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アーティストインタビュー 田幡浩一
田幡浩一 田幡浩一プロフィール
1979 栃木県生まれ
2004 東京芸術大学美術学部先端芸術表現科 卒業
2006 東京芸術大学大学院美術研究科油画専攻修了
グループ展
2006 「Trial Balloons」Museo de Arte Contemporaneo de Castilla y Leon、スペイン
「鬼頭健吾+田幡浩一」トーキョーワンダーサイト渋谷、東京
2005 「J’en reve」カルティエ現代美術財団、パリ
グループ展、ギャラリー小柳、東京
2002 「GARDEN」ギャラリーSUZUKI、京都

パブリックコレクション
原美術館、東京

Bee
\84,000

binary painting
\84,000

encounter
\94,500

encounter
\73,500

encounter
\73,500

絵画や物事の見方にまつわる考え方

アーティスト、田幡浩一の作品は、一見するときれい、かわいいという印象を与えるが、その背景には物事の認識の問題を孕む、深い視点で制作されたものである。作家、パリのカルティエ現代美術財団の展覧会(2005年)では、杉本博司氏から推薦を受け、今年はスペインの美術館(MUSAC)での展示など、内外のアートフェアでも大人気の新進気鋭のアーティストだ。今回は、アーティストを志した理由、タグボート出品作、海外での展覧会などについて話を伺った。


Interview -田幡浩一 Koichi Tabata
--アーティストを志した理由について教えてください。
知り合いのアーティストがギャラリー小柳で展覧会をしたときに手伝いに行き、その時に小柳さんに作品を見てもらいました。当時(大学院1年のとき)、小柳さんと出会ったことがとても大きく、それ以来本格的に外で発表するようになりました。 また、祖父が趣味で油絵を描いていて、幼い時から美術が身近にありました。それまでは写実的に描かれたような「きれい」な絵が好きでしたが、中学生の時に上野でMOMA展を見て、ピカソのキュビスムなど、理解できなかったんです。それらがどうして評価されているのか、理解したいと思ったのがきっかけでした。
--制作時のコンセプト、意識についてお聞かせ下さい。
自分の内面や感情を表に出しているタイプではなく、自分の考え方、ルールを表に出しています。それは、絵画や物事の見方にまつわる考え方です。見る人が、自分の作品から物事がどう成り立っているか、考え直すきっかけにしてくれたらいいです。表面的にはきれい、かわいい、とか柔らかい印象を与えると思いますが、その背景は物事の認識の問題を含んでいるので、より深く見ていただけたらうれしいです。
--田幡さんの作品を手に取る方は、女性が多いと伺いましたが。
「女性の作家ですか?」とよく聞かれるんですよ。ですが、自分自身では男性的な感じだと思っています。制作するときは、考えている時間がほとんどで、制作自体は割と作業的に終わってしまう。つまり、作るまでの過程が長く、わりと合理的な作品なのです。
--今回のタグボート出品作のなかで、制作時のエピソードについて教えてください。
“bee”(左図参照)は動かないアニメーションで、ハチが段々と消えていくんです。ペンのインクがなくなるまで、一枚一枚同じ位置に書いています。黒いインクが先になくなり、黄色が跡を追って消えていくものです。 2枚組の泡の作品” binary painting”(左図参照)ですが、左は泡のイメージ、右は痕跡だけが描いてあります。右側の痕跡を見ると何を描いているのか分かりませんが、左側の泡のイメージを見て、泡が割れた跡だということが認識できる。見る人の頭の中で、「泡が割れて痕跡になった」というイメージを展開できるという作品です。 コラージュのシリーズ“encounter”(左図参照)は、いろんな紙に円をたくさん描いて、それを半円になるように切って、いったんバラバラにします。そして、外円の大きさがぴったり合う円を探してくっつけた。偶然にできた円を、再びつなぎ合わせる作品です。
--カルティエ現代美術財団での展覧会で、杉本博司さんに推薦を受けたと伺っていますが、その経緯を教えて下さい。
アーティストが推薦する、若手アーティストの展覧会で、村上隆さん、森山大道さんなどいろんな方が推薦人でした。その中で僕は杉本博司さんに選んでいただきましたが、そもそも、神楽坂のホテルで開催されたアートフェア、アート@アグネスのときに、見てくださったのがきっかけです。杉本さんの印象は冗談が多く、ユーモラスな方です。ある意味作品と通じているのではないでしょうか。あまり、僕は特別好きなアーティストはいないのですが、考え方の深さ、幅広い知識など、作品以外の事を含めて、人間的にもすごく尊敬できる方です。
--海外での発表はいかがだったでしょうか?
今年はスペインの美術館(MUSAC)での「Trial balloons 展」にも参加しました。多くのアーティストが参加する展示の場合、その見せ方や場所の使い方など作品をとりまく部分の重要性も考えるようになりました。
--今後の活動予定について。
今後も、いくつかの国内外のアートフェアに出品する予定です。作品として表現できるかどうかは別として、音や空間など、いろんなことに興味がありますね。
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田幡 浩一
“no lemon, no melon”


2007年2月6日(木)〜3月3日(土)
ギャラリー小柳