絵画の技法には下記のようなものがあります。 | |
技法名 | 説 明 |
アイリスプリント Irisprint |
最新のデジタルカメラとスキャナー技術を駆使した高画質デジタル印刷。スクリーンを通さず、キャンバスや印画紙上に専用のインクジェットプリンターから15ミクロンのシアン、マゼンダ、黄色、黒色の粒子を吹き付けて制作される。毎秒400万以上のインクのミクロ粒子を噴射し、7万色以上の微妙な発色が可能となる。「アイリス」はプリンターのメーカーの名から。 |
アクアチント aquatint |
腐蝕銅版画の一種。粉末の松脂を銅版上にふりかけ、熱くして版に付着させる。それを腐蝕液につけると松脂粉のついていない部分が酸によって腐蝕され、表面が細かい凹凸の砂目状になる。続いて、暗くしたい部分から順に、筆で腐蝕液を塗っていく。この作業を何度か繰り返すことで、筆のタッチを表現できる濃淡が作り出される。銅版画において面的な表現を可能にした重要な技法。 |
アクリル(絵の具) acrylic |
顔料とアクリル樹脂分散液から作られる絵の具のこと。アクリル樹脂分散液とは、顔料の粒子を接合したり、顔料を支持体に定着させる展色材のこと。油絵の具が厚いペースト状の画層を形成し、乾燥すると不溶性であるのに対し、アクリル絵の具は透き通った画膜を形成し、被覆しにくい。速乾性と耐水性をあわせもつため重ね塗りにも適している。変色、ひび割れしにくく耐久性、柔軟性にも優れている。 |
アッサンブラージュ assemblage |
もともと「集めること」を意味する言葉で、平面作品や立体作品を問わず、既製の品を寄せ集めることを示す。 |
インタリオ intaglio |
一般的に凹版技法を用いた銅版画を指し、ドライポイント、エングレーヴィング、アクアチントなどを含む。 |
エッチング etching |
よく磨いた平らな銅版に蜜蝋やアスファルトなどを混ぜて作った「グランド」と呼ばれる耐酸性の防蝕剤を塗り、乾燥させる。このグランドの上から、尖った道具(ニードル)を使って引っかくように線を描くと、グランドが剥がされて銅の部分が露出する。これを腐蝕液に浸すと描画部分が腐蝕され凹状になる。いったん全体にインクをつけた後、乾いた布で拭き取ると、凹上の描画部分にのみインクが残り、これをプレス機で刷りとる。細い線や図柄の表現に適している。現代のグラビア印刷と原理は同じで、写真製版も広く応用されている。 |
エングレーヴィング engraving |
ビュランと呼ばれる硬い金属の彫刻刀で、じかに銅版を彫ってゆく方法。いったん全体にインクをつけた後、乾いた布で拭き取ると、彫り取った凹部にのみインクが残り、これをプレス機で刷りとる。腐蝕銅版画による線とは異なり、非常に明確で滑らかな線を表現できることが特徴である。 |
エンボス embossing |
英語で「浮き出す」の意味。凹凸をつけた版の上に紙をのせて、インクをつけずにプレス機にかけたり、バレンでこすると、凹凸だけが紙に写し取られる。 |
オフセット・リトグラフ offset lithograph |
リトグラフと原理はまったく同じだが、版から直に刷りとらず、いったんブランケットというゴムの太い円筒に、版から絵柄のインクを転写し、それを紙の上に圧力をかけながら転がして紙に刷りとる。通常、版画では版の画像と紙に刷りとられた画像は左右が反転するが、オフセットでは版と紙との間にブランケットを介することで、左右反転を避けることができる。また、正確な多色刷りの見当合わせが可能なため、現代のカラー印刷で最も広く使われている技法である。 |
コラージュ collage |
フランス語で「糊による貼りつけ」の意味。20世紀初頭にブラックやピカソが始めた「パピエ・コレ」(新聞紙、切手などを画面に貼り付けた手法)が発展したもので、互いに関係のない画面を結び付けて新たな造形効果をねらう手法。または、貼り付けられたもの自体を示す。近年では単に「貼り付け」の意味で使用されることも多い。 ex) ラウシェンバーグの「ケージ」ではシルクスクリーンに本物の水玉模様の布や透明プラスチック定規などが貼り付けられている。 |
コロタイプ collotype |
ゼラチンと重クローム酸カリの混合液を(感光液)をガラス版に塗布し、ネガなどをガラス版に焼き付け印刷する技法。大量印刷には向かない。 |
Cプリント C-print |
カラーネガから焼き付ける、もっとも一般的なカラープリント写真 |
シルクスクリーン silkscreen |
(=スクリーンプリント,セリグラフ screenprint, serigraph)原理は染色の型染めと同じ。木枠に張った布(当初は絹が使用されたが、最近は合成繊維を使うことが多い)を、版として使う。絵柄以外の部分に目止めを施し、スキージという幅広のゴムベラを使ってインクを紙に押し出すと、目止めの施されていない絵柄部分のみ、目布を通してインクが紙に転写される。感光乳材を使った写真製版を応用することも広く行われている。昔のガリ版印刷や現代のプリントゴッコと原理は同じ。また他の技法と異なり、紙以外にも布や板など様々な素材にすることができる。 |
