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@ギャラリータグボート、アートディレクター広本伸幸が語る本城直季の魅力

広本伸幸
1950年、東京生まれ。77年、東京大学文学部卒業。大学では美学芸術学を学ぶ。86年に千葉県の川村記念美術館準備室に入り、マーク・ロスコやフランク・ステラなど、アメリカ現代美術の優れた作品を集める。90年に美術館が開館すると、ステラ、ロスコ、ロイ・リキテンスタインなどの展覧会を企画。美術館での経験を生かし、2002年から@Gallery TAGBOATアートディレクターとして、現代美術の紹介に務める一方、本の執筆や講演など、幅広く活躍している。

バーズ・アイ・ビュー 鳥の視点

透き通る青緑のグラデーションが施された水、白い波の泡に縁取られたベージュあるいは象牙色の砂浜、ビーチパラソルやビーチマットの鮮やかな彩りが水遊びの賑わいを盛りたてる。日焼けするために寝そべる人もあればサーフボードをかかえて海に向かう人もいる。立ち姿の人たちと椰子の木々が作る長い影は、早朝にしては人が多いし夕方にしては光が赤みを帯びていない。

極めて精巧に作られたミニチュアを人工光のもとで撮影したのだろう、現代の箱庭は写真をもとに新素材を使って作られるようだ。近くの海に行こうと思っても炎天下渋滞のドライブを考えると、こんなミニチュアを家に飾って眺めていた方が爽やかな気分になれるかもしれない。ビーチの箱庭のミニチュアの組み立てキットを買って夏休みに製作するのも悪くない。

どうやって作るのだろうと思ってミニチュアの写真を見直してみると、突然めまいに襲われた。本当の景色であることに気づかされた瞬間だ。しかしよく出来ている、写真作品に「よく出来ている」はないだろう、自然の風景であるのに。

考えられたアングル、構図、色彩バランス、そして自然を人工的な存在とみなす考え方、それらは最近の写真をメディアとするアーティストに共通するものだ。だが本城さんの作品にはそれにプラスする点が一つ。

何の変哲もないありふれた風景がある瞬間、絵になるイメージとして立ち現れる。波の幅と長さ、サーフボードを抱えた人物の位置、波打ち際の人物の数と配置、色鮮やかなエアマットとビーチタオルなどがきれいに並んだ、ある瞬間、上空から狙った水中の獲物に向かってダイビングする鳥のように、その絵になる瞬間、決定的瞬間を捉えて逃さない動物的直感をもっているのである。


シートのみ
タグボートオリジナルフレーム
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