ところどころ剥がれ落ち、曖昧、不完全に残っていくかのような記憶。
そんな記憶の風景の境界線をトレースした2011年作品に最近加筆した作品です。
最近視線の先、視界の端に虹色が見えて見返すことが度々あり、
そのようなことから、この薄れていく記憶に虹をかけてみました。
過去作品に色相のグラデーションを入れる制作を通して、過去の自分と向き合う感覚を強く意識するようになりました。10年以上前の自分は何を見、何を考え、何に意識を向けて制作していたのか、現在も変わらないこと、変わったこと、いろいろですが、真摯に向き合う姿勢は最後まで大切にしたいと改めて感じる機会になっています。
また、これらの風景の多くはは2011年より以前に車で道の駅などで睡眠をとりつつ日本中を回っていた時に撮りためた写真がベースになっています。