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日本の有望若手アーティストたち

文/安田洋平

ウォリアーズ・オブ・ジャパニーズ・アート『ウォリアーズ・オブ・ジャパニーズ・アート Warriors of Art - A Guide to Contemporary Japanese Artists』
山口裕美著(講談社インターナショナル)/定価3,675円 (税込)

海外アートブックの2大出版社といえば、Taschen社(ドイツ)とPhaidon社(オーストリア)である。両社からは画集が山ほど出版されているが、それとあわせて人気書に  「Art Now」(Taschen)と「Cream」(Phaidon)がある。いずれもこれから注目を集めるであろう、全世界の若手アーティストをキュレーターや編集者が選出して100人以上掲載した、「これ一冊あれば」の美味しい本。ギャラリスト、コレクターはじめ、アート関係者でこれを持っている人は多数。雑誌や展覧会、アートフェアなどで気になる作家を見つけるや、家に帰ってパラパラパラ…、Art NowかCreamのどちらかをめくっては、あっ、こいつか、早速チェックしなくては。そんな業界関係者はホント多いのである。

だが、海外のアート関係者が、日本の今面白いとされている若手をチェックしておきたいと思ったときには「これさえあれば」の一冊が今までなかった。そんな中出版されたのが『ウォリアーズ・オブ・ジャパニーズ・アート Warriors of Art - A Guide to Contemporary Japanese Artists』である。全編英語。講談社インターナショナルから今年の2月に出版されているので、おそらく今ごろアメリカの書店で並んでいることだろう。そこでは40人の日本人アーティストがピックアップされている。会田誠、川島秀明、鴻池朋子、町田久美、束芋、天明屋尚、山口晃などだ。ここでは同書で掲載されているうち、タグボートで扱っている作家の名前をあげさせてもらうが、事実彼らはいい作家、今後海外のマーケットで評価が上がる可能性が高い。既に海外アートフェアなどでは彼らの作品はよく売れていて、目利きコレクターたちにも受けは上々と折に振れギャラリストから聞いている

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会田誠

1965年、新潟県生まれ。東京藝術大学油画科卒業。1991年、同大学大学院美術研究科修了。代表作に『巨大フジ隊員VSキングギドラ』、日本画の画風を借りて太平洋戦争を主題に描いた『戦争画RETURNS』シリーズ、女子高生を取り上げた『切腹女子高生』や少女を描いた『犬』シリーズなど、その確かな技術と先鋭的な表現は国内外問わず高く評価されている。また、昭和40年生まれの同じ歳の作家たちと「昭和40年会」を結成し、グループ的活動も行う。絵画の他にも立体、インスタレーション、小説、マンガなど、多様な方法とスタイルを取り、振幅ある表現で常に見る者の予想を見事に裏切ってくれる。主な展覧会に、個展「NO FUTURE」(1996年、ミヅマアートギャラリー)、「パリ、津田沼」(1998年、ミヅマアートギャラリー)、「食用人造少女・美味ちゃん」(2002年、Murata&friends/ベルリン)。グループ展「日本ゼロ年」展(1999年、水戸芸術館)、「横浜トリエンナーレ」(2001年、パシフィコ横浜)、第25回サンパウロビエンナーレ、(2002年、サンパウロ)「The American Effect-Global Perspectives on the United States, 1990-2003」(2003年、Whitney Museum of American Art /ニューヨーク)、「ガンダム来たるベき未来のために」(2005年、サントリーミュージアム天保山)などがある。

久保荘6号室
2,100円(税込)

会田誠が侘しい青春を送っていた1993年に、実際に住んでいた「久保荘6号室」。ここで撮影された会田誠による『人形愛』をテーマにした写真作品群が、21世紀の今、ビジュアルブックとして甦りました。ビジュアルブックといえど、このチープな作りは何?との声も聞こえてきそうですが、『リカちゃん人形を恋人と想う寂しい男が、宝くじの当選を機に愛する彼女の写真集を自主出版してみました!』という裏コンセプトに基づいた版型となっています。2006年5月に行われた初のNY個展の際に制作された作品集です。往年の「ビニ本」をイメージし、ビニール袋に収めたこだわり仕様、エディションナンバーとサインも入り、限定1000部のレアアイテムです。

