TAGBOAT Next Generations Artist's Voice アーティストの声

賞を頂けるとは思っていなかったのでとても驚きました。

"サマーアワード2009" 審査員特別賞 ≪池内務賞≫受賞  西尾泰和 photo by yuichi.sakuraba

西尾泰和 photo by yuichi.sakuraba

■サマーアワード2009に参加して:

まさか初めて応募したサマーアワード2009で入選し、さらに賞を頂けるとは思っていなかったのでとても驚きました。また、自分の作品を展示して人にみてもらうことももちろん良い経験になりましたが、それ以上に同じ出展者の方々との交流から得られたインスピレーションも大きなものでした。


■創作のコンセプト:

私は数学が好きです。数学を美しいと思っています。しかしこの美しさはあまり理解されていないように思えます。数学の美しさを数式で表現して、言葉で「これは美しい」と言うだけでは伝わりません。それは耳の聞こえない人に「この曲はすばらしいんだ」と主張するのと同じです。伝えたければ多少表現を犠牲にしてでも、伝わるフォーマットを選択しなければいけません。音楽であれば楽譜にするのも一つの方法でしょう。たとえばパッヘルベルのカノンは楽譜というフォーマットでも美しいです。揺らぎのない厳密さ、完全な対称性、文化に依存しない普遍性、そういう数学の「美しさ」も伝わるフォーマットを選択しなければいけません。二次元の物体というフォーマットにすることで、より多くの人に知ってもらいたいと思っています。


■創作活動の中でのTAGBOAT NEXT GENERATIONSの位置づけ:

マーケティングの教科書などでは「Product, Promotion, Place, Priceの4Pが大切である」とよく説明されます。しかし「創り出す」人は得てしてその「創り出すもののクオリティや価値」(Product)を高めることだけに没頭してしまいます。現実には「作品の存在を知ってもらうこと」(Promotion)や、「知って興味を持った人が作品を見たり購入したりする機会」(Place)、「作品に対する適切な値段付け」(Price)も大切なことです。 TAGBOATはこの4PのうちPromotionとPlaceを提供してくださる貴重なパートナーです。 TAGBOATとアーティストとの分業が行われることでアーティストはより一層作品作りに集中できます。

しかし、正直なところ、私は今回作品を応募する際の「自分の作品に値段を付けろ」という条件には非常に頭を悩ませました。作品を売った経験もなければ他のものがどれくらいの値段で売られているのかに対する知識もなく、どれくらいの値段を付けるのが適切なのかまったく見当がつきませんでした。 PromotionとPlaceを提供してくださるだけでもありがたいことですが、Priceも提供してくださるともっとうれしいな、と思っています。