板谷氏が握る筆やペンで運ばれるアクリル絵具や顔料インク。それらが表す図像のひとつずつが、まるで有機物に転生したように躍動しながら見るものの心に深く入り込みます。
細密画、ペン画のジャンルで異才はすでに数多く活躍していますが、彼女は具象を離れた抽象感覚、内なるエモーションと無意識の世界を融合させることで他にない独自性を見せながら日々成長しつつあり、様々な美術関係者に着目されるようになっています。
本作は、抽象的な模様、パターンの塗りの筆使いが印象的なカラーシリーズから自薦の一作です。巧緻な仕掛けを含みながらもグラフィカルで特有の配色美があり、巨細に見て楽しめる新しい境地を示しています。飾りやすいこぶりなサイズも魅力的。個展「opening」(’26年、恵比寿・AL)にて展示され好評を博しました。