Body Painting with Koe in Stockholm(front)
210,000円(税込)

ストックホルムで開かれた「TOKYO STYLE IN STOCKHOLM 2004」で発表された写真作品。元まんだらけのカリスマ店員にして、コスプレアーティストとして活躍する声(Koe)ちゃんに、会田自らアニメキャラのボディペインティングを施し、現地で撮影したものです。人体を極端にデフォルメして生まれる日本のアニメキャラクターが、再びその人体というキャンバスに還され、文字どおり変態しています。きわめて非日常な光景と、のんびり公園で過ごす人々のありふれた日常の対比が強烈です。本品海外のアートフェアでも大きな注目を浴び人気が高いため、残部も少なく貴重な作品となっています。


川島秀明

1969年、愛知県生まれ。1991年東京造形大学卒業。1995年より2年間、比叡山延暦寺にて天台宗の仏道修行を経て、現在に至る。個展は2003年の「Shadow Monk」(プロジェクトルーム/小山登美夫ギャラリー、東京)および2005年に「mutability」(小山登美夫ギャラリー、東京)が挙げられる。グループ展には、2001年から参加をはじめ、2005年の「Little Boy」(ジャパンソサエティー、ニューヨーク)などで話題を呼ぶ。2006年は「ライフ」(水戸芸術館、茨城)、「マジカル・アート・ライフ」(トーキョーワンダーサイト渋谷、東京)、「アイドル!」(横浜美術館、横浜)、「縄文と現代」(青森県美術館、青森)と出品が相次ぎ、今後の活動が楽しみなアーティストである。

soak
107,100円(税込)

水戸芸術館「LIFE」展、横浜美術館「アイドル!」展などでこのところ人気の川島秀明。いろんな「顔」を描くことで知られる作家の、待望の版画作品を新入荷しました。水から頭を出したタコ坊主…?と呼ぶのがはばかられる斬新なイメージ。soak(=浸す,つかる)という英語の動詞を視覚化した、コンセプチュアル(概念芸術的)な作品です。目や口ははっきり描かれているけれど、どこかのっぺらぼうのようでつかみどころのない独特な作品は、一度観たら忘れられない存在感です。同じ「soak」というタイトルで似たイメージのオリジナルペインティングが「リトルボーイ」展カタログ(村上隆発行/ジャパンソサエティー)に収録されています。

spore
107,100円(税込)

水戸芸術館「LIFE」展、横浜美術館「アイドル!」展などでこのところ人気の川島秀明。いろんな「顔」を描くことで知られる作家の、待望の版画作品を新入荷しました。かつて比叡山で仏道の修行をしていたこともある川島だけあって、具体的な人というより、「魂の状態」を描いているようなところが特徴的です。胞子に囲まれているのか、胞子を発しているのか、描かれた片目が物語る「メヂカラ」から目が離せない不思議な作品です。


鴻池朋子

1960年、秋田市生まれ。『美術手帖』誌(美術出版社)の特集「物語る絵画」でも取り上げられ、いま最も注目される新しい物語のカタチを描くアーティスト。1985年、東京芸術大学絵画科日本画卒業後、おもちゃ・家具のデザイナーを経て1996年からソフトスカルプチャーを制作し始める。97年には鉛筆画のアニメーション作品も手がけるようになり、1999年から1年間、渋谷Q-FRONTビルの巨大モニターで上映される映像として鉛筆アニメーションを制作。2000年ミヅマアートギャラリーの個展にて初のペインティング作品を発表。2001年、絵本『みみお』(青幻舎)を出版、「みみお」は2005年にDVD(アニメーション)化もされている。2003年に韓国のソウル美術館、04年にイタリアのボローニャ近代美術館などのグループ展にも出品、海外での評価も高い。05年、東京都現代美術館「MOT ANNUAL 2005;愛と孤独、そして笑い」展にて「物語」シリーズ4部作『第4章 帰還 −シリウスの曳船−』を発表。終りから時間を逆行して描かれるこの「物語」は、現在『第3章 避難』、『第2章巨人』までが描かれ、ついに2006年4月28日より大原美術館で開催予定の個展「第0章(チャプターゼロ)」にて、その全貌が明らかになる。

