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2006年木村伊兵衛写真賞受賞年の受賞作シリーズがあなたの手に・・・鷹野隆大・タグボートオリジナル写真集付!期間限定販売

「Q&A」 鷹野隆大がお答えします。

今年の木村伊兵衛写真賞最新受賞作家の登場とあり反響も大きく、これまでに沢山の応援メッセージや質問がタグボートに届きました。そこでタグボートでは「Q&A」コーナーを開設! 鷹野隆大が皆様の質問にお答えします。
受付12月18日(月)をもって終了させていただきました。

ご自分を、どのような性格だと思いますか? 

(ぐりこ様/東京都)

家猫のような、野良猫
前回のQ&Aの回答の中で「素敵だと思った瞬間にシャッターを押す」というコメントをなさっていましたが、その、きっとご説明は難しい「素敵」について、あえてどんな魅力のことなのか聞かせていただけませんか?
たとえば鷹野さんの被写体には男性はもちろん、女性や風景などもあると思いますが、これまで捕まえてこられた「素敵」には共通するものがありますか?またそれは、どんなものですか?違うとしたら、その違いを教えてもらえるとうれしいです。 

(静岡県/しろはんぺん様)

「いやあ、難しい質問ですね。シャッターを押す際には、実際、いくつかの「素敵」があります。最近とりわけ重要にしているポイントは"色気”でしょうか。
では、どんな"色気"なのかと問われると、"僕の欲望を刺激するもの"としか言いようが見つかりません。ただ、重点を置くポイントはシリーズごとで変わっていて、今回タグボートで発表しているシリーズは主に3〜4年前に撮ったものですが、あの頃は今とは少し違って、"生々しさ+色気"だったと思います。僕にとっての"生々しさ"とは、"こちらと慣れあわない孤独感"や"いまにも傷つきそうな痛々しさ"のことです。それを「素敵」という言葉でくくってしまうのは少し乱暴かもしれませんね。「凄い」とか「奇跡的」と表現した方がいいかもしれません。そういう緊張した距離感を得るのは僕には難しいので、特別なことに思えるのです。
風景をスナップする際にはまた違った「素敵」があるのですが、いずれにも共通しているのが、「なにか特別なことが目の前で起きている」あるいは「特別なものが目の前にある」という高揚感です。僕は"この世界に当たり前のものはない"と常々思っていて、上手に見ることさえできれば、世界は限りなく美しいと信じています。ところが実際は日常という仮構の裏に隠れてしまって何も見えなくなっています。それゆえ「見えた!」と感じる一瞬は、あっちの世界に飛び込んだような特別な高揚感を覚えます。正鵠を得ているかは自分でもわかりませんが、「素敵」の正体はそういう高揚感のような気がします。」
写真集『In My Room』は500部限定で、もう増刷をしないとおっしゃっているのは何故なのでしょうか?ご本人にもたくさん問い合わせが来ていると聞きましたが・・・

(東京都 小岩井様)

「一応、限定本ということでナンバー入りで出版しているので、増刷してしまったら買ってくれた方との約束を違えることになるというのが一点。それから、内容や装丁を変えて新たに出版する方法もあるのですが、そんなに売れるとはとうてい思えない、というのがもう一点です。最初から800部くらいで出しておけばよかったのでしょうが、まさか賞をもらえるとは思ってもいず、発売前日には一冊も売れない夢を見たくらいですから、あの時点では550部でも僕にとっては大冒険だったのです。」
希望したらモデルとして撮影していただいたりできるんですか?

(福岡県 K・S様)

「う〜ん、それは時と場合によります。
その時々で撮りたい人が少しずつ変わるので、タイミングが合えば、ぜひお願いします。」
鷹野さんの作品は、インパクトがあって、強く印象に残りますが、作品を創る際に、どのような点に留意して作品を撮られるのですか?

