

高校時代はよく学校の帰り道にある図書館横の公園のベンチで借りた本を読んでいた。それが唯一の娯楽という地味な高校生だった。
ちょくちょくいるので、たまに子供に無邪気に話しかけられたりした。
「おにいちゃん、なんしょん?」
「なんもしょうらんよ、本読んどるだけじゃ」
「本読んだら偉ろうなるんじゃろ? お兄ちゃんはなんなるん?」
「まだ決めとらん、おめえはなんなるん?」
「わしゃ野球選手じゃ」
まあそれは無理でしょうと、それを聞いた瞬間に思ったのを覚えている。なんでもなれるって思っていた時期を過ぎ、なににならなれるんだろうと考えていたそんな高校時代。
それでもその時の公園は気持ちのいい場所だった。でも東京に出てからは、公園はのんびりできない場所になった。
それは昼間から公園にいるとなんとも言えない罪悪感を感じたからだ。公園を通り過ぎる人に、お前はブラブラしている、ちゃんとしてない人だと思われている気がしていた。だから長らく公園から遠ざかっていた。

2008.8.31

アムステルダムからの飛行機が成田に着くと、毎回タラップを歩きながら、「今回こそは日本型消費社会に屈しないぞ」と決意をする。
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