2005年10月24日

秋の味覚×アート TAGBOATスタッフおすすめの「東京アートダイニングスポット」

オーナーが好きなアートを飾るという域を超えて、作家がコミッションワークとして空間全体を演出するお店が東京にも少しずつ出来てきました。
そんなアートダイニングの中から、仕事帰りにふらっと立ち寄れて、食べ物もおいしいお店をタグボートスタッフがPICK UP。アートに包まれながら秋の味覚を味わえる素敵な空間をご紹介します。

古いビルが立ち並ぶ通りを歩いていくと、突如モダンな外観が出現。 PHOTO:Yasuko Ichikawa
 1つ目にご紹介するのは、銀座一丁目、昭和通り付近にオープンしたナイトスポット型アートコンプレックス「ANPONTAN」(アンポンタン)。5階建てのビル一軒が、アートスペースになっている。ここは通常のギャラリーや貸画廊とは異なり「食」が充実しているのが特徴。レストランでは地中海料理、ダイニングバーでは、「森は海の恋人」で名高い畠山重篤氏の気仙沼のカキが楽しめる。壁には絵が飾られ、ワインセラーも併設される。 このアート・ビルディングの構造を説明しよう。1階と2階がレストラン&ダイニングバー、3階と4階がギャラリースペース、5階は会員制のサロンになっており、『美術手帖』をはじめとするアートブック、中には入手困難の希少本もあるアーカイブが閲覧できる。また、地下1階はDJブースを備えた多目的スペース。真っ白な壁で、映像作品のインスタレーションも可能なのだ。深夜まで営業しているので、銀座のサラリーマン、OLさんたちも気軽に立ち寄れる。

 記念すべきオープニングイベントは「七人の小侍」展。会田誠がディレクションを手がける本展は、昭和40年会の各メンバーが選ぶ若手作家のグループ展。今回選出された若手アーティスト達は、絵画、写真、映像、音響、インスタレーション、漫画などジャンルも表現形式もまったく異なる7組の小さな侍たち。

「食と美の融合」というコンセプトも新しければ、展覧会でも新しい若手作家を取り扱う、まさに現代美術の発信基地の今後の活動が、楽しみだ。

中央区銀座1-21-17
tel.ダイニングバー(予約)03-3564-1050/ギャラリー 03-3564-1051
月曜定休
ギャラリー  14:00-22:00
ダイニング  18:00-04:00
バー    18:00-04:00
アーカイブ  14:00-20:00

2階のダイニングスペースの壁にある壁画のような迫力のアートワーク


オープニングの一コマ。企画展を開催する昭和40年会のメンバーが集っていました。

若手作家ISSEIの壁画。NYの空気を切り取った珠玉の1枚
次にご紹介するのはDEAN&DELUCA丸の内店。 DEAN&DELUCAといえば、いわずと知れたNY発祥の高級スーパーマーケット。オーナーの1人、ジョルジオ・デルーカ氏が1973年SOHOに始めた小さなチーズショップから、この偉大なる伝説が始まります。デルーカ氏は、当時出版社でマネージャーをしていた、ジョエル・ディーン氏と共に、「食」が与える楽しみ、全ての体験をお客さまに提供したい!という熱い思いを膨らませ、1977年、現在のDEAN&DELUCAの原点となるショップをオープンしました。 コンセプトは「Museum For Fine Food/上質な食の美術館」。「美術館」と聞いては黙っちゃいないタグボートスタッフが、この度、丸の内店のリニューアルを聞きつけ、オープニングパーティを取材してきました。
何気なく置かれた照明スタンドのカバーは、もちろんISSEIのドローイング。1つ1つオリジナルで描かれています。センスの良さに脱帽です。


ふんわりとしたかぼちゃの食感とレーズンとくるみの相性が抜群!つなぎはクリームチーズと、秋の味覚を彩る一品に舌鼓。
≪かぼちゃとレーズンとクリームチーズのサラダ 100g 420円≫

展覧会のオープニングとはまた違った、お洒落な招待客の波に圧倒されながら店内に入ると、ブランドイメージ通りの高級感のあるしつらえと、招待客に振舞われるシャンパンに既にほろ酔い気分。 清潔感のある白とシルバーメタリックで統一された店内の正面には、HIP HOPでごきげんなペインティングが。あら?よく見るとSOHO本店の正面玄関じゃない? そうそう、映画「バスキア」(ジュリアン・シュナーベル監督作品として話題になりました)でウォーホルとバスキアがここでキャビアを買うシーンがあったっけ、と2人の天才達に思いを馳せつつ、ふと壁に目をやると、シックで流麗な描線が・・? あらあら、壁の凸部(配管なんかが隠れているところ)を柱にみたてた即席のグラフィティチックなパルテノン神殿?上手いっ。 まわりを見渡すと、同じタッチで店内の照明器具にもドローイングが走っておりました。 アーティストは新進気鋭の日本人作家"ISSEI"※。 そして聞こえるは、オペラアリア"宝石の歌"、しかもリフレインでエンドレス。 ここで使う音楽が、HIP HOPやラウンジ系、はたまた室内楽じゃクールじゃないのよね、と納得。 上質なはずしの美学にやられっぱなしの夜でした。 流石D&D。マグカップ愛用しております。お邪魔いたしました。


