2005年10月28日

横浜トリエンナーレ2005 アートツアー・レポート

10月22日、タグボートのアート・ディレクター広本伸幸をツアーガイドに横浜トリエンナーレ アートツアーを開催いたしました。
今回のトリエンナーレはディレクターの川俣正が、「作家の独白でなく、受け手とのキャッチボールをみせられる展覧会にしたい」とその狙いを話す通り、「観客参加型」の作品が多いのが特徴。皆が一緒になって作品に参加することができ、アートを媒介にしたとても楽しい時間を過ごしました。
そのツアーの様子をレポートいたします。

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9:45 集合
元町・中華街駅改札で参加者と待ち合わせ。 心配事のひとつであった雨もかろうじて降らず、スタッフ一同胸をなでおろしました。 参加者の皆さんも元気に集まります。

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spacer.gif10:00 ふ頭会場まで移動
ダニエル・ビュランのにぎやかな紅白旗がたなびく、山下公園脇の入場ゲートからふ頭会場までの道。祝祭気分が盛り上がりますが、実はその距離約700m。はっきり言って、長いです。
しかし、参加者同士話が弾み、あっという間にゲート到着!
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10:10 会場にて ツアースタート!
会場を入ってすぐ正面、60年代以降日本現代美術界で最も影響力の大きい美術家の一人である高松次郎の「工事現場の塀の影」が目に飛びこみます。本作は「影」をテーマとして追い続けた高松の記念碑的な代表作品の再現作品。
パネルにある影に自身の影が重なり作品の一部になります。高松の遺作である「影」シリーズから現在までの現代美術の流れに思いを馳せ、ちょっぴり厳粛な気持ちでスタートします。

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ブラジル出身作家、トニーコ・レモス・アウアッド。カーペットの綿毛をかき集めてリスやモグラなどのオブジェを制作。必要量をかき集めるのに、ボランティアの方々と一週間カーペッドを引っ掻いていたそうです。ウィットとユーモア溢れる新たな美術表現の可能性がみえます。綿毛がふんわりして、ぬいぐるみのようでかわいい。余談ですが、出張中の弊社バイヤーアスカがちょうどまさにこの時、ロンドンにてアウアッドご本人と歓談していました。
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mi_051107_05.jpg 「告知一森」 Photo by 木奥恵三 写真提供:横浜トリエンナーレ組織委員会
今回のトリエンナーレでタグボートスタッフが注目した作家が照屋勇賢。この作品、じつはペーパーバッグでできています。環境破壊の一因であるペーパーバッグを切り抜き、その袋の中に本来の原料である木の姿が再生される。シンプルで美くしい表現を通して強いメッセージを訴えかけてきます。
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ツアーも中盤にさしかかったところ、今回のトリエンナーレの目玉である奈良美智+grafの巨大小屋が現れます。小屋の2階から広がる海の眺め、潮の香り、納められたクオリティの高い力のこもった奈良美智作品の数々。見所をあげればきりがありません。 なもんで、参加者がなかなかハウスからでてきません。気分はすっかり子供連れで遊園地に来た親。「みなさ~ん、もうそろそろ次へ行ってもいいですか?」 spacer.gif
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「こうちゃん元気?」「いつ電話してもいないけど、どうしてるの?」 こちらは、中庭に林立する岩井成昭の「million mama」。 電話ボックスの中に入り、受話器を取ると、子供に語りかける母親の声が聞こえてきます。自分の母親と重なるところがあったりして、皆ちょっとじ~ん。

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ジャマイカ出身ナリ・ワード「グッド・シチズン」。  この巨大鮫、実は牛乳パックで作られています。お腹の中にはいることもでき、中にはさらに無数の牛乳パックがぶら下げてあります。また、制作協力をしたボランティアの方々の写真が内壁一面に貼り付けてあり、ナリ・ワードさんの暖かな人柄がうかがえます。 spacer.gif
mi_051107_09.jpg 「はい、ポーズ!」 鮫に襲われた!?
mi_051107_10.jpg ナリ・ワードさん本人。9月某日。 笑顔の素敵な気さくな方でした。