ナイファーライフ
393,750円(税込)


鴻池朋子の絵画デビュー作です。日本画を思わせる余白の美と鉛筆で描かれた渦巻く繊細な線の集積。モノクロームの空間に流れる物語な時間。狼とナイフ、脚だけを晒す少女というモチーフは、後の彼女の作品にも繰り返し登場し、物語の世界をつくる重要な存在となっています。新たな「物語る絵画」のカタチを描く作家として、いま最も注目される鴻池の「はじまりの場所」とでも言える記念碑的作品です。『狐媚記 ホラー・ドラコニア少女小説集成』(澁澤龍彦著/平凡社)の表紙画にもなっています。※本品は、オリジナルをデジタルプリントによって再現したものに、作家本人の手で彩色を施した1点ものです。

ついにある夜、狐玉は恐ろしい事を口走りはじめた 「狐媚記」挿絵
304,500円(税込)

『狐媚記 ホラー・ドラコニア少女小説集成』(澁澤龍彦第著/平凡社)の挿絵として描かれた作品です。嫉妬に狂った夫(左少将)の狐玉の呪いによって狐の子を懐胎してしまった妻(北の方:月子)、夫は激昂しその子を殺してしまう。そしてまた夫婦の長男(星丸)も狐の化ける少女と恋に堕ち、その戯れの中で命を奪われていく。獣と人の間で交わされる官能的で美しい狂気の世界。澁澤ワールド全開の輪廻の物語、その世界観に、鴻池の描く絵は新たな彩りを添えています。作品は、狐玉の戒めの言葉を左少将が耳にするシーンの挿絵です。※本品は、オリジナルをデジタルプリントによって再現したものに、作家本人の手で彩色を施した1点ものです。


町田久美

1970年、群馬県高崎生まれ。多摩美術大学絵画科日本画専攻卒業。2005年5月号の『BT/美術手帖』(美術出版社)の表紙も飾った今注目の女性作家。上野の森で毎年開かれている若手平面作家の登竜門VOCA展にも2005年に参加し、高い評価を受ける。また2006年に入っては、東京都現代美術館(MOT)にて行われた「MOTアニュアル2006 No Border - 「日本画」から/「日本画」へ」に天明屋尚などとともに選ばれるなど、この2、3年のあいだに急速に評価の高まっている作家。マルキド・サドの小説『淫蕩学校』(平凡社/2004年)の挿絵に、ハンス・ベルメールのマリオネットを想い起こさせるような人形の絵を描いたりもしている。歯をぐっと噛みしめて描いている(『BT/美術手帖』の記事より)というくらい、一本の線を引くのにもストイックなまでにこだわりを持っているのがその作品からは伝わってくる。知られるきっかけとなったのは舟越桂がキュレーションする若手の展覧会だが、以来、銀座の老舗現代美術画廊・西村画廊(ホックニーを取り扱っていることなどで知られる)で個展を行なったり、リトグラフ作品3点がMoMAに収蔵されるなど、このところの活躍ぶりには目をみはるものがある。レトロでモダンな雰囲気を持ちながら、その背後には猥雑さをはらんだ独特の世界観を持つ。雲肌和紙に墨と岩絵の具という日本画の伝統的な素材を用いつつ、美しい筆のラインで異形のものたちをひたすらに描くアーティスト。


126,000円(税込)

福耳人物の横顔。町田氏の得意とする筆+インクを使いアルミ版に描画する。人物の右側の3/4は全くの白紙とし、すばらしい緊張感を出すのに成功する。

オンナノコ
183,750円(税込)

千手観音を思わせるオンナノコのお人形さん。アルミ版に筆+インクとクレヨンを併用した黒インク1版のリトグラフ。顔や指先の表現は町田氏ならではのしなやかさ。紙面の両端まで紐が延びる。


