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アートにも梅雨対策 ~波打ち、カビ、シミに気をつけましょう~

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鬱陶しい梅雨の季節、お部屋にはからっと爽やかなアートを飾りたいですね。さて、今週から始まる「アートのお悩み相談室」。皆さんが普段から抱えるアートに対するお悩みやちょっとした疑問について、タグボートが何でもお答えします。第1回目のお悩みテーマは「梅雨」。湿度が高く、身体にカビが生えてきそうなじめじめとした空気。気持ち悪がっているのは、私たち人間ばかりではありません。玄関先の革靴、棚にしまった食物、などなど。でも、湿気やカビの好物に紙があること、ご存知でしたか?
(※上記写真は湿気により波打ちした作品の一部分です)

アートの保管方法について

版画は紙が使われたもののうち最も高価なものかと思われますが、大事に押入れなどにしまいっぱなしは要注意。梅雨の晴れ間、湿り気が少ない日に一度引っ張り出してチェックしてみましょう。
押入れ、物入れなどに収納される場合は、木製かプラスチック製のすのこを敷きます(敷く方向を間違わないように)。そして奥の方も隙間を空けて、空気の流通を良くします。湿気つまり水分は下の方にたまりやすいので、何箇所か市販の除湿剤(「水トリぞうさん)など)を置くことをお薦めします。

アートの展示方法について

玄関先は外部の湿った空気が一番入ってきます、お気に入りのアートでも、もし紙の作品でしたら、この時期は飾るのをしばらくやめた方がいいでしょう。
エアコンをドライ運転しても、宣伝されているほどからっとした空気にはなりません。エアコンの風が直接額に当たる場合は、湿気を含む風ですし、額の中のわずかな量の空気の水分が冷やされて、額の内側で結露することもあります。
お部屋の隅に小型の扇風機を上向きに置いて、部屋全体の空気をゆるやかに動かす必要があります。

作品の波打ちについて

注意深く作品の状態を観察されると、紙が波打っていることに気づかれるかもしれません(症状1)。特に用紙が薄手の写真や版画の場合顕著なこともあります。特に版画でも、銅版画、エッチングといった凹版の場合、刷る際にプレス機で圧力を紙にかけるわけですが、刷り面(イメージ)の部分が周囲の余白(マージン)部分より若干薄くなっており、また周囲が圧力により中央に向かって引っ張られるため、波打ちが出やすいのです。印鑑を押す時に、強い力をかけた場合を思い出してください。
紙が湿気を吸うのは自然なことです。紙の繊維が呼吸しているわけですから、紙は生きているとさえ言われます。波打ちはですから紙が自由に呼吸している証拠でもあります。多少の波打ちは、乾燥した場所に移してしばらくおくと、元に戻ることもありますし、そのままでも乾燥した冬になれば自然に目立たなくなることが多いです。しかし、写真の場合は一度波打つと印画紙の表面が、形状記憶のように癖がついてしまい、自然に戻ることはあまり期待できません。

額から外して、何とかしてみようとお考えになるなら、注意深く額からシートを外し、湿気取り用の紙(中性紙、画材店などで販売)の間に作品シートを挟んで、水平な場所に置き、均等に重しがかかるように電話帳などを載せておきます。ロールにして巻き癖のついてしまったポスターなどにも効果があります。押し花の要領といえばいいでしょうか。

作品についたカビやシミについて

万一、カビが原因と思われるシミや汚れ(症状2)が見つかったときは、手遅れにならないうちに、美術品のお医者様に診てもらいましょう。修復家といわれる絵画修復の専門家です。欧米の美術館には必ず修復部門がありますが、日本の美術館には修復部門はおろか修復担当の人も存在しません。その代わり民間の修復研究所や個人の修復家が美術館レベルの仕事を請け負っています。手遅れと思われるほどカビが原因で真っ黒になってしまった紙作品でも驚くほどきれいになることもありますので、どうぞお捨てになりませんよう。

 

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  症状1 湿気を吸って波打ちした状態   症状2 大切な作品にカビの魔の手が…  

2006年06月26日 11:57