ウォール、1万3000個のドラム缶、ドイツ・オーバハウゼン・ガソメーターのプロジェクト
クリストの直筆サイン入りのプリントです。
『ウォール、1万3000個のドラム缶、ドイツ・オーバハウゼン・ガソメーター、1999』の構想段階に、クリストが描いたドローイング作品をオフセット・リトグラフ技法で再現したプリントです。
布を使って景観を変貌させるプロジェクトの影にかくれがちですが、ドラム缶を積み上げてつくるストラクチャーも、クリストとジャンヌ=クロードが長年続けてきている仕事です。
パリ時代の二人の代表作の一つは、1961年に制作された89個のドラム缶を積み上げ、パリの小径を封鎖した『ドラム缶の壁、鉄のカーテン』でしたが、その発展形とも呼べるのが、1999年にドイツで作られた『ザ・ウォール』でした。
使われなくなった円柱形のガスタンクを改装した展覧会スペースの内部に作られた壁のサイズは高さ26メートル、幅68メートル、奥行き7.23メートルあり、使われたドラム缶の数は1万3000個でした。
ほの暗い巨大展示空間に出現したマルチカラーの“壁面”を訪れた観客の数は、半年間で39万人にもおよびました。
このプリントは厚手の水彩・版画用紙に刷られ、クリストの直筆サインが鉛筆で入っています。
ドイツで出されたオープン・エディションのものですが、直筆サインいりのものは稀少です。