スタンピング stamping |
インクをつけた素材を、直接紙に押しつけて刷る方法。 |
スチール・ドローイング steel drawing |
素描をコンピュータ処理し、その描線通りにアルミニウムやスティールなど金属板をレーザー光線で切り抜き、エナメル塗料で彩色して作品を作るというもの。1点もののオリジナル作品にもマルチプル作品(大量生産された美術作品)にも適用できる。 |
ステンシル stenciling |
イメージをくり抜いたシート状の版材を使って筆や霧吹きで彩色する技法。もっとも単純なステンシル版は紙やプラスチックのシートにナイフでイメージを切り抜いて作る。 |
ソフトグランド・エッチング soft ground etching |
腐蝕銅版画の技法の一種。エッチングの「グランド」として、獣脂などを加えた粘り気のある乾きにくい防蝕剤を使用する。木の葉や布目などの素材をそのまま写し取ることができるほか、鉛筆やクレヨンのタッチをそのまま版画に置き換えることができる。 |
ドライポイント drypoint |
銅板に直接ニードル(鉄筆)などで表面を削るように線を描くと、線の縁に小さなまくれが生じる。全体にインクをつけた後拭き取ると、まくれの部分にも僅かにインクが残り、少しにじんだような味のある線が表現できる。 |
フォトグラヴュール photogravure |
腐蝕銅版画の写真製版の一種。 |
木版 woodcut |
木板を彫刻刀で彫り、彫り残した凸部にインクをつけてバレンやプレス機で刷る。比較的単純な形や太い線を表現するのに適している。現代では彫刻刀にかわりモーター駆動のドリルやレーザー光線カッターなどが使用されることもある。 |
モノタイプ monotype |
金属やガラス板などの表面にインクや絵の具でじかに描画し、これを刷りとる。同じ図柄は原則として1枚しか刷れない。 |
モノプリント monoprint |
刷りの前に紙に着彩したり、刷りの途中や後で1枚ごとに変化をもたせた1点ものの版画のこと。 |
ラムダ・プリント lambda print |
シアン・マゼンタ・黄色の三原色を用い、デジタル画像を印画紙に印刷する最高級品質のレーザー・プリント技術のひとつ。 |
リトグラフ lithograph |
(=lithography)水と油が混じりあわない性質を利用した版画技法。紙に直接クレヨンや筆で描いたような効果が得られる。表面がきわめて細かい砂目状になるまで磨いた石灰岩やアルミ版に、クレヨンや油性の墨などの油性画材で描画したのち、版画全体にアラビアゴムと硝酸を塗布すると、科学的に親油性の描画部分と、親水性の余白部分が作られる。刷りの際には版面のアラビアゴムを水で洗いとり、常に版面に薄く水をひいた状態を保ちながら、ローラーで油性インクをつけるとインクが水分によってはじかれて、親油性の描画部分のみにインクをつけることができる。この上に紙を置きプレス機で刷ると、クレヨンや水彩で紙に直接描いたような表現が得られる。 |
リノカット linocut |
リノリウム板を木版画と同じように彫刻刀で彫って版を作り、彫り残した凸部分にローラーでインクを盛って紙に印刷する。リノリウムは柔らかいので、どの方向にも抵抗なく刻むことができる。 |
レリーフ relief |
浮き彫り。平面上に形を盛り上げた作品一般を言う。 |
※ 下記所収の解説を参照しました 『版画の技法と表現』(町田市立国際版画美術館、1987年) 『20世紀のアメリカ版画展』(町田市立国際版画美術館/川村記念美術館編、1999年) |
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@Gallery タグボートで取扱う額の仕様は以下の通りです。 ■ 作品保存の観点から紫外線防止アクリル板、中性紙台紙、中性紙マットを使用。 ■ 映りこみの少ない低反射アクリル板を採用。 ■ 個々の作品にマッチしたシンプルなデザイン。 |
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額装の代表例
※フレームは作品にあった材質、色を選んでいます。 |
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■ 額寸 額を含めた大きさを表します。 ■ シートサイズ 作品が刷られている用紙の大きさを表します。 ■ イメージサイズ 作品の絵柄(刷り面)そのものの大きさを表します。 |
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エディションとは、限定した部数で版元から販売される版画のことです。作品には、作家の署名や年記(日付)などのほかに、その作品が何枚刷られたのかを示すエディション・ナンバー(限定番号)を書き加えることが多くあります。エディション・ナンバーは、紙の余白部分などに鉛筆で、例えば「21/50」のように分数で記入されます(分母が限定部数を表す)。また、これとは別に、試し刷りや作者保存分を示す記号「A.P, E.A., HC」などが記入されることもあります。 | ||
