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本城直季 最新インタビュー

本城直季
本城直季
1978年東京生まれ。東京工芸大学大学院芸術研究科メディアアート修了。
ファースト作品集『small planet』(リトルモア刊)が話題になり発売以来重版を重ね現在5刷。
昨年末にはNHK「トップランナー」に出演し「時の人」に。そして今年3月に第32回「木村伊兵衛写真賞」を受賞。2007年は開発ラッシュが続く東京のランドスケープを空撮の予定。
またニューヨーク、ロンドン、サンタフェで作品の展示を予定している。

─ 2006年度「第32回木村伊兵衛賞受賞」受賞おめでとうございます。率直な感想を聞かせてください。

「アサヒカメラ」2007年4月号にも受賞コメントを書きましたが、正直に戸惑うこともありましたが、これからはコンセプトをもっと明解にして作品制作に取り組もうと思い、次回作をスタートしました。

─ 初めて本城作品を目にした人は、誰もが「これはジオラマか?」と見入ったに違いないと思います。しかし緻密に作られたようなミニチュアのような世界は、まぎれもなく我々が暮らす現実世界です。ついつい「なぜ、ミニチュアに見えるのか」ということばかり注目してしまいますが、その作品の奥にもっと注目すべきストーリーがあることに気づいたとき、より本城作品を楽しむことができると思うのですが?

ひとつの作品を完成させるには「ロケハン」「撮影」「現像」「プリント」など様々なプロセスがありますが、僕は「シャッターを押す瞬間」が最も好きです。というのは、簡単にはシャッターを押さないぞという強い意思をもって取り組んでいるからです。作品を完成させるためには、まずは高い位置の撮影場所を確保しなくてはならないし、そこはもちろんミニチュア感を出すための「ちょうどいい高さ」であるということが大切です。そして俯瞰したときに見える風景が、思い描いた世界になりうるランドスケープかどうかもポイントです。しかしかそれだけでは作品は生まれません。ピントが合っている部分は膜面のほんの一部です。そこに何を入れるかが、作品の完成度を左右する一番のポイントになっています。つまり「ピントという罠」をしかけ、思い描いた被写体が罠のなかに姿を現したときにだけシャッターボタンを押すのです。
待っていれば運良く撮れるかもしれないし、もちろん撮れない場合もあるります。撮影に使うカメラは4×5サイズの大判カメラなので、連写ができません。板状のフィルムを一枚一枚装填しなければならないので、一回のチャッターチャンスに神経を注がなければなりません。その一瞬のために撮影場所に何度も足を運び、何時間も待ちました。

─ ある意味では「決定的瞬間」がやって来るのを待っているのですね?

そうかもしれません。「おっとりしたハンター」ですけれど。

─ 「ミニチュア」ということだけにとらわれて見ていた本城のファースト作品集『small planet』を、もう一度じっと目を凝らして作品を見てほしい。そうするといくつもの決定的瞬間を、新たに発見することができるかもしれませんね。

僕の作品は、大きく引き伸すことによって、そこにいる人々の様子や街の細部がはっきり分かり、小さなかわいいミニチュアの世界と思っていたものが一瞬にして払拭され、圧倒的なスケール感とリアルな世界をそこに見ることができると思うのです。つまり、僕の作品のもうひとつの最大の魅力は大きくプリントした際に見えてくる、緻密な細部の描写にあると思っています。そのディテール描写の豊かさや、撮影時に僕も気づかなかった様々な発見が、大きく引き伸ばすことで初めて見えてくることがあります。

─ 今回、その大型作品にお目にかかれる展覧会が4月20日から4月27日まで、新宿のコニカミノルタプラザにて開催される。展示されるのはいずれも1200×1440mmという大型プリントを展示する予定だそうだ。展示作品はファースト作品集「small planet」のなかから数点と、未発表の新作を合わせた、合計8点になる構成だ。

─ 未発表作品とはどのような作品か教えていただけませんか?

最近熱中しているヘリコプターから空撮した新シリーズです。これまでの作品は、ほぼすべて、ビルの展望室や見晴らしのよい高所からの撮影したものでしたが、ヘリコプターの空撮になると地上から300メートルから500メートルの視界で撮影することができます。人間の造った街並みや造形物が一枚のフレームに収まり、よりスケール感 のある作品を生みだすことが可能になります。新たに取り組み始めたのは自分が暮らしている東京のランドスケープです。ヘリコプターに乗って上空から東京を眺めると、様々なことに気づかされます。東京の住宅の成り立ちというか、特に「団地」についつい視線がいってしまいます。

─ 昨年はニューヨークでも空撮を試みたという本城は、日本国内だけでなく、ロンドンやパリ、ドバイ、インドのチャンディガール、そしてブラジルのブラジリアなど、世界の諸都市を空撮したいと抱負を語った。本城は我々が暮らすこの日常世界がどのように構築されているのかを、また新たな発見とともに我々に再提示してくれるにちがいない。 A4サイズの写真集には収まりきらない世界と、今後が楽しみな新たな本城ワールドを味わうことができるコニカミノルタプラザの展覧会にご期待したい。

第32回木村伊兵衛写真賞受賞作品展
会期…2007年4月20日から4月27日
会場…コニカミノルタプラザ 東京都新宿区新宿3-26-11新宿高野ビル4F
お問い合わせ…03-3225-5001
開館時間…10:30から19:00まで(最終日は15:00まで)
年中無休…入場料無料
http://konicaminolta.jp/plaza/schedule/2007april/gallery_c_070420.html