空間も綺麗だけど、越後妻有で展示した場所のように汚れてる場所の方がおもしろい。
もしかしたら人生にはそういうホワイトキューブのような本当の抽象空間なんてなくて、
どこかしら常に染みがあったり、ホコリが落ちてるのかもしれない。
だったらその染みも取入れちゃおうと、積極的に汚そうとは思わないですけど、「さあ描こう」という時に、
白い紙に染みがついてたらちょっと嬉しいくらいですね。
−−シミも絵の中に取り入れてしまうんですね。身の回りにあるもの全てが素材というか、作品のはじまりになっている感じでしょうか?
そうですね。今回展示したネオンの作品も、自分でデザインして一から作ったわけではなく、ネオン屋さんの倉庫にあった廃材を使っています。酒屋とか美容院、バーなどいろんなお店の看板を作った時に出たネオン管の欠片を、たまたま見つけて、素材を見てるうちに作りたいと思って。ドローイングも一本線を引いたら、それからいろんなものを連想して、だんだん波や山に見えたりして。描いたものに対してそこでまた遊んでるんです。映像と違って実際は止まっているけど、動いているんですよ。

−−これまでの作品を見ると、無から有を作り出すというよりも、有からもう一つ別の有をつくり出す、視点を変えることで世界が変容していく印象がありますね。
そういう部分はあると思います。
今回の画集(「空の穴』11月初旬刊行予定)にも「世界の層を見つけることに夢中です」って書いたんですけど。
別々に存在していてる何かと何かが、ぱっと繋がる瞬間がある。それがおもしろいと思うんです。
今この状況も、普通ならインタビューされる側/する人の関係だけど、
たとえばその間にお互いがぜんそく持ちだっていう線を引いた時、その瞬間、関係性が変わる。
目には見えないところで、実はいろいろな層が重なっていって、固定されずに常に動いている。
そういう言葉では説明のつかないところで「これって何だろう」って辿っていると何かにぶつかる。
その辿っていく行為が、僕の場合ドローイングの線であったり、
ビデオ作品で動きというものを表現することなんだと思います。
−−確かに小金沢さんの作品を見ると、いろいろな関係性や複数の時間が、層となって重なっているところに身を置く不思議な感覚があって、それがとてもおもしろいですよね。
たぶん中心じゃなくどこかのIn Between(途中)にいるんですよ。 人はそれを言葉で説明しようとしたり、フィックスしようとする。 何かを言葉で説明しようとする時に、ある種強制的に自分の立ち位置が決まってしまう。 でも僕は日本にもいるし、ヨーロッパにもいるし、天国にもいるかもしれない。 本当はどこにでもいれるんですよ。 固定させる力って本当に強いから、そこから逃げたいというのはあります。 いい美術やおもしろい作品というのは、どこかそういうものから解き放たれるものだと思いますね。

(2006/10/7 hiyomi yohii ギャラリーにて)
Interviewed by 石井芳征

−現在開催中の展覧会 current exhibition−
<Information>

forgetting numbers Takehito Koganezawa
数を忘れる 小金沢健人
2006, 10/7-11/4

hiromi yoshii
東京都江東区清澄1-3-2 6F
開廊時間: 火-土曜日12:00-19:00
tel : 03-5620-0555
http://www.hiromiyoshii.com/