アウスラーの夢の中のウサギ。その友達はカエルだった。なんで!何の脈絡も無いじゃない!でも夢の中なら何でもありなのです。笑顔のウサギは意地悪そうなカエルに何を話すのでしょう。たわいもない世間話かな。ひとつの常識を破るのもアートの仕事。どんな友人関係か想像してみてください。
「人々が最もひきつけられるのは顔だ」というアウスラーの作品はどれも人間の顔だけが主題となっている。つまり人体の顔の部分がのっぺらぼうになっていて、それをスクリーンがわりに目を閉じたり口をあけておしゃべりしたりといった人間の表情のビデオを投影するのだ。2003年5月ニューヨーク、メトロ・ピクチャーズで発表された新作は、立体スクリーンがウサギやカエルの形をしていて、妙に面白く観客も大喜びだった。グロテスクといえばグロテスクだが、発想は可愛いものだったと、このドローイングから想像できる。ギャラリーに展示の作品は、ほとんど売約済みだったが、裏の倉庫から出してきてもらったものの1点。紙にアクリル絵の具で描いたオリジナル、ほかに同じものはない。