拙作が評価されたことをとても忝なく、至極嬉しく思います。
本作品の撮影場所は金沢文庫付近の沖で、薄暮の頃の時間帯に撮影しました。このため、濃紺の空と海が印象的です。
作品の原始の段階でのイメージは「形而上学的で神秘的な風景」と漠然としたものでした。構想から完成までは、数週間の期間があったと思います。しかし、その間、撮影しても釈然としない状態が続き、漠々と思索に暮れることが多い中、模索を繰り返し、少しずつ求めるイメージが具体化してきました。試行錯誤の結果として、151秒(偶然にも審美的な回文素数)の露光で人間の知覚出来ない色と時間軸で抽象的な風景が出来上がりました。こうした過程の末に、手応えを感じられる作品が完成したこともあり、自分にとっては非常に意味の有る一点だと思います。
今回のサマーアワードは、前回と比べ、応募数や展示会場でも、より大きな規模のコンペとなり、より多くの方に御覧頂けて、評価を頂ける非常に有意義な機会だったと思います。地道に制作に取り組む多くの作家にとっては今回のようなコンペは発表の場となるだけでなく、自分の考えを試せる土俵でもあり、自らの作品を社会的に役に立てたり、評価をしてもらえる契機を提供する、非常に存在価値の高い場だと思いました。
今後は、作品の制作に不可欠な技術的な錬磨だけでなく、形而上学的な部分、及び審美学的な部分も修練し、より佳い作品を世に出してゆけるように精進を続けたいと思います。
そして、制作で行き詰りや迷いが生じたときに、今回の受賞を振り返り、努力の糧にしたいと思います。