束芋

1975年、兵庫県生まれ。本名は田端綾子。三姉妹の次女で、田端の妹で「たばいも」と呼ばれていたニックネームをアーティストネームにした。1999年、京都造形芸術大学芸術学部デザイン科情報デザインコースの卒業制作展で学長賞を受賞。『キリンコンテンポラリー・アワード1999』(現キリンアートアワード)にて史上最年少23歳で最優秀作品賞を受賞し、早くから注目を浴びる。ワイドショーなどのメディアに映し出される日本の姿をテーマにした手描きのアニメーションをインスタレーション空間で見せる。「にっぽんの台所」「にっぽんの湯屋(男湯)」「にっぽんの横断歩道」など、同世代の若者と同じ目線で、現代版浮世絵風にユーモアを交えて社会への違和感を描き、アートファンのみならず幅広く共感を得る。2001年には『横浜トリエンナーレ 2001』に出品。2002年、26歳の若さで京都造形芸術大学の教授に就任し、話題となった。同年、『五島記念文化賞美術新人賞』を受賞。『第25回サンパウロ・ビエンナーレ』(2002年)、「How Latitudes Become Forms」(2003-05年、ウォーカー・アート・センター、ミネアポリスほか)など、国内外で活躍している。2005年、日本現代芸術奨励賞、府文化賞奨励賞を受賞。近年では、アニメーションのみならず、肉筆ドローイングでもより精緻でインパクトのある世界を描き、鬼気迫る美しさを放っている。

横綱も吸収合併
66,360円(税込)

現代日本の不条理をブラックな笑いをちりばめたアニメーションで描く「にっぽんの〜」シリーズで絶大な人気を誇るアーティスト、束芋。2003年には東京のギャラリー小柳で開催された「束芋;指弁(ゆびびら)」と題された個展と同時期に制作された作品です。「にっぽんの台所」「にっぽんの横断歩道」など、束芋の代表的な映像作品に登場する人物や動物だけをクローズアップして墨一色で刷られています。

手をあげて横断歩道を渡りましょう
66,360円(税込)

束芋は2003年にニューヨークのJAMES COHAN GALLERY(ビル・ヴィオラなどを扱っていることで知られる)で行った個展が大成功を収めるなど、ますますその活躍の場を広げています。映像以外で買える束芋の作品は大変少ないと言われています。なおのこと、このようなお手頃価格で入手できる作品は他にはありません。


天明屋尚

1966年、東京生まれ。レコード会社のアートディレクターを経て、現代美術家としてデビュー。独学で絵画を学ぶ。狩野派、琳派、浮世絵など日本の伝統美術を継承しつつ、破壊、進化させあらゆる芸術や権威と闘うべく、日本伝統美術の流派を皮肉り、絵で闘う流派『武闘派』を旗揚げ。暴力、信仰、社会諷刺など様々な事柄を描き、自らを「ネオ日本画絵師」と称する。零戦闘機をデコトラ風に描いた「神風」、社会時事をモチーフにした「武闘派列伝 ブッシュVS ビンラディン」など、ユニークな作品が多い。2003年にはニューヨーク・ホイットニー美術館で行われた企画展「アメリカン・エフェクト」展に出品。また最近ではニューヨーク・タイムス紙でも作品が紹介されるなど、海外での注目も高まっている。日本での主な取り扱い先はミヅマ・アート・ギャラリー。現在、東京都現代美術館で開催中の『MOT アニュアル 2006:NO BORDER-「日本画」から/「日本画」へ』にも出品している。

蹴球之図 (ポスター)
5,400円(税込)

気軽に部屋に飾れるポスター作品はいかがでしょう。2006ドイツ・ワールドカップを記念して特別につくられたFIFA公認のアート・ポスターです。世界6大陸から計14人のアーティストが選ばれ、オリジナル・アートワークを手がけました。スポーツ・イベントに関連したアート・ポスターと言えば、過去にも1972年にディヴィッド・ホックニー、アレン・ジョーンズ、トム・ウェッセルマン、ヴィクトル・バザルリら29人の作家がミュンヘンのオリンピックを彩ったアート・シリーズがありますが、それを彷彿とさせるアイテムです。こちらは、日本から唯一人選ばれたアーティスト、天明屋 尚の作品です。甲冑姿の侍2人がサッカーボールを蹴りあう、という姿でワールドカップを表現したその作品は、他と比べてもダントツの存在感。チームの要である、10番をつけた選手が守りを固めているという構図もひねくれていて、笑いを誘います。なんでも、FIFAのブラッター会長がこの作品を見て「ブラボー!」と思わず声を上げたとか。