(千葉県 よっしぃ様)

「さあ、なんでしょうねえ。素敵だと思った時にシャッターを押すだけです。
言葉で考えたことはないので、説明するのは難しいですね。「素敵」なものが目の前に現われたら通り過ぎる前に捕まえる、そのための心の感度を上げるように気をつけています。感じたらピン!って針が大きく振れるようなイメージですね。あとはリラックスして楽しむ、そんな心の状態も大切にしています。」
写真集を拝見して、一作目と二作目では、趣きが違うように思われるのですが、モデル選びも、その都度、変えられるのですか?

(千葉県 よっしぃ様)

「シリーズごとになんとなく枠がありますが、ダブる部分もかなりあります。総じて、ゆるやかに変化しているというところでしょうか。ただ、「ヨコたわるラフ」というシリーズは別です。これだけは年配の男性限定で撮影していたので。写真集の一作目と二作目で趣きが違うのは、モデルさんの問題というより、写そうとしたものが明らかに違うからだと思います。」
モデルはどこで見つけるのですか? お知り合いの方なんですか?

(東京都 N・H様)

「たいていは友達か、友達の友達です。
街でナンパしたことは、残念ながら一度もありません。そのうち試してみたいと思いながら、もう何年も過ぎています。根が怠惰なのと、いまひとつ勇気がもてないからでしょう。ただ、友達のパーティで声をかけたことはあります。あとは僕の個展に来てくれた人にお願いしたこともあります。知らない人に声をかけるのは、スリル満点ですね。そのスリルがたまらないというわけではありませんが。もっと積極的に行けたらいいのになあと反省する毎日です。」
タグボートのインタビューで、『In My Room』での作品タイトルが、《赤い革のコートを着ている》など、見たままを説明するものが多いことについて「名前っていうのは特定のイメージを強く与えてしまうので、そういうのを全部、一回消してしまおうと思って。先入観を持たせるような、写真以外の情報で膨らませるんじゃなく、そこに実在していたはずの人物そのものを見て欲しかったんで」と回答されてましたが、今回のタグボート出品作品のタイトルは、モデルの名前のようですね。どうしてでしょう?

(北海道 M・F様)

「いやあ、するどい質問ですね。うっかりしてました。自分のいい加減さを改めて思い知らされました。
作品タイトルは毎回、とても迷います。今回も新しいシリーズを作ってはみたものの、個別の作品をどう位置づけたらいいのかが、なかなか定まりません。それはシリーズの全体をまだ把握できていないからです。僕の場合、だいたいいつも「何となく」で始めてしまうので、こういう困ったことになるのです。シリーズが終了に近づいたころになって、ようやく自分が何をしていたのかがわかりかけてくる始末です。たとえばドイツの写真家のように、事前にコンセプトをきっちり組み立ててから撮りはじめればこんなことにはならないのでしょう。でも、僕にとって写真を撮るという行為は、薄ぼんやりとした意識の正体を探るための作業なので、こうなるのも仕方がないと最近では開き直っています。
前置きが長くなりました。今回も<In My Room>に準じようと考えたりしました。しかし、よくよく調べてみると、写真集『In My Room』には3つのシリーズ(タグボート注:「In My Room」「tender penis」「電動ぱらぱら」)+どのシリーズにも属さないもの数点が入っていて(ややこしいですね。知人にも混乱者続出です)、そのどこにも属さない数点の作品が今回の<in my room 6x6>とダブっていたのです。写真集の中ではモデルさんの名前を作品タイトルにしていました。行き場のない作品だったので、とりあえずという気持ちでつけたものでした。この先<in my room 6x6>がどう展開するかわからないので、どうしようか迷ったのですが、結局、いちど発表してしまったタイトルをいまさら変えるわけにもいかないと考え、そのままモデルさんの名前を採用することにしました。今回は迷い損だったわけですね。」
賛否両論あると思いますが、俺は絶対絶対支持します!!!

(横浜 F・F様)

「ありがとうございます! これまで、ほとんどまともに扱われず、ひとりでぽつんとやってる状態にハマり込んでいたので、とってもうれしいです。」