進化の話をする時に、必ずでてくる「進化の木」という図があります。海で生まれた細胞が、別れに分かれて今の多くの種が生まれたという考え方です。私たちはこの世界の頂点にいて、生き物を管理し、環境を制服しているように感じますが、この木の図をみていると、意外とそんなこともないかもしれないなと思えてきます。隣で寝ている猫も、昨日踏んづけてしまった虫も、この木の上では隣に並んでいるだけ。例えば、タコは無脊椎動物で、脳みそと足先の神経系の途切れ目がよくわからないらしいのですが、脊椎動物の犬と同じぐらいの思考能力があると考えられています。脊椎動物と無脊椎動物が別れるのは木のだいぶ下のあたりですが、それぞれ他の方法で思考能力が進化したということです。つまり、人間が知らないところで、まったく違う方法で、私たちより上のレベルに進化している生き物がいてもおかしくないのです。もしかしたら、昨日つぶした蚊が、宇宙と更新していたりするのかも。