新形百物語 仁王闘いノ図
147,000円(税込)

天明屋尚の「ネオ日本画」が高く評価される理由は、伝統文化を現代的に見立てる独自のセンスと共にその確かな画力にあります。独学で身につけた日本伝統美術の画法をもとに、現代の画材や素材を用い、たとえば下絵の制作にコンピューターを使ったり、岩絵具のかわりにアクリル絵具、版画特有のグラデーションはエアブラシを使うなど、伝統を今様に描いています。天明屋尚は、狩野派、琳派、浮世絵など日本の伝統美術を継承しつつ、それらを現代的に翻訳して描いています。『新形百物語』は、歌川国芳の武者絵や北斎の百物語の浮世絵的表現手法を現代に描いたらどうなるかというシリーズです。本来お寺の山門に守護者として祀られる二体の仁王像、阿形と吽形。その二人がまるで総合格闘技かストリートファイトばりのガチンコバトルを繰り広げています。マウントポジションから拳を振り上げる阿形、馬乗りされ苦しみ悶える吽形。天明屋が得意とする伝統文化の現代的な見立てが、私たちにズレや違和感だけでなく、頷きと笑いを与えるのは、いい意味で宗教的・文化的なゆるさを私たちが共有しているからかもしれません。


山口晃

1969年、東京生まれ。群馬県桐生市にて育つ。1996年、東京藝術大学大学院美術研究科油画修了。1997年に会田誠キュレーションの「こたつ派」(ミヅマアートギャラリー)に出品し、その卓越した絵画技術で注目を集める。日本の伝統的絵画形式である大和絵を引用しながら、近代と現代、日本と西洋、生物と機械など対極な要素を一画面上にすえて、見るものに形式とズレ、型と違和感を同時に感じさせる作品を描き、海外での展覧会にも多数参加、評価を受けている。主な展覧会に、グループ展「A Window (Inside and Outside)」(1999年、光州市立美術館/韓国)、「Five Continents And One City」(2000年、メキシコ市立美術館/メキシコ)、「第4回岡本太郎記念現代芸術大賞展」(2001年、川崎市岡本太郎美術館)、「MOTアニュアル2004:私はどこからきたのか/そしてどこへ行くのか」(2004年、東京都現代美術館)、「Living Together is Easy」(2004年、水戸芸術館現代美術センター)、「秘すれば花 ―東南アジアの現代美術―」(2005年、森美術館)、「春の有隣荘特別公開 会田誠・小沢剛・山口晃」展(2005年、大原美術館)がある。

東京圖 広尾−六本木
152,250円(税込)

古典的な大和絵の形式を引用して描かれている山口晃の作品ですが、よく見れば武士や着物姿の町人と一緒に、サラリーマンや高層ビル、バイクなど、現代の風俗をちらほらと見つけられます。広尾―六本木の眺望を描いた本作も、伝統的な洛中洛外図の形式を借りてはいますが、六本木ヒルズを上から見下ろすという、昔の大和絵にはありえない高度からの眺めが実現されています。形式(型)を徹底し、自分らしさや個性といったものを消去していくことで、逆に生まれる独自性が山口の絵にはあります。

東京圖 六本木昼図
105,000円(税込)

本作では「六本木昼図」(六本木ヒルズ)と城郭が融合した奇妙な風景が描かれています。形式(型)を通して見ることは、そのまま写す写実とは違い、省略法であり、ある種主観的で、それゆえ歪みも生じてきます。山口絵の独自性と魅力は、そうした形式と歪み(違和感)の同居にあります。そして何よりもその圧倒的な画力は、理屈を超えて見るものの目を惹きつけます。