千代田区丸の内1-4-5 三菱信託銀行本社ビル1階
tel.03-3284-7071
mon-fri 7:00-23:00 sat 10:00-22:00 sun 10:00-18:00
WWW.DEANDELUCA.CO.JP

※ISSEI
1977年 京都に生まれる。2000年に単身NYに渡米。2001年から、高橋幸宏/sugarsoul/SOUL SCREAM/Steph Pockets(かのボブ・マーリィの娘)等のCDジャケットに作品を提供。絵画制作の傍ら、音楽活動(hip hop crew/JUICEでデビュー。現在The Phanky Okstra)その他、ファッションブランドsoeなどの洋服制作にも参加している。
クロスファンクショナルに活動する、将来を嘱望されるアーティストの1人。この度DEAN&DELUCA丸の内店リニューアルの為、ショップに詰めて壁画から店内装飾まで、全てオリジナルで描き上げたとのこと。アーティストの作品は、DEAN&DELUCA丸の内店でご覧いただけます。


15mの巨大カウンターが続く。カウンター前は立飲み専用。夜は人でにぎわい、まるで屋台のように。
最後にご紹介するのは、graf media gm : YOKOHAMA。 只今開催中の現代美術の祭典「横浜トリエンナーレ2005」の関連事業としてオープン。さまざまな人たちと情報、事象をつなぐことができるようなスペースを、という横浜市からのオファーを受けて、大阪のデザイン集団grafがプロデュースしました。

場所はトリエンナーレメイン会場から少し離れた横浜公園沿い、銀杏並木の広がる日本大通り。もとは官庁街レンガビル裏の屋根付駐車場だった。入り口から奥まで続く屋台のような15m巨大カウンターを抜けると、高い天井から光が差し込み、意外にも明るく開放的な和み空間が広がる。
grafの巨大チェア(Plankton)やgraf+草間彌生共同制作のサイケなソファ、テーブルがあるが、アートっぽい要素はたったそれだけ。絵やインスタレーションの類は一切なし! あえて何かの色に染まることを避けたシンプルな内装とDJブースを備えた音響システムを備える。
「何が起こるかわからないハプニング性や集まってくるゲストのライブ感が大きな魅力です。」
gm: YOKOHAMAの岡田さんがおっしゃる通り、ゲストが作り出す雰囲気とそれによって起こるハプニングに対応して、楽しんじゃおう!という大らかさがある。集まるゲストの幅も広く、トリエンナーレ関係者ほか参加アーティストや地元の会社員から若者までバラエティーにとんでいる。先日も横浜公園にいたジャンベ(アフリカの太鼓)のプレーヤーとゲストの一人のサックスでセッションが繰り広げられたそう。

しかし! 残念なことにこのカフェ、12月31日までの期間限定。「ゲストまかせなので閉店の日までお店がどんな感じになっているのかわからない」という岡田さんですが、今後もトリエンナーレ関連のライブやイベントが多数企画され、閉店までヒートアップしていくこと間違いなし! 他のカフェでは味わえないグルーブ感やライブ感は期間限定だからこそ!? 横浜トリエンナーレが2倍楽しめます。閉店まであとわずか!急ぎましょう!


ビルの外壁を取り込んだ屋内とも屋外ともつかないニュートラル空間!? なので晴天の時のみならず雨風などの天候にも左右される。それもまたこのカフェの楽しみの一つ。

ランチタイムには、アジアンライス、夜には各種アルコールは勿論、おでんや串揚げといった居酒屋メニューも楽しめます。

参加作家ソイ・プロジェクトのウィスット・ポンニミット氏の絵がカフェの壁に! 女の子がさんまを焼いているシーンは、ある日の実際の店内の様子を描いたもの。(あの奈良美智氏もペインティングを希望しているそう。制作風景を目撃できるかも!?)


横浜市中区日本大通り34 ZAIMビル1階(旧関東財務局ビル
TEL.045-212-0818
2005年8月18日(木)~12月31日(土)
無休 ※但しイベント時は変更有り
11:15~23:00(L.O.22:30)
http://www.graf-d3.com/yokohama/


投稿者 TAGBOAT : 2005年10月24日 12:00