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作品詳細ウィンドゥ


作家名 上西エリカ
作品名 In(verses) Ways (2nd Series)
制作年 2008
エディション オリジナル
技法 ドローイング その他の紙(和紙など)
作品サイズ 29.7 × 21cm
作品の状態 良好
入札開始価格(税抜) \56,100
作品エピソード IN(VERSES) WAYS

このプロジェクトは、私の旅に想を得ている。その旅路は日本〜ブラジル〜日本である。
最初の日本は、私の母や家族、古い写真、歌い継がれた歌や語り継がれた昔話を通してしか知ることのできなかった地で、やや空想的である。それは、私が幼少の頃に、想像世界で見ることのできた実在(非在)の場所、そして我が家の家名と容姿にしか顕在しない場所。
第2の旅であるブラジル〜日本は、私自身の目や生活を通じて実際に経験した現実。この旅で、最初の地である日本に戻ってくる。日本は私のルーツが潜んでいる国。我が家の歴史をさかのぼることで、自分探しや私の道の探求を試みている。
この旅の途中で、ポルトガルの詩人 フェルナンド・ペソアの詩『あらゆる道があらゆる場所へと通じる(Qualquer Caminho Leva a Toda a Parte)』(1921年)に出会った。この詩の中でペソアは、全ての道は私たちの中にあり、いずれの道もあらゆる場所へと通じ、また、いつ何時でも道が別れたり、分断したりするものなのだと言っている。どんな方角も、どんな距離も、どんな終わりも、私たちにある。

あらゆる道があらゆる場所へと通じる
あらゆる道が
あらゆる地点で二つに分かれ
一方は路が指し示すところへと通じ
もう一方は孤独なものである。
一方の路は、その単なる路の果てへと続き、
路が終わったところで止まる。
もう一方の路は抽象的な余白である
[…]

ああ! それらの道は全て私のなかにある。
あらゆる距離、方向、あるいは果てが
私に属し、私である。残りは、
外の世界と私が呼ぶ、私の一部分である。
だが道は神の業によって分岐する
私がそうであるところのものと、私にとっての他なるものへと
[…]*

翻訳者: 福嶋 伸洋

ペソアのこの詩に従い、空想(私の過去)と現実(私の現在)の融合を試み、そして、絵の中で交差させる。私の空想の日本を表す200年前の日本の古い江戸地図を分割し、切り取り、切り離し、私の目指す方向へと生まれ変わらせる。幼い私が抱いていた絵的イメージを具現化し、存在しないはずの道を歩いたり、家に入ったり、表札を見たり、川を船下りしたり・・・。それは自己を認識するプロセスであり、過去へ戻り、新たな現実を生み出すことを試みるものである。
イタロ・カルヴィーノの『マルコ・ポーロの見えない都市(Le Citt? Invisibili)』(1972年)についてウェルシュは次のように語っている。
「・・・目の届かない都市、自己を超越した都市―― そのような都市は目に見えない。自己の中にある都市のみが本当に知覚できる。というよりも、知覚できる都市のみが自己の中に“象徴”される都市なのだ。(ジョン・ウェルシュ、ヴァージニア大学)」
そのため、私が幼い頃の空想の国は私の現在へと還り、私の中にある。ペソアの詩にあるように私の道を歩き、そして日本〜ブラジル〜日本の旅はひとつとなる。時や空間の制限もなく

http://kaminishidesign.com/erica/reviews-jp/inverses-ways-jp/

作家プロフィール 1979 ブラジル生まれ 現在 東京都在住
2004 ブラジルパラナ州立芸術大学卒業
2008 日本大学大学院芸術学研究科(映像芸術専攻二年生)

ブラジルおよび日本で重要なグループ展や公募展に参加しています。
2003 個展・MUMA美術館/ブラジル

2006 個展・CAM美術館/ブラジル
第13回バイア芸術公募展 /ブラジル
第12回「真綿のヴィジュアル・アート」募展 奨励賞/東京
前橋アート・コンペ・ライブ 2006 - 前橋国際交流広場

2007 「果てしない線」展 プロモ・アルテギャラリー/東京
国際アートトリエンナーレ2008 - 大阪芸術大学/大阪

2008 個展・パラナ州立現代美術館 /ブラジル
アーツ・チャレンジin Aichi 2008 愛知芸術文化センター
ニューアート展 ブラジルxヨコハマ時の懸け橋 横浜市民ギャラリー  


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