文/安田洋平
デザイン関係の出版物を手がけ、展覧会プロデュースも行うGlyph.(グリフ)代表・柳本浩市氏。さまざまなモノを集めてこられて、今やその保管だけでも複数の倉庫にはなるという。アートも中学生の頃からお買いになられていたとか。
「昔からモノはいろいろと蒐集していたんですよ。古くは幼稚園の頃から洋書や海外のレコードのレコードを買っていたことに始まる。小学生のときヴィンテージ・ジーンズのリストをつくって夏休みの自由研究に出したこともありました。アートを本格的に集め出したのは高校生。リヒター、ポルケ、サイ・トゥオンブリなど、まだ当時はそんなに高くなかったですからね。
小学1年生のとき、『Made in U.S.A catalog』という本が出て、アメリカ文化にはまったのですが、その時、見よう見まねで海外通販で注文することも覚えて。だから、今この歳になって2、3カ月に一度くらい海外にいろいろ買いに出かけますが、通販もよく活用するんです。
タグボートを最初に知ったときには価格がはっきり表示されているところが画期的と思いましたね。だいたい世界中でもアートというのは“リクエストプライス”になっていることが多い。だからこういうアートの流通サービスって、それまでなかった。また、加えて私は海外からいろんなモノを買うことが多いため、国際的な評価基準で決めるんですよね だから海外の相場から見てどうか書いてあるところも、すごく信頼が持てると思いました。さらに下取りの価格までちゃんと明記してあって、海外サイトでもさすがにここまでできているところはない。
今回、私の買ったニール・ワックスは、以前に一度ロスで見たことはありましたが、逆にまだ価値の定まっていないこれからの作家だからこそ惹かれるものがあったんです。既に価値が決まってしまっている作家とは違う醍醐味がある。今、ニール・ワックスの作品を、世界中のスーパーで買って集めた普通の洗剤のボトルを一緒に飾っているんですよ。アートというのは自分の視点で変わる。日常の中にある無価値のものも楽しいし、またそこにアートが入ることで見え方が一味変わるのもユニークでいい。
ダミアン・ハースト、ジェイク&ディノス・チャップマン……、好きな作家はたくさんいますが、このニール・ワックスのように入門編としても買いやすいものがあるのは良いし、この辺りがさらに充実すると良いですよね。あと強いて言うなら額にもっとバリエーションがあってそこから自由に選ぶことが出来たりしたらいいと思う。コンテンポラリーな絵にデコラティブな額縁を合わせたりしてもそのアンバランスさが楽しかったりするように、モノの楽しみ方っていっぱいあるものですから」。
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