自然界の作りだす形、色、光や空気が作品のモチーフである。
すでに「写真」として美しい対象の「均整」を、絵具をのせることで崩し、違う形を浮き上がらせながら、その現象をも取り込み、さらに「あるもの」を引き出していく。
自己の感覚と印象に近づけるため、再生と構築を繰り返し、自然(植物)の色や形(表情)を読み解いていく面白さ。時に筆を止め観察し、対象に翻弄されることを味わい、許容し、見つけていく自然発生的な行為の中から生まれる作品です。
とても興味深いのは、そういった自然にゆだねながら描く行為や対象のあるがままの形態の許容が、まさに「nature」としてタイトル付けられることです。