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mi_051107_12.jpg 参加者の皆さん、お気に入りのぬいぐるみ選びに真剣です。
spacer.gif 発表歴がほとんどなく、今回のトリエンナーレ参加者の中では無名のアーティストとも言える阿部泰輔。古着を利用した大小の動物のぬいぐるみが逆さに吊るされており、その中で阿部がひたすらミシンを踏み、ぬいぐるみを制作し続けています。このぬいぐるみは1000円で購入可能。タグボートのアートディレクター、広本の胸にツアー中ずっと張り付いているぬいぐるみがそれです。チェックしてみてください。


映像インスタレーションの部屋
明かりを落とした暗い部屋なので、撮影はできませんでした。ツアーの様子をお伝えできず残念です。

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mi_051107_13.jpg Photo by 黒川未来夫 写真提供:横浜トリエンナーレ組織委員会
ここでまず見ていただきたいのは、高嶺格の「鹿児島エスペラント」。今回のツアー参加者の皆さんにも一番人気でした。暗闇のなかに浮かんでは消えるメッセージと映像、鳴り響く幻想的な言葉の数々が印象的な作品です。いつもは行列ができていますが、この日は比較的短い10分~15分待ち。

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高嶺作品の向いには、ヴォルフガング・ヴィンター&ベルトルト・ホルベルトの「スインガークラブ」が暗闇に浮かびます。約6mの高さから取り付けられたブランコ4基。これらが漕がれることでオレンジやブルー、グリーンなどカラフルに発光し、夜のサーカスを連想させるロマンチックな作品。これも皆さん並んででも乗ります。ブランコに乗ったのなんて、何年ぶりでしょうか。揺られる感覚、ブランコ上から見る揺れた情景、暗闇の中のぼんやりとした明かり、そんなものが渾然となり、そのままずっと揺られていたくなりました。

12:00~ 自由時間 
みなさん思い思いにアートを楽しみました。

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屋代敏博さん作品の前にて。カメラを覗き込む。
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マップ片手にうろうろ。
mi_051104_18.jpg KOSUGE1-16作品。上から会場を見下ろす。
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 「じゃ~ん!」奈良美智のサイン入デザイン本2冊購入。持参のかわいい袋に入れて。
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ミュージアムショップにて物色中。
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タグボートスタッフと参加者。集合時間がせまるのも忘れ、アート談義に花が咲きます。

3時間におよぶツアーは13時に終了いたしました。
この後、参加者の方達と中華街で懇親会をおこない、さらに白熱したアート談義が繰り広げられました。

 
ツアーを終えて *****************************

「今後もリアルでアートを見たり、直接お話できるような企画をお願いします」
というお言葉を多数いただき、スタッフ一同大変うれしく思います。また、アート情報や企画のアイディアなど、タグボート側もお客様から日ごろ感じていらっしゃるアートのご意見を聞くことができ、今後の励みになりました。ツアーに参加してくださった皆さま、本当にありがとうございます。
今後もタグボートでは、アートの意見交換の場を持てるようなアートツアーを企画して行きたいと思います。企画してほしいツアー、アイディアなどのご意見をいただけましたら幸いです。

<広本より>
マーク・ロスコ、フランク・ステラなどアメリカの美術については、話しなれていたのですが、今回のトリエンナーレは名前も知らない作家ばかり。一夜漬けも間に合わず、高松次郎さんの言葉をお借りしてスタートしました。前の週のNHK新日曜美術館の特集をご覧になっていた方も多く、かえって教えていただくこともあったりして...
昔の修学旅行ならいざしらず、30人近くの大人が揃って行動するのは無理な話、知り合ったばかりの方同士が何気なくおしゃべりしながら楽しそうにしていらっしゃる姿があちこちに見られ、自由見学という言葉を思い出しました。忘れてましたが、やっぱりアートは自由に見るものだと思います。
懇親会も楽しく和やかにあっという間に2時間が・・・ 初めてお目にかかる良いお客さま、素敵なお客様に囲まれて、私はじめスタッフにとって幸せな1日でした。ご参加有難うございました。
                                               広本伸幸


投稿者 TAGBOAT : 19:51

2005年10月07日

タグボート・アートツアーレポート

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ツアーの様子は、11月7日掲載予定。

お楽しみに!


投稿者 TAGBOAT : 17:41