略 | 種 別 | 解 説 |
ED | edition | 商用の限定部数 |
AP | artist proof (epreuve d'artist) |
作家保存用 |
TP | trial proof | 試作版 |
CTP | color trial proof | 色校正用 |
RTP | right to print (bon a tirer) |
エディション刷りの見本、最終版 |
PP | printer's proof | 工房、刷師用 |
SP | special proof | 贈呈用などの特別版 ※作品詳細情報では、「SFU」(南フロリダ大学)など、特定の工房による版も「SP」として表示しています。 |
AC | archive copy | 資料用保存版 |
CP | cancellation proof | 失敗版 |
HC | hors de commerce | 贈呈用などの非売品 |
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作品の状態 | 解 説 | |
退色 | 光量の多い場所に長期間展示したままで、絵柄(刷り面)の色が薄くなってきた状態。 | |
変色 | 紙やけ/酸化 | 酸性の強いベニヤ板やマットで額装した場合に、紙が茶色っぽく変色してきます。 |
汚れ | 例えば、作品を手指で直に触ったりしたときに皮脂が付着し、経年変化で汚れとなって残る場合があります。 | |
しみ | カビ | 額装の状態によっては中に湿気がたまってカビが繁殖することがあります。ぽつぽつと小さなしみが広がっていきます。表面は大丈夫でも裏面にカビのしみがびっしり、ということもあります。 |
虫害 | 紙は繊維なので、虫食いが原因で小さな茶色いしみが広がっていくこともあります。 | |
傷/引っかき傷 | 温度湿度や経年変化によらず、取り扱い時の不注意などで傷がつくことがあります。 | |
亀裂 | インクが付着した部分に乾燥などで亀裂が生じてくることがあります。 | |
欠損 | マージン切れ | 本来のシートサイズを額装の際に切ってしまったりしたものは、作品の価値が下がります。 |
破れ/穴 | 紙の一部が欠けた状態。事故的なもののほかにひどい酸化や虫食いなどでもぼろぼろになります。 | |
波打ち | 湿度変化によりシート全体が波打ったような状態になることがあります。 | |
しわ/ふくらみ/へこみ | 湿度や取り扱い時の不注意などで紙自体にしわ、ふくらみやへこみが発生することがあります。 | |
折れ | シートの持ち方によっては軽く折り目がついてしまう場合がありますので気をつけましょう。 | |
テープ跡 | シートを固定するためにセロハンテープなどを使うと跡が残ってしまいます、絶対やめましょう。 | |
台紙からの剥離 | シートの重みで、固定されていた台紙から落ちてきた状態。 |
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版画など紙の作品は光に弱いため、直射日光の当たる場所に飾ることは避けてください。 日焼けや退色の原因になります。蛍光灯も紫外線が強いため作品に悪影響を与えることもありますので、光が直接作品に当たらないように配慮してください。スポット・ライトは演出効果はありますが照度が非常に強く使用には注意が必要です。 |
■外気に触れる玄関先やお風呂場の近く、冷暖房器具の側など激しく気温が変わる環境に作品を飾ったり置かないようにしましょう。 |
■湿度は作品の紙の波打ちやカビの原因になりますので、除湿機を利用するなど湿度にも気を配りましょう。 |
■作品の表面を保護するアクリル板はキズがつきやすく静電気を帯びやすいため、ほんの少し湿らせた柔らかな布で拭いてください。 |
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■ 壁掛け用フック(Xフック)をご使用の場合
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■ 取付に必要な工具 |
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石膏ボードには、センヌキ、マイナスドライバー、鍵など、平らな面を有する金具を使って釘を押し込むだけで簡単に留めることができます。 ベニヤなどの木質新建材には、金槌を用意してください。 石こうクギは、石膏ボード9mm以上、薄ベニヤ5mm以上に適します。なお、吸音ボード(石膏吸音ボード、ロックウール吸音板など)にはご使用できません。 |
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